JP2020126275A - 偏光板 - Google Patents

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友樹 澤
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Abstract

【課題】平面視において外縁部に凹状部を有するか、及び/又は面内に貫通孔を有する偏光板であって、低温と高温条件下に繰り返し晒す冷熱衝撃試験(ヒートショック試験)においてクラックの発生が抑制される偏光板を提供すること。【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む偏光子と、その一方の面に設けられた第1熱可塑性樹脂フィルムとを含み、偏光子の吸収軸方向の幅2mmあたりの収縮力が0.7N以下であり、第1熱可塑性樹脂フィルムの23℃における弾性率は3000N/m2以下であり、偏光板は、平面視において、外縁部に凹状部を有するか、または面内に貫通孔を有する、偏光板。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板に関する。
近年、画像表示装置のデザイン性が多様化しつつある。そのトレンドの影響を受け、偏光板にも様々な形状への対応が求められている。
特開2017−182017号公報
外縁部に凹状部を有するか、及び/又は面内に貫通孔を有する偏光板は、凹状部及び貫通孔の周辺にクラックが発生する場合がある。
本発明の目的は、平面視において外縁部に凹状部を有するか、及び/又は面内に貫通孔を有する偏光板であって、低温と高温条件下に繰り返し晒す冷熱衝撃試験(ヒートショック試験)においてクラックの発生が抑制される偏光板を提供することである。
本発明は、以下の偏光板、画像表示装置及び偏光板の製造方法を提供する。
[1] ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む偏光子と、その一方の面に設けられた第1熱可塑性樹脂フィルムとを含む偏光板であって、
前記偏光子の吸収軸方向の幅2mmあたりの収縮力が0.7N以下であり、
前記第1熱可塑性樹脂フィルムの23℃における弾性率は3000N/m以下であり、
前記偏光板は、平面視において、外縁部に凹状部を有するか、または面内に貫通孔を有する、偏光板。
[2] 第1熱可塑性樹脂フィルムが、アクリル系樹脂フィルムまたは環状ポリオレフィン系(COP)樹脂フィルムである、[1]に記載の偏光板。
[3] 前記偏光子の他方の面に設けられた第2熱可塑性樹脂フィルムをさらに含む、[1]又は[2]に記載の偏光板。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板と、該偏光板の第1熱可塑性樹脂フィルム側に設けられた粘着剤層とを有する、粘着層付き偏光板。
[5] 前記粘着剤層は、前記偏光板を画像表示素子に貼合するためのものである、[4]に記載の粘着剤付き偏光板。
[6] [1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板を含む画像表示装置。
[7] [1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板の製造方法であって、
偏光子を準備する工程であって、第1アニール工程を含む準備工程と、
偏光子と第1熱可塑性樹脂フィルムとを貼合する貼合工程と、
第2アニール工程と、
偏光板の外縁部に凹状部を設けるか、または面内に貫通孔を設ける異形加工工程と、
を含む、製造方法。
本発明によれば、平面視において外縁部に凹状部を有するか、及び/又は面内に貫通孔を有する偏光板であって、低温と高温条件下に繰り返し晒す冷熱衝撃試験(ヒートショック試験)においてクラックの発生が抑制される偏光板を提供することができる。
本発明の一態様に係る偏光板を示す概略図である。 凹状部の例を示す概略図である。 本発明の一態様に係る偏光板を示す概略図である。 貫通孔の例を示す概略図である。 凹状部の深さ方向と延伸方向との関係の一例を示す概略図である。 本発明の一態様に係る偏光板を示す概略断面図である。 偏光子の製造方法を示すフローチャートである。 実施例で作製した偏光板を示す概略図である。
<偏光板>
本発明に係る偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む偏光子と、その一方の面に設けられた第1熱可塑性樹脂フィルムとを含む偏光板である。偏光板は、平面視において、外縁部に凹状部を有するか、又は面内に貫通孔を有するか、又はそれらをいずれも有する偏光板である。外縁部の凹状部及び面内の貫通孔は合わせて、以下、異形部とも総称することがある。本明細書において、平面視とは、層の厚み方向から見ることを意味する。
偏光板は、平面視において方形状又は角丸方形状であってよい。角丸方形状とは、方形状の角部のうち1つ以上が曲線となっている形状をいい、すなわち方形状の角部のうち1つ以上が角丸であり、方形状とは4つの角がいずれも角丸ではない形状をいうものとする。また、本明細書において、方形状とは長方形状又は正方形状をいうものとする。偏光板が角丸方形状である場合、偏光板が有する4つの角のうち1つ以上が角丸となっていてもよい。
角丸部分の曲率半径は、例えば1mm以上10mm以下であってよく、好ましくは2mm以上8mm以下である。
本発明の一実施態様に係る偏光板は、図1に示す通り、外縁部に凹状部11及び12を有する角丸方形状偏光板10である。偏光板10は、方形が有する4つの角のうち3つが角丸となっている。
凹状部11は、平面視において外縁部から内側に向けて凹んだ形状であり、その凹みの深さは、例えば0.1mm以上であってよく、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上である。一方、その凹みの深さは通常、7mm以下である。
凹状部11を構成する外側角部分13は直角であってもよいし、直角でなくてもよい。また、外側角部分13は、角丸であってもよいし、角丸でなくてもよい。外側角部分13が角丸である場合、曲率半径は例えば0.1mm以上10mm以下であってよく、好ましくは0.5mm以上5mm以下である。
凹状部11を構成する内側角部分14は直角であってもよいし、直角でなくてもよい。また、内側角部分14は、角丸であってもよいし、角丸でなくてもよい。外側角部分14が角丸である場合、曲率半径は例えば0.1mm以上1mm以下であってよく、好ましくは0.5mm以上5mm以下である。
凹状部12は、平面視においてU字型の凹状部形状であり、その凹みの深さは、例えば0.5mm以上10mm以下であってよく、好ましくは1mm以上8mm以下である。
凹状部12を構成する内側角部分15は、曲率半径が例えば0.5mm以上15mm以下であってよく、好ましくは1mm以上10mm以下である。
凹状部11の形状は特に限定されず、例えば図2(a)〜(d)に示すような形状であってよい。
本発明の別の一実施態様に係る偏光板は、図3に示す通り、平面視において面内に貫通孔21を有する角丸方形状偏光板20である。偏光板20は、方形が有する4つの角のうち4つが角丸となっている。
貫通孔21は、図3において円形の貫通孔として示されているが、これに限定されず、例えば楕円形、方形状、角丸方形状又はこれらを組合せた形状等であってよい。
貫通孔21の半径は、例えば0.5mm以上30mm以下であってよく、好ましくは1mm以上10mm以下である。
