JP2020127309A - コントローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、エネルギー効率よくスイッチング素子の温度上昇を抑制することができる技術を提供する。提供する。【解決手段】本明細書が開示するコントローラは、冷却液を循環路に圧送するポンプを制御する。循環路とポンプを備える冷却器は、車両の走行用のモータに電流を供給する電力変換器が備えるスイッチング素子を冷却する。コントローラは、車両が停止している間にモータにトルクを発生させないd軸電流を所定時間流したときのスイッチング素子の温度上昇分が所定の温度差閾値を超えていた場合、その後に(1)モータロックが生じたとき、(2)車速が所定の車速閾値を超えたとき、のいずれかが生じたときに、所定時間の間、スイッチング素子の温度上昇分が温度差閾値を超えていない場合と比較してポンプの出力を大きくする。(1)や(2)の場合にエア溜まりを解消することで、エネルギー効率よくスイッチング素子の温度上昇を抑制する。【選択図】図2
Description
本明細書が開示する技術は、コントローラに関する。特に、電力変換器が備えるスイッチング素子を冷却する冷却液を循環路に圧送するポンプを制御するコントローラに関する。本明細書における電力変換器は、車両の走行用のモータに電流を供給するデバイスである。
スイッチング素子を適宜オン/オフすることで電力を変換して走行用モータに供給する電力変換器が知られている。そのような電力変換器の一例はインバータである。インバータは、走行用モータにバッテリの直流電流を3相交流電流に変換して供給することで走行用モータを回転駆動させる。インバータのスイッチング素子は通電により発熱する。特許文献1には、スイッチング素子に接する循環路を設け、ポンプにより冷却液を循環路に圧送することでスイッチング素子を冷却して、スイッチング素子の温度が素子の使用温度範囲を超えて高くなるのを防止する技術が開示されている。
特許文献1に開示する技術では、予め定められた所定のデューティ比で決定されるポンプの実回転数を初期回転数として記憶し、冷却液の流量が安定した段階で、同じデューティ比での現状回転数を取得して、現状回転数を初期回転数と比較する。特許文献1では、現状回転数の初期回転数に対する割合がある所定値未満である場合には、循環路の抵抗が減少しているため、冷却液の濃度が低下している可能性があると判定する。また、現状回転数の初期回転数に対する割合が別の所定値未満である場合には、循環路の抵抗が増加しているため、循環路につまりなどが発生している可能性があると判定する。すなわち、特許文献1では、現状回転数の初期回転数に対する割合によって冷却液や循環路の異常発生を判定する。
循環路の異常の一つに、循環路に空気が混入することが挙げられる(以下、エア溜りと表現する)。特許文献2に開示された技術では、システムオフ時にインバータの通電と冷却液の循環を強制的に行い、スイッチング素子の温度が所定の温度閾値以上となったときにエア溜り発生と判断する。エア溜りが発生した場合には、ポンプの出力を大きくする。ポンプの出力を大きくすることで、空気を循環路から追い出す。
インバータに通電するとモータに電流が流れる。特許文献3では、車両が停止しているときにインバータに通電してスイッチング素子の温度上昇をモニタし、冷却器をチェックする技術が開示されている。特許文献3の技術では、停車時にはモータに励磁電流(d軸電流)のみが流れるようにインバータを制御する。励磁電流のみだとモータはトルクを発生しないため、停車時(すなわちモータが回転していない状態)でもインバータに通電することができる。特許文献3の技術では、メインバッテリの充電時に冷却器をチェックする。冷却器の異常が検知されると、次回のイグニッションキーのオン時に、冷却器異常を通知する警告灯を点灯させる。
特許文献3の技術によると、車両が停止しているときに冷却器の異常(エア溜りの発生)を検知することができる。エア溜りが発生した場合、特許文献2の技術のように、ポンプの出力を高めれば、空気を循環路から追い出せる可能性がある。しかしながら、車両の停止時には、スイッチング素子の温度が低い可能性が高く、そのようなときには、ポンプは低出力で駆動されているか、あるいは停止している。スイッチング素子の温度が低く、ポンプを駆動する必要が無い場合(あるいは低出力で駆動すれば十分である場合)にポンプを高出力で駆動すると、消費電力が無駄に大きくなる。本明細書は、エア溜まり解消のためにポンプを動作させるときの消費電力を抑える技術を提供する。
