JP2020131814A - 四輪駆動車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二輪駆動状態において好適に動力伝達部材の回転を停止させる四輪駆動車両の制御装置を提供する。【解決手段】状態判定部146によってフロントプロペラシャフト24の回転速度Npが所定回転速度Npc以上であると判定されたときに、アクチュエータ制御部144によって、アクチュエータ108の電磁コイル114に噛合式クラッチ104の入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとを一時的に噛み合わせる指令が与えられる。これにより、噛合式クラッチ104の入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとが一時的に噛み合わされて、フロントプロペラシャフト24に、フロントプロペラシャフト24の回転を継続させてしまう原因となる前輪駆動用クラッチ46での引摺トルクより大きい強制力が、前輪14L、14Rからフロントプロペラシャフト24に一時的に伝達させられる。【選択図】図1

Description

本発明は、二輪駆動状態において噛合式クラッチと湿式多板クラッチとをそれぞれ解放させて動力伝達部材を駆動力源と左右の副駆動輪とから切り離す四輪駆動車両に関し、前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとをそれぞれ解放させたときに前記動力伝達部材の回転を好適に停止させる技術に関する。
(a)駆動力源と動力伝達部材との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する湿式多板クラッチと、(b)前記動力伝達部材と左右の副駆動輪との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する噛合式クラッチと、を備え、(c)前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとをそれぞれ解放させることにより前記駆動力源から左右の主駆動輪へ駆動力を伝達する二輪駆動状態と、(d)前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとをそれぞれ係合させることにより前記駆動力源から前記左右の副駆動輪へも駆動力を伝達する四輪駆動状態と、が選択される四輪駆動車両が知られている。例えば、特許文献1に示す四輪駆動車両がそれである。なお、特許文献1に示す四輪駆動車両では、二輪駆動状態において前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとがそれぞれ解放されることによって、前記動力伝達部材が前記駆動力源と前記左右の副駆動輪とから切り離される。これにより、前記動力伝達部材の回転が停止するので、二輪駆動状態において前記動力伝達部材の回転による動力損失を好適に低減することができる。
特開2016−210325号公報
ところで、特許文献1のような四輪駆動車両において、前記湿式多板クラッチは、ディスク間すなわち摩擦板との間に介在するオイルのせん断力により、前記湿式多板クラッチを解放しても引摺トルクが存在する。このため、前記噛合式クラッチを駆動する第1アクチュエータと前記湿式多板クラッチを駆動する第2アクチュエータとに、前記噛合式クラッチおよび前記湿式多板クラッチをそれぞれ解放状態にする指令を与えたとしても、前記湿式多板クラッチの引摺トルクにより前記駆動力源の駆動力の一部が前記動力伝達部材に伝達するので、前記動力伝達部材の回転が停止しない場合があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、二輪駆動状態において好適に動力伝達部材の回転を停止させる四輪駆動車両の制御装置を提供することにある。
本発明者等は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、前記湿式多板クラッチと前記噛合式クラッチとをそれぞれ解放させても前記動力伝達部材が回転しているときにおいて、例えば、スロットルを全開にして加速するWOT(Wide Open Throttle)加速、路面断差超え等のように、外力が加わる状態となると前記動力伝達部材の回転が停止する現象に着目し、前記動力伝達部材が回転しているときにその回転を継続させてしまう原因となる前記湿式多板クラッチでの引摺トルクより大きな強制力を一時的に前記動力伝達部材に発生させると、前記動力伝達部材の回転を好適に停止させられることを見いだした。本発明は斯かる知見に基づいて為されたものである。