JP2020128776A - 無段変速機 - Google Patents

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幸宏 西尾
Yukihiro Nishio
幸宏 西尾
寛哲 徳永
Hiroaki Tokunaga
寛哲 徳永
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Abstract

【課題】無段変速機のコンパクト化および低コスト化を図る。【解決手段】入力ディスク3を出力ディスク4側に押圧することにより環状軌道面3a,4aとパワーローラ5の外周面との転がり接触部であるトラクション部Tの面圧を調整する押圧装置10を備えた無段変速機1である。無段変速機1の運転時に各パワーローラ5が受けるトラクション反力を、直動装置36の推進力を決定付けるパラメータに基づいて推定するトラクション反力推定部43が押圧装置10の押圧力制御システム40に設けられており、押圧装置10の押圧力が、トラクション反力推定部43で推定されたトラクション反力に基づいて調整可能となっている。【選択図】図5

Description

本発明は、無段変速機に関する。
下記の特許文献1には、トロイダル型の無段変速機が開示されている。この無段変速機は、入力軸と一体回転する入力ディスクと、入力ディスク(入力軸)とは独立して回転する出力ディスクと、互いに対向する入力ディスクの環状軌道面と出力ディスクの環状軌道面との間に画成されたキャビティ内に配置された複数のパワーローラと、両ディスクの何れか一方を他方側に押圧する押圧装置とを備えており、押圧装置が一方のディスクを他方のディスク側に押圧することにより、両ディスク間でパワーローラが挟持される(環状軌道面とパワーローラの外周面との転がり接触部にトラクション力が発生する)と、入力ディスクの回転トルクが出力ディスクに伝達されるようになっている。
パワーローラは、例えばこれを回転および傾動可能(入力軸に対して角度変位可能)に支持した支持部を介して電動アクチュエータや油圧アクチュエータ等の直動装置(パワーローラ駆動装置)に連結されている。パワーローラ駆動装置の推進力を受けてパワーローラがキャビティ内の所定位置に移動すると、ディスクとパワーローラの接触部におけるディスクの軌道面の速度ベクトルの方向とパワーローラの外周の速度ベクトルの方向に差が生じ、パワーローラが傾動する。パワーローラが傾動すると、パワーローラと入力ディスクの接触半径と、パワーローラと出力ディスクの接触半径とに差が生じるため、入力ディスクの回転が減速又は増速された上で出力ディスクに伝達される。
上記構成の無段変速機において、両ディスク間でのトルク伝達効率を良好な状態に維持するには、ディスクとパワーローラの転がり接触部であるトラクション部の面圧(法線力)を、無段変速機の運転状態(例えば、入力トルク、変速比、トラクション部に介在するトラクションオイルの油温など)に応じて調整するのが好ましい。そこで、特許文献1では、両ディスク間で伝達されるトルクを算出するトルク算出手段を設け、このトルク算出手段で算出されたトルク等に基づいて押圧装置の押圧力を調整するようにしている。
特開2016−3719号公報
特許文献1においては、両ディスク間で伝達されるトルクを、例えば、入力トルク(入力軸のトルク)と変速比とを乗算することで算出するようにしている(段落0023)。特許文献1では入力トルクをどのようにして求めるのかについて詳細に言及されていないが、入力トルクは、トルクセンサにより検出するのが一般的である。しかしながら、無段変速機にトルクセンサを設置する場合には、その設置スペースを確保する必要があることによる変速機の大型化の他、トルクセンサを使用することによるコスト増が懸念される。
係る実情に鑑み、本発明の主たる目的は、入力ディスクと出力ディスクの間のトルク伝達効率に優れた無段変速機のコンパクト化および低コスト化を図ることにある。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、入力軸と一体回転する入力ディスクと、入力ディスクとは独立して回転する出力ディスクと、互いに対向する入力ディスクの環状軌道面と出力ディスクの環状軌道面とで画成されたキャビティ内に配置され、両ディスク間でトルクを伝達する複数のパワーローラと、両ディスクの何れか一方を他方側に押圧することにより環状軌道面とパワーローラの外周面との転がり接触部であるトラクション部の面圧を調整する押圧装置と、支持部により回転および傾動可能に支持された各パワーローラをキャビティ内の所定位置に移動させる直動装置とを備え、所定位置に移動した各パワーローラの傾動角が変化するのに伴って両ディスクの回転速度比が変化する無段変速機において、両ディスク間でのトルク伝達時に各パワーローラが受けるトラクション反力を、直動装置の推進力を決定付けるパラメータに基づいて推定するトラクション反力推定部が押圧装置の押圧力制御システムに設けられ、押圧装置が発生させる押圧力が、トラクション反力推定部で推定されたトラクション反力に基づいて調整可能となっていることを特徴とする。
