JP2020132950A - コバルト回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コバルト及び不純物金属を含有する被処理液からコバルトを高回収率で回収することができるコバルト回収方法を提供する。【解決手段】コバルト回収方法は、コバルト及び不純物金属が少なくとも溶解した酸性の被処理液にアルカリ水溶液を添加してpHを4〜6に調整することで、該不純物金属の塩の結晶を析出させる第1pH調整工程S3、第1pH調整工程S3により析出した不純物金属の塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する固液分離工程S4、固液分離工程S4後の被処理液にアルカリ水溶液を添加してpHを7〜11に調整することで、コバルト塩の結晶を析出させる第2pH調整工程S5、第2pH調整工程S5により析出したコバルト塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する固液分離工程S6を有し、第1pH調整工程S3で添加されるアルカリ水溶液のアルカリ濃度が1.0mol/L未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、コバルト及び不純物金属が少なくとも溶解した被処理液からコバルトを回収するコバルト回収方法、特に、廃リチウムイオン電池からコバルトを回収する際に用いられるコバルト回収方法に関する。
リチウムイオン電池は、軽量かつ高エネルギー密度の電池として注目されており、各種携帯機器、電気自動車、電動アシスト自転車などのバッテリーとして大量に使用されている。このリチウムイオン電池の正極には、正極活物質として例えばコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物が使用されており、廃リチウムイオン電池から有価金属のコバルトを回収することは資源の有効利用の観点から極めて重要である。
廃リチウムイオン電池からコバルトを回収する方法として、例えば特許文献1には、廃リチウムイオン電池を硫酸で浸出してコバルトを溶出させ、この酸溶出液にアルカリを添加してpHを4〜5に調整して、コバルトとともに溶出しているアルミニウムなどの不純物金属の塩を結晶として析出、沈殿させた後、さらにアルカリの添加によりpHを7〜10に調整して、コバルト塩を結晶として析出、沈殿させることで、コバルトを回収する方法が記載されている。
特許第5077788号公報
しかしながら、上述した方法では、酸溶出液からアルミニウムなどの不純物金属を除去するために酸溶出液のpHを4以上にするが、この際、不純物金属の塩の結晶と一緒にコバルト塩の結晶も析出、沈殿して不純物金属とともにコバルトが酸溶出液から除去され、その後のコバルト回収の際にコバルトの回収率が低くなるおそれがある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、コバルト及び不純物金属が溶解した被処理液からコバルトを高回収率で回収することができるコバルト回収方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、コバルト及び不純物金属が少なくとも溶解した被処理液のpHを調整することで不純物金属の塩を結晶として析出させる際に、被処理液に添加するアルカリの水溶液の濃度が高いと、不純物金属の塩の結晶と一緒にコバルト塩の結晶が析出して、被処理液から不純物金属とともにコバルトが除去されることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。即ち、本発明は下記態様のコバルト回収方法を提供する。
本発明のコバルト回収方法は、コバルト及び不純物金属が少なくとも溶解した酸性の被処理液にアルカリの水溶液を添加してpHを4〜6に調整することで、該不純物金属の塩を結晶として析出させる第1pH調整工程と、前記第1pH調整工程により析出した不純物金属の塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する第1固液分離工程と、前記第1固液分離工程後の被処理液にアルカリの水溶液を添加してpHを7〜11に調整することで、コバルト塩の結晶を析出させる第2pH調整工程と、前記第2pH調整工程により析出したコバルト塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する第2固液分離工程と、を有し、前記第1pH調整工程で添加されるアルカリの水溶液のアルカリ濃度が1.0mol/L未満であることを特徴とする。
本発明のコバルト回収方法においては、前記第1pH調整工程で添加されるアルカリの水溶液のアルカリ濃度が0.1mol/L以上であることが好ましい。
また、本発明のコバルト回収方法においては、前記第1pH調整工程では、被処理液のpHが4より小さい所定値となるまでは1.0mol/L以上のアルカリ濃度を有するアルカリの水溶液を被処理液に添加し、その後、1.0mol/L未満のアルカリ濃度を有するアルカリの水溶液を被処理液に添加して、被処理液のpHを4〜6に調整することが好ましい。
また、本発明のコバルト回収方法においては、被処理液にリチウムが溶解しており、前記第2固液分離工程後の被処理液を蒸発濃縮する濃縮工程と、前記濃縮工程後の被処理液に炭酸ガスを混合する及び/又は水溶性の炭酸塩を添加する炭酸化工程と、を有することが好ましい。
また、本発明のコバルト回収方法においては、前記炭酸化工程により析出した炭酸リチウムの結晶を含む析出物を被処理液から分離する第3固液分離工程と、前記第3固液分離工程後の被処理液に対してバイポーラ膜電気透析を行うことにより該被処理液からアルカリを分離して回収する電気透析工程と、をさらに有し、前記電気透析工程で回収したアルカリを前記第1pH調整工程及び/又は前記第2pH調整工程で用いるアルカリとして再利用することが好ましい。
本発明のコバルト回収方法によれば、コバルト及び不純物金属が溶解した被処理液に対して、第1pH調整工程で被処理液から不純物金属を除去する際に、アルカリ濃度が1.0mol/L未満の希薄なアルカリの水溶液で被処理液のpH調整を行うことで、被処理液からコバルトが不純物金属とともに除去されることを抑制することができる。よって、第2pH調整工程に供給される被処理液中のコバルトの量を高く維持することができるので、第2pH調整工程においてコバルトを高回収率で回収することができる。