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、(a)駆動力源と動力伝達部材との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する湿式多板クラッチと、前記動力伝達部材と左右の副駆動輪との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する噛合式クラッチと、を備え、(b)前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとをそれぞれ解放させることにより前記駆動力源から左右の主駆動輪へ駆動力を伝達する二輪駆動状態と、前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとをそれぞれ係合させることにより前記駆動力源から前記左右の副駆動輪へも駆動力を伝達する四輪駆動状態と、が選択される四輪駆動車両の、制御装置であって、(c)前記噛合式クラッチを駆動する第1アクチュエータに前記噛合式クラッチを解放状態にする指令を、前記湿式多板クラッチを駆動する第2アクチュエータに前記湿式多板クラッチを解放状態にする指令を、それぞれ与えているときに、前記動力伝達部材の回転速度が予め設定された所定回転速度以上であるか否かを判定する状態判定部と、(d)前記状態判定部によって前記動力伝達部材の回転速度が前記所定回転速度以上であると判定されたときに、前記第1アクチュエータに前記噛合式クラッチの入力側噛合歯と出力側噛合歯とを一時的に接触させる指令を与えるアクチュエータ制御部と、を備えていることにある。
第1発明によれば、前記状態判定部によって前記動力伝達部材の回転速度が前記所定回転速度以上であると判定されたときに、前記アクチュエータ制御部によって、前記第1アクチュエータに前記噛合式クラッチの入力側噛合歯と出力側噛合歯とを一時的に接触させる指令が与えられる。これにより、前記噛合式クラッチの前記入力側噛合歯と前記出力側噛合歯とが一時的に接触させられて、前記動力伝達部材に、前記動力伝達部材の回転を継続させてしまう原因となる前記湿式多板クラッチでの引摺トルクより大きい強制力が、前記左右の副駆動輪から前記動力伝達部材に一時的に伝達させられる。これによって、二輪駆動状態において好適に前記動力伝達部材の回転を停止させることができる。
本発明が好適に適用された四輪駆動車両の構成を概略的に説明する骨子図である。 図1の四輪駆動車両に設けられたトランスファの構成を説明する図である。 図1の四輪駆動車両に設けられた前輪用差動歯車装置の構成を説明する断面図である。 図3のIV-IV視断面図であり、可動スリーブが非噛合位置にあるときの状態を示す図である。 可動スリーブが非噛合位置から噛合位置に切り替えられた状態を示す断面図である。 図1の電子制御装置において、四輪駆動走行モードから二輪駆動走行モードに切り替えられ、前輪駆動用クラッチと噛合式クラッチとがそれぞれ解放されたときにおける制御作動の一例を説明するフローチャートである。 図6のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。 従来の電子制御装置において、四輪駆動走行モードから二輪駆動走行モードに切り替えられ前輪駆動用クラッチと噛合式クラッチとがそれぞれ解放されたときのタイムチャートの一例である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された四輪駆動車両10の概略構成を説明する図である。図1に示すように、四輪駆動車両10は、駆動力源としてのエンジン12と、左右一対の前輪(左右の副駆動輪)14L、14Rと、左右一対の後輪(左右の主駆動輪)16L、16Rと、エンジン12からの駆動力を前輪14L、14Rと後輪16L、16Rとへそれぞれ伝達する動力伝達装置18等と、を備えている。なお、四輪駆動車両10は、前置エンジン後輪駆動(FR)をベースとする四輪駆動車両である。
動力伝達装置18は、図1に示すように、自動変速機20と、トランスファ22と、フロントプロペラシャフト24およびリヤプロペラシャフト26と、前輪用差動歯車装置28と、後輪用差動歯車装置30と、左右一対の前輪車軸32L、32Rと、左右一対の後輪車軸34L、34R等と、を備えている。動力伝達装置18では、自動変速機20を介して伝達されたエンジン12からの駆動力を、トランスファ22から、例えば、リヤプロペラシャフト26、後輪用差動歯車装置30、後輪車軸34L、34R等を順次介して後輪16L、16Rへ伝達する。また、動力伝達装置18では、トランスファ22に伝達されたエンジン12からの駆動力の一部が前輪14L、14R側へ分配されると、その分配された駆動力を、例えば、フロントプロペラシャフト24、前輪用差動歯車装置28、前輪車軸32L、32R等を順次介して前輪14L、14Rへ伝達する。
図2はトランスファ22の概略構成を説明する骨子図である。図2に示すように、トランスファ22は、非回転部材としてのトランスファケース36を備えている。トランスファ22は、トランスファケース36内において、入力軸38と、後輪側出力軸40と、前輪駆動用ドライブスプロケット42と、ハイロー切替機構44と、前輪駆動用クラッチ(湿式多板クラッチ)46と、を共通の第1回転軸線C1まわりに備えている。入力軸38は、自動変速機20を介してエンジン12に動力伝達可能に連結されている。後輪側出力軸40は、リヤプロペラシャフト26に動力伝達可能に連結されており、後輪側出力軸40は、エンジン12から入力軸38に伝達される駆動力を後輪16L、16Rへ出力する。前輪駆動用ドライブスプロケット42は、後輪側出力軸40に対して相対回転可能に後輪側出力軸40に支持されている。