無段変速機の運転時、パワーローラをキャビティ内の所定位置に移動させる直動装置(パワーローラ駆動装置とも称される)の推進力を決定付けるパラメータは常時監視されることから、上記パラメータに基づいて各パワーローラが受けるトラクション反力を推定するトラクション反力推定部を押圧装置の押圧力制御システムに設け、かつトラクション反力推定部で推定されたトラクション反力に基づいて押圧装置の押圧力が調整可能となっていれば、トルクセンサによる入力軸等のトルク検出を省略しても、両ディスク間でのトルク伝達効率を良好な状態に維持することが可能となる。そして、入力軸等のトルク検出を省略すれば、トルク検出に必要なトルクセンサも当然に省略することができる。一方、上記直動装置はこの種の無段変速機に必要不可欠な構成であり、また、トラクション反力推定部は、押圧力制御システムに設けられる関係上、トルクセンサを設ける場合に必要とされるような設置スペースは不要である。そのため、総合的に見れば、無段変速機をコンパクト化、さらには低コスト化することができる。
押圧力制御システムには、トラクション係数を推定するトラクション係数推定部と、パワーローラの傾動角を推定する傾動角推定部とをさらに設けることができる。この場合、上記押圧力が、トラクション反力推定部で推定されたトラクション反力、トラクション係数推定部で推定されたトラクション係数、および傾動角推定部で推定されたパワーローラの傾動角に基づいて調整されれば、所望の押圧力を精度良く発生させる上で有利となる。
トラクション係数推定部は、例えば、無段変速機の運転時(両ディスク間でのトルク伝達時)にトラクション部に介在するトラクションオイルの温度および両ディスクの回転速度に基づいてトラクション係数を推定するものとすることができる。また、傾動角推定部は、例えば、両ディスクの回転速度に基づいてパワーローラの傾動角を推定するものとすることができる。
パワーローラを回転および傾動可能に支持した支持部は、例えば、複数のパワーローラの全てを回転および傾動可能に支持したもので構成することができる。このとき、直動装置を、複数のパワーローラのうちの一つのパワーローラに対して連結しておけば、各パワーローラに個別に直動装置を連結する場合に比べ、無段変速機を軽量・コンパクト化し、さらには低コスト化することができる。
以上の構成において、直動装置には、電動モータを駆動源とした電動式の直動装置を採用しても良いし、オイルポンプを駆動源とした油圧式の直動装置を採用しても良い。電動式の直動装置を採用する場合、直動装置の推進力を決定付けるパラメータは、電動モータを流れる電流値とすることができ、また、油圧式の直動装置を採用する場合、上記パラメータは、例えば、オイルポンプから吐出される作動油の流路上に設けられたバルブの開度とすることができる。
以上から、本発明によれば、コンパクトかつ低コストでありながら、入力ディスクと出力ディスクの間で効率良くかつ安定的にトルクを伝達することができる無段変速機を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る無段変速機の概略縦断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 パワーローラや直動装置の配置態様を示す説明図である。 押圧力制御システムを模式的に示すブロック図である。 図4に示す制御システムの一部を詳細に示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る無段変速機の概略縦断面図である。 図6のB−B線矢視断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る無段変速機1の概略縦断面図であり、図2は、図1のA−A線矢視断面図である。図1に示す無段変速機1はいわゆるフルトロイダル型であり、図示しないエンジン等の回転駆動源の出力を受けて回転する入力軸2と、相互に離間して入力軸2に外嵌された穴開き円盤状の入力ディスク3および出力ディスク4と、両ディスク3,4間に配置された複数(ここでは三つ。図2参照)のパワーローラ5と、両ディスク3,4の何れか一方を他方側に押圧する押圧装置10と、出力ディスク4の回転トルクを出力軸20に伝達する出力機構21と、を備える。本実施形態では、入力ディスク3を出力ディスク4側に押圧するように押圧装置10を設けているが、押圧装置10は、出力ディスク4を入力ディスク3側に押圧するように設けても良い。