本発明の一実施形態のコバルト回収方法の手順を概略的に示すフローチャートである。 図1のコバルト回収方法に用いる処理装置の概略構成を示す模式図である。 バイポーラ膜電気透析装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の他の実施形態のコバルト回収方法の手順を概略的に示すフローチャートである。 図4のコバルト回収方法に用いる処理装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の他の実施形態のコバルト回収方法の手順を概略的に示すフローチャートである。 図6のリチウム回収方法に用いる処理装置の概略構成を示す模式図である。 図7のバイポーラ膜電気透析装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の他の実施形態のリチウム回収方法の手順を概略的に示すフローチャートである。 図9のリチウム回収方法に用いる処理装置の概略構成を示す模式図である。 実施例1のろ過残渣の表面状態を撮影した写真である。 実施例2のろ過残渣の表面状態を撮影した写真である。 比較例のろ過残渣の表面状態を撮影した写真である。
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコバルト回収方法の各工程の手順を示し、図2は、該コバルト回収方法を実施する処理装置10の概略構成を示す。本実施形態のコバルト回収方法は、廃リチウムイオン電池からコバルトに加えてリチウムを回収する場合を例にして説明する。
本実施形態のコバルト回収方法は、
‐廃リチウムイオン電池を無機酸で浸出してコバルト及びリチウムを溶出する酸溶出工程S1と、
‐酸溶出工程S1により得られた被処理液から不溶残渣を分離する固液分離工程S2と、
‐固液分離工程S2後の被処理液にアルカリの水溶液を添加してpHを4〜6に調整する第1pH調整工程S3と、
‐第1pH調整工程S3により析出した不純物金属の塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する固液分離工程S4(特許請求の範囲に記載の「第1固液分離工程」に該当)と、
‐固液分離工程S4後の被処理液にアルカリの水溶液を添加してpHを7〜11に調整する第2pH調整工程S5と、
‐第2pH調整工程S5により析出したコバルト塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する固液分離工程S6(特許請求の範囲に記載の「第2固液分離工程」に該当)と、
‐固液分離工程S6後の被処理液を蒸発濃縮する濃縮工程S7と、
‐濃縮工程S7後の被処理液に炭酸ガスを混合する及び/又は水溶性の炭酸塩を添加する炭酸化工程S8と、
‐炭酸化工程S8により析出した炭酸リチウムの結晶を含む析出物を被処理液から分離する固液分離工程S9(特許請求の範囲に記載の「第3固液分離工程」に該当)と、
‐固液分離工程S9後の被処理液に対してバイポーラ膜電気透析を行うことにより該被処理液から少なくとも水酸化リチウムを含むアルカリ及び無機酸を分離して回収する電気透析工程S10と、
を有する。
コバルトを回収する対象の廃リチウムイオン電池は、所定の充放電回数の使用により充電容量が低下した使用済みのリチウムイオン電池の他、電池製造工程内での不具合などで発生する半製品、製品仕様変更に伴って発生する旧型式在庫整理品などを含む。廃リチウムイオン電池は、粉砕又は焙焼処理がなされていてもよいし、粉砕及び焙焼処理がなされて得られる粉末であってもよい。
まず、酸溶出工程S1では、上述した廃リチウムイオン電池を無機酸で浸出することによりコバルト及びリチウムの他、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄などの金属を溶出する。無機酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などを用いることができるが、本実施形態では低コストかつ扱いやすい点で硫酸が用いられている。
酸溶出工程S1において、廃リチウムイオン電池を無機酸で浸出する方法については特に限定されるものではなく、通常行われている方法を用いることができる。例えば、酸溶解槽1内で廃リチウムイオン電池を例えば硫酸水溶液などの無機酸の水溶液に浸漬させて所定時間攪拌することで、上述したコバルトなどの金属が溶解した酸性の被処理液を得る。酸溶出工程S1では、水溶液中の無機酸の濃度が1mol〜5mol/Lであることが好ましく、水溶液の温度は60℃以上が好ましい。
次の固液分離工程S2では、酸溶出工程S1により得られた被処理液をろ過することにより、被処理液から不溶残渣を分離する。不溶残渣は、主に無機酸に溶解しない炭素材料、金属材料、有機材料である。固液分離する方法としては、例えば、加圧ろ過(フィルタープレス)、真空ろ過、遠心ろ過などの各種ろ過装置や、デカンター型のような遠心分離装置など公知の装置を用いることができる。なお、以下の固液分離工程S4,S6,S9においても同様である。
次の第1pH調整工程S3では、固液分離工程S2後の被処理液(ろ液)にアルカリの水溶液を添加し、pHを4〜6、好ましくは4〜5に調整する。これにより、被処理液中の上述した金属のうち、不純物金属(例えばアルミニウム、鉄)を被処理液から除去する。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができるが、本実施形態では水酸化リチウムが用いられている。
第1pH調整工程S3において、被処理液のpHを調整する方法については特に限定されるものではなく、通常行われている方法を用いることができる。例えば、第1pH調整槽2内で被処理液を攪拌しながら例えば水酸化リチウム水溶液などのアルカリの水溶液を添加することで、被処理液中の不純物金属を水酸化物(例えば水酸化アルミニウム、水酸化鉄)などの無機塩の結晶として析出、沈殿させる。第1pH調整工程S3では、リチウム含有液を例えば30℃〜60℃で一定温度に加温しながら行うことが好ましい。
第1pH調整工程S3で添加されるアルカリの水溶液は、アルカリ濃度が1.0mol/L未満と希薄である。これにより、詳細は後述するが、第1pH調整工程S3で被処理液中のコバルトが不純物金属とともにコバルト塩の結晶として析出、沈殿して被処理液から除去されることを抑制できる。ただし、アルカリ濃度が過度に低いと、第1pH調整工程S3においてpH調整のためにアルカリの水溶液を大量に使用する必要があるうえ、pH調整後の被処理液の液量も多量となるため、アルカリ濃度の下限は、0.1mol/L以上であることが好ましい。また、第1pH調整工程S3で被処理液中のコバルトが被処理液から除去されることを効果的に抑制するためには、第1pH調整工程S3で添加されるアルカリの水溶液のアルカリ濃度は、0.5mol/L以下であることが好ましく、0.2mol/L以下であることがより好ましい。
なお、この第1pH調整工程S3においては、pH調整に使用するアルカリの水溶液量を減らすために、被処理液のpHが4より小さい所定値となるまでは1.0mol/L以上の濃いアルカリ濃度を有するアルカリの水溶液を被処理液に添加し、被処理液のpHが所定値となった後は、1.0mol/L未満の薄いアルカリ濃度を有するアルカリの水溶液を被処理液に添加することで、被処理液のpHを4〜6に調整することもできる。上述した被処理液のpHの所定値としては、2〜3の範囲内で設定することができる。