前輪駆動用ドライブスプロケット42は、例えば前輪駆動用クラッチ46が係合することによって前輪駆動用ドライブスプロケット42にエンジン12からの駆動力の一部が伝達されると、そのエンジン12からの駆動力の一部をフロントプロペラシャフト24へすなわち前輪14L、14Rへ出力する。ハイロー切替機構44は、入力軸38の回転を変速して後輪側出力軸40へ伝達する副変速機として機能する。前輪駆動用クラッチ46は、後輪側出力軸40から前輪駆動用ドライブスプロケット42へ伝達する伝達トルクを調整する湿式多板クラッチ、すなわち後輪側出力軸40に動力伝達可能に連結されたエンジン12と前輪駆動用ドライブスプロケット42に動力伝達可能に連結されたフロントプロペラシャフト24との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する湿式多板クラッチである。
また、トランスファ22は、トランスファケース36内において、前輪側出力軸48と、前輪駆動用ドリブンスプロケット50と、を共通の第2回転軸線C2回りに備えている。さらに、トランスファ22は、前輪駆動用チェーン52と、デフロック機構54と、を備えている。前輪側出力軸48は、フロントプロペラシャフト24に動力伝達可能に連結されている。前輪駆動用ドリブンスプロケット50は、前輪側出力軸48に一体的に設けられている。前輪駆動用チェーン52は、前輪駆動用ドライブスプロケット42と前輪駆動用ドリブンスプロケット50とにそれぞれ掛けられ、前輪駆動用ドライブスプロケット42と前輪駆動用ドリブンスプロケット50とを動力伝達可能に連結する。デフロック機構54は、後輪側出力軸40と前輪駆動用ドライブスプロケット42とを選択的に連結するドグクラッチである。
ハイロー切替機構44は、図2に示すように、シングルピニオン型の遊星歯車装置56と、ハイロースリーブ58と、を備えている。遊星歯車装置56は、入力軸38に動力伝達可能に連結されたサンギヤSと、トランスファケース36に第1回転軸線C1まわりの回転が不能に連結されたリングギヤRと、これらサンギヤSおよびリングギヤRに噛み合う複数のピニオンギヤPを自転可能且つ第1回転軸線C1まわりの公転可能に支持するキャリアCAと、を有している。また、サンギヤSの内周面には、ハイ側ギヤ歯60が形成されており、キャリアCAには、ハイ側ギヤ歯60と同径のロー側ギヤ歯62が形成されている。なお、ハイロースリーブ58は、後輪側出力軸40に対して相対回転不能且つ後輪側出力軸40に対して第1回転軸線C1方向に移動可能に、後輪側出力軸40に連結されている。ハイロースリーブ58には、ハイ側ギヤ歯60、ロー側ギヤ歯62に噛み合い可能な外周歯58aが形成されている。
前輪駆動用クラッチ46は、図2に示すように、クラッチハブ64と、クラッチドラム66と、摩擦係合要素68と、ピストン70と、を備えている。クラッチハブ64は、後輪側出力軸40に動力伝達可能に連結されている。クラッチドラム66は、前輪駆動用ドライブスプロケット42に動力伝達可能に連結されている。摩擦係合要素68は、クラッチハブ64に対して第1回転軸線C1方向に移動可能且つクラッチハブ64に対して動力伝達可能に設けられた複数枚の第1摩擦板68aと、クラッチドラム66に対して第1回転軸線C1方向に移動可能且つクラッチドラム66に対して動力伝達可能に設けられた複数枚の第2摩擦板68bと、を有している。ピストン70は、摩擦係合要素68に当接して第1摩擦板68aと第2摩擦板68bとを挟圧する。
トランスファ22は、ハイロー切替機構44、前輪駆動用クラッチ46、およびデフロック機構54を作動させる装置として、図2に示すように、電動モータ(第2アクチュエータ)72と、電動モータ72のモータシャフト(図示しない)の回転運動を直線運動に変換するねじ機構74と、ねじ機構74において直線運動する力をハイロー切替機構44、前輪駆動用クラッチ46、およびデフロック機構54へそれぞれ伝達する伝達機構76と、を備えている。
ねじ機構74は、図2に示すように、後輪側出力軸40と同じ軸心である第1回転軸線C1上に配置されており、ねじ軸部材78とナット部材80とを備えている。ねじ軸部材78は、ウォームギヤ82を介して電動モータ72に間接的に連結されている。ナット部材80は、ねじ軸部材78が第1回転軸線C1まわりに回転することによりねじ軸部材78に対して第1回転軸線C1方向に移動可能に、ねじ軸部材78に螺合されている。また、ウォームギヤ82は、電動モータ72のモータシャフトに一体的に形成されたウォーム84と、ねじ軸部材78に一体的に形成されたウォームホイール86と、を備えた歯車対である。このように構成されることによって、ねじ機構74は、ウォームギヤ82を介してねじ軸部材78に伝達された電動モータ72の回転を、ナット部材80が第1回転軸線C1方向に移動する直線運動に変換する。
以上のように構成されたトランスファ22では、電子制御装置(制御装置)100(図1参照)から電動モータ72に供給される第2駆動電流I2(図1参照)によって電動モータ72のモータシャフトの回転量が制御されて、例えば、第1回転軸線C1方向におけるナット部材80の位置が切り替えられると、トランスファ22に設けられた前輪駆動用クラッチ46が、完全係合状態、スリップ係合状態、解放状態のいずれか1つの状態に切り替えられるようになっている。すなわち、前輪駆動用クラッチ46は、電動モータ72によって駆動するようになっている。
