JP2020124724A - レーザ溶接システム - Google Patents
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Abstract
【課題】プルームの排除とシールドガスによるワークの保護を行えるレーザ溶接システムを提供する。【解決手段】レーザ溶接システム1は、ワークWの被照射領域にレーザ光Lを照射するためのレーザ照射装置2と、ワークWの被照射領域に沿ってシールドガスを噴射して被照射領域を覆うシールドガス層を形成するためのシールドガス噴射装置4と、気体を噴射してシールドガス層よりも上方を流れる気流を発生させるための気流発生手段5と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ溶接システムに関する。
近年、レーザ溶接装置として、ガルバノスキャナを用いてリモート溶接を行うものが提案されている。このようなリモート溶接では、反射鏡を回動させてレーザ光を走査させるため、溶接を高速かつ正確に行うことができる。
このようなレーザ溶接では、レーザ光が照射されたワークの加工点からはプルームと呼ばれる金属蒸気やスパッタと呼ばれる金属片等が発生する。プルームはレーザ光を遮って減衰させ、十分な溶け込み深さを達成できない等、レーザ溶接の安定性を阻害する原因となる。レーザ溶接装置の保護ガラスにスパッタが付着した場合も同様に、レーザ溶接の安定性が阻害される。そこで、空気流によりプルームやスパッタを排除する構成が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、溶接中の溶融金属の酸化等を防ぐためにシールドガスをワークの加工点に向けて噴射し、溶融金属と空気との接触を絶つことでワークを保護する手法が広く採用されている。例えば、特許文献2には、プルームを排除するための空気を噴出する第1ノズルと、シールドガスを噴出するための第2ノズルと、を備える溶接システムが開示されている。
本発明は、プルームやスパッタの排除とシールドガスによるワークの保護をより良好に行うことのできるレーザ溶接システムの提供を目的とする。
本発明は、プルームをより良好に排除できるレーザ溶接システムの提供を他の目的とする。
本発明に係るレーザ溶接システムは、ワークの被照射領域にレーザ光を照射するためのレーザ照射装置と、前記被照射領域に沿ってシールドガスを噴射して、前記被照射領域を覆うシールドガス層を形成するためのシールドガス噴射装置と、気体を噴射して、前記シールドガス層よりも上方を流れる気流を発生させるための気流発生手段と、を備える。
また、本発明にかかるレーザ溶接システムは、ワークにレーザ光を照射するためのレーザ照射装置と、前記ワークを所定位置に保持する保持部材と、気体を噴射して気流を発生させるための気流発生手段と、を備え、前記保持部材は、前記ワークが載置される載置台と、前記ワークを上方から抑える抑え治具と、を有し、前記抑え治具は、第1側面を有する第1抑え部と、第2側面を有する第2抑え部と、を有し、前記第1側面と前記第2側面とは第1方向に隙間を空けて相互に対向し、前記隙間は前記第1方向に垂直な第2方向に沿って延び、前記ワークの一部は前記隙間を介して上方に露出し、前記レーザ照射装置は前記隙間を介して前記ワークの前記一部にレーザ光を照射し、前記気流発生手段は前記隙間を前記第2方向に沿って流れる気流を発生させる。
本発明に係るレーザ溶接システムによれば、ワークの被照射領域をシールドガス層で覆うことができるので、被照射領域が大気に曝されて酸化等するのを抑制できる。また、気流を発生させるので、当該気流によりプルームやスパッタを排除することができる。更に、当該気流はシールドガス層よりも上方を流れるので、気流によるシールドガス層の乱れを抑制できる。
また、本発明にかかるレーザ溶接システムによれば、レーザ照射装置は第1抑え部の第1側面と第2抑え部の第2側面の間に設けられた隙間を介してワークの一部にレーザ光を照射し、気流発生手段は当該隙間を流れる気流を発生させるので、レーザ光の照射により発生したプルームを気流によって排除することができ、良好な溶接を行うことができる。