第1pH工程S3で析出、沈殿した析出物は、次の固液分離工程S4において、被処理液をろ過することで被処理液から分離される。なお、第1pH工程S3で被処理液から除去される不純物金属には、その他、銅などが含まれていてもよい。固液分離工程S4においては、析出物を洗浄液で洗浄し、洗浄した後の洗浄廃液を被処理液(ろ液)とともに、次の第2pH調整工程S5に循環することが好ましい。これにより、洗浄廃液に含まれるリチウムについてもろ液に含まれるリチウムとともに第2pH調整工程S5に供給することができる。この析出物の洗浄に用いる水は、特に限定されるものではないが、後述する濃縮工程S7において被処理液を蒸発濃縮した際に発生する凝縮水を利用することが好ましく、これにより、凝縮水の有効利用が可能である。
第2pH調整工程S5では、固液分離工程S4後の被処理液(ろ液)にアルカリの水溶液を添加して、pHを7〜11、好ましくは8〜10に調整する。これにより、被処理液中の上述した金属のうち、コバルト、さらにはニッケルなどの有価金属を被処理液から除去する。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができるが、本実施形態では水酸化リチウムが用いられている。
第2pH調整工程S5において、被処理液のpHを調整する方法については特に限定されるものではなく、通常行われている方法を用いることができる。例えば、第2pH調整槽3内で被処理液を攪拌しながら例えば水酸化リチウム水溶液などのアルカリの水溶液を添加することで、被処理液中の有価金属を水酸化物(例えば水酸化鉄コバルト、さらには水酸化ニッケル)などの無機塩の結晶として析出、沈殿させる。これにより、被処理液中のコバルトを水酸化コバルトなどのコバルト塩として回収することができる。第2pH調整工程S5で添加されるアルカリの水溶液のアルカリ濃度は、特に限定されるものではないが、第1pH調整工程S3で使用したアルカリの水溶液のアルカリ濃度以上であることが好ましい。
第2pH工程S5で析出、沈殿した析出物は、次の固液分離工程S6において、被処理液をろ過することで被処理液から分離される。なお、第2pH調整工程S5で被処理液から除去される有価金属には、その他、マンガンなどが含まれていてもよい。一方、固液分離工程S6後の被処理液(ろ液)中には、リチウム及び無機酸の陰イオン(例えば硫酸イオン)が含まれている。
固液分離工程S6においては、析出物を洗浄液で洗浄し、洗浄した後の洗浄廃液を被処理液(ろ液)とともに、次の濃縮工程S7に循環することが好ましい。これにより、洗浄廃液に含まれるリチウムについてもろ液に含まれるリチウムとともに濃縮工程S7に供給することができ、後述する炭酸化工程S8で炭酸化することで、リチウムを高回収率で回収することができる。この析出物の洗浄に用いる水は、特に限定されるものではないが、濃縮工程S7において被処理液を蒸発濃縮した際に発生する凝縮水を利用することが好ましく、これにより、凝縮水の有効利用が可能である。
なお、この第1pH調整工程S3及び第2pH調整工程S5において、使用するアルカリを水酸化リチウムとすることにより、水酸化ナトリウムなどの他のアルカリ金属の水酸化物を用いた場合に比べて、後述する炭酸化工程S8において析出する炭酸リチウムの結晶について、例えばナトリウムなどのリチウム以外のアルカリ金属の混入を抑制することができる。よって、純度の高い炭酸リチウムを回収することができる。
次の濃縮工程S7では、固液分離工程S6後のリチウムを含有する被処理液を蒸発濃縮する。これにより、被処理液の液量が減少して被処理液中のリチウム濃度が増加する。よって、後述する炭酸化工程S8において炭酸リチウムの回収率を向上することができる。
また、濃縮工程S7では、被処理液を蒸発濃縮することにより、濃縮後の被処理液の温度を高くすることができ、後述する炭酸化工程S8において炭酸リチウムの回収率を向上することができる。炭酸リチウムの溶解度は温度が高くなるほど低くなるため、炭酸化工程S8において、被処理液の温度が高くなることにより、被処理液中のリチウムと炭酸ガスとの反応で生じる炭酸リチウムの溶解度が低下するため、炭酸リチウムの結晶の析出量を増やすことができる。
この濃縮工程S7では、濃縮後の被処理液にリチウムが例えば硫酸リチウムなどのリチウム塩の結晶として析出しない程度の濃度まで被処理液を濃縮することが好ましい。これにより、濃縮後の被処理液におけるリチウムの濃度を高くすることができ、後述する炭酸化工程S8において炭酸リチウムの回収率を向上することができる。なお、濃縮工程S7で析出物が析出した場合には、被処理液からこれを分離する固液分離工程を行ってもよい。
濃縮工程S7において、被処理液を蒸発濃縮する方法については特に限定されるものではなく、例えば蒸発濃縮装置4を用いることができる。蒸発濃縮装置4としては、被処理液を蒸発により濃縮可能であれば特に限定されず、例えばヒートポンプ型、エゼクター駆動型、スチーム型、フラッシュ型などの公知の蒸発濃縮装置を用いることができるが、好ましくはヒートポンプ型の蒸発濃縮装置である。ヒートポンプ型の蒸発濃縮装置を用いた場合には、使用するエネルギーを著しく抑制することができる。また、減圧雰囲気下で被処理液の濃縮を行うことで、さらに省エネルギー化を図ることができる。
次の炭酸化工程S8では、濃縮工程S7後の被処理液に炭酸ガスを混合する及び/又は水溶性の炭酸塩を添加することにより、被処理液中のリチウムを炭酸リチウムの結晶として析出、沈殿させる。これにより、被処理液中のリチウムを炭酸リチウムとして回収することができる。炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウムなどを用いることができる。
この炭酸化工程S8においては、被処理液に炭酸ガスを混合することにより炭酸リチウムの結晶を析出、沈殿させることが好ましい。このように、炭酸化工程S8において、例えばナトリウムなどのアルカリ金属を含まない材料を用いることにより、析出する炭酸リチウムの結晶にリチウム以外のアルカリ金属が混入することを抑制することができる。よって、純度の高い炭酸リチウムを回収することができる。
炭酸化工程S8において、被処理液に炭酸ガスを混合する方法については特に限定されるものではなく、通常行われている方法を用いることができる。例えば炭酸化槽5内で被処理液を攪拌しながら被処理液中に炭酸ガスをノズルにより微細な気泡の状態で供給することで、被処理液に炭酸ガスを均一に混合することができ、被処理液中のリチウムと炭酸ガスとを効率よく反応させることができる。また、被処理液を炭酸ガスの雰囲気下に噴霧することで炭酸ガスと反応させてもよい。
