JP2014161909A - リモートレーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リモートレーザ溶接等に使用するリモートレーザ加工装置として、極めて簡素なシールドガス放出手段により、加工ラインの全体にシールドガスを均一な速度分布で供給でき、少ない設備コストで高い加工品位を得ることが可能なものを提供する。
【解決手段】加工ラインCの全体に加工ラインCを横切るようにシールドガスGを放出するスリット状ノズル1を備えたシールドガス放出手段として、縦型で偏平な矩形箱状のダクト2の上端部に前方へ開口したスリット状ノズル1を備えると共に、ダクト2の下部にシールドガスGを導入するガス導入口3を有するものを使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スキャナーヘッドから出射される長焦点のレーザビームをワークの加工ラインに沿って照射してレーザ溶接等のレーザ加工を行うリモートレーザ加工装置に関する。
近年、レーザ溶接等のレーザ加工手段として、焦点距離の長い集光光学系を利用し、位置決めしたワークの加工部位に対し、離れた位置にあるスキャナーヘッドから連続発振型のレーザビームを走査する形で照射し、所要のレーザ加工を行うリモートレーザ加工が普及しつつある。このようなリモートレーザ加工では、高速のスキャンニングでも照射面での高いパワー密度を確保できるから、加工ラインに沿って高速でレーザ加工を施したり、瞬時に加工位置を移動させることが可能であり、また加工点ごとに焦点距離を調整することもでき、加工のサイクル時間を短縮して高い加工効率が得られる。
ところで、レーザ溶接等の加工部位では、その加工品位を高める上で、レーザビームの照射部位にシールドガスとして窒素ガスや稀ガス等の不活性ガスを供給し、空気中の酸素による酸化やプラズマ蒸発に伴うスパッタ等を防止することが重要である。そして、一般的なレーザ加工では、シールドガスは加工ヘッドに一体化したノズルや外付けしたノズルからレーザビーム照射位置へ吹き付けるように構成され、XYテーブルによってワーク側を移動させたり、逆にロボット等で加工ヘッド側を移動させても、常にレーザビーム照射位置近傍の空気を不活性ガスで置換した状態に維持できる。しかるに、リモートレーザ加工では、スキャナーヘッドから出射されるレーザビームの方向だけが変化するから、高速で移動するレーザビーム照射位置に対してシールドガスの吹付け方向を追従させることができず、よってシールドガスによる加工品位の確保が困難であった。
そこで、リモートレーザ溶接において、ワークの固定部から溶接ライン全体にシールドガスを吹き付けつつ、スキャナーヘッドから出射するレーザビームによって溶接を行う手法が提案されている。例えば,特許文献1には、クランプ治具で固定した2枚以上の金属板にレーザビームを照射してレーザ溶接するレーザ加工装置として、該クランプ治具に溶接箇所に沿うシールドガス導入通路と該導入通路から分岐した複数のシールドガス噴射口を設け、これら複数のシールドガス噴射口から溶接ライン全体にシールドガスを吹き付けるようにしたものが開示されている。また、特許文献2には、リモートレーザ溶接において、溶接箇所より下方に設けたスリット状吹き出し口からシールドガスを溶接箇所に対して下方向から吹き付けるようにしたワーク固定用治具として、横長角筒状の挟持部材に上下方向に貫設した複数本のガス供給孔から上部のスリット状吹き出し口へ不活性ガスを供給するようにしたもの、ならびに、前端に上向きのスリット状吹き出し口を有する横方向に偏平なハウジング内に、後端のガス供給孔から上下幅を増しつつ横方向に扇状に拡がる拡散室から整流室を経て上下幅を縮めつつスリット状吹き出し口に至る加速室とを設けたものが開示されている。
特開平06−292989号公報 特開2010−105041号公報