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るレーザ溶接システムについて説明する。図1及び図2を参照して、本実施形態に係るレーザ溶接システム1はリモート溶接を行うものであって、ワークWに向けてレーザ光Lを上方から照射するためのレーザ照射装置2と、光ファイバケーブル3を介してレーザ照射装置2にレーザ光を供給するためのレーザ発信器(図示せず)と、シールドガスを噴射するためのシールドガス噴射装置4と、気流を発生させるための気流発生手段5と、を備える。
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るレーザ溶接システムについて説明する。図1及び図2を参照して、本実施形態に係るレーザ溶接システム1はリモート溶接を行うものであって、ワークWに向けてレーザ光Lを上方から照射するためのレーザ照射装置2と、光ファイバケーブル3を介してレーザ照射装置2にレーザ光を供給するためのレーザ発信器(図示せず)と、シールドガスを噴射するためのシールドガス噴射装置4と、気流を発生させるための気流発生手段5と、を備える。
レーザ照射装置2は図示しない光学機器を有し、レーザ発信器から供給されたレーザ光は光学機器を介してワークWの被照射領域に照射される。遠隔操作により光学機器を動かすことでレーザ光Lを走査させ、ワークW上における照射位置(加工点)を移動させることができる。また、レーザ照射装置2の照射口には保護レンズ(図示せず)が設けられている。保護レンズは、レーザ照射手段2の内部に埃や塵等の異物が入らないようにして反射鏡等の光学機器を保護するためのものでり、レーザ照射装置2の下面に設けられており、レーザ光Lはこの保護レンズを介して出射される。なお、レーザ照射装置2及びレーザ発信器の構成は周知であるので、これらに関する具体的説明は省略する。
シールドガス噴射装置4は、幅方向D1(第1方向)に隙間Gを空けて相互に対向するように配置された一対のガス噴射手段41,41と、各ガス噴射手段41にシールドガスを供給するためのシールドガス供給部(図示せず)と、を備える。各ガス噴射手段41は、シールドガスを幅方向D1に向けて隙間G内へ噴射するための噴射口41a(第2噴射口)を有する。なお、図1に示す例では、噴射口41aは縦方向D2(第2方向)に沿って水平に延びるスリット状とされているが、ガス噴射手段41はこれに代えて縦方向D2に配列された複数個の噴射口を備えるものであっても良い。ワークWは、その被照射領域が隙間Gを介して上方に露出すると共に、噴射口41aよりも幾分下方に位置するように配置される。シールドガスとしては、例えば、アルゴンガスや窒素ガス、炭酸ガス等が用いられる。
なお、ここでは説明を容易にするために、ワークWは平坦な表面(ワーク面)Waを有し、当該ワーク面Wa上に被照射領域が規定されているものと仮定する。即ち、以下の説明においてワーク面WaとはワークWの被照射領域をも意味するものとする。
かかる構成において、シールドガスは各ガス噴射手段41の噴射口41aからワーク面Waに沿って水平方向に噴射される。すると、ワーク面Wa付近にはシールドガスを多く含むシールドガス層が形成され、ワークWの被照射領域はシールドガス層により覆われる。これにより、ワークWの加工点が大気に曝されて酸化するのを防止できると共に、溶融金属が流れやすくなり、溶接ビード表面を滑らかにできる。なお、ワーク面Waに対する噴射口41aの高さ位置は低い方が好ましく、より具体的にはワーク面Waに対する噴射口41aの高さ位置は10mm以下であるのが好ましい。
気流発生手段5は、シールドガス層の上方に気流を発生させるものであって、第1気体噴射手段51と、第2気体噴射手段52と、第1及び第2気体噴射手段51,52に気体を供給するための気体供給手段(図示せず)と、を備える。
