JP2020130090A - 培地排出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプを使用することなく、コンパクトな構成で、細胞培養バッグから培地を排出することができる、培地排出速度の設定が可能な培地排出装置を提供する。【解決手段】ポート3付きの細胞培養バッグ1に充填された培地Sをポート3から排出する培地排出装置であって、細胞培養バッグ1を載置する載置台5と、載置台5に載置された細胞培養バッグ1を上方から押圧するように構成された押圧部材6と、載置台5に載置された細胞培養バッグ1のポート3から排出される培地の排出速度を設定する排出速度設定手段7とを備え、排出速度設定手段7は、載置台5に載置された細胞培養バッグ1のポート3に一端70aが接続され、かつ他端70bがポート3よりも低い位置で大気中に開口するように構成された管状部材70を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、培地排出装置に係り、より詳細には、ポンプを使用することなく細胞培養バッグのポートから培地を排出する培地排出装置に関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法などの分野において、細胞(組織、微生物、ウイルスなどを含む)を人工的な環境下で効率良く大量に培養・分化誘導することが求められている。
そのような細胞培養においては、コンタミネーションのリスクを回避するため、閉鎖系の細胞培養バッグが使用されることがある。細胞培養バッグは、例えば、周辺部をシールしたプラスチックフィルムで構成されたバッグ本体と、バッグ本体に取り付けられたポートとから構成されている。
細胞の培養には、通常、数日から数週間の期間を要する。細胞培養バッグを使用した細胞培養においては、その期間中、閉鎖系を維持したまま、必要に応じて培地交換が行われる。培地交換では、ポートに接続された液送チューブを介して、細胞培養バッグ内に細胞を残したまま、細胞培養バッグ内の古い培地がポートから排出され、次いで、ポートから細胞培養バッグ内へ新しい培地が注入される。
細胞培養バッグの培地を容易に交換することができる細胞培養装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の細胞培養装置では、細胞培養バッグ内の培地をペリスタポンプ等の送液ポンプを使用して排出口から吸引している。
特開2017−23131号公報
細胞培養バッグを使用した細胞培養においては、細胞の増殖・分化誘導の効率低下を回避するため、細胞濃度を適正な範囲に維持することが必要である。このため、図5(a)に示すような、下面フィルム(底面)22に複数の凹部(ウエル)4を形成した細胞培養バッグ1を使用した細胞培養においては、各凹部4で適切な大きさのスフェロイド(細胞凝集塊)Cが形成されるよう、1凹部につき1スフェロイドを維持して細胞が培養されている。
なお、図5においては、ポート3に接続されたチューブ等の流路、及び、流路を閉塞するピンチ又はバルブ等の閉塞手段の図示を省略している。
このようにして培養されたスフェロイドCを細胞培養バッグ1ごと輸送する際には、スフェロイドCの凹部4間の移動を抑制する必要がある。そのためには、図5(b)に示すように、培地Sを細胞培養バッグ1のポート3から排出し、上面フィルム21を下降させて各凹部4を閉塞状態にすることが望ましい。これにより、各凹部4に一つずつ形成されたスフェロイドCを他の凹部4のスフェロイドCから分離したまま、各凹部4のスフェロイドCを一度に輸送することができる。
ところが、図5(b)に示したように、培地Sを排出して各凹部4を閉塞した状態では、各凹部4内の培地Sの残存量に対するスフェロイドCの濃度が高くなる。このため、この閉塞状態で細胞培養バッグ1を長時輸送すると、細胞がダメージを受けてしまう。
そこで、スフェロイドCが受けるダメージを低減又は回避するためには、細胞培養バッグ1が閉塞状態となっている時間が短いことが望ましく、例えば、2時間以内であることが望ましい。
そのためには、閉塞状態での細胞培養バッグ1の輸送時間を短縮するだけでなく、細胞培養バッグ1を閉塞状態にするために培地Sを排出する時間も短縮することが望まれる。