貫通孔21の形状は特に限定されず、例えば図4(a)〜(d)に示す形状であってよい。貫通孔21の数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。
本発明者によれば、クラックは、偏光板が上述のような異形部を有するときに、その異形部周辺に発生し易いことが見出された。本発明におけるクラックは、高温環境下に晒した後に観察され得る。クラックが観察され得る条件及び観察方法は、後述する実施例の欄において説明する条件及び方法である。
クラックの発生原理は次の通り推定されるが、本発明はこれに限定されない。偏光板が高温環境下に晒された場合、偏光子は延伸軸に沿って、すなわち吸収軸に沿って収縮する一方、第1熱可塑性樹脂フィルムは収縮しにくいため、偏光子と第1熱可塑性樹脂フィルムとの間に歪みが生じることになる。偏光板が異形部を有している場合、その異形部近傍では偏光子は異形部の形状に沿っても収縮が起こり、異形部を有していない場合に比べ偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間における歪みは増加するため、クラックが発生し易くものと推定される。クラックは、第1熱可塑性樹脂フィルムの弾性率が低いほどクラックが発生し易くなる傾向にある。
偏光板に対する偏光子の延伸軸(吸収軸)の方向は特に限定されないが、例えば偏光板が平面視において長方形である場合、長辺方向に平行な方向であってよく、又は短辺方向に平行な方向であってよく、又は長辺方向(又は短辺方向)とのなす角度が45±5度である方向であってよく、好ましくは45±2度である方向であってよい。
また、本発明者によれば、クラックは、異形部と偏光板の重心との最短距離が例えば40mm以上、好ましくは50mm以上、さらに好ましくは60mm以上であるときに異形部周辺に生じ易いことを見出した。これは、異形部が設けられる位置が重心からから離れるほど、異形部近傍における偏光子の収縮量が大きくなる一方、第1熱可塑性樹脂フィルムは、異形部が設けられる位置にかかわらず異形部近傍においても収縮しにくい傾向にある。そのため、異形部が設けられる位置が重心からから離れるほど偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間における歪みが増加し、クラックが発生し易くなるものとと推定される。偏光板の重心は、例えば偏光板が方形状である場合、対角線の交点と定義することができる。偏光板が角丸方形状である場合や凹状部分により角が失われる場合、角丸部分を角部分と置き換えて対角線を構成した場合の交点とすることができる。
さらに、クラックは、異形部が、偏光板の重心から面積20%相当径を超える領域に位置する場合に異形部周辺に生じ易いことが見出された。異形部が設けられる位置が重心から離れるほど、異形部近傍における偏光子の収縮量は大きくなる一方、第1熱可塑性樹脂フィルムは、異形部が設けられる位置にかかわらず異形部近傍においても収縮しにくい傾向にある。そのため、異形部が設けられる位置が重心から離れるほど偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの間における歪みが増加し、クラックが発生し易くなるものと推定される。重心から面積20%相当径とは、平面視において、偏光板上に重心を中心とする円形を重ねたときにその円形の面積が偏光板全体の面積の20%に相当する円の半径を意味する。
偏光板は、偏光板の重心から面積30%相当径を超える領域に異形部を有してよく、あるいは40%相当径を超える領域に異形部を有してよい。
さらに、本発明者は、偏光板の外縁部の凹状部の深さ方向と吸収軸方向とが一致する場合、クラックが発生し易い傾向にあることをも見出した。このような偏光板としては、例えば、図5に示す凹状部41が設けられた平面視形状が角丸長方形である偏光板であり、凹状部41を短辺42上に有し、凹状部41が短辺42の中心点43を含み、かつ凹状部41の深さ方向が吸収軸方向である偏光板等が挙げられる。
偏光板の厚みは、通常、5μm以上200μm以下とすることができ、150μm以下であってもよく、120μm以下であってもよい。
偏光板は、偏光子と、その一方の面に設けられた第1熱可塑性樹脂フィルムとを備える。図6に示す偏光板100は、偏光子101と、偏光子101の一方の面に第1熱可塑性樹脂フィルム102とを備える。また、偏光板100は、偏光子101の他方の面に第2熱可塑性樹脂フィルム103をさらに備えることができる。以下、第1熱可塑性樹脂フィルム102と第2熱可塑性樹脂フィルム103とをまとめて熱可塑性樹脂フィルムともいう。
[偏光子]
偏光子101は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む偏光子であり、例えば一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させた偏光子であってよい。このような偏光子は、後述する偏光子の製造方法に従って製造することができる。偏光子101は、吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型の偏光子であることができる。偏光子101は、その一方の面に第1熱可塑性樹脂フィルム102を接着剤又は粘着剤等で貼合して偏光板100として用いることができる。
偏光子101の吸収軸方向の幅2mmあたりの収縮力(以下、単に「収縮力」ともいう)は0.7N以下である。偏光子101の収縮力が0.7N以下である場合、偏光板100の異形部の周辺においてクラックが発生しにくくなる傾向にある。偏光子101の収縮力は、後述する実施例の欄において説明する測定方法に従って測定される。
偏光子101の収縮力は、光抜け抑制の観点から好ましくは0.65N以下であり、0.6N以下である。一方、偏光子101の収縮力は通常0.1N以上である。偏光子101の収縮力を0.7N以下とする方法としては、例えば後述する架橋工程におけるホウ酸濃度の調節やアニール処理の実施等が挙げられる。
偏光子101の厚みは、通常20μm以下であり、好ましくは18μm以下、より好ましくは15μm以下である。偏光子101の厚みを薄くすることは、偏光板100の薄膜化に有利である。偏光子101の厚みは、通常1μm以上であり、例えば5μm以上であってよい。
偏光子101の厚みは、例えばポリビニルアルコール系樹脂フィルムの選定、延伸倍率の調節等により制御することができる。
[偏光子の製造方法]
偏光子101の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図7に示す製造方法は、以下の工程:
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水を含有する処理液を収容する膨潤槽に浸漬する膨潤工程S10と、
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する処理液を収容する染色槽に浸漬して染色する染色工程S20と、
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを架橋剤を含有する処理液を収容する架橋槽に浸漬して架橋処理する架橋工程S30と、
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄槽に浸漬する洗浄工程S40と、
乾燥工程S50と、
