JP2018025323A - 冷蔵庫 - Google Patents

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遵自 鈴木
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慎一郎 岡留
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真申 小川
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Abstract

【課題】1つの蒸発器で冷蔵室と冷凍室とを個別に冷却する冷蔵庫において、仕切り部材への熱の移動を抑え、冷凍運転で冷却する熱量の割合を抑えることで省エネルギー性能を向上させた冷蔵庫を提供する。【解決手段】冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯の第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを冷却する蒸発器と、該蒸発器を収納する蒸発器室と、該蒸発器室と前記第二の貯蔵室とを仕切る仕切り部材を備え、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを個別に冷却可能な冷蔵庫において、前記仕切り部材のうち前記蒸発器室側の壁面を構成する第一の部材の一部または全部が、単位体積あたりの熱容量が300kJ/(m3・K)以下である。【選択図】図4

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2014−134332(特許文献1)がある。この公報には、「冷蔵室と冷凍室の個別冷却を行うことができる冷蔵庫」、「冷蔵庫は、1台のエバポレータに冷却された冷気を用いて行う1エバポレータタイプの冷蔵庫」が記載されている。また、「断熱部材は、Z方向(上下方向)に沿って、冷却器の前方に配置され」、「断熱部材の前側部材と後側部材は、好ましくは形状を維持するためのプラスチック製のケース体」であると記載されている。
特開2014−134332号公報
特許文献1の冷蔵庫では、1つの蒸発器を用いて冷蔵室と冷凍室を個別に冷却している。蒸発器を収納する蒸発器室には、冷凍運転と冷蔵運転とで異なる温度帯の空気が流れるので、運転の切り換えに応じて蒸発器室内の空気温度は大きく変動する。
従って、冷凍室と蒸発器室の間に設けた仕切り部材(特許文献1の断熱部材)は、冷蔵運転中の蒸発器室から、より温度の低い冷凍室への熱移動を抑える断熱壁としての役割が求められる。冷蔵運転では蒸発器室に冷凍室よりも高温の冷蔵室の空気が流れるので、仕切り部材の断熱が不十分であると、冷凍室の温度が上昇し、例えば冷凍食品が解けるといった不具合を引き起こす可能性がある。
また、冷凍運転から冷蔵運転に切り換えると、冷凍運転中に低温になった仕切り部材は、蒸発器室を流れる冷凍室に比べ温度の高い冷蔵室の空気により加熱される。冷蔵運転中に仕切り部材に移動して蓄えられた熱は、その後の冷凍運転において熱負荷となるので、その分だけ冷却する熱量が増えることになる。
冷凍運転は蒸発温度を高くした冷蔵運転に比べて冷却効率が低いので、冷凍運転で冷却する熱量を抑えることにより省エネルギー性能を向上させることができる。しかしながら、特許文献1の冷蔵庫では、冷凍室と蒸発器室の間に設けた仕切り部材への熱移動に関する配慮が十分でなく、冷蔵運転中に、多くの熱量が仕切り部材に移動することになっていた。仕切り部材へ移動する熱量が多くなると、冷凍運転時に冷却する熱量が多くなるので、特許文献1の冷蔵庫は十分に省エネルギー性能が得られていなかった。
そこで本発明は、1つの蒸発器で冷蔵室と冷凍室とを個別に冷却する冷蔵庫において、仕切り部材への熱の移動を抑え、冷凍運転で冷却する熱量を抑えることで省エネルギー性能を向上させた冷蔵庫を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明は、冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯の第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを冷却する蒸発器と、該蒸発器を収納する蒸発器室と、該蒸発器室と前記第二の貯蔵室とを仕切る仕切り部材を備え、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを個別に冷却可能な冷蔵庫において、前記仕切り部材のうち前記蒸発器室側の壁面を構成する第一の部材の一部または全部が、単位体積あたりの熱容量が300kJ/(m・K)以下であることを特徴とする。
本発明によれば、1つの蒸発器で冷蔵室と冷凍室とを個別に冷却する冷蔵庫において、仕切り部材への熱の移動を抑え、冷凍運転で冷却する熱量の割合を抑えることで省エネルギー性能を向上させた冷蔵庫を提供することができる。