しかし、培地Sの排出速度を極端に大きくすると、凹部4からスフェロイドCが流出してしまうことがある。一方、培地Sの排出速度を極端に小さくすると、凹部4からのスフェロイドCの流出は防止できるものの、今度は培地排出に長時間を要することになる。
そこで、通常、細胞培養バッグ1の培地排出には、送液速度及び送液量を高精度でコントロールするために、ペリスタポンプのようなポンプが使用されている。そして、各凹部4を閉塞状態にするために、例えば、容積10mLの1つの細胞培養バッグから9mLの培地をポンプで排出する場合、凹部4内の細胞スフェロイドCが培地Sと共に流出しないように排出流量を毎分0.225mlに抑えると、培地排出の所要時間は40分となる。
さらに、臨床用途においては、細胞培養バッグの数枚分の細胞が一度に必要となる場合が多い。その場合、複数の細胞培養バッグの培地排出の合計所要時間を短くするためには、複数の培養バッグの培地排出を順次に行うのではなく、同時に並行して行うことが必要となる。
具体的には、上記の条件で、例えば4つの細胞培養バッグの培地排出を1つずつ順次に行った場合には、排出所要時間が、40分×4=160分(2時間40分)となり、排出所要時間だけで2時間を大きく超えてしまう。これに対して、4つの培養バッグの培地排出を同時に並行して行えば、排出所要時間を40分に短縮することができる。
ところで、臨床用途の細胞の調製にあたっては、汚染リスクを低減するため、細胞培養バッグから培地を排出する操作をアイソレータ等の無菌空間内で行うことが要請される。
しかし、作業者は、アイソレータの厚地のグローブを装着しているため、アイソレータ内で、細胞培養バッグに接続されたチューブをペリスタポンプヘッドに取付けたり、取り外したりする煩雑な操作を行うことは困難であり、かかる煩雑な操作を無理に行おうとすると操作ミスが発生するおそれがある。
そのうえ、ペリスタポンプに細胞培養バッグのポートに接続されたチューブを取り付けるためには、ペリスタポンプのポンプヘッドを大きくせざるを得ない。このため、ポンプヘッドを含むペリスタポンプが、かなりの面積を占有してしまう。
一方、アイソレータ内部の空間は限られているため、狭いアイソレータ内にペリスタポンプを幾台も設置することは物理的に困難である。このため、培地排出時間の短縮のために、アイソレータ内で幾台ものペリスタポンプを使用して複数の細胞培養バッグの培地排出を同時に並行して行うことは困難であった。
また、細胞培養バッグの各凹部を密閉状態とするために、ポンプを使用して培地を吸引して排出する場合、ポンプによる排出停止のタイミングが遅れると、細胞培養バッグ内が過度に陰圧となってしまう。細胞培養バッグは、培養中に酸素や二酸化炭素などのガス交換を可能にするようガス透過性を有するプラスチックフィルムで形成されているため、時間の経過とともに、陰圧となっている細胞培養バッグの内部にプラスチックフィルムを介して空気が流入し、気泡が生じてしまう。
そのうえ、細胞培養バッグ内に充填されている培地の液量にばらつきがあるため、ポンプで吸引して培地を排出する際に、ポンプ停止のタイミングを正確に決めることも困難であった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトな構成で、ポンプを使用することなく細胞培養バッグから培地を排出することができ、培地排の出速度を設定可能な培地排出装置を提供することを目的としている。
本発明に係る培地排出装置は、ポート付きの細胞培養バッグに充填された培地を前記ポートから排出する培地排出装置であって、前記細胞培養バッグを載置する載置台と、前記載置台に載置された前記細胞培養バッグを上方から押圧するように構成された押圧部材と、前記載置台に載置された前記細胞培養バッグの前記ポートから排出される培地の排出速度を設定する排出速度設定手段とを備えたことを特徴としている。
本発明の培地排出装置によれば、ポンプで培地を吸引することなく、押圧部材による押圧力によって、細胞培養バッグから培地が排出される。
さらに、細胞培養バッグの上面フィルムが下面フィルムまで下降した時点で、排出が実質的に自動的に停止するため、細胞培養バッグ内が過度に陰圧となることが回避される。