を含むことができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、偏光子製造工程のいずれか1以上の段階、より具体的には、膨潤工程S10の前から架橋工程S30までのいずれか1以上の段階で一軸延伸処理される(延伸工程)。
製造方法は、上記以外の他の工程をさらに含むことができ、その具体例は、図7に示されるように第1アニール工程S60等であってよい。
本発明に係る製造方法に含まれる各種の処理工程は、偏光子製造装置のフィルム搬送経路に沿って原反フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムを連続的に搬送させることによって連続的に実施することができる。フィルム搬送経路は、上記各種の処理工程を実施するための設備(処理槽や炉等)を、それらの実施順に備えている。
フィルム搬送経路は、上記設備の他、ガイドロールやニップロール等を適宜の位置に配置することによって構築することができる。例えば、ガイドロールは、各処理槽の前後や処理槽中に配置することができ、これにより処理槽へのフィルムの導入・浸漬および処理槽からの引き出しを行うことができる。より具体的には、各処理槽中に2以上のガイドロールを設け、これらのガイドロールに沿ってフィルムを搬送させることにより、各処理槽にフィルムを浸漬させることができる。
原反フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常約85モル%以上、好ましくは約90モル%以上、より好ましくは約99モル%以上である。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等も使用し得る。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100以上10000以下であり、より好ましくは1500以上8000以下であり、さらに好ましくは2000以上5000以下である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が100未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超ではフィルム加工性に劣ることがある。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚みは、例えば10μm以上50μm以下程度であり、偏光子の厚みを15μm以下とする観点から、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。
原反フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、例えば、長尺の未延伸または延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのロール(巻回品)として用意することができる。この場合、偏光子もまた、長尺物として得られる。以下、各工程について詳細に説明する。
(1)膨潤工程S10
本工程における膨潤処理は、原反フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの異物除去、可塑剤除去、易染色性の付与、フィルムの可塑化等の目的で必要に応じて実施される処理であり、具体的には、水を含有する処理液を収容する膨潤槽にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させる処理であることができる。当該フィルムは、1つの膨潤槽に浸漬されてもよいし、2以上の膨潤槽に順次浸漬されてもよい。膨潤処理前、膨潤処理時、または膨潤処理前および膨潤処理時に、フィルムに対して一軸延伸処理を行ってもよい。
膨潤槽に収容される処理液は、水(例えば純水)であることができる他、アルコール類のような水溶性有機溶媒を添加した水溶液であってもよい。
フィルムを浸漬するときの膨潤槽に収容される処理液の温度は、通常10℃以上70℃以下程度、好ましくは15℃以上50℃以下程度であり、フィルムの浸漬時間は、通常10秒以上600秒以下程度、好ましくは20秒以上300秒以下程度である。
(2)染色工程S20
本工程における染色処理は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着、配向させる目的で行われる処理であり、具体的には、二色性色素を含有する処理液を収容する染色槽にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させる処理であることができる。当該フィルムは、1つの染色槽に浸漬されてもよいし、2以上の染色槽に順次浸漬されてもよい。二色性色素の染色性を高めるために、染色工程に供されるフィルムは、少なくともある程度の一軸延伸処理が施されていてもよい。染色処理前の一軸延伸処理の代わりに、あるいは染色処理前の一軸延伸処理に加えて、染色処理時に一軸延伸処理を行ってもよい。
二色性色素は、ヨウ素または二色性有機染料であることができる。二色性有機染料の具体例は、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックを含む。二色性色素は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色槽に収容される処理液には、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液を用いることができる。ヨウ化カリウムに代えて、ヨウ化亜鉛等の他のヨウ化物を用いてもよく、ヨウ化カリウムと他のヨウ化物を併用してもよい。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等を共存させてもよい。ホウ酸を添加する場合は、ヨウ素を含む点で後述する架橋処理と区別される。上記水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100質量部あたり0.01質量部以上1質量部以下である。また、ヨウ化カリウム等のヨウ化物の含有量は通常、水100質量部あたり0.5質量部以上20質量部以下である。上述の通り、染色槽に収容される処理液は亜鉛塩を含有することができる。
フィルムを浸漬するときの染色槽に収容される処理液の温度は、通常10℃以上45℃以下、好ましくは10℃以上40℃以下であり、より好ましくは20℃以上35℃以下であり、フィルムの浸漬時間は、通常30秒以上600秒以下、好ましくは60秒以上300秒以下である。
二色性色素として二色性有機染料を用いる場合、染色槽に収容される処理液には、二色性有機染料を含有する水溶液を用いることができる。当該水溶液における二色性有機染料の含有量は通常、水100質量部あたり1×10-4質量部以上10質量部以下であり、好ましくは1×10-3質量部以上1質量部以下である。染色槽には染色助剤等を共存させてもよく、例えば、硫酸ナトリウム等の無機塩や界面活性剤等を含有させてもよい。二色性有機染料は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。フィルムを浸漬するときの染色槽に収容される処理液の温度は、例えば20℃以上80℃、好ましくは30℃以上70℃以下であり、フィルムの浸漬時間は、通常30秒以上600秒以下、好ましくは60秒以上300秒以下である。
(3)架橋工程S30
