JP5915574B2 - 電動車両の冷却システム - Google Patents

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本発明は、電動車両の冷却システムに関する。本明細書における電動車両には、エンジンとモータの双方を備えるいわゆるハイブリッド車、及び、燃料電池車を含む。
電動車両は、発熱量の大きい複数のユニットを備える。発熱量の大きいユニットの典型は、走行用のモータ、モータに供給する電力を蓄えるバッテリ、バッテリの直流電力を交流電力に変換してモータに供給する電力変換装置などである。多くの電動車両は、それら複数のユニットに液体冷媒を循環させる冷却システムを搭載している。冷却システムが冷却の対象とするユニットを以下では、冷却対象ユニットと称する。
液体冷媒は定期的に交換することが望ましい。液体冷媒を交換する際、冷媒の循環路に気泡が混入することがある。気泡は冷却能力を低下させる要因となる。液体冷媒を用いる冷却システムは通常、冷媒の循環路にリザーブタンクを備えており、気泡はリザーブタンクにて循環路から排出される。従って、気泡が混在しても冷却器を作動させていれば、いずれ気泡は排除できる。
しかしながら、冷却能力が低下する期間を短くするため、気泡を速やかに循環路から排出することが望まれている。あるいは、冷媒を圧送するポンプを低出力で作動させている場合には、気泡がなかなか排除されない場合があり、そのような場合に備えても、気泡をできるだけ速やかに循環路から排出することが望まれる。例えば特許文献1には、冷媒を圧送するポンプを特定のパターンで駆動して気泡を速やかに排出する技術が開示されている。
一方、特許文献2には、発熱量の大きい燃料電池よりも高い位置にリザーブタンクが配置される電動車両において、気泡を速やかに排出する技術が開示されている。その技術では、燃料電池の冷媒出口付近など、リザーブタンクよりも低い位置で冷媒循環路に空気溜め空間を設ける。そして、その空気溜め空間とリザーブタンクを空気抜き配管で連結する。リザーブタンクは空気溜め空間よりも高い位置に配置されているので、気泡は空気抜き配管を通じてリザーブタンクに至り、そこから外部に排出される。この技術は、循環路の中を液体冷媒の流れに従って気泡を移動させるのではなく、空気溜め空間に空気(気泡)を集め、その空気を専用の配管を通じてリザーブタンクへ送る。
特開2008−180160号公報 特開2005−129387号公報
特許文献2の技術は、リザーブタンクが燃料電池(即ち冷却対象ユニット)よりも高い位置に配置されているときに有効である。しかしながら、レイアウトによっては冷却対象ユニットよりも低い位置にリザーブタンクを配置したい場合もある。そのような場合には特許文献2の技術は使えない。また、特許文献1のように、特定の駆動パターンでポンプを駆動するのはよいが、気泡が存在する場合に常にそのような特定のパターンでポンプを駆動する必要はない。典型的には、冷却対象ユニットの温度が低い場合など、高い冷却能力が必要でなければ、ゆっくりと気泡を排出するのであってもかまわない。
本明細書が開示する技術は、上記の課題に鑑みて創作された。本明細書は、冷却対象ユニットよりも低い位置にリザーブタンクが配置されている電動車両用の冷却システムにおいて、必要に応じて気泡を速やかに排出する技術を提供する。
本明細書が開示する冷却システムは、複数の冷却対象ユニットに液体冷媒を循環させる循環路と、循環路にて液体冷媒を圧送するポンプと、ポンプの出力を制御するコントローラと、リザーブタンクと、複数の温度センサを備える。冷却対象ユニットとは、別言すれば上記した発熱ユニットであり、典型的には、走行用のモータ、モータに供給する電力を蓄えるバッテリ、バッテリの直流電力を交流電力に変換してモータに供給する電力変換装置などである。リザーブタンクは、冷却対象ユニットよりも低い位置で循環路に接続している。なお、リザーブタンクは、少なくとも一つの冷却対象ユニットよりも低い位置に配置されている。本明細書が開示する技術は、リザーブタンクよりも高い位置に配置された冷却対象ユニットに着目するものであるが、リザーブタンクよりも低い位置に別の冷却対象ユニットが存在してもかまわない。