入力軸2は、その軸方向一方側(図1の紙面右側。以下同様。)および他方側(図1の紙面左側。以下同様。)の端部付近にそれぞれ配置された転がり軸受7,8によって無段変速機1の筐体(ケーシング)9に対して回転自在に支持されている。
入力ディスク3の軸方向他方側の端面には、軸方向一方側に凹んだ断面円弧状の環状軌道面3aが設けられ、出力ディスク4の軸方向一方側の端面には、軸方向他方側に凹んだ断面円弧状の環状軌道面4aが設けられている。両軌道面3a,4aは互いに対向し、計3つのパワーローラ5を収容したキャビティ6を画成している。入力ディスク3の内径面には雌スプライン3bが形成されており、この雌スプライン3bは、入力軸2の外径面に設けられた雄スプライン2aと嵌合している。そのため、入力ディスク3は、入力軸2の外径面に沿ってスライド移動可能な状態で入力軸2と一体回転可能に連結されている。一方、出力ディスク4は、入力軸2と一体回転可能に連結されておらず、入力ディスク3とは独立して回転する。
押圧装置10は、油圧式の押圧装置であって、入力軸2および入力ディスク3と協働して油圧室12を画成する押圧装置ハウジング11と、入力軸2に設けられた給油路13を含む給油系統16を介して油圧室12に圧油14を供給するオイルポンプ17と、油圧室12に介在する圧油14の外部漏洩を防止するためのシール部材15と、を備える。
押圧装置ハウジング11は、入力軸2に外嵌された内筒部11aと、入力ディスク3の外径側に配置される外筒部11bと、入力ディスク3の軸方向一方側に位置して両筒部11a,11bを接続する円盤状の接続部11cとを一体に備えており、内筒部11aの内径面に形成した雌ねじ部11dを入力軸2の外径面に形成した雄ねじ部2bに締結することで入力軸2に固定されている。シール部材15は、入力ディスク3と押圧装置ハウジング11の外筒部11bとの間、入力軸2と入力ディスク3との間、および押圧装置ハウジング11と入力軸2との間にそれぞれ配設されている。
無段減速機1の運転時には、オイルポンプ17から給油系統16を介して油圧室12に圧油14が供給されることにより入力ディスク3が出力ディスク4側に押圧される。これにより、キャビティ6内に配置されたパワーローラ5が両ディスク3,4に挟持される。
このように、パワーローラ5が両ディスク3,4に挟持された状態で入力軸2が回転すると、そのトルクが入力ディスク3およびパワーローラ5を介して出力ディスク4に伝達され、出力ディスク4が回転する。出力ディスク4が回転すると、そのトルクが出力機構21を介して出力軸20に伝達される。パワーローラ5は、作動油としてのトラクションオイルの油膜を介して両軌道面3a,4aと接触し、両ディスク3,4間でトルクを伝達する。
この無段変速機1では、両ディスク間3,4でのトルク伝達効率(トルク伝達性能)を常時良好な状態に維持すると共に所望の耐久寿命を確保するため、環状軌道面3a,4aと各パワーローラ5の外周面5aとの転がり接触部であるトラクション部Tの面圧が無段変速機1の運転状態に応じて調整されるようになっている。トラクション部Tの面圧は、両ディスク3,4によるパワーローラ5の挟持力、すなわち押圧装置10が入力ディスク3に付与する軸方向の押圧力によって左右される。そのため、この無段変速機1には、押圧装置10の押圧力(圧油14の供給量)を調整するための押圧力制御システムが設けられ、押圧装置10は、この制御システムから出力される制御信号に基づいて押圧力を調整する。このシステムの詳細は後述する。
図示例の出力機構21は、出力ディスク4と一体回転する第1ギヤ22と、第1ギヤ22を入力軸2に対して回転自在に支持した転がり軸受23と、無段変速機1の運転時に出力ディスク4に作用する軸方向荷重を支持するスラスト軸受24と、出力軸20の外周に固定され、第1ギヤ22と噛み合った第2ギヤ25とを備える。出力軸20は、入力軸2と平行に配置され、第2ギヤ25の軸方向両側に配置された転がり軸受26,27によって回転自在に支持されている。
