JP2020124408A - 歯科用治療装置およびその駆動方法 - Google Patents

歯科用治療装置およびその駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ヘッド部に取り付けた切削工具が誤っていた場合でも安全に駆動することができる歯科用治療装置およびその駆動方法を提供する。【解決手段】本発明に係る歯科用治療装置では、マイクロモータ7およびモータドライバ13などにより構成している駆動部と、制御部11と、根管長測定回路12とを備えている。制御部11は、ヘッド部2に保持する切削工具5が切削対象物を切削する方向に正転駆動し、切削工具5を正転駆動して、根管長測定回路12が基準位置への切削工具5の先端の到達を検出する場合、切削工具5を正転駆動の逆方向に逆転駆動し、切削工具5を逆転駆動して、根管長測定回路12が根尖位置の方向への切削工具5の先端の移動を検出する場合、フェールセーフ制御を実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、ハンドピースを備えた歯科用治療装置に関し、特に、歯の根管(以下、単に根管ともいう)の内壁を切削拡大する歯科用治療装置およびその駆動方法に関する。
歯科治療において、根管を切削拡大する治療が行われることがある。当該治療には、ハンドピースのヘッド部にファイル或いはリーマと称される切削工具を取付けた歯科用治療装置が用いられ、切削工具を駆動することで根管を切削拡大している。歯科用治療装置が切削工具を駆動して根管を切削拡大する際に、根管壁に切削工具の刃が食い込み、この食い込み部分で切削工具が拘束された状態で、さらに切削工具を無理に回転させることで切削工具がねじられて破折することがあった。
特許文献1で開示している歯科用治療装置では、切削工具の破折を防止するために、一定時間毎にモータの回転方向が逆転し、切削工具が一定時間毎に正転と逆転とを繰り返す、正逆回転動作のツイスト駆動を行うハンドピースが開示されている。
国際公開第2012/164875号
切削工具には、時計回り方向に駆動した場合に根管を切削することができるが、反時計回り方向の駆動した場合には根管を切削することができない或いは切削効率が低下する第1切削工具と、反時計回り方向に駆動した場合に根管を切削することができるが、時計回り方向の駆動した場合には根管を切削することができない或いは切削効率が低下する第2切削工具とがある。
特許文献1で開示している歯科用治療装置では、第1切削工具をヘッド部に取り付けた場合、時計回り方向の回転角度を反時計回り方向の回転角度よりも大きくしたツイスト駆動で駆動することで根管を効率よく切削することができる。一方、当該歯科用治療装置は、第2切削工具をヘッド部に取り付けた場合、反時計回り方向の回転角度を時計回り方向の回転角度よりも大きくしてツイスト駆動することで根管を効率よく切削することができる。
しかし、当該歯科用治療装置では、第1切削工具をヘッド部に取り付けたつもりが、誤って第2切削工具を取り付けた場合、使用者が操作した駆動と異なる動作が実行されることになる。特に、根管長測定回路を含む歯科用治療装置では、根尖位置に切削工具の先端が到達した場合、時計回り方向の回転角度を反時計回り方向の回転角度よりも大きくしたツイスト駆動で駆動していたものを反時計回り方向の駆動に切換える制御が行われる。このとき、ヘッド部に取り付けた切削工具が誤っていた場合、意図しない動作(異常動作)となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ヘッド部に取り付けた切削工具が誤っていた場合でも安全に駆動することができる歯科用治療装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
本発明に係る歯科用治療装置は、ハンドピースのヘッド部に保持した切削工具を駆動する駆動部と、切削工具を駆動する駆動部を制御する制御部と、電気的根管長測定で得られる切削工具の先端の根管内での位置を検出する位置検出部とを備え、制御部は、ヘッド部に保持する切削工具が切削対象物を切削する方向に正転駆動し、切削工具を正転駆動して、位置検出部が基準位置への切削工具の先端の到達を検出する場合、切削工具を正転駆動の逆方向に逆転駆動し、切削工具を逆転駆動して、位置検出部が根尖位置の方向への切削工具の先端の移動を検出する場合、フェールセーフ制御を実行する。
本発明に係る別の歯科用治療装置は、ハンドピースのヘッド部に保持した切削工具を駆動する駆動部と、切削工具を駆動する駆動部を制御する制御部と、切削工具に加わる負荷を検出する負荷検出部とを備え、制御部は、ヘッド部に保持する切削工具が切削対象物を切削する方向に正転駆動し、切削工具を正転駆動して、負荷検出部で検出する切削工具に加わる負荷が基準負荷以上である場合、切削工具を正転駆動の逆方向に逆転駆動し、切削工具を逆転駆動して、負荷検出部で検出する切削工具に加わる負荷が基準負荷未満とならない場合、フェールセーフ制御を実行する。
本発明に係る歯科用治療装置の駆動方法は、ハンドピースのヘッド部に保持された切削工具を駆動する駆動部と、切削工具を駆動する駆動部を制御する制御部と、電気的根管長測定で得られる切削工具の先端の根管内での位置を検出する位置検出部とを備える歯科用治療装置の駆動方法であって、制御部は、ヘッド部に保持する切削工具が切削対象物を切削する方向に正転駆動するステップと、切削工具を正転駆動して、位置検出部が基準位置への切削工具の先端の到達を検出する場合、切削工具を正転駆動の逆方向に逆転駆動するステップと、切削工具を逆転駆動して、位置検出部が根尖位置の方向への切削工具の先端の移動を検出する場合、フェールセーフ制御を実行するステップと含む。
本発明に係る歯科用治療装置は、切削工具を逆転駆動して意図しない動作となってもフェールセーフ制御を実行するので、ヘッド部に取り付けた切削工具が誤っていた場合でも安全に駆動することができる。
本実施の形態1に係る根管治療器の構成を示す概略図である。 本実施の形態1に係る根管治療器の機能の構成を示すブロック図である。 本実施の形態1に係る根管治療器の回路構成を示す回路図である。 切削工具の回転方向を示した模式図である。 本実施の形態1に係る根管治療器の制御部での制御の流れを説明するためのブロック図である。 本実施の形態1に係る根管治療器において実行される2段階制御を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態1に係る根管治療器において実行される2段階制御を説明するための模式図である。 本実施の形態1に係る根管治療器において設定される第1の基準位置および第2の基準位置を説明するための模式図である。 本実施の形態2に係る根管治療器において実行される2段階制御を説明するためのフローチャートである。 ハンドピースの外に設けた制御ボックスとコードで接続された根管治療器の構成を示す概略図である。
