JP6589129B2 - 膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ポータブル電源、携帯機器用電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用する高分子電解質を用いた燃料電池に関するものである。
従来の一般的な燃料電池は、高分子電解質膜の両側に燃料極と酸化剤極を形成した膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備え、少なくとも水素を含む燃料ガスをアノードに供給し、少なくとも酸素を含む酸化剤ガスをカソードに供給することにより発電していた。
燃料ガスには、一般的にメタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、灯油、軽油、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの炭化水素系燃料を原燃料とし、原燃料を改質触媒で水蒸気改質することにより生成され、その主生成物は水素である。
しかしながら、原燃料に窒素が含まれると、改質触媒上で、水素と窒素が反応し、副生成物としてアンモニアを生成する場合がある。アンモニアを含んだ燃料ガスが燃料電池に供給されると、電池電圧が低下するという課題が発生していた。
そこで、改質して生成した燃料ガス中に含まれる不純物であるアンモニアを燃料電池に供給しないために、燃料ガス供給経路にラジカル反応によりアンモニアを分解することができるアンモニア除去部を備えることで、アンモニアを除去した燃料ガスを燃料電池へ供給する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2014−10932号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、アンモニア分解反応に必要なラジカルが、対極から高分子電解質膜を介してクロスリークするガスにより生成するため、ラジカル生成領域およびアンモニア分解領域は、アンモニア除去部の電解質膜と電極の界面の局所領域のみとなり、アンモニア分解に有効な反応領域が狭い。
また、ラジカルは、反応性が非常に高く、アンモニア以外のアンモニア除去部の構成材料とも反応するため、アンモニア分解効率が低い。
その結果、アンモニア除去部を用いても、アンモニアの除去が十分ではなく、アンモニアを含む燃料ガスが燃料電池のアノードに供給され、そのアンモニアがカソードに透過しカソード触媒に特異吸着することで、電池電圧が低下するといった課題があった。
また、アンモニア除去部を追加することで、システムが複雑化し、大型化するという課題があった。更に、コストも高くなるといった課題があった。
上記従来の課題を解決するために、本発明による膜電極接合体は、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の表面に設けられたアノードと、前記高分子電解質膜の他方の表面に設けられたカソードと、を具備する、膜電極接合体であって、前記アンモニア分解触媒層は、イオン交換樹脂とアンモニア分解触媒から構成され、前記アンモニア分解触媒層のイオン交換樹脂は、前記高分子電解質膜のイオン交換樹脂に比べて高いイオン交換容量を有し、前記アンモニア分解触媒層は、前記膜電極接合体の高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられたのである。
これにより、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができる。その結果、アンモニアによる電池電圧の低下を抑制することができる。
本発明によれば、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、アンモニアによる電池電圧の低下を抑制することができる。また、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができるという効果を奏する。また、アンモニア分解触媒層にプロトン導電性を付与して、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜のプロトン導電性の低下を抑制することができ、アンモニア分解触媒層のイオン交換樹脂を、高分子電解質膜のイオン交換樹脂に比べて高いイオン交換容量を有するイオン交換樹脂とすることにより、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上させることができる。また、アンモニア分解触媒層の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持して、アンモニア分解触媒層のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態2にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態3にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態4にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態5にかかる燃料電池の概略構成の断面図
第1の発明は、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の表面に設けられたアノードと、前記高分子電解質膜の他方の表面に設けられたカソードと、を具備する、膜電極接合体であって、前記アンモニア分解触媒層は、イオン交換樹脂とアンモニア分解触媒から構成され、前記アンモニア分解触媒層のイオン交換樹脂は、前記高分子電解質膜のイオン交換樹脂に比べて高いイオン交換容量を有し、前記アンモニア分解触媒層は、前記膜電極接合体の高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられた、膜電極接合体である。
この構成により、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。更に、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
