JP2018073457A - 燃料電池用触媒インク、燃料電池用電極、膜電極接合体、および燃料電池並びに燃料電池用触媒インクの製造方法 - Google Patents

燃料電池用触媒インク、燃料電池用電極、膜電極接合体、および燃料電池並びに燃料電池用触媒インクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析を低減して、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させる。【解決手段】燃料電池用触媒インク900は、白金触媒粒子(触媒粒子400)と、炭素粒子(導電性粒子500)と、ギ酸(表面エネルギー低下物質300)と、パーフルオロスルホン酸アイオノマー(アイオノマー200)を含有し、ギ酸が白金触媒粒子表面に吸着している。その結果、白金触媒粒子の表面エネルギーが低下し、白金触媒粒子とパーフルオロスルホン酸アイオノマーとの電子的相互作用が小さくなって、燃料電池用触媒インク900に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が低減され、白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減できる。【選択図】図3

Description

本発明は、ポータブル電源、携帯機器用電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用する電解質膜を用いた燃料電池の燃料電池用触媒インク、燃料電池用電極、膜電極接合体、および燃料電池並びに燃料電池用触媒インクの製造方法に関するものである。
従来の一般的な燃料電池は、電解質膜の両主面にアノードとカソードを形成した膜電極接合体を備え、少なくとも水素を含む燃料ガスをアノードに供給し、少なくとも酸素を含む酸化剤ガスをカソードに供給することにより発電する。
アノードおよびカソードには、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応を促進するために、化学的に安定な導電性粒子表面に触媒粒子が高分散担持された粒子と、イオン導電性のアイオノマーからなる触媒層を有する。この触媒層は、触媒インクを電解質膜もしくは電極基材上に塗布し、乾燥させることにより形成される。
触媒インクは、化学的に安定な直径数十ナノメーターの炭素からなる導電性粒子表面に高分散担持された直径数ナノメーター程度の貴金属からなる触媒粒子と、アイオノマーを水アルコール溶媒に分散させたアイオノマー溶液と、水と、多価アルコールから構成されている(特許文献1参照)。
特開2014−135229号公報
しかしながら、貴金属からなる触媒粒子は、触媒粒子を構成する貴金属原子からなり、触媒粒子径が小さいため、触媒粒子の表面に露出していない原子数に比べて、触媒粒子表面に露出した原子数の比率が非常に高くなる。外殻の触媒粒子の原子は、結合が切断されているため、不飽和な結合を有しており、正電荷を帯びると共に、高い表面エネルギーを有する。
一方、触媒粒子が担持された炭素からなる導電性粒子の直径は、触媒粒子よりも約10倍以上大きく、また炭素からなる導電性粒子の表面は、平面方向に炭素原子同士の共有結合が形成され、不飽和な結合が少ないため、触媒粒子に比べて低い表面エネルギーを有する。
また、アイオノマーは、疎水性のフッ素骨格と、親水性のスルホン酸基から構成されており、アイオノマー溶液中でのアイオノマーは、イオン交換基であるスルホン酸基からプロトンが解離し、スルホン酸基が負電荷を帯びる。
高い表面エネルギーを有する触媒粒子表面は、触媒粒子表面近傍の物質を触媒粒子表面に吸着させることで、表面エネルギーを下げ、安定化する。また、触媒粒子表面は正電荷を帯び、溶媒中で負電荷を帯びるため、アイオノマーのスルホン酸基が触媒粒子表面に特異吸着する。
その結果、特許文献1の触媒インクでは、導電性粒子に比べて、触媒粒子表面にアイオノマーが選択的に吸着し易く、触媒粒子表面にアイオノマーが偏析し、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗が増加するという課題があった。
そこで本発明は、触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析を低減して、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることを目的としている。
上記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池用触媒インクは、触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質と、アイオノマー溶液を含有する燃料電池用触媒インクであって、表面エネルギー低下物質が、触媒粒子の表面に吸着していることを特徴とする。
これにより、表面エネルギー低下物質から触媒粒子表面に電子が供与されることで、触媒粒子表面の不飽和な結合が減少し、触媒粒子の表面エネルギーが低下するため、触媒とアイオノマーとの電子的相互作用が小さくなる。その結果、触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析が低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
本発明によれば、導電性粒子に比べて高い表面エネルギーを有する触媒粒子と、触媒粒子よりも低い表面エネルギーを有する導電性粒子と、アイオノマー溶液を含む触媒インクであっても、触媒粒子に表面エネルギー低下物質を吸着させることで、表面エネルギー低下物質から触媒粒子表面に電子が供与されることで、触媒粒子表面の不飽和な結合が減少することで、触媒粒子の表面エネルギーが低下するため、触媒とアイオノマーとの電子的相互作用が小さくなる。
その結果、触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析が低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
本発明の実施の形態1による燃料電池の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態1による膜電極接合体の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態1による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態1による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態2による燃料電池の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態2による膜電極接合体の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態2による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態2による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態3による燃料電池の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態3による膜電極接合体の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態3による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態3による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態4による燃料電池の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態4による膜電極接合体の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態4による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態4による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャート
第1の発明の燃料電池用触媒インクは、触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質と、アイオノマー溶液を含有する燃料電池用触媒インクであって、表面エネルギー低下物質が、触媒粒子表面に吸着していることを特徴とする。
これにより、表面エネルギー低下物質から触媒粒子表面に電子が供与され、触媒粒子表面の不飽和な結合が減少することで、触媒粒子の表面エネルギーが低下するため、触媒とアイオノマーとの電子的相互作用が小さくなる。その結果、触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析が低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明における表面エネルギー低下物質と触媒粒子との結合エネルギーが、アイオノマーのイオン交換基と触媒粒子との結合エネルギーに比べて、高い結合エネルギーを有するものである。
これにより、触媒インク中の触媒粒子表面からの表面エネルギー低下物質の脱離が抑制され、触媒粒子への表面エネルギー低下物質の被覆率が向上するため、触媒粒子へのアイオノマーの偏析がより低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗をより低減させることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明における触媒粒子表面に吸着した表面エネルギー低下物質が、酸素存在下で60℃以上の温度において、触媒粒子表面より脱離するものである。
これにより、酸素存在下で60℃以上の温度にすれば、触媒表面から表面エネルギー低下物質を除去することが出来るため、触媒表面に表面エネルギー低下物質が残留し、触媒粒子の電気化学反応を阻害することを簡単に防止することができる。
第4の発明は、特に、第1から第3の発明における触媒粒子表面に吸着した表面エネルギー低下物質が、可逆水素電極電位に対して、0.9V以上高い電極電位において、触媒粒子表面より脱離するものである。
これにより、可逆水素電極電位に対して、0.9V以上高い電極電位にすれば、触媒粒子表面から表面エネルギー低下物質を除去することが出来るため、触媒粒子表面に表面エネルギー低下物質が残留し、触媒粒子の電気化学反応を阻害することを簡単に防止することができる。
第5の発明の燃料電池用電極は、特に、第1から第4の発明の燃料電池用触媒インクが塗布、乾燥されることで形成されるのである。
これにより、反応ガスおよびプロトンなどの物質輸送特性が優れた燃料電池用電極を得ることができる。
第6の発明の膜電極接合体は、特に、第5の発明の燃料電池用電極を、電解質膜の主面の少なくともどちらか一方に有するものである。
これにより、反応ガスおよびプロトンなどの物質輸送特性が優れた高分子形燃料電池の膜電極接合体を得ることができる。
第7の発明の燃料電池は、特に、第8の発明の膜電極接合体と、膜電極接合体を間に挟む一対のセパレータと、を有するものである。
これにより、反応ガスおよびプロトンなどの物質輸送特性が優れた高分子形燃料電池を得ることができる。
第8の発明の燃料電池用触媒インクの製造方法は、特に、第1から第4の発明の燃料電池用触媒インクの製造方法であって、触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質と、アイオノマー溶液を混合する工程を有するものである。
これにより、表面エネルギー低下物質が触媒粒子表面に吸着している燃料電池用触媒インクを製造することができ、触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析が低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
第9の発明の燃料電池用触媒インクの製造方法は、特に、第1から第4の発明の燃料電池用触媒インクの製造方法であって、触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質を予め混合させた触媒分散液に、アイオノマー溶液を添加し、混合する工程を有するものである。
これにより、触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質と、アイオノマー溶液を混合する際に、触媒粒子表面への表面エネルギー低下物質の被覆率がより向上するため、触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析がより低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗をより低減させることができる。
第10の発明の燃料電池用触媒インクの製造方法は、特に、第1から第4の発明の燃料電池用触媒インクの製造方法であって、不活性ガス雰囲気に曝した状態で、触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質を予め混合させた触媒分散液に、アイオノマー溶液を添加し、混合する工程を有するものである。
これにより、触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質と、アイオノマー溶液を混合する際に、触媒粒子表面への表面エネルギー低下物質の被覆率が更に向上するため、燃料電池用触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析が更に低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による燃料電池の概略構成を示す断面図であり、図2は本発明の実施の形態1による膜電極接合体の概略構成を示す断面図であり、図3は本発明の実施の形態1による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図であり、図4は本発明の実施の形態1による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャートである。
図1に示すように実施の形態1による燃料電池100は、膜電極接合体90と、アノードセパレータ70aと、カソードセパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池100が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
アノードセパレータ70aにおける膜電極接合体90に対向する面には、燃料ガス流路71aが設けられている。同様に、カソードセパレータ70bにおける膜電極接合体90に対向する面には、酸化剤ガス流路71bが設けられている。