また、本発明の培地排出装置は、ポンプを使用しないため、ポンプの占有面積が不要であり、コンパクトな構成とすることができる。これにより、例えば、アイソレータ内に複数の培地排出装置を設置して、複数の培養バッグの培地排出を同時に並行して行うことが可能となる。その結果、複数の細胞培養バッグの培地排出の合計所要時間の短縮化を図ることができる。
さらに、本発明の培地排出装置では、ポンプを使用しないため、例えば、アイソレータ内でグローブを装着して、細胞培養バッグに接続されたチューブをポンプヘッドに取り付ける煩雑な操作を行う必要がない。これにより、操作ミスの発生防止を図ることができる。
また、本発明の培地排出装置では、排出速度設定手段により、前記載置台に載置された前記細胞培養バッグの前記ポートから排出される培地の排出速度が設定される。これにより、例えば、細胞培養バッグからの細胞の排出を防止しつつ、培地排出時間の短縮を図ることができる。
排出速度設定手段としては、細胞培養バッグのポートに接続された流路の断面積を変化させる手段、例えば、可変バルブや絞り機構を流路に設けることも考えられるが、好ましくは、排出速度設定手段として、載置台に載置された細胞培養バッグのポートに一端が接続され、かつ他端が前記ポートよりも低い位置で大気中に開口するように構成された管状部材を備えるとよい。管状部材としては、例えば、フレキシブルなチューブや、ノズルを挙げることができる。
管状部材の流路の長さ及び太さを設定することよって、培地の排出速度を設定することができる。
さらに、管状部材の開口とポートとの高低差(落差)によっても培地の排出速度を設定することができる。そのために、より好ましくは、排出速度設定手段は、細胞培養バッグのポートと管状部材の他端との高低差を設定する高低差設定手段を更に備えるとよい。
高低差(落差)を大きくすることによって、培地の排出速度を大きくすることができ、高低差(落差)を小さくすることによって、培地の排出速度を小さくすることができる。
本発明の培地排出装置によれば、コンパクトな構成で、ポンプを使用することなく細胞培養バッグから培地を排出することができ、培地の排出速度を設定することができる。
本発明の実施形態で使用する細胞培養バッグの概略を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。 本発明の第1実施形態に係る細胞培養装置の模式図ある。 培地排出時の細胞培養バッグ内の残液量の時間変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る細胞培養装置の模式図ある。 (a)は、培地を充填した細胞培養バッグの断面模式図であり、(b)は、培地を排出して各凹部を閉塞した細胞培養バッグの断面模式図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
(細胞培養バッグ)
まず、実施形態に係る細胞培養装置の説明に先立って、図1を参照して、本実施形態で使用する細胞培養バッグを簡単に説明する。図1(a)〜図1(c)に示す細胞培養バッグ1は、重ね合わせて周辺部20をヒートシールした上面フィルム21及び下面フィルム22から構成されたバッグ本体2と、このバッグ本体2に取り付けられたポート3とを備えている。上面フィルム21及び下面フィルム22は、ガス透過性を有するプラスチックフィルムで形成されている。
下面フィルム22には、図1(b)及び図1(c)に示すように、各々が細胞培養部となる、バッグ本体2の外側へ突出した複数の凹部4が形成されている。
凹部4の寸法は、特に限定されないが、バッグ本体2内における細胞の移動を抑止して、培養中の細胞が一つの凹部4に留まるようにするために、開口径(直径)Dが0.1〜10mm、深さdが0.1mm以上であるのが好ましい。
また、凹部4の形状は、特に限定されないが、凹部4の底部に細胞が集まり易くするため、図1(b)に示すように、球冠状とするのが好ましい。
また、凹部4の配列は、特に限定されないが、下面フィルム22に占める凹部4の占有面積ができるだけ大きくなるように、図1(c)に示すように、千鳥状とするのが好ましく、必要に応じて格子状に配列してもよい。
上面フィルム21は、図1(b)に示すように、複数の凹部4全体の上方を覆う実質的に平坦な天面部分21aと、天面部分21aの周囲に形成された立ち上がり部分21bとから構成された台地状に膨出した膨出形状を有する。これにより、二枚のプラスチックフィルムを重ねて周辺部をシールしただけの平パウチ状の容器と比較して、バッグ本体2を培地で満たしても、下面フィルム22の周辺部が持ち上がる変形が抑制される。
