JP2020124745A - 距離測定装置、摩擦攪拌接合装置、および摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

距離測定装置、摩擦攪拌接合装置、および摩擦攪拌接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面高さの変動が大きいワークに対しても高品位な接合を行うことが可能な距離測定装置、摩擦攪拌接合装置、および摩擦攪拌接合方法を提供する。【解決手段】距離測定装置は、摩擦攪拌接合用の接合ツールのショルダ面に当接する当接部と、ワークの表面に接触した状態で、ワークの表面とショルダ面とを結ぶ第1方向に移動自在な先端部と、先端部の第1方向の位置を検出する検出器と、検出器で検出した先端部の第1方向の位置のデータを出力する出力ユニットと、を有する測定機構と、出力ユニットから出力された位置のデータから、先端部の当接部に対する位置を計算し、接合ツールのショルダ面と、ワークの表面との間の距離を算出する制御部と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、距離測定装置、摩擦攪拌接合装置、および摩擦攪拌接合方法に関する。
摩擦攪拌接合では、接合ツールのショルダ面のワークへの押し込み量の制御が重要である。特に長尺品のワークではその表面高さの変動が大きく、接合前に接合ラインのワーク表面形状を測定し、接合中のツール高さを変化させている。このため、セッティングから接合までに長時間を要する場合がある。
表面高さにばらつきを有するワークに対し接合ツールのショルダ面の押し込み量を制御する方法として、例えば、レーザ光を用いてワーク高さを測定する方法、接合ツールを回転させるモータのトルク変動を検出し負荷が所定範囲に入るように接合ツールの高さを制御する方法、また、ワークテーブルをシリンダで支持し接合ツールに負荷される荷重が一定になるようにワークテーブルの高さを制御する方法などが知られている。
特許第3314706号公報 特許第4199446号公報 特許第6040352号公報
しかしながら、表面高さにばらつきを有するワークに対し接合ツールのショルダ面の押し込み量を制御するために、レーザ光を用いてワーク高さを測定する方法を用いる場合、レーザ光測定装置を使用する必要があり、装置や調整が複雑となったり、もしくはコストが高くなったりするという課題がある。また、接合ツールを回転させるモータのトルク変動を検出し、負荷が所定範囲に入るように接合ツールの高さを制御する方法や、ワークテーブルをシリンダで支持し接合ツールに負荷される荷重が一定になるようにワークテーブルの高さを制御する方法では、小径の接合ツールを用いる場合にはトルク変動の検出が困難となる課題がある。
本発明の実施形態は、表面高さの変動が大きいワークに対しても高品位な接合を行うことが可能な距離測定装置、摩擦攪拌接合装置、および摩擦攪拌接合方法を提供する。
本発明の実施形態によれば、距離測定装置は、摩擦攪拌接合用の接合ツールのショルダ面に当接する当接部と、ワークの表面に接触した状態で、前記ワークの表面と前記ショルダ面とを結ぶ第1方向に移動自在な先端部と、前記先端部の前記第1方向の位置を検出する検出器と、前記検出器で検出した前記先端部の前記第1方向の位置のデータを出力する出力ユニットと、を有する測定機構と、前記出力ユニットから出力された前記位置のデータから、前記先端部の前記当接部に対する位置を計算し、前記接合ツールの前記ショルダ面と、前記ワークの表面との間の距離を算出する制御部と、を備えている。
本発明の実施形態に係る摩擦攪拌接合装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る摩擦攪拌接合方法を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る距離測定機構を用いた接合ツールのショルダ面とワークの表面との間の距離の測定方法を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る摩擦攪拌接合方法を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る距離測定機構の他の例の模式図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。各図において、同じ要素には同じ符号を付して詳細な説明は適宜省略する。なお、図面は模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
図1は、本発明の実施形態に係る摩擦攪拌接合装置50の模式図である。
摩擦攪拌接合装置50は、接合ツール10と距離測定装置40とを有する。距離測定装置40は、距離測定機構20と制御部30とを有する。
