以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。
本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、第1の実施形態による冷蔵庫1について説明する。図1は、冷蔵庫1を示す正面図である。冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2の上部から順に、食材を貯蔵するための貯蔵室である冷蔵室3、野菜室4、製氷室5、小冷凍室6、主冷凍室7などの貯蔵室が設けられている。なお、これらの貯蔵室の配置は、この配置に限定されず、例えば野菜室4と主冷凍室7の配置が逆でもよい。
各貯蔵室3〜7は前面が開口している。各貯蔵室3〜7は、それぞれ断熱筐体で形成されている。断熱筐体は、例えば、外箱と、内箱と、外箱と内箱との間に充填された断熱材とを有し、断熱性を持つ。断熱材は、例えば、発泡ウレタンのような発泡断熱材である。各貯蔵室3〜7を形成する断熱筐体には、それぞれ扉3a〜7a,3b等が開閉可能に取り付けられている。冷蔵室3には、観音開き式の扉3a,3bが、野菜室4、製氷室5、小冷凍室6、主冷凍室7には、それぞれ引き出し式の扉4a〜7aが、各断熱筐体に取り付けられている。
冷蔵庫本体2は、各貯蔵室3〜7を形成する断熱筐体8と、それぞれの扉3a〜7a,3bと、例えば扉3aに回転可能に取り付けられた仕切り板13(後述する)とを備える。また、冷蔵庫本体2は、例えば、野菜室4と製氷室5および小冷凍室6との間を熱的に分離している断熱仕切り壁11を備える。断熱仕切り壁11の表面近傍には、防露パイプやヒータ等などの防露装置が設けられている。これら防露パイプやヒータ等は、以下に説明する防露装置の一例である。
なお、冷蔵室3と野菜室4との間には、仕切り壁が設けられてもよく、製氷室5および小冷凍室6と主冷凍室7との間にも、仕切り壁が設けられてもよい。これらの仕切り壁の中にも、防露パイプやヒータ等の防露装置が設けられていてもよい。
冷蔵庫本体2の表面には、操作パネル18や、パネル表示器19が設けられている。パネル表示器19の表面には、タッチ入力部からなる操作スイッチ群(後述する)が形成されていてもよい。
図2と図3は、冷蔵室3を上方から見た断面図である。図2は、左扉3a及び右扉3bが閉まった状態を示し、図3は、左扉3a及び右扉3bが開いた状態を示す。
冷蔵室3の開口は、いわゆる両開き式(回動式)の左扉3a及び右扉3bによって開閉される。左扉3aはその左端部の上下部がヒンジ2aによって回転可能に支持され、右扉3bはその右端部の上下部がヒンジ2bによって回動可能に支持されている。図示の例では、右扉3bの長さ(ヒンジ2bの回動中心から開放端までの長さ)が左扉3aの長さより長く形成されている。
また、左扉3aには、両扉3a、3bの閉扉時に右扉3bとの隙間Sを埋めるための回動式の非金属材料である仕切り板13が設けられている。また、左扉3aには、外縁に沿ってガスケット3aaが、右扉3bには、外縁に沿ってガスケット3bbが、それぞれ設けられている。
図4は、仕切り板13の構成を示す断面図である。仕切り板13は、外殻ケース13aの平面形状がほぼ長方形をなし、全体としては縦長な形状である。外殻ケース13aは、前端板13bと、後カバー13cとを備える。外殻ケース13aの内側(つまり、前端板13bと後カバー13cとの間)には、例えば、発砲スチロールなどで構成された緩衝部材13dが配置されている。
前端板13bは、両扉3a、3bに接触する部分である。つまり、前端板13bの一部は、両扉3a、3bの閉扉時にできる両扉3a、3bの間の隙間Sと接触する。後カバー13cは、左右側板部及び背板部を有して、前端板13bとで仕切り板13の外殻ケース13aを構成する。図示の例では、後カバー13cの背板部と前端板13bとが長方形の長辺をなし、後カバー13cの左右側板部が短辺をなす。
仕切り板13の外殻ケース13a内部である前端板13bの内面には、上下方向(縦方向)にわたって露付き抑制用のヒータ(電気ヒータ)17が取り付けられている。このヒータ17は、例えば、図5に示すような一本の電熱線から構成されている。図5は、ヒータ17の配線形態の一例を示す図である。図示の例では、ヒータ17の配線は、直線状である。
ヒータ17は、防露装置の一例である。ヒータ17は、仕切り板13自体に結露が発生することを抑制すると共に、両扉3a、3bの開放側端部(左扉3aにあっては右端部、右扉3bにあっては左端部)に結露が発生することを抑制する。
図6は、左扉3aが閉じている状態での仕切り板13を上方から見た図である。図7は、左扉3aが開いている状態での仕切り板13を上方から見た図である。仕切り板13は、左扉3aの右端部の裏面側に上下のヒンジ14(上方のヒンジのみ図示)によって回動可能に設けられている。この仕切り板13は、左扉3aの開放状態では左扉3aとほぼ直角をなす形態で左扉3a内面より突出しており、この突出状態が図示しないばねによって保持される。
仕切り板13の上下部には、長手方向に所定形状のガイド溝15(上部のガイド溝のみ図示)が形成されている。そして、冷蔵室3の天井面及び底面にはガイド溝15が係合可能なガイド凸部16が形成されている。左扉3aが開放状態から閉鎖方向へ回動されると、ガイド溝15がガイド凸部16と嵌合し、ガイド溝15が自身の所定形状によって仕切り板13を回動させる。
これにより、左扉3aの閉塞時においては仕切り板13が左扉3aの右端部からさらに右方へ突出し(背板部及び前端板13bが左扉3aの内面とほぼ平行となる)、左扉3aのガスケット3aaと接触する。この状態で、右扉3bが閉鎖されると、右扉3bの左端部のガスケット3bbの一部が仕切り板13の外面に接触する。なお、右扉3bが閉鎖された後で左扉3aが閉鎖されても右扉3bのガスケットに接触する。この仕切り板13により両扉3a、3b間における開口が塞がれる。
次に、冷蔵庫1の機能構成について説明する。図8は、冷蔵庫1の機能構成の一例を示す図である。制御装置30は主に冷却ユニット50の制御を行うものであり、この制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM、タイマ等を有するマイクロコンピュータで構成されている。制御装置30には、検出部20、左扉用開閉検出部29a、右扉用開閉検出部29b、ヒータ17、操作パネル18、パネル表示器19、記憶部40、および冷却ユニット50などが接続されている。
検出部20は、例えば、外部温度センサ21、冷蔵室温度センサ22、外部湿度センサ23、カメラ24などを含み、検出結果や撮像データなどを制御装置30に出力する。外部温度センサ21は、冷蔵庫本体2の外部の温度を検出する。冷蔵室温度センサ22は、冷蔵室3の庫内温度を検出する。外部湿度センサ23は、冷蔵庫本体2の外部の湿度を検出する。カメラ24は、冷蔵庫本体2の正面側の景色を撮像する位置に設けられ、冷蔵庫1が設置される空間(例えばキッチン)を撮像する。カメラ24は、静止画を撮像してもよく、動画を撮像してもよい。なお、カメラ24は、無くてもよい。