図2に示すように、実施の形態1による膜電極接合体90は、電解質膜10と、電解質膜10を挟持するアノード60aと、カソード60bを備える。アノード60aは、電解質膜10側のアノード触媒層50aと、アノードセパレータ70a側のアノードガス拡散層40aから構成されている。カソード60bは、電解質膜10側のカソード触媒層50bと、カソードセパレータ70b側のカソードガス拡散層40bから構成されている。
燃料電池100は、燃料ガス流路71aからアノード60aに供給される燃料ガスと、酸化剤ガス流路71bからカソード60bに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行う。なお、酸化剤ガスには空気を用い、燃料ガスには水素含有ガスを用いる。
次に、本実施の形態における、アノード触媒層50aと、カソード触媒層50bを形成するための燃料電池用触媒インク900および、その製造方法について、より詳細に説明する。
図3に示すように、実施の形態1による燃料電池用触媒インク900は、触媒粒子400と、導電性粒子500と、表面エネルギー低下物質300と、アイオノマー200と、溶媒800から構成されており、表面エネルギー低下物質300が触媒粒子400に吸着している。
本実施の形態では、導電性粒子500には炭素粒子(ケッチェンブラック)を用い、触媒粒子400には白金触媒粒子を用いる。なお、白金触媒粒子には炭素粒子に46wt%担持された白金担持炭素(田中貴金属工業「TEC10E50E」)を用いる。アイオノマー溶液にはパーフルオロスルホン酸溶液(5wt%ナフィオン溶液(デュポン社製 商品名「DE520CS」))を用い、表面エネルギー低下物質300にはギ酸を用いる。
燃料電池用触媒インク900に添加するギ酸の質量は、白金触媒粒子の質量を1としたときに、0.85とする。燃料電池用触媒インク900に添加するアイオノマー溶液の質量は、導電性粒子500の質量を1としたときに、0.7とする。
次に、本実施の形態の燃料電池用触媒インク900の製造方法について説明する。
図4に示すように燃料電池100の燃料電池用触媒インク900の製造工程は、まずS1001で白金担持炭素と、水とエタノールから成る混合溶媒(水:エタノールの重量比=50:50)と、5wt%ナフィオン溶液と、ギ酸を秤量する。次に、S1002で白金担持炭素を水とエタノールから成る混合溶媒に添加し、ビーズミルを用いて分散混合させる。
次に、S1003で触媒分散液にギ酸と5wt%ナフィオン溶液を添加し、ビーズミルを用いて分散混合する。最後に、S1004で燃料電池用触媒インク900製造が完了する。
上記の方法により得られた燃料電池用触媒インク900を電解質膜10の両側に直接塗布し、乾燥することで、電解質膜10の両側にアノード触媒層50aおよびカソード触媒層50bを形成する。
電解質膜10には、パーフルオロスルホン酸電解質膜(デュポン社製 商品名「NRE211」)を用いる。アノード触媒層50aおよびカソード触媒層50bの電極の面積当りの白金担持量は、0.10mg/cmとする。
上記の方法により得られた電解質膜10の両側にアノード触媒層50aおよびカソード触媒層50bを形成したものに、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bを熱圧着(120℃、5分間)し、膜電極接合体90を形成する。アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bには、カーボンペーパー(SGL社製 25BCH)を用いる。
以上のように、本実施の形態の燃料電池用触媒インク900は、触媒粒子400として白金触媒粒子、導電性粒子500として炭素粒子、表面エネルギー低下物質300としてギ酸、アイオノマー200としてパーフルオロスルホン酸アイオノマーを含有する燃料電池用触媒インク900であって、ギ酸が、白金触媒粒子表面に吸着していることを特徴とする。
上記構成の燃料電池用触媒インク900において、ギ酸が、白金触媒粒子表面に吸着していることにより、ギ酸から白金触媒粒子表面に電子が供与されることで、白金触媒粒子表面の不飽和な結合が減少することで、白金触媒粒子の表面エネルギーが低下するため、白金触媒粒子とパーフルオロスルホン酸アイオノマーとの電子的相互作用が小さくなる。
その結果、燃料電池用触媒インク900に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が低減され、白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
また、本実施の形態の燃料電池用触媒インク900の製造方法は、触媒粒子400としての白金触媒粒子と、導電性粒子500としての炭素粒子と、表面エネルギー低下物質300としてのギ酸と、アイオノマー200としてのパーフルオロスルホン酸アイオノマー溶液を混合する工程を有する。
これにより、表面エネルギー低下物質300であるギ酸が、白金触媒粒子表面に吸着している燃料電池用触媒インク900を製造することができ、燃料電池用触媒インク900に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が低減され、これを用いて燃料電池100を構成したときの白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に炭素粒子(ケッチェンブラック)を用いたが、これに限らず、これ以外にも、グラファイトケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックや、などを用いることができる。また、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物などの酸化物を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、触媒粒子400に白金触媒粒子を用いたが、これに限らず、これ以外にも、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属および、これらの合金などを用いることができる。
さらに、触媒粒子400には、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルト
ポルフィリン錯体等)を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500および触媒粒子400を水とアルコール(エタノール)の溶媒に分散させたが、これ以外にも、水、多価数アルコール(2プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、その他有機溶媒(ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)および、これらの混合溶媒を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に担持された触媒粒子400を用いたが、導電性粒子500に担持されていない触媒粒子400を用いても構わない。