炭酸リチウムの溶解度は温度が高くなるほど低くなるため、炭酸化工程S8においては、被処理液を加温することが好ましい。これにより、被処理液中のリチウムと炭酸ガスとの反応で生じる炭酸リチウムの溶解度が低下するので、炭酸リチウムの結晶の析出量を増やすことができる。
次の固液分離工程S9では、炭酸化工程S8後の被処理液をろ過することにより、被処理液から炭酸リチウムの結晶を含む析出物を分離する。固液分離工程S9においては、被処理液から分離した析出物を水などで洗浄することで、不純物を除去し、炭酸リチウムの純度を上げることができる。この析出物の洗浄に用いる水は、特に限定されるものではないが、濃縮工程S7において被処理液を蒸発濃縮した際に発生する凝縮水を利用することが好ましく、これにより、凝縮水の有効利用が可能である。なお、析出物を洗浄した後の洗浄廃液は、固液分離工程S9後の被処理液(ろ液)とともに、後述する電気透析工程S10のバイポーラ膜電気透析装置6に供給することが好ましい。
次の電気透析工程S10では、固液分離工程S9後の被処理液をバイポーラ膜電気透析装置6に供給することにより、該被処理液からアルカリ及び無機酸を分離して回収する。バイポーラ膜電気透析装置6としては、例えば図3に示すように、陽極65と陰極66との間に、陰イオン交換膜61、陽イオン交換膜62及び2つのバイポーラ膜63,64を備えるセル60が複数積層された三室セル方式のバイポーラ膜電気透析装置を好適に使用することができる。本実施形態のバイポーラ膜電気透析装置6は、陰イオン交換膜61及び陽イオン交換膜62により脱塩室R1を形成し、陰イオン交換膜61及び一方のバイポーラ膜63との間に酸室R2を形成し、陽イオン交換膜62と他方のバイポーラ膜64との間にアルカリ室R3を形成している。各バイポーラ膜63,64の外側には陽極室R4と陰極室R5とが形成されており、陽極室R4に陽極65が、陰極室R5に陰極66が、それぞれ配置されている。
この電気透析工程S10では、脱塩室R1に被処理液を導入し、酸室R2及びアルカリ室R3にそれぞれ純水を導入することで、被処理液がリチウムと無機酸の陰イオン(本実施形態では硫酸イオン)とを含む場合、脱塩室R1においては、リチウムイオン(Li)は陽イオン交換膜62を通過し、硫酸イオン(SO 2−)は陰イオン交換膜61を通過する。一方、酸室R2及びアルカリ室R3においては、供給された純水がバイポーラ膜63,64において水素イオン(H)及び水酸化物イオン(OH)に解離され、酸室R2では水素イオン(H)が硫酸イオン(SO 2−)と結合して硫酸(HSO)が生成され、アルカリ室R3では水酸化物イオン(OH)がリチウムイオン(Li)と結合して水酸化リチウム(LiOH)が生成される。これにより、酸室R2から無機酸として硫酸(HSO)が、アルカリ室R3からアルカリとして水酸化リチウム(LiOH)が、それぞれ回収される。なお、酸室R2及びアルカリ室R3に導入される純水は、濃縮工程S8において被処理液を蒸発濃縮した際に発生する凝縮水を利用してもよい。
脱塩室R1から排出される脱塩後の希薄な被処理液(脱塩液)は、特に限定されるわけではないが、少なくとも一部を蒸発濃縮装置4に供給して、濃縮工程S7において再び蒸発濃縮することが好ましい。
また、酸室R2から回収した無機酸(本実施形態では硫酸)は、特に限定されるわけではないが、酸溶出槽1に供給して、酸溶出工程S1において廃リチウムイオン電池を浸出する無機酸として再利用することが好ましい。
また、アルカリ室R3から回収したアルカリ(本実施形態では水酸化リチウム)は、特に限定されるわけではないが、pH調整槽2,3に供給して、pH調整工程S3,S5において被処理液のpH調整のためのアルカリとして再利用することが好ましい。
上述した本実施形態のコバルト回収方法によれば、コバルト及び不純物金属が溶解した被処理液に対して、第1pH調整工程S3で被処理液から不純物金属を除去する際に、アルカリ濃度が1.0mol/L未満の希薄なアルカリの水溶液で被処理液のpH調整を行うことで、被処理液からコバルトが不純物金属とともに除去されることを抑制することができる。よって、第2pH調整工程S5に供給される被処理液中のコバルトの量を高く維持することができるので、第2pH調整工程S5においてコバルトを高回収率で回収することができる。
また、本実施形態のコバルト回収方法によれば、第1pH調整工程S3においてアルカリ濃度が1.0mol/L未満の希薄なアルカリの水溶液を使用しているため、その後のリチウムを回収するための炭酸化工程S8に供給される被処理液の液量が多量となるが、炭酸化工程S8前に濃縮工程S7において被処理液を蒸発濃縮することで、被処理液の液量を減らして被処理液中のリチウム濃度を増加させている。よって、炭酸化工程S8において炭酸リチウムの回収率を良好に向上することができる。そのうえ、被処理液の蒸発濃縮に伴い、炭酸化工程S8に供給される被処理液の温度が高くなるので、炭酸リチウムの溶解度が低下して、炭酸リチウムの析出量を増やすことができる。
なお、第1pH調整工程S3で被処理液のpHを4〜6に調整する際に、被処理液のpHが所定値となるまではアルカリ濃度が1.0mol/L以上のアルカリの水溶液を被処理液に添加し、被処理液のpHが所定値となった後、アルカリ濃度が1.0mol/L未満のアルカリの水溶液を被処理液に添加することで、pH調整に使用するアルカリの水溶液量を減らすことができる。
また、本実施形態のコバルト回収方法によれば、電気透析工程S10において回収した無機酸及びアルカリを、それぞれ酸溶出工程S1及びpH調整工程S3,S5に循環させて再利用することで、各工程S1,S3,S5において使用する無機酸やアルカリの量を減らすことができる。
以上、本発明のコバルト回収方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態のコバルト回収方法では、電気透析工程S10で回収したアルカリを第1pH調整工程S3及び第2pH調整工程S5に供給しているが、いずれか一方にのみ供給するように構成してもよい。
また、上記実施形態のコバルト回収方法では、電気透析工程S10により水酸化リチウムを回収した後の希薄な被処理液(脱塩液)について、少なくとも一部を濃縮工程S7に供給しているが、これに代えて又はこれに加えて、電気透析工程S10に供給するように構成してもよい。
また、上記実施形態のコバルト回収方法では、炭酸化工程S8の前に濃縮工程S7を有しているが、濃縮工程S7は必ずしも有している必要はない。なお、この場合、電気透析工程S10により水酸化リチウムを回収した後の希薄な被処理液(脱塩液)について、少なくとも一部を炭酸化工程S8に供給するように構成することができる。