接合ツール10は、例えば円柱状のシャンク11と、プローブピン12とを有する。シャンク11における軸方向の一端にはショルダ面11aが形成されている。そのショルダ面11aの中央に、シャンク11から軸方向に突出したプローブピン12が設けられている。少なくともプローブピン12およびショルダ面11aは、接合対象のワークよりも硬い材料からなる。
接合ツール10は、ツールホルダー15に保持されている。ツールホルダー15は回転機構に連結され、接合ツール10は例えばシャンク11の中心軸を回転軸にして回転駆動される。
距離測定機構20は、本体21と、可動部24と、先端部25と、検出器26、27と、出力ユニット29とを有する。本体21は、接合ツール10のショルダ面11aに当接する当接部22を有する。本体21は、その当接部22を接合ツール10のショルダ面11aに当接させた状態で、接合ツール10に固定される。
可動部24は、連結部23を介して本体21と連結されている。連結部23の伸縮により、可動部24は、接合ツール10に固定された本体21に対して、例えばシャンク11の軸方向に移動自在となっている。連結部23は、例えば、ばねや電動アクチュエータなどである。
本体21および可動部24のそれぞれには、検出器26、27が備わっている。検出器26、27は、可動部24の本体21に対するZ位置を検出する。ここで、Z位置は、ワークの表面と、接合ツール10のショルダ面11aとを結ぶ第1方向における可動部24の先端部25の位置を表す。検出器26、27は、例えば非接触式の位置センサである。また、距離測定機構20は、検出器26、27で検出したZ位置データを制御部30へ出力する出力ユニット29を備える。
可動部24の先端に先端部25が設けられている。先端部25は、ワークの表面に接触した状態で、ワークの表面とショルダ面11aとを結ぶ第1方向に、可動部24とともに移動自在となっている。先端部25は、回転体であり、さらに具体的には球体である。
制御部30は、距離測定機構20と電気的に接続されている。制御部30は、距離測定機構20の出力ユニット29から出力された先端部25のZ位置データを基に、先端部25の当接部22に対する位置を計算し、接合ツール10のショルダ面11aと、ワークの表面との間の距離を算出する距離算出ユニット31を有する。制御部30は、距離測定機構20の出力ユニット29に対して接合ツール10の任意の移動距離毎にZ位置データを出力するよう指示する機能を有する。制御部30は、距離測定機構20上におけるX座標(第1方向に交差する第2方向の座標)およびY座標(第1方向に交差する第3方向の座標)と、距離算出ユニット31から出力されるショルダ面11aとワークの表面との間の距離とを関連付けて、接合開始点から接合終点までの範囲において接合ツール10のショルダ面11aが予め設定した深度でワークに押し込まれるようにするための接合ツール10の動作軌道を計算する計算ユニット32を有する。制御部30は、前記動作軌道を実現する摩擦攪拌接合装置50の動作プログラムを作成する動作プログラム作成ユニット33を有する。
次に、摩擦攪拌接合装置50を用いた摩擦攪拌接合方法について説明する。
図2に示すように、接合対象である例えば板状の2つのワーク100b、100c(以下、区別せずに単に符号100で表す場合もある)の側面同士を突き合わせ、ワーク100b、100cをステージ上に支持する。なお、図2において、ワーク100の表面に平行で、且つ互いに直交する2方向をX方向及びY方向とする。X方向及びY方向に直交する方向(ワーク100の厚さ方向)をZ方向とする。ワーク100の表面と、接合ツール10のショルダ面11aとを結ぶ第1方向は、Z方向に対応する。
2つのワーク100b、100cの突き合わせ部の表面に、接合ツール10を高速回転させながら挿入する。プローブピン12はワーク100中に完全に挿入され、ショルダ面11aはワーク100の表面に所定量押し込む。そして、回転している接合ツール10を、ワーク100の突き合わせ部(接合ラインL)に沿って移動させ、このときに発生する接合ツール10とワーク100との摩擦熱と材料の攪拌を利用して、2つのワーク100b、100cを接合させる。2つのワーク100b、100cの接合部200では突き合わせ面が消失する。
接合ツール10は、接合ラインLに沿って、ワーク100に対して相対的に移動すれば良く、静止したワーク100に対して接合ツール10を移動させてもよいし、静止した接合ツール10に対してワーク100を移動させてもよい。または、接合ツール10とワーク100をそれぞれ逆方向に移動させてもよい。
ここで、特に接合対象領域が長い長尺品のワークのように、表面にうねりや高さばらつきが生じやすいものでは、接合ツール10のショルダ面11aのワークへの押し込み量の制御が重要となる。ショルダ面11aのワーク表面への押し込み量が不十分であると摩擦熱不足による接合不良をまねき、ショルダ面11aがワーク表面に過剰に押し込まれると、接合部に過剰なバリが発生しやすい。