本明細書が開示するコントローラは、冷却液を循環路に圧送するポンプを制御する。循環路とポンプを備える冷却器は、車両の走行用のモータに電流を供給する電力変換器が備えるスイッチング素子を冷却する。コントローラは、車両が停止している間にモータにトルクを発生させないd軸電流を所定時間流したときのスイッチング素子の温度上昇分が所定の温度差閾値を超えていた場合、その後に、(1)モータロックが生じたとき、(2)車速が所定の車速閾値を超えたとき、のいずれかが生じたときに、所定時間の間、スイッチング素子の温度上昇分が温度差閾値を超えていない場合と比較してポンプの出力を大きくする。
本明細書が開示するコントローラは、停車中にエア溜り発生が検知されても直ちにポンプの出力を大きくすることはない。停車中であれば、スイッチング素子の温度が上昇する可能性は極めて小さく、エア溜りによる冷却性能の低下が大きな影響を与えることがないためである。一方、上記(1)、(2)のいずれかが生じたときには既にスイッチング素子の温度が高く、ポンプが相応の出力で動作している可能性が高い。そのような場合には、エア溜まり解消のためのポンプ出力の増加分は、スイッチング素子の温度が低い場合と比較して小さくて済む。このように、本明細書が開示するコントローラによれば、エア溜まりが発生し、かつその後に上記(1)、(2)いずれかが生じた場合にポンプの出力を大きくすることで、エア溜まり解消のために消費する電力を抑えることができる。さらに、特に上記(2)の場合においては、周囲の騒音が比較的に高いため、大出力駆動によるポンプ音が目立たなくなるという利点もある。
本明細書開示する技術を、エンジンを備えるハイブリッド車に適用する場合には、コントローラは、スイッチング素子の温度上昇分が所定の温度差閾値を超えていた場合、その後にエンジンが始動したときにも、所定時間の間、温度上昇分が温度差閾値を超えていない場合と比較して前記ポンプの出力を大きくするように構成されてもよい。エンジンが始動するとエンジン音が加わるので、ポンプの出力増大によるポンプ音が目立たなくなる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施例のコントローラについて説明する。以下、コントローラの一例として、ハイブリッド車に搭載されるものを例示して説明する。図1は、実施例のコントローラ30を搭載するハイブリッド車2の構成を示すブロック図である。
図1を用いて、ハイブリッド車2の駆動系の構成について説明する。ハイブリッド車2は、走行用の駆動源として、走行用モータ10とエンジン40を備えている。走行用モータ10の出力トルクとエンジン40の出力トルクは、動力分配機構9で適宜に分配/合成されて出力される。動力分配機構9は、例えばプラネタリギアである。動力分配機構9は、エンジン40のエンジン軸40a及び走行用モータ10のモータ軸10aから夫々伝達されて入力される動力を、所定比率で分配/合成して出力軸9aに出力する。動力分配機構9の出力は、デファレンシャルギア8とドライブシャフト6を介して駆動輪4R、4Lに伝達される。なお、図1では、本明細書の説明に要する部品だけを表しており、説明に関係のない部品は図示を省略していることに留意されたい。
走行用モータ10を駆動するための電力は、不図示のメインバッテリから供給される。メインバッテリは、不図示のシステムメインリレーを介してインバータ20に接続される。インバータ20は、メインバッテリから供給された直流電圧が不図示のコンバータによって走行用モータ10の駆動に適した電圧に昇圧された後、交流に変換して走行用モータ10に供給する。
ハイブリッド車2の駆動系の制御について説明する。ハイブリッド車2は、HVコントローラ38と、車速センサ36、エンジンECU42を有している。図1に示すように、HVコントローラ38には、車速センサ36、インバータ20、エンジンECU42と、後述するコントローラ30が接続されている。HVコントローラ38は、マイクロコンピュータ、メモリや入出力インタフェースなどの電子部品で構成される情報処理装置である。HVコントローラ38には、車速センサ36からドライブシャフト6の回転数が入力される。また、HVコントローラ38には、運転者による操作情報として、例えば、アクセル開度情報やブレーキ踏力情報が入力される。HVコントローラ38は、これらの入力された情報をもとに、インバータ20と、エンジンECU42を制御する。エンジンECU42は、HVコントローラ38の指令をもとに、エンジン40を制御する。