しかしながら、特許文献1のクランプ治具では、各ガス噴射口に臨む位置とガス噴射口から外れた位置とでシールドガスの流速差が大きくなり、ガス噴射口から外れた位置の溶接品位が低下するため、溶接ライン全体として一定した良好な溶接品位が得られないという難点があった。また、特許文献2の横長角筒状の挟持部材を用いるワーク固定用治具でも、スリット状吹き出し口における挟持部材の各ガス供給孔に近い位置と離れた位置とでシールドガスの流速に差を生じることから、やはり溶接ライン全体として一定した良好な溶接品位を得ることは困難である。更に、特許文献2の横方向に偏平なハウジングを用いるワーク固定用治具では、その拡散室及び整流室と加速室の流路仕様により、スリット状吹き出し口におけるシールドガスの流速をスリット幅全体に略均等にすることは可能であるが、特殊な内部流路を持つ該ハウジングの設計及び製作に多大な手間を要して設備コストが非常に高く付く上、該ハウジングが横方向に偏平な形態になるために大きな配置スペースを必要とし、それだけレーザ加工部の空間効率も悪くなる。
本発明は、上述の事情に鑑みて、レーザ溶接等の加工ラインの全体にシールドガスを供給しつつ、スキャナーヘッドからレーザビームを走査する形で照射し、所要のレーザ加工を行うリモートレーザ加工装置として、極めて簡素なシールドガス放出手段により、加工ラインの全体にシールドガスを均一な速度分布で供給でき、もって少ない設備コストで高い加工品位を得ることが可能なものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明は、スキャナーヘッドHから出射される長焦点のレーザビームLをワークW1,W2の加工ライン(突き合わせ溶接部C)に沿って照射してレーザ加工を行うリモートレーザ加工装置において、加工ラインの全体に該加工ラインを横切るようにシールドガスGを放出するスリット状ノズル1を備えたシールドガス放出手段を有し、該シールドガス放出手段は、縦型で偏平な矩形箱状のダクト2の上端部に前方へ開口したスリット状ノズル1を備えると共に、該ダクト2の下部にシールドガスGを導入するガス導入口3を有することを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1のリモートレーザ加工装置において、加工ラインが縦板状の第1ワークW1の側面上端部と横板状の第2ワークW2の端面との突き合わせ溶接部Cであり、スリット状ノズル1の上下縁1a,1b間の中間高さよりも低位に第1ワークW1の上端が位置し、該スリット状ノズル1から放出されるシールドガスGが突き合わせ溶接部C上を略水平に横切るように設定されてなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2のリモートレーザ加工装置において、ダクト2の前後壁21,22の一方の下端側にガス導入口3が設けられ、該ガス導入口3からシールドガスGが前後壁21,22の他方の内面に向かって流入するように構成されてなる。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかのリモートレーザ加工装置において、ダクト2のガス導入口3からスリット状ノズル1までの上下間隔dが、該ガス導入口3の口径φの10倍以上である構成としている。
請求項5の発明は、上記請求項1〜4のいずれかのリモートレーザ加工装置において、ダクト2内の前後厚み方向の空間幅wが、スリット状ノズル1の上下開き幅sの5倍以上である構成としている。
請求項6の発明は、上記請求項1〜4のいずれかのリモートレーザ加工装置において、ダクト2は、スリット状ノズル1の内奥側に、複数のガス流通孔4aが一定間隔置きに設けられた分配用部材4が配置すると共に、この分配用部材4の内奥側に、各ガス流通孔4aに対応する流量調整手段(調整ボルト5)が設けられてなる構成としている。
請求項7の発明は、上記請求項6のリモートレーザ加工装置において、スリット状ノズル1と分配用部材4との間に、隣接するガス流通孔4a,4a間に配置した隔離壁6が設けられてなる構成としている。