図2に示すように、各パワーローラ5は、これを回転および傾動(三自由度傾動)可能に支持した支持部30を介して、パワーローラ駆動装置とも称される直動装置36の出力端に接続されている。本実施形態の支持部30は、パワーローラ5の中心孔に嵌合された支持軸31と、支持軸31の両端に設けられた転がり軸受32,32と、一端に転がり軸受32の外輪を保持したキャリッジ33と、キャリッジ33の他端に連結されたロッド34と、ロッド34と直動装置36の出力端とを三自由度回転可能に接続した球面継手35とを備える。
そして、支持部30により回転および傾動可能に支持されたパワーローラ5が直動装置36の推進力を受けてキャビティ6内の所定位置に移動すると、パワーローラ5が傾動(入力軸2の軸線Xに対して角度変位)し、パワーローラ5と入力ディスク3の接触半径に対するパワーローラ5と出力ディスク4の接触半径の比が変化する。この接触半径比の変化により、所望の変速比が得られる。なお、パワーローラ5を回転自在に支持したキャリッジ33、キャリッジ33に接続されたロッド34、さらに球面継手35を介してロッド34に接続された直動装置36は、図3に示すように、入力軸2の軸線Xに直交する直交面Pに対して所定のキャスタ角αをなすように配置するのが好ましい。このようにすれば、パワーローラ5の傾動に応じてパワーローラ5の自転軸の向きが変わるとき、パワーローラ5の傾動角(入力軸2の軸線Xに対する傾斜角)が一定の値で安定する。
本実施形態では、直動装置36に、電動モータを駆動源とした電動式の直動装置を用いている。より具体的には、図4に模式的に示すように、電動モータ37と、電動モータ37の回転運動を直線運動に変換して出力する運動変換機構38とを備えた電動リニアアクチュエータ(電動シリンダ)を直動装置36として用いる。電動モータ37としては、ロータの回転角を検出し、その検出値に基づいてコイル(ステータコイル)に流す電流量を調整する、といったフィードバック制御が常に行われるブラシレスモータが使用される。また、運動変換機構38には逆入力可能な機構、例えばボールねじが使用される。運動変換機構38としては、ボールねじと減速機とを組み合わせたものを使用しても良い。
以下、図4および図5を参照しながら、押圧装置10の押圧力を調整するために設けられた押圧力制御システム40について詳細に説明する。
図4に示すように、押圧力制御システム40は、入力される信号に基づいて押圧装置10の押圧力(目標押圧力)を設定する押圧力設定部41と、押圧力設定部41から出力される目標押圧力に関する信号に基づいて押圧装置10の動作制御を行う押圧装置制御部42とを備える。油圧式の押圧装置10が採用される本実施形態において、押圧装置制御部42は、オイルポンプ17(の出力ポート)と油圧室12とを繋ぐ給油系統16上に設けられた圧力制御弁18の開度を調整するための信号(電流)を圧力制御弁18に出力する。すなわち、押圧装置10は、給油系統16上に設けられた圧力制御弁18をさらに有しており、圧力制御弁18の開度を調整してオイルポンプ17から油圧室12への圧油14の供給量を調整することにより、入力ディスク3に付与すべき押圧力を調整する。
両ディスク3,4間でトルクを伝達するためにトラクション部T(図1参照)で生じるトラクション力(Ft)は、概ねトラクション係数(μ)とトラクション部Tの法線力(Fn)との積となる(Ft=μ×Fn)。また、無段変速機1の運転時、各パワーローラ5は、入力ディスク3および出力ディスク4からトラクション力(Ft)の反作用としてのトラクション反力を受ける。
そこで、図5に示すように、押圧力設定部41には、トラクション反力推定部43、トラクション係数推定部44および傾動角推定部45を設けると共に、これら推定部43〜45でそれぞれ推定(算出)されたトラクション反力、トラクション係数およびパワーローラ5の傾動角に基づいて目標押圧力を算出し、算出した目標押圧力を押圧装置制御部42に出力する押圧力演算部46を設けている。
トラクション反力推定部43は、直動装置36の推進力を決定付けるパラメータに基づいてトラクション反力を推定(算出)し、その算出値を押圧力演算部46に出力する部位である。直動装置36に、ブラシレスモータからなる電動モータ37と、電動モータ37の回転運動を直線運動に変換して出力する運動変換機構38とを備えた電動リニアアクチュエータを用いている本実施形態では、直動装置36の推進力を決定付けるパラメータは電動モータ37(のステータコイル)を流れる電流値である。そのため、本実施形態では、図4に示すように、電動モータ37の動作を制御するモータ制御部47に電流検出部48を設けると共に、この電流検出部48と押圧力設定部41に設けたトラクション反力推定部43とを電気的に接続し、電流検出部48で検出した電流値に基づいてトラクション反力を推定するようにしている。