第1気体噴射手段51は、主に溶接中にワークWから発生するプルームを排除するための気流を発生させるものであり、縦方向D2におけるワークW(隙間G)の片側に配設されている。また、第1気体噴射手段51は気体を縦方向D2に向けて噴射するための噴射口51a(第1噴射口)を有し、噴射口51aがガス噴射手段41の噴射口41aよりも上方に位置するように配置される。また、本実施形態における噴射口51aは幅方向D1に沿って水平に延びるスリット状とされ、噴射口51aの幅方向D1全域にわたってほぼ等しい噴射速度で気体を噴射できるように構成されている。第1気体噴射手段51から噴射される気体としては、空気であってもよく、或いはシールドガスとして使用可能なアルゴンガスや窒素ガス、炭酸ガスなどであってもよい。
かかる構成において、第1気体噴射手段51から噴射された気体は気流となり、レーザ光Lを横切ってプルームを除去する。これにより、プルームによるレーザ光Lの減衰を抑制して溶接の品質を高めることができる。また、気流はシールドガス層よりも上方を流れるため、気流によるシールドガス層の乱れを抑制でき、またワークWの被照射領域を荒らすこともない。即ち、気体をワークWの被照射領域に直接吹き付けるとワークWの被照射領域は荒れてしまうが、本実施形態では気流はワークWの被照射領域に直接吹き付けられないため、このような問題を回避できる。
ここで、シールドガス層を大きく乱すことなくプルームを良好に除去できるような気流を発生させるためには、第1気体噴射手段51から噴射する気体の噴射圧力は0.1MPa〜6MPaとするのが好ましく、0.3MPaとするのがより好ましい。噴射圧力が0.1MPaよりも低いとプルームを除去するのに十分な気流を発生させることができず、また6MPaを超えるとプルームの除去効率は変わらないにも拘わらず消費ネルギーが無駄に大きくなるためである。また、上下方向D3におけるワーク面Waから第1気体噴射手段51の噴射口51aまでの距離H(ワーク面Waに対する噴射口51aの高さH)は30mm〜45mmとするのが好ましい。また、噴射口51aからの気体の噴射方向D4は水平方向とするか、或いは斜め上向きとするのが好ましい。より具体的に、噴射方向D4の水平方向DHに対する傾斜角度θは0°〜10°とするのが好ましい。噴射口51aの高さHが大き過ぎても小さ過ぎても、また傾斜角度θが小さ過ぎても大き過ぎても、シールドガス層を大きく乱したり気流によるプルームの排除が十分でなかったりする虞があるためである。なお、噴射口51aからは上下方向D3に一定幅を有する気流が噴射されるが、噴射方向というときは当該一定幅を有する気流のうち最も風速が速い方向を言う。更に、縦方向D2において、噴射口51aは被照射領域に近接して配置されるのが好ましい。
第2気体噴射手段52は、主に溶接中に発生するスパッタを吹き飛ばすための気流を発生させるものであり、第1気体噴射手段51よりも上方に配置されている。また、第2気体噴射手段52は気体を縦方向D2に向けて噴射するための噴射口52aを有し、本実施形態における噴射口52aは幅方向D1に沿って水平に延びるスリット状とされ、噴射口52aの幅方向D1全域にわたってほぼ等しい噴射速度で気体を噴射できるように構成されている。第2気体噴射手段52から噴射される気体は空気であるのが好ましいが、これに限定されない。
かかる構成において、第2気体噴射手段52から噴射された気体は気流となり、レーザ照射装置2の保護レンズの近傍位置を保護レンズのレンズ面に沿って流れ、スパッタを吹き飛ばす。これにより、スパッタが保護レンズに当たったり保護レンズに付着したりするのを防止する。ここで、上下方向D3におけるレーザ照射装置2の保護レンズから噴射口52aまでの距離は270mm以下とするのが好ましい。
このように、本実施形態のレーザ溶接システム1によれば、シールドガスを用いたワークWの保護と、気流を用いたプルーム及びスパッタの除去を同時に達成することができる。また、主にプルームを除去するための気流を発生させる第1気体噴射手段51と、主にスパッタを除去するための気流を発生させる第2気体噴射手段52とを別個に設けているため、プルームとスパッタとを効率的に除去することができる。