「温度」は、相対温度であってもよく、絶対温度であってもよい。「湿度」は、絶対湿度である。
左扉用開閉検知部29aは、例えば開閉検知スイッチからなり、左扉3aの開放及び閉鎖を検出する。右扉用開閉検知部29bは、例えば開閉検知スイッチからなり、右扉3bの開放及び閉鎖を検出する。
制御装置30は、例えば、データ管理部31と、条件判定部32と、制御量決定部33と、温度調整部34と、冷却ユニット制御部35と、を備える。これらの構成要素は、例えば、CPUなどのプロセッサが、記憶部40に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよい。
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。記憶部40は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、外部温度ログ41、冷蔵室温度ログ42、外部湿度ログ43、撮像データログ44、第1制御量テーブル45、制御量ログ46等を格納する。
冷却ユニット50は、例えば、複数の冷却器51(51a,51b…)、および複数のファン52(52a,52b…)、および圧縮機53を含む。
複数の冷却器51は、例えば、冷蔵室3または野菜室4の背後に設けられた冷蔵室用冷却器51aと、主冷凍室7または小冷凍室6の背後に設けられた冷凍室用冷却器51bとを含む。複数のファン52は、冷蔵室用冷却器51aで冷却された空気(冷気)を冷蔵室3および野菜室4で循環させる冷蔵室用ファン52aと、冷凍室用冷却器51bで冷却された空気(冷気)を製氷室5、小冷凍室6、および主冷凍室7で循環させる冷凍室用ファン52bとを含む。
圧縮機53は、例えば、冷蔵庫3の底部の機械室に設けられている。圧縮機53は、冷蔵庫1の各貯蔵室3〜7の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機53により圧縮された冷媒ガスは、不図示の凝縮器などを経由して、冷却器51a,51bに送られる。
次に、制御装置30の各構成要素の詳細について説明する。データ管理部31は、検出部20による検出結果や取得したデータ等を、記憶部40に格納する。データ管理部31は、各種検出結果をログとして時系列に記憶部40に格納してもよく、1回の前回値や最新値だけを記憶部40に格納してもよい。例えば、データ管理部31は、外部温度センサ21により検出された冷蔵庫1の外部の温度(以下、外部温度T1と記す)を日時情報に対応付けて、外部温度ログ41の一部として記憶部40に格納する。データ管理部31は、冷蔵室温度センサ22により検出された冷蔵室内の温度(以下、冷蔵室内温度T2と記す)を日時情報に対応付けて、冷蔵室温度ログ42の一部として記憶部40に格納する。データ管理部31は、外部湿度センサ23により検出された冷蔵庫1の外部の湿度(以下、外部湿度Hと記す)を日時情報に対応付けて、外部湿度ログ43の一部として記憶部40に格納する。データ管理部31は、カメラ24により撮像された撮像データを日時情報に対応付けて、撮像データログ44の一部として記憶部40に格納する。
条件判定部32は、例えば、検出部20の検出結果から得られる内容が第1条件を満たすか否かを判定する。条件判定部32は、検出部20から入力される情報に基づいて、第1条件を満たすか否かを判定してもよく、記憶部40を参照して、第1所定条件を満たすか否かを判定してもよい。第1条件を満たす場合は、検出部20による検出結果から得られる内容が、仕切り板13に結露が発生しやすい状況を示している場合である。以下、第1条件を満たす場合の一例について説明する。
第1条件を満たす場合には、例えば、外部湿度Hが上昇傾向から下降傾向に変化した場合(ケース1−1)、外部温度T1が上昇傾向から下降傾向に変化した場合(ケース1−2)、内部温度T2が下降傾向から上昇傾向に変化した場合(ケース1−3)等が含まれる。ケース1−1〜1−3のうちいずれか一つを満たす場合、条件判定部32は、第1A条件を満たすと判定する。
また、第1条件を満たす場合には、例えば、ピーク時の外部湿度Hが閾値以上であって、且つ、その後に外部湿度Hが下降した場合(ケース2−1)、ピーク時の外部温度T1が閾値以上であって、且つ、その後に外部温度T1が下降した場合(ケース2−2)、ピーク時の外部湿度Hが閾値以上であって、且つ、その後に外部温度T1が下降した場合(ケース2−3)、ピーク時の外部温度T1が閾値以上であって、且つ、その後に外部湿度Hが下降した場合(ケース2−4)等が含まれてよい。ケース2−1〜2−4のうちいずれか一つを満たす場合、条件判定部32は、第1B条件を満たすと判定する。
また、第1条件を満たす場合には、例えば、外部湿度Hの上昇幅あるいは上昇速度が閾値以上であって、且つ、その後に外部湿度Hが下降した場合(ケース3−1)が含まれてよい。外部湿度Hの上昇幅は、例えば、上昇を開始した時点からピークに到達するまでの外部湿度Hの差分である。外部湿度Hの上昇速度は、例えば、外部湿度Hの上昇幅を、上昇を開始した時点からピークに到達するまでの時間で除算した値である。また、第1条件を満たす場合には、例えば、外部温度T1の上昇幅あるいは上昇速度が閾値以上であって、且つ、その後に外部温度T1が下降した場合(ケース3−2)、冷蔵庫温度T2の下降幅あるいは下降速度が閾値以上であって、且つ、その後に冷蔵庫温度T2が上昇した場合(ケース3−3)等が含まれてよい。ケース3−1〜3−3のうちいずれか一つを満たす場合、条件判定部32は、第1C条件を満たすと判定する。
また、第1条件を満たす場合には、例えば、外部湿度Hが上昇を開始した時点の外部湿度H(スタート値)が閾値以下であって、且つ、外部湿度Hが上昇傾向から下降傾向に変化した場合(ケース4−1)、外部温度T1が上昇を開始した時点の外部温度T1が閾値以下であって、且つ、外部温度T1が上昇傾向から下降傾向に変化した場合(ケース4−2)、冷蔵庫温度T2が下降を開始した時点の冷蔵庫温度T2が閾値以上であって、且つ、冷蔵庫温度T2が下降傾向から上昇傾向に変化した場合(ケース4−3)等が含まれてよい。ケース4−1〜4−3のうちいずれか一つを満たす場合、条件判定部32は、第1D条件を満たすと判定する。
条件判定部32は、これら第1A〜1D条件のうちいずれを満たすかを判定してもよく、各条件に優先順位を付けて優先順位の高い方から条件を満たすか否かを判定してもよい。
制御量決定部33は、検出部20の検出結果に含まれる湿度または温度の少なくとも一方に関する検出値に基づいて、防露パイプやヒータ17等を含む防露装置の制御量を決定する。制御量決定部33は、決定した制御量を、制御量ログ46の一部として、記憶部40に追加する。以下、検出部20の検出結果に含まれる湿度または温度の少なくとも一方に関する検出値が、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせである例について説明する。これに限られず、検出部20の検出結果に含まれる湿度または温度の少なくとも一方に関する検出値は、外部温度T1、外部湿度Hのそれぞれであってもよく、冷蔵室温度T2と外部湿度Hとの組み合わせであってもよく、外部温度T1と冷蔵室温度T2との温度差と外部湿度Hとの組み合わせであってもよい。