また、上記実施形態のコバルト回収方法において、電気透析工程S10に供給する被処理液に対して、被処理液中の2価以上の多価陽イオン(代表的には、カルシウムイオンやマグネシウムイオン)の不純物を除去するように構成してもよい。被処理液中にカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの多価陽イオンが存在していると、この多価陽イオンがバイポーラ膜電気透析装置6の陽イオン交換膜内で析出し、膜の性能低下を招くおそれがあるが、多価陽イオンを事前に被処理液中から除去することで、バイポーラ膜電気透析装置6における陽イオン交換膜への悪影響を防止することができる。この多価陽イオンの除去の具体的な構成は、特に限定されるものではなく、例えばキレート樹脂を充填したカラムに被処理液を通液可能な公知の多価陽イオン除去装置を例示することができる。キレート樹脂としては、カルシウムイオンやマグネシウムイオンを選択的に捕捉可能なものを使用することができ、例えば、イミノジ酢酸型、アミノリン酸型などを例示することができる。多価陽イオン除去装置としては、その他に、キレート剤を添加するものや、イオン交換樹脂を利用するものなどを挙げることができる。なお、被処理液から除去する不純物には、カルシウムやマグネシウムに加えて、シリカ(ケイ酸イオン)が含まれていてもよい。
また、上記実施形態のコバルト回収方法において、図4及び図5に示すように、酸溶出工程S1前に、廃リチウムイオン電池を焙焼する焙焼工程S0をさらに有していてもよい。焙焼工程S0において、廃リチウムイオン電池を焙焼する方法については特に限定されるものではなく、公知の焙焼設備7を用いることができる。この実施形態では、焙焼設備7(焙焼工程S0)で発生した排気ガスを炭酸化槽6(炭酸化工程S8)に供給して、炭酸ガスとして被処理液に混合している。これにより、炭酸化工程S8において使用する炭酸ガスの量を減らすことができる。
また、上記実施形態のコバルト回収方法において、濃縮工程S7以後の工程におけるリチウムの回収方法については、特に限定されるものではなく、例えば図6及び図7に示す方法であってもよい。なお、図6及び図7の実施形態において、コバルトの回収方法に関する酸溶出工程S1〜固液分離工程S6までの手順については、第1pH調整工程S3及び第2pH調整工程S5で添加されるアルカリが水酸化リチウムではなく水酸化ナトリウムであることを除いて、上記実施形態と同じであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
図6及び図7の実施形態では、固液分離工程S6後のリチウム含有液(ろ液)に、リチウムの他、酸溶出工程S1及びpH調整工程S3,S5において添加された無機酸(本実施形態では硫酸)及びアルカリ(本実施形態では水酸化ナトリウム)によって無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム(NaSO))が溶解している場合において、該無機塩を炭酸化工程S11前に被処理液から除去することを特徴としている。
具体的に、固液分離工程S6後の不純物除去工程S7において、固液分離工程S6後の被処理液に含まれるカルシウム及び/又はマグネシウムを少なくとも除去する。被処理液に不純物として含まれるカルシウムやマグネシウムを除去することにより、後述する濃縮工程S8において、蒸発濃縮装置5の熱交換器の伝熱面にスケールが発生して付着することを抑制することができ、熱交換効率を高く維持することができる。また、被処理液にカルシウムやマグネシウムが含まれていると、後述する電気透析工程S14において、無機溶液中に含まれるカルシウムやマグネシウムの多価陽イオンがバイポーラ膜電気透析装置9の陽イオン交換膜内で析出し、膜の性能低下を招くおそれがある。そのため、予め被処理液からカルシウムやマグネシウムを除去することにより、バイポーラ膜電気透析装置9の陽イオン交換膜への悪影響を防止することができ、電気透析の性能を高く維持することができる。
不純物除去工程S7において、被処理液からカルシウムやマグネシウムを除去する方法については特に限定されるものではなく、上述したような多価陽イオン除去装置4を用いることができる。なお、不純物除去工程S7で被処理液から除去する不純物には、カルシウムやマグネシウムに加えて、シリカ(ケイ酸イオン)が含まれていてもよい。
次の濃縮工程S8では、不純物除去工程S7後の被処理液を蒸発濃縮する。これにより、被処理液の液量が減少し、被処理液中のリチウム濃度が増加する。よって、後述する炭酸化工程S12において炭酸リチウムの回収率を向上することができる。
なお、この濃縮工程S8では、濃縮後の被処理液にリチウムが例えば硫酸リチウムなどのリチウム塩の結晶として析出しない程度の濃度まで被処理液を濃縮することが好ましい。これにより、濃縮後の被処理液におけるリチウムの濃度を高くすることができ、後述する炭酸化工程S11において炭酸リチウムの回収率を向上することができる。
濃縮工程S8において、被処理液を蒸発濃縮する方法については特に限定されるものではなく、例えば蒸発濃縮装置5を用いることができる。蒸発濃縮装置5については、上記実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
次の晶析工程S9では、濃縮工程S8後の被処理液を冷却晶析する。この晶析工程S9においては、蒸発濃縮後の被処理液の温度を低下させて、被処理液に含まれる無機塩が結晶化するまで溶解度を下げることで、被処理液中の無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム)の濃度を減少させることができる。そのため、後述する炭酸化工程S11において炭酸リチウムを回収する際に、炭酸リチウムの純度を高めることができる。
晶析工程S9において、被処理液を冷却晶析する方法については特に限定されるものではなく、例えば冷却晶析装置6を用いることができる。冷却晶析装置6は、供給された被処理液を晶析槽内で冷却して、目的とする無機塩の結晶を析出させるものである。冷却晶析装置6としては、例えばジャケットや内部コイルによる冷却方式の晶析装置、外部循環冷却式の晶析装置などの公知の冷却晶析装置を用いることができ、特に限定されない。
晶析工程S9においては、無機塩によって飽和溶解度や溶解度の温度依存性が異なることを利用して、目的の無機塩の結晶のみを析出させる。本実施形態においては、硫酸リチウムなどのリチウム塩の溶解度の温度依存性が、硫酸ナトリウムなどのリチウム塩以外の無機塩のそれに比べて小さいことを利用している。すなわち、供給濃度におけるリチウム塩の析出温度以上であってリチウム塩以外の無機塩の析出温度以下に冷却することによってリチウム塩以外の無機塩を結晶として析出させる。具体的に硫酸ナトリウムの結晶を析出させるための冷却温度としては、30℃以下、好ましくは5℃以上20℃以下である。このとき、硫酸ナトリウムは、硫酸ナトリウム十水和物(NaSO・10HO)の形で析出する。
次の固液分離工程S10では、晶析工程S9後の被処理液をろ過することにより、被処理液から無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム)の結晶を含む析出物を分離する。
