JP2020133970A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用歳月が経過しても貯蔵室内が冷え過ぎたり、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じ難い信頼性が高い冷蔵庫を提供する。【解決手段】断熱箱体の内部に、放熱手段の一部が近接して実装された第一の真空断熱材と、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室と、該第一の貯蔵室の上部に第一の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の下部に第二の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の後方に第三の仕切壁を隔て隣接する前記冷却手段が実装された蒸発器室を備えた冷蔵庫において、前記第一乃至第三の仕切壁の少なくとも一つは、第二の真空断熱材を備えるとともに、該第二の真空断熱材の一面の過半領域に近接するよう前記第一の貯蔵室を加熱する加熱手段を配設し、前記放熱手段の安定運転時の時間平均温度が前記加熱手段の安定運転時の時間平均温度より低くなるように加熱する。【選択図】図14

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
本技術分野の背景技術として、例えば国際公開第2018/131157号公報(特許文献1)がある。
特許文献1には、周囲の他室よりも高温に設定されて貯蔵物を貯蔵する貯蔵室を備え、前記貯蔵室は、前記貯蔵室を区画する各壁部にそれぞれ真空断熱材を配すことで、真空断熱材による貯蔵室の被覆面積を可能な限り増大する冷蔵庫が開示されている。
国際公開第2018/131157号公報
特許文献1に記載の構成を採用することによって、周囲の他室よりも高温に設定される貯蔵室への冷熱の流入を防止できる。一方で外部である冷蔵庫の周囲への放熱も防止でき、設定温度に熱効率良く維持できる。しかしながら、冷蔵温度に設定された貯蔵室が、冷凍温度に設定された貯蔵室と隣接するとともに、庫内を冷却する蒸発器を備えた蒸発器室にも隣接する構成を有する冷蔵庫に特許文献1に記載の構成を採用すると、冷蔵庫の使用歳月が経過するにつれて前記冷蔵温度に設定された貯蔵室内が冷え過ぎる、あるいは、結露や着霜が生じるといった不具合が発生する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、上記構成を有する冷蔵庫において、使用歳月が経過しても冷蔵温度に設定された貯蔵室内が冷え過ぎる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が発生し難い信頼性が高い冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、圧縮手段と、放熱手段と、減圧手段と、冷却手段とが接続された冷凍サイクルと、断熱箱体と、該断熱箱体の内部に、前記放熱手段の一部が近接するように実装された第一の真空断熱材と、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室と、該第一の貯蔵室の上部に第一の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の下部に第二の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の後方に第三の仕切壁を隔てて隣接する前記冷却手段が実装された蒸発器室を備えた冷蔵庫において、前記第一乃至第三の仕切壁の少なくとも一つは、第二の真空断熱材を備えるとともに、該第二の真空断熱材の一面の過半領域に近接するよう前記第一の貯蔵室を加熱する加熱手段を配設し、前記放熱手段の安定運転時の時間平均温度が前記加熱手段の安定運転時の時間平均温度より低くなるように加熱することを特徴とする。
使用歳月が経過しても冷蔵温度に設定された貯蔵室内が冷え過ぎる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が発生し難い信頼性が高い冷蔵庫を提供することができる。
実施例に係る冷蔵庫の正面図 図1のA−A断面図 実施例に係る冷蔵庫の庫内の構成を示す正面図 実施例に係る冷蔵庫の要部を拡大した断面図 実施例に係る冷蔵庫の風路構成を表す模式図 実施例に係る冷蔵庫の冷凍サイクル構成を表す概略図 実施例に係る冷蔵庫の壁面放熱配管と結露防止配管の配置を表す図 実施例に係る冷蔵庫の断熱箱体の構成を表す断面図 実施例に係る冷蔵庫の真空断熱材の構成を表す図 実施例に係る冷蔵庫の仕切壁の嵌合部近傍の拡大断面図 実施例に係る冷蔵庫の第一切替室の扉と容器を外して正面から見た図 実施例に係る冷蔵庫の第二切替室の扉と容器を外して正面から見た図 実施例に係る冷蔵庫の冷却運転制御を表すフローチャート 実施例に係る冷蔵庫の安定運転状態を表すタイムチャートの例 実施例に係る冷蔵庫の除霜運転状態を表すタイムチャートの例
本発明に関する冷蔵庫の実施例について説明する。図1は実施例に係る冷蔵庫の正面図、図2は図1のA−A断面図である。
図1に示すように、冷蔵庫1の断熱箱体10は、上方から冷蔵室2、左右に併設された製氷室3と冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6の順に貯蔵室を有している。
冷蔵庫1はそれぞれの貯蔵室の開口を開閉する扉を備えている。これらの扉は、冷蔵室2の開口を開閉する、左右に分割された回転式の冷蔵室扉2a、2bと、製氷室3、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6の開口をそれぞれ開閉する引き出し式の製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5a、第二切替室扉6aである。これら複数の扉の内部材料は主に発泡断熱材であるポリウレタンフォームである。
冷蔵庫1の外形寸法は幅685mm、奥行き738mm、高さ1833mmであり、JISC9801−3:2015に基づく定格内容積は、冷蔵室2が308L、製氷室3が23L、冷凍室4が32L、第一切替室5が104L、第二切替室6が100Lである。また、第一切替室扉5aの上端の高さ位置は780mm、第二切替室扉6aの上端の高さ位置は400mmである。
このように、扉上端の高さ位置が床面から500mm〜1200mmに含まれ、屈まずに作業できる食品の出し入れの負担が小さい貯蔵室と、扉上端の高さ位置が床面から500mm以下となり食品の出し入れの負担がやや大きくなる貯蔵室の双方を切替室とすることで、ユーザーがライフスタイルに合わせて使い易いレイアウトを選ぶことができ、使い勝手の良い冷蔵庫となる。また、冷蔵扉上端の高さ位置が床面から500mm〜1200mmに含まれる切替室(第一切替室5)の内容積を、扉上端の高さ位置が床面から500mm以下となる切替室(第二切替室6)の内容積と同等にすることで、ライフスタイルに合わせて食品の出し入れの負担が小さい貯蔵室と、食品の出し入れの負担がやや大きくなる貯蔵室の設定を入れ替えて使えるようになるため、使い勝手の良い冷蔵庫となる。なお、第一切替室と第二切替室の定格内容積の差が10%以下であれば両者は同等とみなせる。
扉2aの庫外側表面には、庫内の温度設定の操作を行う操作部26を設けている。操作部26の高さ位置(床面からの高さ)は、下端が1200mm、上端が1300mmとしている。このように900mm〜1500mmの範囲に操作部26を設けることで、屈んだり、見上げたりせずに温度設定等の操作が可能となり、使い勝手の良い冷蔵庫となる。また、扉の庫外側に操作部を設けることで、扉を開けることなくユーザーが温度設定等の操作を行うことができるようにしている。
冷蔵室2と、冷凍室4及び製氷室3は断熱仕切壁28によって隔てられている。また、冷凍室4及び製氷室3と、第一切替室5は断熱仕切壁29によって隔てられ、第一切替室5と第二切替室6は断熱仕切壁30によって隔てられている。
断熱箱体10の天面庫外側の前方と、断熱仕切壁28の前縁には、冷蔵庫1と扉2a、2bを固定するための扉ヒンジ(図示せず)を備えおり、上部の扉ヒンジは扉ヒンジカバー16で覆っている。
製氷室3及び冷凍室4は、基本的に庫内を冷凍温度(0℃未満)の例えば平均的に−18℃程度にした貯蔵室であり、冷蔵室2は庫内を冷蔵温度(0℃以上)の例えば平均的に4℃程度にした貯蔵室である。第一切替室5及び第二切替室6は、操作部26によって冷凍温度もしくは冷蔵温度に設定することができる貯蔵室であり、本実施例の冷蔵庫では、冷蔵温度(平均的に4℃程度に維持)と、冷凍温度(平均的に−18℃程度に維持)の何れかを選択することができる。具体的には、第一切替室5と第二切替室6がともに冷凍温度に設定される「FF」モード、第一切替室5と第二切替室6がそれぞれ冷蔵温度と冷凍温度に設定される「RF」モード、第一切替室5と第二切替室6がそれぞれ冷凍温度と冷蔵温度に設定される「FR」モード、第一切替室5と第二切替室6がともに冷蔵温度に設定される「RR」モードの中から選択することができる。
図2に示すように、冷蔵庫1は、鋼板製の外箱91と合成樹脂製(本実施例ではABS樹脂)の内箱92
との間に発泡断熱材93(本実施例ではポリウレタンフォーム)を充填して形成される断熱箱体10により、庫外と庫内が隔てられて構成されている。断熱箱体10には発泡断熱材に加えて、発泡断熱材より熱伝導率が低い(断熱性能が高い)真空断熱材を外箱91と内箱92との間に複数実装することで、内容積の低下を抑えて断熱性能を高めている。本実施例の冷蔵庫は、断熱箱体10の背面に真空断熱材25a、下面(底面)に真空断熱材25b、左側面に真空断熱材25c(図3参照)、右側面に真空断熱材25d(図3参照)を実装して、貯蔵室より温度が高い庫外からの熱の侵入を抑えて冷蔵庫1の断熱性能を高めている。同様に、本実施例の冷蔵庫は、第一切替室扉5aに真空断熱材25e、第二切替室扉6aに真空断熱材25fを実装することで、冷蔵庫1の断熱性能を高めている。
冷蔵室扉2a、2bは、庫内側に複数の扉ポケット33a、33b、33cを備えている。また、冷蔵室2内は、棚34a、34b、34c、34dによって複数の貯蔵スペースに区画されている。製氷室扉3a、冷凍室扉4a、第一切替室扉5a、第二切替室扉6aは、それぞれ一体に引き出される製氷室容器3b、冷凍室容器4b、第一切替室容器5b、第二切替室容器6bを備えている。
冷蔵室2の背部には、冷蔵室2を冷却する冷却手段である第一蒸発器14aが実装された第一蒸発器室8aを備えている。また、第一切替室5及び第二切替室6の略背部には、製氷室3、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6を冷却する冷却手段である第二蒸発器14bが実装された第二蒸発器室8bを備えており、第一切替室5及び第二切替室6と、第二蒸発器室8b、後述する第二ファン吐出風路12、冷凍室風路130、第一切替室風路140、第二切替室風路150(図3参照)との間は、断熱仕切壁27によって隔てられている。