次に、本発明の効果について図面を参照して具体的に説明する。請求項1の発明に係るリモートレーザ加工装置によれば、スキャナーヘッドHから出射される長焦点のレーザビームLによるリモートレーザ加工において、シールドガス放出手段として、上端部に前方へ開口したスリット状ノズル1を備える縦型で偏平な矩形箱状のダクト2を用い、その下部のガス導入口3から導入したシールドガスGをスリット状ノズル1よりワークW1,W2の加工ライン(突き合わせ溶接部C)を横切るように放出するから、加工ラインの全体が常時均一な流速のシールドガスGで覆われて空気を置換した状態になり、レーザビームLの照射位置で酸化を生じず、且つ加工ラインに沿って該照射位置が高速で移動しても発生したプラズマ等の飛散物が直ちに排除され、該飛散物に起因するスパッタやパワー密度の低下が防止され、高い加工品位が得られる。しかも、このシールドガス放出手段では、ダクト2が構造的に極めて簡素であるにも関わらず、シールドガスGが下部のガス導入口3から偏平な内部空間20を経て上端部の狭いスリット状ノズル1へ至って縮流される過程での圧損により、スリット状ノズル1の略全長に亘って均一な流速分布が得られるから、その設計・製作が非常に容易であり、それだけ設備コスト負担が少なくて済む上、該ダクト2が縦型で偏平な矩形箱状をなすため、大きな配置スペースを要さず、それだけレーザ加工部の空間効率を高められる。
請求項2の発明によれば、縦板状の第1ワークW1の側面上端部と横板状の第2ワークW2の端面との突き合わせ部分をリモートレーザ溶接する際、スリット状ノズル1の上下縁1a,1b間の中間高さよりも低位に第1ワークW1の上端が位置し、該スリット状ノズル1から放出されるシールドガスGが突き合わせ溶接部C上を略水平に横切るように設定されているから、レーザビームLの照射位置での溶融部にガス流による悪影響を与えることなく、該突き合わせ溶接部Cの全体に溶接むらのない非常に良好な溶接品位が得られる。
請求項3の発明によれば、ダクト2の前後壁21,22の一方の下端側にガス導入口3を有し、該ガス導入口3から流入するシールドガスGは、直接に上方へ向かわずに、前後壁21,22の他方の内面に当たって周辺へ拡散してから、上方への流れに転じ、更に該ダクト2内の上端に至って前方へ向きを変え、流路を狭められてスリット状ノズル1から放出されるから、この二度にわたる方向転換と流路の拡縮を含む流れ過程での圧損により、スリット状ノズル1の略全長に亘る流速分布がより均一になる。
請求項4の発明によれば,ダクト2のガス導入口3の口径φに対し、該ガス導入口3からスリット状ノズル1までの上下間隔dが特定比率以上に設定されているため、該ガス導入口3から流入したシールドガスGがスリット状ノズル1に至るまでの間に、該ノズル1の幅全体に充分に拡散展開されて均等な上昇流に転化し、もってスリット状ノズル1の略全長に亘る流速分布がより均一になる。
請求項5の発明によれば、スリット状ノズル1の開き幅sに対してダクト2内の前後厚み方向の空間幅wが特定比率以上に設定されているから、ダクト2の内部空間20からスリット状ノズル1への流路断面積の縮小に伴う充分な圧損により、スリット状ノズル1の略全長に亘るシールドガスGの流速分布がより均一になる。
請求項6の発明によれば、ダクト2のスリット状ノズル1の内奥側に分配用部材4を有し、この分配用部材4に一定間隔置きに設けた各ガス流通孔4aにおけるシールドガスGの流量を流量調整手段(調整ボルト5)によって調整することにより、スリット状ノズル1の略全長に亘るシールドガスGの流速分布を均一にすることが可能になる。
請求項7の発明によれば、上記の分配用部材4及び流量調整手段(調整ボルト5)を有するダクト2において、スリット状ノズル1と分配用部材4との間に、隣接するガス流通孔4a,4a間に配置した隔離壁5を有するから、該流量調整手段による各ガス流通孔4aの流量調整に基づくシールドガスGの流速分布の均一化操作がより容易になる。
本発明の第一実施形態に係るリモートレーザ加工装置の概略構成を示す斜視図である。 同リモートレーザ加工装置におけるシールドガス供給手段のダクトを示し、(a)は縦断側面図、(b)は一部破断正面図である。 同リモートレーザ加工装置によるリモートレーザ溶接の状況を示す要部の縦断側面図である。 同リモートレーザ加工装置のシールドガス供給手段のスリット状ノズルにおけるシールドガスの略全長に亘る流速分布特性図である。 本発明の第二実施形態に係るリモートレーザ加工装置のシールドガス供給手段のダクト上部を示す一部破断斜視図である。 同リモートレーザ加工装置によるリモートレーザ溶接の状況を示す要部の縦断側面図である。