なお、図の簡略化の観点から、図4にはパワーローラ5および直動装置36を一つしか描いていないが、本実施形態の無段変速機1においては、計3つ設けられたパワーローラ5のそれぞれに直動装置36が個別に接続されており(図2参照)、各直動装置36の電動モータ37は個別に動作制御される。そのため、実際には、電流検出部48を含むモータ制御部47は計3つ設けられ、各電流検出部48で検出された電流値がトラクション反力推定部43に入力されるようになっている。
トラクション係数推定部44は、トラクション部T(キャビティ6の内部空間)に介在するトラクションオイルの油温と、入力ディスク3および出力ディスク4の回転速度(回転数)とに基づいてトラクション係数を推定(算出)し、その算出値を押圧力演算部46に出力する部位である。そのため、無段変速機1には、図4に示すように、トラクションオイルの油温を検出(測定)する油温検出器49、およびこれに接続された油温検出部50と、入力ディスク3および出力ディスク4の回転速度を検出する回転速度検出器51、およびこれに接続された回転速度演算部52とが設けられている。
傾動角推定部45は、入力ディスク3および出力ディスク4の回転速度(変速比)に基づいてパワーローラ5の傾動角を推定(算出)し、その算出値を押圧力演算部46に出力する部位である。より具体的には、傾動角推定部45は、両ディスク3,4の回転速度(変速比)に加え、入力ディスク3および出力ディスク4の形状、並びにパワーローラ5の形状に基づいてパワーローラ5の傾動角を幾何学的に算出する。
上述したように、本実施形態の無段変速機1においては、その運転時に各パワーローラ5が受けるトラクション反力を、直動装置36の推進力を決定付けるパラメータ(直動装置36に電動リニアアクチュエータが採用される本実施形態では、電動モータ37を流れる電流値)に基づいて推定するトラクション反力推定部43が押圧力制御システム40に設けられ、押圧装置10の押圧力がトラクション反力推定部43で推定・算出されたトラクション反力に基づいて調整可能となっている。
無段変速機1の運転時、直動装置36の推進力を決定付けるパラメータ(電動モータ37を流れる電流値)は常時監視されることから、上記パラメータに基づいて各パワーローラ5が受けるトラクション反力を推定するトラクション反力推定部43を設け、このトラクション反力推定部43で推定されたトラクション反力に基づいて押圧装置10の押圧力が調整可能となっていれば、トルクセンサによる入力軸2等のトルク検出を省略しても、両ディスク3,4間でのトルク伝達効率を良好な状態に維持することが可能となる。そして、入力軸2等のトルク検出を省略すれば、トルク検出に必要なトルクセンサも当然に省略することができる。一方、直動装置36はこの種の無段変速機1に必要不可欠な構成であり、また、トラクション反力推定部43は、集積回路等で構成される押圧力設定部41中にチップ等の形態で組み込むことが可能であるから、トルクセンサを設ける場合に必要とされるような設置スペースは不要である。そのため、総合的に見れば、両ディスク3,4間でのトルク伝達効率を良好な状態に維持しつつ、無段変速機1をコンパクト化、さらには低コスト化することができる。
また、本実施形態の無段変速機1に設けられる押圧力制御システム40には、無段変速機1の運転時にトラクション部T(キャビティ6)に介在するトラクションオイルの温度、および両ディスク3,4の回転速度に基づいてトラクション係数を推定するトラクション係数推定部44と、両ディスク3,4の回転速度に基づいてパワーローラ5の傾動角を推定する傾動角推定部45とがさらに設けられる。そして、上記押圧力は、トラクション反力推定部43で推定・算出されたトラクション反力、トラクション係数推定部44で推定・算出されたトラクション係数、および傾動角推定部45で推定されたパワーローラ5の傾動角に基づいて調整されることから、所望の押圧力を精度良く発生させることができる。
以上のことから、本実施形態の無段変速機1は、コンパクトかつ低コストでありながら、入力ディスク3と出力ディスク4の間で効率良くかつ安定的にトルクを伝達することができて信頼性に富む、という特長を有する。