例えば、ナット部材80の位置が、電動モータ72によって、ピストン70が前輪駆動用クラッチ46の摩擦係合要素68から離間させられる位置すなわち解放位置に切り替えられると、前輪駆動用クラッチ46が解放状態となる。これによって、後輪側出力軸40と前輪駆動用ドライブスプロケット42との間の動力伝達経路が切断されるので、エンジン12から自動変速機20を介して伝達された駆動力をリヤプロペラシャフト26のみへ伝達する。
また、ナット部材80の位置が、電動モータ72によって、ピストン70が前輪駆動用クラッチ46の摩擦係合要素68を押圧する位置すなわち係合位置に切り替えられると、前輪駆動用クラッチ46が完全係合状態またはスリップ係合状態となる。これによって、後輪側出力軸40と前輪駆動用ドライブスプロケット42との間の動力伝達経路が接続されるので、エンジン12から自動変速機20を介して伝達された駆動力をフロントプロペラシャフト24およびリヤプロペラシャフト26にそれぞれに分配する。
前輪用差動歯車装置28は、図3に示すように、デフケース(デファレンシャルケース)90と、ピニオンシャフト92と、一対のサイドギヤ94L、94Rと、一対のピニオン96a、96bと、環状のピニオン支持部材98と、を備えている。なお、デフケース90は、一対のサイドギヤ94L、94Rを収容し、図示されていないケース部材によって第3回転軸線C3まわりに回転可能に支持されている。また、ピニオンシャフト92の両端部92a、92bは、ピニオン支持部材98に支持されている。また、一対のサイドギヤ94L、94Rは、ピニオンシャフト92を挟んでそれぞれ対向する状態で配置されており、一対のサイドギヤ94L、94Rは、デフケース90によって第3回転軸線C3まわりに回転可能に支持されている。また、一対のピニオン96a、96bには、それぞれにピニオンシャフト92が貫通されており、一対のピニオン96a、96bは、ピニオンシャフト92によってピニオンシャフト92の回転軸線C4まわりに回転可能に支持されている。また、ピニオン96a、96bは、一対のサイドギヤ94L、94Rとの間でそれぞれのサイドギヤ94L、94Rと噛み合っている。また、ピニオン支持部材98は、デフケース90内において第3回転軸線C3まわりにデフケース90に対して相対回転可能に収容されている。ピニオン支持部材98は、ピニオンシャフト92を介して一対のピニオン96a、96bを回転可能に支持している。なお、デフケース90の外周部90aには、フロントプロペラシャフト24に動力伝達可能に連結されたリングギヤ102(図1参照)が一体的に備えられている。また、サイドギヤ94Lは、前輪車軸32Lに動力伝達可能に連結されており、サイドギヤ94Rは、前輪車軸32Rに動力伝達可能に連結されている。
また、前輪用差動歯車装置28は、図3に示すように、デフケース90とピニオン支持部材98との間の動力伝達経路を、すなわちデフケース90に動力伝達可能に連結されたフロントプロペラシャフト24とピニオン支持部材98に動力伝達可能に連結された後輪16L、16Rとの間の動力伝達経路を、選択的に切断または接続する噛合式クラッチ104を備えている。
噛合式クラッチ104には、図3に示すように、環状のピニオン支持部材98の後輪16R側の側面98aに形成された複数の出力側噛合歯98b(図4、図5参照)と、第3回転軸線C3方向に移動することにより出力側噛合歯98bとの噛み合いが可能な複数の入力側噛合歯106a(図4、図5参照)が形成された環状の可動スリーブ106と、可動スリーブ106を第3回転軸線C3方向に移動させて、可動スリーブ106を噛合位置と非噛合位置とに移動させるアクチュエータ(第1アクチュエータ)108と、が備えられている。なお、前記噛合位置は、図5に示すように、可動スリーブ106が第3回転軸線C3方向に移動して可動スリーブ106の入力側噛合歯106aがピニオン支持部材98の出力側噛合歯98bに噛み合う位置である。このため、前記噛合位置では、ピニオン支持部材98と可動スリーブ106すなわちデフケース90との相対回転が不能となり、噛合式クラッチ104が係合する。また、前記非噛合位置は、図4に示すように、可動スリーブ106が第3回転軸線C3方向に移動し、可動スリーブ106の入力側噛合歯106aがピニオン支持部材98の出力側噛合歯98bに噛み合わない位置である。このため、前記非噛合位置では、ピニオン支持部材98と可動スリーブ106すなわちデフケース90との相対回転が可能になり、噛合式クラッチ104が解放する。すなわち、噛合式クラッチ104は、アクチュエータ108によって可動スリーブ106の位置が切り替えられることによって、係合状態と解放状態とが切り替えられるようになっている。つまり、噛合式クラッチ104は、アクチュエータ108によって駆動するようになっている。
