JP7207697B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
そのような冷蔵庫の中には、何らかの要因により冷凍室の温度が所定温度以上で、冷蔵室の温度が所定温度以下になると、ダンパが強制的に閉にされ、冷凍室にのみ冷気が供給されるように制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
従って、ダンパの開閉を定める設定温度によっては、圧縮機の稼働期間中に、ダンパの開閉が繰り返される可能性がある。その場合には、冷凍室側へ十分な冷気が供給できず、圧縮機の稼働期間が長くなって、圧縮機の運転率が上昇し、エネルギ消費が増大する問題が生じる。
冷蔵室及び冷凍室を有する筐体と、
冷媒との熱交換により前記筐体内を流れる気体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器で気化された冷媒を圧縮し、凝縮器で液化させて前記蒸発器へ戻す圧縮機と、
前記蒸発器を通過した冷気を、開の状態で前記冷蔵室及び前記冷凍室の両方に流入させ、閉の状態で前記冷凍室にのみ流入させるダンパと、
前記冷蔵室内に配置された冷蔵室温度センサの測定値がダンパ開温度まで上昇すると、前記ダンパを閉から開に変更し、前記冷蔵室温度センサの測定値がダンパ閉温度まで下降すると、前記ダンパを開から閉に変更し、前記冷凍室内に配置された冷凍室温度センサの測定値が圧縮機稼働温度まで上昇すると、前記圧縮機の稼働を開始し、前記冷凍室温度センサの測定値が圧縮機停止温度まで下降すると、前記圧縮機の稼働を停止する制御を行う制御部と、
を備え、
通常の使用状態において、前記ダンパが閉の状態で前記圧縮機が稼働しているときに、
前記冷蔵室温度センサの測定値が前記ダンパ開温度に到達する前に、前記冷凍室温度センサの測定値が前記圧縮機停止温度に到達するように温度設定がなされた第1の冷却パターンを有することを特徴とする。
前記第1の冷却パターンで制御されるとき、前記圧縮機の稼働期間中に、前記ダンパの開閉が一度だけ行われることを特徴とする。
通常の使用状態において、前記ダンパが閉の状態で前記圧縮機が稼働しているときに、
前記冷凍室温度センサの測定値が前記圧縮機停止温度に到達する前に、前記冷蔵室温度センサの測定値が前記ダンパ開温度に到達するように温度設定がなされた第2の冷却パターンを更に有することを特徴とする。
前記第2の冷却パターンで制御されるとき、前記圧縮機の稼働期間中に、前記ダンパの開閉が複数回行われることを特徴とする。
前記冷蔵室を通常冷却するモード及び強冷却するモードがあり、
前記通常冷却するモードでは、前記第1の冷却パターンで制御され、
前記強冷却するモードでは、前記第2の冷却パターンで制御されることを特徴とする。
(本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫)
図1Aは、本発明1つの実施形態に係る冷蔵庫の内部構造を模式的に示す側面断面図であって、ダンパが開の場合を示す図であり、図1Bは、ダンパが閉の場合を示す図である。
冷蔵庫2の背面下側には、圧縮機20及び凝縮器が設置されている。冷蔵庫2の庫内には、蒸発器30及び循環ファン40が設置されている。
冷蔵室8には、冷蔵室8内の温度を計測する冷蔵室温度センサ60が配置され、冷凍室10には、冷凍室10内の温度を計測する冷凍室温度センサ70が配置されている。
ダンパ50の開閉に関わらず、冷気は常に冷凍室10内を循環する。冷気は、冷凍室10の各収納庫10A、10Bの背面側の上部開口から各収納庫10A、10B内に流入し、各収納庫10A、10B内を流れて、前面側の上部開口から流出する。各収納庫10A、10Bから流出した気体は下側へ流れ、冷凍室10の底面に沿って前面側から背面側に流れて、再び蒸発器30の下部に到達する。
ダンパ50が開の状態では、冷気が冷蔵室8及び冷凍室10の両方に流れ、冷蔵室8の温度は下降する。しかし、冷凍室10については、ダンパ50が閉の場合に比べて、冷気の一部しか冷凍室10側に流れず、かつ冷蔵室8内を循環して温度が上昇した気体が冷凍室10に流入するので、冷凍室10の温度は上昇する。
上記の冷蔵庫2の構造は一例であり、冷気を、開の状態で冷蔵室8及び冷凍室10の両方に流入させ、閉の状態で冷凍室10にのみ流入させるダンパ50を備えた冷蔵庫2であれば、その他の任意の構造を採用できる。