なお、本実施の形態においては、アイオノマー溶液に含まれるアイオノマーにパーフルオロスルホン酸溶液(ナフィオン溶液)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーを用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、表面エネルギー低下物質300にギ酸を用いたが、これに限らず、これ以外にも、硫酸、酢酸、アルデヒド、アセトアミド、ホルムアミド、二酸化硫黄、硫化水素、一酸化炭素、アンモニア、トルエン、ベンゼン等を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、電解質膜10にパーフルオロスルホン酸電解質膜(NRE211」)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入した電解質膜を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bにカーボンペーパーを用いたが、これ以外にも、カーボンフェルト、カーボンクロス等を用いることもできる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2による燃料電池の概略構成を示す断面図であり、図6は本発明の実施の形態2による膜電極接合体の概略構成を示す断面図であり、図7は本発明の実施の形態2による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図であり、図8は本発明の実施の形態2による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャートである。
図5、図6において、実施の形態1と同一構成には、同一符号を付与し、その詳細説明は省略する。
図5に示すように実施の形態2による燃料電池101は、膜電極接合体91と、アノードセパレータ70aと、カソードセパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池101が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
アノードセパレータ70aにおける膜電極接合体91に対向する面には、燃料ガス流路71aが設けられている。同様に、カソードセパレータ70bにおける膜電極接合体91
に対向する面には、酸化剤ガス流路71bが設けられている。
図6に示すように、実施の形態2による膜電極接合体91は、電解質膜10と、電解質膜10を挟持するアノード61aと、カソード61bを備える。アノード61aは、電解質膜10側のアノード触媒層51aと、アノードセパレータ70a側のアノードガス拡散層40aから構成されている。カソード61bは、電解質膜10側のカソード触媒層51bと、カソードセパレータ70b側のカソードガス拡散層40bから構成されている。
燃料電池101は、燃料ガス流路71aからアノード61aに供給される燃料ガスと、酸化剤ガス流路71bからカソード61bに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行う。なお、酸化剤ガスには空気を用い、燃料ガスには水素含有ガスを用いる。
次に、本実施の形態における、アノード触媒層51aと、カソード触媒層51bを形成するための燃料電池用触媒インク901および、その製造方法について、より詳細に説明する。
図7に示すように、実施の形態2による燃料電池用触媒インク901は、触媒粒子400と、導電性粒子500と、表面エネルギー低下物質301と、アイオノマー200と、溶媒800から構成されており、表面エネルギー低下物質301が触媒粒子400に吸着している。
本実施の形態では、導電性粒子500には炭素粒子(ケッチェンブラック)を用い、触媒粒子400には白金触媒粒子を用いる。なお、白金触媒粒子には炭素粒子に46wt%担持された白金担持炭素(田中貴金属工業「TEC10E50E」)を用いる。アイオノマー溶液にはパーフルオロスルホン酸溶液(5wt%ナフィオン溶液(デュポン社製 商品名「DE520CS」))を用いる。
また、表面エネルギー低下物質301には、表面エネルギー低下物質301と白金触媒粒子との結合エネルギーが、スルホン酸基と白金触媒粒子との結合エネルギーに比べて、高い結合エネルギーを有し、且、酸素存在下で60℃以上の温度において、触媒粒子400の表面から脱離する一酸化炭素を用いる。
燃料電池用触媒インク901に添加する一酸化炭素のモル数は、白金触媒粒子のモル数を1としたときに、1.5とする。燃料電池用触媒インク901に添加するアイオノマー溶液の質量は、導電性粒子500の質量を1としたときに、0.7とする。
次に、本実施の形態の燃料電池用触媒インク901の製造方法について説明する。
図8に示すように燃料電池101の燃料電池用触媒インク901の製造工程は、まずS2001で白金担持炭素と、水とエタノールから成る混合溶媒(水:エタノールの重量比=50:50)と、5wt%ナフィオン溶液と、一酸化炭素を秤量する。次に、S2002で白金担持炭素を水とエタノールから成る混合溶媒(水:エタノールの重量比=50:50)に添加し、ビーズミルを用いて分散混合させる。
次に、S2003で触媒分散液に一酸化炭素および5wt%ナフィオン溶液を添加し、ビーズミルを用いて分散混合する。最後に、S2004で燃料電池用触媒インク901の製造が完了する。
上記の方法により得られた燃料電池用触媒インク901を電解質膜10の両側に直接塗布し、乾燥することで、電解質膜10の両側にアノード触媒層51aおよびカソード触媒
層51bを形成する。
電解質膜10には、パーフルオロスルホン酸電解質膜(デュポン社製 商品名「NRE211」)を用いる。アノード触媒層51aおよびカソード触媒層51bの電極の面積当りの白金担持量は、0.10mg/cmとする。
上記の方法により得られた電解質膜10の両側にアノード触媒層51aおよびカソード触媒層51bを形成したものに、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bを熱圧着(120℃、5分間)し、膜電極接合体91を形成する。アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bには、カーボンペーパー(SGL社製 25BCH)を用いる。
以上のように、本実施の形態の燃料電池用触媒インク901は、触媒粒子400として白金触媒粒子、導電性粒子500として炭素粒子、表面エネルギー低下物質301として一酸化炭素、アイオノマー200としてパーフルオロスルホン酸アイオノマーを含有する燃料電池用触媒インク901であって、一酸化炭素が、白金触媒粒子表面に吸着していることを特徴とする。
上記構成の燃料電池用触媒インク901において、一酸化炭素が、白金触媒粒子表面に吸着していることにより、一酸化炭素から白金触媒粒子表面に電子が供与されることで、白金触媒粒子表面の不飽和な結合が減少することで、白金触媒粒子の表面エネルギーが低下するため、白金触媒粒子とパーフルオロスルホン酸アイオノマーとの電子的相互作用が小さくなる。
その結果、燃料電池用触媒インク901に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が低減され、白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
また、本実施の形態は、表面エネルギー低下物質301として、表面エネルギー低下物質301と白金触媒粒子との結合エネルギーが、パーフルオロスルホン酸アイオノマーのイオン交換基と白金触媒粒子との結合エネルギーに比べて、高い結合エネルギーを有する一酸化炭素を用いたのである。