そこで、本実施形態によれば、前述した距離測定装置40を用いて、接合対象部位におけるワーク表面と、ショルダ面11aとの間の距離を接合前に測定しておく。
図3に示すように、接合ツール10に測定機構20を装着する。測定機構20の本体21に形成された当接部22を、接合ツール10のショルダ面11aに突き当てる。
接合ツール10に測定機構20を装着した後、測定機構20の先端部25を、ワーク100の表面100aの接合開始点x1に接触させる。そして、先端部25をワーク100の表面100aに接触させ、且つ接合ツール10の高さ(Z方向の位置)の装置上での設定値を一定にした状態で、測定機構20を装着した接合ツール10を、接合開始点x1からワーク100の接合対象部位(接合ライン)に沿ってワーク100の接合終点x2まで略水平に移動させる。なお、接合ツール10および距離測定装置40は回転させない。
接合ツール10の移動に伴って、球体である先端部25はワーク100の表面100aを転がりながら移動する。ワーク100の表面100aと、接合ツール10のショルダ面11aとの距離の変動に追従して、連結部23が伸縮し、可動部24がワーク100の表面100aとショルダ面11aとを結ぶ第1方向に移動する。例えば、可動部24は上下動する。
この接合開始点x1から接合終点x2への接合ツール10の移動中に、図1に示す制御部30は、先端部25の当接部22に対する位置を検出する。この検出は、接合開始点x1から接合終点x2まで連続的に行う場合と、予め設定した接合ツール10の移動距離毎に検出して出力する場合とがある。接合ツール10の移動距離毎に検出する場合には、検出を行う接合ツール10の位置のx座標およびy座標は制御部30で決定される。接合ツール10が測定位置に移動した時点で、制御部30が先端部25の当接部22に対する位置を検出し、データとして取得する。この検出結果から、接合開始点x1と接合終点x2との間の接合対象部位の位置(x座標、y座標)と関連づけて、ショルダ面11aとワーク100の表面100aとの間の距離を算出する。
さらに、制御部30は、ショルダ面11aとワーク100の表面100aとの間の距離から、接合ツール10の動作軌道データを作成する。例えば、動作軌道データは、接合開始点x1と接合終点x2との間の接合対象部位の位置(x座標、y座標)と、接合ツール10の高さ(z座標)とが関連付けられたものである。
制御部30は、動作軌道データに基づいて、接合ツール10の動作プログラムを作成する。そして、接合ツール10から測定機構20を取り外し、上記動作プログラムにしたがって接合ツール10によりワーク100の摩擦攪拌接合を実行する。
すなわち、図4に示すように、接合ツール10のプローブピン12をワーク100の接合対象部位に挿入し且つショルダ面11aを接合対象部位の表面に押し込んだ状態で、接合ツール10を回転させながら接合開始点x1から接合終点x2まで移動させる。
動作軌道データに基づいて、接合ツール10の接合対象部位に沿った移動方向に直交する方向(Z方向)の位置が制御され、ショルダ面11aの接合対象部位への押し込み量が所定範囲内に制御される。
例えば、ショルダ面11aの外径が10mm、プローブピン12の長さが3mmの場合、ショルダ面11aの接合対象部位への押し込み量は、0.2mmプラスマイナス0.05mmの範囲内に制御される。接合対象のワークが薄板である場合には、さらに高い精度での押し込み量の制御が必要になる。例えば、ワークの板厚が0.5mmの場合では、ショルダ面11aの外径が3mm、プローブピン12の長さが0.4mmとなり、ショルダ面11aの接合対象部位への押し込み量は0.05mmプラスマイナス0.01mmの範囲内に制御する。
このように実施形態によれば、表面高さにばらつきがあるワーク100に対しても、ショルダ面11aの接合対象部位への押し込み量を適切に制御でき、高品位な接合を行うことができる。
例えば、レーザ光を用いてワーク高さを測定する方法などのように高価なレーザ光測定装置を使用せず、実施形態によれば、低コストで簡単な接触式の測定機構でショルダ面11aとワーク100の表面100aとの距離を短時間で測定することができる。
また、表面高さにばらつきを有するワークに対し接合ツールのショルダ面の押し込み量を制御するために、接合ツールを回転させるモータのトルク変動を検出し、負荷が所定範囲に入るように接合ツールの高さを制御する方法や、ワークテーブルをシリンダで支持し、接合ツールに負荷される荷重が一定になるようにワークテーブルの高さを制御する方法により表面高さにばらつきを有するワークに対し接合ツールのショルダ面の押し込み量を制御する場合、小径の接合ツールを用いる場合には負荷変動の検出が困難となる。これに対して実施形態によれば、小径の接合ツールを用いる場合でも高い品位の摩擦攪拌接合を実施できる。