図2は、本発明1つの実施形態に係る冷蔵庫の制御構成を模式的に示すブロック線図である。本実施形態に係る冷蔵庫2は、制御部100を備える。制御部100は、冷蔵室温度センサ60、冷凍室温度センサ70、圧縮機20の駆動モータ、及びダンパ50の開閉を行うアクチエータと電気的に接続されている。制御部100は、冷蔵室温度センサ60及び冷凍室温度センサ70から送信される測定値TR、TFに基づいて、圧縮機20及びダンパ50を制御する。
図3Aは、図1A、1Bに示す冷蔵庫における圧縮機の制御の一例を示すフローチャートである。まず、第1の冷却パターン及び第2の冷却パターンで共通の圧縮機稼働/停止のための温度データをメモリから読み出して設定する(ステップS10)。具体的には、圧縮機20の稼働を開始させる圧縮機稼働温度として、-19.5℃を設定し、圧縮機20の稼働を停止させる圧縮機停止温度として、-23℃を設定する。
図3Bは、図1A、1Bに示す冷蔵庫におけるダンパ50の制御の一例を示すフローチャートである。まず、第1の冷却パターンが選択されているか否か判断する(ステップS30)。この判断で、もし、第1の冷却パターンが選択されている(YES)と判別したときには、第1の冷却パターンにおけるダンパ開閉のための温度データをメモリから読み出して設定する(ステップS32)。具体的には、ダンパ50を閉から開にするダンパ開温度として、6℃を設定し、ダンパ50を開から閉にするダンパ閉温度として、-1℃を設定する。
第1の冷却パターン及び第2の冷却パターンを比較すると、ダンパ閉温度は同一であり、ダンパ開温度については、第1の冷却パターンの方が第2の冷却パターンより高い温度が設定されている。
図4は、図3A、3Bに示す制御処理による冷蔵室8及び冷凍室10の温度変化を示すグラフである。横軸が経過時間を示し、縦軸が温度を示す。圧縮機20の稼働が開始して停止し、次に稼働が開始されるまでの期間を、1つの冷却サイクルとする。図4では、冷蔵室温度センサ60の測定値TRの1つの冷却サイクルにおける温度変化、及び冷凍室温度センサ70の測定値TFの1つの冷却サイクルにおける温度変化を個別に表す。また、第1の冷却パターンにおける温度変化を実線及び破線で示し、第2の冷却パターンにおける温度変化を実線で示す。第1の冷却パターンでは、第2の冷却パターンと同じ温度変化をする部分を実線で示し、第2の冷却パターンと異なる温度変化をする部分を破線で示す。
はじめに、第2の冷却パターンにおける1つの冷却サイクルでの温度変化を説明する。冷凍室温度センサ70の測定値TFが圧縮機稼働温度(-19.5℃)到達すると、圧縮機20の稼働が開始される(S’参照)。このとき、冷蔵室温度センサ60の測定値TRは、既にダンパ開温度(4℃)に到達しているので、ダンパ50は開の状態になっている(S参照)。
これにより、蒸発器30を通過した冷気が、冷蔵室8及び冷凍室10の両方に流入して循環する。このとき、冷蔵室温度センサ60の測定値TRは下降する。一方、冷凍室温度センサ70の測定値TFは、冷蔵室8内を循環して暖まった気体が流入するので上昇する。
圧縮機20の停止後、冷蔵室温度センサ60の測定値TRが上昇し、ダンパ開温度(4℃)に到達したときに、閉の状態のダンパ50が開に変更される。また、冷凍室温度センサ70の測定値TFも上昇し、圧縮機稼働温度(-19.5℃)に到達したときに、圧縮機20の稼働が開始される(E’参照)。これにより、圧縮機20の稼働が開始されて停止し、次に圧縮機20の稼働が開始されるまでの第2の冷却パターンにおける1つの冷却サイクルが完了する。
次に、第1の冷却パターンにおける1つの冷却サイクルの温度変化を説明する。実線で示す部分の温度は第2の冷却パターンと同様であり、破線で示す部分の温度が、第1の冷却パターンと異なる。
冷凍室温度センサ70の測定値TFが圧縮機稼働温度(-19.5℃)到達すると、圧縮機20の稼働が開始される(S参照)。このとき、冷蔵室温度センサ60の測定値TRは、既にダンパ開温度(4℃)に到達しているので、ダンパ50は開の状態になっている(S’参照)。
これにより、蒸発器30を通過した冷気が、冷蔵室8及び冷凍室10の両方に流入して循環する。このとき、冷蔵室温度センサ60の測定値TRは下降する。一方、冷凍室温度センサ70の測定値TFは、冷蔵室8内を循環して暖まった気体が流入するので上昇する。