(概要)
根管を切削拡大する治療は、人により根管が湾曲している程度や根管が石灰化して閉塞している状況などが異なっており、非常に難しい治療である。歯科用治療装置である根管治療器を用いて根管を切削拡大する場合において、根管口から根尖位置に至るまでの根管を切削拡大する必要があるが、根尖位置を超えて切削拡大することを防止する技術が知られている。
具体的に、根管治療器は、根管長測定回路を用いて根尖位置に切削工具の先端が到達したと判断した場合、切削工具の駆動を正転駆動から逆転駆動に切換えて、根尖位置を超えて切削拡大することを防止する。ここで、正転駆動は、切削対象物である根管壁を切削する方向の駆動で、第1切削工具の場合、時計回り方向の駆動である。逆転駆動は、正転駆動の逆方向の駆動で、第1切削工具の場合、反時計回り方向の駆動である。第1切削工具は、時計回り方向の駆動で切削を行うように刃が形成されているので、時計回り方向の駆動を正転駆動として駆動すると、ネジが食い込んでいくように根尖位置に近付く方向に切削工具の先端が進む。逆に、当該第1切削工具は、反時計回り方向の駆動を逆転駆動として駆動すると、ネジを緩めるように根尖位置から遠ざかる方向に切削工具の先端が進む。
しかし、根管治療器のヘッド部に取り付けできる切削工具には、時計回り方向の駆動で切削を行うように刃が形成された第1切削工具以外に、反時計回り方向の駆動で切削を行うように刃が形成された第2切削工具がある。第2切削工具は、反時計回り方向の駆動で切削を行うように刃が形成されているので、反時計回り方向の駆動を正転駆動として駆動すると根尖位置に近付く方向に切削工具の先端が進む。逆に、当該第2切削工具は、時計回り方向の駆動を逆転駆動として駆動すると根尖位置から遠ざかる方向に切削工具の先端が進む。そのため、第1切削工具を根管治療器のヘッド部に取り付けたつもりで第2切削工具が取り付けた場合、使用者が意図しない動作(異常動作)となる。つまり、根管治療器は、根尖位置に切削工具の先端が到達したと判断して逆転駆動で切削工具を駆動すると、切削工具の先端が根尖位置から遠ざかるのではなく、逆に根尖位置の方向にさらに進み使用者が意図しない動作となる。
そこで、本明細書において説明する根管治療器では、根尖位置に切削工具の先端が到達したと判断して逆転駆動で切削工具を駆動した場合に、根尖位置の方向にさらに進む動作が行われると異常動作と判断して駆動を停止する2段階制御が行われる。なお、第2切削工具を根管治療器のヘッド部に取り付けたつもりで第1切削工具が取り付けられた場合、根管治療器での駆動の方向と正転駆動および逆転駆動との関係が逆となる。
また、根管治療器では、単純な正転駆動、逆転駆動だけでなく、正転駆動と逆転駆動とを組み合わせたツイスト駆動で切削工具を駆動することができる。根管治療器は、第1切削工具をツイスト駆動する場合、時計回り方向の回転角度を反時計回り方向の回転角度よりも大きくしたツイスト駆動で駆動することで根管を効率よく切削することができる。さらに、根管治療器は、第2切削工具をツイスト駆動する場合、反時計回り方向の回転角度を時計回り方向の回転角度よりも大きくしたツイスト駆動で駆動することで根管を効率よく切削することができる。ツイスト駆動で切削工具を駆動する場合、必ず時計回り方向の駆動と反時計回り方向の駆動とが含まれるので、使用者は誤った切削工具が根管治療器のヘッド部に取り付けられていることに気付きにくい。
なお、本明細書では、時計回り方向の駆動、および時計回り方向の駆動の回転角度を反時計回り方向の駆動の回転角度よりも大きくしたツイスト駆動を含む駆動を、主として時計回り駆動と称し、反時計回り方向の駆動、および反時計回り方向の駆動の回転角度を時計回り方向の駆動の回転角度よりも大きくしたツイスト駆動を含む駆動を、主として反時計回り駆動と称す。また、第1切削工具を時計回り駆動する場合に正転駆動、第1切削工具を反時計回り駆動する場合に逆転駆動、第2切削工具を反時計回り駆動する場合に正転駆動、第2切削工具を時計回り駆動する場合に逆転駆動と称す。
このように、本明細書において説明する根管治療器では、切削工具の先端が根尖位置に到達した場合に行う正転駆動から逆転駆動への制御と、ヘッド部に取り付けた切削工具の誤りにより逆転制御を行った場合に異常動作が起こるのを防止するためのフェールセーフ(fail safe)制御との2段階制御について、以下、図を用いて具体的な実施の形態について詳しく説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る根管治療器100の構成を示す概略図である。図2は、本実施の形態1に係る根管治療器の機能の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態1に係る歯科用治療装置は、歯科用根管治療のためのハンドピース1に根管拡大および根管長測定などのシステムを含めて根管治療器100として説明する。しかし、本発明に係る歯科用治療装置は、根管治療器100に限定されるものではなく、同様の構成を有する歯科用治療装置について適用することができる。
図1に示す根管治療器100は、歯科用根管治療のためのハンドピース1、モータユニット6、制御ボックス9をハンドピース1の内部に含んでいる。つまり、図1に示す根管治療器100は、ハンドピース1が、ホースを介して、制御ボックスに連結されている構成ではなく、コードレスタイプの根管治療器である。
歯科用根管治療のハンドピース1は、ヘッド部2と、ヘッド部2に連接される細径のネック部3と、該ネック部3に連接され手指によって把持される把持部4とを備えている。そして、把持部4には、ヘッド部2に保持される切削工具5(ファイル或いはリーマなど)を回転駆動させるためのモータユニット6や制御ボックス9を内蔵している。
モータユニット6は、図2に示すようにマイクロモータ7を内蔵し、該マイクロモータ7へ電源を供給する電源供給用リード線71および、後述する根管長測定回路12へ信号を伝送する信号用リード線8などを介して、制御ボックス9に接続してある。ここで、信号用リード線8は、モータユニット6及びハンドピース1内を経て切削工具5と電気的に導通し、電気信号を伝達する導電体の一部である。なお、切削工具5は、根管長測定回路12の一方の電極となる。
制御ボックス9は、制御部11、比較回路110、根管長測定回路12、モータドライバ13、設定部14、操作部15、表示部16および報知部17などを備えている。なお、リード線19は、図1に図示していないが、たとえば把持部4より導出するよう構成してもよい。リード線19は、一方を根管長測定回路12に連結し、他方の先端に患者の唇に掛けられる口腔電極19aを電気的に導通する状態で取付けてある。なお、口腔電極19aは、根管長測定回路12の他方の電極となる。