インバータ20は、3個のパワーカード22a〜22cと、冷却器28を有している。パワーカード22aは、スイッチング素子24aを両側から2枚の伝熱板23aで挟み込むように固定した状態で樹脂パッケージ中に封止している。他のパワーカード22bと22cも、同様にスイッチング素子24b、24cを伝熱板23b、23cで挟み込むように固定した状態で樹脂パッケージ中に封止している。パワーカード22a〜22cがスイッチング素子を内蔵していることを示すため、図1では、スイッチング素子24a〜24cのみ、回路図記号で表してある。インバータ20が走行用モータ10に供給する電圧は、高圧(例えば600ボルト)である。このため、スイッチング素子24a〜24cの発熱量も大きい。発熱量が大きいスイッチング素子24a〜24cを冷却するため、冷却器28は、夫々の伝熱板23a〜23cに接する流路を備えている。冷却器28の流路には、冷却液14が循環している。スイッチング素子24aが発生させた熱は、伝熱板23aを介して冷却器28を循環する冷却液14に伝わる。すなわち、冷却器28は、スイッチング素子24a〜24cを冷却する冷却液14の循環路である。
また、走行用モータ10も、発進時や上り坂などで急激に負荷がかかると発熱量が大きくなる。そのため、ハイブリッド車2では、図1に示すように、冷却器28に加えて冷却パイプ12にも冷却液14を循環させることで、インバータ20に加えて走行用モータ10も冷却している。
インバータ20や走行用モータ10を冷却するために、ハイブリッド車2は、ポンプ16と、リザーブタンク18と、ラジエータ32と、冷却パイプ12を備えている。冷却パイプ12は、インバータ20の冷却器28と、ラジエータ32と、走行用モータ10を一巡する。ハイブリッド車2は、ポンプ16を用いて冷却器28と冷却パイプ12に冷媒の冷却液14を循環させることで、インバータ20の各スイッチング素子と走行用モータ10を冷却する。また、図1においては、作図上の便宜から、上流から下流に向かって、走行用モータ10、ラジエータ32、冷却器28の順番に配置しているが、半導体とモータの耐熱性の相違から、典型的には、冷却器28、走行用モータ10、ラジエータ32の順番に、ポンプ16を出た冷却液14が流れるように配置する。
冷却液14は、例えばLLC(Long Life Coolant)である。図1の冷却液14aに示すように、冷却液14はリザーブタンク18内に貯留されている。冷却液14は、ポンプ16により圧送されて冷却パイプ12内と冷却器28を循環する液体冷媒である。リザーブタンク18の上方(重力方向上側)には、通気孔が設けられている。なお、LLCの主成分は、エチレングリコールであるが、プロピレングリコールを主成分にするものでもよい。
ポンプ16は、モータにより内部のインペラを回転させその遠心力によって揚程圧力を発生させてリザーブタンク18から冷却液14を汲み上げて送出する遠心式ポンプである。ポンプ16のモータは電動モータであり、コントローラ30によるオープンループでPWM制御される。即ち、コントローラ30からポンプ16に出力される回転数指令値は、物理的には回転数指令値に応じたデューティ比を有するPWM信号である。
ポンプ16を制御するコントローラ30は、HVコントローラ38と同様に、マイクロコンピュータ、メモリや入出力インタフェースなどの電子部品で構成される情報処理装置である。コントローラ30は、インバータ20の冷却器28に設けられた温度センサ26から、冷却器28内を循環する冷却液14の温度を取得する。冷却器28内を循環する冷却液14の温度は、各スイッチング素子24a〜24cの温度の発熱により変化する。このため、コントローラ30は、温度センサ26からスイッチング素子24a〜24cの温度を取得することができる。なお、図示は省略したが、冷却パイプ12の走行用モータ10の下流側にも温度センサが設けられており、コントローラ30は、その温度センサの温度を取得することで、走行用モータ10の発熱温度を測定する。コントローラ30は、取得した冷却液14の温度により、ラジエータ32に設けられたクーリングファン34を制御して冷却液14の温度を保持する。また、コントローラ30には、上位システムのHVコントローラ38が接続されている。コントローラ30は、HVコントローラ38から後述するモータロックの発生や、ハイブリッド車2の車速、エンジン始動などの情報を取得する。このように、コントローラ30は、冷却液14を循環路に圧送するポンプ16を制御する。