実施例1に関する冷蔵庫の正面図。 図1に示すA−A断面図。 冷蔵庫の冷却運転の一実施形態例におけるタイムチャート。 図2に示す蒸発器室8周辺の拡大図。 周囲温度の変化に対する壁面の温度勾配の変化を示す図(単位体積当たりの熱容量が小さい場合)。 周囲温度の変化に対する壁面の温度勾配の変化を示す図(単位体積当たりの熱容量が大きい場合)。 図4に示す温度測定点X及びYの温度変化を示すタイムチャート。 単位体積当たりの熱容量と冷蔵運転中に部材に流入する熱移動量の関係を示す解析結果。 実施例2に関する冷蔵庫の正面図。 図9に示すB−B断面図。
≪実施例1≫
本発明に関する冷蔵庫の実施例1を、図1から図7を参照して説明する。
図1は実施例1に関する冷蔵庫の正面図、図2は図1に示すA−A断面図である。冷蔵庫1は、貯蔵室として上方から順に、冷蔵室2、製氷室3と上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6を備えている。冷蔵室2及び野菜室6は冷蔵温度帯(0℃以上)の第一の貯蔵室である。冷凍室60は、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5の総称で、冷凍温度帯(0℃以下)の第二の貯蔵室である。本実施の形態例では、冷蔵室2は約4℃、野菜室6は約7℃、冷凍室60は約−20℃になるように制御している。
冷蔵室2は前面側に左右に分割された観音開きの冷蔵室扉2a、2bを備えており、製氷室3と、上段冷凍室4と、下段冷凍室5と、野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aを備えている。以下では、冷蔵室扉2a、2b、製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aを、単に扉2a、2b、3a、4a、5a、6aと呼ぶ。
冷蔵庫1の庫内と庫外は、内箱1aと外箱1bの間に、例えば発泡ウレタンである発泡断熱材10aを充填することにより形成された断熱箱体10と、前述の扉2a、2b、3a、4a、5a、6aによって隔てられている。冷蔵庫1の断熱箱体10の内部には複数の真空断熱材26を実装している。
冷凍室60及び野菜室6には、それぞれ扉3a、4a、5a、6aと一体に引き出される製氷室容器(図示せず)、上段冷凍室容器4b、下段冷凍室容器5b、野菜室容器6bを備えている。また、冷蔵室2には、冷蔵室2内を複数に区画する棚39を設け、また扉2a、2bに複数のポケット32を設けている。
冷蔵庫1の上部には、扉2a、2bを回動可能にするために、冷蔵庫1に固定する扉ヒンジ(図示せず)が設けられており、扉ヒンジは扉ヒンジカバー38で覆われている。
冷蔵室2と冷凍室60の間には仕切り壁28を設け、冷凍室60と野菜室6の間には仕切り壁29を設けている。また、製氷室3、上段冷凍室4、及び下段冷凍室5の各貯蔵室の前面側には、扉3a、4a、5aの隙間から冷凍室60内の空気が庫外へ漏れないように、仕切り壁30を設けている。
野菜室6の背面側には、圧縮機24を備える機械室20を設けている。また、冷凍室60の背面側には蒸発器室8を設けている。蒸発器室8は、内箱1aと、後述する樋21、仕切り部材103、冷蔵室ダンパ50、冷凍室ダンパ51により形成されている。蒸発器室8には、冷媒と庫内の空気を熱交換させる蒸発器7と、蒸発器7により冷却された空気を、冷蔵室2、野菜室6、及び冷凍室60の各貯蔵室に送風する庫内ファン9を備えている。また、蒸発器7の下部に、除霜運転時に蒸発器7に付着した霜を加熱する除霜ヒータ27と、除霜ヒータ27の加熱により解けて生じた除霜水を受ける樋21を備えている。なお、樋21に流入した除霜水は、排水管22を介して機械室19に配された蒸発皿23に排出される。
冷蔵室2、冷凍室60、冷凍室6の庫内背面側には、それぞれ冷蔵室温度センサ33、冷凍室温度センサ34、野菜室温度センサ35を設け、蒸発器7の上部には蒸発器温度センサ36を設け、これらのセンサにより、冷蔵室2、野菜室6、及び冷凍室60及び蒸発器7の温度を検知している。また、冷蔵庫1には、扉ヒンジカバー38の内部に設けた庫外の温度を検知する外気温度センサ37や、扉2a、2b、3a、4aの開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示せず)も設けている。
冷蔵庫1の上部には、制御装置の一部であるCPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御基板31を配置している。制御基板31は、冷蔵室温度センサ33、冷凍室温度センサ34、野菜室温度センサ35、蒸発器温度センサ36等と接続され、前述のCPUは、これらの出力値、及び温度設定器(図示せず)の設定と、前述のROMに予め記録されたプログラムを基に、圧縮機24や庫内ファン9、各ダンパ50、51の制御等を行っている。