次の炭酸化工程S11では、上述した無機塩の結晶を含む析出物が分離された後の被処理液に炭酸ガスを混合する及び/又は水溶性の炭酸塩を添加することにより、被処理液中のリチウムを炭酸リチウムの結晶として析出、沈殿させる。これにより、被処理液中のリチウムを炭酸リチウムとして回収することができる。炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウムなどを用いることができる。
この炭酸化工程S11においては、被処理液に炭酸ガスを混合することにより炭酸リチウムの結晶を析出、沈殿させることが好ましい。このように、炭酸化工程S11において、例えばナトリウムなどのアルカリ金属を含まない材料を用いることにより、析出する炭酸リチウムの結晶にリチウム以外のアルカリ金属が混入することを抑制することができる。よって、純度の高い炭酸リチウムを回収することができる。
ただし、炭酸ガスの混合を続けると被処理液のpHが下がるため、炭酸リチウムの析出量が減少する場合がある。そのため、被処理液のpHが7以下になる前に炭酸ガスの混合を止めることが好ましい。また、被処理液にアルカリを添加することで、pHが下がらないようにしてもよい。その際には、アルカリ添加によりpHを9以上に維持することが好ましい。添加するアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができる。
炭酸化工程S11において、被処理液に炭酸ガスを混合する方法については特に限定されるものではなく、上記実施形態と同様に通常行われている方法を用いることができる。
なお、炭酸リチウムの溶解度は温度が高くなるほど低くなるため、炭酸化工程S11においては、被処理液を加温することが好ましい。これにより、被処理液中のリチウムと炭酸ガスとの反応で生じる炭酸リチウムの溶解度が低下するので、炭酸リチウムの結晶の析出量を増やすことができる。また、被処理液を加温することで、被処理液に残存する無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム)の溶解度が上がり、無機塩の結晶化を抑制することができる。よって、炭酸リチウムの結晶とともに無機塩の結晶が析出することを抑制できるので、炭酸化工程において炭酸リチウムを回収する際に、炭酸リチウムの純度を高めることができる。
次の固液分離工程S12では、炭酸化工程S11後の被処理液をろ過することにより、リチウム含有液から炭酸リチウムの結晶を含む析出物を分離する。固液分離工程S12においては、リチウム含有液から分離した析出物を水などで洗浄することで、不純物を除去し、炭酸リチウムの純度を上げることができる。この析出物の洗浄に用いる水は、特に限定されるものではないが、濃縮工程S8において被処理液を蒸発濃縮した際に発生する凝縮水を利用することが好ましく、これにより、凝縮水の有効利用が可能である。
固液分離工程S12後の被処理液(ろ液)は、特に限定されるわけではないが、不純物が含まれているため、一部はブロー液として排出するが、一部は再度系内に循環することが好ましい。これにより被処理液中に残存するリチウムを回収できるため、リチウムを高回収率で回収することができる。なお、上述した炭酸リチウムの結晶を含む析出物を洗浄した後の洗浄廃液についても固液分離工程S12後の被処理液とともに、再度系内に循環することが好ましい。
固液分離工程S12後の被処理液を再度系内に循環する際には、蒸発濃縮装置5に供給して濃縮工程S8で蒸発濃縮してもよいが、好ましくは、第1pH調整槽2及び/又は第2pH調整槽3に供給する。固液分離工程S12後の被処理液はアルカリ性のため、pH調整工程S3,S5で添加するアルカリとして利用できる。さらには、固液分離工程S12後の被処理液が炭酸イオン(CO −)を多く含んでいると、濃縮工程S8において蒸発濃縮される際に蒸発濃縮装置5の熱交換器の伝熱面に炭酸塩の結晶が析出する。そこで、固液分離工程S2,S4後のろ液は酸性であることから、固液分離工程S12後の被処理液を該ろ液で中和して炭酸イオンを炭酸ガスとして該被処理液から抜くことで、濃縮工程S8において蒸発濃縮装置5の熱交換器の伝熱面に炭酸塩の結晶が析出することを防止することができる。
一方で、固液分離工程S10(冷却晶析装置6)において被処理液から分離された析出物に含まれる無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム)の結晶は、溶解工程S13(溶解槽8)に供給される。溶解工程S13では、溶解槽8内で無機塩の結晶を所望の濃度となるように例えば水を用いて溶解して、無機塩溶液を生成する。このときの温度は、特に限定されるものではなく、無機塩の結晶を溶解できる温度であればよい。また、無機塩の溶解に用いる水は、特に限定されるものではないが、濃縮工程S8において被処理液を蒸発濃縮した際に発生する凝縮水を利用することが好ましく、これにより、凝縮水の有効利用が可能である。生成された無機塩溶液は、バイポーラ膜電気透析装置9に供給される。
次の電気透析工程S14では、バイポーラ膜電気透析装置9により、溶解工程S13後の無機塩溶液からアルカリ及び無機酸を分離して回収する。バイポーラ膜電気透析装置9については、上記実施形態と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。
この電気透析工程S14では、脱塩室R1に無機塩溶液を導入し、酸室R2及びアルカリ室R3にそれぞれ純水を導入する。これにより、無機塩溶液が例えば硫酸ナトリウムを含んでいる場合には、図8に示すように、脱塩室R1においては、ナトリウムイオン(Na)は陽イオン交換膜92を通過し、硫酸イオン(SO 2−)は陰イオン交換膜91を通過する。一方、酸室R2及びアルカリ室R3においては、供給された純水がバイポーラ膜93,94において水素イオン(H)及び水酸化物イオン(OH)に解離され、酸室R2では水素イオン(H)が硫酸イオン(SO 2−)と結合して硫酸(HSO)が生成され、アルカリ室R3では水酸化物イオン(OH)がナトリウムイオン(Na)と結合して水酸化ナトリウム(NaOH)が生成される。これにより、酸室R2から無機酸として硫酸(HSO)が、アルカリ室R3からアルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)が、それぞれ回収される。
脱塩室R1から排出される脱塩後の希薄な無機塩溶液(脱塩液)は、特に限定されるわけではないが、リチウムをわずかに含んでいるため、蒸発濃縮装置5に供給して、濃縮工程S8において再び蒸発濃縮することが好ましい。