制御部11は、根管拡大及び根管長測定システム全体の制御を行うもので、主要部はマイクロコンピュータで構成されている。制御部11には、比較回路110、根管長測定回路12、モータドライバ13、設定部14、操作部15、表示部16、および報知部17を接続してある。制御部11は、切削対象物を切削する切削工具5の回転方向を制御している。具体的に、制御部11は、駆動シーケンスに従い、切削工具5を時計回り(右回りともいう)方向に回転させる時計回り駆動、および切削工具5を反時計回り(左回りともいう)方向に回転させる反時計回り駆動のいずれかの制御を行う。ここで、切削工具の回す方向(時計回り方向や反時計回り方向)は、ヘッド部2に取付ける切削工具5の側から切削工具5の先端方向を向いた場合を基準に考えるものとする。さらに、制御部11は、時計回りの回転角度、回転速度、あるいは回転角速度(回転数)、反時計回りの回転角度、回転速度、あるいは回転角速度(回転数)、繰り返し数のそれぞれのパラメータを変更して、切削工具5を回転させる駆動の制御を行うことができる。
ここで、回転角度は、切削工具5を時計回り方向または反時計回り方向に回す大きさを表す回転量であり、回転回数や回転角速度(回転数)を一定にした場合の回転時間(駆動期間ともいう)などで規定してもよい。また、回転角度は、駆動電流量やトルク量などの切削工具5の駆動に関連する量で規定してもよい。厳密には切削工具やモータのかかる負荷によって、たとえば制御上の回転時間と実際の回転角度とは対応関係を補正しなければならない場合があるが、補正量は極めて小さく本発明の実施においては無視することができる。
比較回路110は、切削工具5に加わる負荷を検出するために必要な構成であり、当該負荷の検出が必要な場合に選択して設けることが可能な構成である。比較回路110は、モータドライバ13により切削工具5を時計回り方向または反時計回り方向に回転させているいずれかの時点で、負荷の比較を行うことが可能である。具体的に、比較回路110は、切削工具5を時計回り方向または反時計回り方向に所定の回転角度(たとえば180度)回転させた後に、切削工具5に加わる負荷と基準負荷とを比較することができる。
根管長測定回路12は、切削工具5の先端の根管内での位置を検出するために必要な構成であり、当該位置の検出が必要な場合に選択して設けることが可能な構成である。根管長測定回路12は、根管内に挿入した切削工具5を一方の電極、患者の唇に掛けた口腔電極19aを他方の電極として閉回路を構成する。そして、根管長測定回路12は、切削工具5と口腔電極19aとの間に測定電圧を印加し、切削工具5と口腔電極19aとの間のインピーダンスを計測することによって、歯の根尖位置から切削工具5の先端までの距離を測定することができる。切削工具5の先端が根尖位置に到達したことを根管長測定回路12が検出したとき、切削工具の挿入量、すなわち根管口から切削工具の先端までの距離を根管長とすることができる。なお、切削工具5と口腔電極19aとの間のインピーダンスを計測して、根管長を測定する電気的根管長測定方法は公知のものであり、実施の形態1に係る根管治療器100には、公知になっているすべての電気的根管長測定方法を適用することができる。
モータドライバ13は、電源供給用リード線71を介してマイクロモータ7に接続し、制御部11からの制御信号に基づいて、マイクロモータ7に供給する電源を制御している。モータドライバ13は、マイクロモータ7に供給する電源を制御することで、マイクロモータ7の回転方向、回転数および回転角度など、つまり切削工具5の回転方向、回転数および回転角度などを制御することができる。なお、主にマイクロモータ7およびモータドライバ13により駆動部を構成している。
設定部14は、把持部4の表面に設定変更するための選択ボタン15b(図1参照)を有しており、当該選択ボタン15bを操作することで切削工具5の回転方向、回転数および回転角度などを制御する基準を設定する。また、設定部14は、切削工具5の回転数および回転角度のパラメータを設定する他、根管長測定を行うか否かの選択なども設定することができる。さらに、設定部14は、切削工具5に加わる負荷と比較回路110おいて比較する切換基準(駆動シーケンス、または駆動パターンのパラメータを切換えるための基準)、基準負荷、タイミングなどを設定する。
操作部15は、把持部4の表面に駆動開始・停止ボタン15a(図1参照)を有しており、当該駆動開始・停止ボタン15aを操作することで切削工具5の駆動を開始または停止することができる。つまり、切削工具5の駆動が停止しているときに駆動開始・停止ボタン15aを操作すると、操作部15は、制御部11に対して切削工具5の駆動を開始する指示信号を送信する。切削工具5の駆動中に駆動開始・停止ボタン15aを操作すると、操作部15は、制御部11に対して切削工具5の駆動を停止する指示信号を送信する。ここで、切削工具5の駆動中とは、駆動開始・停止ボタン15aの操作によって切削工具5の駆動が開始されてから駆動が停止するまでの期間をいう。そのため、検出した負荷が基準負荷以上となって強制的に切削工具5の駆動が停止したときは、駆動開始・停止ボタン15aの操作によって切削工具5の駆動を停止していないので、まだ切削工具5の駆動中に含まれるものとする。
表示部16は、根管内での切削工具5の先端の位置や切削工具5の回転方向、回転数および回転角度などを表示する。さらに、報知部17が使用者に対して報知するための情報を、表示部16に表示することもできる。コードレスタイプの根管治療器100では、把持部4に表示部16が設けてある。そのため、使用者は、視線を大きく変えることなく、切削工具5を切削方向に駆動しているのか、非切削方向に駆動しているのか、現在の切削工具5の位置はどの程度か、切削工具5にかかっている負荷はどの程度か、回転数はいくらか、といった情報を確認することができる。
報知部17は、現在、制御部11で行っている切削工具5の駆動状態を、光、音や振動などにより報知する。具体的に、報知部17は、切削工具5の駆動状態を報知するために、必要に応じてLED(Light Emitting Diode),スピーカーや振動子などを設け、時計回り方向の駆動と反時計回り方向の駆動とで発光するLEDの色を変えたり、スピーカーから出力する音を変えたりする。なお、報知部17は、表示部16で、使用者に対して切削工具5の駆動状態を表示することができる場合、LED,スピーカーや振動子など別途設けなくてもよい。
次に、切削工具5の駆動制御を行う根管治療器100の回路構成について、さらに詳しく説明する。図3は、本実施の形態1に係る根管治療器100の回路構成を示す回路図である。図3に示す根管治療器100には、切削工具5の駆動制御に関わるマイクロモータ7、制御部11、比較回路110、根管長測定回路12、モータドライバ13、および設定部14の部分について図示してある。