制御量決定部33は、防露装置の制御量として、例えば、ヒータ17の発熱量を決定する。ヒータ17の発熱量は、例えば、通電率である。
制御量決定部33は、条件判定部32により第1条件を満たさないと判定された場合、第1制御モードを実行するための制御量を決定する。第1制御モードを実行する場合、制御量決定部33は、例えば第1制御量テーブル45を参照し、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせに基づいて、ヒータ17の通電率を決定する。第1制御量テーブル45は、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせによりヒータ17の通電率を決定するための参照値を規定したテーブルである。なお、これに限られず、第1制御量テーブル45は、冷蔵室内温度T2と外部湿度Hとの組み合わせなどによりヒータ17の通電率を決定するための参照値を規定したテーブル等であってもよい。
図9は、第1制御量テーブル45の内容の一例を示す図である。第1制御量テーブル45には、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせに応じて、予め決められている通電率(%)が定義されている。例えば、外部湿度センサ23の検出値Hが40%未満(H<40%)であって、外部温度センサ21の検出値T1が10℃未満(T1<10℃)である場合、制御量決定部33は、ヒータ17に印加する電圧の通電率を40%に設定する。同じく検出値Hが40%未満(H<40%)であって、検出値T1が10℃以上30℃未満(10℃≦T1<30℃)である場合、制御量決定部33は、通電率を50%に設定し、検出値T1が30℃以上(T1≧30℃)である場合、通電率を60%に設定する。このように、第1制御量テーブル45において、外部湿度Hや外部温度T1は、上限値と下限値の一方で規定される範囲(以下、閾値範囲と記す)で定義される。
制御量決定部33は、条件判定部32により第1条件を満たすと判定された場合、第2制御モードを実行するための制御量を決定する。第2制御モードを実行する場合、制御量決定部33は、ヒータ17の制御量の変化量を、第1制御量テーブル45に規定されている複数の設定値の変化量よりも小さくする。例えば、制御量決定部33は、所定のホールド期間が経過するまで、制御量を変化させない。つまり、制御量決定部33は、第1条件を満たす場合、ヒータ17の制御量の変化タイミングを、第1制御量テーブル45に規定されている複数の設定値の変化タイミングに比べて遅くする。例えば、制御量決定部33は、第1制御量テーブル45に規定されている制御量に関わらず、ホールド期間が経過するまで、その時点(例えば、条件判定部32により所定条件を満たすと判定された時点)における制御量を維持するように、ヒータ17の制御量を決定する。ホールド期間は、例えば、30分である。
制御量決定部33は、条件判定部32により第1条件を満たすと判定された場合、第2制御モードを実行するための制御量を決定する。第2制御モードを実行する場合、制御量決定部33は、所定のホールド期間が経過するまで、制御量を変化させない。言い換えると、制御量決定部33は、第1条件を満たす場合、第1条件を満たさない場合に比べて、制御量を変化させるタイミングを遅くする。例えば、制御量決定部33は、第1制御量テーブル45に規定されている制御量に関わらず、ホールド期間が経過するまで、その時点(例えば、条件判定部32により所定条件を満たすと判定された時点)における制御量を維持するように、ヒータ17の制御量を決定する。ホールド期間は、例えば、30分である。
なお、ホールド期間において維持される通電率は、その時点における制御量に限られず、ヒータ17の加熱に応じて仕切り板13の前端板13Bの表面温度が露点温度以上となるように制御量決定部33により決定されてもよい。こうすることにより、前端板13Bの表面に付着した露を飛ばすことができる。露点温度は、例えば、制御量決定部33によって、記憶部40を参照し、湿度や温度に関する情報に基づいて算出されてもよく、予め決められていてもよい。また、ホールド期間は、制御量決定部33により、通電率に基づいて算出されてもよい。制御量決定部33は、例えば、通電率に基づいて、前端板13Bの表面に付着した露を飛ばすことができる時間長を算出する。
温度調整部34は、制御量決定部33により決定された制御量に従って防露装置を制御し、冷蔵庫本体2の表面のうち対象部分(例えば、前端板13b)の温度を調整する。例えば、温度調整部34は、制御量決定部33により決定された通電率に従って、ヒータ17の発熱量を制御する。
冷却ユニット制御部35は、制御ユニット50を制御して、各貯蔵室3〜7内の温度を調整する。
次に、制御量決定部33により決定される通電率の一例について説明する。図10は、第1実施形態における第2制御モードによる通電率の変化の一例を示す図である。例えば、外部温度T1が一定範囲内(例えば、10℃≦T1<30℃)であって、外部湿度Hが40%から70%まで上昇してから下降傾向に変化している。外部湿度Hが上昇傾向の場合には第1制御モードが実行されることにより、制御量決定部33により決定される通電率は、外部湿度Hの上昇傾向に追従するように、60%以下から90%まで上昇する。その後、外部湿度Hが上昇傾向から下降傾向に転じた場合、仮に第1制御モードが実行されるならば破線で示すように、外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は90%から70%まで段階的に下降する。これに対して、第2制御モードが実行されたならば実線で示すように、外部湿度Hが70%以上から60%以下に下降した場合であっても、外部湿度Hがピークの時の通電率90%が、ホールド期間P1だけ維持される。そして、ホールド期間P1の経過後は、第1制御量テーブル45に従って、外部湿度H(40%以上かつ50%未満)に応じた通電率60%に決定される。
次いで、外部湿度Hが40%未満の範囲から50%以上から60%未満の範囲に上昇したとする。この場合、制御量決定部33により決定される通電率は、外部湿度Hの上昇傾向に追従するように、50%から70%に段階的に上昇する。その後、外部湿度Hが上昇傾向から下降傾向に転じた場合、仮に第1制御モードが実行されたならば破線で示すように、外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は70%から60%に下降する。これに対して、第2制御モードが実行されたならば実線で示すように、外部湿度Hが50%以上から50%未満に下降した場合であっても、外部湿度Hがピークの時の通電率70%が維持される。ここでは、外部湿度Hが50%以上から50%未満に下降したときからホールド期間P1が経過する前に、外部湿度Hが前回のピーク値を含む外部湿度Hの閾値範囲の上限値を超えたとする。この場合、ホールド期間P1よりも短い期間P2で第2制御モードが終了し、第1制御モードに切り替えられる。このため、外部湿度Hが前回のピーク値を含む外部湿度Hの閾値範囲の上限値を超えた場合、制御量決定部33は、第1制御量テーブル45に従って、外部湿度H(60%以上かつ70%未満)に応じた通電率80%に決定される。