以上で説明した実施形態では、無段変速機1の運転時にトラクション部T(キャビティ6)に介在するトラクションオイルの温度、および両ディスク3,4の回転速度に基づいてトラクション係数を算出するようにしたが、トラクション係数は、トラクションオイルの温度や両ディスク3,4の回転速度以外の要因(例えば、トラクション部のスピンやスキューなど)によっても変化する。そのため、トラクション係数推定部44でトラクション係数を算出する際には、実験等によって予め求めておいた上記の種々の要因(無段変速機1の運転条件)とトラクション係数との関係を示すデータを活用するようにしても良い。
また、直動装置36の電動モータ37を流れる電流値とトラクション反力との間には様々な電気的・機械的損失が存在する。そのため、トラクション反力推定部43でトラクション反力を推定・算出する際には、実験等によって予め求めておいた電動モータ37を流れる電流値とトラクション反力の関係を示すデータを活用するようにしても良い。
図6に、本発明の第2実施形態に係る無段変速機1の概略縦断面図を示し、図7に、図6のB−B線矢視概略断面図を示す。図6および図7に示す無段変速機1は、パワーローラ5の支持構造が図1等に示す第1実施形態の無段変速機1と大きく異なるものの、その他の構成(押圧装置10や出力機構21等)には、第1実施形態の無段変速機1と実質的に同一のものを採用している。このため、以下ではこの実施形態で採用しているパワーローラ5の支持構造を中心に説明し、その他の構成についての詳細説明は基本的に省略する。
この実施形態の無段変速機1では、計3つのパワーローラ5の全てを単一の支持部30’によって回転および傾動可能に支持している。より具体的に説明すると、この実施形態の支持部30’は、一対の転がり軸受62,62を介して入力軸2に対して回転自在に支持された環状部材61と、環状部材61と一体回転可能に設けられて入力軸2の径方向に延びた三本の内支持軸63とを備える。各内支持軸63(の外径端部)は、対応するパワーローラ5の中心孔に挿入されており、内支持軸63の外径面とパワーローラ5の中心孔の内径面との間には、球面継手64、外支持軸65および一対の転がり軸受66,66が配設されている。内支持軸63と外支持軸65の間に設けられた球面継手64の中心は、断面円弧状をなした環状軌道面3a,4aの曲率中心と一致している。以上の構成により、各パワーローラ5は、両ディスク3,4に挟持された状態で(内支持軸63に対して)回転および傾動可能となっている。
図7に示すように、各外支持軸65は、図2に示したものと同様のキャリッジ33およびロッド34を介して球面継手35に接続されている。三つの外支持軸65(キャリッジ33)のうち、一つのキャリッジ33は、ロッド34および球面継手35を介して図2に示したものと同様の直動装置36の出力端に接続されているのに対し、残り二つのキャリッジ33は、それぞれ、ロッド34および球面継手35を介して直動案内機構70に接続されている。
この場合、直動装置36が駆動されると、この直動装置36にキャリッジ33等を介して接続された一つのパワーローラ5がキャビティ6内を移動するのと同時に、直動装置36の推進力が、上記一つのパワーローラ5を支持した内支持軸63、さらには内環状部材61を介して残り二つのパワーローラ5を支持した内支持軸63に伝達されるため、残り二つのパワーローラ5もキャビティ6内を移動する。
つまり、上記の支持部30’を採用した本実施形態の無段変速機1では、一つの直動装置36によって全てのパワーローラ5を同時に所定の位置に移動させることができる。このように、直動装置36を一つにすれば、パワーローラ5のそれぞれに直動装置36を連結していた第1実施形態に係る無段変速機1(図1,2を参照)に比べ、変速機1全体を軽量・コンパクト化することができる。
また、直動装置36を一つにすれば、直動装置36や直動装置36を駆動するためのモータ制御部47(図4参照)等を削減することができるので、無段変速機1を簡素化および低コスト化することができる。また、直動装置36を一つにすれば、無段変速機1の駆動制御を容易化することができる。
以上、本発明の実施形態に係る無段変速機1について説明したが、無段変速機1には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を施すことが可能である。
例えば、以上で説明した実施形態では、環状軌道面2a,3aの間に画成されるキャビティ6内にパワーローラ5を三つ配置したが、パワーローラ5の配置個数は二つ又は四つ以上にすることも可能である。
また、以上では、相手側と協働してキャビティ6を画成する入力ディスク3および出力ディスク4の組が一つ設けられた、いわゆるシングルキャビティ型の無段変速機1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、入力ディスク3および出力ディスク4の組(キャビティ6)が二つ設けられた、いわゆるダブルキャビティ型の無段変速機にも適用することができる。