さらに、モータドライバ13は、トランジスタスイッチ13a、トランジスタドライバ回路13b、回転方向切換スイッチ13c、および負荷検出用抵抗13dを含んでいる。なお、回転方向切換スイッチ13cは、リレー素子として説明するが、FETなどの半導体のスイッチ素子でモータ駆動回路を構成してもよい。設定部14は、基準負荷設定用の可変抵抗14a、デューティ設定用の可変抵抗14b、および基準位置設定用の可変抵抗14cを含んでいる。なお、設定部14には、比較回路110において検出した負荷と基準負荷とを比較するタイミングを示す回転角度(または回転時間)を設定する構成なども含まれるが、当該構成については図3に図示していない。また、図3に示す根管治療器100には、主電源20およびメインスイッチ21に接続してある。切削工具5は、図示していないが適宜の歯車機構等を介してマイクロモータ7に保持してある。
トランジスタドライバ回路13bは、制御部11のポート11aから出力する制御信号で作動し、トランジスタスイッチ13aのオン・オフを制御してマイクロモータ7を駆動する。マイクロモータ7は、回転方向切換スイッチ13cの状態に応じて時計回り方向または反時計回り方向に回転する。制御部11のポート11aから出力する制御信号が、たとえば一定の周期で繰返されるパルス波形である場合、そのパルス波形の幅、すなわちデューティ比は、設定部14のデューティ設定用の可変抵抗14bによって調整される。マイクロモータ7は、このデューティ比に対応した回転数で切削工具5を駆動する。
回転方向切換スイッチ13cは、制御部11のポート11bから出力する制御信号で、切削工具5を時計回り方向に駆動するか、反時計回り方向に駆動するかを切換える。制御部11は、ポート11cに入力される負荷検出用抵抗13dの電流量(または電圧値)に基づき、切削工具5に加わる負荷を検出する。そのため、負荷検出用抵抗13dは、切削工具5に加わる負荷を検出する負荷検出部として機能している。なお、負荷検出部は、負荷検出用抵抗13dの電流量(または電圧値)に基づいて切削工具5に加わる負荷を検出する構成に限定されるものではなく、たとえば切削工具5の駆動部分にトルクセンサを設けて切削工具5に加わる負荷を検出する構成など別の構成であってもよい。検出される負荷は、たとえば切削工具5に加わるトルク値に制御部11で換算され、表示部16に表示される。また、比較回路110では、制御部11で換算されたトルク値と、基準負荷設定用の可変抵抗14aを用いて設定したトルク値とを比較している。もちろん、比較回路110は、トルク値に換算せずに負荷検出用抵抗13dの電流量(または電圧値)と可変抵抗14aの電流量(または電圧値)とを直接比較する構成でもよい。
さらに、制御部11は、根管長測定回路12で測定した根管長をポート11dに入力する。そのため、根管長測定回路12は、切削工具5の先端の根管内での位置を検出する位置検出部として機能している。また、制御部11は、負荷検出部で検出した切削工具5に加わる負荷をポート11eから比較回路110へ出力し、比較回路110が基準負荷と比較した比較結果をポート11eから入力する。そのため、比較回路110は、負荷検出部で検出した負荷と基準負荷とを比較する負荷比較部として機能している。なお、制御部11は、上記アナログ回路で説明した構成を、ひとつのマイクロコンピュータにソフトウェアとしてまとめてもよい。
図4は、切削工具5の回転方向を示した模式図である。図4に示す切削工具5の回転方向では、ヘッド部2に取付ける切削工具5の側から切削工具5の先端方向を向いて切削工具5を右回りに回転させる時計回り方向5aの方向の駆動と、左回りに回転させる反時計回り方向5bの方向の駆動とが図示されている。なお、予め定められた回転角度で時計回り方向5aに切削工具5を回転させる駆動と、予め定められた回転角度で反時計回り方向5bに切削工具5を回転させる駆動とを交互に行う駆動が、ツイスト駆動である。なお、ツイスト駆動では、時計回り方向と反時計回り方向との交互回転を、等しい駆動量に行うものであってもよいし、異なる駆動量だけ行うものであってもよい。
[2段階制御]
次に、本実施の形態1に係る根管治療器100における2段階制御について説明する。図5は、本実施の形態1に係る根管治療器100の制御部11での制御の流れを説明するためのブロック図である。制御部11は、切削工具5を駆動する制御として正転制御111、逆転制御112、フェールセーフ制御113の3つの制御を有している。正転制御111は、根管を切削拡大するために切削工具5を正転駆動する制御である。つまり、正転制御111では、たとえば、ヘッド部2に第1切削工具が取り付けられている場合、切削工具5を主として時計回り駆動に制御し、ヘッド部2に第2切削工具が取り付けられている場合、切削工具5を主として反時計回り駆動に制御する。
制御部11は、正転制御111で切削工具5を駆動して根管の切削拡大を行っているときに、根管長測定回路12が基準位置(たとえば、根尖位置)への切削工具5の先端の到達を検出する場合、正転制御111から逆転制御112に制御を移行する。逆転制御112は、正転駆動を逆転駆動に駆動を反転させる制御である。つまり、逆転制御112は、たとえば、ヘッド部2に第1切削工具が取り付けられている場合、切削工具5の駆動を主として反時計回り駆動に制御し、ヘッド部2に第2切削工具が取り付けられている場合、切削工具5の駆動を主として時計回り駆動に制御する。なお、基準位置は、たとえば、根尖位置に設定される以外に、根管内で使用者が予め設定した位置であってもよい。
切削工具5は、正転駆動することで根管を切削拡大しながら、根尖位置に近付く方向に切削工具5の先端が進み、逆転駆動すると基準位置から遠ざかる方向に切削工具5の先端が進むことになる。そのため、逆転制御112は、切削工具5を逆転駆動することで基準位置から遠ざかる方向に駆動を制御していることになる。切削工具5を逆転駆動することで、根管長測定回路12が基準位置の位置への切削工具5の先端の未到達を検出する場合、逆転制御112から正転制御111に制御を戻すことができる。
しかし、ヘッド部2に取り付けた切削工具5が誤っていた場合、逆転制御112で切削工具5を逆転駆動しても、さらに根尖位置の方向に切削工具5の先端が進むことになる。そこで、逆転制御112で切削工具5を逆転駆動するときに、根管長測定回路12が根尖位置の方向への切削工具5の先端の移動を検出する場合、異常動作を検出したとして、逆転制御112からフェールセーフ制御113に制御が移行する。