これにより、燃料電池用触媒インク901中の白金触媒粒子表面からの一酸化炭素の脱離が抑制され、白金触媒粒子への一酸化炭素の被覆率が向上するため、白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析がより低減され、白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗をより低減させることができる。
また、本実施の形態において、表面エネルギー低下物質301として用いた一酸化炭素は、酸素存在下で60℃以上の温度にすれば、白金触媒粒子表面から除去するため、白金触媒表面に表面エネルギー低下物質301が残留し、白金触媒粒子の電気化学反応を阻害することを簡単に防止することができる。
また、本実施の形態の燃料電池用触媒インク901は、触媒粒子400としての白金触媒粒子と、導電性粒子500としての炭素粒子と、表面エネルギー低下物質301としての一酸化炭素と、アイオノマー200としてのパーフルオロスルホン酸アイオノマーを混合することで、一酸化炭素が、白金触媒粒子表面に吸着した燃料電池用触媒インク901を製造することができ、燃料電池用触媒インク901に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が低減され、これを用いて燃料電池101を構成したときの白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができ
る。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に炭素粒子(ケッチェンブラック)を用いたが、これに限らず、これ以外にも、グラファイトケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックや、などを用いることができる。また、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物などの酸化物を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、触媒粒子400に白金触媒粒子を用いたが、これに限らず、これ以外にも、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属および、これらの合金などを用いることができる。
さらに、触媒粒子400には、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500および触媒粒子400を水とアルコール(エタノール)の溶媒に分散させたが、これ以外にも、水、多価数アルコール(2プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、その他有機溶媒(ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)および、これらの混合溶媒を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に担持された触媒粒子400を用いたが、導電性粒子500に担持されていない触媒粒子400を用いても構わない。
なお、本実施の形態においては、アイオノマー溶液に含まれるアイオノマーにパーフルオロスルホン酸溶液(ナフィオン溶液)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーを用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、表面エネルギー低下物質301に一酸化炭素を用いたが、これに限らず、これ以外にも、酢酸を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、電解質膜10にパーフルオロスルホン酸電解質膜(NRE211」)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入した電解質膜を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bにカーボンペーパーを用いたが、これ以外にも、カーボンフェルト、カーボンクロス等を用いることもできる。
(実施の形態3)
図9は本発明の実施の形態3による燃料電池の概略構成を示す断面図であり、図10は本発明の実施の形態3による膜電極接合体の概略構成を示す断面図であり、図11は本発明の実施の形態3による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図であり、図12は本発明の実施の形態3による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャートである。
図9、図10において、実施の形態1または実施の形態2と同一構成には、同一符号を付与し、その詳細説明は省略する。
図9に示すように実施の形態3による燃料電池102は、膜電極接合体92と、アノードセパレータ70aと、カソードセパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池102が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
アノードセパレータ70aにおける膜電極接合体92に対向する面には、燃料ガス流路71aが設けられている。同様に、カソードセパレータ70bにおける膜電極接合体92に対向する面には、酸化剤ガス流路71bが設けられている。
図10に示すように、実施の形態3による膜電極接合体92は、電解質膜10と、電解質膜10を挟持するアノード62aと、カソード62bを備える。アノード62aは、電解質膜10側のアノード触媒層52aと、アノードセパレータ70a側のアノードガス拡散層40aから構成されている。カソード62bは、電解質膜10側のカソード触媒層52bと、カソードセパレータ70b側のカソードガス拡散層40bから構成されている。
燃料電池102は、燃料ガス流路71aからアノード62aに供給される燃料ガスと、酸化剤ガス流路71bからカソード62bに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行う。なお、酸化剤ガスには空気を用い、燃料ガスには水素含有ガスを用いる。
次に、本実施の形態における、アノード触媒層52aと、カソード触媒層52bを形成するための燃料電池用触媒インク902および、その製造方法について、より詳細に説明する。
図11に示すように実施の形態3による燃料電池用触媒インク902は、触媒粒子400と、導電性粒子500と、表面エネルギー低下物質302と、アイオノマー200と、溶媒800から構成されており、表面エネルギー低下物質302が触媒粒子400に吸着している。
本実施の形態では、導電性粒子500には炭素粒子(ケッチェンブラック)を用い、触媒粒子400には白金触媒粒子を用いる。なお、白金触媒粒子には炭素粒子に46wt%担持された白金担持炭素(田中貴金属工業「TEC10E50E」)を用いる。アイオノマー溶液にはパーフルオロスルホン酸溶液(5wt%ナフィオン溶液(デュポン社製 商品名「DE520CS」))を用いる。
また、表面エネルギー低下物質302には、可逆水素電極電位に対して、0.9V以上高い電極電位において、触媒粒子400表面から脱離する二酸化硫黄を用いる。