染色工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを架橋剤で処理する架橋処理は、架橋による耐水化や色相調整等の目的で行う処理であり、具体的には、架橋剤を含有する架橋槽に収容される処理液に染色工程後のフィルムを浸漬させる処理であることができる。当該フィルムは、1つの架橋槽に浸漬されてもよいし、2以上の架橋槽に順次浸漬されてもよい。架橋処理時に一軸延伸処理を行ってもよい。
架橋剤としては、ホウ酸、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を挙げることができ、ホウ酸が好ましく用いられる。2種以上の架橋剤を併用することもできる。架橋槽に収容される処理液におけるホウ酸の含有量は通常、水100質量部あたり0.1質量部以上15質量部以下であり、偏光子の収縮力の観点から好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
二色性色素がヨウ素の場合、架橋槽に収容される処理液は、ホウ酸に加えてヨウ化物を含有することが好ましい。架橋槽に収容される処理液におけるヨウ化物の含有量は通常、水100質量部あたり0.1質量部以上15質量部以下であり、好ましくは5質量部以上12質量部以下である。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛等が挙げられる。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等を架橋槽に共存させてもよい。
フィルムを浸漬するときの架橋槽に収容される処理液の温度は、通常50℃以上85℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下であり、フィルムの浸漬時間は、通常10秒以上600秒以下、好ましくは20秒以上300秒以下である。
架橋工程S30では、架橋槽は2槽以上あってもよい。この場合、各架橋槽に収容される処理液の組成および温度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。架橋槽に収容される処理液は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させる目的に応じた架橋剤及びヨウ化物等の濃度や、温度を有していてもよい。架橋による耐水化のための架橋処理および色相調整(補色)のための架橋処理を、それぞれ複数の工程(例えば複数の槽)で行ってもよい。
一般に、架橋による耐水化のための架橋処理および色相調整(補色)のための架橋処理の双方を実施する場合、色相調整(補色)のための架橋処理を実施する槽(補色槽)が後段に配置される。補色槽に収容される処理液の温度は、例えば10℃以上55℃以下であり、好ましくは20℃以上50℃以下である。補色槽に収容される処理液における架橋剤の含有量は、水100質量部あたり、例えば1質量部以上5質量部以下である。補色槽に収容される処理液におけるヨウ化物の含有量は、水100質量部あたり、例えば3質量部以上30質量部以下である。
上述のように、偏光子の製造にあたり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、膨潤工程S10の前から架橋工程S30までのいずれか1または2以上の段階で一軸延伸処理される(延伸工程、図1)。二色性色素の染色性を高める観点から、染色工程に供されるフィルムは、少なくともある程度の一軸延伸処理を施したフィルムであることが好ましく、または染色処理前の一軸延伸処理の代わりに、あるいは染色処理前の一軸延伸処理に加えて、染色処理時に一軸延伸処理を行うことが好ましい。
一軸延伸処理は、空中で延伸を行う乾式延伸、槽中で延伸を行う湿式延伸のいずれであってもよく、これらの双方を行ってもよい。一軸延伸処理は、2つのニップロール間に周速差をつけて縦一軸延伸を行うロール間延伸、熱ロール延伸、テンター延伸等であることができるが、好ましくはロール間延伸を含む。原反フィルムを基準とする延伸倍率(2以上の段階で延伸処理を行う場合にはそれらの累積延伸倍率)は、3倍以上8倍以下程度である。良好な偏光特性を付与するために、延伸倍率は、好ましくは4倍以上、より好ましくは5倍以上とされる。
架橋工程S30を経ることにより、得られる偏光子にはホウ素成分が含まれる。このホウ素成分の含有量が少ないほど、収縮力は小さくすることができる傾向がある。ホウ素成分の含有量を少なくするためには、架橋槽の処理液におけるホウ酸含有量を低くしたり、架橋槽における浸漬時間を短くすればよい。
(4)洗浄工程S40
本工程における洗浄処理は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した余分な架橋剤や二色性色素等の薬剤を除去する目的で必要に応じて実施される処理であり、水を含有する洗浄液を用いて架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄する処理である。具体的には、洗浄槽に収容される処理液(洗浄液)に架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させる処理であることができる。当該フィルムは、1つの洗浄槽に浸漬されてもよいし、2以上の洗浄槽に順次浸漬されてもよい。あるいは、洗浄処理は、架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して洗浄液をシャワーとして噴霧する処理であってもよく、上記の浸漬と噴霧とを組み合わせてもよい。
洗浄液は、水(例えば純水)であることができる他、アルコール類のような水溶性有機溶媒を添加した水溶液であってもよい。洗浄液の温度は、例えば5℃以上40℃以下程度であることができる。
洗浄工程S40は任意の工程であり省略されてもよく、好ましくは、洗浄工程S40を行った後のフィルムに対して乾燥工程S50を行う。
(5)乾燥工程S50
乾燥工程S50は、洗浄工程S40後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを乾燥させるためのゾーンである。洗浄工程S40後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを引き続き搬送させながら、乾燥工程S50に当該フィルムを導入することによって乾燥処理を施すことができ、これにより偏光子が得られる。
乾燥処理は、フィルムの乾燥手段(加熱手段)を用いて行われる。乾燥手段の好適な一例は乾燥炉である。乾燥炉は、好ましくは炉内温度を制御可能なものである。乾燥炉は、例えば、熱風の供給等により炉内温度を高めることができる熱風オーブンである。また乾燥手段による乾燥処理は、凸曲面を有する1または2以上の加熱体に洗浄工程S40後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを密着させる処理や、ヒーターを用いて該フィルムを加熱する処理であってもよい。
上記加熱体としては、熱源(例えば、温水等の熱媒や赤外線ヒーター)を内部に備え、表面温度を高めることができるロール(例えば熱ロールを兼ねたガイドロール)を挙げることができる。上記ヒーターとしては、赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を挙げることができる。
乾燥処理の温度(例えば、乾燥炉の炉内温度、熱ロールの表面温度等)は、通常30℃以上100℃以下であることが好ましい。乾燥時間は特に制限されないが、例えば30秒以上600秒以下である。
(6)第1アニール工程S60