次に、風路構造を説明する。実施例1の冷蔵庫は、蒸発器7により冷却された空気を送風することで、冷蔵庫内の各貯蔵室である冷蔵室2、野菜室6、及び冷凍室60を冷却する。冷蔵室2、野菜室6への送風は冷蔵室ダンパ50によって制御され、冷凍室60への送風は冷凍室ダンパ51によって制御される。
冷蔵室2及び野菜室6を冷却する場合、冷蔵室ダンパ50を開ける。蒸発器7により冷却された蒸発器室8の空気は、庫内ファン9により昇圧され、冷蔵室ダンパ50から冷蔵室送風風路11へと流れる。冷蔵室送風風路11は、内箱1aと冷蔵室風路構成部材80により形成されている。冷蔵室送風風路11に至った空気は、吐出口61から冷蔵室2に吐出し、冷蔵室2を冷却する。冷蔵室2を冷却した空気は、冷蔵室-野菜室風路(図示せず)から野菜室6へと流れ、野菜室6を冷却する。野菜室6を冷却した空気は、野菜室戻り口64から野菜室戻り風路14を介して蒸発器室8に戻り、再び蒸発器7に冷却される。
冷凍室60を冷却する場合、冷凍室ダンパ51を開ける。蒸発器7により冷却された蒸発器室8の空気は、庫内ファン9により昇圧され、冷凍室ダンパ51から冷凍室送風風路12へと流れる。冷凍室送風風路12は、後述する仕切り部材102と仕切り部材103により形成されている。冷凍室送風風路12に至った空気は、仕切り部材102に形成された吐出口62から冷凍室60に吐出し、冷凍室60を冷却する。冷凍室60を冷却した空気は冷凍室戻り風路17から蒸発器室8に戻り、再び蒸発器7に冷却される。
以上のように、実施例1の冷蔵庫は、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室2及び野菜室6と、冷凍温度帯の貯蔵室である冷凍室60の何れの温度帯の貯蔵室も、蒸発器7で冷却された空気により冷却する。よって、蒸発器7を備える蒸発器室8は、冷蔵温度帯の空気と、冷凍温度帯の空気の何れも循環する。
図3は、冷蔵庫の冷却運転の一実施形態例におけるタイムチャートである。冷蔵室2と野菜室6は風路が直列に配置されて連動して冷却されるため、野菜室6の制御は省略する。本冷蔵庫の冷却運転は、圧縮機24が駆動状態で冷蔵室2を冷却する冷蔵運転、冷凍室60を冷却する冷凍運転と、圧縮機24が停止状態で冷蔵室2を冷却する送風運転からなる運転パターンを基本とする。
圧縮機24が送風運転中に冷凍室温度TF1まで上昇すると、圧縮機24がONになり、冷蔵運転を実施する。冷蔵運転では、冷蔵室ダンパ50を開け、庫内ファン9を運転することで、低温の蒸発器7を通過した空気により冷蔵室2を冷却し、冷蔵室温度を温度TRまで低下させる。冷蔵室温度が温度TRに到達すると、次に冷蔵室ダンパ50を閉じて冷凍室ダンパ51を開ける冷凍運転を実施する。冷凍室温度がTF2に到達すると冷凍運転は終了し、圧縮機24を停止させる。送風運転中は、冷蔵運転と同様、冷蔵室ダンパ50を開け、庫内ファン9を運転することで、蒸発器7に成長した霜で冷却された空気を用いて冷蔵室2を冷却する。これらの運転により、冷蔵室2、冷凍室6を冷却して所定の温度に維持している。なお、本実施の形態例では送風運転と冷蔵運転を合せて冷蔵冷却運転と呼ぶ。
図4は、図2に示す蒸発器室8周辺の拡大図である。
冷凍室60と蒸発器室8は、仕切り部材102及び仕切り部材103によって仕切られている。冷凍室60側の壁面を構成する第二の部材である仕切り部材102は、例えば樹脂部材の一種であるポリプロピレン製で、厚さが1.5mmである。蒸発器室8の壁面を構成する第一の部材である仕切り部材103は、例えば発泡成形したポリスチレンフォーム(発泡スチロール)製である。仕切り部材103の厚さは、発泡時の成形性や冷蔵庫組込時の組立性、耐衝撃性、また後述する冷凍室60の温度変動抑制を考慮して10mmとしている。ポリプロピレンは密度が約910kg/m、比熱が約1.7kJ/(kg・K)で、単位体積当たりの熱容量(比熱と密度の積)は約1500kJ/(m・K)であり、ポリスチレンフォームは密度が約40kg/m、比熱が約1.8kJ/(kg・K)で、単位体積当たりの熱容量は約70kJ/(m・K)である。
このように、発泡成形したポリスチレンフォーム(仕切り部材103)は、ポリプロピレン(仕切り部材102)に比べて密度が低く、単位体積当たりの熱容量が小さい。単位体積当たりの熱容量が小さいと、少ない熱量で温度が変化する。
図5と図6は、周囲温度の変化に対する壁面の温度勾配の変化を示す図である。図5は壁面を構成する断熱部材の単位体積当たりの熱容量が小さい場合、図6は単位体積当たりの熱容量が大きい場合である。断熱部材の厚さ、熱伝導率、壁面表面の熱伝達率は図5、図6ともに同じとする。
ここで、壁面近傍の空気温度Tが、低温から高温に急激に変わった場合を考える。図5(a1)、図6(a2)に示す温度勾配は、壁面近傍の空気を長時間低温にし、壁面も十分に冷えた状態である。この空気温度Ta(a1)、Ta(a2)及び壁面温度Tw(a1)、w(a2)が、何れも低温の状態を初期条件とする。