本実施形態に係るレーザ溶接システム1の効果を確認するため、第1気体噴射手段51における噴射口51aの高さHと噴射方向D4の傾斜角度θが異なる構成(実施例1〜3と比較例1〜3)について、18の地点(測定地点)における風速を測定した。具体的には、図3を参照して、噴射口51aから縦方向D2に61mm離れた第1及び測定位置P1,P2と、94mm離れた測定位置P3、P4と、129mm離れた測定位置P5、P6との合計6つの測定位置のそれぞれについて、ワーク面Waの上方2.5mm,20mm及び35mmの地点における風速を測定した。気体として空気を用い、0.3MPaの空気圧で噴射させた。また、第1気体噴射手段51にはEXAIR社製のノズルを用いた。
実施例1〜3及び比較例1〜3における風速の測定結果を図4〜図9の表1〜表6及びグラフ1〜6にそれぞれ示す。実施例1〜3及び比較例1〜3における噴射口51aの高さHと傾斜角度θは次の通りである。
実施例1:噴射口高さH=36mm、傾斜角度θ=0°
実施例2:噴射口高さH=40mm、傾斜角度θ=8°
実施例3:噴射口高さH=40mm、傾斜角度θ=0°
比較例1:噴射口高さH=43mm、傾斜角度θ=19°
比較例2:噴射口高さH=40mm、傾斜角度20=0°
比較例3:噴射口高さH=50mm、傾斜角度θ=0°
実施例1:噴射口高さH=36mm、傾斜角度θ=0°
実施例2:噴射口高さH=40mm、傾斜角度θ=8°
実施例3:噴射口高さH=40mm、傾斜角度θ=0°
比較例1:噴射口高さH=43mm、傾斜角度θ=19°
比較例2:噴射口高さH=40mm、傾斜角度20=0°
比較例3:噴射口高さH=50mm、傾斜角度θ=0°
図4〜図9に示す様に、実施例1〜3ではワーク面Wa付近(ワーク面Waの上方2.5mm及び20mmの位置)においては比較的風速が低いためにシールドガス層の乱れが発生しにくく、またワーク面Waから上方に離れた位置(ワークWaの上方35mmの位置)においては比較的風速が高いために、プルームを良好に排除できることが分かる。
これに対し、比較例1及び2においては、ワーク面Waから上方に離れた位置における風速が十分でなく、これではプルームを良好に排除できないおそれがある。また、比較例3においても、縦方向D2において噴射口51aに比較的近い位置(P1及びP2)において、ワーク面Waから上方に離れた地点における風速が不足している。
また、第1気体噴射手段51における噴射口51aの高さHと噴射方向D4の傾斜角度θが異なる構成(実施例4、5と比較例4)について、ワーク面Wa付近におけるシールドガスの体積割合を示すシミュレーション結果を図10〜図12に示す。ここでは、シールドガスとして窒素を用いた。また、図1に示すようなスリット状の噴射口41aに代えて、図10〜図12に示す様に縦方向D2に直線状に並ぶ3個の噴射口41aを用い、各噴射口41aから50L/minの割合で窒素を噴射した。第1気体噴射手段51からは上述した実施例1〜3及び比較例1〜3と同一の条件(噴射口高さH及び傾斜角度θを除く)で気体を噴射させた。実施例4、5及び比較例4における噴射口51aの高さHと傾斜角度θは次の通りである。
実施例4:噴射口高さH=30mm、傾斜角度θ=0°
実施例5:噴射口高さH=40mm、傾斜角度θ=0°
比較例4:噴射口高さH=25mm、傾斜角度θ=0°
実施例4:噴射口高さH=30mm、傾斜角度θ=0°
実施例5:噴射口高さH=40mm、傾斜角度θ=0°
比較例4:噴射口高さH=25mm、傾斜角度θ=0°
図10及び図11に示す実施例4及び実施例5では、ワーク面Wa近傍における窒素の濃度割合が高く、シールドガス層が良好に形成された。これに対し図12に示す比較例4では、実施例4,5におけるものと比較してワーク面Wa近傍における窒素の濃度割合が低く、これではシールドガスによるシールドガス効果が十分に得られない虞がある。