なお、断熱仕切壁27は、断熱箱体10、断熱仕切壁29及び断熱仕切壁30とは別体であり、図示しないシール部材(一例として軟質ウレタンフォーム)を介して断熱箱体10、断熱仕切壁29及び断熱仕切壁30と接触するように固定し、着脱可能としている。このように、断熱仕切壁27を別体で形成し着脱可能とすることで、第二蒸発器室8bに収納される第二蒸発器14bや後述する第二ファン9b、第一切替室ダンパ101、第二切替室ダンパ102といった断熱仕切壁27により覆われる部品に不具合が生じた場合に、断熱仕切壁27を外して容易にメンテナンスが行えるようになる。
また、断熱仕切壁27、28の内部には、真空断熱材は実装せずに主たる断熱部材として発泡断熱材であるポリスチレンフォームを実装している。一方、断熱仕切壁29、30の内部には発泡断熱材であるポリスチレンフォームとともに、それぞれ真空断熱材25g、25hを実装することで断熱性能を高めている。真空断熱材25は、発泡断熱材より熱伝導率が低い(断熱性能が高い)ので、断熱仕切壁29、30の主たる断熱部材は真空断熱材25となる。なお、断熱仕切壁27、28、29、30の内部に用いる発泡断熱材としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームを用いても良い。
冷蔵室2、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6の庫内背面側には、それぞれ冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、第一切替室温度センサ43、第二切替室温度センサ44を設け、第一蒸発器14aの上部には第一蒸発器温度センサ40a、第二蒸発器14bの上部には第二蒸発器温度センサ40bを設けている。これらのセンサにより、冷蔵室2、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6、第一蒸発器室8a、第一蒸発器14a、第二蒸発器室8b、及び、第二蒸発器14bの温度を検知している。また、冷蔵庫1の天井部の扉ヒンジカバー16の内部には、外気温度センサ37と外気湿度センサ38を設け、外気(庫外空気)の温度と湿度を検知している。その他にも、扉センサ(図示せず)を設けることで、扉2a、2b、3a、4a、5a、6aの開閉状態をそれぞれ検知している。
次に図3〜図5及び適宜図2を参照しながら庫内の風路構成について説明する。図3(a)は、図1の扉、容器、後述する吐出口形成部材を外した状態の正面図、図3(b)は、図1の扉及び容器を外した状態の正面図である。図4は、図3(b)中に示すB−B断面の要部拡大図である。図5は、実施例に係る冷蔵庫の製氷室3、冷凍室4、第一切替室5及び第二切替室6の冷却空気の風路構造の概略図である。
図3(a)に示すように、第一蒸発器14aの上方には第一ファン9aを備えている。第一ファン9aにより送り出される冷却空気は、冷蔵室風路110、冷蔵室吐出口110aを介して冷蔵室2に送風され、冷蔵室2内を冷却する。ここで、第一ファン9aの形態は、遠心ファンであるターボファン(後向きファン)であり、回転速度は高速(1600min-1)と低速(1000min-1)に制御可能となっている。冷蔵室2に送風された空気は冷蔵室戻り口110b(図2参照)及び冷蔵室戻り口110cから第一蒸発器室8aへと戻り、再び第一蒸発器14aと熱交換する。冷蔵室戻り口110b及び110cには後述する第一排水管の最小径よりも隙間が小さいスリット(図示せず)を設け、排水口(図示せず)及び第一排水管での食品のつまりを防止している。
冷蔵室2の冷蔵室吐出口110aは冷蔵室2の上部に設けており、本実施例では最上段の棚34aと二段目の棚34bの上方に空気が吐出するように設けている。また、冷蔵室戻り口110cは冷蔵室2の棚34cと棚34dの間に形成される空間の背部に設け、冷蔵室戻り口110bは冷蔵室2の棚34dと断熱仕切壁28の間に形成される空間の略背面に設けている。
図3(b)に示すように、冷蔵室2内の棚34dの上部には、容器35が備えられており、容器35内部は、冷却空気が直接送風されない間接冷却空間となっている。これにより、食品の乾燥が抑制され、野菜等の乾燥に弱い食品の収納に適した収納スペースとなる。
なお、内箱92と容器35の左壁間や、仕切壁35bと容器35の右壁間などの容器35とその他の壁面との間には約8mmの隙間を設けており、容器35の出し入れを容易にしている。同様に、容器35に取手35aを設けることで、出し入れを容易にしている。
図3(b)に示すように、冷蔵室2内の、断熱仕切壁28の上部には、内部が−1℃程度に維持される容器36が備えられており、容器36の前方は蓋体36aにより開閉可能となっている。蓋体36aの外周にはパッキン(図示せず)が備えられており、蓋体36aを閉鎖状態とした場合、パッキンにより蓋体36aと容器36が隙間なく接触し、密閉される構造となっている。また、容器36の背部には、容器36内の空気を吸引するポンプ(図示せず)が備えられており、蓋体36aが閉鎖された状態でポンプを駆動することで、容器36内の気圧が約0.8気圧に減圧されるようにしている。これにより容器36内は、蓋体36aにより冷却空気が直接送風されなくなるとともに、減圧環境となるので、食品の乾燥と酸化を抑制する収納スペースとなる。
図3(a)に示すように本実施例の冷蔵庫は、第一切替室5及び第二切替室6への送風遮断手段として、第一切替室ダンパ101、第二切替室ダンパ102を備えている。第一切替室ダンパ101は第一切替室5の背部に実装され、第二切替室ダンパ102は第二切替室6の背部に実装されている。ここで、第一切替室ダンパ101の開口面積は6300mm(幅180mm×高さ35mm)、第二切替室ダンパ102の開口面積は5200mm(幅80mm×高さ65mm)である。
図2に示すように、第二蒸発器14bは第一切替室5、第二切替室6、及び断熱仕切壁30の略背部の第二蒸発器室8b内に設けてある。第二蒸発器14bの上方には第二ファン9bを備えている。第二ファン9bは、遠心ファンであるターボファン(後向きファン)であり、回転速度は高速(1800min-1)と低速(1200min-1)に制御可能となっている。製氷室3及び冷凍室4を冷却した空気は、冷凍室戻り口120c(図3参照)より冷凍室戻り風路120d(図3参照)を介して、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
図4に示すように、第二切替室6は、背面上部に第二切替室戻り口112bを備えている。第二切替室戻り口112bから流入した空気は、第二切替室戻り口112bから下方に延伸する第二切替室戻り風路112cを流れ、第二切替室戻り口112bより高さ位置が低く形成された第二蒸発器室流入口112dに至り、第二蒸発器室8bに流れ込む。このように第二切替室戻り口112bから第二蒸発器室流入口112dに至る間に、下方に延伸する風路(第二切替室戻り風路112c)を備えることで、第二ファン9bが停止した際に、第二蒸発器室8b内の低温空気が第二切替室6内に逆流し難くなる。これにより、特に第二切替室6が冷蔵温度に設定された際に、第二切替室6が冷え過ぎるといった事態が生じ難い冷蔵庫とすることができる。なお、第二切替室戻り口112bから第二蒸発器室流入口112dに至る間に、下方に延伸する風路があれば良いので、第二切替室戻り口112bから流入した空気が、上方に向けて流れた後に、下方に延伸する風路を流れるように構成することもできる。
図5に示すように、第二蒸発器14bと熱交換して低温になった空気は、第二ファン9bを駆動することにより、第一切替室ダンパ101、第二切替室ダンパ102の開閉状態に依らず第二ファン吐出風路12、冷凍室風路130、冷凍室吐出口120a、120bを介して製氷室3及び冷凍室4に送られ、製氷室3の製氷皿内の水、容器3b内の氷、冷凍室4内の容器4bに収納された食品等を冷却する。製氷室3及び冷凍室4を冷却した空気は、冷凍室戻り口120cより冷凍室戻り風路120dを介して、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
次に、第一切替室ダンパ101が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bにより昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第一切替室風路140、第一切替室ダンパ101、吐出口形成部材111(図3参照)に備えられた第一切替室吐出口111aを介して、第一切替室5に設けた第一切替室容器5b内に送られて、第一切替室容器5b内の食品を冷却する。第一切替室5を冷却した空気は、第一切替室戻り口111b、冷凍室戻り風路120dを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。
また、第二切替室ダンパ102が開放状態に制御されている場合は、第二ファン9bにより昇圧された空気は、第二ファン吐出風路12、第二切替室風路150、第二切替室ダンパ102、吐出口形成部材112(図3参照)に備えられた第二切替室吐出口112aを介して、第二切替室6に設けた第二切替室容器6b内に送られて、第二切替室容器6b内の食品を冷却する。第二切替室6を冷却した空気は、第二切替室戻り口112b、第二切替室戻り風路112cを流れて、第二蒸発器室8bに戻り、再び第二蒸発器14bと熱交換する。なお、低温の蒸発器が収納される蒸発器室(本実施例では第二蒸発器室8b)、蒸発器と熱交換して低温になった空気が流れる風路(本実施例では、第二ファン吐出風路12、冷凍室風路130、第一切替室風路140、第二切替室風路150)、冷凍温度に維持される貯蔵室(本実施例では製氷室3、冷凍室4、冷凍温度に設定された場合の第一切替室5、冷凍温度に設定された場合の第二切替室6)、冷凍温度に維持される貯蔵室からの戻り風路(本実施例では、冷凍室戻り風路120d、冷凍温度に設定された場合の第二切替室戻り風路112c)は、冷凍温度になる空間であるため、以下では冷凍温度空間と呼ぶ。
図6は、実施例に係る冷蔵庫の冷凍サイクルの構成を表す図である。本実施例の冷蔵庫では、圧縮機24、冷媒の放熱を行う放熱手段としての庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b(外箱91と内箱92の間の領域の外箱91の内面に配置)、断熱仕切壁28、29、30の前面部及び断熱箱体10の前縁部近傍への結露を抑制する結露防止配管50c(断熱仕切壁28、29、30の内面に配置)、冷媒を減圧する減圧手段である第一キャピラリチューブ53aと第二キャピラリチューブ53b、冷媒と庫内の空気を熱交換することで庫内の熱を吸熱する第一蒸発器14aと第二蒸発器14bを備えている。また、冷凍サイクル中の水分を除去するドライヤ51と、液冷媒の圧縮機24への流入を抑制する気液分離器54a、54b、冷媒流路を制御する冷媒制御弁52、逆止弁56、冷媒流を接続する冷媒合流部55を備えており、これらを冷媒配管で接続して冷凍サイクルを構成している。冷媒は可燃性冷媒のイソブタンである。