図5(b1)、図6(b2)は、初期条件に対し、空気の温度を急激に高くした状態である。壁面温度Tw(b1)、Tw(b2)を低温のTw(a1)、w(b1)のまま、空気温度Ta(b1)、Ta(b2)を高くするため、空気と壁面間に温度差ΔT(b1)、ΔT(b2)が生じる。この温度差により壁面は加熱されるので、Δt分後(例えば10分後)における図5(c1)、図6(c2)の壁面温度Tw(c1)、w(c2)は、図5(b1)、図6(b2)のTw(b1)、w(b2)よりも高くなる。
ここで、図5では、断熱部材の単位体積当たりの熱容量が小さく、少ない熱量で温度が変化するので、Δt分間での温度上昇(Tw(c1)−Tw(b1))が大きい。従って、図5(c1)における空気と壁面との温度差ΔT(c1)は小さくなる。一方、図6の断熱部材は、単位体積当たりの熱容量が大きく、温度が変化し難いので、Δt分後の図6(c2)においても、壁面と空気との温度差ΔT(c2)はΔT(c1)よりも大きい。
なお、空気が高温の状態で長時間維持(例えば数時間)した場合である、図5(d1)、図6(d2)では、定常の温度勾配になり、壁面と空気との温度差ΔT(d1)、ΔT(d2)は何れも小さく、また熱容量によらず同じ(ΔT(d1)=ΔT(d2))になる。
以上から、単位体積当たりの熱容量が小さい部材を用いると、壁面温度が上昇しやすいので、短い時間で定常に近い温度勾配になり、すなわち壁面と空気との温度差が小さい状態になる。従って、仕切り部材103に単位体積当たりの熱容量が小さい部材を用いた本実施の形態例では、蒸発器室8内の空気温度が変化しても、仕切り部材103の蒸発器室8側の壁面と空気との温度差を小さくすることができる。これにより得られる効果を以下で説明する。
図7は、図4に示す温度測定点X及びYの温度変化を示すタイムチャートである。図4に示すように、温度測定点Xは仕切り部材103の蒸発器室8側の壁面、温度測定点Yは蒸発器室8内の蒸発器7付近の空気中に設けている。図7は、実線で温度測定点Y、破線で温度測定点Xの温度を示しており、また、点線で仕切り部材103の単位体積当たりの熱容量が大きい場合、例えば仕切り部材103に仕切り部材102と同じくポリプロピレンを用いた場合の温度測定点Xの温度を示している。
図3で示したように、本実施の形態例の冷蔵庫1は、冷蔵室ダンパ50と冷凍室ダンパ51を設けることで、冷凍室60の空気が循環する冷凍運転と、冷蔵室2の空気が循環する冷蔵送風運転を備え、この2つの運転を適宜切り換えて冷蔵室2と冷凍室60とを個別に冷却する。それぞれの運転で異なる温度帯の空気が流れるので、蒸発器室8内の空気温度は大きく変化する。例えば、蒸発器室8の温度測定点Yの温度は、冷凍運転中に冷却され、冷凍運転終了時にTY1(例えば約−25℃)となる。一方、冷蔵冷却運転中は冷蔵温度帯の冷蔵室2の空気が流入するので、温度測定点Yの温度は上昇し、例えば送風運転にして5分後に、TY1より高温のTY2(例えば約−10℃)になる。この温度変動により、温度測定点Yに隣接する温度測定点Xは、冷凍運転中には温度測定点Y周辺の低温の空気により冷却され、次の冷蔵冷却運転では温度測定点Y周辺の比較的高温の空気により加熱される。すなわち、冷蔵冷却運転中に、蒸発器室8の空気から仕切り部材103へ熱が移動する。
この仕切り部材103への熱移動により空気が冷却されるので、その移動した熱量分、冷蔵冷却運転中に蒸発器7で冷却される熱量は減る。一方、仕切り部材103に移動した熱量は次の冷凍運転で冷却される。従って、蒸発器7において冷凍運転と冷蔵冷却運転で冷却される熱量の合計は一定であるが、冷凍運転で冷却する熱量の割合は大きくなる。
一方、蒸発器7で冷却する熱量が同じであっても、冷凍運転で冷却する熱量の割合を小さくすることで高い省エネルギー性能が得られる。これは、図3に示すように、冷蔵運転の方が冷凍運転に比べ蒸発器7の温度が高く、冷却効率(消費電力量に対する冷却する熱量の割合)が高いためである。すなわち、効率の高い冷蔵運転で冷却する熱量の割合を大きくすることで、運転全体における平均的な冷却効率を高めることができる。以上から、仕切り部材103への熱移動を抑制し、冷凍運転で冷却する熱量の割合を小さく、冷蔵運転で冷却する熱量の割合を大きくすることで、省エネルギー性能が向上することが分かる。
これに対し、本実施の形態例の仕切り部材103は、ポリスチレンフォームを用い、少ない熱量で温度が変化するよう、単位体積当たりの熱容量を小さくしている。温度変化しやすいので、仕切り部材103の温度測定点Xは、温度測定点Y(蒸発器室8の空気)の温度が大きく変化しても、常に温度測定点Yに近い温度を維持する。よって、冷蔵冷却運転中の温度測定点Xと温度測定点Yの温度差は、仕切り部材103の単位体積当たりの熱容量が大きい場合(点線)に比べて小さくなる。蒸発器室8の空気と仕切り部材103間の熱移動は、蒸発器室8の空気と、仕切り部材103の蒸発器室8側壁面の温度差により生じることから、空気と壁面との温度差が小さい本実施の形態例では、蒸発器室8から仕切り部材103への熱移動も小さくなる。