更に、ワーク面Waにレーザ光Lを照射して得られた溶け込み深さを測定した。図13(a)は本実施形態におけるレーザ溶接システム1を用いてワーク面Waにレーザ光Lを照射させたワークWの断面写真であり(実施例6)、図13(b)は気流発生装置4を用いずにレーザ光Lを照射させたワークWの断面写真である(比較例5)。何れの場合もレーザ光Lの出力は4kW、走査速度は2.5m/min、スポット径は0.9μmとした。また、実施例6では、上述の実施例1と同一の条件(即ち、噴射口高さH=36mm、傾斜角度=0°)とした。図13(a)に示すのは縦方向D2において噴射口51aから70mmの箇所における断面であり、当該箇所において高さ30mm地点における風速は18m/sであった。
その結果、実施例6では溶け込み深さDp1(ワーク表面Waからの溶け込み深さ)は約3.36mmであったのに対し、比較例5では溶け込み深さDp2は約1.02mmであり、本実施形態に係るレーザ溶接システム1によれば比較的深い溶け込み深さを実現できることが確認できた。
このように、本実施形態のレーザ溶接システム1によれば、十分な溶け込み深さを実現できるので、溶接を良好に行うことができる。特に、ワークWの厚さが比較的厚い場合においても良好な重ね溶接を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るレーザ溶接システムについて説明する。なお、上述のレーザ溶接システム1と実質同一の部材には同一の参照番号を付し詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係るレーザ溶接システムについて説明する。なお、上述のレーザ溶接システム1と実質同一の部材には同一の参照番号を付し詳細な説明は省略する。
図14及び図15を参照して、本実施形態に係るレーザ溶接システム101はリモート溶接を行うものであって、ワークWにレーザ光Lを照射するためのレーザ照射装置2と、光ファイバケーブル3を介してレーザ照射装置2にレーザ光を供給するためのレーザ発信器(図示せず)と、溶接中に発生するプルームを排除するための気流を発生させる気流発生手段105と、ワークWを所定位置に保持する保持部材6と、を備える。保持部材6は、ワークWが載置される載置台61と、ワークWを上方から抑える抑え治具62と、を有し、抑え治具62は第1抑え部63と第2抑え部64を有する。
第1抑え部63及び第2抑え部64は、幅方向D1(第2方向)に延びる第1側面63a及び第2側面64aをそれぞれ有し、第1側面63aと第2側面64aとが縦方向D2(第1方向)に隙間G2を空けて相互に対向するように位置決めされている。第1側面63aは鉛直方向(上下方向D3)に延び、第2側面63aは上方に向かうに従い第1側面63aから離隔するように第1側面63aに対して傾斜して延びている。換言すると、隙間G2は幅方向D1に沿って延び、縦方向D2における隙間G2の幅寸法は上方に向かうに従い漸増する。また、隙間G2の上方及び幅方向D1両側は開口している。
ワークWの一部Wpは隙間G2を介して上方に露出し、レーザ照射装置2から出射されたレーザ光Lは隙間G2を介してワークWの一部Wpに照射される。図14には、ワークWの端部が折り畳まれ、このように折り畳まれた部分にレーザ光Lを照射して重ね溶接をする例を示している。
気流発生手段105は、幅方向D1における隙間G2の一方側に配置されて隙間G2に臨む噴射口151aを有し、この噴射口151aから幅方向D1に向けて気体を噴射する。噴射された気体は隙間G2内を幅方向D1に流れ、幅方向D1における隙間G2の他方側(出口側)から外部に流れ出る。即ち、隙間G2は気流発生手段105により発生された気流が通過する流路として機能する。
