JP2020125385A - 潤滑組成物および転がり軸受 - Google Patents

潤滑組成物および転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2020125385A
JP2020125385A JP2019017283A JP2019017283A JP2020125385A JP 2020125385 A JP2020125385 A JP 2020125385A JP 2019017283 A JP2019017283 A JP 2019017283A JP 2019017283 A JP2019017283 A JP 2019017283A JP 2020125385 A JP2020125385 A JP 2020125385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating composition
rolling bearing
solid lubricant
lubricating
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019017283A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7148426B2 (ja
Inventor
美和 佐藤
Yoshikazu Sato
美和 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=72083540&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2020125385(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2019017283A priority Critical patent/JP7148426B2/ja
Publication of JP2020125385A publication Critical patent/JP2020125385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7148426B2 publication Critical patent/JP7148426B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】高温大気下でも潤滑機能を長時間維持でき、軸受寿命に優れる潤滑組成物、およびその潤滑組成物が封入された転がり軸受を提供する。【解決手段】潤滑組成物7は、フッ素油を主成分とし、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、およびグラファイトから選ばれる固体潤滑剤を含む潤滑組成物であって、潤滑組成物7は、固体潤滑剤を増ちょう剤として含む、ペースト状組成物であり、フッ素油の40℃における動粘度が700mm2/s以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば300〜500℃の高温大気中で用いられる潤滑組成物、および該潤滑組成物を封入した転がり軸受に関する。
各種産業機械や車両などに組み込まれる転がり軸受には、潤滑性を付与するために潤滑組成物(グリースや潤滑油など)が封入されている。潤滑組成物は、転がり軸受の使用条件によって要求特性が異なり、高温条件下で使用される潤滑組成物には耐熱性などが要求される。
例えば、高温大気中で使用されるテンタークリップ用転がり軸受には、耐熱性を考慮してフッ素樹脂を増ちょう剤とするフッ素グリースが広く使用されている。また、固体潤滑剤などを添加剤として配合することも行われている。特許文献1に記載のフッ素グリースは、フッ素油と、増ちょう剤であるポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と、二硫化モリブデンなどの所定の添加剤とを含有する。フッ素グリースに所定の添加剤を加えることで、金属に対する親和性が強いエステル油が軸受内部に侵入するような環境下でも、フッ素グリースの漏出の抑制を図っている。
特許文献2では、高温環境下で使用されるネジ部品などの焼き付き防止を目的として、固体の塗膜を形成する潤滑塗料組成物が提案されている。この潤滑塗料組成物は、固体成分と有機溶剤からなり、該固体成分が、金属元素によってポリカルボシラン骨格が架橋結合された有機ケイ素ポリマーと、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、グラファイト、雲母の少なくとも1種からなる固体潤滑剤とを含有している。
また、特許文献3では、フッ素グリースが使用できない高温域でも使用可能な転がり軸受として、黒鉛などの固体潤滑剤を焼成した部材を具備する固体潤滑転がり軸受が提案されている。