偏光子の収縮力を低くすることを目的として、乾燥工程S50における乾燥温度を高くするか、または長くすることによって、第1アニール工程S60とすることができる。
第1アニール工程における加熱温度は例えば80℃以上100℃以下であってよい。加熱温度は高い方が偏光子を低収縮化し易い傾向にある。
加熱時間は、例えば30秒以上600秒以下である。加熱時間は長い方が偏光子を低収縮化し易い傾向にある。
加熱は、例えば通常の加熱炉を用いて行うことができる。加熱炉の例としては、温度制御可能な熱風オーブンや赤外線ヒーター等であってよい。
以上の工程を経て、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向されている偏光子を得ることができる。
得られた偏光子は、例えば、そのまま次の偏光板作製工程(偏光子の片面または両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼合する工程)に搬送することもできる。
[第1熱可塑性樹脂フィルム]
第1熱可塑性樹脂フィルム102は23℃における弾性率(以下、単に「弾性率」ともいう)が3000N/m以下である。一般に、第1熱可塑性樹脂フィルム102の弾性率は高い方がクラックが発生しにくい傾向にある。これは第1熱可塑性樹脂フィルム102の弾性率が高い場合、偏光子が収縮した場合であっても、応力が発生しにくい傾向にあるからであると推定される。しかしながら、本発明によれば、第1熱可塑性樹脂フィルム102の弾性率が3000N/m以下である場合でも、上述の通り、偏光子101の収縮率を低くすることにより、クラックの発生を抑制し易くすることができる。本発明では、弾性率は、23℃における値を採用することができる。第1熱可塑性樹脂フィルム102の弾性率は、後述する実施例の欄において説明する測定方法により求められる。第1熱可塑性樹脂フィルム102の弾性率は通常、1000N/m以上であり、例えば1500N/m以上であってよい。
第1熱可塑性樹脂フィルム102としては、例えば鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)や環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂等からなる透明樹脂フィルムが挙げられる。中でも、光学耐光性及び寸法安定性の観点から好ましくは(メタ)アクリル系樹脂フィルムまたは環状ポリオレフィン系(COP)樹脂フィルムである。特に環状ポリオレフィン系(COP)樹脂フィルムは弾性率が低いため、環状ポリオレフィン系(COP)樹脂フィルムを第1熱可塑性樹脂フィルム102として用いる場合、本発明の偏光板は有効な傾向にある。一般に、環状ポリオレフィン系樹脂から構成されるフィルムは弾性率が低いため、このフィルムを含む偏光板は、異形部周辺にクラックが発生し易い傾向にある。しかしながら、本発明によれば、第1熱可塑性樹脂フィルム102がこのような環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムであっても、異形部周辺にクラックが発生しにくい傾向にある。
第1熱可塑性樹脂フィルム102の厚みは、偏光板100の薄型化の観点から薄いことが好ましいが、薄すぎると強度が低下して加工性に劣る傾向があることから、好ましくは5μm以上150μm以下、より好ましくは5μm以上100μm以下、さらに好ましくは10μm以上50μm以下である。
第1熱可塑性樹脂フィルム102は、保護フィルムとしての機能を有していてよい。また、第1熱可塑性樹脂フィルム102と後述する第2熱可塑性樹脂フィルム103のいずれか一方または両方は、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記材料からなる透明樹脂フィルムを延伸(一軸延伸または二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
偏光板100が画像表示装置に配置される場合、偏光板100は、第1熱可塑性樹脂フィルム102が画像表示装置の外側となるように、画像表示装置に貼合することができる。
第1熱可塑性樹脂フィルム102及び後述する第2熱可塑性樹脂フィルム103はハードコート層が形成されたものであってよい。ハードコート層は、熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、両方の面に形成されていてもよい。ハードコート層を設けることにより、硬度及びスクラッチ性を向上させた熱可塑性樹脂フィルムとすることができる。ハードコート層は、例えば紫外線硬化型樹脂の硬化層である。紫外線硬化型樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。ハードコート層は、強度を向上させるために、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は限定されることはなく、無機系微粒子、有機系微粒子、又はこれらの混合物が挙げられる。
[第2熱可塑性樹脂フィルム]
第2熱可塑性樹脂フィルム103は、第1熱可塑性樹脂フィルム102の説明において例示したフィルムと同種であってもよいし、異種であってもよい。偏光板100が、第2熱可塑性樹脂フィルム103が背面側に配置されるように画像表示装置に用いられる場合、第2熱可塑性樹脂フィルム103は、弾性率が3000N/m以下であってもよいし、弾性率が3000N/mを超えるものであってもよい。
第2熱可塑性樹脂フィルム103としては、熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;またはこれらの混合物、共重合物等からなる透明樹脂フィルムであることができる。
第2熱可塑性樹脂フィルム103は、保護フィルムとしての機能を有していてよい。偏光板100が画像表示装置に配置される場合、偏光板100は、第2熱可塑性樹脂フィルム103が画像表示装置側となるように、画像表示装置に貼合することができる。
[偏光板のその他の構成要素]
(1)光学機能性フィルム
偏光板100は、所望の光学機能を付与するための、偏光子101以外の他の光学機能性フィルムを備えることができ、その好適な一例は位相差フィルムである。
上述のように、第1熱可塑性樹脂フィルム102及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム103が位相差フィルムを兼ねることもできるが、これらのフィルムとは別途に位相差フィルムを積層することもできる。後者の場合、位相差フィルムは、粘着剤層や接着剤層を介して第1熱可塑性樹脂フィルム102及び/又は第2熱可塑性樹脂フィルム103の外面に積層することができる。
位相差フィルムとしては、透光性を有する熱可塑性樹脂の延伸フィルムから構成される複屈折性フィルム;ディスコティック液晶又はネマチック液晶が配向固定されたフィルム;基材フィルム上に上記の液晶層が形成されたもの等が挙げられる。
基材フィルムは通常、熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、熱可塑性樹脂の一例は、トリアセチルセルロース等のセルロースエステル系樹脂である。
偏光板100に含まれ得る他の光学機能性フィルム(光学部材)の例は、集光板、輝度向上フィルム、反射層(反射フィルム)、半透過反射層(半透過反射フィルム)、光拡散層(光拡散フィルム)等である。これらは一般的に、偏光板が液晶セルの背面側(バックライト側)に配置される偏光板である場合に設けられる。