(培地排出装置)
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係る培地排出装置を説明する。同図は、本実施形態に係る培地排出装置の模式図である。
本実施形態の培地排出装置100は、ポート3付きの細胞培養バッグ1に充填された培地Sをポート3から排出する培地排出装置であって、細胞培養バッグ1を載置する載置台5と、載置台5に載置された細胞培養バッグ1を上方から押圧するように構成された押圧部材6と、載置台5に載置された細胞培養バッグ1のポート3から排出される培地の排出速度を設定する排出速度設定手段7とを備えている。
載置台5は、細胞培養バッグ1が水平に載置される載置面5aを有する。
載置面5aには、細胞培養バッグ1の下面フィルム22に形成された複数の凹部4の各々を受け入れる形状として、開口部5bが形成されている。これにより、載置面5aが凹部4に接触することなく、載置面5aによって下面フィルム22が支持される。その結果、凹部4の潰れ及び変形が回避されて、凹部4内の細胞の流出が防止され、さらに、下面フィルム22からのガス透過性も高まる。
なお、載置面5aにおける複数の凹部4の各々を受け入れる形状は、開口部に限定されず、例えば、凹部であってもよいし、金網状であってもよい。
また、載置面5aは、平坦面であってもよい。細胞培養バッグ1の下面フィルム22に形成された凹部4が小さくなるほど、小さい凹部4の寸法に合わせた開口部を載置面5aに形成することが困難となる一方、下面フィルム22の肉厚が同じであれば凹部4の剛性が高まる。このため、凹部4が小さい場合には、細胞培養バッグ1が押圧されても凹部4が潰れないため、透明な板状の載置台5の上面をそのまま載置面5aとしてもよい。
押圧部材6は、細胞培養バッグ1の上面フィルム21のうち天面部分21aに合わせた略長方形の平面形状を有する厚さ10mmの板状部材であり、載置台5の載置面5aと実質的に平行で平坦な底面6aを有する。
押圧部材6は、例えば、ポリカーボネートのような合成樹脂で形成してもよいし、ガラスで形成してもよい。また、押圧部材6は、細胞培養の進行状況や細胞の状態などを確認できるように、一部又は全部が透明性を有しているのが好ましい。
また、押圧部材6は、底面6aで、細胞培養バッグ1の上面フィルム21のうち天面部分21a分を押圧するように支持機構60によって支持されている。
支持機構60は、載置台5上に設けたフレーム61と、押圧部材6の上面の四隅から上方に延びてフレーム61の蓋部61aを上下動可能に貫通しているガイドピン62と、フレーム61の蓋部61aに対して押圧部材6を下方へ付勢する付勢手段63とから構成されている。
付勢手段63は、押圧部材6の上面とフレーム61の蓋部61aとに互いに同極側を対向させて配置した永久磁石63で構成されている。永久磁石63同士の間に働く斥力により、押圧部材6は、上面フィルム21を上方から押圧したまま、上面フィルム21の高さに従って上下に移動する。
支持機構60はまた、押圧部材6より細胞培養バッグ1に加えられる押圧力を調整する押圧力調整手段を兼ねている。すなわち、支持機構60のフレーム61の蓋部61aと押圧部材6との距離を調整することによって、付勢手段63よる押圧部材6の押圧力を設定することができる。押圧部材6の押圧力によって、培地の排出速度を設定することができる。
なお、永久磁石63どうしの間に働く斥力が永久磁石63間の距離の二乗に反比例するため、永久磁石63による押圧力は、押圧部材6が下降する従って低下する。
また、付勢手段63は、永久磁石に限定されない。また、付勢手段63を省略し、押圧部材6の自重により、押圧部材6を上面フィルム21の高さに従って上下に移動させてもよい。
本実施形態では、排出速度設定手段7は、載置台5に載置された細胞培養バッグ1のポート3に一端70aが接続され、かつ他端70bがポート3よりも低い位置で大気中に開口するように構成された管状部材70と、細胞培養バッグ1のポート3と管状部材70の他端70bとの高低差(落差)を設定する高低差設定手段(71,72)とから構成されている。