デフケース90は、図3に示すように、円筒状の円筒部90bと、第1壁部90cと、第2壁部90dと、を一体に備えている。なお、円筒部90bの内周には、ピニオン支持部材98が配置されている。また、第1壁部90cは、第3回転軸線C3方向において円筒部90bのサイドギヤ94R側の端部に形成された壁であり、第1壁部90cは、皿バネ110を介してサイドギヤ94Rに隣接している。また、第2壁部90dは、第3回転軸線C3方向において円筒部90bのサイドギヤ94L側の端部に形成された壁であり、第2壁部90dは、皿バネ110を介してサイドギヤ94Lに隣接している。
可動スリーブ106には、図3から図5に示すように、円環状の円環部106bと、複数の突出部106cと、が形成されている。なお、円環部106bは、デフケース90内においてピニオン支持部材98とデフケース90の第1壁部90cとの間に形成された円環状の部分である。また、複数の突出部106cは、円環部106bから、第1壁部90cに形成された複数の挿通穴90eに突き出された複数の突起である。また、第1壁部90cに形成された挿通穴90eは、第3回転軸線C3に平行な方向に貫通した穴であり、可動スリーブ106の突出部106cの先端部は、挿通穴90eから突き出されている。
可動スリーブ106は、例えばデフケース90が第3回転軸線C3まわりに回転すると、デフケース90の第1壁部90cに形成された挿通穴90eの内周面に可動スリーブ106の突出部106cが当接して、デフケース90と一体的に回転する。また、可動スリーブ106は、可動スリーブ106の突出部106cが第1壁部90cに形成された挿通穴90eの内周面に摺接することによって、デフケース90に対して第3回転軸線C3方向に移動可能にデフケース90に支持されている。
アクチュエータ108は、可動スリーブ106に所定の大きさの推力F(図3から図5参照)を発生させて、可動スリーブ106を前記噛合位置と前記非噛合位置とに選択的に移動させる装置である。アクチュエータ108には、図3に示すように、円筒状の磁性体プランジャー112と、電磁コイル114と、皿バネ116と、が備えられている。なお、磁性体プランジャー112は、例えば前輪用差動歯車装置28等を収容するケース(図示しない)に固定されたフレーム118に第3回転軸線C3方向に移動可能に設けられた円筒状の部材である。また、電磁コイル114は、電子制御装置100から電磁コイル114に第1駆動電流I1(図1参照)が供給されると、磁性体プランジャー112に推力Fを発生させる。なお、磁性体プランジャー112に発生する推力Fは、磁性体プランジャー112を第3回転軸線C3方向においてピニオン支持部材98に接近する側に押す力である。また、皿バネ116は、可動スリーブ106が前記非噛合位置に戻るように可動スリーブ106を常時付勢するリターンスプリングである。なお、磁性体プランジャー112には、摺動メタル120が円筒状の非磁性体プランジャー122を介して備えられている。
アクチュエータ108では、電子制御装置100から電磁コイル114に第1駆動電流I1が供給され電磁コイル114によって磁性体プランジャー112に推力Fが付与されると、摺動メタル120を介して可動スリーブ106が皿バネ116の付勢力に抗して前記噛合位置へ移動させられる。また、電子制御装置100から電磁コイル114に第1駆動電流I1が供給されなくなり電磁コイル114から磁性体プランジャー112に推力Fが付与されなくなると、可動スリーブ106が皿バネ116の付勢力(弾性復帰力)によって前記非噛合位置へ移動させられる。
四輪駆動車両10では、例えば、前輪駆動用クラッチ46と噛合式クラッチ104とがそれぞれ係合されている四輪駆動状態において、電子制御装置100で二輪駆動走行モードが選択されると、電動モータ72によってピストン70が前輪駆動用クラッチ46の摩擦係合要素68から離間させられる位置に移動させられて、前輪駆動用クラッチ46が解放する。そして、アクチュエータ108によって可動スリーブ106が前記噛合位置から前記非噛合位置に移動させられて、噛合式クラッチ104が解放する。すなわち、電子制御装置100で二輪駆動走行モードが選択されると、前輪駆動用クラッチ46と噛合式クラッチ104とがそれぞれ解放されて、エンジン12から左右の後輪16L、16Rへ駆動力を伝達する二輪駆動状態となる。なお、前記二輪駆動状態では、例えばフロントプロペラシャフト24等が、エンジン12と左右の後輪16L、16Rとから切り離される。
また、四輪駆動車両10では、例えば、前輪駆動用クラッチ46と噛合式クラッチ104とがそれぞれ解放されている二輪駆動状態において、電子制御装置100で四輪駆動走行モードが選択されると、電動モータ72によってピストン70が前輪駆動用クラッチ46の摩擦係合要素68を押圧する位置に移動させられて、前輪駆動用クラッチ46が係合する。そして、アクチュエータ108によって可動スリーブ106が前記非噛合位置から前記噛合位置に移動させられて、噛合式クラッチ104が係合する。すなわち、電子制御装置100で四輪駆動走行モードが選択されると、前輪駆動用クラッチ46と噛合式クラッチ104とがそれぞれ係合されて、エンジン12から左右の前輪14L、14Rへも駆動力を伝達する四輪駆動状態となる。