(2)粘着剤層
偏光板100は、粘着剤層を設けることにより粘着層付き偏光板とすることができる。粘着剤層としては、偏光板100を液晶セル、有機EL表示素子等の画像表示素子、又は他の光学部材に貼合するための粘着剤層が挙げられる。該粘着剤層は、図6に示される構成の偏光板100においては第2熱可塑性樹脂フィルム103の外面に積層することができる。
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂や、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂等をベースポリマーとするものを用いることができる。中でも、透明性、粘着力、信頼性、耐候性、耐熱性、リワーク性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。
(メタ)アクリル系粘着剤には、メチル基やエチル基やn−、i−又はt−ブチル基等の炭素数が20以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとを、ガラス転移温度が好ましくは25℃以下、より好ましくは0℃以下となるように配合した、重量平均分子量が10万以上の(メタ)アクリル系樹脂がベースポリマーとして有用である。
偏光板への粘着剤層の形成は、例えば、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤に粘着剤組成物を溶解又は分散させて粘着剤液を調製し、これを偏光板の対象面に直接塗工して粘着剤層を形成する方式や、離型処理が施されたセパレートフィルム上に粘着剤層をシート状に形成しておき、それを偏光板の対象面に移着する方式等により行うことができる。
粘着剤層の厚みは、その接着力等に応じて決定されるが、1μm以上50μm以下の範囲が適当であり、好ましくは2μm以上40μm以下である。
偏光板は、上記のセパレートフィルムを含み得る。セパレートフィルムは、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等からなるフィルムであることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムが好ましい。
粘着剤層は、必要に応じて、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉や他の無機粉末からなる充填剤、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を含むことができる。
帯電防止剤としては、例えば、イオン性化合物、導電性微粒子、導電性高分子等を挙げることができるが、イオン性化合物が好ましく用いられる。
イオン性化合物を構成するカチオン成分は無機カチオンでも有機カチオンでもよい。
有機カチオンとしては、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン等が挙げられ、無機カチオンとしてはリチウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。
一方、イオン性化合物を構成するアニオン成分としては、無機アニオンでも有機アニオンでもよいが、帯電防止性能に優れるイオン性化合物を与えることから、フッ素原子を含むアニオン成分が好ましい。フッ素原子を含むアニオン成分としては、ヘキサフルオロホスフェートアニオン[(PF )]、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン[(CFSO]アニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン[(FSO]アニオン等が挙げられる。
(3)プロテクトフィルム
偏光板100は、その表面(典型的には、第1熱可塑性樹脂フィルム102又は第2熱可塑性樹脂フィルム103の表面)を保護するためのプロテクトフィルムを含むことができる。プロテクトフィルムは、例えば画像表示素子や他の光学部材に偏光板が貼合された後、それが有する粘着剤層ごと剥離除去される。
プロテクトフィルムは、例えば、基材フィルムとその上に積層される粘着剤層とで構成される。粘着剤層については上述の記述が引用される。
基材フィルムを構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンのようなポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の熱可塑性樹脂であることができる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂である。
<偏光板の製造方法>
偏光板100の製造方法は、偏光子を準備する工程であって、第1アニール工程を含む準備工程と、偏光子と第1熱可塑性樹脂フィルムとを貼合する貼合工程と、第2アニール工程と、偏光板の外縁部に凹状部を設けるか、又は面内に貫通孔を設ける異形加工工程とを含むことができる。また、異形加工工程は、偏光板の外縁部に凹状部及び面内に貫通孔をいずれも設ける工程であってもよい。
偏光板100が第2熱可塑性樹脂フィルム103をさらに含む場合には、上記製造方法は、偏光子101の他方の面に第2熱可塑性樹脂フィルム103を貼合する第2貼合工程をさらに含むことができる。
[準備工程]
準備工程は、上述の偏光子の製造方法について述べた工程を含むことができる。本発明の偏光板の製造方法は、準備工程は第1アニール工程を含むことができる。
[貼合工程]
貼合工程では、偏光子101の両面に接着剤を介して熱可塑性樹脂フィルムをそれぞれ貼合(積層)することができる。偏光子101と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に用いる接着剤としては、紫外線硬化性接着剤等の活性エネルギー線硬化性接着剤や、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液又はこれに架橋剤が配合された水溶液、ウレタン系エマルジョン接着剤等の水系接着剤を挙げることができる。偏光子101の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼合する場合、2つの接着剤層を形成する接着剤は同種であってもよいし、異種であってもよい。例えば、両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼合する場合、片面は水系接着剤を用いて貼合し、もう片面は活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて貼合してもよい。紫外線硬化型接着剤は、ラジカル重合性の(メタ)アクリル系化合物と光ラジカル重合開始剤の混合物や、カチオン重合性のエポキシ化合物と光カチオン重合開始剤の混合物等であることができる。また、カチオン重合性のエポキシ化合物とラジカル重合性の(メタ)アクリル系化合物とを併用し、開始剤として光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤を併用することもできる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、貼合後、活性エネルギー線を照射することによって接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線(紫外線)が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好ましく用いられる。