次に、制御装置30のよる処理の一例について説明する。図11は、第1実施形態にかかる制御装置30の処理の一例を示すフローチャートである。まず、データ管理部31は、データ管理部31は、外部温度センサ21により検出された外部温度T1を取得し、日時情報に対応付けて、外部温度ログ41の一部として記憶部40に格納する(ステップS101)。また、データ管理部31は、外部湿度センサ23により検出された外部湿度Hを取得し、日時情報に対応付けて、外部湿度ログ43の一部として記憶部40に格納する(ステップS103)。なお、フローチャートでは記載を省略しているが、データ管理部31は、冷蔵室温度センサ22により検出された冷蔵室温度T2を取得し、日時情報に対応付けて、冷蔵室温度ログ42の一部として記憶部40に格納してよい。また、データ管理部31は、定期的にこれらの処理を繰り返し実行している。
次いで、条件判定部32は、検出部20の検出結果から得られる内容が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS105)。所定条件を満たさないと判定された場合、制御量決定部33は、第1制御モードを実行する。例えば、制御量決定部33は、第1制御量テーブル45を参照し、ステップS101で取得した外部温度T1と、ステップS103で取得した外部湿度Hとに基づいて、ヒータ17の通電率を決定する(ステップS107)。温度調整部34は、ステップS107で決定した通電率に従って、ヒータ17の通電を制御する(ステップS109)。
一方、ステップS105において、所定条件を満たすと判定された場合、制御量決定部33は、第2制御モードを実行する。例えば、制御量決定部33は、制御量ログ46を参照し、直近の前回値を、ヒータ17の通電率に決定する(ステップS111)。温度調整部34は、ステップS111で決定した通電率に従って、ヒータ17の通電を制御する(ステップS113)。次いで、制御量決定部33は、ホールド期間が経過したか否かを判定する(ステップS115)。ホールド期間を経過した場合、制御量決定部33は、第2制御モードを終了させる。一方、ステップS115においてホールド期間が経過していない場合、制御量決定部33は、記憶部40を参照し、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)が所定条件を満たすと判定されたとき(上昇傾向から下降傾向に変化したとき)のピーク値を超えたか否かを判定する(ステップS117)。外部湿度H等がピーク値を超えない場合、制御量決定部33は、ステップS111に戻って処理を繰り返すことで、第2制御モードを継続して実行する。一方、ステップS115において外部湿度H等がピーク値を超えた場合、制御量決定部33は、第2制御モードを終了させる。
こうすることによって、ホールド期間が経過するまで、ヒータ17の通電率が外部湿度Hのピークの時の通電率で維持されるため、前端板13bの温度が上がりきる前にヒータ17が冷たくなることを避けることができる。よって、仕切り板13は、前端板13bの表面に結露が付着した場合であっても、蒸発しやすくなる。
一方、本実施形態によらない場合、例えば第1制御モードだけを実行する場合、キッチンでの湯沸し等で、急激な湿度や温度の上昇と低下により、仕切り板の防露性能が追従できずに(温度が上がり切らずに)結露する場合があった。詳細に説明すると、ヒータの熱が仕切り板に伝わるのには時間差があり、湿度などの急激な上昇の後に低下がある場合、ヒータの温度が追従できない。そのため、ヒータの熱が仕切り板に伝わって仕切り板の温度が露点温度以上に上がる前に、ヒータの温度が下がってしまい、その結果、結露が生じる。特に、最近の家は気密性が高いので、上記事象が起こる可能性が高まっている。本実施形態によると、急激な上昇の後に低下がある場合でも、ヒータの加熱が続けられるため、仕切り板の温度が露点温度まで上がりきり、その結果、いったん付着した結露水を蒸発させることができることができる。
図12は、第1実施形態における条件判定部32による判定処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、結露が発生しやすい順で各条件に優先順位が付けられており、優先順位の高い方から条件を満たすか否かを判定する例について説明する。なお、ここでの優先順は、この例に限られず、冷蔵庫1が設定される部屋の大きさや構造に応じて、操作パネル18やパネル表示器19を用いてユーザにより設定されてもよく、制御装置30により設定されてもよい。また、各条件に応じて、実行する第2制御モードの内容を変更してもよい。
条件判定部32は、記憶部40の外部湿度ログ43を参照し、外部湿度Hなどが上昇傾向から下降傾向に変化したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の処理はこれに限られず、条件判定部32は、上述したケース1−1〜1−3のうちいずれか一つに該当するか否かを判定してよい。ステップS201において外部湿度Hが上昇傾向から下降傾向に変化しない場合、条件判定部32は、所定条件を満たさないと判定する(ステップS203)。
一方、ステップS201において外部湿度Hが上昇傾向から下降傾向に変化した場合、条件判定部32は、ピーク時の外部湿度Hが閾値以上であるか否かを判定する(ステップS205)。ピーク時の外部湿度Hが閾値以上である場合、条件判定部32は、第1B条件を満たすと判定する(ステップS207)。
一方、ステップS205において、ピーク時の外部湿度Hが閾値以上でない場合、条件判定部32は、外部湿度Hの上昇幅あるいは上昇速度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS209)。外部湿度Hの上昇幅あるいは上昇速度が閾値以上である場合、条件判定部32は、第1C条件を満たすと判定する(ステップS211)。
一方、ステップS209において、外部湿度Hの上昇幅あるいは上昇速度が閾値以上でない場合、条件判定部32は、外部湿度Hが上昇を開始した時点のスタート値が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS213)。外部湿度Hが上昇を開始した時点のスタート値が閾値以下である場合、条件判定部32は、第1D条件を満たすと判定する(ステップS215)。一方、外部湿度Hが上昇を開始した時点のスタート値が閾値以下でない場合、条件判定部32は、第1A条件を満たすと判定する(ステップS217)。
なお、制御量決定部33は、第2制御モードにおいて、制御量ログ46を参照し、前回値をヒータ17の通電率に決定するとともに、ホールド期間が経過したか否かを判定してもよい。ホールド期間は、外部温度T1や外部湿度Hに関わらず、一定の時間長であってもよく、外部温度T1や外部湿度Hに応じて異なる時間長であってもよい。また、ホールド期間は、条件判定部32により条件を満たすと判定された第1A〜1D条件に応じて異なる時間長であってもよい。例えば、制御量決定部33は、仕切り板13に結露が発生しやすい順に時間長が長くなるように、ホールド期間を設定してもよい。