燃料電池用触媒インク902に添加する二酸化硫黄のモル数は、白金触媒粒子のモル数を1としたときに、1.5とする。燃料電池用触媒インク902に添加するアイオノマー溶液の質量は、導電性粒子500の質量を1としたときに、0.7とする。
次に、本実施の形態の燃料電池用触媒インク902の製造方法について説明する。
図12に示すように燃料電池102の燃料電池用触媒インク902の製造工程は、まずS3001で白金担持炭素と、水とエタノールから成る混合溶媒(水:エタノールの重量比=50:50)と、5wt%ナフィオン溶液と、二酸化硫黄を秤量する。次に、S3002で白金担持炭素を二酸化硫黄雰囲気に曝し、白金担持炭素表面に二酸化硫黄を吸着させる。
次に、S3003で二酸化硫黄を吸着させた白金担持炭素を、水とエタノールから成る混合溶媒(水:エタノールの重量比=50:50)に添加し、ビーズミルを用いて分散混合させる。次に、S3004で触媒分散液に5wt%ナフィオン溶液を添加し、ビーズミルを用いて分散混合する。最後に、S3005で燃料電池用触媒インク902製造が完了する。
上記の方法により得られた燃料電池用触媒インク902を電解質膜10の両側に直接塗布し、乾燥することで、電解質膜10の両側にアノード触媒層52aおよびカソード触媒層52bを形成する。
電解質膜10には、パーフルオロスルホン酸電解質膜(デュポン社製 商品名「NRE211」)を用いる。アノード触媒層52aおよびカソード触媒層52bの電極の面積当りの白金担持量は、0.10mg/cmとする。
上記の方法により得られた電解質膜10の両側にアノード触媒層52aおよびカソード触媒層52bを形成したものに、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bを熱圧着(120℃、5分間)し、膜電極接合体92を形成する。アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bには、カーボンペーパー(SGL社製 25BCH)を用いる。
以上のように、本実施の形態の燃料電池用触媒インク902は、触媒粒子400として白金触媒粒子、導電性粒子500として炭素粒子、表面エネルギー低下物質302として二酸化硫黄、アイオノマー200としてパーフルオロスルホン酸アイオノマーを含有する燃料電池用触媒インク902であって、二酸化硫黄が、白金触媒粒子表面に吸着していることを特徴とする。
上記構成の燃料電池用触媒インク902において、二酸化硫黄が、白金触媒粒子表面に吸着していることにより、二酸化硫黄から白金触媒粒子表面に電子が供与されることで、白金触媒粒子表面の不飽和な結合が減少することで、白金触媒粒子の表面エネルギーが低下するため、白金触媒粒子とパーフルオロスルホン酸アイオノマーとの電子的相互作用が小さくなる。
その結果、燃料電池用触媒インク902に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が低減され、白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
また、本実施の形態において、表面エネルギー低下物質302として用いた二酸化硫黄は、可逆水素電極電位に対して、0.9V以上高い電極電位において、白金触媒粒子表面から脱離するので、白金触媒粒子表面に二酸化硫黄が残留し、白金触媒粒子の電気化学反応を阻害することを簡単に防止することができる。
また、本実施の形態の燃料電池用触媒インク902は、触媒粒子400としての白金触媒粒子と、導電性粒子500としての炭素粒子と、表面エネルギー低下物質302として
の二酸化硫黄を予め混合させた触媒分散液に、アイオノマー200としてのパーフルオロスルホン酸アイオノマーを添加し、混合することで、二酸化硫黄が白金触媒粒子表面に吸着した燃料電池用触媒インク902を製造することができ、白金触媒粒子表面への二酸化硫黄の被覆率がより向上するため、燃料電池用触媒インク902に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析がより低減され、これを用いて燃料電池102を構成したときの白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗をより低減させることができる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に炭素粒子(ケッチェンブラック)を用いたが、これに限らず、これ以外にも、グラファイトケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックや、などを用いることができる。また、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物などの酸化物を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、触媒粒子400に白金触媒粒子を用いたが、これに限らず、これ以外にも、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属および、これらの合金などを用いることができる。
さらに、触媒粒子400には、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500および触媒粒子400を水とアルコール(エタノール)の溶媒に分散させたが、これ以外にも、水、多価数アルコール(2プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、その他有機溶媒(ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)および、これらの混合溶媒を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に担持された触媒粒子400を用いたが、導電性粒子500に担持されていない触媒粒子400を用いても構わない。
なお、本実施の形態においては、アイオノマー溶液に含まれるアイオノマーにパーフルオロスルホン酸溶液(ナフィオン溶液)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーを用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、表面エネルギー低下物質302に二酸化硫黄を用いたが、これに限らず、これ以外にも、硫酸、酢酸、アルデヒド、アセトアミド、ホルムアミド、硫化水素、トルエン、ベンゼン等を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、電解質膜10にパーフルオロスルホン酸電解質膜(NRE211」)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成
分として、これにスルホン酸基を導入した電解質膜を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bにカーボンペーパーを用いたが、これ以外にも、カーボンフェルト、カーボンクロス等を用いることもできる。
(実施の形態4)
図13は本発明の実施の形態4による燃料電池の概略構成を示す断面図であり、図14は本発明の実施の形態4による膜電極接合体の概略構成を示す断面図であり、図15は本発明の実施の形態4による燃料電池用触媒インクの概略構成を示す断面図であり、図16は本発明の実施の形態4による燃料電池用触媒インクの製造方法を示すフローチャートである。