以下に、本発明に係るリモートレーザ加工装置の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、実施形態のリモートレーザ加工装置は、リモートレーザ溶接用として示している。
図1に示す第一実施形態のリモートレーザ加工装置は、レーザ発振器Mより光ファイバーFを通して伝送されるレーザ光を、スキャナーヘッドHから長焦点のレーザビームLとして加工ラインに沿って走査する形で照射するものであり、シールドガス供給手段として上端にスリット状ノズル1を有する縦型で偏平な矩形箱状のダクト2を備えている。そして、この場合の加工ラインは、縦板状の第1ワークW1と横板状の第2ワークW2との突き合わせ溶接部Cとしている。
なお、ダクト2はワーク固定用治具を兼用するものであり、その前方に張出した上壁23と、前壁21の外面頂部に固着した角棒状の押接バー24との間で、前方へ開口したスリット状ノズル1を構成すると共に、該押接バー24と、第2ワークW2を載置した水平支持台8の側面部との間で、第1ワークW1の上部を挟み付けて固定するようになっている。また、第2ワークW2は、その側端面を第1ワークW1の側面上端部に突き合わせた状態で、両端部を各々クランプ金具9を介して水平支持台8に固定しており、上面が第1ワークW1の頂端面と面一になるよう配置している。
図2(a)(b)に示すように、ダクト2は、その後壁22における左右幅方向の中央下部に円形のガス導入口3が開口しており、該ガス導入口3に臨む外側に図示省略したガスボンベに繋がるガス供給管の接続用アダプター31が取り付けてある。このダクト2内は、偏平な矩形箱状の外形に対応した偏平な内部空間20を構成し、該内部空間20の上端側がそのまま同じ左右幅のスリット状ノズル1に連通している。そして、ダクト2のガス導入口3からスリット状ノズル1までの上下間隔dがガス導入口3の口径φの10倍以上で,且つダクト2内の厚み方向の空間幅wがスリット状ノズル1の上下開き幅sの5倍以上に、すなわちd>10φ、w>5sとなるように設定されている。
図3に示すように、ダクト2のスリット状ノズル1は、その上下縁1a,1b間の中間高さよりも低位に第1ワークW1の上端が位置し、該スリット状ノズル1から放出されるシールドガスGが突き合わせ溶接部C上を略水平に横切るように設定されている。そして、スリット状ノズル1の下縁1bは、第1ワークW1の上端に対し、図示の如く僅かに低位か、もしくは同じ高さに設定される。なお、ダクト2は、ワーク固定用治具として、図示省略した駆動機構により、水平支持台8に対して離接動作するようになっている。
上記構成のリモートレーザ加工装置では、スキャナーヘッドHから出射される長焦点のレーザビームLにより、ワークW1,W2の突き合わせ溶接部Cをリモートレーザ溶接する際、ダクト2内に供給されたシールドガスGがスリット状ノズル1から突き合わせ溶接部Cを横切るように放出され、該突き合わせ溶接部Cの全体が常時均一な流速のシールドガスGで覆われて空気を置換した状態になる。従って、レーザビームLの照射位置で酸化を生じず、且つレーザビームLの照射位置が高速で移動しても発生したプラズマ等の飛散物が直ちに排除され、該飛散物に起因するスパッタやパワー密度の低下が防止され、もって突き合わせ溶接部Cの全体に溶接むらのない高い溶接品位が得られる。
このように、スリット状ノズル1の略全長に亘って均一な流速分布になるのは、ダクト2が縦型で偏平な矩形箱状という非常に単純な形態ではあるが、下部のガス導入口3から流入したシールドガスGが偏平な内部空間20を経て上端部の狭いスリット状ノズル1へ至って縮流される過程で、継続的で且つ適度に変化する圧損を受けることによる。すなわち、後壁22のガス導入口3から流入したシールドガスGは、直接に上方へは向かわず、まず前壁21の他方の内面に当たって周辺へ拡散してから、上方への流れに転じ、更に該ダクト2内の上端に至って前方へ向きを変え、流路を狭められてスリット状ノズル1から放出されることになり、この二度にわたる方向転換と流路の拡縮を含む流れ過程に加え、既述のガス導入口3からスリット状ノズル1までの上下間隔dとガス導入口3の口径φとの関係、ならびにダクト2内の厚み方向(前後方向)の空間幅wとスリット状ノズル1の上下開き幅sとの関係が、d>10φ、w>5sであることにより、継続的で且つ適度に変化する圧損を受ける結果、スリット状ノズル1の略全長に亘る流速分布が非常に均一になる。