特許第4277521号公報 特許第5763494号公報 特許第6196514号公報
近年、各種産業機械の高速化、高性能化などにより、転がり軸受が使用される条件がますます過酷なものとなっている。そのため、例えば300℃以上といった極めて高温の条件下でも使用可能な潤滑組成物が求められている。
上記特許文献1に記載のフッ素グリースは、300℃付近になると分解するため、それ以上の高温域では使用が困難である。添加剤として耐熱性のある固体潤滑剤を配合したとしても配合割合が少なく、グリース劣化後に潤滑し続けることは困難である。また、上記特許文献2に記載の潤滑塗料組成物は、固体成分として有機ケイ素ポリマーを含有している。しかし、このような有機ケイ素ポリマーを含有した潤滑組成物を転がり軸受に封入した例はなく、転がり軸受に封入される潤滑組成物として好適な組成にはなっていない。また、上記特許文献3に記載の300℃以上の高温域で使用可能な固体潤滑転がり軸受は、汎用的な転がり軸受とは異なり固体潤滑剤の粉末を焼成した部材を組み込んだ特殊形状のため、製造コストが高くなることが懸念される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温大気条件下でも潤滑機能を長時間維持でき、軸受寿命に優れる潤滑組成物、およびその潤滑組成物が封入された転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の潤滑組成物は、フッ素油を主成分とし、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、およびグラファイトから選ばれる少なくとも1つの固体潤滑剤を含む潤滑組成物であって、上記潤滑組成物は、上記固体潤滑剤を増ちょう剤として含むペースト状組成物であり、上記フッ素油の40℃における動粘度が700mm/s以上であることを特徴とする。ここで、フッ素油を主成分とするとは、潤滑組成物全体に対するフッ素油の含有量(質量%)が50質量%以上であることを意味する。
上記固体潤滑剤が二硫化モリブデンであることを特徴とする。また、上記潤滑組成物は、該潤滑組成物全体に対して上記固体潤滑剤を10〜30質量%含み、該固体潤滑剤以外の残部が上記フッ素油であることを特徴とする。
上記フッ素油の40℃における動粘度が1000mm/s以上であることを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、潤滑組成物を封入してなる転がり軸受であって、上記潤滑組成物が、本発明の潤滑組成物であり、上記転がり軸受が、フィルム延伸装置用のテンタークリップに用いられる軸受であることを特徴とする。
本発明の潤滑組成物は、フッ素油を主成分とし、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、およびグラファイトから選ばれる少なくとも1つの固体潤滑剤を増ちょう剤として含むペースト状組成物であり、フッ素油の40℃における動粘度が700mm/s以上である。つまり、耐熱性の高い固体潤滑剤を増ちょう剤として用いるとともに、超高温用フッ素油を基油に用いるので、高温大気中でも分解せずに潤滑組成物として機能し続ける。これにより、例えば300℃以上の高温大気下でも潤滑機能を長時間維持することができ、軸受寿命に優れる。また、本発明の潤滑組成物は、一般的なグリースなどと同じようにペースト状であり、転がり軸受に封入することができるため、製造コストを低減することができる。
本発明の転がり軸受は、本発明の潤滑組成物を封入しているので、高温大気条件下で使用される場合であっても、潤滑機能を維持でき、優れた軸受寿命を発揮することができる。また、フィルム延伸装置用のテンタークリップに使用される軸受は高温(例えば、250℃付近)での使用が想定されるが、本発明の転がり軸受は優れた耐熱性を有するので、この用途に好適である。
テンタークリップの一例を示す図である。 本発明の転がり軸受の一例を示す軸方向断面図である。 フィルム延伸装置の一例を示す斜視図である。 図3の横延伸装置のガイドレールを示す図である。 各基油の熱重量測定の結果を示す図である。
本発明者らは、例えば大気300℃以上の環境でも優れた軸受寿命を得るべく、転がり軸受に封入される潤滑組成物について検討した。その結果、所定の固体潤滑剤を増ちょう剤として用いるとともに、40℃における動粘度が700mm/s以上のフッ素油を基油に用いることで、高温大気条件下でも潤滑性が保持し続けられることを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明の潤滑組成物は、フッ素油を主成分とし、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、およびグラファイトから選ばれる少なくとも1つの固体潤滑剤を含む。本発明の潤滑組成物には、金属せっけんやウレア化合物といった一般的な増ちょう剤が含まれておらず、耐熱性の高い固体潤滑剤を増ちょう剤として所定量配合することでペースト状またはグリース状組成物が得られる。