コントローラ30は、温度センサ26によって計測されるスイッチング素子24a〜24cの温度が高いほど、ポンプ16の出力を高める。コントローラ30は、スイッチング素子24a〜24cの温度が高いほど大きくなる回転数出力指令値をポンプ16に与える。コントローラ30は、車両のメインスイッチがオンされると、常に温度センサ26の計測温度に基づいてポンプ16の出力を制御する。
上述したように、ハイブリッド車2では、冷却液14を、冷却パイプ12と冷却器28を通して循環させることで、インバータ20のスイッチング素子24a〜24cを冷却している。エア溜まりは冷却液14が循環する冷却パイプ12や冷却器28の中に空気が混入する事象である。冷却液14は、ラジエータ32に設けられたクーリングファン34によって冷やされている。このため、冷却パイプ12や冷却器28に空気が混入した場合、冷却効率が低下する。
エア溜まりが発生すると、冷却効率が低下するため、インバータ20に電流を流したときのスイッチング素子24a〜24cの温度上昇分が高くなる。コントローラ30では、この現象を利用して冷却器28にエア溜まりが発生したことを判定する。より詳細には、ハイブリッド車2が停止している間に走行用モータ10にトルクを発生させないd軸電流を所定時間流したときのスイッチング素子24a〜24cの温度上昇分が所定の温度差閾値を超えていた場合に、コントローラ30はエア溜まりの発生を判定する。
上述したように、走行用モータ10にトルクを発生させないd軸電流を用いることで、コントローラ30はハイブリッド車2が停止した状態でエア溜まりの発生を判定することができる。また、エア溜まりの発生の判定にd軸電流を用いることで、例えば電気自動車やプラグインハイブリッド車の場合は、充電中であってもエア溜まりの発生を判定することができる。
ハイブリッド車2は、冷却器28のエア溜まりを解消するため、ポンプ16を高出力で駆動する。ポンプ16を高出力で駆動することで、冷却器28を循環する冷却液14の流量は増加する。流量が増加した冷却液14は、溜まったエアと一緒に冷却器28と冷却パイプ12を循環し、リザーブタンク18に到達する。リザーブタンク18の上部には通気孔が設けられているため、冷却液14に押し出されたエアは大気に開放される。このように、コントローラ30は、ポンプ16を高出力で駆動することで、エア溜まりを解消することができる。
車両の停止時には、スイッチング素子の温度が低い可能性が高い。スイッチング素子の温度が低ければ、コントローラ30は、小さい回転数出力指令値をポンプ16へ送信しているか、場合によってはポンプを停止している。そのようなときにエア溜まり解消のためにポンプ16に大きい回転数出力指令値を与えると(すなわちポンプ16を高出力で駆動すると)、エア溜まり解消のために消費するのに大きな電力を要する。一方、冷却器28にエア溜まりが発生して冷却効率が低下しても、停車中であれば、スイッチング素子の温度が過度に高くなる可能性は極めて小さく、エア溜りを解消せずとも支障をきたすことはない。
一方、スイッチング素子24a〜24cに高負荷がかかると、スイッチング素子24a〜24cの温度が上昇する。エア溜まりが解消されないまま高負荷状態が続くことは好ましくない。例えば(1)モータロックが生じたときや、(2)ハイブリッド車2が高速で運転されているとき、スイッチング素子24a〜24cに高負荷がかかる。高負荷がかかり、スイッチング素子24a〜24cの温度が上昇するにつれて、コントローラ30は、ポンプ16に与える回転数出力指令値を高くする。そのような状況では、エア溜まり解消のためのポンプ出力の増加分(消費電力の増加分)は、停車時(すなわち、スイッチング素子の温度が低い場合)と比較して小さくて済む。そこで、コントローラ30は、上記した(1)、あるいは(2)のいずれかが生じたときに、ポンプ16の出力を増加させる。そのような処理により、エア溜まり解消のために消費する電力を抑えることができる。
