JP2020125356A - ヘキサフルオロブタジエンの製造方法 - Google Patents
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ンの製造方法としては、例えば、対応するハロゲン化物を金属亜鉛と反応させることによる脱ハロゲン化反応が知られている(例えば、特許文献1参照)。
項1.ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、ヘプタフルオロ-1-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含む原料組成物を抽出溶媒存在下で抽出蒸留して前記追
加的化合物の濃度を減少させる工程
を備える、ヘキサフルオロブタジエンの製造方法。
項2.前記抽出蒸留に使用する抽出溶媒が、含酸素炭化水素及び含ハロゲン炭化水素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒である、項1に記載の製造方法。
項3.ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、ヘプタフルオロ-1-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを分離する方法であって、
ヘキサフルオロブタジエンと、前記追加的化合物とを含む組成物を、抽出溶媒存在下で抽
出蒸留に付す工程
を備える、方法。
項4.前記抽出溶媒が、含酸素炭化水素及び含ハロゲン炭化水素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、項3に記載の方法。
項5.ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、ヘプタフルオロ-1-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含有する組成物であって、前記組成物総量を100モル%と
して、前記追加的化合物の含有量が0.1モル%未満である、組成物。
項6.ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、ヘプタフルオロ-1-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含有する、共沸組成物。
項7.エッチングガス、冷媒、熱移動媒体、発泡剤又は樹脂モノマー用組成物である、項5又は6に記載の組成物。
タジエンを得る製造方法であって、前記組成物を抽出溶媒存在下で抽出蒸留して前記追加的化合物の濃度を減少させる工程を備える。
フルオロ-2-ブテンは1.2℃、ヘプタフルオロ-1-ブテンは20℃、ヘプタフルオロ-2-ブテンは8℃である。これらの物質を通常の蒸留で分離するには多くの段数を有する蒸留塔が必
要であり、実質的には分離は不可能である。分離できる場合についても多量のロスを発生するため、経済的に非効率である。それに対して、本発明では、抽出蒸留により追加的化合物の濃度を減少させ、高濃度のヘキサフルオロブタジエンを得ることができる。
原料組成物は、ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン(CF2=CFCF2CF3)、オクタフルオロ-2-ブテン(CF3CF=CFCF3)、ヘプタフルオロ-1-ブテン(CF2=CFCF2CF2H、CF2=CFCFHCF3、CF2=CHCF2CF3、CFH=CFCF2CF3等)、及びヘプタフルオロ-2-ブテン(CF3CF=CFCF2H、CF3CF=CHCF3等)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含む。
X1CF2-CFX2-CF2-CF2X1 (1)
[式中、X1は同一又は異なって、フッ素原子以外のハロゲン原子を示す。X2はハロゲン原
子を示す。]
で表される化合物の溶液に対して、含窒素化合物を添加する反応工程
を備える方法で合成することもできる。
子、ヨウ素原子等が挙げられる。なかでも、ヘキサフルオロブタジエンをより高収率に得ることができる観点から、塩素原子又はヨウ素原子が好ましい。なお、X1は同一でも異なっていてもよい。
ヨウ素原子等が挙げられる。なかでも、ヘキサフルオロブタジエンをより高収率に得ることができる観点から、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
得ることができる観点から、ClCF2-CFCl-CF2-CF2Iが好ましい。
ルホルムアミド、N,N-ジイソプロピルホルムアミド等のアミド化合物;トリエチルアミン等のアミン化合物;ピリジン、メチルピリジン、N-メチル-2-ピロリドン等のピリジン化
合物;キノリン、メチルキノリン等のキノリン化合物等)を添加して反応を進行することができる。この含窒素化合物は、常温で液体である化合物も含まれるが、ヘキサフルオロブタジエンをより高収率に得られる観点から、溶媒ではなく添加剤として使用する(少量使用する)ことが好ましい。その他の反応条件は、常法にしたがって適宜設定することが好ましい。
物とは、沸点が近接していたり、構造が類似していることから、通常の蒸留法等で分離することは困難である。特に、ヘキサフルオロブタジエンとヘプタフルオロ-2-ブテンの沸
点は非常に近接していることから、分離することは困難を極める。各成分の組成比については特に制限はないが、上述したような従来の製造方法によって原料組成物を製造した場合、各成分の含有量は、原料組成物全体を100モル%として、ヘキサフルオロブタジエンを73〜99.9モル%、追加的化合物を0.1〜27モル%含む組成物が得られることが多い。この範
囲は抽出蒸留により分離する組成物として好ましい。
本発明では、上記した原料組成物を抽出蒸留に付す。これにより、ヘキサフルオロブタジエンと沸点が近いオクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、ヘプタフルオロ-1-ブテン、ヘプタフルオロ-2-ブテン等とを分離し、より高純度のヘキサフルオロブタジエンを得ることができる。
クタフルオロ-2-ブテン、ヘプタフルオロ-1-ブテン、ヘプタフルオロ-2-ブテン等を他の
反応に使用することも可能となる。追加的化合物は、ヘキサフルオロブタジエン同様、半導体、液晶等の最先端の微細構造を形成するためのエッチングガスをはじめとして、冷媒
、熱移動媒体、発泡剤、樹脂モノマー等の各種用途に有効利用できる。
り増加又は減少させることにより達成できる。この際、相対揮発度は、1から離れていれ