なお、上記のd>10φとするのは、ガス導入口3から流入したシールドガスGがスリット状ノズル1に至るまでの間に、該ノズル1の幅全体に充分に拡散展開されて均等な上昇流に転化するのに必要な長さの流路行程を、ガス導入口3の径に対応して確保するためである。また、w>5sとするのは、シールドガスGがダクト2の内部空間20からスリット状ノズル1へ入る際の縮流による充分な圧損を生じさせるためである。
図4の流速分布特性図は、ダクト2として、内部空間20の前後方向の空間幅wが10mm、左右方向の空間幅(スリット状ノズル1の長さ)が170mm、ガス導入口3からスリット状ノズル1までの上下間隔dが90mm、ガス導入口3の径φが6mm、スリット状ノズル1の上下開き幅sが2mmであるものを使用し、ガス導入口3からシールドガスGとして窒素ガスを50L/分の流量で導入した場合の、スリット状ノズル1の左端側からの距離5mm毎の各位置における窒素ガスの流速を計測した結果を示す。
図4の流速分布特性から明らかなように、このリモートレーザ加工装置のシールドガス供給手段として用いるダクト2は、縦型の偏平な矩形箱状で、上端に前方へ開口したスリット状ノズル1を備えると共に、後壁の下部中央位置にガス導入口3を設けただけの非常に簡素な構造であるにも関わらず、そのスリット状ノズル1の略全長に亘って極めて均一な流速分布になることが判る。因みに、この流速分布の計測に供した両ダクト2,2をそれぞれ使用し、図1で示す構成において、ワークW1,W2としてアルミ板材のリモートレーザ溶接を行ったところ、突き合わせ溶接部Cの全体に溶接むらのない高い溶接品位が得られた。
なお、このリモートレーザ溶接では、スリット状ノズル1の上下縁1a,1b間の中間高さよりも低位に第1ワークW1の上端が位置し、該スリット状ノズル1から放出されるシールドガスGが突き合わせ溶接部C上を略水平に横切るように設定しているから、レーザビームLの照射位置での溶融部にガス流による悪影響を与えることなく、該突き合わせ溶接部Cの全体に溶接むらのない非常に良好な溶接品位が得られる。
一方、このようなリモートレーザ加工装置では、ダクト2が上記の如く偏平な矩形箱状という単純な形態であり、且つ上記のd>10φ、w>5sの関係を設定するだけでよいから、安価な金属板材を利用して該ダクト2を容易に設計・製作でき、もって設備コスト負担が少なくて済むという利点がある。しかも、該ダクト2は、縦型であって、その偏平方向が突き合わせ溶接部Cに沿うように配設するものであるから、大きな配置スペースを要さず、それだけレーザ加工部の空間効率を高められるという利点もある。
なお、ダクト2としては、上述のように偏平な矩形箱状で内部空間20に各別な介在物を有しないもので充分であるが、必要とあらば、整流板、金属網、刷毛状物等の適当な流速分布調整用の介在物を該内部空間20に設けてもよい。また、ガス導入口3は、例示した後壁22側に代えて前壁21側に設けてもよいし、同じ高さの位置に複数個を設けることも可能である。更に、加工対象のワークW1,W2の形状と組付け形態によっては、その一方を共にワーク固定用治具を兼用する一対のダクト2,2間で挟み付けて固定するようにしてもよい。
図5に示す第二実施形態のリモートレーザ加工装置では、ダクト2として、スリット状ノズル1の内奥側に、該スリット状ノズル1に臨んで複数のガス流通孔4aが一定間隔置きに設けられた横長ブロック状の分配用部材4が配置し、頂部に各ガス流通孔4aに対応する流量調整手段としての調整ボルト5を備え、且つスリット状ノズル1と分配用仕切壁4との間に、隣接するガス流通孔4a,4a間に配置する隔離壁6を設けたものを使用している。そして、図6に示すように、分配用部材4は、その全長に亘って下向きに開いたU字溝4bを有し、各ガス流通孔4aが該U字溝4bに連通すると共に、上端から各ガス流通孔4aまで貫設した各ねじ孔4cに調整ボルト5が螺着されている。