本発明に用いるフッ素油は、耐熱性に極めて優れるものであり、該フッ素油の動粘度は、40℃において700mm/s以上である。この動粘度は、好ましくは800mm/s以上であり、より好ましくは1000mm/s以上である。撹拌トルクが増大することから、動粘度の上限は1500mm/s以下である。
基油としてのフッ素油は、潤滑組成物全体に対して50〜90質量%含まれることが好ましく、70〜90質量%含まれることがより好ましく、70〜80質量%含まれることがさらに好ましい。
本発明に用いる固体潤滑剤は、潤滑組成物全体に対して10〜40質量%含まれることが好ましく、20〜30質量%含まれることがより好ましい。固体潤滑剤の含有量を10質量%以上とすることで、フッ素油が蒸発した後も摺動面にまんべんなく固体潤滑剤が存在しやすくなり、潤滑機能を維持しやすい。一方、固体潤滑剤の含有量を40質量%以下とすることで、均一分散性が確保され、良好な潤滑機能を発揮しやすくなる。
二硫化モリブデンは、グリースなどの固体潤滑剤として広く用いられている。二硫化モリブデンは、層状格子構造を有し、すべり運動により薄層状に容易にせん断して、摩擦抵抗を低下させることが知られている。二硫化モリブデンとしては、粉末状のものを用いることができる。
窒化ホウ素は、高い熱伝導度、高い機械的安定性、化学的安定性を有する。窒化ホウ素としては、特に限定されないが、例えば六方晶窒化ホウ素を用いることができる。六方晶窒化ホウ素の平均粒径は、特に限定されないが、例えば1〜50μmである。なお、平均粒径はレーザー回析・散乱法で測定される値である。
グラファイトは、固体潤滑剤として優れた特性を有することは周知である。黒鉛は、天然黒鉛と人造黒鉛に大別されるが、いずれも使用できる。また、形状としては、鱗片状、粒状、球状などがあるが、いずれも使用できる。
黒鉛としては、固定炭素97.5%以上の黒鉛の使用が好ましく、さらには、固定炭素98.5%以上の人造黒鉛が好ましい。このような黒鉛は、フッ素油とのなじみ性が高く、表面の一部にフッ素油が付着していなくても黒鉛中に微量に含浸されたフッ素油によって潤滑性が維持される。
本発明に用いる固体潤滑剤は、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、グラファイトのうち、単独でも複数を組み合わせて用いてもよい。これら固体潤滑剤の中でも、後述の実施例で示すように、より長寿命化が図れる二硫化モリブデンを用いることが好ましい。二硫化モリブデンは、他の固体潤滑剤に比べ、摺動面に形成される被膜が維持されやすいと考えられる。
本発明の潤滑組成物は、フッ素油と、所定の固体潤滑剤を必須成分とするが、これら以外に、本発明の目的を損なわない範囲でさらに他の添加剤を配合してもよい。例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗防止剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。ただし、本発明の潤滑組成物として、好ましくは、所定の固体潤滑剤以外の残部がフッ素油からなるものである。
潤滑組成物の混和ちょう度(JIS K 2220)は、200〜350の範囲にあることが好ましい。ちょう度が200未満である場合は、潤滑不良となるおそれがある。一方、ちょう度が350をこえる場合は、潤滑組成物が軟質で軸受外に流出しやすくなり好ましくない。
以上を考慮して、本発明の潤滑組成物のより好ましい形態は、40℃における動粘度が700mm/s以上のフッ素油と、固体潤滑剤である二硫化モリブデンのみで構成され、該二硫化モリブデンが潤滑組成物全体に対して20〜30質量%含まれる組成物である。さらに好ましくは、フッ素油の40℃における動粘度が1000mm/s以上である組成物である。
本発明の転がり軸受が使用されるフィルム延伸装置の一例を図3および図4に示す。図3はフィルム延伸装置の斜視図であり、図4は図3の横延伸装置のガイドレールを示す図である。図3および図4に示すようにフィルム延伸装置は、樹脂を溶融混練する押出機9と、溶融混練した樹脂を原反シートに賦形して押し出すダイヘッド(Tダイ)10と、原反シートを縦方向に延伸する縦延伸機11と、縦方向に延伸されたシートをシート幅方向に延伸する横延伸装置13と、縦、横方向に二軸延伸されたフィルムを引き巻き取る引巻取機14とから構成される。横延伸装置13は、一対の周回するガイドレール12と、該ガイドレール12上を一定の間隔をあけて周回する複数のテンタークリップ15と、シートを加熱する手段とを有する。