管状部材70としては、例えば、フレキシブルなチューブや、ノズルを挙げることができる。
また、管状部材70には、クリップのような閉塞手段7aが取り付けられている。
培地の排出速度は、管状部材の配管抵抗によっても設定することができる。具体的には、管状部材70の流路の長さ及び太さを設定することよって、配管抵抗が設定される。例えば、管状部材70の流路の太さを太くすることによって、排出速度を大きくすることができ、反対に、管状部材70の流路の太さを細くすることによって、排出速度を小さくすることができる。また、管状部材70の流路の長さを長くすることによって、排出速度を小さくすることができ、反対に、管状部材70の流路の長さを短くすることによって、排出速度を大きくすることができる。
高低差設定手段71,72は、管状部材70を支持し、管状部材70の他端70bの高さを調節可能な支持部材71と、載置台5を支持し、載置台5の高さを調節可能な昇降装置72とから構成されている。
図2に示すように、支持部材71は、ベース71aと、ベース71aに立設した支柱71bと、支柱71bに昇降可能に取り付けられた腕部材71cと、腕部材71cを支柱71bに沿って昇降させるアクチュエータ(例えば、ステッピングモータ)71dとから構成されている。腕部材71cは、その先端部で管状部材70の他端71b付近を保持している。
また、図2に示すように、昇降装置72は、ベース72aと、載置台5が載置されたトップ72bと、ベース72aとトップ72bとの間で交差したアーム72cと、アーム72cの交差角度を変えるアクチュエータ(例えば、ステッピングモータ)72dとから構成されている。
なお、高低差設定手段として、支持部材71及び昇降装置72の一方のみを高さ調整可能としてもよい。また、支持部材71及び昇降装置72の構成は、上述したものに限定されない。また、支持部材71及び昇降装置72は、アクチュエータを省略して手動で高さを調節できるように構成されてもよい。
このように、支持部材71及び昇降装置72とから構成された高低差設定手段を設けたことにより、管状物材の他端70bの開口とポート3との高低差(落差)ΔHによって培地Sの排出速度を設定することができる。
例えば、支持部材71によって管状部材71の他端71bの高さH2を低くし、及び/又は、昇降装置72によって細胞培養バッグ1のポート3の高さH1を高くすることによって、高低差(落差)ΔHを大きくし、培地Sの排出速度を大きくすることができる。反対に、支持部材71によって管状部材71の他端71bの高さH2を高くし、及び/又は、昇降装置72によって細胞培養バッグ1のポート3の高さH1を低くすることによって、高低差(落差)ΔHを小さくし、培地Sの排出速度を小さくすることができる。
ここで、図3のグラフに、培地排出時の細胞培養バッグ1内の培地Sの残液量の時間変化を示す。グラフ中、高低差(落差)ΔH=100mmとした場合の時間変化を、測定ドット列Iで示し、高低差(落差)ΔH=50mmとした場合の時間変化を、測定ドット列曲線IIで示す。
図3中の測定ドット列Iと測定ドット列IIとの比較から分かるように、高低差(落差)ΔH=100mmとした場合に、高低差(落差)ΔH=50mmとした場合よりも急激に、培地が排出されている。このように、高低差を大きくした方が、排出速度を大きくすることができる
したがって、培地の排出速度は、高低差設定手段71,72に高低差(落差)を調節することによっても設定することができる。また、管状部材70を長さや太さの異なるものと交換することなく、高低差設定手段71,72だけで排出速度を調整することもできる。
なお、押圧力調整手段を兼ねている支持機構60の永久磁石63による押圧力が、押圧部材6が下降するに従って低下するため、曲線I及び曲線IIのいずれの場合も、残液量が少なくなるにつれて、排出速度が低下している。
ところで、ポート3を通過する培地Sの流速が極端に大きいと、培地Sと一緒に細胞Cが凹部4から流出してしまうことがある。一方、ポート3を通過する培地Sの流速を極端に小さくすると、細胞Cの凹部4からの流出は防止できるものの、培地排出に長時間を要することになる。このため、培地の排出にあたっては、細胞Cの流出を回避しつつ、排出時間をできるだけ短くできるように排出速度を設定する必要がある。