冷媒制御弁52は、流出口52a、52bを備えており、流出口52aを開放し、流出口52bを閉鎖した「状態1」、流出口52aを閉鎖し、流出口52bを開放した「状態2」、流出口52aと流出口52bの何れも閉鎖した「状態3」、流出口52aと流出口52bの何れも開放した「状態4」の4つの状態に切換え可能な弁である。なお、圧縮機24の回転速度は高速(2500min-1)、中速(1500min-1)、低速(1000min-1)の3段階に制御可能となっている。
次に本実施例の冷蔵庫の冷媒の流れについて説明する。圧縮機24から吐出した高温高圧冷媒は、庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b、結露防止配管50c、ドライヤ51の順に流れ、冷媒制御弁52に至る。冷媒制御弁52の流出口52aは冷媒配管を介して第一キャピラリチューブ53aと接続され、流出口52bは冷媒配管を介して第二キャピラリチューブ53bと接続されている。
第一蒸発器14aにより冷蔵室2を冷却する場合は、冷媒制御弁52を、流出口52a側に冷媒が流れる「状態1」に制御する。流出口52aから流出した冷媒は、第一キャピラリチューブ53aにより減圧されて低温低圧となり、第一蒸発器14aに入り庫内空気と熱交換した後に、気液分離機54a、第一キャピラリチューブ53a内の冷媒と熱交換する熱交換部57a、冷媒合流部55を流れ、圧縮機24に戻る。
第二蒸発器14bにより製氷室3、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6を冷却する場合は、冷媒制御弁52を、流出口52b側に冷媒が流れる「状態2」に制御する。流出口52bから流出した冷媒は、第二キャピラリチューブ53bにより減圧されて低温低圧となり、第二蒸発器14bに入り庫内空気と熱交換した後に、気液分離機54b、第二キャピラリチューブ53b内の冷媒と熱交換する熱交換部57b、逆止弁56、冷媒合流部55の順に流れ、圧縮機24に戻る。逆止弁56は冷媒合流部55から第二蒸発器14b側に向かう流れを阻止するように配設している。
図7は、実施例に係る冷蔵庫の壁面放熱配管50bと、結露防止配管50cの配置を示す図である。断熱箱体10の背面側下部に設けられた機械室39内には、庫外放熱器50a(図6参照)が設置されており、庫外放熱器50aの出口配管は、壁面放熱配管50bに接続される(機械室39内の構成は図7中に図示せず)。図7中に示すように、断熱箱体10の左壁、天井壁、右壁には壁面放熱配管50b(図7中に示すA点からB点に至る配管)が配設されている。また、断熱箱体10の前面側には、断熱仕切壁28、29、30の前面部及び断熱箱体10の前縁部近傍への結露を抑制する結露防止配管50c(図7中に示すD点からE点に至る配管)が配設されている。
冷媒は、断熱箱体10の左壁後方下部のA点から壁面放熱配管50bに入り、断熱箱体10の左壁、天井壁、右壁の順に流れて、B点で断熱箱体10の右壁から機械室39に入る。続いてC点から再び断熱箱体10内に入り、結露防止配管50cの始点となるD点に至る(C点からD点は接続配管)。D点から断熱箱体10の前縁、断熱仕切壁30、断熱仕切壁29、断熱仕切壁28を流れて、E点に至る。さらに右壁の下部を流れてF点において再び機械室39に入り、機械室内に設置されるドライヤ51(図6参照)に至る。
図8は、実施例に係る冷蔵庫の断熱箱体10の左壁の構成を示す水平断面図である。断熱箱体10は、外箱91(厚さ0.45mmの鋼板)と内箱92(厚さ0.9mmのABS樹脂)と、その間に充填されたポリウレタンフォーム93、及び、外箱91側に設置された真空断熱材25cから構成されている。真空断熱材25cには溝250が形成されており、溝250と外箱91の間に形成される領域に、上下に亘って壁面放熱配管50bが配設されている。壁面放熱配管50bは図示しない金属テープ(アルミニウムテープ)により、外箱91に固定されており、真空断熱材25cは図示しない接着剤によって外箱91に固定されている。外箱91は金属(鋼板)であるため熱伝導率が高く、また、金属テープで固定されていることから、壁面放熱配管50bの熱は外箱91に良好に伝導されるとともに、外箱91に固定されている真空断熱材25cの表面にも良好に伝導される。すなわち、壁面放熱配管50bは、真空断熱材25cと熱的に略接触した状態となる。なお、壁面放熱配管と真空断熱材の間に十分な空隙、または、断熱部材(具体的には10mm以上の空隙、または、10mm以上の厚さの断熱部材)が介在していない場合は、壁面放熱配管と、真空断熱材は熱的に略接触した状態とみなせる。以後、熱的に略接触した状態を、近接と呼ぶことがある。ちなみに、断熱箱体10の右壁も上述の左壁と略左右対称の構成となっており、壁面放熱配管50bが、真空断熱材25dと熱的に略接触した状態となっている。
図9は、実施例に係る冷蔵庫の真空断熱材25(25a〜25h)の基本構成を示す図である。真空断熱材25はガスバリア性を備えた外包材72と、外包材72の内部に芯材70と吸着剤71を封入した状態で、外包材72の内部のガスを排出し、端部72aを熱溶着することで形成された断熱部材である。外包材72の端部72aは図9に示すように折り返して図示しないテープで固定することで、芯材70の形状に略一致した断熱部材とすることができる。外包材72は、少なくとも一層は金属を含むガスバリア層(金属箔層または金属蒸着層)を備えたラミネートフィルムである。具体的な構成の一例として、外包材72を4層ラミネートフィルムとし、最も外側の第一層は表面保護層として、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを用い、第二層には、第1ガスバリア層として、アルミニウム蒸着付きのポリエチレンテレフタレートフィルム、第三層には、第2ガスバリア層として、アルミニウム蒸着付きのエチレンビニルアルコール共重合体樹脂フィルム又はアルミニウム蒸着付きの二軸延伸ポリビニルアルコール樹脂フィルム、又はアルミ箔とし、最も内側の第四層は、熱溶着層として、未延伸タイプのポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムとすることができる。
図10は第一切替室扉5aと容器5bを外した状態で第一切替室5を前方から見た図である。断熱仕切壁29及び断熱仕切壁30の内部には、図10中に点線で示すように真空断熱材25g及び真空断熱材25hが実装されており、真空断熱材25g及び真空断熱材25hの面積(幅寸法×奥行寸法)は、それぞれ272000mm、266700mmである。また、図10中に破線で示すように、本実施例の冷蔵庫は、第一切替室5の底面、すなわち、断熱仕切壁30の上面30aには、第一切替室5の下方からの加熱手段となる第一切替室第一ヒータ301を備え、第一切替室5の背面、すなわち、断熱仕切壁27の前面27aには第一切替室5の後方からの加熱手段となる第一切替室第二ヒータ302を備えている。さらに、第一切替室5の左面と右面、すなわち、内箱92の左面92aと右面92bには、第一切替室5の左側方からの加熱手段となる第一切替室第三ヒータ303と、第一切替室5の右側方からの加熱手段となる第一切替室第四ヒータ304を備えている。第一切替室第一ヒータ301、第一切替室第二ヒータ302、第一切替室第三ヒータ303及び第一切替室第四ヒータ304は、図示しない配線により互いに並列に接続された電気ヒータであり、全てが同時に通電される。以下では、第一切替室5の加熱手段となるヒータ(第一切替室第一ヒータ301、第一切替室第二ヒータ302、第一切替室第三ヒータ303、第一切替室第四ヒータ304)の総称を、第一切替室ヒータ300とする。
第一切替室ヒータ300は図示しない発熱線(一例としてシリコンコードヒータ)とアルミニウム箔を両面粘着テープの一面で固定し、両面粘着テープの他面を加熱面に貼付可能としたアルミ箔ヒータである。第一切替室第一ヒータ301、第一切替室第二ヒータ302、第一切替室第三ヒータ303、第一切替室第四ヒータ304の有効加熱面積(アルミニウム箔面積)は、それぞれ255200mm、107800mm、11750mm、11750mmである。第一切替室第一ヒータ301は、断熱仕切壁30内の真空断熱材25hの上面(面積266700mm)の過半領域を覆うように配設されており、真空断熱材25hの断熱性能が劣化することで断熱仕切壁30の断熱性能が低下しても、断熱仕切壁30の上面を良好に加熱できるようにしている(詳細は後述)。
第一切替室第一ヒータ301、第一切替室第二ヒータ302、第一切替室第三ヒータ303、第一切替室第四ヒータ304の容量は、それぞれ11.3W、8.6W、3.1W、3.1Wであり、発熱密度(単位面積当たりの発熱量)はそれぞれ44.3W/m、79.8W/m、263.8W/m、263.8W/mである。発熱密度が高いと温度が上昇しやすくなるので、特に真空断熱材25hを備えた断熱仕切壁30に実装された加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の発熱密度は、100W/m以下の44.3W/mに抑えることで温度が上昇することによる真空断熱材25hの劣化が加速され難くしている(詳細は後述)。また、本実施例の冷蔵庫のように、真空断熱材を備えていない断熱仕切壁27に実装された加熱手段(第一切替室第二ヒータ302)の発熱密度を、真空断熱材25hを備えた断熱仕切壁30に実装された加熱手段(第一切替室第一ヒータ302)より小さくすることで、真空断熱材25hを備えた断熱仕切壁の劣化が加速されて、第一切替室5が冷え過ぎるといった事態が生じ難い冷蔵庫としている。
また、第一切替室ヒータ300の容量(第一切替室第一ヒータ301、第一切替室第二ヒータ302、第一切替室第三ヒータ303、第一切替室第四ヒータ304の総容量)を20W以上の26.1Wとしている。これにより、特に第一切替室5と第二切替室6がそれぞれ冷蔵温度と冷凍温度に設定される「RF」モードに設定されて、第一切替室5の3つの面が第一切替室5より低温の冷凍温度空間と隣接する状態になり、温度が下がりやすい貯蔵室となった場合に、第一切替室5と冷凍温度空間との間を隔てる断熱仕切壁に実装された真空断熱材が破損するといった不測の事態が生じても第一切替室5を良好に加熱することができ、貯蔵室内が冷えすぎて所望の温度に維持できなくなる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が生じ難い冷蔵庫となる。
さらに、第一切替室5を下方から加熱する加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の容量(11.3W)を、第一切替室5を背面(後方)、または、左右側面から加熱する加熱手段(第一切替室第二ヒータ302、第一切替室第二ヒータ303、第一切替室第二ヒータ304)の何れの容量(8.6W、3.1W、3.1W)よりも大きくしている。加熱されて温度が上昇した空気は、貯蔵室内を上昇するので、このように下方からの加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の容量(11.3W)を大きくすることで効率的に第一切替室5内を加熱することができ、省エネルギー性能が高くなる。