また、アンモニア分解触媒層を、イオン交換樹脂とアンモニア分解触媒と、から構成することにより、アンモニア分解触媒層にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜のプロトン導電性の低下を抑制することができる。また、アンモニア分解触媒層のイオン交換樹脂を、高分子電解質膜のイオン交換樹脂に比べて高いイオン交換容量を有するイオン交換樹脂とすることにより、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上させることができる。また、アンモニア分解触媒層の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持して、アンモニア分解触媒層のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
の発明は、特に、第の発明におけるアンモニア分解触媒を、Pt、Ru、Ni、Co、Cr、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素とすることにより、アンモニア分解触媒層のアンモニアの分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
の発明は、特に、第1または第2の発明におけるアンモニア分解触媒を、アンモニア分解触媒粒子と担体とを備え、アンモニア分解触媒粒子が担体に担持されてなるアンモニア分解触媒とすることにより、アンモニア分解触媒の凝集や偏析を防止することができ、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明におけるアンモニア分解触媒層を、膜電極接合体の高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けることとする。
これにより、アンモニア分解触媒層の上限電位をアノード電位に対して0.68Vより低い電位に保持でき、アンモニア分解触媒の酸化を抑制することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明の膜電極接合体を一対のアノードセパレータとカソードセパレータによって挟んで構成される少なくとも一つのセルを含む、燃料電池である。
の発明は、特に、第の発明におけるアンモニア分解触媒層を、燃料電池の発電時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けることとする。
これにより、燃料電池の発電時に、アンモニア分解触媒層の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持でき、燃料電池の発電時おけるアンモニア分解触媒層のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
の発明は、特に、第の発明におけるアンモニア分解触媒層を、燃料電池の起動時もしくは停止時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けることとする。
これにより、燃料電池の起動時もしくは停止時に、アンモニア分解触媒層の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持でき、燃料電池の起動時もしくは停止時におけるアンモニア分解触媒層のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
の発明は、特に、第の発明におけるアンモニア分解触媒層を、燃料電池の発電時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けることとする。
これにより、燃料電池の発電時に、アンモニア分解触媒層の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持でき、燃料電池の発電時における、アンモニア分解触媒層のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
また、燃料電池の発電時に、アンモニア分解触媒層の上限電位をアノード電位に対して0.68Vより低い電位に保持でき、燃料電池の発電時に、アンモニア分解触媒の酸化を抑制することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
の発明は、特に、第の発明におけるアンモニア分解触媒層を、燃料電池の起動時もしくは停止時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けることとする。
これにより、燃料電池の起動時もしくは停止時に、アンモニア分解触媒層の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持でき、燃料電池の発電時における、アンモニア分解触媒層のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
また、燃料電池の起動時もしくは停止時に、アンモニア分解触媒層の上限電位をアノード電位に対して0.68Vより低い電位に保持でき、燃料電池の起動時もしくは停止時における、アンモニア分解触媒の酸化を抑制することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる燃料電池100の要部断面図である。
図1に示す燃料電池100は、膜電極接合体90とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池100が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
アノード側セパレータ70aの膜電極接合体90に臨む面には、燃料ガス流路71aが設けられている。同様にカソード側セパレータ70bの膜電極接合体90に臨む面には、酸化剤ガス流路71bが設けられている。
膜電極接合体90は、アンモニア分解触媒層80を有する高分子電解質膜10と、高分子電解質膜10を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
燃料電池100は、アノード60aに供給される燃料ガスと、カソード60bに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行う。酸化剤ガスは、空気を用いる。
燃料ガスは、燃料改質器(図示せず)に都市ガスを原燃料として供給し、水蒸気改質反応により生成される水素含有ガスを用いる。都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。この都市ガス中には、微量の窒素が含まれており、窒素と生成した水素とが反応し、アンモニアが生成される。