フェールセーフ制御113は、切削工具5の駆動を停止する制御である。これにより、根管治療器100は、ヘッド部2に取り付けた切削工具5が誤っていたとしても、根尖位置を超えて切削拡大することを防止することができる。フェールセーフ制御113は、ヘッド部2に取り付けた切削工具5が誤っていたとしても、逆転制御112での駆動で異常動作を防止できれば切削工具5の駆動を停止する制御だけに限られない。フェールセーフ制御113には、たとえば、切削工具5の回転速度を低下する制御、切削工具5をツイスト駆動する制御、切削工具5の駆動方向を反転する制御、音を出力する制御、光を出力する制御、およびハンドピース1を振動させる制御のうち、少なくとも何れか1つの制御を含めてもよい。具体的に、フェールセーフ制御113は、切削工具5の駆動方向を反転する制御を行い、逆転制御112による切削工具5の逆転駆動を正転駆動にすることで、切削工具5が誤っている場合の異常動作を防止してもよい。また、フェールセーフ制御113は、根管長測定回路12が根尖位置の方向への切削工具5の先端の移動を検出すると、報知部17を用いて音や光を出力して異常動作を報知する制御を行い、切削工具5が誤っている場合の異常動作を防止してもよい。
フェールセーフ制御113により切削工具5の駆動が停止した場合、解除操作が行われるまで当該制御が継続する。つまり、フェールセーフ制御113から正転制御111への復帰には、解除操作が必要である。解除動作としては、たとえば根管長測定回路12が基準位置よりも歯冠側の位置となる所定位置(たとえば、根管口)への切削工具5の先端の到達を検出する操作である。なお、解除操作は、これに限定されず、たとえば駆動開始・停止ボタン15aを長押しするなど他の操作を設定してもよい。
根管治療器100は、図5に示すように正転制御111で切削工具5を駆動している場合に、切削工具5の先端が基準位置に至ると逆転制御112での駆動に切換わる第1段階目の制御の制御が行われ、さらに異常動作が検出されるとフェールセーフ制御113での駆動に切換わる第2段階目の制御の制御が行われる2段階制御となっている。この2段階制御について、フローチャートおよび模式図を用いて説明する。図6は、本実施の形態1に係る根管治療器100において実行される2段階制御を説明するためのフローチャートである。図7は、本実施の形態1に係る根管治療器100において実行される2段階制御を説明するための模式図である。なお、以下のフローチャートおよび模式図では、説明を簡単にするため、切削工具5に第1切削工具を用いて正転駆動することで根管の切削拡大を行う場合について説明する。
まず、制御部11は、使用者により駆動開始・停止ボタン15aが押下され駆動操作があったか否かを判断する(ステップS110)。駆動操作がない場合(ステップS110でNO)、制御部11は、処理をステップS110に戻し、使用者による駆動操作の待ち状態となる。駆動操作がある場合(ステップS110でYES)、制御部11は、切削工具5を正転駆動する(ステップS111)。つまり、図5に示す正転制御111で切削工具5を駆動している場合であり、図7(a)に示すように、ヘッド部2に第1切削工具5Aを取り付けて、根管の切削拡大を行っている場合である。
根管長測定回路12は、切削工具5を正転駆動している間、根管内での切削工具5の先端の位置を測定している。制御部11は、根管長測定回路12で測定した切削工具5の先端の位置が基準位置(たとえば、根尖位置)に至ったか否かを判断する(ステップS112)。切削工具5の先端の位置が基準位置に至っていない場合(ステップS112でNO)、制御部11は、処理をステップS111に戻し、切削工具5の先端の位置が基準位置に至ったか否かの判断を続ける。
切削工具5の先端の位置が基準位置に至った場合(ステップS112でYES)、制御部11は、切削工具5を逆転駆動する(ステップS113)。つまり、図5に示す逆転制御112で切削工具5を駆動している場合であり、図7(b)に示すように、第1切削工具5Aの先端の位置が根尖位置に至って、第1切削工具5Aを逆転駆動している場合である。
第1切削工具5Aを逆転駆動した場合、第1切削工具5Aの先端の位置が根尖位置から遠ざかる方向に第1切削工具5Aの先端が進むことになる(図7(c))。しかし、ヘッド部2に誤って第2切削工具5Bが取り付けられていた場合、第1切削工具5Aでの逆転駆動が第2切削工具5Bでの正転駆動となるので、根尖位置の方向に第2切削工具5Bの先端がさらに進むことになる(図7(f))。本来、逆転制御112での駆動は、基準位置に至った切削工具5の先端がさらに基準位置を超えて進むことを防止するための駆動である。そのため、制御部11は、逆転制御112で切削工具5を駆動して、さらに根尖位置の方向に切削工具5の先端が進んだ場合、使用者が意図しない動作であるとして異常動作と判断する。
制御部11は、異常動作の判断を、根管長測定回路12で測定した切削工具5の先端の位置が根尖位置の方向に移動したか否かで判断する(ステップS114)。ここで、根管長測定回路12が切削工具5の先端の位置が根尖位置の方向に移動したか否かの判断について詳しく説明する。たとえば、根管長測定回路12は、切削工具5を逆転駆動させる基準位置を第1の基準位置と、根尖の位置あるいは第1の基準位置に対して根尖側よりの位置を第2の基準位置とそれぞれ設定する。図8は、本実施の形態1に係る根管治療器において設定される第1の基準位置および第2の基準位置を説明するための模式図である。図8(a)では、根管長測定回路12において根管内の位置を20ドットのブロックで表示する場合、1目盛のブロックに第1の基準位置を、根尖の位置(APEX)の目盛のブロックに第2の基準位置をそれぞれ設定している。つまり、第2の基準位置を根尖の位置として絶対位置に設定している。なお、第2の基準位置を設定する位置は、根尖の位置に限られず、根尖の位置の近傍(例えば、APEX目盛前後の2ブロックの範囲)の位置に設定してもよい。また、図8(b)では、根管長測定回路12において根管内の位置を20ドットのブロックで表示する場合、1目盛のブロックに第1の基準位置を、第1の基準位置からたとえば3ドット根尖側よりの位置を第2の基準位置をそれぞれ設定している。つまり、第2の基準位置を第1の基準位置に対する相対位置として設定している。
制御部11は、第1の基準位置および第2の基準位置を設定することで、切削工具5を逆転駆動して、根管長測定回路12が第2の基準位置への切削工具5の先端の到達を検出する場合を、根管長測定回路12が根尖位置の方向への切削工具5の先端の移動を検出したとして、異常動作の判断することができる。つまり、制御部11は、図8(a)に示す根管長測定回路12の表示において測定した切削工具5の先端の位置が図中上側から第1の基準位置に至った場合に切削工具5を逆転駆動させ、逆転駆動させてもさらに測定した切削工具5の先端の位置が第2の基準位置に至った場合に切削工具5の駆動を停止する。なお、根管長測定回路12が切削工具5の先端の位置が根尖位置の方向に移動したか否かの判断は、第1の基準位置および第2の基準位置を設定する場合に限定されない。たとえば、第2の基準位置を設定せずに、根管長測定回路12で測定した切削工具5の先端の位置の移動方向から根尖位置の方向に移動したか否かを判断してもよい。