(第2の実施形態)
次に、図面を参照して、第2の実施形態による冷蔵庫について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と比べて、第2制御モードの内容が異なる。その他の点について第1の実施形態と同じである。以下、異なる点について主に説明し、同じ点についての説明は省略する。なお、各機能構成については、処理の内容は第1の実施形態と異なるものの、ハード面は同じであるため、同一の符号を用いて説明する。
第2の実施形態に係る制御量決定部33は、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)の下降時における制御量の減少幅を、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)の上昇時における制御量の上昇幅に比べて小さくする第2制御モードを実行する。例えば、制御量決定部33は、外部湿度Hまたは外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)の少なくとも一方に基づいて、第1制御モードにおいて規定されている上昇幅よりも小さい減少幅で減少する通電率に決定する。仮に、同じスピードで外部湿度Hなどが上昇して下降した場合、制御量決定部33は、外部湿度Hなどが下降しているときの方が、外部湿度Hなどが上昇しているときに比べて、通電率が高くなるように、湿度や温度に追従させて段階的に変化させる。つまり、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)等のピークの直後に出現する減少において、増加のときの増加幅よりも、減少のときの減少幅の方が小さくなる。第2実施形態によると、第1実施形態に比べて、省エネという観点では優れている。
例えば、制御量決定部33は、第2制御モードにおいて、第2制御量テーブル47を参照し、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせに基づいて、ヒータ17の通電率を決定する。第2制御量テーブル47は、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせによりヒータ17の通電率を決定するための参照値を規定したテーブルである。なお、これに限られず、第2制御量テーブル47は、冷蔵室内温度T2と外部湿度Hとの組み合わせなどによりヒータ17の通電率を決定するための参照値を規定したテーブル等であってもよい。
図13は、第2制御量テーブル47の内容の一例を示す図である。第2制御量テーブル47では、通電率が、第1制御量テーブル45よりも8%高くなるように(100%を除いて)定義されている。つまり、外部湿度H等の下降時において、第1制御モードにおける通電率の減少率よりも小さい減少率となるような数値が定義されている。なお、8%は一例であり、数値は任意に設定可能である。
例えば、外部湿度センサ23の検出値Hが40%未満(H<40%)に下降した場合であって、外部温度センサ21の検出値T1が10℃未満(T1<10℃)である場合、制御量決定部33は、ヒータ17に印加する電圧の通電率を48%に設定する。同じく検出値Hが40%未満(H<40%)に下降した場合であって、検出値T1が10℃以上30℃未満(10℃≦T1<30℃)である場合、制御量決定部33は、通電率を58%に設定し、検出値T1が30℃以上(T1≧30℃)である場合、通電率を68%に設定する。
図14は、第2実施形態における第2制御モードによる通電率の変化の一例を示す図である。外部湿度Hの変化は、図10を参照して上述した例と同じである。この場合、制御量決定部33により決定される通電率は、外部湿度Hの上昇傾向に追従するように、60%以下から90%まで上昇する。その後、外部湿度Hの状態変化が上昇傾向から下降傾向に転じた場合、実実線で示すように、外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は88%、78%、68%、58%のように段階的に下降する。
次いで、外部湿度Hの状態変化が上昇に転じた場合、制御量決定部33により決定される通電率は、第1制御量テーブル45に従って、外部湿度Hの上昇に追従するように、58%から70%に段階的に上昇する。その後、外部湿度Hの状態変化が下降向に転じた場合、実線で示すように、外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は70%から78%に下降する。
次に、制御装置30のよる処理の一例について説明する。図15は、第2実施形態にかかる制御装置30の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS101〜109は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ステップS105において、所定条件を満たすと判定された場合、制御量決定部33は、第2制御モードを実行する。例えば、制御量決定部33は、第2制御量テーブル47を参照し、ステップS101で取得した外部温度T1と、ステップS103で取得した外部湿度Hとに基づいて、ヒータ17の通電率を決定する(ステップS121)。温度調整部34は、ステップS121で決定した通電率に従って、ヒータ17の通電を制御する(ステップS123)。次いで、制御量決定部33は、記憶部40を参照し、外部湿度H(あるいは、外部温度T1や冷蔵室温度T2)の状態変化が上昇に転じたか否かを判定する(ステップS125)。外部湿度H等が上昇に転じるまで、制御量決定部33は、ステップS121に戻って処理を繰り返すことで、第2制御モードを継続して実行する。一方、ステップS125において、外部湿度H等の状態変化が上昇に転じた場合、制御量決定部33は、第2制御モードを終了させる。
こうすることによって、外部湿度Hの状態変化が下降に転じた場合、第2制御モードにおいて、第1制御モードよりも減少率を小さくすることができる。よって、仕切り板13は、前端板13bの表面に結露が付着した場合であっても、蒸発しやすくなる。また、通電率を減少させることにより、消費電力を抑えることができる。
また、制御量決定部33は、第2制御モードにおいて、第2制御量テーブル47を用いずに、段階的に減少する通電率を導出してもよい。例えば、制御量決定部33は、前回の通電率−減少幅αを計算することにより、通電率を導出する。減少幅αは、第1制御量テーブル45における通電率の減少幅よりも小さくなる範囲で、任意に設定可能である。以下の例では、減少幅α=2%とする。
また、制御量決定部33は、第2制御モードを終了する終了タイミングに到達した場合、第2制御モードを終了してもよい。第2制御モードの終了タイミングは、例えば、第2制御モードを開始した時点から、第1実施形態のホールド期間と同じ長さの時間長が経過したときであってもよく、外部湿度Hの状態変化が上昇に転じたときであってもよい。