なお、モータロックとは、走行用モータ10がトルクを出力しているにもかかわらずに駆動輪4R、4Lが回転しない状況を意味する。モータロックは、例えば駆動輪4R、4Lが車輪止めに乗り上げかかっている状況で発生する。モータロックが生じると、走行用モータ10はさらに大きなトルクを出力するため、一時的にスイッチング素子に高負荷がかかる。また、高速で運転されているときも、大きなトルクで走行用モータ10を駆動させる必要があるため、同様にスイッチング素子に高負荷がかかる。以下、図2を用いて、エア溜まり解消のためにコントローラ30が実行する処理について説明する。
コントローラ30は、ハイブリッド車2の始動スイッチがオンされたときに図2に示す処理の実行を開始する。コントローラ30は、まず温度センサ26から、スイッチング素子24a〜24cの温度t1を取得する(ステップS2)。コントローラ30は、インバータ20を介して走行用モータ10にd軸電流を流す(ステップS4)。先に述べたように、走行用モータ10にd軸電流を流した場合は、走行用モータ10にトルクは発生しない。このため、ハイブリッド車2を停止させたまま、インバータ20のスイッチング素子24a〜24cに電流を流すことができる。先に述べたように、スイッチング素子24a〜24cに電流を流れると、スイッチング素子24a〜24cは発熱する。予め定められた一定時間d軸電流を流した後、コントローラ30は、再びスイッチング素子の温度t2を測定する(ステップS6)。走行用モータ10にd軸電流を流したことで、スイッチング素子の温度は上がっている。コントローラ30は、温度上昇分t2−t1を温度差閾値と比較する(ステップS8)。なお、温度差閾値は、d軸電流の大きさや、d軸電流を流す時間、冷却器の大きさ、スイッチング素子の個数や大きさなどによって変化する。
温度上昇分t2−t1が温度差閾値を超えている場合(ステップS8:YES)は、コントローラ30は、冷却器28内にエア溜まりが発生していると判定する。逆に、温度上昇分t2−t1が温度差閾値を超えていない場合(ステップS8:NO)は、コントローラ30は、冷却器28内にエア溜まりは発生していないと判定する。その場合には、コントローラ30は、図2の処理を終了する。
温度上昇分t2−t1が温度差閾値を超えている場合(ステップS8:YES)、コントローラ30は、ステップS10、S14、S16のいずれかの判定がYESとなるまで待機する。ステップS10は、走行用モータ10がロックしているか否かの判定である。ステップS14は、車速が車速閾値を超えているか否かの判定である。ステップS16は、エンジン40が始動しているか否かの判定である。
先に述べたように、モータロックとは、走行用モータ10がトルクを出力しているにもかかわらずに駆動輪4R、4Lが回転しない状況である。コントローラ30は、上位のHVコントローラ38からの通知により、モータロックが生じていることを判定する。HVコントローラ38は、インバータ20に指示している走行用モータ10に供給する電力と、車速センサ36から取得したドライブシャフト6の回転数とを比較する。何らかの原因で駆動輪4R、4Lの回転が妨げられている状態、すなわち走行用モータ10がロックしている場合は、インバータ20に指示している電力に対して、ドライブシャフト6の回転数が下がる。HVコントローラ38は、インバータ20に指示している電力に対するドライブシャフト6の回転数があらかじめ定められた回転数閾値を下回った場合には、走行用モータ10がロックしていると判定して、コントローラ30に通知する。コントローラ30は、HVコントローラ38から、この通知を受け取ることにより、走行用モータ10がロックしていると判定する。
コントローラ30は、走行用モータ10がロックしている場合には(ステップS10:YES)、所定時間の間、ポンプ16に与える回転数出力指令値にオフセット値を加える(ステップS12)。コントローラ30は、所定時間経過後、回転数出力指令値にオフセット値を加えるのを中止して、もとの回転数出力指令値に戻す。回転数出力指令値(デューティ比)にオフセット値が加えられることによって、所定時間の間、ポンプ16の回転数は増大し、出力は大きくなる。すなわち、ポンプ16の出力は、所定時間の間、温度上昇分t2−t1が温度差閾値を超えていない場合と比較して大きくなる。これにより、冷却器28内を循環する冷却液14の供給量が増加し、冷却器28内のエア溜まりを解消することができる。走行用モータ10がロックしている場合には、スイッチング素子24a〜24cに大電流が流れており、スイッチング素子24a〜24cの温度も上昇している。従って回転数出力指令値も相応に大きくなっている。それゆえ、回転数出力指令値のオフセット値(すなわち、エア溜まりを解消するのに要する電力)は小さくて済む。