図8に戻って、切削工具5の先端の位置が根尖位置の方向に移動していない場合(ステップS114でNO)、制御部11は、処理をステップS113に戻し、逆転制御112による逆転駆動を続ける。切削工具5の先端の位置が根尖位置の方向に移動した場合(ステップS114でYES)、制御部11は、異常動作と判断してフェールセーフ制御113での制御として切削工具5の駆動を停止する(ステップS115)。なお、制御部11は、異常動作と判断した場合、切削工具5の駆動を停止するのではなく、切削工具5の駆動方向を反転する制御(当該フローチャートでは正転駆動)を行ってもよい。
異常動作と判断して切削工具5の駆動を停止すると、制御部11は、使用者により解除操作が行われたか否かを判断する(ステップS116)。解除操作が行われていない場合(ステップS116でNO)、制御部11は、処理をステップS116に戻し、使用者による解除操作の待ち状態となる。解除操作が行われた場合(ステップS116でYES)、制御部11は、フェールセーフ制御113での切削工具5の駆動を終了する。つまり、制御部11は、正転制御111での切削工具5の駆動に戻る。上述したように第1の基準位置および第2の基準位置を設定する場合、解除操作として、例えば根管長測定回路12で測定した切削工具5の先端の位置が第1の基準位置に至るまで切削工具5の先端を移動させる操作が考えられる。なお、解除操作により切削工具5の先端を移動させる位置としては、第1の基準位置に限定されず根尖位置よりも歯冠側の位置となる所定位置であればよい。制御部11は、図8(a)に示す根管長測定回路12の表示においてフェールセーフ制御113で駆動を停止した切削工具5の先端の位置を第2の基準位置から第1の基準位置に戻す解除操作が行われた場合、正転制御111での切削工具5の駆動に戻る。
以上のように、本実施の形態1に係る根管治療器100は、マイクロモータ7およびモータドライバ13などにより構成している駆動部と、制御部11と、根管長測定回路12とを備えている。駆動部は、ハンドピース1のヘッド部2に保持した切削工具5を駆動する。制御部11は、切削工具5を駆動する駆動部を制御する。根管長測定回路12は、電気的根管長測定で得られる切削工具5の先端の根管内での位置を検出する。制御部11は、ヘッド部2に保持する切削工具5が切削対象物を切削する方向に正転駆動し、切削工具5を正転駆動して、根管長測定回路12が基準位置への切削工具5の先端の到達を検出する場合、切削工具5を正転駆動の逆方向に逆転駆動し、切削工具5を逆転駆動して、根管長測定回路12が根尖位置の方向への切削工具5の先端の移動を検出する場合、フェールセーフ制御を実行する。
これにより、本実施の形態1に係る根管治療器100は、逆転制御112で切削工具5を駆動して意図しない動作となってもフェールセーフ制御113により切削工具5の駆動が制御されるので、ヘッド部2に取り付けた切削工具5が誤っていた場合でも安全に駆動することができる。
フェールセーフ制御は、切削工具5の駆動を停止する制御、切削工具5の回転速度を低下する制御、切削工具5をツイスト駆動する制御、切削工具5の駆動方向を反転する制御、音を出力する制御、光を出力する制御、およびハンドピース1を振動させる制御のうち、少なくとも何れか1つの制御を含む。
これにより、本実施の形態1に係る根管治療器100は、切削工具5の駆動にあった適切なフェールセーフ制御を提供することができる。
基準位置は、根管内で使用者が予め設定した位置、または根尖の位置である。これにより、逆転制御112で切削工具5を反転駆動させる位置を使用者によって任意に設定することが可能となる。
制御部11は、フェールセーフ制御113を実行する場合、解除操作が行われるまでフェールセーフ制御の実行を継続する。これにより、安全な駆動が確保されるまでフェールセーフ制御113での切削工具5の駆動が維持される。
解除操作は、根管長測定回路12が基準位置よりも歯冠側の位置となる所定位置への切削工具の先端の到達を検出する操作である。これにより、フェールセーフ制御113での切削工具5の駆動を解除しても、安全な駆動を確保することができる。
根管治療器100は、使用者に対して報知する報知部17をさらに備えている。報知部17は、切削工具5を逆転駆動して、根管長測定回路12が根尖位置の方向への切削工具5の先端の移動を検出する場合、異常を報知する。これにより、使用者は、逆転制御112による切削工具5の駆動で異常動作が生じていることを認識することができる。
根管治療器100の駆動方法は、ヘッド部2に保持する切削工具5が切削対象物を切削する方向に正転駆動するステップと、切削工具5を正転駆動して、根管長測定回路12が基準位置への切削工具5の先端の到達を検出する場合、切削工具5を正転駆動の逆方向に逆転駆動するステップと、切削工具5を逆転駆動して、根管長測定回路12が根尖位置の方向への切削工具5の先端の移動を検出する場合、フェールセーフ制御を実行するステップと含む。
これにより、本実施の形態1に係る根管治療器100の駆動方法は、逆転駆動で切削工具5を駆動して意図しない動作となってもフェールセーフ制御により切削工具5が駆動されるので、ヘッド部2に取り付けた切削工具5が誤っていた場合でも安全に駆動することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態1に係る根管治療器100では、切削工具5の先端の位置と基準位置との位置関係に基づいて、逆転制御112での駆動、およびフェールセーフ制御113での駆動に切換える2段階制御について説明した。しかし、これに限られず、根管治療器100は、切削工具5の先端の位置と基準位置との位置関係以外の条件で、逆転制御112での駆動、およびフェールセーフ制御113での駆動に切換える2段階制御を行ってもよい。本実施の形態2に係る根管治療器において実行される2段階制御について、フローチャートを用いて説明する。図9は、本実施の形態2に係る根管治療器100において実行される2段階制御を説明するためのフローチャートである。なお、本実施の形態2に係る根管治療器100でも、図1〜図3に示した実施の形態1に係る根管治療器100と同じ構成を用いるため、同じ構成には同じ符号を用いて詳しい説明を繰返さない。
まず、制御部11は、使用者により駆動開始・停止ボタン15aが押下され駆動操作があったか否かを判断する(ステップS120)。駆動操作がない場合(ステップS120でNO)、制御部11は、処理をステップS120に戻し、使用者による駆動操作の待ち状態となる。駆動操作がある場合(ステップS120でYES)、制御部11は、切削工具5を通常動作で正転駆動する(ステップS121)。つまり、図5に示す正転制御111で切削工具5を駆動している場合である。