かかる構成において、レーザ光Lが照射されたワークWの加工点からはプルームと呼ばれる金属蒸気が発生するが、プルームは気流発生手段105により発生されて隙間G2を流れる気流により吹き飛ばされ、隙間G2の他方側端部(出口側端部/気流の流れ方向における下流側端部)から外部に排出される。また、気流発生手段105からの気流は隙間G2に沿って流れるため、比較的小さい噴射圧力でプルームを効率的に排除することができる。更に、隙間G2は上方に向かうに従いテーパ状に広がるので、レーザ光Lを斜め上方から照射する際においても抑え治具62が邪魔になることがない。
ここで、上下方向D3におけるワークWの被照射面(より具体的には、ワークWの一部Wpの表面)から噴射口151aまでの距離(噴射口高さ)L3は30mm〜40mmであるのが好ましい。距離L3が小さ過ぎると気流が加工点に当たり被照射面が荒れてしまう虞が生じ、また距離L3が大き過ぎるとプルームの除去効率が低下する虞があるためである。また、プルームを良好に除去するためには、気流発生手段105は、隙間G2の他方側端部(下流側端部)における気流の風速が10m/s以上となるように気体を噴射するのが好ましく、具体的な噴射圧力は縦方向D2における隙間G2の幅寸法L2等に応じて調整すればよい。
また、レーザ光照射装置2は、気流の流れ方向における下流側から上流側(即ち、図14における左下から右上)に向かってにレーザ光Lを走査して溶接を行うのが好ましい。このように、レーザ光Lの走査方向(溶接方向)を気流の流れ方向とは逆方向とすることにより、プルームは気流発生手段105により発生された気流によって溶接方向上流側(溶接完了側)に向けて流れ、プルームによる溶接への悪影響を効果的に抑えることができる。
以上、本発明の実施形態に係るレーザ溶接システムについて添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、第1気体噴射手段51は幅方向D1に延びるスリット状の噴射口51aを有するが、幅方向D1全域において略同一の噴射速度で気体を噴射できるものであればこれに限定されず、例えば複数個の噴射口を幅方向D1に配列し、これら複数個の噴射口から略同一の噴射速度で気体を噴射させる構成であっても良い。第2気体噴射手段52についても同様である。
また、上記第1実施形態においては、気流発生手段5は第1及び第2気体噴射手段51,52を備えるが、気流発生手段5は第1気体噴射手段51と第2気体噴射手段52の何れか一方のみを備える構成であっても構わない。更に、上記第1実施形態においては、シールドガス噴射装置4は一対のガス噴射手段41,41を有するが、何れか一方のガス噴射手段41のみを備えても良い。
上記第1実施形態では、ガス噴射手段41によるシールドガスの噴射方向を幅方向D1としたのに対し、第1,第2気体噴射手段51,52による気体の噴射方向を平面視において幅方向D1と直交する縦方向D2としたが、本発明はこれに限定されず、例えばガス噴射手段41によるシールドガスの噴射方向と第1,第2気体噴射手段51,52による気体の噴射方向とを平面視において平行となる様に構成しても構わない。
更に、上記第2実施形態においては、第1側面63aは上下方向D3に沿って鉛直に延び、第2側面64aは上下方向D3に対して傾斜して延びるが、第1側面63aと第2側面64aの双方が上下方向D3に対して傾斜して延びるようにしても良い。
また、第2側面64aは必ずしも第1側面63aに対して傾斜して延びる必要はなく、第1側63aと第2側面64aが相互に平行に延びるようにしても構わない。
1,101 レーザ溶接システム
2 レーザ照射装置
4 シールドガス噴射装置
41 ガス噴射手段
41a 噴射口 (第2噴射口)
5,105 気流発生手段
51 第1気体噴射手段
51a,151a 噴射口(第1噴射口)
52 第2気体噴射手段
D1 幅方向(第1方向)
D2 縦方向(第2方向)
D3 上下方向
G,G2 隙間
L レーザ光
W ワーク
2 レーザ照射装置
4 シールドガス噴射装置
41 ガス噴射手段
41a 噴射口 (第2噴射口)
5,105 気流発生手段
51 第1気体噴射手段
51a,151a 噴射口(第1噴射口)
52 第2気体噴射手段
D1 幅方向(第1方向)