従って、蒸発器室8側の壁面を構成する仕切り部材103に、密度が低く、単位体積当たりの熱容量の小さいポリスチレンフォームを用いることで、蒸発器室8から仕切り部材103への熱移動を抑え、冷凍運転で冷却する熱量を抑えることができる。これにより、冷凍運転に比べて効率の高い冷蔵運転で冷却する熱量の割合が大きくなり、高い省エネルギー性能を得ることができる。
また、本構成により、冷凍室60の温度変動を小さく抑える効果も得られる。
前述したように、冷蔵冷却運転中における、仕切り部材103への熱移動を少なく抑えていることから、仕切り部材103を介した蒸発器室8から仕切り部材102への熱移動も小さく抑えやすい。
加えて、冷凍室60側の壁面を構成する仕切り部材102は、仕切り部材103に比べ、密度が高く、単位体積当たりの熱容量の大きいポリプロピレンを用いている。単位体積当たりの熱容量が大きいと、移動する熱量が同じであっても温度変化を小さく抑えることができる。従って、蒸発器室8から仕切り部材103を介した仕切り部材102への熱移動が生じても、仕切り部材102は温度変化し難く低温を維持することができる。これにより、仕切り部材102から冷凍室60への熱移動を抑えることができ、冷凍室60の温度変動をさらに小さく抑えることができる。
また、例えば冷凍室扉5aの開閉などで冷凍室60内の空気温度が急に上昇した場合、熱容量の大きい仕切り部材102は蓄冷材として働き、低温の仕切り部材102により冷凍室60の空気を冷却することができる。よって、冷凍室60をより短い時間で低温にすることができるので、その点でも冷凍室60の温度変動を抑える効果が得られる。
以上から、仕切り部材102に単位体積当たりの熱容量が大きい部材を用い、仕切り部材103に単位体積当たりの熱容量が小さい部材を用いることで、冷凍室60の温度変動を抑えながら、冷蔵運転中の蒸発器室8から仕切り部材103への熱移動を抑え、高い省エネルギー性能を得ることができる。
なお、上記の効果はそれぞれ仕切り部材102がポリプロピレン、仕切り部材103がポリスチレンフォームの場合に限られるものではなく、仕切り部材102に熱容量の大きい材料を用い、仕切り部材103に単位体積当たりの熱容量の小さい材料を用いればよい。例えば、仕切り部材102には、ABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレンプラスチック)やポリスチレンなどの樹脂素材や、金属素材を用いてもよい。これらは密度が一般的に800kg/m以上と高く、そのため単位体積当たりの熱容量も一般的に1000kJ/(m・K)以上と大きい。なお、仕切り部材102は例えば下段冷凍室扉5を開けて下段冷凍室容器5bを引き出した際、使用者が直接触れることができる部材であることから、触れた際の壊れ難さからも樹脂部材や金属部材を用いることが有効である。
また、例えば、仕切り部材103には、ポリスチレンフォームと同様、発泡により成形した発泡ポリエチレンや発泡ウレタン、あるいは綿状の素材であるグラスウールなどを用いてもよい。これらは、内部に隙間(ガス空間等)が設けられているため、密度は一般的に100kg/m以下と低く、そのため単位体積当たりの熱容量も一般的に100kJ/(m・K)以下と小さい。
図8は単位体積当たりの熱容量と冷蔵運転中に部材に流入する熱移動量の関係を示す解析結果の一例である。実線は仕切り部材103相当の厚さ10mmの場合、破線は仕切り部材102相当の厚さ1.5mmの場合である。縦軸は熱移動量を無次元化した値で、厚さ1.5mm、単位体積あたりの熱容量が1000kJ/(m・K)の時に生じる熱移動量を1としている。なお、熱伝導率は一定としている。
ここで、厚さ10mmの場合、単位体積あたりの熱容量300kJ/(m・K)の時に熱移動量が1となる。よって、単位体積あたりの熱容量300kJ/(m・K)以下とすれば、厚さ10mmにおいても、厚さ1.5mm、単位体積あたりの熱容量が1000kJ/(m・K)の時と同等以下の熱移動量になる。すなわち、単位体積あたりの熱容量が1000kJ/(m・K)以上である樹脂部材を用いる場合よりも熱移動量を抑えることができる。
さらに、仕切り部材103に用いる発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、グラスウールように、単位体積あたりの熱容量が100kJ/(m・K)以下であれば、図8に示すように、厚さ1.5mmと10mmとで熱移動量の違いは5%(=(0.68/0.65)−1)以下になる。すなわち、厚みによらず熱移動量を小さく抑えることができることから、熱移動の抑制に、単位体積あたりの熱容量が100kJ/(m・K)以下の部材が特に有効である。本実施の形態例では、仕切り部材103に、単位体積あたりの熱容量が70kJ/(m・K)、すなわち100kJ/(m・K)以下のポリスチレンフォームを用いているので、より省エネルギー性能を向上することができる。加えて、これら、ポリスチレンフォーム、発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、グラスウールは、一般的に熱伝導率が樹脂素材や金属素材に比べて低い。例えばポリプロピレンでは熱伝導率が約0.2W/(m・K)であるのに対し、ポリスチレンフォームは約0.03W/(m・K)である。よって、単位体積当たりの熱容量によって温度差を小さくした効果に加え、熱伝導率を抑えた効果による熱移動抑制効果も得られるので、さらに高い省エネルギー性能が得られる。