負荷検出部で切削工具5に加わる負荷が基準負荷となったか否かを判断する(ステップS122)。つまり、制御部11は、切削工具5に加わる負荷が基準負荷となった場合、切削工具5の破折を防止するために正転制御111での駆動から逆転制御112での駆動に切換える。切削工具5に加わる負荷が基準負荷より小さい場合(ステップS122でNO)、制御部11は、処理をステップS121に戻し、切削工具5に加わる負荷が基準負荷となったか否かの判断を続ける。
切削工具5に加わる負荷が基準負荷となった場合(ステップS122でYES)、制御部11は、切削工具5を反転動作で逆転駆動する(ステップS123)。つまり、図5に示す逆転制御112で切削工具5を駆動している場合である。
第1切削工具5Aを逆転駆動した場合、第1切削工具5Aが非切削方向に回転されるため根管壁に食い込んだ切削工具5の刃を解除され、第1切削工具5Aに加わる負荷が小さくなる。しかし、ヘッド部2に誤って第2切削工具5Bが取り付けられていた場合、第1切削工具5Aでの逆転駆動が第2切削工具5Bでの正転駆動となるので、第2切削工具5Bが切削方向に回転され根管壁に食い込んだ切削工具5の刃がさらに食い込み、第2切削工具5Bに加わる負荷が大きくなる。本来、逆転制御112での駆動は、切削工具5に加わる負荷を基準負荷より小さくなるように駆動して、切削工具5の破折を防止する駆動である。そのため、制御部11は、逆転制御112で切削工具5を駆動して、切削工具5に加わる負荷が基準負荷より大きくなった場合、使用者が意図しない動作であるとして異常動作と判断する。
制御部11は、異常動作の判断を、負荷検出部で切削工具5に加わる負荷が基準負荷より大きくなったか否かを判断する(ステップS124)。切削工具5に加わる負荷が基準負荷より小さくなった場合(ステップS124でNO)、制御部11は、処理をステップS123に戻し、逆転制御112による逆転駆動を続ける。切削工具5に加わる負荷が基準負荷より大きくなった場合(ステップS124でYES)、制御部11は、異常動作と判断してフェールセーフ制御113での制御として切削工具5の駆動を停止する(ステップS125)。なお、制御部11は、異常動作と判断した場合、切削工具5の駆動を停止するのではなく、切削工具5の駆動方向を反転する制御(当該フローチャートでは正転駆動)を行ってもよい。
異常動作と判断して切削工具5の駆動を停止すると、制御部11は、使用者により解除操作が行われたか否かを判断する(ステップS126)。解除操作が行われていない場合(ステップS126でNO)、制御部11は、処理をステップS126に戻し、使用者による解除操作の待ち状態となる。解除操作が行われた場合(ステップS126でYES)、制御部11は、フェールセーフ制御113での切削工具5の駆動を終了する。つまり、制御部11は、正転制御111での切削工具5の駆動に戻る。
以上のように、本実施の形態2に係る根管治療器100は、マイクロモータ7およびモータドライバ13などにより構成している駆動部と、制御部11と、負荷検出部とを備えている。駆動部は、ハンドピース1のヘッド部2に保持した切削工具5を駆動する。制御部11は、切削工具5を駆動する駆動部を制御する。負荷検出部は、切削工具5に加わる負荷を検出する。制御部11は、ヘッド部2に保持する切削工具5が切削対象物を切削する方向に正転駆動し、切削工具5を正転駆動して、負荷検出部で検出する切削工具5に加わる負荷が基準負荷以上である場合、切削工具5を正転駆動の逆方向に逆転駆動し、切削工具5を逆転駆動して、負荷検出部で検出する切削工具5に加わる負荷が基準負荷未満とならない場合、フェールセーフ制御を実行する。
これにより、本実施の形態2に係る根管治療器100は、逆転制御112で切削工具5を駆動して意図しない動作となってもフェールセーフ制御113により切削工具5の駆動が制御されるので、ヘッド部2に取り付けた切削工具5が誤っていた場合でも安全に駆動することができる。
本実施の形態2で説明した切削工具5に加わる負荷と基準負荷との大小関係に基づいて、逆転制御112、およびフェールセーフ制御113に切換える2段階制御の構成を、実施の形態1に係る根管治療器100での基準位置との関係に基づく2段階制御の構成に組み合わせてもよい。なお、本実施の形態2に係る根管治療器100のみの構成であれば、根管長測定システムを含まずに、切削工具5の負荷検出が可能な根管拡大のみの根管治療器であってもよい。
(変形例)
(1) 実施の形態1〜2に係る根管治療器100では、コードレスタイプの根管治療器でモータユニット6や制御ボックス9を内蔵している構成について説明したが、これに限定されるものではなく、ハンドピース1が、ホース61を介して、外部に設けた制御ボックス9に連結される構成でもよい。図10は、ハンドピース1の外に設けた制御ボックス9とコードで接続された根管治療器100aの構成を示す概略図である。当該根管治療器100aの構成において、図1〜図3に示した構成と同じ構成については、同じ符号を付して詳しい説明は繰り返さない。
図10に示す根管治療器100aは、歯科用根管治療のためのハンドピース1、モータユニット6、制御ボックス9を含んでいる。歯科用根管治療のハンドピース1は、把持部4の基部には、ヘッド部2に保持される切削工具5(ファイル或いはリーマなど)を回転駆動させるためのモータユニット6が着脱自在に接続される。ハンドピース1にモータユニット6が連結された状態で歯科用のインスツルメント10を構成する。
モータユニット6は、マイクロモータ7を内蔵し、該マイクロモータ7へ電源を供給する電源供給用リード線71および、根管長測定回路12へ信号を伝送する信号用リード線8などを内装するホース61を介して、制御ボックス9に連結してある。
制御ボックス9は、図10に示すように、本体側部にインスツルメント10を不使用時に保持するためのホルダ10aを取付けてある。また、制御ボックス9には、フートコントローラ18を制御部11に連結し、リード線19を根管長測定回路12に連結してある。リード線19は、制御ボックス9から引き出されているが、ホース61の途中から分岐するように引き出してもよい。
設定部14は、制御ボックス9の表面に設定変更するための選択ボタン15bを有しており、当該選択ボタン15bを操作することで切削工具5の回転方向、回転数および回転角度などを制御する基準を設定する。
操作部15は、制御ボックス9の表面に駆動開始・停止ボタン15aを有しており、当該駆動開始・停止ボタン15aを操作することで切削工具5の駆動を開始または停止することができる。