そこで、本実施形態の培地排出装置では、押圧部材6による押圧力、管状部材70の配管抵抗、及び高低差設定手段71,72による高低差(落差)ΔHを組み合わせることにより、ポンプを使用することなく、コンパクトな構成で、培地の排出速度を所望の大きさに設定することができることができる。
そして、培地の排出に従って押圧部材6が下降し、最終的には、図5(b)に示したように、上面フィルム21の天面部分21aが複数の凹部4の各々を閉塞する。これにより、各凹部4内にそれぞれ細胞Cが閉じ込められる。本実施形態では、押圧部材6による押圧力、管状部材70の配管抵抗、及び高低差設定手段71,72による高低差(落差)ΔHのバランスにより、細胞培養バッグ1内が過度な陰圧となることなく、閉塞状態で培地の排出が停止する。
[第2実施形態]
以下、図4を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。同図は、本実施形態に係る培地排出装置の模式図である。
なお、図4では、図1に示した支持機構60、及び支持部材71のベース71a及び支柱71bの図示を省略している。また、本実施形態では、第1実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の培地排出装置100aは、図1に示した第1実施形態の培地排出装置100に加えて、排出量計測手段9a,9b,9cと制御部10とを備えている。
排出量計測手段9a,9b,9cは、細胞培養バッグ1のポート3からの培地Sの排出量を計測するものであり、図4には、排出量計測手段として、重量センサ9a、液滴センサ9b及び液面センサ9cを示す。
重量センサ9aは、管状部材70の他端70bから直下の容器8に排出された培地の重量を検出する。これにより、培地の重量として排出量を計測することができる。
また、液滴センサ9bは、管状部材70の他端70bから滴下される培地の液滴を検出する。これにより、液適量と液滴数との積として排出量を計測することができる。
また、液面センサ9cは、容器8に溜まった培地の液面の高さを検出する。これにより、容器の底面積と液面の高さとの積として排出量を計測することができる。
なお、排出量計測手段は、重量センサ9a、液滴センサ9b及び液面センサ9cのうちの1つ又は2つであってもよいし、これら以外のセンサであってもよい。
制御部10は、排出量計測手段9a,9b,9cによる排出量の計測結果に基づいて、高低差設定手段71,72を制御する。
ここで、ポート3を通過する流量が一定である場合、培地の排出が進んでバッグ本体2内の培地Sの液厚が薄くなるほど、バッグ本体2内の培地Sの流速が速くなり、細胞Cが流されやすくなる。
そこで、本実施形態では、制御部10は、培地の排出量が所定値を超えると、ポート3を通過する培地の排出速度を低下させるように、細胞培養バッグ1のポート3と管状部材70の他端70bとの高低差ΔHを小さくして、培地の排出速度を段階的に減少させる。これにより、培地の排出にあたって、細胞Cの流出を回避しつつ、排出時間を一層の短縮化を図ることができる。
具体的には、制御部10は、高低差設定手段としての支持部材71のアクチュエータ71dを制御して、管状部材70の他端71bを支持している腕部材70cを上昇させ、他端71bの高さH2を高くするとよい。また、制御部10は、培地の排出量が所定値を超えると、昇降装置72のアクチュエータ72dを制御して、昇降装置72のアーム72cの角度を変えてトップ72bを上昇させ、これにより、載置台5に載置された細胞培養バッグ1を上昇さて、細胞培養バッグ1のポート3の高さH1を低くしてもよい。
なお、制御部10は、制御部10は、高低差ΔHを制御するにあたり、支持部材71のアクチュエータ71dと昇降装置72のアクチュエータ72dの一方のみを駆動させてもよいし、両方を駆動させてもよい。
また、制御部10は、高低差を一段又は多段階で段階的に小さくしてもよいし、排出量が増加するのに従って高低差を徐々に連続的に小さくしてもよい。また、排出量に対する排出速度及び高低差の具体的な数値は、管状部材70の長さ及び太さ、バッグ本体2の形状、細胞Cの種類、及び凹部4の形状等によって異なるため、実験的に求めるとよい。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。例えば、前述した実施形態では、下面フィルムに複数の凹部が形成された細胞培養バッグから培地を排出する例を説明したが、本発明では、培地排出の対象とする細胞培養バッグはこれに限定されず、本発明は、凹部の形成されていない細胞培養バッグからの培地排出に適用することもできる。