図13、図14において、実施の形態1から実施の形態3と同一構成には、同一符号を付与し、その詳細説明は省略する。
図13に示すように、実施の形態4による燃料電池103は、膜電極接合体93と、アノードセパレータ70aと、カソードセパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池103が複数積層されることで、燃料電池スタック(図示せず)が構成される。
アノードセパレータ70aにおける膜電極接合体93に対向する面には、燃料ガス流路71aが設けられている。同様に、カソードセパレータ70bにおける膜電極接合体93に対向する面には、酸化剤ガス流路71bが設けられている。
図14に示すように、実施の形態4による膜電極接合体93は、電解質膜10と、電解質膜10を挟持するアノード63aと、カソード63bを備える。アノード63aは、電解質膜10側のアノード触媒層53aと、アノードセパレータ70a側のアノードガス拡散層40aから構成されている。カソード63bは、電解質膜10側のカソード触媒層53bと、カソードセパレータ70b側のカソードガス拡散層40bから構成されている。
燃料電池103は、燃料ガス流路71aからアノード63aに供給される燃料ガスと、酸化剤ガス流路71bからカソード63bに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行う。なお、酸化剤ガスには空気を用い、燃料ガスには水素含有ガスを用いる。
次に、本実施の形態における、アノード触媒層53aと、カソード触媒層53bを形成するための燃料電池用触媒インク903および、その製造方法について、より詳細に説明する。
図15に示すように実施の形態4による燃料電池用触媒インク903は、触媒粒子400と、導電性粒子500と、表面エネルギー低下物質303と、アイオノマー200と、溶媒800から構成されており、表面エネルギー低下物質303が触媒粒子400に吸着している。
本実施の形態では、導電性粒子500には炭素粒子(ケッチェンブラック)を用い、触媒粒子400には白金触媒粒子を用いる。なお、白金触媒粒子には炭素粒子に46wt%担持された白金担持炭素(田中貴金属工業「TEC10E50E」)を用いる。アイオノマー溶液にはパーフルオロスルホン酸溶液(5wt%ナフィオン溶液(デュポン社製 商品名「DE520CS」))を用いる。
また、表面エネルギー低下物質303には、可逆水素電極電位に対して、0.9V以上高い電極電位において、触媒粒子400表面から脱離する二酸化硫黄を用いる。
燃料電池用触媒インク903に添加する二酸化硫黄のモル数は、白金触媒粒子のモル数を1としたときに、1.5とする。燃料電池用触媒インク903に添加するアイオノマー溶液の質量は、導電性粒子500の質量を1としたときに、0.7とする。
次に、本実施の形態の燃料電池用触媒インク903の製造方法について説明する。
図16に示すように燃料電池103の燃料電池用触媒インク903の製造工程は、まずS4001で白金担持炭素と、水とエタノールから成る混合溶媒(水:エタノールの重量比=50:50)と、5wt%ナフィオン溶液と、二酸化硫黄を秤量する。次に、S4002で白金担持炭素を水とエタノールから成る混合溶媒(水:エタノールの重量比=50:50)に添加し、ビーズミルを用いて分散混合させる。
次に、S4003で触媒分散液に窒素ガスを供給し、触媒分散液に含まれる酸素を窒素ガスで置換する。次に、S4004で窒素ガスを充填した触媒分散液に二酸化硫黄を供給し、ビーズミルを用いて分散混合する。次に、S4005で触媒分散液に5wt%ナフィオン溶液を添加し、ビーズミルを用いて分散混合する。最後に、S4006で燃料電池用触媒インク903の製造が完了する。
上記の方法により得られた燃料電池用触媒インク903を電解質膜10の両側に直接塗布し、乾燥することで、電解質膜10の両側にアノード触媒層53aおよびカソード触媒層53bを形成する。
電解質膜10には、パーフルオロスルホン酸電解質膜(デュポン社製 商品名「NRE211」)を用いる。アノード触媒層53aおよびカソード触媒層53bの電極の面積当りの白金担持量は、0.10mg/cmとする。
上記の方法により得られた電解質膜10の両側にアノード触媒層53aおよびカソード触媒層53bを形成したものに、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bを熱圧着(120℃、5分間)し、膜電極接合体93を形成する。アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bには、カーボンペーパー(SGL社製 25BCH)を用いる。
以上のように、本実施の形態の燃料電池用触媒インク903は、触媒粒子400として白金触媒粒子、導電性粒子500として炭素粒子、表面エネルギー低下物質303として二酸化硫黄、アイオノマー200としてパーフルオロスルホン酸アイオノマーを含有する燃料電池用触媒インク903であって、二酸化硫黄が、白金触媒粒子表面に吸着していることを特徴とする。
上記構成の燃料電池用触媒インク903において、二酸化硫黄が、白金触媒粒子表面に吸着していることにより、二酸化硫黄から白金触媒粒子表面に電子が供与されることで、白金触媒粒子表面の不飽和な結合が減少することで、白金触媒粒子の表面エネルギーが低下するため、白金触媒粒子とパーフルオロスルホン酸アイオノマーとの電子的相互作用が小さくなる。
その結果、燃料電池用触媒インク903に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が低減され、白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
また、本実施の形態において、表面エネルギー低下物質303として用いた二酸化硫黄は、可逆水素電極電位に対して、0.9V以上高い電極電位において、白金触媒粒子表面から脱離するので、白金触媒粒子表面に二酸化硫黄が残留し、白金触媒粒子の電気化学反応を阻害することを簡単に防止することができる。
また、本実施の形態の燃料電池用触媒インク903は、不活性ガス雰囲気に曝した状態で、触媒粒子400としての白金触媒粒子、導電性粒子500としての炭素粒子と、表面エネルギー低下物質303としての二酸化硫黄を予め混合させた触媒分散液に、アイオノマー200としてのパーフルオロスルホン酸アイオノマーを添加し、混合することで、二酸化硫黄が白金触媒粒子表面に吸着した燃料電池用触媒インク903を製造することができ、白金触媒粒子表面への二酸化硫黄の被覆率が更に向上するため、燃料電池用触媒インク903に含まれる白金触媒粒子へのパーフルオロスルホン酸アイオノマーの偏析が更に低減され、これを用いて燃料電池103を構成したときの白金触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に炭素粒子(ケッチェンブラック)を用いたが、これに限らず、これ以外にも、グラファイトケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックや、などを用いることができる。また、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物などの酸化物を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、触媒粒子400に白金触媒粒子を用いたが、これに限らず、これ以外にも、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、銅、銀、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属およびこれらの合金などを用いることができる。