ば離れているほど抽出蒸留によりヘキサフルオロブタジエンと追加的化合物とを分離しやすい。なお、相対揮発度が1の場合は、各相の組成が同一になるため、蒸留による分離は
不可能である。
るヘキサフルオロブタジエン(A)の相対揮発度(A/B)は、次式で表される。
XはAに関する(気相モル分率/液相モル分率)を示す。
い範囲、特に1.10〜2.00になるような抽出溶媒を用いることが好ましい。相対揮発度が1
より大きくなると、ヘキサフルオロブタジエンの気相モル分率が増加することで気相にヘキサフルオロブタジエンが増加し、蒸留による分離が可能となる。
観点から、メタノール及びエタノールが好ましい。
(HCFC-123)等が挙げられる。
有機化合物(溶媒)中の水が多くなると溶媒組成物の沸点が高くなりエネルギー効率が悪くなる等の問題が生じる。
い。
り大きい抽出溶媒を使用した場合の例であるが、相対揮発度が1より小さい抽出溶媒を使
用した場合も、蒸留塔T1においてヘキサフルオロブタジエンを回収するか、追加的化合物を回収するかの違いのみで、同様に行うことができる。
このようにしてヘキサフルオロブタジエンをさらに高純度化することができるが、これにより、ヘキサフルオロブタジエン組成物の総量を100モル%として、前記追加的化合物の含有量が0.1モル%未満(特に0.001〜0.05モル%、さらに0.001〜0.01モル%)であるヘキサフルオロブタジエン組成物を得ることもできる。このヘキサフルオロブタジエン組成物は、共沸、もしくは共沸様組成物として得ることも可能である。例えばヘキサフルオロブタジエンと0.05モル%のCF3CF=CHCF3、(C4F7H)からなる組成物の圧力0.05MPaGにおいて15.7℃、気相組成、液相組成とも99.95%である。
-78℃に冷却したトラップが連結されたコンデンサー付きナスフラスコに40g(0.16mol
)のキシレン、7.25g(0.12mol)の亜鉛、20g(0.05mol)の原料(ClCF2CFClCF2CF2I)を加え、撹拌下、内温が140℃になるまで加熱した。内温が一定になった後、還流しながらN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を滴下速度0.04mol/時間(原料(ClCF2CFClCF2CF2I)1
モルに対して0.8mol/時間)で1時間滴下し、撹拌しながら加熱還流を続けた。反応終了後、トラップに捕集された液をガスクロトマトグラフィーで分析したところ、CF2=CFCF=CF2が89モル%、CF2=CFCF2CF2Hが3モル%、その他の追加的化合物(オクタフルオロ-1-ブテン
、オクタフルオロ-2-ブテン、CF2=CFCF2CF2H以外のヘプタフルオロ-1-ブテン、ヘプタフ
ルオロ-2-ブテン等)が合計8モル%であった。つまり、追加的化合物の含有量は11モル%であった。
原料(基質)をClCF2CFClCF2CF2IではなくICF2CF2CF2CF2Iとすること以外は参考例1と
同様に処理を行った。反応終了後、トラップに捕集された液をガスクロトマトグラフィーで分析したところ、CF2=CFCF=CF2が73モル%、CF2=CFCF2CF2Hが20モル%、その他の追加的
化合物(オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、CF2=CFCF2CF2H以外のヘ
プタフルオロ-1-ブテン、ヘプタフルオロ-2-ブテン等)が2モル%、その他の副生成物が5
モル%であった。つまり、追加的化合物の含有量は22モル%であった。
参考例1により得られたヘキサフルオロブタジエン(以下、「C4F6」と表記することも
ある。)の粗体に対して、以下のような溶剤を添加し、副生成物(CF3CF=CHCF3、以下、
「C4F7H」と表記することもある。)の濃度変化を観測して抽出溶媒としての効果を確認
した。ヘキサフルオロブタジエンとCF3CF=CHCF3の比揮発度を気液平衡測定結果から計算
した結果を以下の表1に示す。抽出溶剤として使用するには、比揮発度が1から離れてい
る必要がある。表1の結果から、エチレングリコールモノメチルエーテル、パークロロエチレン(テトラクロロエチレン)、メタノール、エタノール及びメチルエチルケトンはいずれも抽出溶媒として使用でき、ヘキサフルオロブタジエンを高純度化できることが理解できる。
本発明の分離方法についてシミュレーション評価を行った。
不純物としてC4F7Hを500ppm含有するヘキサフルオロブタジエンを、抽出蒸留工程を用
いずに通常の蒸留のみで分離を行う場合について計算を行った。
ICP(Inductive Coupled Plasma)放電電力600W、バイアス電力200W、圧力3mTorr(0.399Pa)、電子密度8×1010〜2×1011cm-3、電子温度5〜7eVのエッチング条件で、環状c-C4F8(従来品)と、参考例1にて製造したC4F6(構造CF2=CFCF=CF2)で、Si基板上に約1μm
厚さのSiO2膜を有し、さらにその上にホール直径0.21μmのレジストパターンを有する半
導体基板をエッチングした時のエッチング速度と選択比を以下の表3に示した。
Claims (4)
- ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含有し、総量を100モル%として、前記追加的化合物の含有量が0.1モル%未満である組成物の製造方法であって、
ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含み、前記追加的化合物の含有量が0.1〜27モル%である原料組成物を、アルコール、ケトン及びハロゲン化不飽和炭化水素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の抽出溶媒存在下で抽出蒸留して前記追加的化合物の濃度を減少させる工程を含む、製造方法。 - ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含有する組成物であって、前記組成物総量を100モル%として、前記追加的化合物の含有量が0.1モル%未満である、組成物。
- ヘキサフルオロブタジエンと、オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン、及びヘプタフルオロ-2-ブテンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の追加的化合物とを含有する、共沸組成物。
- エッチングガス、冷媒、熱移動媒体、発泡剤又は樹脂モノマー用組成物である、請求項2又は3に記載の組成物。
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