複数のセンサは、リザーブタンクよりも高い位置に配置されている冷却対象ユニットの温度を検出する。冷却システムは、典型的には、2個の温度センサを備え、冷却対象ユニットの異なる2箇所の温度を計測する。2箇所とは、一つの冷却対象ユニットの中の異なる位置(あるいは、冷却対象ユニット内の異なるデバイス)でもよいし、異なる冷却対象ユニットの夫々の温度でもよい。あるいは、冷却対象ユニットの温度の推定値として、循環路の特定の箇所における冷媒温度を計測するものであってもよい。上記したシステムにおいて、コントローラは、循環路内に気泡が混入していることが検知された場合、複数の温度センサ(複数の温度センサのうちの2個)が計測した温度の差に応じてポンプの出力を調整する。典型的には、コントローラは、上記の温度の差が予め定められた温度差閾値よりも低い場合にはポンプを第1出力で駆動し、温度の差が温度差閾値よりも高い場合には第1出力よりも大きい第2出力でポンプを駆動する。
リザーブタンクよりも高い位置に配置された冷却対象ユニット(循環路を含む)の異なる2箇所に温度センサを取り付けるのは次の理由による。リザーブタンクよりも高い位置にある冷却対象ユニットには、気泡が留まり易い。気泡が留まった箇所は冷却能力が局所的に低下する。それゆえ、その場所は局所的に他の場所よりも相対的に温度が高くなる。即ち、気泡が存在する場合、異なる2箇所の温度差が大きいことは、気泡が留まり続けており局所的に冷却能力が低下している場所があることを示している。温度差が大きいほど、局所的な冷却能力の低下が著しい。そこで、温度差が大きいほどポンプ出力を増大させて気泡を速やかにリザーブタンクへと移動させる。なお、気泡の存在の検知は、典型的には、コントローラがポンプに与える目標出力に対するポンプ回転速度が予め定められた回転数閾値を超えているときに気泡発生と判断すればよい。気泡が発生しているとポンプの負荷が小さくなるので、目標出力に対するポンプ回転数が増大するからである。
電気自動用の冷却システムでは、走行用のモータに供給する電力を蓄えるバッテリを冷却対象ユニットの一つとして含むことが多い。そのような場合、リザーブタンクはバッテリと一体に設けられていることがある。「リザーブタンクとバッテリが一体」の典型は、一つの筐体にリザーブタンクとバッテリが収容されている態様である。そのような態様はバッテリを効率よく冷却することができる。なお、リザーブタンクとバッテリが一体に設けられている場合には、バッテリの他の冷却対象ユニットが、リザーブタンクよりも上に位置する。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は発明を実施するための形態の欄にて詳しく説明する。
実施例の電動車両の電力系のブロック図である。 冷却システムのブロック図である。 車両内の冷却対象ユニットの模式的配置図である。 コントローラが実行する処理を示すフローチャートである。
最初に、実施例の電動車両の電力系を説明する。図1に、実施例の電動車両2の電力系のシステム図を示す。電動車両2は、走行用のモータに電力を供給するバッテリを2個有する(メインバッテリ3とサブバッテリ4)。メインバッテリ3は、通常の走行時に用いるバッテリである。サブバッテリ4は、一時的に高トルクが必要な場合にメインバッテリ3と共に用いてモータに供給する電力を増大する。一時的に高トルクが必要な場合とは、例えばドライバが急にアクセルを踏み込んだ場合や、勾配の大きい登坂路を走行する場合などである。なお、サブバッテリ4は、メインバッテリ3よりも容量(最高充電電力)は小さいが出力電圧はメインバッテリ3よりも高い。
メインバッテリ3は、システムメインリレー5を介して電圧コンバータ6に接続している。電圧コンバータ6の出力側はインバータ7に接続している。また、高出力型のサブバッテリ4は、リレー8を介してインバータ7に接続している。メインバッテリ3はサブバッテリ4よりも出力電圧が低く、それゆえ、電圧コンバータ6でメインバッテリ3の出力電圧を昇圧し、サブバッテリ4の出力電圧に揃えている。