図1に示すように、電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより四輪駆動車両10の各種制御を実行する。電子制御装置100は、四輪駆動車両10に設けられた各センサにより検出された各種入力信号が供給されるようになっている。例えば、4WD走行モード選択スイッチ130から検出される四輪駆動走行モードが選択されたか否かを表すON、OFF信号と、回転速度センサ132から検出されるフロントプロペラシャフト24の回転速度Np(rpm)を表す信号と、第1車輪速センサ134により検出される前輪14L、14Rの回転速度Vwfl、Vwfr(rpm)を表す信号と、第2車輪速センサ136により検出される後輪16L、16Rの回転速度Vwrl、Vwrr(rpm)を表す信号と、が電子制御装置100に入力される。
また、電子制御装置100から、四輪駆動車両10に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、噛合式クラッチ104を係合させるためにアクチュエータ108の電磁コイル114に供給される第1駆動電流I1(A)と、前輪駆動用クラッチ46を係合させるために電動モータ72に供給される第2駆動電流I2(A)と、が電子制御装置100から各部へ供給される。
図1に示すように、電子制御装置100には、モード切替判定部140と、電動モータ制御部142と、アクチュエータ制御部144と、状態判定部146と、切替ショック発生判定部148と、が備えられている。モード切替判定部140は、前記四輪駆動走行モードから前記二輪駆動走行モードに切り替えられたか否かを判定する。例えば、モード切替判定部140は、運転者によって操作された4WD走行モード選択スイッチ130が運転者によって解除されると、前記四輪駆動走行モードから前記二輪駆動走行モードに切り替えられたと判定する。
電動モータ制御部142は、モード切替判定部140で前記四輪駆動走行モードから前記二輪駆動走行モードに切り替えられたと判定されると、ピストン70が前輪駆動用クラッチ46の摩擦係合要素68から離間させられる位置(解放位置)に移動するように電動モータ72に第2駆動電流I2(A)を供給し、その後ピストン70が前記解放位置へ移動すると、電動モータ72に供給している第2駆動電流I2(A)の供給を停止する。すなわち、電動モータ制御部142は、モード切替判定部140で前記四輪駆動走行モードから前記二輪駆動走行モードに切り替えられたと判定されると、電動モータ72に前輪駆動用クラッチ46を解放状態にする指令を与える。
アクチュエータ制御部144は、モード切替判定部140で前記四輪駆動走行モードから前記二輪駆動走行モードに切り替えられたと判定され、且つ、第2駆動電流I2(A)の供給が停止してから予め設定された所定時間tc1(sec)(図7参照)が経過すると、可動スリーブ106が前記噛合位置から前記非噛合位置に移動するようにアクチュエータ108の電磁コイル114に供給されている第1駆動電流I1(A)の供給を停止する。すなわち、アクチュエータ制御部144は、モード切替判定部140で前記四輪駆動走行モードから前記二輪駆動走行モードに切り替えられたと判定され、且つ、電動モータ制御部142において第2駆動電流I2(A)の供給が停止してから所定時間tc1(sec)が経過したと判定されると、アクチュエータ108の電磁コイル114に噛合式クラッチ104を解放状態にする指令を与える。
状態判定部146は、電動モータ制御部142で第2駆動電流I2(A)の供給が停止され、且つ、アクチュエータ制御部144で第1駆動電流I1(A)の供給が停止され、且つ、第1駆動電流I1(A)の供給が停止してから予め設定された所定時間tc2(sec)(図7参照)が経過すると、フロントプロペラシャフト24の回転が停止しているか否かを判定する。つまり、状態判定部146は、電動モータ制御部142およびアクチュエータ制御部144において電動モータ72とアクチュエータ108の電磁コイル114とに噛合式クラッチ104および前輪駆動用クラッチ46をそれぞれ解放状態にする指令を与えているとき、すなわち電動モータ制御部142およびアクチュエータ制御部144において電動モータ72とアクチュエータ108の電磁コイル114とに第1駆動電流I1(A)および第2駆動電流I2(A)の供給をそれぞれ停止しているときに、フロントプロペラシャフト24の回転が停止しているか否かを判定する。例えば、状態判定部146は、フロントプロペラシャフト24の回転速度Np(rpm)が予め設定された所定回転速度Npc(rpm)より低いと判定されると、フロントプロペラシャフト24の回転が停止したと判定する。なお、所定回転速度Npcは、フロントプロペラシャフト24の回転が停止したか否かを判定するフロントプロペラシャフト24の回転速度Npの判定値である。