なお、断熱仕切壁30及び断熱仕切壁27は、表面が図示しない厚さ1.5mmの樹脂部材(本実施例ではポリプロピレン)により覆われており、第一切替室第一ヒータ301及び第一切替室第二ヒータ302は、それぞれ断熱仕切壁30及び断熱仕切壁27の樹脂部材の内側(内表面)に貼付されている。従って、断熱仕切壁30内の真空断熱材25hには、第一切替室第一ヒータ301を直接貼付していないが、両者の間には十分な空隙、または、断熱部材(具体的には10mm以上の空隙、または、10mm以上の厚さの断熱部材)が介在していないので、熱的に略接触した状態となる。
また、第一切替室第三ヒータ303及び第一切替室第四ヒータ304は、何れも内箱92(ABS樹脂)の内表面(庫外側表面)に貼付されている。図10に示すとおり、第一切替室5を加熱する第一切替室ヒータ300が配設される位置は、第一切替室扉5aと容器5bを外すことで解体作業を伴わずにユーザーが触れることが可能な、貯蔵室の内壁面となる。そこで、上記のように第一切替室ヒータ300と第一切替室5の間に樹脂部材(断熱仕切壁27及び断熱仕切壁30の表面樹脂部材または内箱92)を介在させるように配設することで、ユーザーが清掃等のために第一切替室扉5aと容器5bを外して庫内壁面(断熱仕切壁27、断熱仕切壁30、内箱92の表面)に触れても、ヒータが破損するといった事態が生じない信頼性の高い冷蔵庫としている。
図11は、第二切替室扉6aと容器6bを外した状態で第二切替室6を前方から見た図である。図11中に破線で示すように、本実施例の冷蔵庫は、第二切替室6の背面を形成する内箱92cには、第二切替室6の後方からの加熱手段となる第二切替室第一ヒータ401を備えている。また、断熱仕切壁30の下面30bには、第二切替室6の上方からの加熱手段となる第二切替室第二ヒータ402を備えている。第二切替室第一ヒータ401、第二切替室第二ヒータ402は図示しない配線により互いに並列に接続されており、同時に通電される。以下では、第二切替室6の加熱手段となるヒータ(第二切替室第一ヒータ401、第二切替室第二ヒータ402)の総称を、第二切替室ヒータ400とする。
第二切替室ヒータ400は、図示しない発熱線(一例としてシリコンコードヒータ)とアルミニウム箔を両面粘着テープの一面で固定し、両面粘着テープの他面を加熱面に貼付可能としたアルミ箔ヒータである。第二切替室第一ヒータ401、第二切替室第二ヒータ402の有効加熱面積(アルミニウム箔面積)は、それぞれ40710mm、255200mmであり、ヒータ容量と発熱密度は、それぞれ4.0W、98.3W/m、10.9W、42.7W/mである。第二切替室第一ヒータ401は、内箱92(ABS樹脂)の内表面(庫外側表面)に貼付されており、第二切替室第二ヒータ402は、断熱仕切壁30の樹脂部材内側(内表面)に貼付されている。
図12は、図2における断熱仕切壁30の後端近傍の嵌合部の構成を表す要部拡大断面図である。図12に示すように、断熱仕切壁30の内部には真空断熱材25が実装されている。また、断熱仕切壁30の上面30aを形成する樹脂部材の内面には第一切替室第一ヒータ301、断熱仕切壁30の下面30bを形成する樹脂部材の内面には第二切替室第二ヒータ402がそれぞれ貼付されている。このように断熱仕切壁の内部に真空断熱材とともに加熱手段(ヒータ)を実装する場合には、加熱手段(ヒータ)を真空断熱材に貼付せずに、外周形成部材に貼付することで、ヒータ加熱時の膨張作用に起因する劣化が生じ難くなり、信頼性が高い冷蔵庫となる。また、断熱仕切壁30の後部は、断熱仕切壁27の凹部27aに嵌め込むことで固定されており、断熱仕切壁30に実装された真空断熱材25の後端は、断熱仕切壁27の凹部27aの前縁27bより寸法L(本実施例ではL=30mm)だけ後方に位置するように実装されている。
冷蔵庫1の上部には、制御装置の一部であるCPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御基板31を配置している。また、制御基板31は、外気温度センサ37、外気湿度センサ38、冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、第一切替室温度センサ43、第二切替室温度センサ44、第一蒸発器温度センサ40a、第二蒸発器温度センサ40b等と電気配線(図示せず)で接続されている。制御基板31では、各センサの出力値や操作部26の設定、ROMに予め記録されたプログラム等を基に、後述する圧縮機24や第一ファン9a、第二ファン9bのON/OFFや回転速度制御、第一切替室ダンパ101、第二切替室ダンパ102の開閉制御、第一切替室ヒータ300、第二切替室ヒータ400、後述する除霜ヒータ21の通電制御、冷媒制御弁52の流路切替制御を行っている。
続いて本実施例の冷蔵庫の第一蒸発器14a及び第二蒸発器14bの除霜運転について説明する。第一蒸発器14aについては、圧縮機24駆動状態で冷媒制御弁52を流出口52bに流れる「状態2」に制御した状態、または、圧縮機24停止状態の何れかの状態に制御することで第一蒸発器14aに冷媒を流さない状態とし、第一ファン9aを駆動して冷蔵室2からの戻り空気による加熱作用で除霜する。第一蒸発器14aの除霜時に発生した除霜水は、第一蒸発器室8aの下部に設けた樋23a(図2参照)から、図示しない第一排水管を介して機械室39に設けた図示しない第一蒸発皿に排出され、圧縮機24からの放熱や、機械室39に設置された図示しない機械室ファンによる通風等の作用により蒸発する。このように第一蒸発器14aの除霜は、ヒータを用いず、第一ファン9aの駆動によって行うため省エネルギー性能が高い冷蔵庫となる。また、霜の水分の一部は除霜によって冷蔵室2に還元されるため、冷蔵室2をより高湿に保つことができる。
一方、第二蒸発器14bについては、圧縮機24が停止した状態で、第二蒸発器14bの下部に備えられた加熱手段である除霜ヒータ21(図2参照)に通電することで除霜する。除霜ヒータ21は、例えば50W〜200Wの電気ヒータを採用すれば良く、本実施例では150Wのラジアントヒータとしている。第二蒸発器14bの除霜時に発生した除霜水は第二蒸発器室8bの下部の樋23b(図2参照)から第二排水管26(図2参照)を介して圧縮機24の上部に設けた第二蒸発皿32(図2参照)に排出され、圧縮機24からの放熱や、図示しない機械室ファンによる通風等の作用により蒸発する。
以上で、本実施例に係る冷蔵庫の構成を説明したが、次に本実施例に係る冷蔵庫の制御について説明する。図13は、本実施例に係る冷蔵庫の冷却運転制御を表すフローチャートである。
図13に示すように、本実施例の冷蔵庫は、電源の投入により冷却運転が開始される(スタート)。電源投入から庫内の貯蔵室が所定の温度レベルに到達するまでのプルダウン運転の制御については省略し、安定運転状態に達した状態において第一蒸発器運転が開始される段階(ステップS101)から説明する。なお、安定運転状態とは、冷蔵庫の扉の開閉が行われない状態で、安定して周期的な冷却運転が行われる状態である(例えばJISC9801−3:2015に規定)。
第一蒸発器運転とは、冷媒制御弁を「状態1」に制御し、圧縮機24を駆動状態、第一ファン9aを駆動状態として、第一蒸発器14aに供給される低温冷媒で冷蔵室2を冷却する運転である。本実施例の冷蔵庫では、ステップS101により、冷媒制御弁52は「状態1」の状態に制御され、圧縮機24は低速(1000min-1)で駆動、第一ファン9aは高速(1600min-1)で駆動され、冷蔵室2の冷却(第一蒸発器運転)が行われる。
ステップS101によって開始された第一蒸発器運転は、第一蒸発器運転終了条件(ステップS102)が成立するまで継続される。ステップS102は、冷蔵室温度センサ41が検知する冷蔵室温度が、第一蒸発器運転終了温度(本実施例の冷蔵庫では2℃)以下の場合、または、第一蒸発器運転開始からの経過時間が所定時間(本実施例の冷蔵庫では50分)に到達した場合に成立する。
ステップS102が成立した場合(ステップS102がYes)、続いて冷媒回収運転が行われる(ステップS103)。冷媒回収運転とは、圧縮機24の駆動状態を継続し、冷媒制御弁52を「状態3(全閉)」として、第一蒸発器14a内の冷媒を放熱手段(庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b、結露防止配管50c)側に回収する運転であり、本実施例の冷蔵庫では2分間継続する(ステップS103)。このとき、第一ファン9aの駆動状態を継続し、冷媒回収運転中も冷蔵室2の冷却を行う。これにより第一蒸発器運転終了時に第一蒸発器14a内に残った冷媒を冷却に利用できるので、冷却効率が高い冷蔵庫となる。
ステップS103の冷媒回収運転が終了すると、続いて第一蒸発器除霜が開始される(ステップS104)。第一蒸発器除霜とは、第一蒸発器14aに冷媒を流さない状態で、第一ファン9aを駆動状態とすることで冷蔵室2からの戻り空気による加熱で除霜を行うものである。本実施例の冷蔵庫では、第一蒸発器除霜時の第一ファン9aの回転速度は低速(1000min-1)であり、第一蒸発器運転時の第一ファン9aの回転速度より低くしている。これにより、ファンの消費電力をより低く抑えた効率のよい除霜を行うことができる。
続いて、切替室の設定を読み込み(ステップS105)、第一切替室5、第二切替室6の設定に応じた第二蒸発器運転が開始される(ステップS106)。第二蒸発器運転とは、圧縮機24が駆動状態で、第二蒸発器14bに冷媒が供給されることで、庫内が冷却される状態である。
ステップS106では、切替室の設定と周囲温度(庫外温度)に基づいて、第二蒸発器運転開始時の圧縮機24の回転速度、第二ファン9bの回転速度、第一切替室ダンパ101、第二切替室ダンパ102、第一切替室ヒータ300、第二切替室ヒータ400の状態が決定される。
本実施例の冷蔵庫では第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷凍温度と冷凍温度(「FF」モード)であって、周囲温度が高い場合(本実施例の冷蔵庫では20℃より高い場合)、「圧縮機24が高速(2500min-1)、第二ファン9bが高速(1800min-1)、第一切替室ダンパ101が開放状態、第二切替室ダンパ102が開放状態、第一切替室ヒータ300がOFF状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.45m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0.27m3/min、第二切替室6が0.33m3/minである。
第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷凍温度と冷凍温度(「FF」モード)であって、周囲温度が低い場合(本実施例の冷蔵庫では20℃以下の場合)、「圧縮機24が中速(1500min-1)、第二ファン9bが低速(1200min-1)、第一切替室ダンパ101が開放状態、第二切替室ダンパ102が開放状態が開放状態、第一切替室ヒータ300がOFF状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.30m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0.18m3/min、第二切替室6が0.22m3/minである。