インバータ7は、メインバッテリ3(及びサブバッテリ4)の直流電力を交流に変換して走行用のモータ9に出力する。走行コントローラ10が、状況に応じてシステムメインリレー5とリレー8を開閉し、インバータ7に供給するバッテリを選定する。具体的には、走行コントローラ10は、不図示のアクセル開度センサや車速センサなどのセンサデータからモータ9の目標出力を算出し、目標出力が所定の閾値出力よりも高い場合には、システムメインリレー5とリレー8を閉じる。即ち、走行コントローラ10は、2個のバッテリからインバータ7へ電力を供給させる。また、目標出力が上記閾値出力よりも低い場合は、走行コントローラ10はシステムメインリレー5を閉じリレー8を開放する。即ち、高容量型のメインバッテリ3の電力だけをインバータ7に供給する。メインバッテリ3とサブバッテリ4は、車速の減速エネルギを使ってモータ9で発電して充電される。また、充電器等の図示を省略しているが、電動車両2は、外部の電源から電力供給を受けてメインバッテリ3とサブバッテリ4を充電することもできる。
電圧コンバータ6とインバータ7は一つの筐体に収められており、その筐体をパワーコントロールユニットと称する。以下ではパワーコントロールユニットを単純にPCUと称する。PCUの筐体には、走行コントローラ10の実体である回路基板やリレー8も収められている。後述する図2では、PCUに符号13を割り当てている。
メインバッテリ3、モータ9、PCU13は、発熱量が大きいので、液冷式で冷却する。即ち、本実施例では、メインバッテリ3、モータ9、PCU13が冷却対象ユニットに相当する。図2に、メインバッテリ3、モータ9、及び、PCU13を冷却する冷却システム20と、サブバッテリ4を冷却するサブバッテリ冷却器40のブロック図を示す。冷却システム20は、メインバッテリケース22、リザーブタンク17、循環路16、電動ポンプ15、ラジエータ14で構成される。循環路16には、冷却対象ユニットであるメインバッテリ3、モータ9、及び、PCU13が連結されている。循環路16には、また、冷媒を一時的に溜めるリザーブタンク17が接続されている。前述したように冷却システム20は液冷式であり、リザーブタンク17には、モータ9やPCU13を冷却する液体が溜められている。液体は、典型的にはLLC(Long Life Coolant)であるが、水の場合も有り得る。以下では、冷却システム20が用いる液体冷媒を冷却水と称する。冷却水は、電動ポンプ15によってリザーブタンク17から吸い出され、循環路16を流れ、メインバッテリ3、ラジエータ14、PCU13、モータ9の順にそれらのデバイスと熱交換してリザーブタンク17に戻る。
サブバッテリ4を冷却するサブバッテリ冷却器40は、サブバッテリ4を収容するサブバッテリケース21とファン18で構成される。
リザーブタンク17を出た冷却水はまず、メインバッテリ3を収容するメインバッテリケース22の内部を通過する。メインバッテリケース22の内部は熱交換器となっており、ここで、循環路16を流れる冷却水が、メインバッテリ3と熱交換する。メインバッテリケース22は内部を冷却水が通るとともに、メインバッテリ3を囲むように接している。メインバッテリケース22は、いわゆるウォータージャケットに相当する。
メインバッテリケース22を通過した冷却水は、電動ポンプ15で圧送され、ラジエータ14に至る。冷却水はラジエータ14で冷却された後、PCU13を冷却し(即ち、電圧コンバータ6とインバータ7を冷却し)、次いでモータ9を冷却する。冷却水はPCU13とモータ9から熱を吸収し、リザーブタンク17に戻る。即ち、リザーブタンク17に蓄えられる冷却水は、相応の熱量(PCU13とモータ9から吸収した熱量)を有している。