また、制御量決定部33は、第2制御モードの終了タイミングに到達する前であっても、外部湿度Hが前回のピーク値を超えた場合や、仮に第1制御モードが実行された場合に第2制御モードにより決定される通電率よりも高い通電率となる場合(例えば、仮に第1制御量テーブル45を参照した場合に外部湿度Hが現時点の閾値範囲の上限値を超えた場合)には、第2制御モードを終了してもよい。
図16は、第2実施形態における第2制御モードによる通電率の変化の他の例を示す図である。外部湿度Hの変化は、図10を参照して上述した例と同じである。この場合、制御量決定部33により決定される通電率は、外部湿度Hの上昇傾向に追従するように、60%以下から90%まで上昇する。その後、外部湿度Hの状態変化が上昇傾向から下降傾向に転じた場合、実線で示すように外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は88%(減少幅2%)、86%(減少幅2%)、84%(減少幅2%)のように段階的に下降する。そして、第2制御モードの終了タイミングに到達した場合(例えば、期間P3が経過した場合)、第1制御モードに切り替わり、第1制御量テーブル45に従って外部湿度H(40%以上かつ50%未満)に応じた通電率60%に決定される。
次いで、外部湿度Hの状態変化が上昇に転じた場合、制御量決定部33により決定される通電率は、第1制御量テーブル45に従って、外部湿度Hの上昇に追従するように、50%から70%に段階的に上昇する。その後、外部湿度Hの状態変化が下降に転じた場合、実線で示すように、外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は70%から78%に下降する。ここでは、外部湿度Hが50%以上から50%未満に下降したときから期間P3が経過する前に、例えば、(仮に第1制御量テーブル45を参照した場合に)外部湿度Hが現時点の閾値範囲の上限値を超えたとする。この場合、期間P3よりも短い期間P4で第2制御モードが終了し、第1制御モードに切り替えられる。このため、(仮に第1制御量テーブル45を参照した場合に)外部湿度Hが現時点の閾値範囲の上限値を超えた場合、制御量決定部33は、第1制御量テーブル45に従って、外部湿度H(50%以上かつ60%未満)に応じた通電率70%に決定される。
また、制御量決定部33は、第2制御モードにおいて、通電率の減少幅を変更してもよい。例えば、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)等が高いほど減少率が小さく、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)等が低いほど減少率が大きくなるように、変更してもよい。例えば、外部湿度Hが70%以上の閾値範囲の場合には減少幅α=2%)、外部湿度Hが70%未満かつ60%以上の閾値範囲の場合には減少幅α=3%)、外部湿度Hが60%未満かつ50%以上の閾値範囲の場合には減少幅α=4%)…と定義されている。
この場合、制御量決定部33は、図16に示したように、外部湿度Hが70%以上から40%以下まで下降した場合、通電率を90%から、88%(減少幅2%)、85%(減少幅3%)、81%(減少幅4%)…のように段階的に変更する。なお、減少率を変更することは、第2制御量テーブル47において適用されてもよい。
次に、制御装置30のよる処理の他の例について説明する。図17は、第2実施形態にかかる制御装置30の処理の他の例を示すフローチャートである。ステップS101〜109は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ステップS105において、所定条件を満たすと判定された場合、制御量決定部33は、第2制御モードを実行する。例えば、制御量決定部33は、制御量ログ46を参照し、前回の通電率から減少幅αを減算し、導出された値を制御量に決定する(ステップS131)。温度調整部34は、ステップS131で決定した通電率に従って、ヒータ17の通電を制御する(ステップS133)。次いで、制御量決定部33は、第2制御モードの終了タイミングに到達したか否かを判定する(ステップS135)。第2制御モードの終了タイミングに到達した場合、制御量決定部33は、第2制御モードを終了する。一方、第2制御モードの終了タイミングに到達していない場合、制御量決定部33は、例えば、(仮に第1制御量テーブル45を参照した場合に)外部湿度Hが現時点の閾値範囲の上限値を超えたか否かを判定する。外部湿度Hが現時点の閾値範囲の上限値を超えていない場合、制御量決定部33は、第2制御モードの終了タイミングに到達するまで、ステップS131に戻って処理を繰り返すことで、第2制御モードを継続して実行する。一方、ステップS137において、外部湿度Hが現時点の閾値範囲の上限値を超えた場合、制御量決定部33は、第2制御モードを終了させる。
こうすることによって、外部湿度Hの状態変化が下降に転じた場合、第2制御モードにおいて、第1制御モードよりも減少率を小さくし、徐々に通電率を減少させることができる。よって、仕切り板13は、前端板13bの表面に結露が付着した場合であっても、蒸発しやすくなる。また、通電率を減少させることにより、消費電力を抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、図面を参照して、第3の実施形態による冷蔵庫1について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と比べて、第2制御モードの実施タイミングや内容が異なる。その他の点について第1の実施形態と同じである。以下、異なる点について主に説明し、同じ点についての説明は省略する。なお、各機能構成については、処理の内容は第1の実施形態と異なるものの、ハード面は同じであるため、同一の符号を用いて説明する。
第3の実施形態に係る制御量決定部33は、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)の上昇時において、第2制御モードを実行する。なお、詳細については後述するが、制御量決定部33は、外部湿度Hや外部温度T1(あるいは冷蔵室温度T2)の下降時においても、第2制御モードを実行してもよい。以下、上昇時において実行される第2制御モードを上昇時第2制御モードと、下降時において実行される第2制御モードを下降時第2制御モードと、それぞれ記す。
制御量決定部33は、条件判定部32により下降時条件を満たすと判定された場合、下降時第2制御モードを実行する。下降時条件は、例えば、第1実施形態において説明した第1A〜1D条件のうち少なくとも一つを含む。下降時第2制御モードは、第1,2実施形態において説明した第2制御モードのうちのどれかを含む。以下、下降時第2制御モードでは、第1実施形態で説明したホールド期間P1よりも短いホールド期間P5が経過するまで、その時点(例えば、条件判定部32により下降時条件を満たすと判定された時点)における制御量を維持するようにヒータ17の制御量を決定する例について説明する。