偏光子101と熱可塑性樹脂フィルムとの接着性を向上させるために、偏光子101と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に先立ち、偏光子101および/または熱可塑性樹脂フィルムの貼合面に、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、プライマー塗布処理、ケン化処理等の表面処理を施してもよい。
本発明の偏光板100は、上述のとおり、単層フィルムである偏光子101に熱可塑性樹脂フィルムを貼合することによって作製することもできるが、この方法に限らない。例えば特開2009−98653号公報に記載されるような、基材フィルムを利用する方法によっても作製することができる。後者の方法は薄膜の偏光子(偏光子層)を有する偏光板を得るのに有利であり、例えば次の工程を含むことができる。
基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工した後、乾燥させることによりポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程、
積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程、
延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光子層(偏光子に相当)を形成することにより偏光性積層フィルムを得る染色工程、
偏光性積層フィルムの偏光子層上に接着剤を用いて熱可塑性樹脂フィルムを貼合して貼合フィルムを得る第1貼合工程、
貼合フィルムから基材フィルムを剥離除去して片面熱可塑性樹脂フィルム付偏光板を得る剥離工程。
偏光子101層(偏光子)の両面に熱可塑性樹脂フィルムを積層する場合には、さらに片面第1熱可塑性樹脂フィルム付偏光板の偏光子面に接着剤を用いて第2熱可塑性樹脂フィルムを貼合する第2貼合工程を含む。
基材フィルムを利用する上記方法においては、偏光性積層フィルムを得る染色工程(例えば、偏光性積層フィルムを得る染色工程中の架橋工程後または洗浄工程後)に乾燥工程を含ませることができる。上記偏光性積層フィルム、片面熱可塑性樹脂フィルム付の偏光板、および第2貼合工程を経て得られる両面熱可塑性樹脂フィルム付の偏光板に含まれる偏光子またはこれらから単離される偏光子もまた、本発明に属する偏光子である。
[異形加工工程]
偏光板100は、長尺の偏光板を、枚葉状に切り出して枚葉状偏光板を得、この枚葉状偏光板の外縁部に凹状部を設けるか、又は面内に貫通孔を設けることにより得ることができる。また、偏光板の外縁部に凹状部及び面内に貫通孔をいずれも設けることもできる。枚葉状偏光板の外縁部に凹状部を設ける方法や面内に貫通孔を設ける方法の具体例としては、例えば枚葉状偏光板を、凹状部を有する外縁部となるようにトムソン刃を用いて打抜く方法や、枚葉状偏光板の端面をルーターを用いて切削加工する方法、ドリル等の回転切削具を用いて穿孔加工を行う方法等が挙げられる。異形加工を行う際、枚葉状偏光板は、単独であってもよいし、複数枚摘み重ねた積層体としてもよい。本発明の偏光板の製造方法は、貼合工程後の長尺状の偏光板か、枚葉状の偏光板か、又はこれを異形加工したのちの偏光板にアニール処理を施す第2アニール工程を含んでいてもよい。
[第2アニール工程]
第2アニール工程における加熱温度は例えば65℃以上110℃以下であってよく、好ましくは70℃以上100℃以下である。加熱温度は高い方が偏光子を低収縮化し易い傾向にある。
加熱時間は、例えば3時間以上96時間以下であってよく、好ましくは12時間以上72時間以下である。加熱時間は長い方が偏光子を低収縮化し易い傾向にある。
第2アニール工程後、第2熱可塑性樹脂フィルム103側に粘着剤層を形成する工程を行ってよい。粘着剤層を構成する粘着剤としては、(メタ)アクリル系粘着剤、スチレン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、エポキシ系共重合体粘着剤等を用いることができる。
<画像表示装置>
偏光板は、画像表示装置に用いることができる。画像表示装置に用いる画像表示素子としては、例えば液晶表示素子、有機EL表示素子等が挙げられる。液晶表示装置を構築するにあたって偏光板は、視認側に配置される偏光板に用いられてもよいし、バックライト側に配置される偏光板に用いられてもよいし、視認側およびバックライト側の双方の偏光板に用いられてもよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記のない限り、質量%及び質量部である。試験及び測定は以下のようにして行った。
[収縮力の測定]
各実施例及び比較例において得られた偏光板を10cm×5cmの小片に切り出し、溶剤600mLに浸漬させて、室温にて30分間超音波処理を行い、貼合されていた第1熱可塑性樹脂フィルム及び第2熱可塑性樹脂フィルムを溶解除去した。
なお、第1熱可塑性樹脂フィルムおよび第2熱可塑性樹脂フィルムが共に環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム(COPフィルム)である場合には、溶剤としてシクロヘキサンを用いて溶解除去した。
第1熱可塑性樹脂フィルムおよび第2熱可塑性樹脂フィルムが共にトリアセチルセルロース系樹脂からなるフィルム(TACフィルム)である場合には溶剤として二塩化メチレンを用いて溶解除去した。
第1熱可塑性樹脂フィルムがCOPフィルムであり、第2熱可塑性樹脂フィルムがTACフィルムである場合や、第1熱可塑性樹脂フィルムがTACフィルムであり、第2熱可塑性樹脂フィルムがCOPフィルムである場合には、溶剤として二塩化メチレンを用いてTACフィルムの溶解除去行った後に、溶剤としてシクロヘキサンを用いてCOPフィルムの溶解除去を行って、第1熱可塑性樹脂フィルムおよび第2熱塑性樹脂フィルムを溶解除去した。
第1熱可塑性樹脂フィルム及び第2熱可塑性樹脂フィルムが除去された偏光フィルムから吸収軸方向(延伸方向)を長辺とする幅2mm、長さ10mmのMD収縮力測定用試料を切り出した。この試料を熱機械分析装置(TMA)「TMA7100」((株)日立ハイテクサイエンス製)にセットし、寸法を一定に保持したまま、80℃で4時間保持したときに発生する長辺方向(吸収軸方向、MD)の収縮力を測定した。
[弾性率の測定]
各熱可塑性樹脂フィルムから長辺110mm×短辺10mmの長方形の小片をスーパーカッター用いて切り出した。次いで、引張試験機〔(株)島津製作所製 オートグラフ AG−Xplus試験機〕の上下つかみ具で、つかみ具の間隔が5cmとなるように上記測定用サンプルの長辺方向両端を挟み、23℃、相対湿度55%の環境下、引張速度4mm/分で測定用サンプルを測定用サンプルの長さ方向に引張り、得られる応力−ひずみ曲線における20〜40MPa間の直線の傾きから、23℃、相対湿度55%での引張弾性率〔MPa〕を算出した。
[熱衝撃試験]
各実施例及び比較例において得られた偏光板を、エタノールにて表面を美掃した無アルカリガラス(コーニング製イーグルXG、120×200×0.7mm)の該表面に貼合し、その後、50℃にてオートクレーブ処理を行った。これを評価用サンプルとした。