なお、仕切り部材103の壁面のうち、蒸発器7の略前面に位置する箇所(例えば温度測定点X)は、蒸発器7により直接冷却されるので、冷凍運転中に特に低温になりやすい。よって、仕切り部材103の蒸発器7略前面の壁面は、冷蔵冷却運転における蒸発器室8の空気との温度差が特に大きくなりやすい。従って、温度差に起因する熱移動を抑えるため、仕切り部材103のうち、特に蒸発器7の略前面に、単位体積当たりの熱容量の小さい部材を設けることが効果的である。
また、前述したように仕切り部材102に比べ仕切り部材103を厚くすることで、仕切り部材103全体の熱容量(kJ/K)を大きくする効果も得られる。全体の熱容量が大きくなることで仕切り部材103全体の平均温度は上昇し難くなるので、冷蔵冷却運転中に仕切り部材103の蒸発器室8側の壁面温度が高くなっても、仕切り部材103の冷凍室側(仕切り部材102側)の温度は上がり難くなる。すなわち、仕切り部材103を厚くすることで、仕切り部材102を介した冷凍室60の温度変動をさらに抑制することができる。
また、この仕切り部材103の蒸発器室8側の表面には、厚さ0.1mmのアルミ製の防水シート104を貼付している。例えば蒸発器の除霜時に除霜水が生じるが、仕切り部材103内部に水が浸入すると単位体積当たりの熱容量が増加してしまうので、防水シート104を設けることで仕切り部材103内部への水の浸入を抑えている。なお、厚さを0.5mm以下、本実施の形態例では0.1mmと薄いシートを用いることで、仕切り部材103と蒸発器室8間での熱移動に対する防水シート104の影響を抑えている。
水侵入による単位体積当たりの熱容量の増加を抑制する手段として、仕切り部材103に吸水率の低い材料を用いることも効果的である。
仕切り部材103内部に侵入した水は、冷却運転時には氷の状態となり、容易に排水されない。氷は密度が約920kg/m、比熱が約2.1kJ/(kg・K)で、単位体積当たりの熱容量は約1900kJ/(m・K)であり、単位体積当たりの熱容量がポリプロピレンよりも大きい。
例えば、単位体積あたりの熱容量が300kJ/(m・K)の部材に、7vol%の水が吸水されると、冷却運転時には部材の単位体積あたりの熱容量は約140kJ/(m・K)増加し、約440kJ/(m・K)となる。
図8に示すように、厚さ10mm、単位体積あたりの熱容量が440kJ/(m・K)の時に生じる熱移動量は、厚さ1.5mm、単位体積あたりの熱容量がポリプロピレン同等の1500kJ/(m・K)の時に生じる熱移動量と同程度であり、すなわち省エネルギー性能向上の効果をほとんど得られない。
したがって、部材の吸水率は7vol%未満とすることが望ましく、部材の吸水率が低いほど、水が浸入したときの省エネルギー性能向上効果の目減りは小さく抑えられる。
吸水率の低い発泡成形部材としては、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、またはそれらの共重合発泡体などが挙げられる。
また、発泡成形部材は、一般的に、気泡の形状によって、各気泡が個別に密閉されている「独立気泡」型と、気泡同士が繋がっている「連続気泡」型に分けられるが、独立気泡で構成された部材は各気泡が密閉されているため、気泡内に水が浸入しにくく、吸水率が低い特徴がある。
また、発泡成形部材は一般的に、発泡倍率が低く密度が高いほど、吸水率が低くなることが知られている。発泡倍率が高く密度が小さいほど、単位体積当たりの熱容量は小さくなるが、一方で吸水率は増加する傾向にあるため、発泡倍率は15〜50倍程度が適切である。
本実施の形態例では、仕切り部材103に、独立気泡のポリスチレンフォームを用いており、すなわち吸水率の低い構成となっている。吸水率は1vol%以下であり、水が浸入したとしても、高い省エネ効果を得ることが可能である。
≪実施例2≫
以下、本発明の実施例2を説明する。本実施例の構成は、以下の点を除いて実施例1と同様にできる。実施例2は、野菜室6を中段に、冷凍室60を下段に配した冷蔵庫の例である。
図9は実施例2に関する冷蔵庫の正面図、図10は図9に示すB−B断面図である。実施例2の冷蔵庫1は、貯蔵室として上方から順に、冷蔵室2、野菜室6、冷凍室60(製氷室3と上段冷凍室4、下段冷凍室5)を備えている。冷蔵室2と野菜室6の間には仕切り壁28aを設け、野菜室6と冷凍室60の間には仕切り壁29aを設けている。なお、野菜室6が冷え過ぎた場合には、仕切り壁29aの上部に設けた野菜室ヒータ204によって野菜室6を加熱し、所定の温度に保持する。