図2によく表されているように、リザーブタンク17において、循環路16の取水口16aは、冷却水の中に位置するが、一巡した冷却水が循環路から排出される排水口16bは、冷却水の水面よりも高い位置にある(後で説明する図3も参照されたい)。冷却水の交換時には循環路16あるいは冷却対象ユニット内に気泡が残る場合があるが、気泡は冷却水によって運ばれ、リザーブタンク17にて排水口16bから押し出され、循環路16から排出される。このように冷却システム20を作動させれば気泡はいずれ排出されるが、気泡は冷却能力の低下を招くので、冷却対象ユニットの温度が高い場合などは速やかに気泡を排出することが望ましい。あるいは、電動ポンプ15を低出力で駆動している間は冷媒の流量が小さくて気泡が押し出されるのに至らない場合もあり得るので、気泡は速やかに排出することが望ましい。気泡を速やかに排出する仕組みについては後述する。
ラジエータ14、PCU13、及び、モータ9には、夫々の温度を計測する温度センサ24が取り付けられている。通常走行時は、冷却コントローラ31は、温度センサ24の計測値に基づいて、電動ポンプ15の出力を調整する。具体的には、モータ9あるいはPCU13の温度が高いほど、電動ポンプ15の出力を高め、循環路16を流れる冷却水の単位時間当たりの流量を増やし、冷却能力を高める。冷却コントローラ31と電動ポンプ15の間には昇圧回路32が組み込まれており、電動ポンプを高い出力で駆動する場合に、この昇圧回路32で電動ポンプ15に供給する電力の電圧を高める。昇圧回路32の使い方は後に説明する。なお、電動ポンプ15にはポンプの回転数を計測する回転数センサ25が備えられており、冷却コントローラ31は、電動ポンプ15に供給する電力(駆動電力)と回転数の関係から、冷却水の流路に気泡が混在しているか否かをチェックする。このチェックについても後述する。
サブバッテリ4は空冷式である。サブバッテリ冷却器40は、ファン18で外部の空気をサブバッテリケース21内に送り込む。サブバッテリ冷却器40は、ファン18によって送り込まれる空気により冷却される。
メインバッテリケース22とリザーブタンク17は一体に作られている。別言すれば、メインバッテリケース22とリザーブタンク17は接しており、メインバッテリ3が高温のときにはリザーブタンク17に溜められている冷却水も補助的にメインバッテリ3の冷却に寄与する。
リザーブタンク17は、また、サブバッテリケース21とも一体に作られている。即ち、リザーブタンク17はサブバッテリケース21に接している。サブバッテリ4の温度がリザーブタンク17に蓄えられている冷却水の温度よりも低い場合は、リザーブタンク17に蓄えられている冷却水がサブバッテリ4を保温する。この機能は、例えば寒冷地などでサブバッテリ4が起動に適した温度を下回っているときに有効である。
上記したように、リザーブタンク17は、メインバッテリケース22及びサブバッテリケース21と一体に作られている。別言すれば、リザーブタンク17は、メインバッテリ3とサブバッテリ4と一体に作られている。
次に、図3を参照して、車両内での冷却対象ユニットとリザーブタンク17の位置関係を説明する。特に、冷却対象ユニットとリザーブタンク17の上下方向の位置関係を説明する。一体で構成されているリザーブタンク17とメインバッテリケース22(メインバッテリ3)とサブバッテリケース21(サブバッテリ4)は、車両の床に設置される。床下には、比較的に広いスペースが空いており、大きなバッテリを配置するのに好適である。実施例の電動車両2では、そのスペースを利用してバッテリだけでなく、リザーブタンク17も配置する。
ラジエータ14は車両前方に配置され、その後にPCU13、モータ9が配置される。図3に示すように、リザーブタンク17の位置が最も低く、冷却対象ユニットであるモータ9とPCU13は、リザーブタンク17よりも高い場所に位置する。冷却システム20を構成する電動ポンプ15とラジエータ14もリザーブタンク17よりも高い場所に位置する。また、図3には、リザーブタンク内の取水口16aが冷却水の中に位置し、排水口16bが水面の上方に位置していることが表されている。