アンモニアを含んだ燃料ガスがアノード60aに供給されると、アンモニアがアノード60aおよび高分子電解質膜10を透過し、カソード60bに拡散する。その結果、カソード60bの触媒にアンモニアが特異吸着し、電池電圧を低下させる。
本実施の形態では、アンモニア分解触媒層80を有する高分子電解質膜10を用いることにより、アンモニアを含む燃料ガスがアノード60aに供給される場合であっても、高分子電解質膜10に設けられたアンモニア分解触媒層80にてアンモニアが分解されるため、カソード60bの触媒へのアンモニアの特異吸着および電池電圧の低下を防止することができる。
アンモニア分解触媒層80の酸性雰囲気におけるアンモニアの分解反応は、アノード電位に対して0.35V以上高い電位で起こることを実験的に確認した。また、アノード電位に対して0.35V以上1.00V未満の電位領域では、アンモニア分解触媒層80の電位の上昇に伴って、アンモニアの分解反応速度が増加することを実験的に確認した。
具体的には、アンモニアが、カソード60bの触媒に特異吸着した状態で、飽和加湿条件の不活性雰囲気におけるボルタモグラムを評価した結果、アノード電位に対して0.35V以上高い電位領域から、アンモニアの分解反応に由来する酸化電流が観測された。
また、アンモニア分解触媒層の電位の上昇に伴って、アンモニアの分解反応に由来する酸化電流の増加が観測されたためである。また、前記実験において、アンモニアの分解反応は、飽和加湿条件の不活性雰囲気下で進行していることから、触媒に特異吸着したアンモニアが、触媒上に吸着した水および酸素種(OH)と反応することで、アンモニアが酸化分解されたと考えられる。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層80を有する高分子電解質膜10について説明する。
アンモニア分解触媒層80は、アンモニア分解触媒20とイオン交換樹脂30とを備える。この構成によりアンモニア分解触媒層80にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層80を有する高分子電解質膜10のプロトン導電性の低下を抑制することができる。
アンモニア分解触媒層80は、高分子電解質膜10のカソード側最表面に設けられており、且つ、カソード60bと接触する位置に設けられている。高分子電解質膜10のカソード側最表面にアンモニア分解触媒層80を設けることにより、アンモニア分解触媒層80の電位をカソード電位と同等以上の電位に保持できる。
その結果、アンモニアを含む燃料ガスがアノード60aに供給される場合であっても、高分子電解質膜10に設けられたアンモニア分解触媒層80にてアンモニアが分解されるため、カソード60bの触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧
の低下を抑制することができる。
より具体的には、定格運転電流が50A、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池100を運転したところ、カソード電位は0.75Vとなる。
また、この場合、アンモニア分解触媒層80はアノード電位に対して0.75V以上高い電位と想定される。また、アンモニア分解触媒層80を構成するアンモニア分解触媒20は、Ptとする。また、イオン交換樹脂30は、イオン交換容量が0.9meq/gのパーフルオロスルホン酸とする。
この構成により、アンモニア分解触媒層80の反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができ、効果的にアンモニアを除去することができる。
以上のように、本実施の形態1では、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒層にイオン交換樹脂を備えることで、アンモニア分解触媒層にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜のプロトン導電性の低下を抑制することができる。その結果、燃料電池システムを、小型化、簡素化および低コスト化することができる。
なお、本実施の形態においては、原燃料を、都市ガスとしたが、これ以外にも、天然ガス、LPG、LNG等の炭化水素や、メタノール、エタノール等を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒20を、Ptとしたが、これ以外にも、Ru、Ni、Co、Cr、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)とすることもできる。
また、本実施の形態においては、イオン交換樹脂30をパーフルオロスルホン酸としたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2にかかる燃料電池101の要部断面図である。
図2に示す燃料電池101は、膜電極接合体91とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池101が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
膜電極接合体91は、アンモニア分解触媒層80を有する高分子電解質膜11と、高分子電解質膜11を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層80を有する高分子電解質膜1
1について説明する。
アンモニア分解触媒層80は、燃料電池101の発電時に、膜電極接合体91の高分子電解質膜11の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜11の混成電位領域に設けられている。
高分子電解質膜11の混成電位(E)は、下記のネルンスト式で表される。
E=E0−RT/2F×ln{a(H2O)/(a(H+2×a(O21/2)}
ここで、Rは気体定数、Tは温度、Fはファラデー定数、E0は標準電位、a(H2O)は水の活量、a(H+)はプロトンの活量、a(O2)は酸素の活量である。
より具体的には、水素ガス透過係数が
6.5×10-9cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1
(測定条件80℃、90%RH)
および酸素ガス透過係数が
3.5×10-9cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1
(測定条件80℃、90%RH)
の20μmの膜厚を有する高分子電解質膜11を用いて、定格運転電流が50A、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池101を運転する。