図4に示すように、縦延伸されたシートは横延伸装置13において、複数のテンタークリップ15に両端を連続的に挟まれた状態で、熱処理されながら、ガイドレール12の拡幅部12a、12bに沿ってシートの幅方向に延伸され、縦、横両方向に延伸された二軸延伸フィルムとなる。延伸された二軸延伸フィルムは、引巻取機14にて巻き取られる。
テンタークリップ15に用いられる本発明の転がり軸受は、加熱処理を行なう横延伸装置13内において、高温条件に曝される。ここで、テンタークリップの一例の断面図を図1に示す。図1に示すようにテンタークリップ15には、シートの片端16を把持する把持部17と、テンタークリップ本体15aがガイドレール12にガイドされつつ走行可能とするための複数のテンタークリップ用転がり軸受18とが設けられている。テンタークリップ用転がり軸受18が本発明の転がり軸受に相当する。
図1および図4に示すように、テンタークリップ15はガイドレール12に沿って横延伸装置13内を周回する。縦延伸されたシートはガイドレール入口12cでシートの片端16を把持部17で把持され、加熱処理されながらテンタークリップ15の走行によってガイドレール拡幅部12a、12bで横延伸される。この縦延伸かつ横延伸されたシートが二軸延伸フィルムとなる。ガイドレール出口12dにおいて、把持部17は把持状態を解除し、テンタークリップ15はガイドレール12に沿って横延伸装置13の入口に戻る。
テンタークリップ用転がり軸受18は、横延伸装置13内の加熱処理やテンタークリップ15の走行補助のエステル油の噴霧にさらされる。延伸装置内での高温条件下などにおいてエステル油の酸化劣化を防止するため、エステル油にはアミン系添加剤が添加されており、軸受18の外輪とガイドレール12とは、このエステル油によって潤滑される。
本発明の転がり軸受の一例を図2に示す。図2は深溝玉軸受の断面図である。テンタークリップ用転がり軸受として利用される深溝玉軸受1は、外周面に内輪軌道面2aを有する内輪2と内周面に外輪軌道面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪軌道面2aと外輪軌道面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。転動体4は保持器5により保持され、少なくとも転動体4の周囲に本発明の潤滑組成物7が封入されている。シール部材6は、内輪2および外輪3の軸方向両端開口部8a、8bにそれぞれ外輪3などに固定されて設けられる。シール部材6は、潤滑組成物7の漏洩を防止するとともに、走行補助として噴霧されるエステル油の侵入や異物の混入を防止する。
本発明の転がり軸受は、深溝玉軸受の形式に限らず、種々の形式の転がり軸受に適用可能である。例として、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受、円筒ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト針状ころ軸受、円すいころ軸受、スラスト円すいころ軸受、自動調心玉軸受、自動調心ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受、すべり軸受などが挙げられる。
本発明の転がり軸受は、高温条件下でも潤滑機能を長時間維持できるため、特に、高温条件下で使用される転がり軸受に適しており、例えば、フィルム延伸装置に用いられるテンタークリップ用転がり軸受などに適している。
実施例では、基油として、以下に示す基油1〜3を用いた。
・基油1:フッ素油(ケマーズ社製XHT−1000);40℃における動粘度1023mm/s
・基油2:ポリαオレフィン油(新日鉄住金化学社製シンフルード801);40℃における動粘度47mm/s
・基油3:フッ素油(ケマーズ社製GPL105);40℃における動粘度160mm/s
<熱重量測定試験>
上記基油1〜3を用いて熱重量測定試験を実施した。試験は、大気雰囲気下、加速温度10℃/minで、40℃から500℃まで温度を上昇させ、各基油の重量を経時的に測定した。加熱温度における基油の重量減少割合をプロットした図を図5に示す。
図5に示すように、基油2および基油3は、250℃付近から重量減少が始まり、400℃付近ではほとんど蒸発したのに対して、基油1は、350℃付近まで重量減少が生じず、400℃付近でも重量減少は10%未満であった。以上より、基油1のフッ素油が最も耐熱性が高いことが分かった。
<軸受寿命試験>
表1に示す配合組成(質量%)で基油1、基油2、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、グラファイトをそれぞれ混合して潤滑組成物を得た。得られた各潤滑組成物を軸受(NTN社製、SEB608ZZ)に封入して、試験用軸受を得た。
各試験用軸受を試験機に取り付け、下記の条件で軸受寿命試験を実施した。寿命形態は焼き付きであり、寿命到達とともに急激にトルクが上昇する。この試験ではモータの過負荷で試験機が停止するまでの時間(h)を寿命とした。結果を表1に示す。