さらに、触媒粒子400には、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500および触媒粒子400を水とアルコール(エタノール)の溶媒に分散させたが、これ以外にも、水、多価数アルコール(2プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、その他有機溶媒(ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等)および、これらの混合溶媒を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、導電性粒子500に担持された触媒粒子400を用いたが、導電性粒子500に担持されていない触媒粒子400を用いても構わない。
なお、本実施の形態においては、アイオノマー溶液に含まれるアイオノマーにパーフルオロスルホン酸溶液(ナフィオン溶液)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーを用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、表面エネルギー低下物質303に二酸化硫黄を用いた
が、これに限らず、これ以外にも、硫酸、酢酸、アルデヒド、アセトアミド、ホルムアミド、硫化水素、トルエン、ベンゼン等を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、不活性ガス700に窒素ガスを用いたが、これに限らず、これ以外にも、ヘリウムガス、アルゴンガスを用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、触媒粒子400、導電性粒子500および水とアルコールの混合溶媒からなる触媒分散液に不活性ガス700を充填後に、表面エネルギー低下物質303を添加し、混合することにより、燃料電池用触媒インク903を製造したが、これに限らず、触媒分散液に不活性ガス700と表面エネルギー低下物質303を同時に添加し、混合することにより、燃料電池用触媒インク903を製造することもできる。
なお、本実施の形態においては、電解質膜10にパーフルオロスルホン酸電解質膜(NRE211」)を用いたが、これ以外にも、フレミオン、アシプレッスク等のパーフルオロスルホン酸や、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入した電解質膜を用いることもできる。
なお、本実施の形態においては、アノードガス拡散層40aおよびカソードガス拡散層40bにカーボンペーパーを用いたが、これ以外にも、カーボンフェルト、カーボンクロス等を用いることもできる。
本発明の燃料電池用触媒インクは、触媒インクに含まれる触媒粒子へのアイオノマーの偏析が低減され、触媒粒子への反応ガスやイオンなどの物質輸送抵抗を低減させることができるので、この燃料電池用触媒インクが塗布、乾燥されることで高分子電解質膜の主面に形成される燃料電池用電極、その燃料電池用電極を、高分子電解質膜の主面の少なくともどちらか一方に有する膜電極接合体、この膜電極接合体を一対のセパレータで挟んだ燃料電池に適用することができる。
10 電解質膜
40a アノードガス拡散層
40b カソードガス拡散層
50a、51a、52a、53a アノード触媒層
50b、51b、52b、53b カソード触媒層
60a、61a、62a、63a アノード
60b、61b、62b、63b カソード
70a アノードセパレータ
70b カソードセパレータ
71a 燃料ガス流路
71b 酸化剤ガス流路
90 膜電極接合体
91 膜電極接合体
92 膜電極接合体
93 膜電極接合体
100 燃料電池
101 燃料電池
102 燃料電池
103 燃料電池
200 アイオノマー
300、301、302、303 表面エネルギー低下物質
400 触媒粒子
500 導電性粒子
800 溶媒
900、901、902、903 燃料電池用触媒インク

Claims (10)

  1. 触媒粒子と、導電性粒子と、表面エネルギー低下物質と、アイオノマー溶液を含有する燃料電池用触媒インクであって、前記表面エネルギー低下物質が、前記触媒粒子の表面に吸着していることを特徴とする燃料電池用触媒インク。
  2. 前記表面エネルギー低下物質と前記触媒粒子の結合エネルギーが、前記アイオノマーのイオン交換基と前記触媒粒子との結合エネルギーに比べて、高い結合エネルギーを有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒インク。
  3. 前記触媒粒子の表面に吸着した前記表面エネルギー低下物質は、酸素存在下で60℃以上の温度において、前記触媒粒子の表面から脱離することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池用触媒インク。
  4. 前記触媒粒子の表面に吸着した前記表面エネルギー低下物質は、可逆水素電極電位に対して、0.9V以上高い電極電位において、前記触媒粒子の表面から脱離することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒インク。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒インクが塗布、乾燥されることで形成される燃料電池用電極。
  6. 請求項5に記載の燃料電池用電極を、高分子電解質膜の主面の少なくともどちらか一方に有する、膜電極接合体。
  7. 請求項6に記載の膜電極接合体と、前記膜電極接合体を間に挟む一対のセパレータを有する燃料電池。
  8. 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒インクの製造方法であって、前記触媒粒子と、前記導電性粒子と、前記表面エネルギー低下物質と、前記アイオノマー溶液を混合する工程を有することを特徴とする、燃料電池用触媒インクの製造方法。
  9. 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒インクの製造方法であって、前記触媒粒子と、前記導電性粒子と、前記表面エネルギー低下物質を予め混合させた触媒分散液に、前記アイオノマー溶液を添加し、混合する工程を有することを特徴とする、燃料電池用触媒インクの製造方法。
  10. 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒インクの製造方法であって、不活性ガス雰囲気に曝した状態で、前記触媒粒子と、前記導電性粒子と、前記表面エネルギー低下物質を予め混合させた触媒分散液に、前記アイオノマー溶液を添加し、混合する工程を有することを特徴とする、燃料電池用触媒インクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018198182A (ja) * 2017-05-25 2018-12-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 燃料電池用電極触媒層およびその製造方法

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