この第二実施形態のリモートレーザ加工装置のダクト2においては、各調整ボルト5の捻回操作により、その先端側のガス流通孔4a内への突入長さが変化し、各ガス流通孔4aにおけるシールドガスGの流通抵抗が増減する。従って、これら調整ボルト5の各々の突入長さを適宜設定することで、スリット状ノズル1の略全長に亘るシールドガスGの流速分布を均一にすることが可能になる。なお、隣接するガス流通孔4a,4a間に隔離壁6を有することで、調整ボルト5による各ガス流通孔4aの調整流量が相互に影響し合うのを抑制できるから、シールドガスGの流速分布の均一化操作がより容易になる。
なお、この第二実施形態における流量調整手段としては、例示した調整ボルト5以外の種々の調整機構を採用できる。ただし、このような分配用部材4を用いて各ガス流通孔4a毎に調整流量を行う場合、その調整にかなりの手間がかかると共に、ガス流通孔4aに臨む位置と隣接するガス流通孔4aに臨む位置とで流速差を生じ易いことから、既述の第一実施形態のダクト2の如く、内部空間20やスリット状ノズル1の近傍に各別な介在物を有しない簡素な構造の方がシールドガスGの流速分布の均一化に適している。
本発明のリモートレーザ加工装置は、既述の実施形態ではリモートレーザ溶接用として例示したが、リモートレーザ切断を始めとする他の種々のリモートレーザ加工にも適用可能である。また、スキャナーヘッドHは固定方式の他、離れた加工部位に適用するためにロボットに支持させる方式でもよい。
1 スリット状ノズル
1a 上縁
1b 下縁
2 ダクト
20 内部空間
21 前壁
22 後壁
3 ガス導入口
4 分配用部材
4a ガス流通孔
5 調整ボルト(流量調整手段)
6 隔離壁
C 突き合わせ溶接部(加工ライン)
H スキャナーヘッド
M レーザ発振器
L レーザビーム
W1 第1ワーク
W2 第2ワーク
d ガス導入口からスリット状ノズルまでの上下間隔
s スリット状ノズルの上下開き幅
w ダクト内の前後厚み方向の空間幅
φ ガス導入口の口径φ

Claims (7)

  1. スキャナーヘッドから出射される長焦点のレーザビームをワークの加工ラインに沿って照射してレーザ加工を行うリモートレーザ加工装置において、
    前記加工ラインの全体に該加工ラインを横切るようにシールドガスを放出するスリット状ノズルを備えたシールドガス放出手段を有し、
    該シールドガス放出手段は、縦型で偏平な矩形箱状のダクトの上端部に前方へ開口した前記スリット状ノズルを備えると共に、該ダクトの下部にシールドガスを導入するガス導入口を有することを特徴とするリモートレーザ加工装置。
  2. 前記加工ラインが縦板状の第1ワークの側面上端部と横板状の第2ワークの端面との突き合わせ溶接部であり、前記スリット状ノズルの上下縁間の中間高さよりも低位に第1ワークの上端が位置し、該スリット状ノズルから放出されるシールドガスが前記突き合わせ溶接部上を略水平に横切るように設定されてなる請求項1に記載のリモートレーザ加工装置。
  3. 前記ダクトの前後壁の一方の下端側に前記ガス導入口が設けられ、該ガス導入口からシールドガスが前後壁の他方の内面に向かって流入するように構成されてなる請求項2に記載のリモートレーザ加工装置。
  4. 前記ダクトのガス導入口からスリット状ノズルまでの上下間隔が、該ガス導入口の口径の10倍以上である請求項1〜3のいずれかに記載のリモートレーザ加工装置。
  5. 前記ダクト内の前後厚み方向の空間幅が、スリット状ノズルの上下開き幅の5倍以上である請求項1〜4のいずれかに記載のリモートレーザ加工装置。
  6. 前記ダクトは、スリット状ノズルの内奥側に、複数のガス流通孔が一定間隔置きに設けられた分配用部材が配置すると共に、この分配用部材の各ガス流通孔に対応する流量調整手段が設けられてなる請求項1〜5のいずれかに記載のリモートレーザ加工装置。
  7. 前記スリット状ノズルと前記分配用部材との間に、隣接するガス流通孔間に配置した隔離壁が設けられてなる請求項6に記載のリモートレーザ加工装置。
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