第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷蔵温度と冷凍温度(「RF」モード)であって、周囲温度が高い場合、「圧縮機24が中速(1500min-1)、第二ファン9bが高速(1800min-1)、第一切替室ダンパ101が開放状態、第二切替室ダンパ102が開放状態、第一切替室ヒータ300がOFF状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.45m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0.27m3/min、第二切替室6が0.33m3/minである。
第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷蔵温度と冷凍温度((「RF」モード))であって、周囲温度が低い場合、「圧縮機24が低速(1000min-1)、第二ファン9bが低速(1200min-1)、第一切替室ダンパ101が閉鎖状態、第二切替室ダンパ102が開放状態、第一切替室ヒータ300がON状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.24m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0 m3/min、第二切替室6が0.26m3/minである。
第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷凍温度と冷蔵温度(「FR」モード)であって、周囲温度が高い場合、「圧縮機24が中速(1500min-1)、第二ファン9bが高速(1800min-1)、第一切替室ダンパ101が開放状態、第二切替室ダンパ102が開放状態、第一切替室ヒータ300がOFF状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.45m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0.27m3/min、第二切替室6が0.33m3/minである。
第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷凍温度と冷蔵温度(「FR」モード)であって、周囲温度が低い場合、「圧縮機24が低速(1000min-1)、第二ファン9bが低速(1200min-1)、第一切替室ダンパ101が開放状態、第二切替室ダンパ102が閉鎖状態、第一切替室ヒータ300がOFF状態、第二切替室ヒータ400がON状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.27m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0.22m3/min、第二切替室6が0m3/minである。
第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷蔵温度と冷蔵温度(「RR」モード)であって、周囲温度が高い場合、「圧縮機24が中速(1500min-1)、第二ファン9bが高速(1800min-1)、第一切替室ダンパ101が開放状態、第二切替室ダンパ102が開放状態、第一切替室ヒータ300がOFF状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.45m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0.27m3/min、第二切替室6が0.33m3/minである。
第一切替室5と第二切替室6の設定がそれぞれ冷蔵温度と冷蔵温度(「RR」モード)であって、周囲温度が低い場合、「圧縮機24が低速(1000min-1)、第二ファン9bが低速(1200min-1)、第一切替室ダンパ101が開放状態、第二切替室ダンパ102が開放状態、第一切替室ヒータ300がOFF状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。この状態で各貯蔵室に供給される風量は、製氷室3及び冷凍室4が0.30m3/min(両室の合計)、第一切替室5が0.18m3/min、第二切替室6が0.22m3/minである。
図13に示すステップS106では、以上で説明した状態に圧縮機24、第二ファン9b、第一切替室ダンパ101、第二切替室ダンパ102、第一切替室ヒータ300、第二切替室ヒータ400が制御されるとともに、冷媒制御弁52が「状態2」に制御されて第二蒸発器運転が開始される。続いてステップS107では、第一切替室ダンパ閉条件が成立しているか否かが判定される。ステップS107は、第一切替室ダンパ101が開放状態であって、第一切替室温度センサ43が検知する第一切替室5の温度が、第一切替室ダンパ閉温度以下になった場合に成立し(ステップS107がYes)、第一切替室ダンパ101が閉鎖される(ステップS201)。本実施例の冷蔵庫における第一切替室ダンパ閉温度は、第一切替室5の設定が冷蔵温度の場合は2℃、冷凍温度の場合は−20℃である。
ステップS108では、第二切替室ダンパ閉条件が成立しているか否かが判定される。ステップS108は、第二切替室ダンパ102が開放状態であって、第二切替室温度センサ44が検知する第二切替室6の温度が、第二切替室ダンパ閉温度以下になった場合に成立し(ステップS108がYes)、第二切替室ダンパ102が閉鎖される(ステップS202)。本実施例の冷蔵庫における第二切替室ダンパ閉温度は、第二切替室6の設定が冷蔵温度の場合は1.5℃、冷凍温度の場合は−21℃である。
ステップS109では、第一切替室ヒータOFF条件が成立しているか否かが判定される。ステップS109は、第一切替室ヒータ300が通電状態(ON状態)であって、第一切替室温度センサ43が検知する第一切替室5の温度が、第一切替室ヒータOFF温度以上になった場合に成立し(ステップS109がYes)、第一切替室ヒータ121が非通電状態(OFF状態)となる(ステップS203)。本実施例の冷蔵庫における第一切替室ヒータOFF温度は5℃である。
ステップS110では、第二切替室ヒータOFF条件が成立しているか否かが判定される。ステップS110は、第二切替室ヒータ400が通電状態(ON状態)であって、第二切替室温度センサ44が検知する第二切替室6の温度が、第二切替室ヒータOFF温度以上になった場合に成立し(ステップS111がYes)、第二切替室ヒータ400が非通電状態(OFF状態)となる(ステップS204)。本実施例の冷蔵庫における第二切替室ヒータOFF温度は5℃である。
ステップS111では、第一蒸発器除霜終了条件が成立しているか否かが判定される。ステップS111は、第一ファン9aが駆動状態で、第一蒸発器温度センサ40aが検知する第一蒸発器14aの温度が、第一蒸発器除霜終了温度以上になった場合に成立し(ステップS111がYes)、第一ファン9aがOFF(停止)され、第一蒸発器除霜が終了する(ステップS205)。本実施例の冷蔵庫における第一蒸発器除霜終了温度は3℃である。
ステップS112では、第二蒸発器運転終了条件が成立しているか否かが判定される。ステップS112は、第一切替室ダンパ101が閉鎖状態、第二切替室ダンパ102が閉鎖状態で、冷凍室温度センサ42が検知する温度が第二蒸発器運転終了温度以下となった場合に成立する(ステップS112がYes)。本実施例の冷蔵庫では、冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室4の温度が−21℃以下の場合にステップS112が成立する。ステップS112が成立しない場合(ステップS112がNo)は、再びステップS107の判定に戻る。
ステップS112で第二蒸発器運転終了条件が成立した場合(ステップS112がYes)、続いて冷媒回収運転を行う(ステップS113)。ステップS113における冷媒回収運転は、圧縮機24の回転速度を維持し、冷媒制御弁52を「状態3(全閉)」として、第二蒸発器14b内の冷媒を放熱手段側に回収する運転であり、本実施例の冷蔵庫では3分間継続する。このとき、第二ファン9bは駆動状態を継続し、冷媒回収運転中も冷凍室4などの冷却を行い、冷媒回収運転終了時に第二ファン9bを停止する。これにより第二蒸発器運転終了時に第二蒸発器14b内に残った冷媒を冷却に利用できるので、冷却効率が高い冷蔵庫となる。
続いてステップS114では、第一蒸発器運転開始条件が成立しているか否かが判定される。ステップS114は、冷蔵室温度センサ41が検知する冷蔵室2の温度が第一蒸発器運転開始温度以上となった場合に成立し(ステップS114がYes)、ステップS101に戻り第一蒸発器運転が開始される。本実施例の冷蔵庫における第一蒸発器運転開始温度は6℃である。ステップS114が成立しない場合(ステップS114がNo)、圧縮機24が停止(OFF)される(ステップS115)。
次にステップS116では、第一蒸発器除霜終了条件が成立しているか否かが判定される。ステップS116が成立する条件は、ステップS111が成立する条件と同様である。ステップS116が成立した場合(ステップS111がYes)、第一ファン9aが停止(OFF)され、第一蒸発器除霜が終了する(ステップS206)。
ステップS117では、第一蒸発器運転開始条件が成立しているか否かが判定される。ステップS117が成立する条件は、ステップS114が成立する条件と同様である。ステップS117が成立した場合(ステップS117がYes)、ステップS101に戻り第一蒸発器運転が開始される。
ステップS118では、第二蒸発器運転開始条件が成立しているか否かが判定される。ステップS118は、冷凍室温度センサ42、第一切替室温度センサ43、及び、第二切替室温度センサ44が検知する温度の少なくとも一つが第二蒸発器運転開始温度以上となった場合に成立する(ステップS118がYes)。本実施例の冷蔵庫では、第一切替室5が冷凍温度、第二切替室6が冷凍温度(「FF」モード)に設定されていた場合、冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室4の温度が−12℃以上、第一切替室温度センサ43が検知する第一切替室5の温度が−12℃以上、第二切替室温度センサ44が検知する第二切替室6の温度が−12℃以上の少なくとも一つを満足した場合にステップS118が成立する。
また、第一切替室5が冷蔵温度、第二切替室6が冷凍温度(「RF」モード)に設定されていた場合は、冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室4の温度が−12℃以上、第一切替室温度センサ43が検知する第一切替室5の温度が8℃以上、第二切替室温度センサ44が検知する第二切替室6の温度が−12℃以上の少なくとも一つを満足した場合にステップS118が成立する。