なお、所定時間は、少なくとも、ポンプ16が冷却器28内に発生したエア溜まりをリザーブタンク18まで押し出すのに要する時間以上の時間である。所定時間は、冷却器28の流路の容量や、冷却パイプ12の長さ、ポンプ16の出力等により異なる。
モータロックが生じたことを示す通知を受信していない場合、すなわち、走行用モータがロックしていない場合(ステップS10:NO)コントローラ30は、車速が所定の車速閾値を超えているか否かを判断する(ステップS14)。コントローラ30は、車速をHVコントローラ38から取得する。コントローラ30は、車速が閾値を超えている場合(ステップS14:YES)には、所定時間の間、回転数出力指令値にオフセット値を加える(ステップS12)。コントローラ30は、所定時間経過後、回転数出力指令値にオフセット値を加えるのを中止して、もとの回転数出力指令値に戻す。先に述べたように、これによりポンプ16の回転数は増大し、出力は大きくなる。すなわち、ポンプ16の出力は、所定時間の間、温度上昇分t2−t1が温度差閾値を超えていない場合と比較して大きくなる。車速が大きい場合も、スイッチング素子24a〜24cの温度は上昇傾向にある可能性が高い。それゆえ、もともとの回転数出力指令値も相応に大きい。それゆえ、回転数出力指令値に対するオフセット値(すなわち、エア溜まりを解消するのに要する電力)は小さくて済む。なお、車速閾値は、冷却器28の大きさや、スイッチング素子の個数や大きさによって変化する。
このように、本明細書が開示するコントローラ30によれば、エア溜まりが発生した場合であって、その後にスイッチング素子24a〜24cに高負荷がかかる事象が発生した場合にポンプ16を高出力で駆動させることで、エア溜まり解消に要する電力を抑えることができる。
また、車速が車速閾値を超えていない場合(ステップS14:NO)には、コントローラ30は、エンジン40が始動しているかを確認してもよい(ステップS16)。コントローラ30は、エンジン40が始動している場合(ステップS16:YES)に、所定時間の間、回転数出力指令値にオフセット値を加えて(ステップS12)冷却器28のエア溜まりを解消する。これにより、エンジン始動によるエンジン音がある状態でポンプ16を高出力で駆動することで、ポンプ16の出力増大によるポンプ音が目立たなくすることができる。なお、コントローラ30は、HVコントローラ38からエンジンの始動を知らせる信号を取得する。
コントローラ30は、エンジン40が始動していない場合(ステップS16:NO)には、再度ステップS10に戻る。コントローラ30は、ステップS10、S14、S16のいずれかの判定がYESとなるまで、待機する。これにより、冷却器28にエア溜まりが発生している場合であっても、不要にポンプ16が高出力で駆動することを防止することができる。
本実施例における留意点を下記に示す。本実施例のコントローラ30は、ハイブリッド車2に搭載されているが、本明細書が開示するコントローラ30は、電気自動車に搭載してもよい。電気自動車には、エンジン40が搭載されないため、上述したステップS16のエンジン40の始動確認の処理は省略される。
実施例のコントローラ30は、上述したステップS12で、回転数出力指令値にオフセット値を加えて(ステップS12)冷却器28のエア溜まりを解消しているが、これに限定されない。所定時間の間、ポンプの出力を最大にすることで、早急にエア溜まりを解消してもよい。
コントローラ30は、上述したステップS8で温度上昇分である温度上昇分t2−t1が温度差閾値と等しい場合には、その後どちらの処理を実行してもよい。また、同様に、上述したステップS14でハイブリッド車2の車速が車速閾値と等しい場合も、その後どちらの処理を実行してもよい。