接合対象部位(2つのワークの突き合わせ部)は直線状に限らず、また、接合面は曲面であってもよい。したがって、接合対象部位に沿って移動する接合ツール10の移動軌跡も直線に限らず、曲線であってもよい。
また、ワーク100の表面100aに接触しながら表面100aを移動する先端部25は、球体に限らず、ローラのような回転体であってもよい。さらには、先端部25は回転しない構成であってもよいが、この場合、先端部25とワーク100の表面100aとの摩擦によりワーク100の表面100aがたわむ可能性がある。
図1は、距離測定機構20を接合ツール10と同軸上に配置した例を示すが、図5に示すように、ワークに当接させる先端部25と接合ツール10とは同軸上に配置し、先端部25が連結される可動部124が接合ツール10からオフセットして接合ツール10に装着されても、前述した実施形態と同様の摩擦撹拌接合を行うことができる。可動部124は、接合ツール10に固定された本体121に対して、ばねや電動アクチュエータなどの連結部123によって連結され、シャンク11の軸方向に移動自在となっている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…接合ツール、11a…ショルダ面、12…プローブピン、20…距離測定機構、22…当接部、24…可動部、25…先端部、30…制御部、40…距離測定装置、50…摩擦攪拌接合装置、100,100b,100c…ワーク

Claims (7)

  1. 摩擦攪拌接合用の接合ツールのショルダ面に当接する当接部と、ワークの表面に接触した状態で、前記ワークの表面と前記ショルダ面とを結ぶ第1方向に移動自在な先端部と、前記先端部の前記第1方向の位置を検出する検出器と、前記検出器で検出した前記先端部の前記第1方向の位置のデータを出力する出力ユニットと、を有する測定機構と、
    前記出力ユニットから出力された前記位置のデータから、前記先端部の前記当接部に対する位置を計算し、前記接合ツールの前記ショルダ面と、前記ワークの表面との間の距離を算出する制御部と、
    を備えた距離測定装置。
  2. 前記先端部は、回転体である請求項1記載の距離測定装置。
  3. 前記先端部は、球体である請求項2記載の距離測定装置。
  4. 前記制御部は、
    前記測定機構の前記出力ユニットから出力された前記位置のデータと、前記測定機構上における前記第1方向に交差する第2方向および第3方向の座標から、前記接合ツールの動作軌道を計算する計算ユニットと、
    前記動作軌道に基づいて、前記接合ツールの動作プログラムを作成する動作プログラム作成ユニットと、
    を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の距離測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の距離測定装置と、
    前記接合ツールと、
    を備えた摩擦攪拌接合装置。
  6. ショルダ面とプローブピンとを有する接合ツールに、ワークの表面と前記ショルダ面とを結ぶ第1方向に移動自在な先端部を有する測定機構を、前記測定機構の当接部を前記接合ツールの前記ショルダ面へ突き当てて、装着するステップと、
    前記先端部を前記ワークの表面の接合開始点に接触させるステップと、
    前記先端部を前記ワークの表面に接触させた状態で、前記測定機構を装着した前記接合ツールを、前記接合開始点から前記ワークの接合対象部位に沿って前記ワークの接合終点まで略水平に移動させるステップと、
    前記接合開始点から前記接合終点への前記接合ツールの移動中に、前記先端部の前記当接部に対する位置を検出し、前記ワークの前記接合対象部位における前記ショルダ面と前記ワークの表面との間の距離を算出するステップと、
    前記ショルダ面と前記ワークの表面との間の距離から、前記接合開始点から前記接合終点までの範囲において前記接合ツールの前記ショルダ面が予め設定した深度で前記ワークに押し込まれるようにする、前記接合ツールの動作軌道データを作成するステップと、
    前記動作軌道データに基づいて、摩擦攪拌接合装置の動作プログラムを作成するステップと、
    前記接合ツールから前記測定機構を取り外し、前記動作プログラムに基づいて、前記接合ツールを回転させながら前記接合開始点から前記接合終点まで移動させるステップと、
    を備えた摩擦攪拌接合方法。
  7. 前記動作軌道データに基づいて、前記接合ツールの前記接合対象部位に沿った移動方向に直交する方向の位置が制御され、前記ショルダ面の前記接合対象部位への押し込み量が所定範囲内に制御される請求項6記載の摩擦攪拌接合方法。
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