第一切替室5が冷凍温度、第二切替室6が冷蔵温度(「FR」モード)に設定されていた場合は、冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室4の温度が−12℃以上、第一切替室温度センサ43が検知する第一切替室5の温度が−12℃以上、第二切替室温度センサ44が検知する第二切替室6の温度が8℃以上の少なくとも一つを満足した場合にステップS118が成立する。
第一切替室5が冷蔵温度、第二切替室6が冷蔵温度(「RR」モード)に設定されていた場合は、冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室4の温度が−12℃以上、第一切替室温度センサ43が検知する第一切替室5の温度が8℃以上、第二切替室温度センサ44が検知する第二切替室6の温度が8℃以上の少なくとも一つを満足した場合にステップS118が成立する。
ステップS118が成立した場合(ステップS118がYes)、ステップS105に移行し、ステップS118が成立しない場合(ステップS118がNo)、ステップS116の判定に戻る。
図14は本実施例に係る冷蔵庫を、JISC9801−3:2015に則って16℃、相対湿度55%の環境に設置して、第一切替室5を冷蔵温度、第二切替室6を冷凍温度(「RF」モード)に設定した場合の安定運転状態を表すタイムチャートである。以下では冷凍室4と同時に冷却される製氷室3の冷却状態については説明を省略する。
時刻tは冷蔵室2を冷却する第一蒸発器運転を開始(図13のステップS101)した時刻である。第一蒸発器運転では、冷媒制御弁52を「状態1」に制御し、圧縮機24を低速(1000min-1)で駆動、第一ファン9aを高速(1600min-1)で駆動することで冷蔵室2を冷却する。ここで、第一蒸発器運転中の第一蒸発器14aの時間平均温度は−8℃であり、後述する第二蒸発器運転中の第二蒸発器14bの時間平均温度よりも高くしている。これにより冷凍室4や冷凍温度に設定された第一切替室5や第二切替室6に対して、維持する温度が相対的に高い冷蔵室2を効率よく冷却でき、省エネルギー性能が高い冷蔵庫となる。
第一蒸発器運転が開始されたことで冷蔵室2が冷却されるとともに、真空断熱材25c、25dに近接して設けられた壁面放熱配管50b(図3及び図8参照)の温度は、圧縮機24により送り出された冷媒が流れることにより、第一蒸発器運転開始後に上昇し、その後安定している。
時刻tで冷蔵室温度センサ42が検知する冷蔵室2の温度が第一蒸発器運転終了温度TR_off(=2℃)以下となり、冷蔵運転から冷媒回収運転に移行している(図13のステップS102、S103)。冷媒回収運転では冷媒制御弁52を「状態3(全閉)」に制御し、圧縮機24を低速(1000min−1)で駆動した状態を継続して、第一蒸発器14a内の冷媒を2分間回収する。これにより、次の第二蒸発器運転における冷媒不足による冷却効率低下を抑制することができる。このとき第一ファン9aを駆動状態とすることで、第一蒸発器14a内の残留冷媒を冷蔵室2の冷却に活用するとともに、冷蔵室2からの戻り空気による加熱で、第一蒸発器14a内の圧力低下が緩和される。これにより、圧縮機24が吸い込む冷媒の比体積の増加が抑制され、比較的短い時間で多くの冷媒を回収できるようになり、冷却効率を高めることができる。
冷媒回収運転が終わると(時刻t)、第一ファン9aが低速(1000min-1)になり、第一蒸発器除霜が行われている。このように第一蒸発器運転中よりも第一ファン9aの回転速度を低くすることで、ファンの駆動に要する消費電力量を抑えつつ、第一蒸発器14aの除霜を行うことができ省エネルギー性能に優れた冷蔵庫となる。このとき、第一蒸発器14aの温度は、冷蔵室2からの戻り空気で加熱されて上昇し、冷蔵室2の温度は、霜や第一蒸発器14aの蓄冷熱による冷却効果により上昇が緩和される。
さらに、時刻tからは、冷媒制御弁52が「状態2」に制御され、第一切替室5と第二切替室6の設定に基づいた第二蒸発器運転が開始している(図13のステップS105、S106)。ここでは第一切替室5が冷蔵温度、第二切替室6が冷凍温度(「RF」モード)に設定されており、周囲温度が20℃以下であるため、「圧縮機24が低速(1000min-1)、第二ファン9bが低速(1200min-1)、第一切替室ダンパ101が閉鎖状態、第二切替室ダンパ102が開放状態、第一切替室ヒータ300がON状態、第二切替室ヒータ400がOFF状態」が選択される。
第二蒸発器運転が開始されると、第一切替室ダンパ101が閉鎖状態、第二切替室ダンパ102が開放状態で、第二ファン9bが駆動されるため、冷凍室4の温度、第一切替室5の温度、第二切替室6の温度が低下するとともに、第一切替室ヒータ300による加熱が行われるため、真空断熱材25hに近接して設けられた第一切替室第一ヒータ301の温度が上昇している。
時刻tで第一切替室温度センサ43が検知する第一切替室温度が、第一切替室ヒータ300のOFF温度TS1_H_off(=5℃)以上となり、第一切替室ヒータ300の通電が終了している(図13のステップS109、S203)。これにより、時刻t以降は第一切替室第一ヒータ301の温度が低下している。
時刻tで第二切替室温度センサ44が検知する第二切替室温度が、第二切替室ダンパ閉温度TS2_off (=−21℃)以下となり、開放されていた第二切替室ダンパ102が閉鎖され(図13のステップS108、S202)、第二切替室6の冷却が終了し、冷凍室4のみが冷却される状態となる。
時刻tで冷凍室温度センサ42が検知する冷凍室4の温度が、第二蒸発器運転終了温度TF_off (=−21℃)以下に到達したことで、第二蒸発器運転を終了し、冷媒回収運転に移行している(図13のステップS112、S113)。時刻t〜tで実施された第二蒸発器運転中の第二蒸発器14bの時間平均温度は−29℃である。
冷媒回収運転では冷媒制御弁52を「状態3(全閉)」に制御し、圧縮機24を低速(1000min-1)で駆動した状態を継続して、第二蒸発器14b内の冷媒を3分間回収する(図13のステップS113)。これにより、次の第一蒸発器運転における冷媒不足による冷却効率低下を抑制することができる。このとき第二ファン9bを駆動状態とすることで、第二蒸発器14b内の残留冷媒を冷凍室4の冷却に活用するとともに、冷凍室4からの戻り空気による加熱で、第二蒸発器14b内の圧力低下が緩和される。これにより、圧縮機24が吸い込む冷媒の比体積の増加が抑制され、比較的短い時間で多くの冷媒を回収できるようになり、冷却効率を高めることができる。
時刻tで冷媒回収運転が終わると、第一蒸発器運転開始条件が成立しているかが判定され(図13のステップS114)、冷蔵室温度センサ41が検知する冷蔵室2の温度が第一蒸発器運転開始温度TR_on(=6℃)以上に到達していないため、圧縮機24、第二ファン9bが停止され、OFF状態となる。
時刻tで第一蒸発器温度センサ40aが検知する第一蒸発器14aの温度が第一蒸発器除霜終了温度TRD_off (=3℃)以上に到達し、第一ファン9aが停止している(図13のステップS116、S206)。
時刻tで冷蔵室温度センサ41が検知する冷蔵室2の温度が第一蒸発器運転開始温度TR_on(=6℃)以上となり、第一蒸発器運転開始条件が成立し(図13のステップS117)、再び第一蒸発器運転が開始される(図13のステップS101)。以上のt0〜t8の状態が繰り返されることで、各部の温度が所定温度に制御される。このとき、真空断熱材25c、25dに近接して設けられた壁面放熱配管50b(図3及び図8参照)の時間平均温度は18.0℃、真空断熱材25hに近接して設けられた第一切替室第一ヒータ301の時間平均温度は5.0℃である。このように本実施例の冷蔵庫は、壁面放熱配管50bの時間平均温度より、 第一切替室第一ヒータ301の時間平均温度の方が低くなるように、圧縮機24、第一ファン9a、第二ファン9b、及び、第一切替室第一ヒータ300を制御している。さらに、真空断熱材25c、25dに近接して設けられた壁面放熱配管50b(図3及び図8参照)の最高到達温度は18.5℃、真空断熱材25hに近接して設けられた第一切替室第一ヒータ301の最高到達温度は13.0℃であり、壁面放熱配管50bの最高到達温度より、 第一切替室第一ヒータ301の最高到達温度の方が低くなるように制御している。
なお、蒸発器(第一蒸発器14aと第二蒸発器14b)は蒸発器室(第一蒸発器室8aと第二蒸発器室8b)に収納され、蒸発器室の温度は蒸発器温度に依存して変化する。従って、図8及び図9に示す蒸発器温度(第一蒸発器温度Tevp1、第二蒸発器温度Tevp2)を蒸発器室の代表温度(第一蒸発器室温度、第二蒸発器室温度)とみなすことができる。
図15は実施例に係る冷蔵庫を、JISC9801−3:2015に則って16℃、相対湿度55%の環境に設置し、第一切替室5を冷蔵温度、第二切替室6を冷凍温度(「RF」モード)に設定した場合の第二蒸発器14bの除霜運転を表すタイムチャートである。なお、以下の説明では、冷蔵室2、製氷室3及び冷凍室4の状態については説明を省略する。
本実施例の冷蔵庫は、圧縮機24の積算駆動時間が所定時間(本実施例の冷蔵庫では24時間)に到達した場合に第二蒸発器14bに霜が成長したと判定され、第二蒸発器14bの除霜待機状態となる。図15においては、tにおいて、圧縮機24の積算駆動時間が所定時間(24時間)に到達し、第二蒸発器14bの除霜待機状態に移行している。tにおける制御状態は、圧縮機24が低速で駆動(ON)、冷媒制御弁52が状態2、第二ファン9bが低速で駆動(ON)、第一切替室ダンパ101が開放、第二切替室ダンパ102が閉鎖、第一切替室ヒータ300が通電(ON)、第二切替室ヒータ400が非通電(OFF)、除霜ヒータ21が非通電(OFF)の状態で、第二蒸発器14bと熱交換した冷却空気を第二切替室6に供給して冷却している。この状態では、冷凍温度に設定された第二切替室6の温度が低下する。
本実施例の冷蔵庫では、第二蒸発器14bの除霜待機状態に移行後、第二蒸発器運転が所定時間(本実施例の冷蔵庫では15分)継続される。第二蒸発器運転が所定時間実施されると、続いて除霜ヒータ21が通電状態となる第二蒸発器除霜運転が開始される。図15では、tにおいて、圧縮機24が停止(OFF)、冷媒制御弁52が状態3、第二ファン9bが停止(OFF)、第一切替室ダンパ101が閉鎖、第二切替室ダンパ102が閉鎖、第一切替室ヒータ300が非通電(OFF)、第二切替室ヒータ400が非通電(OFF)、除霜ヒータ21が通電(ON)状態となり、第二蒸発器除霜運転が開始している。第二蒸発器除霜運転が開始すると、除霜ヒータ21の加熱作用により、第二蒸発器14bの温度が上昇する。このとき、第一切替室5と第二蒸発器室8bを隔てる断熱仕切壁27の蒸発器室側の表面温度(断熱仕切壁27温度)も除霜ヒータ21の加熱作用により上昇する。また、第二切替室6の温度は冷却が停止された状態となるために上昇する。なお、圧縮機24の積算駆動時間が除霜待機状態に移行する所定時間に到達した際に、第一蒸発器14aに冷媒が供給されることで庫内を冷却している状態(第一蒸発器運転)、または、第一蒸発器14aと第二蒸発器14bの何れにも冷媒が供給されていない状態(冷却停止)の何れかであった場合には、次の第二蒸発器運転が開始した時点から除霜待機状態に移行する。