この時、アンモニア分解触媒層80は、アノード側の高分子電解質膜11の最表面よりも、高分子電解質膜11の厚み方向に16μm以上の位置に設けることとする。また、アンモニア分解触媒層80を構成するアンモニア分解触媒20は、Ptとする。
また、イオン交換樹脂30は、イオン交換容量が0.9meq/gのパーフルオロスルホン酸とする。この構成により、高分子電解質膜11内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜11の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層80を設けることができる。
この構成により、アンモニア分解触媒20の反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。更に、アンモニア分解触媒20の酸化劣化を抑制することができるため、アンモニア分解触媒20の耐久性を向上させることができる。
以上の膜電極接合体91および高分子電解質膜11を除く、燃料電池101の構成は、実施の形態1に示す燃料電池100と同様の構成とする。よって、図1と共通する構成要素については、同一の符号および名称をつけて、詳細な説明は省略する。
以上のように本実施の形態2では、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にて効果的にアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒層にイオン交換樹脂を備えることで、プロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜のプロトン導電性の低下を抑制することができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
また、本実施の形態においては、燃料電池101の発電時に高分子電解質膜11の混成
電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜11の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層80を設けたが、これ以外にも、アノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜11の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層80を設けることもできる。
このアノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜11の混成電位になる領域にアンモニア分解触媒層80を設ける場合、アンモニア分解触媒層80の保持電位の上昇に伴ってアンモニア分解速度は向上するが、一方で、アンモニア分解触媒20の耐久性低下が懸念される。
そのため、アンモニア分解触媒層80を1.00V以上の高電位条件に保持する場合には、安定性の高いPtなどの貴金属触媒をアンモニア分解触媒20に用いることとする。
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3にかかる燃料電池102の要部断面図である。
図3に示す燃料電池102は、膜電極接合体92とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池102が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
膜電極接合体92は、アンモニア分解触媒層81を有する高分子電解質膜12と、高分子電解質膜12を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層81を有する高分子電解質膜12について説明する。
アンモニア分解触媒層81は、アンモニア分解触媒21とイオン交換樹脂30とを備える。
この構成により、アンモニア分解触媒層81にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層81を有する高分子電解質膜12のプロトン導電性の低下を抑制することができる。
アンモニア分解触媒層81は、燃料電池102の起動時もしくは停止時の開回路状態における、膜電極接合体92の高分子電解質膜12の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜12の混成電位領域に設けられている。
より具体的には、水素ガス透過係数が
6.5×10-9 cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1(測定条件80℃、90%RH)
および酸素ガス透過係数が
3.5×10-9 cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1(測定条件80℃、90%RH)
の20μmの膜厚を有する高分子電解質膜12を用いて、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの供給量は定格運転電流が0.05Aにおけるガス利用率が80%相当のガス量、酸素含有ガスの供給量は定格運転電流が0.05Aにおけるガス利用率が50%相当のガス量を燃料電池102に供給し、燃料電池102を開回路にする。
この時、アンモニア分解触媒層81は、アノード側の高分子電解質膜12の最表面よりも、高分子電解質膜12の厚み方向に14μm以上の位置に設ける。また、アンモニア分解触媒21は、アンモニア分解触媒粒子40と担体50とを備え、アンモニア分解触媒粒
子40は担体50に担持されている。
アンモニア分解触媒粒子40は、Ptとし、担体50は酸化ジルコニウムとする。この構成により、アンモニア分解触媒21の反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。また、アンモニア分解触媒粒子40を担体50に担持することにより、アンモニア分解触媒粒子40の凝集や偏析を防止することができ、アンモニア分解触媒21の耐久性を向上させることができる。
また、イオン交換樹脂30は、イオン交換容量が0.9meq/gのパーフルオロスルホン酸とする。この構成により、高分子電解質膜12の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜12の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層81を設けることができる。