また、酸室R2から回収した無機酸(本実施形態では硫酸)は、特に限定されるわけではないが、酸溶出槽1に供給して、酸溶出工程S1において廃リチウムイオン電池を浸出する無機酸として再利用することが好ましい。さらに、多価陽イオン除去装置4に供給して、不純物処理工程S7で用いるキレート樹脂又はイオン交換樹脂の再生液として再利用することが好ましい。
また、アルカリ室R3から回収したアルカリ(本実施形態では水酸化ナトリウム)は、特に限定されるわけではないが、pH調整槽2,3に供給して、pH調整工程S3,S5においてリチウム含有液のpH調整のためのアルカリとして再利用することが好ましい。さらに、多価陽イオン除去装置4に供給して、不純物処理工程S7で用いるキレート樹脂又はイオン交換樹脂の再生液として再利用することが好ましい。
図6及び図7の実施形態によれば、炭酸化工程S11前に濃縮工程S8において被処理液を蒸発濃縮することで、被処理液の液量を減らして被処理液中のリチウム濃度を増加させている。よって、炭酸化工程S11において炭酸リチウムの結晶の回収率を良好に向上することができる。
また、また、濃縮工程S8後の晶析工程S9において、被処理液を冷却晶析することで、蒸発濃縮後の被処理液の温度を下げて被処理液に含まれる無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム)が結晶化するまで溶解度を下げているため、被処理液中の無機塩の濃度を減少することができる。そのうえ、炭酸化工程S11においては、炭酸リチウムの溶解度を下げる目的で被処理液の温度を上げるため、被処理液に残存する無機塩の溶解度が上がり、無機塩の結晶化を抑制することができる。よって、炭酸化工程S11において炭酸リチウムを回収する際に、炭酸リチウムの純度を高めることができる。
また、図6及び図7の実施形態によれば、炭酸化工程S11において炭酸リチウムの結晶を回収後の被処理液を廃棄することなく、系内に循環させて被処理液中に残存するリチウムを回収している。よって、リチウムを高回収率で回収することができる。
また、図6及び図7の実施形態によれば、固液分離工程S10において被処理液から分離された析出物に含まれる無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム)の結晶を溶解工程S13で溶解して無機塩溶液とした後、電気透析工程S14においてバイポーラ膜電気透析を行うことで、無機塩溶液から無機酸及びアルカリを回収するとともに、脱塩後の希薄な無機塩溶液を濃縮工程S8において蒸発濃縮した後、炭酸化工程S11において希薄な無機塩溶液に含まれるリチウムを回収している。よって、リチウムを高回収率で回収することができる。さらに、電気透析工程S14において回収した無機酸及びアルカリを、酸溶出工程S1、pH調整工程S3,S5、不純物除去工程S7に循環させて再利用することで、各工程S1,S3,S5,S7において使用する無機酸やアルカリの量を減らすことができる。
また、図6及び図7の実施形態によれば、不純物除去工程S7において被処理液に含まれるカルシウムやマグネシウムを除去している。これにより、炭酸化工程S11後の固液分離工程S12により得られるろ液中の不純物の量が減ることで、固液分離工程S12後の被処理液の多くを再度系内に循環することができる。よって、固液分離工程S12後の被処理液中に残存するリチウムをより多く回収できるため、リチウムを高回収率で回収することができる。さらに、電気透析工程S14において電気透析される無機溶液中の不純物の量も減るので、バイポーラ電気透析装置9の陽イオン交換膜が破壊されることを防止でき、バイポーラ膜の性能を高く維持することができる。
また、図6及び図7の実施形態によれば、濃縮工程S8で発生する凝縮水を各種の処理に用いているので、凝縮水を有効利用することができる。さらに、凝縮水を用いて各固液分離工程S4,S6,S10,S12により得られた結晶を洗浄することにより、各結晶の回収率を良好に向上することができる。
なお、図6及び図7の実施形態では、濃縮工程S8前の被処理液に対してカルシウム及び/又はマグネシウムを少なくとも除去する不純物除去工程S7を行っているが、これに代えて又はこれに加えて、電気透析工程S14前の無機塩溶液に対して同様にカルシウム及び/又はマグネシウムを少なくとも除去する不純物除去工程を行ってもよい。
また、図6及び図7の実施形態では、電気透析工程S14で回収したアルカリを第1pH調整工程S3及び第2pH調整工程S5に供給しているが、いずれか一方にのみ供給するように構成してもよい。
また、図6及び図7の実施形態において、図9及び図10に示すように、溶解工程S13後で電気透析工程S14前に、無機塩溶液に含まれる例えばシリカなどの不純物を除去するための処理工程を行ってもよい。この処理工程は、不純物除去工程S7に代えて又は不純物除去工程S7に加えて行うことができる。
具体的には、まず、再結晶工程S13−1において無機塩溶液に含まれる無機塩(本実施形態では硫酸ナトリウム)を再結晶させる。無機塩溶液に含まれる無機塩を再結晶させる方法については特に限定されるものではなく、例えば上述した晶析工程S9の冷却晶析装置6と同様の冷却晶析装置10による冷却晶析を用いることができる。つまり、無機塩とシリカとで飽和溶解度や溶解度の温度依存性が異なることを利用して無機塩の結晶のみを析出させることができ、供給濃度におけるシリカの析出温度以上であって無機塩の析出温度以下に冷却することによって無機塩の結晶を析出させる。このとき、硫酸ナトリウムは、硫酸ナトリウム十水和物(NaSO・10HO)の形で析出する。なお、無機塩溶液は、事前に無機塩の晶析に適した無機塩の濃度まで濃縮してもよい。本実施形態では、再結晶工程S13−1において冷却晶析装置10を使用しているが、純度の高い結晶が析出される晶析方法であればよく、例えば蒸発晶析装置などを用いることもできる。
無機塩の結晶を再析出させた後、固液分離工程S13−2において無機塩の結晶を含む水溶液から該無機塩の結晶を分離し、再結晶処理した無機塩の結晶を回収する。固液分離する方法としては、例えば、加圧ろ過(フィルタープレス)、真空ろ過、遠心ろ過などの各種ろ過装置や、デカンター型のような遠心分離装置など公知の装置を用いることができる。
そして、再溶解工程S13−3において、回収した無機塩の結晶を再溶解槽11内で所望の濃度となるように例えば水を用いて溶解して、無機塩溶液を再度生成する。このときの温度は、特に限定されるものではなく、無機塩の結晶を溶解できる温度であればよい。また、無機塩の溶解に用いる水は、特に限定されるものではないが、濃縮工程S8において被処理液を蒸発濃縮した際に発生する凝縮水を利用することが好ましく、これにより、凝縮水の有効利用が可能である。再度生成された無機塩溶液は、バイポーラ膜電気透析装置9に供給される。なお、再結晶工程S13−1〜再溶解工程S13−3で無機塩溶液から除去される不純物には、シリカに加えて、カルシウム及び/又はマグネシウムが含まれていてもよい。