本実施例の冷蔵庫では、第二蒸発器除霜運転開始後に、第二蒸発器温度センサ40bの検知温度が所定温度(本実施例の冷蔵庫では0.5℃)に到達した場合、冷媒制御弁52が状態3から状態2に切替えられる。図15では、tにおいて、冷媒制御弁52が状態2に切替られている。これにより、冷媒制御弁52が状態3となることで放熱手段(庫外放熱器50a、壁面放熱配管50b、結露防止配管50c)側に留まっていた冷媒が、第二蒸発器14b内に流入する。このとき第二蒸発器14bが加熱される(温度上昇が加速される)ので、より確実な除霜を行うことができる。
本実施例の冷蔵庫では、第二蒸発器温度センサ40bの検知温度が0℃より高い除霜終了温度(本実施例の冷蔵庫では8℃)に到達した場合に、除霜ヒータ21への通電が停止され、第二蒸発器除霜運転が終了される。その後、所定時間(本実施例の冷蔵庫では5分間)の冷却開始遅延状態(オフタイム)を経て、第二蒸発器運転が開始される。図15では、tにおいて第二蒸発器温度センサ40bの検知温度が除霜終了温度(8℃)に到達し、除霜ヒータ21への通電が停止され(OFF)、除霜運転が終了している。続いてtまでのオフタイムを経て、圧縮機24が中速で駆動(ON)、冷媒制御弁52が状態2、第二ファン9bが高速で駆動(ON)、第一切替室ダンパ101が閉鎖、第二切替室ダンパ102が開放、第一切替室ヒータ300が通電(ON)、第二切替室ヒータ400が非通電(OFF)、除霜ヒータ21が非通電(OFF)状態で除霜運転中に温度が上昇した第二切替室6の温度を速やかに復帰させる第二蒸発器運転が開始されている。これにより、第二切替室6、第二蒸発器14b、断熱仕切壁27の各温度が低下している。このとき、断熱仕切壁27の温度は、0℃より低い冷凍温度から、0℃より高い冷蔵温度にまで上昇している。また、断熱仕切壁27の最高到達温度は、第二蒸発器温度14bの最高到達温度よりも高くなっている。
なお第一切替室5の温度は、第一切替室温度センサ43の表面温度、あるいは、第一切替室5の容器5b内部の温度、第二切替室6の温度は、第二切替室温度センサ44の表面温度、あるいは、第二切替室5の容器6b内部の温度、第二蒸発器14bの温度は、第二蒸発器温度センサ40bの表面温度、あるいは、第二蒸発器14bの最上部近傍の配管温度、断熱仕切壁27の温度は、断熱仕切壁27の第二蒸発器室8b側の蒸発器14b前方投影面内の表面温度、壁面放熱配管50bの温度は、壁面放熱配管50b配設箇所近傍の外箱91表面温度、第一切替室第一ヒータ301の温度は、第一切替室第一ヒータ301が配設された箇所の断熱仕切壁30の表面温度を測定することにより、図13〜図15で説明した動作が正しく行われていることを確認できる。
以上で、本実施例の冷蔵庫の構成と、制御方法の説明をしたが、次に、本実施形態の冷蔵庫の奏する効果について説明する。
本実施例の冷蔵庫は、断熱箱体10の内部に実装された真空断熱材(真空断熱材25b、25c)と、真空断熱材に近接した放熱手段(壁面放熱配管50b)と、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室(冷蔵温度に設定された第一切替室5)と、前記第一の貯蔵室の上部に、第一の仕切壁(断熱仕切壁29)を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室(製氷室3、冷凍室4)と、前記第一の貯蔵室の下部に、第二の仕切壁(断熱仕切壁30)を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室(冷凍温度に設定された第二切替室6)と、前記第一の貯蔵室の後方に、第三の仕切壁(断熱仕切壁27)を隔てて隣接した蒸発器室(第二蒸発器室8b)を備え、前記第二の仕切壁には、真空断熱材(真空断熱材25h)を備えるとともに、前記第一の貯蔵室を加熱する加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)が真空断熱材25hの上面の過半領域に近接するように配設され、前記放熱手段(壁面放熱配管50b)の安定運転時の時間平均温度が前記加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の安定運転時の時間平均温度より低くなるように加熱している。すなわち第一の貯蔵室を区画する壁のうち、第一の貯蔵室より温度が高い空間(庫外)と第一の貯蔵室の間を隔てる壁(断熱箱体10)に実装された真空断熱材(真空断熱材25b、25c)に近接する放熱手段(壁面放熱配管50b)の安定運転時の時間平均温度より、第一の貯蔵室より温度が低い空間(冷凍温度空間)と第一の貯蔵室の間を隔てる第二の仕切壁(断熱仕切壁30)に実装された真空断熱材(真空断熱材25h)に近接するように配設した加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の安定運転時の時間平均温度の方が低くなるように加熱している。これにより、信頼性が高い冷蔵庫となる。理由を以下で説明する。
本実施例の冷蔵庫では、第一切替室5を冷蔵設定、第二切替室6を冷凍設定とした場合、第一切替室5は、3つの面が第一切替室5より低温の冷凍温度空間と隣接することで特に温度が下がりやすい貯蔵室となる。冷凍温度空間からの冷却作用により貯蔵室が冷えすぎた場合、貯蔵室内が所望の温度に維持できなくなる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が発生することがある。従って、冷え過ぎの抑制が課題となる。本実施例の冷蔵庫は、断熱性能を向上させるために複数の真空断熱材(真空断熱材25a〜25h)を実装しているが、真空断熱材はガスバリア性外包材の内部のガスを排出、すなわち減圧することにより断熱性能を高める断熱部材であるために、長期的にはガスバリア性外包材を介したガス侵入(ガス透過)が生じて断熱性能が低下(劣化)する。このことから、長期的に冷え過ぎによる不具合が生じないようにするためには、真空断熱材の劣化の考慮が必要となる。
ガスバリア性外包材を介したガス透過は、温度が高いほど促進される特性を有するため、より高い温度に曝されるほど真空断熱材の劣化は進行する。本実施例の冷蔵庫は、冷蔵設定の第一切替室5より温度が高い空間(庫外)と第一切替室5の間を隔てる壁(断熱箱体10)に実装された真空断熱材(真空断熱材25c、25d)と、冷蔵設定の第一切替室5より温度が低い空間(冷凍温度空間)と第一切替室5の間を隔てる壁(断熱仕切壁30)に実装された真空断熱材(真空断熱材25h)を有するが、それぞれの劣化が進んだ場合の第一切替室5への影響は異なる。具体的には、冷蔵設定の第一切替室5より温度が高い空間(庫外)と第一切替室5の間を隔てる壁(断熱箱体10)に実装された真空断熱材(真空断熱材25c、25d)の劣化が進んだ場合には、庫外からの伝熱が増えて、第一切替室5の冷え過ぎが生じ難くなる。一方で、冷蔵設定の第一切替室5より温度が低い空間(冷凍温度空間)と第一切替室5の間を隔てる壁(断熱仕切壁30)に実装された真空断熱材(真空断熱材25h)の断熱性能が劣化した場合には、冷凍温度空間への伝熱が増えて(冷凍温度空間からの冷却量が増えて)、冷え過ぎによる不具合が生じ易くなる。そこで、本実施例の冷蔵庫では、上述の構成を採用することで、第一切替室5より温度が高い空間(庫外)との間の壁(断熱箱体10)に実装された真空断熱材(真空断熱材25c、25d)より、第一切替室5より温度が低い空間(冷凍温度空間)との間の壁(断熱仕切壁30)に実装された真空断熱材(真空断熱材25h)の劣化を遅らせることで、貯蔵室内が冷えすぎて所望の温度に維持できなくなる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が長期的に発生し難い信頼性が高い冷蔵庫としている。
本実施例の冷蔵庫は、断熱箱体10の内部に実装された真空断熱材(真空断熱材25b、25c)と、真空断熱材に近接した放熱手段(壁面放熱配管50b)と、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室(冷蔵温度に設定された第一切替室5)と、前記第一の貯蔵室の上部に、第一の仕切壁(断熱仕切壁29)を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室(製氷室3、冷凍室4)と、前記第一の貯蔵室の下部に、第二の仕切壁(断熱仕切壁30)を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室(冷凍温度に設定された第二切替室6)と、前記第一の貯蔵室の後方に、第三の仕切壁(断熱仕切壁27)を隔てて隣接した蒸発器室(第二蒸発器室8b)を備え、前記第二の仕切壁には、真空断熱材(真空断熱材25h)を備えるとともに、前記第一の貯蔵室を加熱する加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)が真空断熱材25hの上面の過半領域に近接するように配設され、前記放熱手段(壁面放熱配管50b)の安定運転時の最高到達温度が前記加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の安定運転時の最高到達温度より低くなるように加熱している。これにより、貯蔵室内が冷えすぎて所望の温度に維持できなくなる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合を、より確実に防止するようにして信頼性を高めている。理由を以下で説明する。
ガス定数をR、ガス透過の活性化エネルギーをE、絶対温度をTとすると、真空断熱材の断熱性能の劣化速度Kは、以下の(式1)により表される。
K∝exp(−E/RT) (式1)
(式1)から、真空断熱材の温度が上がると劣化速度はより高まることがわかり、比較的短い時間であっても劣化が加速される。そこで、本実施例の冷蔵庫では放熱手段(壁面放熱配管50b)の安定運転時の最高到達温度が、加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の安定運転時の最高到達温度よりも低くなるようにすることで、第一切替室5より温度が高い空間(庫外)と第一の貯蔵室の間を隔てる壁の断熱性能の低下より、冷蔵設定の第一切替室5より温度が低い空間(冷凍温度空間)と第一切替室5の間を隔てる壁の断熱性能が早く低下し、貯蔵室内が冷えすぎて所望の温度に維持できなくなる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合を、より確実に防止するようにしている。
本実施例の冷蔵庫は、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室(冷蔵温度に設定された第一切替室5)と、第一の貯蔵室の上部に、第一の仕切壁(断熱仕切壁29)を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室(製氷室3、冷凍室4)と、前記第一の貯蔵室の下部に、第二の仕切壁(断熱仕切壁30)を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室(冷凍温度に設定された第二切替室6)と、前記第一の貯蔵室の後方に、第三の仕切壁(断熱仕切壁27)を隔てて隣接した蒸発器室(第二蒸発器室8b)を備え、前記第一の仕切壁と前記第二の仕切壁の主たる断熱手段としてそれぞれ真空断熱材(真空断熱材25g、25h)を実装し、前記第三の仕切壁の主たる断熱手段として真空断熱材を実装せず、発泡断熱材を実装している。これにより信頼性が高い冷蔵庫となる。理由を以下で説明する。