以上の膜電極接合体92、高分子電解質膜12、アンモニア分解触媒層81、アンモニア分解触媒粒子40および担体50を除く、燃料電池102の構成は、実施の形態1、実施の形態2に示す燃料電池と同様の構成とする。よって、図1、図2とで共通する構成要素については、同一の符号および名称をつけて、詳細な説明は省略する。
以上のように本実施の形態3では、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にて効果的にアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒の酸化劣化および凝集や偏析を抑制することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。また、アンモニア分解触媒層にイオン交換樹脂を備えることで、プロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜のプロトン導電性の低下を抑制することができる。その結果、燃料電池システムを簡素化および低コスト化することができる。
なお、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒粒子40をPtとしたが、これ以外にもRu、Ni、Co、Cr、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒とすることができる。なお、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)や、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)とすることもできる。
また本実施の形態においては、担体50を酸化ジルコニウムとしたが、これ以外にも、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物や、炭素粉末(グラファイト、カーボンブラック、活性炭等)とすることもできる。
また、本実施の形態においては、燃料電池102の起動時もしくは停止時に高分子電解質膜12の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜12の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層81を設けたが、これ以外にも、アノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜12の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層81を設けることもできる。
このアノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜12の混成電位になる領域にアンモニア分解触媒層81を設ける場合、アンモニア分解触媒層81の保持電位の上昇に伴ってアンモニア分解速度は向上するが、一方で、アンモニア分解触媒21の耐久性低下が懸念される。
そのため、アンモニア分解触媒層81を高電位条件に保持する場合には、安定性の高いPtなどの貴金属触媒をアンモニア分解触媒20に用いることとする。また、アンモニア分解触媒21の凝集や偏析を防止することができるアンモニア分解触媒粒子40が担体50に担持されたアンモニア分解触媒21を用いることとする。
(実施の形態4)
図4は、実施の形態4にかかる燃料電池103の要部断面図である。
図4に示す燃料電池103は、膜電極接合体93とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池103が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
膜電極接合体93は、アンモニア分解触媒層81を有する高分子電解質膜13と、高分子電解質膜13を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層81を有する高分子電解質膜13について説明する。
アンモニア分解触媒層81は、燃料電池103の発電時における、膜電極接合体93の高分子電解質膜13の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜13の混成電位領域に設けられている。
この構成により、アンモニア分解触媒層81の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持でき、アンモニア分解触媒層81のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
また、アンモニア分解触媒層81の上限電位をアノード電位に対して0.68Vより低い電位に保持でき、アンモニア分解触媒粒子40の酸化を抑制することができるため、アンモニア分解触媒21の耐久性を向上させることができる。
より具体的には、例えば水素ガス透過係数が
6.5×10-9 cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1(測定条件80℃、90%RH)および酸素ガス透過係数が
3.5×10-9 cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1(測定条件80℃、90%RH)の20μmの膜厚を有する高分子電解質膜13を用いて、定格運転電流が50A、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池103を運転する。
この時、アンモニア分解触媒層81は、アノード側の高分子電解質膜13の最表面よりも、高分子電解質膜13の厚み方向に16μm〜18μmの位置に設ける。また、アンモニア分解触媒層81を構成するアンモニア分解触媒21は、酸化ジルコニウムに分散担持されたPtとする。
また、イオン交換樹脂30は、イオン交換容量が0.9meq/gのパーフルオロスルホン酸とする。この構成により、高分子電解質膜13の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜13の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層81を設けることができる。その結果、アンモニア分解触媒21の反応速度、アンモニア除去率、およびアンモニア分解触媒21の耐久性を向上させることができる。
以上の膜電極接合体93、高分子電解質膜13を除く、燃料電池103の構成は、実施