実施例ではインバータ20に複数のスイッチング素子24a〜24cが設けられているが、これに限定されず、1個のスイッチング素子を有するインバータでもよい。また、実施例では温度センサ26は3個のスイッチング素子24a〜24cに対して1個設けられ、冷却器28内の冷却液14の温度を測定することでスイッチング素子の温度を測定しているが、これに限定されない。温度センサは、各スイッチング素子に夫々に設けてもよい。その場合には、どのスイッチング素子の周辺の冷却器の流路にエア溜まりが発生しているかを特定して、ポンプをその流路に対して冷却液を流す出力に制御することで、よりエネルギー効率のよいポンプ制御を行うことができる。また、インバータではなく、コンバータが有するスイッチング素子に対しても、本明細書が開示する技術は、適用することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:ハイブリッド車
4R、4L:駆動輪
6:ドライブシャフト
8:デファレンシャルギア
9:動力分配機構
9a:出力軸
10:走行用モータ
10a:モータ軸
12:冷却パイプ
14、14a:冷却液
16:ポンプ
18:リザーブタンク
20:インバータ
22a、22b、22c:パワーカード
23a、23b、23c:伝熱板
24a、24b、24c:スイッチング素子
26:温度センサ
28:冷却器
30:コントローラ
32:ラジエータ
34:クーリングファン
36:車速センサ
38:HVコントローラ
40:エンジン
40a:エンジン軸
42:エンジンECU
4R、4L:駆動輪
6:ドライブシャフト
8:デファレンシャルギア
9:動力分配機構
9a:出力軸
10:走行用モータ
10a:モータ軸
12:冷却パイプ
14、14a:冷却液
16:ポンプ
18:リザーブタンク
20:インバータ
22a、22b、22c:パワーカード
23a、23b、23c:伝熱板
24a、24b、24c:スイッチング素子
26:温度センサ
28:冷却器
30:コントローラ
32:ラジエータ
34:クーリングファン
36:車速センサ
38:HVコントローラ
40:エンジン
40a:エンジン軸
42:エンジンECU
Claims (2)
- 車両の走行用のモータに電流を供給する電力変換器が備えるスイッチング素子を冷却する冷却液を循環路に圧送するポンプを制御するコントローラであって、
前記コントローラは、
車両が停止している間に前記モータにトルクを発生させないd軸電流を所定時間流したときの前記スイッチング素子の温度上昇分が所定の温度差閾値を超えていた場合、その後に、(1)モータロックが生じたとき、(2)車速が所定の車速閾値を超えたとき、のいずれかが生じたときに、所定時間の間、前記温度上昇分が前記温度差閾値を超えていない場合と比較して前記ポンプの出力を大きくする、コントローラ。 - 前記車両はモータとともにエンジンを備えており、
前記コントローラは、
車両が停止している間に前記モータにトルクを発生させないd軸電流を所定時間流したときの前記スイッチング素子の温度上昇分が所定の温度差閾値を超えていた場合、その後に前記エンジンが始動したときにも、所定時間の間、前記温度上昇分が前記温度差閾値を超えていない場合と比較して前記ポンプの出力を大きくする、コントローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019018906A JP2020127309A (ja) | 2019-02-05 | 2019-02-05 | コントローラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019018906A JP2020127309A (ja) | 2019-02-05 | 2019-02-05 | コントローラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020127309A true JP2020127309A (ja) | 2020-08-20 |
Family
ID=72085020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019018906A Pending JP2020127309A (ja) | 2019-02-05 | 2019-02-05 | コントローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020127309A (ja) |
-
2019
- 2019-02-05 JP JP2019018906A patent/JP2020127309A/ja active Pending
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