圧縮機20の停止後、冷蔵室温度センサ60の測定値TRが上昇し、ダンパ開温度(6℃)に到達したときに、閉の状態のダンパが開に変更される。また、冷凍室温度センサ70の測定値TFも上昇し、圧縮機稼働温度(-19.5℃)に到達したときに、圧縮機20の稼働が開始される(G’参照)。これにより、圧縮機20の稼働が開始されて停止し、次に圧縮機20の稼働が開始されるまでの第1の冷却パターンにおける1つの冷却サイクルが完了する。
例えば、冷蔵室8を冷却するモードとして、通常冷却するモード及び強冷却するモードが設定されている場合がある。このような場合、通常冷却するモードでは、第1の冷却パターンで冷却の制御を行い、強冷却するモードでは、第2の冷却パターンで冷却制御を行うことが好ましい。
次に、上記の実施形態に係る冷蔵庫2を実際に稼働させて、冷蔵室温度センサ60の測定値TR及び冷凍室温度センサ70の測定値TFを得た実施例の説明を行う。図5Aは、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2を実際に第1の冷却パターンで稼働させて計測した、冷蔵室8及び冷凍室10の温度、並びに圧縮機20の駆動モータの電流値の測定データを示すグラフである。図5Bは、本発明の1つの実施形態に係る冷蔵庫2を実際に第2の冷却パターンで稼働させて計測した、冷蔵室8及び冷凍室10の温度、並びに圧縮機20の駆動モータの電流値の測定データを示すグラフである。
また、第1の冷却パターンにおける1つの冷却サイクル期間が、第2の冷却パターンにおける1つの冷却サイクル期間よりも短くなることが実証された。
4 筐体
4A 仕切部
4B ダクト
6A 上扉
6B 下扉
8 冷蔵室
10 冷凍室
20 圧縮機
30 蒸発器
40 循環ファン
50 ダンパ
60 冷蔵室温度センサ
70 冷凍室温度センサ
100 制御部
Claims (5)
- 冷蔵室及び冷凍室を有する筐体と、
冷媒との熱交換により前記筐体内を流れる気体を冷却する蒸発器と、
前記蒸発器で気化された冷媒を圧縮し、凝縮器で液化させて前記蒸発器へ戻す圧縮機と、
前記蒸発器を通過した冷気を、開の状態で前記冷蔵室及び前記冷凍室の両方に流入させ、閉の状態で前記冷凍室にのみ流入させるダンパと、
前記冷蔵室内に配置された冷蔵室温度センサの測定値がダンパ開温度まで上昇すると、前記ダンパを閉から開に変更し、前記冷蔵室温度センサの測定値がダンパ閉温度まで下降すると、前記ダンパを開から閉に変更し、前記冷凍室内に配置された冷凍室温度センサの測定値が圧縮機稼働温度まで上昇すると、前記圧縮機の稼働を開始し、前記冷凍室温度センサの測定値が圧縮機停止温度まで下降すると、前記圧縮機の稼働を停止する制御を行う制御部と、
を備え、
前記圧縮機が稼働し前記ダンパが開のとき、前記冷蔵室内を循環した気体が前記冷凍室内に流入して、前記冷凍室温度センサの測定値が上昇し、
通常の使用状態において、前記ダンパが閉の状態で前記圧縮機が稼働しているときに、
前記冷蔵室温度センサの測定値が前記ダンパ開温度に到達する前に、前記冷凍室温度センサの測定値が前記圧縮機停止温度に到達するように温度設定がなされた第1の冷却パターンを有することを特徴とする冷蔵庫。 - 前記第1の冷却パターンで制御されるとき、前記圧縮機の稼働期間中に、前記ダンパの開閉が一度だけ行われることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 通常の使用状態において、前記ダンパが閉の状態で前記圧縮機が稼働しているときに、
前記冷凍室温度センサの測定値が前記圧縮機停止温度に到達する前に、前記冷蔵室温度センサの測定値が前記ダンパ開温度に到達するように温度設定がなされた第2の冷却パターンを更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。 - 前記第2の冷却パターンで制御されるとき、前記圧縮機の稼働期間中に、前記ダンパの開閉が複数回行われることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
- 前記冷蔵室を通常冷却するモード及び強冷却するモードがあり、
前記通常冷却するモードでは、前記第1の冷却パターンで制御され、
前記強冷却するモードでは、前記第2の冷却パターンで制御されることを特徴とする請求項3または4に記載の冷蔵庫。
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