の形態3に示す燃料電池102と同様の構成とする。よって、図3と共通する構成要素については、同一の符号および名称をつけて、詳細な説明は省略する。
以上のように本実施の形態4では、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にて効果的にアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒の酸化劣化を抑制することができ、更に、アンモニア分解触媒の凝集や偏析を防止することができるため、アンモニア分解触媒の劣化を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒層にイオン交換樹脂を備えることで、プロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜のプロトン導電性の低下を抑制することができる。その結果、燃料電池システムの小型化、簡素化および低コスト化することができる。
なお、本実施の形態においては、燃料電池103の発電時に高分子電解質膜13の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜13の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層81を設けたが、これ以外にも、アノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜13の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層81を設けることもできる。
このアノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜13の混成電位になる領域にアンモニア分解触媒層81を設ける場合、アンモニア分解触媒層81の保持電位の上昇に伴ってアンモニア分解速度は向上するが、一方で、アンモニア分解触媒21の耐久性低下が懸念される。
そのため、アンモニア分解触媒層81を高電位条件に保持する場合には、安定性の高いPtなどの貴金属触媒をアンモニア分解触媒20に用いることとする。また、アンモニア分解触媒21の凝集や偏析を防止することができるアンモニア分解触媒粒子40が担体50に担持されたアンモニア分解触媒21を用いることとする。
(実施の形態5)
図5は、実施の形態5にかかる燃料電池104の要部断面図である。
図5に示す燃料電池104は、膜電極接合体94とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池104が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
膜電極接合体94は、アンモニア分解触媒層82を有する高分子電解質膜14と、高分子電解質膜14を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層82を有する高分子電解質膜14について説明する。
アンモニア分解触媒層82は、アンモニア分解触媒21およびイオン交換樹脂31を備える。
イオン交換樹脂31のイオン交換容量は、高分子電解質膜14に含まれるイオン交換樹
脂に比べて高いイオン交換容量とする。ここでは、高分子電解質膜14に含まれるイオン交換容量は0.9meq/gとし、イオン交換樹脂31のイオン交換容量は1.2meq/gとする。この構成により、アンモニア分解触媒層82およびアンモニア分解触媒層82を有する高分子電解質膜14のプロトン導電性を向上させることができる。
アンモニア分解触媒層82は、燃料電池104の起動時もしくは停止時の開回路状態における、膜電極接合体94の高分子電解質膜14の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜14の混成電位領域に設けられている。
この構成により、アンモニア分解触媒層82の電位をアノード電位に対して0.35Vより高い電位に保持でき、アンモニア分解触媒層82のアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
また、アンモニア分解触媒層82の上限電位をアノード電位に対して0.68Vより低い電位に保持でき、アンモニア分解触媒21の酸化を抑制することができるため、アンモニア分解触媒21の耐久性を向上させることができる。
より具体的には、水素ガス透過係数が
6.5×10-9 cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1(測定条件80℃、90%RH)および酸素ガス透過係数が
3.5×10-9 cm3(STD)cm cm-2-1 cmHg-1(測定条件80℃、90%RH)の20μmの膜厚を有する高分子電解質膜14を用いて、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの供給量は定格運転電流が0.05Aにおけるガス利用率が80%相当のガス量、酸素含有ガスの供給量は定格運転電流が0.05Aにおけるガス利用率が50%相当のガス量を供給し、燃料電池104を開回路にする。
この時、アンモニア分解触媒層82は、アノード側の高分子電解質膜14の最表面よりも、高分子電解質膜14の厚み方向に14μm〜17μmの位置に設ける。この構成により、高分子電解質膜14の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜14の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層82を設けることができる。
また、アンモニア分解触媒層82を構成するアンモニア分解触媒21は、酸化ジルコニウムに分散担持されたPtとする。また、イオン交換樹脂31は、イオン交換容量が1.2meq/gのパーフルオロスルホン酸とする。
その結果、アンモニア分解触媒21の反応速度、アンモニア除去率、およびアンモニア分解触媒21の耐久性を向上させることができる。この構成により、アンモニア分解触媒層82およびアンモニア分解触媒層82を有する高分子電解質膜14のプロトン導電性を向上させることができる。
以上の膜電極接合体94、高分子電解質膜14、アンモニア分解触媒層82およびイオン交換樹脂31を除く、燃料電池104の構成は、実施の形態3、実施の形態4に示す燃料電池と同様の構成とする。よって、図3、図4と共通する構成要素については、同一の符号および名称をつけて、詳細な説明は省略する。