切替ショック発生判定部148は、状態判定部146でフロントプロペラシャフト24の回転が停止していないと判定されると、すなわち、状態判定部146でフロントプロペラシャフト24の回転速度Np(rpm)が所定回転速度Npc(rpm)以上であると判定されると、一時的に噛合式クラッチ104を解放状態から係合状態に切り替えたときに運転者が感じる程度の切替ショックが発生しないか否かを判定する。例えば、切替ショック発生判定部148は、平均前輪回転速度Nwfav(rpm)から前輪用差動歯車装置28のリングギヤ102の回転速度Nr(rpm)を引いた差回転速度(Nwfav−Nr)の絶対値(|Nwfav−Nr|)が所定回転速度差Nsa例えば50rpmより小さいと、前記切替ショックが発生しないと判定する。なお、平均前輪回転速度Nwfav(rpm)は、状態判定部146でフロントプロペラシャフト24の回転が停止していないと判定されたときに第1車輪速センサ134から検出される前輪14Lの回転速度Vwfl(rpm)と前輪14Rの回転速度Vwfr(rpm)とから算出される前輪14L、14Rの平均回転速度((Vwfl+Vwfr)÷2)である。また、リングギヤ102の回転速度Nr(rpm)は、状態判定部146でフロントプロペラシャフト24が停止していないと判定されたときに回転速度センサ132から検出されるフロントプロペラシャフト24の回転速度Np(rpm)と、フロントプロペラシャフト24の前輪14L、14R側の端部に形成されたピニオン24a(図1参照)とリングギヤ102とのギヤ比と、から算出することができる。なお、所定回転速度差Nsaは、一時的に噛合式クラッチ104を解放状態から係合状態に切り替えたときに運転者に切替ショックを感じさせない程度の平均前輪回転速度Nwfav(rpm)とリングギヤ102の回転速度Nrとの回転速度差である。
アクチュエータ制御部144は、状態判定部146でフロントプロペラシャフト24の回転速度Np(rpm)が所定回転速度Npc(rpm)以上であると判定され、且つ、切替ショック発生判定部148で一時的に噛合式クラッチ104を解放状態から係合状態に切り替えたときに運転者に分かる程度の切替ショックが発生しないと判定されると、アクチュエータ108の電磁コイル114に、噛合式クラッチ104で可動スリーブ106の入力側噛合歯106aとピニオン支持部材98の出力側噛合歯98bとを一時的に噛み合わせる指令を与える。例えば、アクチュエータ制御部144は、アクチュエータ108の電磁コイル114に、第1駆動電流I1(A)を予め設定された所定時間tc3(sec)(図7参照)の間だけ供給する。第1駆動電流I1(A)が所定時間tc3(sec)の間だけ供給されることによって、可動スリーブ106が前記非噛合位置から前記噛合位置に一時的に移動し、噛合式クラッチ104において可動スリーブ106の入力側噛合歯106aとピニオン支持部材98の出力側噛合歯98bとが一時的に噛み合わされる。
図6は、電子制御装置100において、前記四輪駆動走行モードから前記二輪駆動走行モードに切り替えられ、前輪駆動用クラッチ46と噛合式クラッチ104とがそれぞれ解放されたときにおける制御作動の一例を説明するフローチャートである。なお、図7は、図6のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。また、図6のフローチャートでは、前輪駆動用クラッチ46と噛合式クラッチ104とがそれぞれ解放されて所定時間tc2(sec)が経過した時点、すなわち図7のタイムチャートにおいてt1時点をスタートとしている。
先ず、状態判定部146の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、フロントプロペラシャフト24の回転が停止しているか否かが判定される。S1の判定が肯定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、S1の判定が否定される場合、すなわちフロントプロペラシャフト24の回転速度Np(rpm)が所定回転速度Npc(rpm)以上である場合には、切替ショック発生判定部148の機能に対応するS2が実行される。
S2では、一時的に噛合式クラッチ104を解放状態から係合状態に切り替えたときに運転者に分かる程度の切替ショックが発生しないか否かが判定される。S2の判定が否定される場合には、再度S1が実行されるが、S2の判定が肯定される場合、すなわち差回転速度(Nwfav−Nr)の絶対値(|Nwfav−Nr|)が50rpmより小さいと判定される場合(t1時点)には、アクチュエータ制御部144の機能に対応するS3が実行される。
S3では、アクチュエータ108の電磁コイル114に第1駆動電流I1(A)が供給される。次に、アクチュエータ制御部144の機能に対応するS4において、S3で所定時間tc3(sec)の間第1駆動電流I1(A)が供給されるとその第1駆動電流I1(A)の供給が停止(t2時点)させられる。
例えば、従来の電子制御装置では、噛合式クラッチ104と前輪駆動用クラッチ46とをそれぞれ解放させてフロントプロペラシャフト24の回転が停止しない場合でも噛合式クラッチ104を解放させたままであるが、本実施例の電子制御装置100では、フロントプロペラシャフト24の回転が停止しないと、一時的にアクチュエータ108の電磁コイル114に第1駆動電流I1(A)を供給して噛合式クラッチ104で入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとを一時的に噛み合わせる。これによって、フロントプロペラシャフト24に、フロントプロペラシャフト24の回転を継続させてしまう原因となる前輪駆動用クラッチ46での引摺トルクより大きい強制力が、左右一対の前輪14L、14Rからフロントプロペラシャフト24に一時的に伝達させられる。このため、図7に示すように二輪駆動状態において噛合式クラッチ104を一時的に係合させて解放させた後すなわちt2時点後にフロントプロペラシャフト24の回転が停止する。なお、従来の電子制御装置においても、図8のta1時点に示すように、例えばスロットルを全開にして加速してフロントプロペラシャフト24に外力が加わるとフロントプロペラシャフト24の回転が停止する。