熱衝撃試験槽に、評価用サンプルを投入し、−40℃及び85℃の熱刺激を各30分のサイクルで与えた。低温から高温への熱刺激を1サイクルとし、各サンプルにつき50サイクルずつ合計400サイクルの試験を行った。
[クラック評価]
上記熱衝撃試験において50サイクル毎に評価用サンプルのクラックの発生及び生長をルーペ又は光学顕微鏡を用いて観察を行った。特に、異形部周辺に関しては詳細に観察を行った。クラックは、その発生位置と長さを計測し、0.3mm以上のクラックが発生した場合、熱衝撃試験を中止した。
[偏光板の作製]
偏光板は、プロテクトフィルム〔ポリエチレン(PE)フィルム〕/第1熱可塑性樹脂フィルム〔ハードコート層付き斜め延伸環状ポリオレフィン系樹脂(COP)フィルム(ZD+HCフィルム)、厚み13μm、弾性率約2500MPa〕/偏光子〔一軸延伸ポリビニールアルコール(PVA)フィルム〕/第2熱可塑性樹脂フィルム(COPフィルム、厚み13μm、弾性率約2000MPa)の構成を有した。
上記偏光板は、1)偏光子の作製過程において、乾燥温度を上昇させることによりあらかじめ収縮力を低くする原反作製工程(準備工程)、2)作製した偏光板をシート形状に切り出し、一部のサンプルについてはアニール処理により低収縮化を行ったうえで、(対画像表示パネル)粘着剤を貼合する加工・貼合工程(加工工程)、3)偏光板シートを異形形状に打ち抜き、端部を研磨する加工工程(異形加工工程)をこの順で行うことにより製造した。
1.原反作製工程
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ20μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素:ヨウ素カリウム:水の質量比が0.02:2:100の水溶液に28℃で浸漬してヨウ素染色を行った(以下、ヨウ素染色工程ともいう。)。ヨウ素染色工程を経たポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ化カリウム:ホウ酸:水の質量比が12:5:100の水溶液に64℃で浸漬してホウ酸処理を行った(以下、ホウ酸処理工程ともいう)。ホウ酸処理工程を経たポリビニルアルコールフィルムを7℃の純水で洗浄した後、85℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子(延伸後の厚さ8μm)を得た。この際、ヨウ素染色工程とホウ酸処理工程において延伸を行った。
得られた偏光子に、ハードコートされたシクロオレフィン系樹脂フィルム(厚み28μm)を、水系接着剤を介して、セルロース系樹脂フィルム(厚み60μm)を、水を介してニップロールで貼り合わせた。得られた貼合物の張力を400N/mに保ちながら、80℃で2分間乾燥した後に、セルロース系樹脂フィルムをデラミネーションし、シクロオレフィン系樹脂フィルム(厚み13μm)を、エネルギー硬化型接着剤を介して貼合し、UV光照射をすることにより、両面に保護フィルムを有する偏光板を得た。偏光板表面にPET基材に粘着剤がついたプロテクトフィルムを表面処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムの表面処理された表面にPET基材の粘着剤面と合うように貼り合わせた。プロテクトフィルム付き偏光板を得た。
2.加工・貼合工程
原反作製工程において作製した長尺の偏光板を一定のサイズ(250mm×330mm)に切り出した。偏光板の両側を無塵紙で挟み、さらにその外側からアクリル板で挟みこみ、固定した。これを3セット用意し、それぞれ(1)90℃、Dry、48時間、(2)温度80℃、Dry 48時間、(3)温度22℃、湿度55%にて静置、又は加熱し、偏光板(1)、(2)、(3)を得た。(2)、(3)のサンプルは加熱後1晩静置した。偏光板(1)、(2)及び(3)における偏光子の収縮力はそれぞれ、0.59N、0.70N及び0.86Nであった。
得られた偏光板の第2熱可塑性樹脂フィルム(パネル側保護膜)面にコロナ処理をし、(対画像表示パネル)粘着剤フィルムを貼合した。
3.異形加工
完成した偏光板シート(250×330mm)を、トムソン刃を用いて図8に示す偏光板300の形状に打ち抜き、これをおよそ10mmの厚みに積層した。この偏光板の束の上下を同じくトムソン刃で打ち抜いた同形状のPS(ポリスチレン)シート1枚ずつを用いて挟み、端部から300μmをルーターにより研磨し、図8に示す形状の偏光板を得た。角丸部分302、303、304の曲率半径はそれぞれ5.0mm、6.0mm、4.0mmであり、角部分305は直角であった。凹状部301は、幅32.0mm、深さ5.3mmであった。外側角丸部306、307、内側角丸部308、309の曲率半径はそれぞれ、2.5mm、2.0mm、2.3mm、2.5mmであった。凹状部310は、幅5.0mm、深さ7.3mmであり、角丸部311の曲率半径は2.5mm、凹状部301と偏光板の重心312との最短距離313は64.7mm、凹状部310と偏光板の重心312との最短距離314は62.7mmであった。
<実施例1及び2、比較例1>
実施例1、2及び比較例1においてそれぞれ、上記偏光板(1)、(2)、(3)を5枚ずつ用いて加熱試験を行い、光抜け測定を行った。結果を以下の表1に示す。
Figure 2020126275
表1に示される通り、本発明による偏光板は、熱衝撃試験において150サイクル実施後もクラックが発生しなかった。
10,20,40,100,300 偏光板、11,12,41,301,310 凹上部、302,303,304,305 角、13,306,307 外側角部分 14,15,308,309,311 内側角部分、312 重心、313,314 最短距離、21 貫通孔、42 長辺、43 中点、101 偏光子、102 第1熱可塑性樹脂フィルム、103 第2熱可塑性樹脂フィルム

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含む偏光子と、その一方の面に設けられた第1熱可塑性樹脂フィルムとを含む偏光板であって、
    前記偏光子の吸収軸方向の幅2mmあたりの収縮力が0.7N以下であり、
    前記第1熱可塑性樹脂フィルムの23℃における弾性率は3000N/m以下であり、
    前記偏光板は、平面視において、外縁部に凹状部を有し、
    前記凹状部を構成する外側角部分は、曲率半径が0.1mm以上5mm以下の角丸形状であるか、又は前記凹状部は、平面視においてU字型であり、その凹みの深さが0.5mm以上8mm以下であり、内側角部分の曲率半径が0.5mm以上10mm以下である、偏光板。
  2. 第1熱可塑性樹脂フィルムが、アクリル系樹脂フィルムまたは環状ポリオレフィン系(COP)樹脂フィルムである、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記偏光子の他方の面に設けられた第2熱可塑性樹脂フィルムをさらに含む、請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板と、該偏光板の第1熱可塑性樹脂フィルム側に設けられた粘着剤層とを有する、粘着層付き偏光板。
  5. 前記粘着剤層は、前記偏光板を画像表示素子に貼合するためのものである、請求項4に記載の粘着剤付き偏光板。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板を含む画像表示装置。
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