本実施例の冷蔵庫では、第一切替室5を冷蔵設定、第二切替室6を冷凍設定とした場合、第一切替室5は、3つの面が冷凍温度空間と隣接することで特に低温になりやすい貯蔵室となる。冷凍温度空間からの冷却作用により貯蔵室が冷えすぎた場合、貯蔵室内が所望の温度に維持できなくなる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が発生することがある。従って、冷え過ぎを抑制するためには、冷蔵温度に設定された貯蔵室と、冷凍温度空間とを隔てる仕切壁の断熱性能を向上させるために真空断熱材を実装することが有効となる。真空断熱材は樹脂材料を含むガスバリア性外包材の内部のガスを排出、すなわち減圧することにより断熱性能を高める断熱部材となるため、真空断熱材の内外には大きな差圧(大気圧と同等の差圧)が生じており、外包材のガスバリア性が低下するとガス侵入によって差圧が解消に向かい断熱性能が低下(劣化)する。一般に、樹脂材料は高温状態と低温状態が繰り返される熱サイクルにより劣化が促進される。従って、図15に示すように、除霜運転による高温状態と、冷却運転による低温状態が定期的に繰り返される蒸発器室と冷蔵温度の貯蔵室を隔てる仕切壁に、内部を減圧することで形成される真空断熱材を実装すると、蒸発器室の温度変動によって仕切壁の断熱性能が長期的には低下しやすくなる。一方で、貯蔵室間の仕切壁は、互いに所望の温度に維持されるため温度は比較的安定する。
そこで、本実施例の冷蔵庫では、3つの面が冷凍温度空間と隣接することで特に低温になりやすい貯蔵室(冷蔵温度に設定された第一切替室5)と冷凍温度空間を区画する仕切壁のうち、所望の温度に維持される冷凍温度の貯蔵室との間の仕切壁(仕切壁29及び仕切壁30)には、断熱性能を向上させて冷え過ぎを抑制するための真空断熱材(真空断熱材25g、25h)を実装し、除霜運転と冷却運転が繰り返される蒸発器室(第二蒸発器室8b)との間を隔てる仕切壁(仕切壁27)には真空断熱材を実装せずに、減圧によらない断熱手段である発泡断熱材を実装することで、使用歳月が経過しても冷蔵温度に設定された貯蔵室内が冷え過ぎる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が発生し難い信頼性が高い冷蔵庫としている。
また、本実施例の冷蔵庫では、仕切壁27の最下部前縁を、仕切壁30に実装された真空断熱材25hの後縁より前方に配置している。真空断熱材の周縁部は、金属を含むガスバリア層を介した伝熱により熱を伝えやすく断熱性能が低くなる。そこで、上記構成を採用することにより、断熱仕切壁27の断熱作用により、真空断熱材25hの後縁近傍の金属を含むガスバリア層を介した熱移動が低減されるので、冷蔵温度に設定された貯蔵室(冷蔵温度に設定された第一切替室5)と、冷凍温度に設定された貯蔵室との間の熱移動により冷蔵温度に設定された貯蔵室が冷え過ぎる、あるいは、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が発生し難い冷蔵庫となる。
本実施例の冷蔵庫は、冷蔵温度に設定された貯蔵室(冷蔵温度に設定された第一切替室5)と蒸発器室(蒸発器室8b)との間を隔てる真空断熱材を備えない仕切壁(仕切壁27)に、加熱手段(第一切替室第二ヒータ302)を備えている。これにより、特に低温となる蒸発器室からの熱伝導によって冷蔵温度に設定された貯蔵室の温度が過度に低下したり、貯蔵室内の壁面に結露や着霜が生じるといった不具合が発生する虞が高いと判断される場合に適宜加熱を行うことができるので、信頼性が高い冷蔵庫となる。
本実施例の冷蔵庫は、隣接する2つの貯蔵室が冷凍温度と冷蔵温度に設定可能な切替室(第一切替室5及び第二切替室6)であり、2つの切替室の間を隔てる仕切壁(断熱仕切壁30)に、真空断熱材25hを実装し、真空断熱材25hの両面に加熱手段(第一切替室第一ヒータ301及び第二切替室第二ヒータ402)を備えている。これにより信頼性が高い冷蔵庫となる。理由を以下で説明する。
ユーザーが一方の切替室を冷蔵温度、他方の貯蔵室を冷凍温度に設定して使用する場合には、冷蔵温度に設定された切替室が冷凍温度に設定された切替室からの熱伝導により冷えすぎることを抑制するために、2つの切替室の間を隔てる仕切壁に真空断熱材を実装することが有効となる。一方で、2つの切替室の間を隔てる仕切壁の面のうち、冷蔵温度に設定された切替室側の面は低温になることで、結露や着霜が発生する虞がある。真空断熱材が実装された仕切壁は断熱性能が高いため、一方の面を加熱しても他方の面に熱が伝わりにくく加熱量が不足するという事態を招くことがあるため、2つの切替室の間を隔てる仕切壁(断熱仕切壁30)に真空断熱材25hを実装し、さらに断熱仕切壁30の両面に加熱手段(第一切替室第一ヒータ301及び第二切替室第二ヒータ402)を備えることで、ユーザーが何れの設定を選択しても、仕切壁の表面に結露や着霜が発生する虞が高いと判断される場合に、何れの面も良好に適宜加熱を行うことができるので信頼性が高い冷蔵庫となる。
以上で、実施例を説明したが、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、本実施例の冷蔵庫では、放熱手段(壁面放熱配管50b)と、加熱手段(第一切替室第一ヒータ301)の温度が所望の温度範囲に制御されるようにあらかじめ制御パラメータを設定しているが、放熱手段50bと第一切替室第一ヒータ301の温度検知手段を備えて、フィードバック制御によって所望の温度範囲に維持するようにしても良い。また、本実施例の冷蔵庫は、冷蔵室の冷却手段として第一蒸発器14aと、製氷室3、冷凍室4、第一切替室5、第二切替室6の冷却手段として第二蒸発器14bを備えているが、単一の冷却手段(蒸発器)で全貯蔵室を冷却する方式の冷蔵庫に本発明の構成を適用しても良い。さらには、加熱手段として、放熱手段の一部の配管を活用しても良い。すなわち、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3 製氷室
4 冷凍室
5 第一切替室
6 第二切替室
8a 第一蒸発器室
8b 第二蒸発器室
9a 第一ファン
9b 第二ファン
10 断熱箱体
14a 第一蒸発器(冷却手段)
14b 第二蒸発器(冷却手段)
16 ヒンジカバー
21 除霜ヒータ(加熱手段)
23a、23b 樋
24 圧縮機
25 真空断熱材
27、28、29、30 断熱仕切壁
31 制御基板
39 機械室
40a 第一蒸発器温度センサ
40b 第二蒸発器温度センサ
41 冷蔵室温度センサ
42 冷凍室温度センサ
43 第二切替室温度センサ
44 第二切替室温度センサ
50a 庫外放熱器(放熱手段)
50b 壁面放熱配管(放熱手段)
50c 結露防止配管(放熱手段)
52 冷媒制御弁(冷媒制御手段)
53a 第一キャピラリチューブ(減圧手段)
53b 第二キャピラリチューブ(減圧手段)
54a、54b 気液分離器
56 逆止弁
57a、57b 熱交換部
91 外箱
92 内箱
101 第一切替室ダンパ(送風遮断手段)
102 第二切替室ダンパ(送風遮断手段)
300 第一切替室ヒータ (加熱手段)
400 第二切替室ヒータ (加熱手段)

Claims (5)

  1. 圧縮手段と、放熱手段と、減圧手段と、冷却手段とが接続された冷凍サイクルと、断熱箱体と、該断熱箱体の内部に、前記放熱手段の一部が近接するように実装された第一の真空断熱材と、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室と、該第一の貯蔵室の上部に第一の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の下部に第二の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の後方に第三の仕切壁を隔てて隣接する前記冷却手段が実装された蒸発器室を備えた冷蔵庫において、前記第一乃至第三の仕切壁の少なくとも一つは、第二の真空断熱材を備えるとともに、該第二の真空断熱材の一面の過半領域に近接するよう前記第一の貯蔵室を加熱する加熱手段を配設し、前記放熱手段の安定運転時の時間平均温度が前記加熱手段の安定運転時の時間平均温度より低くなるように加熱することを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記放熱手段の安定運転時の最高到達温度が、前記加熱手段の安定運転時の最高到達温度よりも低くなるように加熱することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記加熱手段の発熱密度を100W/m以下としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 圧縮手段と、放熱手段と、減圧手段と、冷却手段とが接続された冷凍サイクルと、断熱箱体と、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室と、該第一の貯蔵室の上部に第一の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の下部に第二の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の後方に第三の仕切壁を隔てて隣接する前記冷却手段が実装された蒸発器室を備えた冷蔵庫において、前記第一乃至第三の仕切壁の少なくとも一つは、真空断熱材を備えるとともに、該真空断熱材に近接するように配設された前記第一の貯蔵室を加熱する第一の加熱手段を備えた仕切壁とし、且つ、前記第一乃至第三の仕切壁の他の少なくとも一つは、真空断熱材を備えず、前記第一の貯蔵室を加熱する第二の加熱手段を備えた仕切壁として、前記第一の加熱手段の発熱密度を、前記第二の加熱手段の発熱密度より小さくしたことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 圧縮手段と、放熱手段と、減圧手段と、冷却手段とが接続された冷凍サイクルと、断熱箱体と、冷蔵温度に設定された第一の貯蔵室と、該第一の貯蔵室の上部に第一の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の下部に第二の仕切壁を隔てて隣接する冷凍温度に設定された第三の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室の後方に第三の仕切壁を隔てて隣接する前記冷却手段が実装された蒸発器室を備えた冷蔵庫において、前記第一の貯蔵室を加熱する加熱手段と、前記第一乃至第三の仕切壁の少なくとも一つは真空断熱材を備え、前記加熱手段の容量を20W以上としたことを特徴とする冷蔵庫。
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