上述のように、本実施例の四輪駆動車両10の電子制御装置100によれば、状態判定部146によってフロントプロペラシャフト24の回転速度Np(rpm)が所定回転速度Npc(rpm)以上であると判定されたときに、アクチュエータ制御部144によって、アクチュエータ108に噛合式クラッチ104の入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとを一時的に噛み合わせる指令が与えられる。これにより、噛合式クラッチ104の入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとが一時的に噛み合わされて、フロントプロペラシャフト24に、フロントプロペラシャフト24の回転を継続させてしまう原因となる前輪駆動用クラッチ46での引摺トルクより大きい強制力が、左右一対の前輪14L、14Rからフロントプロペラシャフト24に一時的に伝達させられる。これによって、二輪駆動状態において好適にフロントプロペラシャフト24の回転を停止させることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例1において、アクチュエータ制御部144では、噛合式クラッチ104と前輪駆動用クラッチ46とをそれぞれ解放させてもフロントプロペラシャフト24の回転が停止しないと、一時的に噛合式クラッチ104で入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとを噛み合わせたが、必ずしも噛合式クラッチ104で入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとを噛み合わせる必要はない。すなわち、フロントプロペラシャフト24の回転が停止しないときに、フロントプロペラシャフト24に、フロントプロペラシャフト24の回転を継続させてしまう原因となる前輪駆動用クラッチ46での引摺トルクより大きい強制力が、左右一対の前輪14L、14Rからフロントプロペラシャフト24に一時的に伝達させられるのであれば、噛合式クラッチ104で入力側噛合歯106aと出力側噛合歯98bとを接触(当接)させるだけでも良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:四輪駆動車両
12:エンジン(駆動力源)
14L、14R:前輪(副駆動輪)
16L、16R:後輪(主駆動輪)
24:フロントプロペラシャフト(動力伝達部材)
46:前輪駆動用クラッチ(湿式多板クラッチ)
72:電動モータ(第2アクチュエータ)
98b:出力側噛合歯
100:電子制御装置(制御装置)
104:噛合式クラッチ
106a:入力側噛合歯
108:アクチュエータ(第1アクチュエータ)
140:モード切替判定部
142:電動モータ制御部
144:アクチュエータ制御部
146:状態判定部
Np:回転速度
Npc:所定回転速度

Claims (1)

  1. 駆動力源と動力伝達部材との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する湿式多板クラッチと、前記動力伝達部材と左右の副駆動輪との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する噛合式クラッチと、を備え、
    前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとをそれぞれ解放させることにより前記駆動力源から左右の主駆動輪へ駆動力を伝達する二輪駆動状態と、前記噛合式クラッチと前記湿式多板クラッチとをそれぞれ係合させることにより前記駆動力源から前記左右の副駆動輪へも駆動力を伝達する四輪駆動状態と、が選択される四輪駆動車両の、制御装置であって、
    前記噛合式クラッチを駆動する第1アクチュエータに前記噛合式クラッチを解放状態にする指令を、前記湿式多板クラッチを駆動する第2アクチュエータに前記湿式多板クラッチを解放状態にする指令を、それぞれ与えているときに、前記動力伝達部材の回転速度が予め設定された所定回転速度以上であるか否かを判定する状態判定部と、
    前記状態判定部によって前記動力伝達部材の回転速度が前記所定回転速度以上であると判定されたときに、前記第1アクチュエータに前記噛合式クラッチの入力側噛合歯と出力側噛合歯とを一時的に接触させる指令を与えるアクチュエータ制御部と、
    を備えていることを特徴とする四輪駆動車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024106036A1 (ja) * 2022-11-15 2024-05-23 株式会社小松製作所 作業機械、作業機械のコントローラ、および作業機械の制御方法

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