D2 縦方向(第2方向)
D3 上下方向
G,G2 隙間
L レーザ光
W ワーク
Claims (8)
- ワークの被照射領域にレーザ光を照射するためのレーザ照射装置と、
前記被照射領域に沿ってシールドガスを噴射して、前記被照射領域を覆うシールドガス層を形成するためのシールドガス噴射装置と、
気体を噴射して、前記シールドガス層よりも上方を流れる気流を発生させるための気流発生手段と、を備えることを特徴とするレーザ溶接システム。 - 前記気流発生手段は、第1方向に向けて気体を噴射する第1噴射口を有し、
上下方向において、前記被照射領域から前記第1噴射口までの距離は30mm〜45mmであり、
前記第1噴射口は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びるスリット形状を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接システム。 - 前記気流発生手段は、第1方向に向けて気体を噴射する複数個の第1噴射口を有し、
上下方向において、前記被照射領域から前記複数個の第1噴射口までの距離は30mm〜45mmであり、
前記複数個の第1噴射口は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接システム。 - 前記第1噴射口から噴射される気体の噴射方向の水平方向に対する傾斜角度は0°〜10°であることを特徴とする請求項2又は3に記載のレーザ溶接システム。
- 前記気流発生手段は、前記シールドガス層よりも上方を流れる気流を発生させるための第1気体噴射手段と、前記第1気体噴射手段の上方に配置されて前記レーザ照射装置の下方を流れる気流を発生させるための第2気体噴射手段と、を備え、
前記第1気体噴射手段が前記第1噴射口を有することを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のレーザ溶接システム。 - 前記シールドガス噴射装置は、隙間を空けて相互に対向配置された一対のガス噴射手段を備え、
前記一対のガス噴射手段の各々は、シールドガスを噴射するための第2噴射口を有し、
上下方向における前記被照射領域から前記第2噴射口までの距離は10mm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のレーザ溶接システム。 - ワークにレーザ光を照射するためのレーザ照射装置と、
前記ワークを所定位置に保持するための保持部材と、
気体を噴射して気流を発生させるための気流発生手段と、を備え、
前記保持部材は、前記ワークが載置される載置台と、前記ワークを上方から抑える抑え治具と、を有し、
前記抑え治具は、第1側面を有する第1抑え部と、第2側面を有する第2抑え部と、を有し、
前記第1側面と前記第2側面とは第1方向に隙間を空けて相互に対向し、前記隙間は前記第1方向に垂直な第2方向に沿って延び、
前記ワークの一部は前記隙間を介して上方に露出し、
前記レーザ照射装置は前記隙間を介して前記ワークの前記一部にレーザ光を照射し、
前記気流発生手段は前記隙間を前記第2方向に沿って流れる気流を発生させることを特徴とするレーザ溶接システム。 - 前記隙間の前記第1方向における両端は開放されており、
前記気流発生手段は、前記隙間が有する前記両端のうち前記気流の下流側に位置する端部における風速が10m/秒以上となるように前記気流を発生させることを特徴とする請求項7に記載のレーザ溶接システム。
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WO2017203862A1 (ja) * | 2016-05-23 | 2017-11-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | レーザ溶接装置、およびレーザ溶接方法 |
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