貯蔵室及び風路の配置は異なるが、基本的な空気の流れは実施例1と同様である。冷蔵室2及び野菜室6を冷却する場合は、冷蔵室ダンパ50を開けて庫内ファン9を駆動させる。蒸発器7により冷却された蒸発器室8の空気は、庫内ファン9、冷蔵室ダンパ50、冷蔵室送風風路11、吐出口61、冷蔵室2、冷蔵室-野菜室風路13、野菜室6、野菜室戻り口(図示せず)、野菜室戻り風路(図示せず)、蒸発器室8の順に流れ、再び蒸発器7で冷却される。冷凍室60を冷却する場合、冷凍室ダンパ51を開けて庫内ファン9を駆動させる。蒸発器7により冷却された蒸発器室8の空気は、庫内ファン9、冷凍室ダンパ51、冷凍室送風風路12、吐出口62、冷凍室60、冷凍室戻り風路17、蒸発器室8の順に流れ、再び蒸発器7で冷却される。
実施例2の冷蔵庫では、蒸発器室8は、野菜室6及び冷凍室60の背面側に設けられ、内箱1aと、樋21、仕切り部材203a、203b、冷蔵室ダンパ50、冷凍室ダンパ51により形成されている。発器室8と冷凍室60は、冷凍室側の仕切り部材202aと蒸発器室8側の仕切り部材203aにより仕切られ、蒸発器室8と野菜室6は、野菜室6側の仕切り部材202bと蒸発器室8側の仕切り部材203bにより仕切られている。野菜室6の壁面を構成する第三の部材である仕切り部材202a、及び冷凍室60側の壁面を構成する第二の部材である202bはポリプロピレン製であり、蒸発器室8側の壁面を構成する第一の部材である仕切り部材203a、203bはポリスチレンフォーム製である。また仕切り部材202a、202bは厚さが1.5mmであり、仕切り部材203a、203bは10mmである。
実施例1と同様、蒸発器室8側の壁面を構成する仕切り部材203a及び203bを、仕切り部材202a及び202bに比べ、密度が低く、単位体積当たりの熱容量の小さい部材にしている。これにより、実施例1の仕切り部材103同様、仕切り部材203a、203bの蒸発器室8側壁面と蒸発器室8の空気との温度差を小さく抑えることができる。すなわち、冷蔵冷却運転中の仕切り部材203a、203bへの熱移動が抑えられ、冷凍運転に比べて効率の高い冷蔵運転で冷却する熱量の割合が大きくなり、高い省エネルギー性能を得ることができる。
また、冷凍室60側の壁面を構成する仕切り部材202aを、単位体積当たりの熱容量の大きい部材にすることで、実施例1の仕切り部材102と同様、仕切り部材202aの温度変動が抑えられ、仕切り部材202aが面する冷凍室60の温度変動を抑えることができる。
加えて、実施例2の構成では、仕切り部材202bに単位体積当たりの熱容量の大きい部材を用いることで、野菜室6の温度変動も抑制している。野菜室6は基本的に野菜から蒸発する水分などにより高湿であるが、温度変動が生じると空気中の水分が凝縮(結露)して、低湿になりやすい。野菜室6が低湿であると、野菜からより多くの水分が蒸発して、乾燥しやすいので、本構成で野菜室6の温度変動を抑制することで、食品の保存性を向上させることができる。
また、仕切り部材203bは、仕切り部材202bのポリプロピレンに比べ熱伝導率が低いポリスチレンフォームを用い、仕切り部材202bよりも厚い10mmとしている。野菜室6は冷蔵温度帯であるのに対し、蒸発器室8は基本的に冷凍温度帯であるので、仕切り部材202b、203bを介した、野菜室6から蒸発器室8への熱移動が生じる。これに対し、仕切り部材203bに、熱伝導率が低く、かつ厚みのある部材を用いることで、この熱移動も抑えている。
野菜室6の熱は基本的に冷蔵冷却運転により冷却されるが、冷凍運転中に野菜室6から蒸発器室8に熱が移動すると、冷凍運転で低温になっている蒸発器7によりその熱は冷却される。よって、野菜室6から蒸発器室8への熱移動を抑えることで、冷凍運転で冷却する熱量の割合を小さく抑えることができる。すなわち、効率の高い冷蔵運転で冷却する熱量の割合が大きくなり、高い省エネルギー性能が得られる。
また、野菜室6から蒸発器室8への熱移動が生じると、野菜室6は冷却されて低温になるが、この熱移動を抑えたことで、野菜室6の冷え過ぎを抑制することができる。野菜室6が冷え過ぎると、野菜室6を所定の温度に保持するために野菜室ヒータ204により加熱するが、野菜室ヒータ204による加熱を行うと消費電力量が増加する。従って、野菜室6から蒸発器室8への熱移動を抑え、野菜室6の冷え過ぎを抑えたことで、野菜室ヒータ204の消費電力量の抑制による省エネルギー性能向上効果も得られる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、冷蔵温度帯の貯蔵室として、本実施の形態例では冷蔵室2と野菜室6を備えているが、冷蔵温度帯の貯蔵室は何れか1つでも構わない。また、冷蔵室2と野菜室6の風路を並列にして、何れか一方のみに送風できるように構成しても構わない。また、仕切り部材202aと202b、及び仕切り部材203a、203bはそれぞれ一体成形品でもよい。また、同様の特性の部材であれば、仕切り部材202aと202b、及び仕切り部材203a、203bを、それぞれ別の材料で構成してもよい。