また、以上で説明した実施形態では、パワーローラ5をキャビティ6内の所定位置に移動させるための直動装置36として、電動モータ37を駆動源とした電動式の直動装置(電動リニアアクチュエータ)を採用したが、本発明は、直動装置36としてオイルポンプを駆動源とした油圧式の直動装置(例えば油圧シリンダ)を採用した場合にも同様に適用することができる。油圧式の直動装置を採用する場合、直動装置の推進力を決定付けるパラメータは、例えばオイルポンプから吐出される作動油の流路上に設けられたバルブの開度(電磁バルブを採用する場合には電流値)とすることができる。
また、以上で説明した実施形態では、押圧装置10として油圧式の押圧装置を採用したが、本発明は、空気圧や電磁力によって押圧力を発生させる押圧装置10を採用する場合にも適用することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得る。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 無段変速機
2 入力軸
3 入力ディスク
3a 環状軌道面
4 出力ディスク
4a 環状軌道面
5 パワーローラ
6 キャビティ
10 押圧装置
12 油圧室
17 オイルポンプ
20 出力軸
30 支持部
30’ 支持部
36 直動装置
37 電動モータ
38 運動変換機構
40 押圧力制御システム
41 押圧力設定部
43 トラクション反力推定部
44 トラクション係数推定部
45 傾動角推定部
70 直動案内機構
P 直交面
α キャスタ角

Claims (7)

  1. 入力軸と一体回転する入力ディスクと、該入力ディスクとは独立して回転する出力ディスクと、互いに対向する前記入力ディスクの環状軌道面と前記出力ディスクの環状軌道面とで画成されたキャビティ内に配置され、両ディスク間でトルクを伝達する複数のパワーローラと、両ディスクの何れか一方を他方側に押圧することにより前記環状軌道面と各パワーローラの外周面との転がり接触部であるトラクション部の面圧を調整する押圧装置と、支持部により回転および傾動可能に支持された各パワーローラをキャビティ内の所定位置に移動させる直動装置とを備え、前記所定位置に移動した各パワーローラの傾動角が変化するのに伴って両ディスクの回転速度比が変化する無段変速機において、
    前記無段変速機の運転時に各パワーローラが受けるトラクション反力を、前記直動装置の推進力を決定付けるパラメータに基づいて推定するトラクション反力推定部が前記押圧装置の押圧力制御システムに設けられ、前記押圧装置の押圧力が、前記トラクション反力推定部で推定された前記トラクション反力に基づいて調整可能となっていることを特徴とする無段変速機。
  2. 前記押圧力制御システムが、トラクション係数を推定するトラクション係数推定部と、前記パワーローラの傾動角を推定する傾動角推定部と、をさらに備え、
    前記押圧力が、前記トラクション反力推定部で推定された前記トラクション反力、前記トラクション係数推定部で推定された前記トラクション係数、および前記傾動角推定部で推定された前記パワーローラの傾動角に基づいて調整される請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記トラクション係数推定部は、前記トラクション部に介在するトラクションオイルの温度および両ディスクの回転速度に基づいて前記トラクション係数を推定する請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記傾動角推定部は、両ディスクの回転速度に基づいて前記パワーローラの傾動角を推定する請求項2又は3に記載の無段変速機。
  5. 前記支持部は、複数のパワーローラの全てを回転および傾動可能に支持しており、
    前記直動装置は、複数のパワーローラのうちの一つのパワーローラに接続されている請求項1〜4の何れか一項に記載の無段変速機。
  6. 前記直動装置が、電動モータを駆動源とした電動式の直動装置である請求項1〜5の何れか一項に記載の無段変速機。
  7. 前記直動装置が、オイルポンプを駆動源とした油圧式の直動装置である請求項1〜5の何れか一項に記載の無段変速機。
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