試験用軸受:SEB608ZZ
軸受寸法 :φ8mm×φ22mm×7mm
アキシアル荷重 :196N(点接触最大面圧:1.7GPa)
回転速度(内輪):1000min−1
温度:350℃
表1に示すように、基油1である動粘度が700mm/s以上のフッ素油と、各固体潤滑剤とを組み合わせた実施例1〜3は、該フッ素油のみ(比較例1)やPAO油のみ(比較例2)よりも、約2倍以上軸受寿命が延長した。実施例1〜3の潤滑組成物には、耐熱性に優れたフッ素油にさらに固体潤滑剤が配合されており、その固体潤滑剤が摺動面で反応膜を形成するため潤滑機能を長時間維持できた。一般的にはフッ素油と比較して、固体潤滑剤の方が耐熱性が高いため、仮にフッ素油が分解または蒸発したとしても、増ちょう剤としての固体潤滑剤が潤滑剤として機能することで軸受の長寿命化につながる。
また、実施例1〜3の中では、固体潤滑剤として二硫化モリブデンを用いた実施例1が最も長寿命となった。二硫化モリブデンよりも窒化ホウ素の方が融点が高いため、一般的には、窒化ホウ素の方が二硫化モリブデンよりも耐熱性に優れると考えられるが、表1では、二硫化モリブデンが最も良い結果となった。
本発明の潤滑組成物は、高温条件下でも潤滑機能を長時間維持でき、軸受寿命に優れるので、例えば、300℃以上の高温条件下でも使用可能である。そのため、高温条件下で使用される転がり軸受に適しており、特に、フィルム延伸装置用のテンタークリップに用いられる転がり軸受の潤滑組成物として好適である。
1 深溝玉軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 潤滑組成物
8a 開口部
8b 開口部
9 押出機
10 Tダイ
11 縦延伸機
12 ガイドレール
13 横延伸装置
14 引巻取機
15 テンタークリップ
15a テンタークリップ本体
16 シートの片端
17 把持部
18 テンタークリップ用転がり軸受

Claims (5)

  1. フッ素油を主成分とし、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、およびグラファイトから選ばれる少なくとも1つの固体潤滑剤を含む潤滑組成物であって、
    前記潤滑組成物は、前記固体潤滑剤を増ちょう剤として含むペースト状組成物であり、
    前記フッ素油の40℃における動粘度が700mm/s以上であることを特徴とする潤滑組成物。
  2. 前記固体潤滑剤が二硫化モリブデンであることを特徴とする請求項1記載の潤滑組成物。
  3. 前記潤滑組成物は、該潤滑組成物全体に対して前記固体潤滑剤を10〜30質量%含み、該固体潤滑剤以外の残部が前記フッ素油であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の潤滑組成物。
  4. 前記フッ素油の40℃における動粘度が1000mm/s以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の潤滑組成物。
  5. 潤滑組成物を封入してなる転がり軸受であって、
    前記潤滑組成物が、請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の潤滑組成物であり、
    前記転がり軸受が、フィルム延伸装置用のテンタークリップに用いられる軸受であることを特徴とする転がり軸受。
JP2019017283A 2019-02-01 2019-02-01 潤滑組成物および転がり軸受 Active JP7148426B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019017283A JP7148426B2 (ja) 2019-02-01 2019-02-01 潤滑組成物および転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019017283A JP7148426B2 (ja) 2019-02-01 2019-02-01 潤滑組成物および転がり軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020125385A true JP2020125385A (ja) 2020-08-20
JP7148426B2 JP7148426B2 (ja) 2022-10-05

Family

ID=72083540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019017283A Active JP7148426B2 (ja) 2019-02-01 2019-02-01 潤滑組成物および転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7148426B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002054637A (ja) * 2000-03-30 2002-02-20 Nsk Ltd 転動装置