制御量決定部33は、条件判定部32により上昇時条件を満たすと判定された場合、上昇時第2制御モードを実行する。上昇時第2制御モードにおいて、制御量決定部33は、例えば、所定条件を満たさない場合に比べて、防露装置の制御量の上昇を早める。
上昇時条件を満たす場合には、例えば、外部湿度Hが所定値(例えば10%)だけ上昇するまでの時間が閾値以下である場合(ケース5−1)、外部温度T1が所定値(例えば10%)だけ上昇するまでの時間が閾値以下である場合(ケース5−2)、冷蔵室温度T2の下降幅が所定値(例えば10%)だけ上昇するまでの時間が閾値以下である場合(ケース5−3)、冷蔵室温度T2の上昇傾向になる直前の下降傾向における下降幅が閾値以上である場合(ケース5−4)等が含まれる。冷蔵室温度T2の下降幅は、例えば、下降を開始した時点から下降を終了した地点に到達するまでの冷蔵室温度T2の差分である。ケース5−1〜5−4のうちいずれか一つを満たす場合、条件判定部32は、第2A条件を満たすと判定する。
また、上昇時条件を満たす場合には、例えば、外部湿度Hの上昇速度が閾値以上である場合(ケース6−1)、外部温度T1の上昇速度が閾値以上である場合(ケース6−2)、冷蔵室温度T2の上昇速度が閾値以上である場合(ケース6−3)、冷蔵室温度T2の上昇傾向になる直前の下降傾向における下降速度が閾値以上である場合(ケース6−4)等が含まれる。上昇速度は、上昇が開始されてからの平均値であってもよく、外部湿度H等が第1制御量テーブル45の閾値範囲ごとの平均値であってもよい。ケース6−1〜6−4のうちいずれか一つを満たす場合、条件判定部32は、第2B条件を満たすと判定する。
また、制御量決定部33は、外部湿度Hや外部温度T1の上昇が開始された時点から下降に転じるときまでの間に、条件判定部32により一度でも上昇時条件を満たすと判定された場合、それ以降に上昇時条件を満たさない場合であっても、上昇時第2制御モードを実行してもよい。
例えば、制御量決定部33は、上昇時第2制御モードにおいて、第3制御量テーブル48を参照し、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせに基づいて、ヒータ17の通電率を決定する。第3制御量テーブル48は、外部温度T1と外部湿度Hとの組み合わせによりヒータ17の通電率を決定するための参照値を規定したテーブルである。なお、これに限られず、第3制御量テーブル48は、冷蔵室内温度T2と外部湿度Hとの組み合わせなどによりヒータ17の通電率を決定するための参照値を規定したテーブル等であってもよい。
図18は、第3制御量テーブル48の内容の一例を示す図である。第3制御量テーブル48では、通電率が、第1制御量テーブル45よりも8%高くなるように(100%を除いて)定義されている。また、第3制御量テーブル48では、外部湿度H等の上昇時において、第1制御モードにおける通電率の上昇率よりも大きい上昇率となるような数値が定義されている。なお、8%は一例であり、数値は任意に設定可能である。制御量決定部33は、第3制御量テーブル48を参照することで、ヒータ17の制御量の変化量を、第1制御量テーブル45における複数の設定値による変化量よりも大きくすることができる。
例えば、外部湿度センサ23の検出値Hが40%以上(40≦H<50)に上昇した場合であって、外部温度センサ21の検出値T1が10℃未満(T1<10℃)である場合、制御量決定部33は、ヒータ17に印加する電圧の通電率を58%に設定する。同じく検出値Hが40%以上(40≦H<50)に上昇した場合であって、検出値T1が10℃以上30℃未満(10℃≦T1<30℃)である場合、制御量決定部33は、通電率を68%に設定し、検出値T1が30℃以上(T1≧30℃)である場合、通電率を78%に設定する。
図19は、第3実施形態における第2制御モードによる通電率の変化の一例を示す図である。例えば、外部温度T1が一定範囲内(例えば、10℃≦T1<30℃)であって、外部湿度Hが40%から70%まで上昇してから下降傾向に変化している。この上昇時において、外部湿度Hが40%から50%まで上昇する時間T31が閾値以下であり、外部湿度Hが50%から60%まで上昇する時間T32が閾値以下であり、外部湿度Hが60%から70%まで上昇する時間T33が閾値以下であったとする。
この場合において、仮に第1制御モードが実行されるならば、第1制御量テーブル45で定義されている通り、破線で示すように通電率が60%から70%、80%、90%と上昇する。これに対して、第2制御モードが実行されたならば、第3制御量テーブル48で定義されている通り、実線で示すように通電率が60%から78%、88%、99%と上昇する。つまり、上昇時条件を満たす場合、上昇時条件を満たさない場合に比べて、仕切り板13の前端板13Bの温度の変化量を大きくすることができる。
その後、外部湿度Hの状態変化が上昇傾向から下降傾向に転じた場合、仮に第1制御モードが実行されるならば破線で示すように、外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は90%から70%まで段階的に下降する。これに対して、第2制御モードが実行されたならば、実線で示すように、外部湿度Hが70%以上から60%以下に下降した場合であっても、外部湿度Hがピークの時の通電率98%が、ホールド期間P5だけ維持される。そして、ホールド期間P5の経過後は、第1制御量テーブル45に従って、外部湿度H(50%以上かつ60%未満)に応じた通電率70%に決定される。
次いで、外部湿度Hが40%未満の範囲から50%以上から60%未満の範囲に上昇したとする。この上昇時において、外部湿度Hが40%未満から40%まで上昇する時間T31が閾値以下であり、外部湿度Hが40%から50%まで上昇する時間T42が閾値以下であったとする。この場合において、仮に第1制御モードが実行されるならば、第1制御量テーブル45で定義されている通り、破線で示すように通電率が50%から60%、70%と上昇する。これに対して、第2制御モードが実行されたならば、第3制御量テーブル48が参照され、実線で示すように通電率が50%から68%、78%と上昇する。つまり、上昇時条件を満たす場合、上昇時条件を満たさない場合に比べて、仕切り板13の前端板13Bの温度の変化量を大きくすることができる。
その後、外部湿度Hの状態変化が上昇傾向から下降傾向に転じた場合、仮に第1制御モードが実行されるならば破線で示すように、外部湿度Hの下降傾向に追従して、通電率は70%から60%に下降する。これに対して、第2制御モードが実行されたならば、実線で示すように、外部湿度Hが50%以上から50%未満に下降した場合であっても、外部湿度Hがピークの時の通電率78%が、ホールド期間P5だけ維持される。そして、ホールド期間P5の経過後は、第1制御量テーブル45に従って、外部湿度H(50%以上かつ60%未満)に応じた通電率70%に決定される。