本実施形態では、排出速度設定手段7を、管状部材70と高低差設定手段(71,72)とで構成した例を説明したが、排出速度設定手段はこれらに限定されない。例えば、排出速度設定手段として、例えば、可変バルブや絞り機構のような、細胞培養バッグのポートに接続された流路の断面積を変化させる手段を流路に設けてもよい。また、ポートに接続された流路に、メッシュやフィルタのような障害物を挿入することによって、排出速度を制御することもできる。
本発明の培地排出装置は、アイソレータ内に複数台設置して同時並行で培地排出を行うのに好適であるが、アイソレータ外での使用にも好適である。
1 細胞培養バッグ
2 バッグ本体
20 周辺部
21 上面フィルム
21a 天面部分
21b 立ち上がり部分
22 下面フィルム
3 ポート
4 凹部
5 載置台
5a 載置面
5b 開口部
6 押圧部材
6a 底面
60 支持機構
61 フレーム
62 ガイドピン
63 永久磁石
7 排出速度設定手段
7a 閉塞手段
70 管状部材(チューブ)
70a 一端
70b 他端
71 支持部材
71a ベース
71b 支柱
71c 腕部材
71d アクチュエータ(ステッピングモータ)
72 昇降装置
72a ベース
72b トップ
72c アーム
72d アクチュエータ(ステッピングモータ)
8 容器
9a 重量センサ
9b 液滴センサ
9c 液面センサ
10 制御部
100,100a 培地排出装置
C 細胞、スフェロイド
S 培地
H1 ポートの高さ
H2 チューブの他端の高さ
ΔH 高低差(落差)

Claims (7)

  1. ポート付きの細胞培養バッグに充填された培地を前記ポートから排出する培地排出装置であって、
    前記細胞培養バッグを載置する載置台と、
    前記載置台に載置された前記細胞培養バッグを上方から押圧するように構成された押圧部材と、
    前記載置台に載置された前記細胞培養バッグの前記ポートから排出される培地の排出速度を設定する排出速度設定手段と
    を備えたことを特徴とする、培地排出装置。
  2. 排出速度設定手段は、前記載置台に載置された前記細胞培養バッグの前記ポートに一端が接続され、かつ他端が前記ポートよりも低い位置で大気中に開口するように構成された管状部材を備える
    ことを特徴とする、請求項1記載の培地排出装置。
  3. 前記排出速度設定手段は、前記細胞培養バッグの前記ポートと前記管状部材の前記他端との高低差を設定する高低差設定手段を更に備える
    ことを特徴とする、請求項2記載の培地排出装置。
  4. 前記高低差設定手段は、前記管状部材を支持し、前記管状部材の前記他端の高さを調節可能な支持部材、及び、前記載置台を支持し、前記載置台の高さを調節可能な昇降装置の一方又は双方である
    ことを特徴とする、請求項3記載の培地排出装置。
  5. 前記細胞培養バッグの前記ポートからの培地の排出量を計測する排出量計測手段と、
    前記排出量計測手段によって計測された前記排出量に基づいて、前記ポートを通過する培地の排出速度を徐々に又は段階的に低下させるように前記高低差設定手段を制御する制御部と
    を更に備えたことを特徴とする、請求項3又は4記載の培地排出装置。
  6. 前記排出速度設定手段は、前記押圧部材により前記細胞培養バッグに加えられる押圧力を調整する押圧力調整手段を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の培地排出装置。
  7. 前記細胞培養バッグは、
    周辺部をシールした上面及び下面フィルムから構成されたバッグ本体と、
    前記バッグ本体に取り付けられた前記ポートと、を備え、
    前記下面フィルムに、前記バッグ本体の外側へ突出した複数の凹部が形成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の培地排出装置。
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