JP2004162909A (ja) * 2002-10-22 2004-06-10 Nok Kluber Kk 導電性グリース封入軸受
JP2007203508A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Ntn Corp テンタークリップ用転がり軸受
JP2008179793A (ja) * 2006-12-21 2008-08-07 E I Du Pont De Nemours & Co 金属を潤滑させる方法。
JP2009062464A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Nok Kluber Kk エアゾール組成物
JP2009091464A (ja) * 2007-10-09 2009-04-30 Nok Kluber Kk 潤滑グリース組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002054637A (ja) * 2000-03-30 2002-02-20 Nsk Ltd 転動装置
JP2004162909A (ja) * 2002-10-22 2004-06-10 Nok Kluber Kk 導電性グリース封入軸受
JP2007203508A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Ntn Corp テンタークリップ用転がり軸受
JP2008179793A (ja) * 2006-12-21 2008-08-07 E I Du Pont De Nemours & Co 金属を潤滑させる方法。
JP2009062464A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Nok Kluber Kk エアゾール組成物
JP2009091464A (ja) * 2007-10-09 2009-04-30 Nok Kluber Kk 潤滑グリース組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP7148426B2 (ja) 2022-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4793443B2 (ja) 含油軸受用潤滑剤組成物
KR100900748B1 (ko) 윤활제
JPWO2006051671A1 (ja) 熱可逆性ゲル状の潤滑性を有する組成物及び軸受用潤滑剤及びこれらを用いた軸受システム
WO2004061058A1 (ja) 自動車電装補機用グリース組成物及び前記グリース組成物を封入した転がり軸受
JP6312116B2 (ja) 潤滑剤組成物
WO2016002739A1 (ja) 潤滑剤組成物および潤滑剤組成物封入軸受
JP7148426B2 (ja) 潤滑組成物および転がり軸受
JP2005097513A (ja) 転動装置用フッ素系グリース組成物、及び、転動装置
JP6722379B2 (ja) グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受
JP2020132643A (ja) 潤滑剤組成物および転がり軸受
JP2008255272A (ja) 潤滑油組成物
JP2013035946A (ja) グリースおよび密封軸受
JP2004339245A (ja) グリース組成物及び転動装置
JP2020079363A (ja) 潤滑組成物および転がり軸受
JP2007211874A (ja) 電動式リニアアクチュエータ
RU2524267C1 (ru) Антифрикционная смазка
JP2009191173A (ja) グリース組成物及び転動装置
JP2009203328A (ja) マイクロカプセル含有潤滑剤組成物および転動装置
JP2020106133A (ja) 高温用摺動部材
JP2020122494A (ja) 円すいころ軸受
JP2005105080A (ja) グリース組成物及び転動装置
JP2005220155A (ja) グリース組成物及び転動装置
JP2009203329A (ja) マイクロカプセル含有潤滑剤組成物および転動装置
JP2010155899A (ja) 潤滑剤組成物及び転がり軸受
WO2019082870A1 (ja) グリース封入ころ軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7148426

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157