図9及び図10の実施形態では、電気透析工程S14前に無機塩溶液に含まれるシリカを除去している。これにより、電気透析工程S14において電気透析される無機溶液中の不純物の量も減るので、バイポーラ膜の性能を高く維持することができる。さらに、電気透析工程S14後の希薄な無機塩溶液(脱塩液)を蒸発濃縮装置5に供給して濃縮工程S8において再び蒸発濃縮するにあたり、脱塩液の不純物の量が減っていることで、濃縮工程S8において、蒸発濃縮装置5の熱交換器の伝熱面にスケールが発生して付着することを抑制することができる。そのうえ、炭酸化工程S11後の固液分離工程S12により得られるろ液中の不純物の量が減ることで、固液分離工程S12後の被処理液の多くを再度系内に循環することができる。よって、固液分離工程S12後の被処理液中に残存するリチウムをより多く回収できるため、リチウムを高回収率で回収することができる。
また、図6及び図7の実施形態、及び、図9及び図10の実施形態のいずれにおいても、酸溶出工程S1前に、図4及び図5の実施形態と同様に、廃リチウムイオン電池を焙焼する焙焼工程S0をさらに有していてもよい。
また、上記実施形態のコバルト回収方法は、廃リチウムイオン電池からコバルトを回収する場合を例にしているが、本発明は、廃リチウムイオン電池からコバルトを回収するために用いられる方法には限定されない。
以下、本発明に係る実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例には限定されない。
以下の表1に示す成分を有する被処理液200mlに対して、アルカリの水溶液を添加することで被処理液のpHを調整する処理(第1pH調整工程)を行った。添加するアルカリの水溶液としては水酸化リチウム水溶液を使用した。水酸化リチウム水溶液のアルカリ濃度は、0.2mol/L(実施例1)、0.5mol/L(実施例2)、1.0mol/L(比較例)とし、被処理液のpHが4.7となるように水酸化リチウム水溶液の添加量を調整した。水酸化リチウム水溶液の添加量は、実施例1では418.6ml、実施例2では168.5ml、比較例では86.3mlであった。なお、水酸化リチウム水溶液の添加により、被処理液中のリチウムの含有量は、実施例1で582mg、実施例2で585mg、比較例で599mg、さらに増加する。
そして、pH調整後の被処理液をろ紙を用いてろ過し、ろ過により得られたろ液に含まれる各成分の含有量を測定した。その結果を表2に示す。
一方で、pH調整後の被処理液のろ過により得られたろ過残渣の表面状態を確認した。その結果を図11〜図13に示す。なお、図11が実施例1を示し、図12が実施例2を示し、図13が比較例を示している。図13によれば、比較例ではろ過残渣に水酸化コバルトが含まれていることを目視にて確認できたが、図11及び図12によれば、実施例1,2ではろ過残渣に水酸化コバルトが含まれていることを目視では確認できなかった。
以上の結果から、図11〜図13によると、第1pH調整工程で被処理液に添加するアルカリ水溶液のアルカリ濃度が1.0mol/Lの場合には、被処理液のpH調整後のろ過残渣に多くのコバルト塩が含まれていることが確認された。また、表2によると、第1pH調整工程で被処理液に添加するアルカリ水溶液のアルカリ濃度が1.0mol/Lの場合には、pH調整後の被処理液(ろ液)のコバルト回収率が85%を下回っているのに対して、アルカリ濃度が1.0mol/L未満の場合には、pH調整後の被処理液(ろ液)のコバルト回収率が85%以上であり、被処理液(ろ液)にコバルトが多く残存していることが確認された。
このように、第1pH調整工程で被処理液に添加するアルカリ水溶液のアルカリ濃度を1.0mol/L未満とすることで、第1pH調整工程において被処理液からコバルトが不純物金属(例えばアルミニウム)とともに除去されることを抑制でき、次の第2pH調整工程に供給される被処理液中のコバルトの含有量を高く維持できることが分かる。よって、第2pH調整工程においてコバルトを高回収率で回収することが可能である。
なお、コバルトの回収率が1%向上すると、例えば1年間の廃リチウムイオン電池の処理量が1000tであり、廃リチウムイオン電池におけるコバルトの含有率が20%とすると、コバルトの回収量として1年間で2tの差が生じ、コバルトの単価が6,000円/kgとすれば、1年間で12,000,000円の差が生じる。
S0 焙焼工程
S1 酸溶出工程
S3 第1pH調整工程
S5 第2pH調整工程
S7 濃縮工程
S8 炭酸化工程
S10 電気透析工程

Claims (5)

  1. コバルト及び不純物金属が少なくとも溶解した酸性の被処理液にアルカリの水溶液を添加してpHを4〜6に調整することで、該不純物金属の塩を結晶として析出させる第1pH調整工程と、
    前記第1pH調整工程により析出した不純物金属の塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する第1固液分離工程と、
    前記第1固液分離工程後の被処理液にアルカリの水溶液を添加してpHを7〜11に調整することで、コバルト塩を結晶として析出させる第2pH調整工程と、
    前記第2pH調整工程により析出したコバルト塩の結晶を含む析出物を被処理液から分離する第2固液分離工程と、を有し、
    前記第1pH調整工程で添加されるアルカリの水溶液のアルカリ濃度が1.0mol/L未満である、コバルト回収方法。
  2. 前記第1pH調整工程で添加されるアルカリの水溶液のアルカリ濃度が0.1mol/L以上である、請求項1に記載のコバルト回収方法。
  3. 前記第1pH調整工程では、被処理液のpHが4より小さい所定値となるまでは1.0mol/L以上のアルカリ濃度を有するアルカリの水溶液を被処理液に添加し、その後、1.0mol/L未満のアルカリ濃度を有するアルカリの水溶液を被処理液に添加して、被処理液のpHを4〜6に調整する、請求項1又は2に記載のコバルト回収方法。
  4. 被処理液にリチウムが溶解しており、
    前記第2固液分離工程後の被処理液を蒸発濃縮する濃縮工程と、
    前記濃縮工程後の被処理液に炭酸ガスを混合する及び/又は水溶性の炭酸塩を添加する炭酸化工程と、を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のコバルト回収方法。
  5. 前記炭酸化工程により析出した炭酸リチウムの結晶を含む析出物を被処理液から分離する第3固液分離工程と、
    前記第3固液分離工程後の被処理液に対してバイポーラ膜電気透析を行うことにより該被処理液からアルカリを分離して回収する電気透析工程と、をさらに有し、
    前記電気透析工程で回収したアルカリを前記第1pH調整工程及び/又は前記第2pH調整工程で添加するアルカリとして再利用する、請求項4に記載のコバルト回収方法。
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