冷却水は定期的に交換されるが、交換の際、循環路16あるいは冷却対象ユニットに気泡が混入することがある。図3に示すように、少なくとも1つの冷却対象ユニット(本実施例ではモータ9とPCU13)がリザーブタンク17よりも高い位置に配置されている場合、気泡は冷却対象ユニット内の冷媒流路に入り込むと、冷却水の弱い流れではなかなかリザーブタンクまで移動しないことが起こり得る。冷却コントローラ31は、そのような場合、電動ポンプ15の出力を増加して、冷却対象ユニットから気泡を押し出す。気泡を排出するメカニズムを次に説明する。
図4に、冷却コントローラ31が実行する処理のフローチャートを示す。図4の処理は、車両のメインスイッチ(イグニッションスイッチ)が入れられる毎に実行される。
冷却コントローラ31はまず、一定の期間(例えば1分)、電動ポンプ15をLOで駆動する(S2)。電動ポンプ15の駆動モードは、出力別にLO、MID(Middle)、HIの3パターンがあり、その出力はLO<MID<HIである。即ち、「LO」が最も小さいポンプ出力に相当し、「HI」は最も大きいポンプ出力に相当する。
冷却コントローラ31は、電動ポンプ15を一定の期間回転させた後、電動ポンプ15の回転数をモニタする(S3)。回転数は、回転数センサ25で取得される。循環路16あるいは冷却対象ユニット内の冷媒流路に気泡が一定量以上存在していると、電動ポンプ15の負荷が小さくなるため、電動ポンプ15の回転数は、LO出力で予想される回転数よりも高くなる。冷却コントローラ31は、LO出力での一定期間のポンプ駆動の後、電動ポンプ15の回転数が、LO出力で予想される回転数にマージンを加えた回転数(回転数閾値)よりも高い場合、気泡が発生していると判断する(S3:YES)。なお、電動ポンプ15の回転数が、回転数閾値よりも低い場合には(S3:NO)、冷却コントローラ31は、何もせずに本ルーチンを終了する。本ルーチンの後は、冷却コントローラ31は、通常の冷却制御に移行する。通常の冷却制御とは、モータ9やPCU13など、冷却対象ユニットの温度に応じて電動ポンプを駆動する制御である。その通常の制御については説明を省略する。
ステップS3の判断がYESの場合、すなわち、一定量以上の気泡が存在すると判断した場合、冷却コントローラ31は、モータ9の温度とPCU13の温度を温度センサ24により取得し、その差の絶対値(温度差)を求める。温度差が所定の値(温度差閾値)よりも大きい場合(S4:YES)は、冷媒流路のどこかに局所的に気泡が留まっており、そのために冷却性能が局所的に低下したことが原因である可能性が高い。特に、温度が高い箇所が、気泡が留まっている箇所である可能性が高い。そのような場合は気泡を速やかにリザーブタンク17まで押し出すため、冷却コントローラ31は、電動ポンプ15をHI出力で駆動する(S6)。このときは、冷却コントローラ31は、昇圧回路32を使って電動ポンプ15に供給する電力の電圧を通常よりも高くし、電動ポンプ15の出力を増大させる。冷却コントローラ31は、温度差が温度差閾値より小さくなるまで、HI出力でのポンプ駆動を継続する(S6、S4)。
温度差が温度差閾値よりも小さくなると(S4:NO)、冷却コントローラ31は、冷却性能の局所的な低下が解消されたと判断し、電動ポンプ15をLO出力で駆動し(S5)、図4の処理を終了する。図4の処理の後は、冷却コントローラ31は、前述した通常の冷却制御に移る。
ステップS4、S5、及び、S6の処理は、次のように表現することができる。即ち、冷却コントローラ31は、冷媒流路における異なる2箇所の温度の差(温度差)が予め定められた温度差閾値よりも低い場合にはポンプを第1出力(LO出力)で駆動し、温度差が温度差閾値よりも高い場合には第1出力(LO出力)よりも大きい第2出力(HI出力)でポンプを駆動する。なお、「LO出力」、「HI出力」の大きさは、予め定められる。また、温度差閾値は、冷却システムや冷却対象ユニットの特性に応じて個別具体的に定められるが、その一例は10℃程度である。