1 冷蔵庫
1a 内箱
1b 外箱
2 冷蔵室(第一の貯蔵室)
3 製氷室(第二の貯蔵室)
4 上段冷凍室(第二の貯蔵室)
5 下段冷凍室(第二の貯蔵室)
6 野菜室(第一の貯蔵室)
7 蒸発器
8 蒸発器室
9 冷蔵室側ファン
10 断熱箱体
10a 発泡断熱材
11 冷蔵室送風風路
12 冷凍室送風風路
13 冷蔵室-野菜室風路
14 野菜室戻り風路
17 冷凍室戻り風路
20 機械室
21 樋
22 排水管
23 蒸発皿
24 圧縮機
26 真空断熱材
27 除霜ヒータ
28、28a、29、29a、30 仕切り壁
31 制御基板
32 ポケット
33 冷蔵室温度センサ
34 冷凍室温度センサ
35 野菜室温度センサ
36 蒸発器温度センサ
37 外気温度センサ
38 扉ヒンジカバー
39 棚
50 冷蔵室ダンパ
51 冷凍室ダンパ
60 冷凍室(第二の貯蔵室)
61 冷蔵室吐出口
64 野菜室戻り口
65 冷凍室吐出口
80 冷蔵室風路構成部材
102、202a 仕切り部材(第二の貯蔵室側の壁面を構成する第二の部材)
202b 仕切り部材(第一の貯蔵室側の壁面を構成する第三の部材)
103、203a、203b 仕切り部材(蒸発器室側の壁面を構成する第一の部材)
104 防水シート
204 野菜室ヒータ

Claims (9)

  1. 冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯の第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを冷却する蒸発器と、該蒸発器を収納する蒸発器室と、該蒸発器室と前記第二の貯蔵室とを仕切る仕切り部材を備え、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを個別に冷却可能な冷蔵庫において、
    前記仕切り部材のうち前記蒸発器室側の壁面を構成する第一の部材の一部または全部が、単位体積あたりの熱容量が300kJ/(m・K)以下であることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯の第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを冷却する蒸発器と、該蒸発器を収納する蒸発器室と、該蒸発器室と前記第二の貯蔵室とを仕切る仕切り部材を備え、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを個別に冷却が可能な冷蔵庫において、
    前記仕切り部材は複数の部材で構成され、前記仕切り部材のうち前記蒸発器室側の壁面を構成する第一の部材の一部または全部が、前記仕切り部材のうち前記第二の貯蔵室側の壁面を構成する第二の部材よりも、単位体積あたりの熱容量が小さいことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 前記第一の部材は、前記第二の部材よりも厚いことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯の第二の貯蔵室と、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを冷却する蒸発器と、該蒸発器を収納する蒸発器室と、該蒸発器室と前記第二の貯蔵室とを仕切る仕切り部材を備え、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室とを個別に冷却可能な冷蔵庫において、
    前記仕切り部材のうち前記蒸発器室側の壁面を構成する第一の部材が吸水率7vol%未満であることを特徴とする冷蔵庫。
  5. 前記第一の部材が、前記蒸発器の略前面投影面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の冷蔵庫。
  6. 前記第一の部材が、発泡成形部材であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記発泡成形部材の気泡形状が、独立気泡であることを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
  8. 前記発泡成形部材が、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、またはそれらの共重合発泡体のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
  9. 前記発泡成形部材が、発泡倍率50倍以下であることを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
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