フートコントローラ18は、マイクロモータ7による切削工具5の駆動制御を足踏操作によって行う操作受付部である。なお、マイクロモータ7による切削工具5の駆動制御は、フートコントローラ18に限定されるものではなく、ハンドピース1の把持部4に操作スイッチ(図示せず)を設け、この操作スイッチとフートコントローラ18とを併用して切削工具5の駆動制御を行うようにしてもよい。また、たとえば、フートコントローラ18の足踏操作がなされている状態で、さらに切削工具5が根管内に挿入されたことを根管長測定回路12が検出したことで、切削工具5の回転を開始するようにしてもよい。
なお、根管治療器100aの制御ボックス9は、歯科用診療台の側部に設置するトレーテーブルやサイドテーブル上に載置して使用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、トレーテーブルやサイドテーブル内に制御ボックス9を組込んだ構成であってもよい。
(2) 実施の形態1〜2に係る根管治療器100では、切削工具5を駆動する動力源にマイクロモータ7を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、エアモータなどの別の駆動源であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ハンドピース、2 ヘッド部、3 ネック部、4 把持部、5 切削工具、6 モータユニット、7 マイクロモータ、8 信号用リード線、9 制御ボックス、10 インスツルメント、10a ホルダ、11 制御部、12 根管長測定回路、13 モータドライバ、13a トランジスタスイッチ、13b トランジスタドライバ回路、13c 回転方向切換スイッチ、13d 負荷検出用抵抗、14 設定部、14a,14b,14c 可変抵抗、15 操作部、15a 駆動開始・停止ボタン、15b 選択ボタン、16 表示部、17 報知部、18 フートコントローラ、19 リード線、19a 口腔電極、100 根管治療器、110 比較回路。

Claims (10)

  1. ハンドピースのヘッド部に保持した切削工具を駆動する駆動部と、
    前記切削工具を駆動する前記駆動部を制御する制御部と、
    電気的根管長測定で得られる前記切削工具の先端の根管内での位置を検出する位置検出部とを備え、
    前記制御部は、
    前記ヘッド部に保持する前記切削工具が切削対象物を切削する方向に正転駆動し、
    前記切削工具を前記正転駆動して、前記位置検出部が基準位置への前記切削工具の先端の到達を検出する場合、前記切削工具を前記正転駆動の逆方向に逆転駆動し、
    前記切削工具を前記逆転駆動して、前記位置検出部が根尖位置の方向への前記切削工具の先端の移動を検出する場合、フェールセーフ制御を実行する、歯科用治療装置。
  2. 前記フェールセーフ制御は、前記切削工具の駆動を停止する制御、前記切削工具の回転速度を低下する制御、前記切削工具をツイスト駆動する制御、前記切削工具の駆動方向を反転する制御、音を出力する制御、光を出力する制御、および前記ハンドピースを振動させる制御のうち、少なくとも何れか1つの制御を含む、請求項1に記載の歯科用治療装置。
  3. 前記基準位置は、根管内で使用者が予め設定した位置、または根尖の位置である、請求項1または請求項2に記載の歯科用治療装置。
  4. 前記位置検出部は、前記切削工具を前記逆転駆動させる前記基準位置を第1の基準位置と、根尖の位置あるいは前記第1の基準位置に対して根尖側よりの位置を第2の基準位置とそれぞれ設定し、
    前記制御部は、前記切削工具を前記逆転駆動して、前記位置検出部が前記第2の基準位置への前記切削工具の先端の到達を検出する場合を、前記位置検出部が根尖位置の方向への前記切削工具の先端の移動を検出したとして、前記フェールセーフ制御を実行する、請求項1または請求項2に記載の歯科用治療装置。
  5. 前記制御部は、前記フェールセーフ制御を実行する場合、解除操作が行われるまで前記フェールセーフ制御の実行を継続する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の歯科用治療装置。
  6. 前記解除操作は、根尖位置よりも歯冠側の位置となる所定位置への前記切削工具の先端の到達を検出する操作である、請求項5に記載の歯科用治療装置。
  7. 使用者に対して報知する報知部をさらに備え、
    前記報知部は、前記切削工具を前記逆転駆動して、前記位置検出部が根尖位置の方向への前記切削工具の先端の移動を検出する場合、異常を報知する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の歯科用治療装置。
  8. 前記切削工具に加わる負荷を検出する負荷検出部をさらに備え、
    前記切削工具を前記正転駆動して、前記負荷検出部で検出する前記切削工具に加わる負荷が基準負荷以上である場合、前記切削工具を前記正転駆動の逆方向に逆転駆動し、
    前記切削工具を前記逆転駆動して、前記負荷検出部で検出する前記切削工具に加わる負荷が前記基準負荷未満とならない場合、前記フェールセーフ制御を実行する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の歯科用治療装置。
  9. ハンドピースのヘッド部に保持した切削工具を駆動する駆動部と、
    前記切削工具を駆動する前記駆動部を制御する制御部と、
    前記切削工具に加わる負荷を検出する負荷検出部とを備え、
    前記制御部は、
    前記ヘッド部に保持する前記切削工具が切削対象物を切削する方向に正転駆動し、
    前記切削工具を前記正転駆動して、前記負荷検出部で検出する前記切削工具に加わる負荷が基準負荷以上である場合、前記切削工具を前記正転駆動の逆方向に逆転駆動し、
    前記切削工具を前記逆転駆動して、前記負荷検出部で検出する前記切削工具に加わる負荷が前記基準負荷未満とならない場合、フェールセーフ制御を実行する、歯科用治療装置。
  10. ハンドピースのヘッド部に保持された切削工具を駆動する駆動部と、前記切削工具を駆動する前記駆動部を制御する制御部と、電気的根管長測定で得られる前記切削工具の先端の根管内での位置を検出する位置検出部とを備える歯科用治療装置の駆動方法であって、
    前記制御部は、
    前記ヘッド部に保持する前記切削工具が切削対象物を切削する方向に正転駆動するステップと、
    前記切削工具を前記正転駆動して、前記位置検出部が基準位置への前記切削工具の先端の到達を検出する場合、前記切削工具を前記正転駆動の逆方向に逆転駆動するステップと、
    前記切削工具を前記逆転駆動して、前記位置検出部が根尖位置の方向への前記切削工具の先端の移動を検出する場合、フェールセーフ制御を実行するステップと含む、歯科用治療装置の駆動方法。
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