次に、制御装置30のよる処理の一例について説明する。図20は、第3実施形態にかかる制御装置30の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS101〜103は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
条件判定部32は、検出部20の検出結果から得られる内容が上昇時条件を満たすか否かを判定する(ステップS155)。上昇時条件を満たさないと判定された場合、制御量決定部33は、第1制御モードを実行する。例えば、制御量決定部33は、第1制御量テーブル45を参照し、ステップS101で取得した外部温度T1と、ステップS103で取得した外部湿度Hとに基づいて、ヒータ17の通電率を決定する(ステップS157)。温度調整部34は、ステップS157で決定した通電率に従って、ヒータ17の通電を制御する(ステップS159)。
一方、ステップS155において、上昇時条件を満たすと判定された場合、制御量決定部33は、上昇時第2制御モードを実行する。例えば、制御量決定部33は、第3制御量テーブル48を参照し、ステップS101で取得した外部温度T1と、ステップS103で取得した外部湿度Hとに基づいて、ヒータ17の通電率を決定する(ステップS161)。温度調整部34は、ステップS161で決定した通電率に従って、ヒータ17の通電を制御する(ステップS163)。
次いで、制御量決定部33は、記憶部40を参照し、外部湿度H(あるいは、外部温度T1や冷蔵室温度T2)の状態変化が下降に転じたか否かを判定する(ステップS165)。外部湿度H等の状態変化が下降に転じるまで、制御量決定部33は、ステップS161に戻って処理を繰り返すことで、上昇時第2制御モードを継続して実行する。なお、制御量決定部33は、ステップS155に戻って処理を繰り返すことで、上昇時において、上昇時第2制御モードを断続的に実行してもよい。
一方、ステップS165において、外部湿度H等の状態変化が下降に転じた場合、制御量決定部33は、上昇時第2制御モードを終了させる。次いで、条件判定部32は、検出部20の検出結果から得られる内容が下降時条件を満たすか否かを判定する(ステップS167)。下降時条件を満たさないと判定された場合、制御量決定部33は、第1制御モードを実行する(ステップS169)。一方、ステップS167において、下降時条件を満たさないと判定された場合、制御量決定部33は、下降時第2制御モードを実行する(ステップS171)。
図21は、第3実施形態における条件判定部32による判定処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、処理が簡単な順で各条件に優先順位が付けられており、優先順位の高い方から条件を満たすか否かを判定する例について説明する。
条件判定部32は、記憶部40の外部湿度ログ43を参照し、外部湿度Hが上昇を開始したか否かを判定し(ステップS301)、外部湿度Hが上昇を開始するまで処理を繰り返す。外部湿度Hが上昇を開始した場合、条件判定部32は、外部湿度Hが所定値(例えば10%)だけ上昇するまでの時間長が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS303)。外部湿度Hが10%だけ上昇するまでの時間長が閾値以下である場合、条件判定部32は、第2A条件を満たすと判定する(ステップS305)。
一方、ステップS303において、外部湿度Hが10%だけ上昇するまでの時間長が閾値以下でない場合、条件判定部32は、外部湿度H等の上昇速度を算出し、算出した上昇速度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS307)。ここで、条件判定部32は、上昇速度として、上昇が開始した時からの平均速度を算出してもよく、直近の所定期間の平均速度を算出してもよい。算出した上昇速度が閾値以上である場合、条件判定部32は、第2B条件を満たすと判定する(ステップS309)。
一方、ステップS307において、外部湿度Hの上昇速度が閾値以上でない場合、条件判定部32は、上昇時条件を満たさないと判定する(ステップS311)。
(第1から第3の実施形態の変形例)
防露装置は、断熱仕切り壁11に設けられた防露パイプまたはヒータであってもよい。この場合、制御量決定部33は、防露パイプやヒータの温度を調整するための制御量を、上述した通り決定する。温度調整部34は、制御量決定部33により決定された制御量に従って、防露パイプやヒータの温度を調整する。
条件判定部32は、カメラ24により撮像された画像に基づいて、所定条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、条件判定部32は、画像をパターン認識することにより、冷蔵庫1が設置されているキッチン等において調理をする人物が検出された場合、所定条件を満たすと判定する。
また、条件判定部32は、曜日や現在時刻に基づいて、所定条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、いつも夕飯の用意が18時から19時頃である場合、この時間帯を操作パネル18やパネル表示器19を用いてユーザが設定しておく。条件判定部32は、設定された曜日や時間帯に該当する場合、所定条件を満たすと判定する。なお、条件判定部32は、カメラ24により撮像された画像に基づいて認識された結果に基づいて、調理しそうな時間帯を学習し、その学習結果を利用してもよい。
また、検出部20は、明かりセンサなどを含んでいてもよい。条件判定部32は、明かりセンサの検出結果に基づいて、冷蔵庫1が設置されているキッチン等において明かりの程度が閾値以上である場合、調理をする人物がいると推定されるため、所定条件を満たすと判定する。
また、検出部20は、無線通信が可能な通信部を含んでいてもよい。条件判定部32は、無線モジュールが搭載されているコンロまたは給湯装置から動作に関する情報を受信し、コンロが使用されている期間や給湯装置により温水が供給されている期間において、所定条件を満たすと判定してもよい。
第1制御モードと第2制御モードは、説明の便宜上のものであり、制御モードが途中で変更されるわけではない。すなわち、緩やかな上昇と下降においても、ホールドされてもよい。この場合、緩やかな下降に対して段階的に下げていく場合と、ホールドする場合とで大差がない。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体に設けられ、前記冷蔵庫本体の表面のうち対象部分の温度を調整可能な防露装置と、少なくとも前記冷蔵庫本体の外部の状態を検出する検出部と、湿度または温度の少なくとも一方に応じて設定される複数の設定値を参照し、前記検出部の検出結果に含まれる湿度または温度の少なくとも一方に関する検出値に基づいて前記防露装置の制御量を決定し、前記検出部の検出結果から得られる内容が第1条件を満たす場合に、少なくとも一部期間において、前記防露装置の制御量の変化量を前記複数の設定値による変化量よりも小さくする制御部と、を持つことにより、結露の問題を解消することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。