以上のように本実施の形態5では、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にて効果的にアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、
電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒の酸化劣化を抑制することができ、更に、アンモニア分解触媒の凝集や偏析を防止することができるため、アンモニア分解触媒の劣化を抑制することができる。
またアンモニア分解触媒層に高分子電解質膜のイオン交換容量よりも高いイオン交換容量を有するイオン交換樹脂を備えることで、アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜のプロトン導電性を向上させることができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
なお本実施の形態においては、イオン交換樹脂31のイオン交換容量を1.2meq/gとしたが、これに限定されるものではなく、イオン交換樹脂31のイオン交換容量が、高分子電解質膜14に含まれるイオン交換樹脂に比べて高いイオン交換容量となるように、イオン交換樹脂31のイオン交換容量を適当に設定することができる。
また、本実施の形態においては、燃料電池104の発電時に高分子電解質膜14の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜14の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層82を設けたが、これ以外にも、アノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜14の混成電位になる場所にアンモニア分解触媒層82を設けることもできる。
このアノード電位に対して1.00V以上高い高分子電解質膜14の混成電位になる領域にアンモニア分解触媒層82を設ける場合、アンモニア分解触媒層82の保持電位の上昇に伴ってアンモニア分解速度は向上するが、一方で、アンモニア分解触媒21の耐久性低下が懸念される。
そのため、アンモニア分解触媒層81を高電位条件に保持する場合には、安定性の高いPtなどの貴金属触媒をアンモニア分解触媒20に用いることとする。また、アンモニア分解触媒21の凝集や偏析を防止することができるアンモニア分解触媒粒子40が担体50に担持されたアンモニア分解触媒21を用いることとする。
本発明の膜電極接合体は、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、アンモニアによる電池電圧の低下を抑制することができるので、ポータブル電源、携帯機器用電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用する高分子電解質を用いた燃料電池に適用できる。
10 高分子電解質膜
11 高分子電解質膜
12 高分子電解質膜
13 高分子電解質膜
14 高分子電解質膜
20 アンモニア分解触媒
21 アンモニア分解触媒
30 イオン交換樹脂
31 イオン交換樹脂
40 アンモニア分解触媒粒子
50 担体
60a アノード
60b カソード
70a アノード側セパレータ
70b カソード側セパレータ
71a 燃料ガス流路
71b 酸化剤ガス流路
90 膜電極接合体
91 膜電極接合体
92 膜電極接合体
93 膜電極接合体
94 膜電極接合体
100 燃料電池
101 燃料電池
102 燃料電池
103 燃料電池
104 燃料電池

Claims (9)

  1. アンモニア分解触媒層を有する高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の表面に設けられたアノードと、前記高分子電解質膜の他方の表面に設けられたカソードと、を具備する、膜電極接合体であって、
    前記アンモニア分解触媒層は、イオン交換樹脂とアンモニア分解触媒から構成され、
    前記アンモニア分解触媒層のイオン交換樹脂は、前記高分子電解質膜のイオン交換樹脂に比べて高いイオン交換容量を有し、
    前記アンモニア分解触媒層は、前記膜電極接合体の高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられた、膜電極接合体。
  2. 前記アンモニア分解触媒は、Pt、Ru、Ni、Co、Cr、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む、請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記アンモニア分解触媒は、アンモニア分解触媒粒子と担体とを備え、前記アンモニア分解触媒粒子は前記担体に担持されてなる、請求項1または2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記アンモニア分解触媒層は、前記膜電極接合体の高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられた、請求項1から3のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の膜電極接合体を一対のアノードセパレータとカソードセパレータによって挟んで構成される少なくとも一つのセルを含む、燃料電池。
  6. 前記アンモニア分解触媒層は、前記燃料電池の発電時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられた、請求項に記載の燃料電池。
  7. 前記アンモニア分解触媒層は、前記燃料電池の起動時もしくは停止時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V以上高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられた、請求項に記載の燃料電池。
  8. 前記アンモニア分解触媒層は、前記燃料電池の発電時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられた、請求項に記載の燃料電池。
  9. 前記アンモニア分解触媒層は、前記燃料電池の起動時もしくは停止時に、高分子電解質膜内の混成電位がアノード電位に対して0.35V〜0.68V高い高分子電解質膜内の混成電位領域に設けられた、請求項に記載の燃料電池。
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