実施例の冷却システムに関する留意点を述べる。実施例の冷却システムは、気泡を解消することのできるリザーブタンク17よりも冷却対象ユニット(モータ9やPCU13)が上方に位置する車両に有効である。そのような配置では、冷却対象ユニットに溜まった気泡がリザーブタンク17に移動し難く、気泡が溜まった箇所で局所的な冷却能力低下が生じる虞がある。実施例の冷却システムは、電動ポンプ15に供給した電力に対するポンプ回転数の大きさで、一定量以上の気泡の存在を判断し、気泡が存在する場合には電動ポンプ15の出力を増加する。電動ポンプ15の出力を増加することで気泡をリザーブタンク17へと押し出す。気泡の存在が検知されない場合は電動ポンプ15の出力を増加することがなく、電力の消費を抑制する。
循環路16に接続されたモータ9やPCU13は、冷却対象ユニットの一例である。本明細書が開示する技術は、モータ9やPCU13とは異なる冷却対象ユニットを対象とする冷却システムに適用することも好適である。また、複数の冷却対象ユニットのうち、少なくとも一つがリザーブタンクよりも上方に位置していればよい。
実施例ではモータ9の温度とPCU13の温度の差に応じて電動ポンプ15の出力を制御した。着目する温度はモータ9、PCU13以外のものであってもよい。例えば図2に示すように、冷却システム20は、ラジエータ14にも温度センサ24を備えている。図4のフローチャートのステップS4における温度差を、ラジエータ14の温度とPCU13の温度の差、あるいは、ラジエータ14の温度とモータ9の温度の差にしてもよい。
温度センサの温度差は、各冷却対象ユニットの温度差だけでなく、例えば、PCU内部に複数の温度センサを有する場合には、PCU内部の複数の温度センサの温度差であってもよい。即ち、冷却対象ユニットの内部に複数の温度センサを設け、それらの温度差から電動ポンプの出力を制御してもよい。
実施例の車両は走行用にモータを1個搭載する電動車両であった。本明細書における「電動車両」には、走行用にモータとエンジンの双方を用いるハイブリッド車や、燃料電池車も含まれることに留意されたい。
実施例では、車両のメインスイッチ(イグニッションスイッチ)が入れられる毎に図4の処理を行うが、これに限定されず、車両走行時に図4の処理を行ってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電動車両
3:メインバッテリ
4:サブバッテリ
5:システムメインリレー
6:電圧コンバータ
7:インバータ
8:リレー
9:モータ
10:走行コントローラ
13:PCU(パワーコントロールユニット)
14:ラジエータ
15:電動ポンプ
16:循環路
16a:取水口
16b:排水口
17:リザーブタンク
18:ファン
20:冷却システム
21:サブバッテリケース
22:メインバッテリケース
24:温度センサ
25:回転数センサ
31:冷却コントローラ
32:昇圧回路
40:サブバッテリ冷却器

Claims (3)

  1. 複数の冷却対象ユニットに液体冷媒を循環させる循環路と、
    液体冷媒を圧送するポンプと、
    前記冷却対象ユニットよりも低い位置で循環路に接続しているリザーブタンクと、
    前記冷却対象ユニットの温度を検出する複数の温度センサと、
    ポンプの出力を制御するコントローラと、
    を備えており、
    コントローラは、循環路内に気泡が混入していることが検知された場合、複数の温度センサが検出した温度の差に応じてポンプの出力を調整することを特徴とする電動車両用の冷却システム。
  2. コントローラは、前記温度の差が予め定められた温度差閾値よりも低い場合にはポンプを第1出力で駆動し、前記温度の差が温度差閾値よりも高い場合には第1出力よりも大きい第2出力でポンプを駆動することを特徴とする請求項1に記載の冷却システム。
  3. 前記リザーブタンクが、走行用のモータに供給する電力を蓄えるバッテリと一体に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却システム。
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