JP2020123543A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に二次電池100の構成を概略的に示す。図1(A)が二次電池100の外観を概略的に示す斜視図であり、図1(B)が図1(A)におけるIB−IB断面の構成を概略的に示す図である。また、図2に二次電池100に備えられる第1の電極10の構成を概略的に示す。図2(A)が第1の電極10の外観を概略的に示す斜視図であり、図2(B)が第1の電極10を一方面10a側から見た場合の形状を概略的に示す上面図であり、図2(C)が図2(A)におけるIIC−IIC断面の構成を概略的に示す図である。また、図3に第1の電極10の表面に積層された第1のセパレータ層20aの構成を概略的に示す。図3(A)が外観を概略的に示す斜視図であり、図3(B)が一方面10a側から見た場合の形状を概略的に示す上面図であり、図3(C)が図3(A)におけるIIIC−IIIC断面の構成を概略的に示す図である。また、図4に第1の電極10の表面に積層された第2のセパレータ層20bの構成を概略的に示す。図4(A)が外観を概略的に示す斜視図であり、図4(B)が一方面10a側から見た場合の形状を概略的に示す上面図であり、図4(C)が図4(A)におけるIVC−IVC断面の構成を概略的に示す図である。さらに、図5に第1のセパレータ層20a及び第2のセパレータ層20bの表面に積層された第2の電極30の構成を概略的に示す。図5(A)が外観を概略的に示す斜視図であり、図5(B)が一方面10a側から見た場合の形状を概略的に示す上面図であり、図5(C)が図5(A)におけるVC−VC断面の構成を概略的に示す図である。
図2に示すように、第1の電極10は、一方面10a、他方面10b及び側面10cを有するとともに一方面10aから他方面10bへと貫通する複数の貫通孔10dを有する。第1の電極10は一定の強度を有していればよく、その壁面は密であっても多孔質であってもよい。
第1の電極10の一方面10a及び他方面10bの面形状は特に限定されるものではない。図2には当該面形状が四角形状のものを例示したが、これ以外の多角形状であってもよいし、円形状であってもよいし、これら以外の形状であってもよい。一方面10a及び他方面10bは必ずしも平坦でなくてもよい。一方面10a及び他方面10bの面積(複数の貫通孔10dの開口面積を含む全面の面積)は特に限定されるものではなく、目的とする電池の規模や性能に応じて当該面積を適宜決定すればよい。例えば、一方面10a及び他方面10bの面積を50mm2以上100000mm2以下としてもよい。より顕著な効果を発揮させる観点からは、当該面積の下限は100mm2以上であってもよいし、314mm2以上であってもよい。
第1の電極10の一方面10a及び他方面10bは側面10cを介して結合している。側面10cは平面によって構成されていてもよいし、曲面によって構成されていてもよいし、平面と曲面との組み合わせによって構成されていてもよい。第1の電極10の側面10cの一方面10aから他方面10bまでの長さ(第1の電極10の高さ)は特に限定されるものではない。目的とする電池の規模や性能に応じて、第1の電極10の高さを適宜決定すればよい。例えば、当該高さを5mm以上2000mm以下としてもよい。
第1の電極10は一方面10aから他方面10bへと貫通する複数の貫通孔10dを有する。図2には、貫通孔10dの断面形状(開口形状)が四角形状のものを例示したが、これ以外の多角形状であってもよいし、円形状であってもよいし、これら以外の形状であってもよい。貫通孔10dの断面積(開口面積)は特に限定されるものではない。目的とする電池の規模や性能に応じて、貫通孔10dの断面積を適宜決定すればよい。例えば、貫通孔10dの1個あたりの断面積を0.0001mm2以上1mm2以下としてもよい。上限は0.3mm2以下であってもよいし、0.0625mm2以下であってもよい。また、一方面10aの面積をA1、複数の貫通孔10dの合計の断面積をA2とした場合、A2/A1が0.2以上0.8以下であってもよい。貫通孔10dの間の隔壁(リブ)の幅(リブ厚)は特に限定されるものではなく、強度等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、当該リブ厚を0.01mm以上1mm以下としてもよい。第1の電極10に設けられる貫通孔10dの数は特に限定されるものではない。目的とする電池の規模や性能に応じて、貫通孔10dの数を適宜決定すればよい。尚、貫通孔10dの存在頻度、大きさ、総数は対局の容量比との関係から適宜決定してもよい。図2(C)に示すように、第1の電極10において貫通孔10dは一方面10aから他方面10bへと略直線的に設けられていてもよい。
第1の電極10は、電池の充放電時にキャリアイオンを挿入・脱離可能な材料を含む。第1の電極10を負極とする場合、当該第1の電極10は負極活物質を含み得る。第1の電極10を正極とする場合、当該第1の電極10は正極活物質を含み得る。公知の活物質のうち、所定のキャリアイオンを吸蔵放出する電位(充放電電位)が、卑な電位であるものを負極活物質とし、貴な電位であるものを正極活物質として用いることができる。
図3に示すように、第1のセパレータ層20aは、第1の電極10の貫通孔10dの内壁に積層されている。第1のセパレータ層20aにより、貫通孔10d内における第1の電極10と第2の電極30との短絡が防止される。
図3に示す第1のセパレータ層20aは、全体として筒状であり、第1の電極10の貫通孔10dの内壁の実質的に全面を被覆する。第1のセパレータ層20aは、第1の電極10と第2の電極30との短絡を防止し、且つ、必要なキャリアイオン伝導度を発現させることが可能な厚みを有していればよい。例えば、第1のセパレータ層20aの厚みは3μm以上40μm以下であってもよい。
第1のセパレータ層20aの材料としては、二次電池のセパレータ層に適用可能な材料として公知のものをいずれも採用可能である。第1の電極10への塗工性や成膜性等を考慮した場合、第1のセパレータ層20aは微粒子と微粒子を結合するバインダーとを含んでいてもよい。微粒子と微粒子を結合するバインダーとにより多孔質なセパレータ層を容易に形成可能である。この場合、微粒子としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ベーマイト等の無機微粒子や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機微粒子や、無機微粒子と有機微粒子との混合微粒子のいずれを採用してもよい。第1のセパレータ層20aに含まれ得る微粒子の粒子径は特に限定されるものではない。例えば、当該粒子径は1nm以上500μm以下であってもよい。下限は5nm以上であってもよし、10nm以上であってもよいし、50nm以上であってもよい。上限は100μm以下であってもよいし、50μm以下であってもよい。第1のセパレータ層20aに含まれ得るバインダーとしては、例えば、第1の電極10におけるバインダーとして例示したものうちの1種以上を採用可能である。第1のセパレータ層20aにおける微粒子及びバインダーの量は特に限定されるものではなく、第1の電極10の表面への塗工性や密着性等を考慮して適宜決定すればよい。
図4に示すように、第2のセパレータ層20bは、第1の電極10の一方面10a及び他方面10bのうちの少なくとも一方に積層されている。図4においては、第2のセパレータ層20bが一方面10a及び他方面10bの双方に積層された形態を示しているが、一方面10a及び他方面10bのうちのいずれか一方にのみ積層されていてもよい。第2のセパレータ層20bにより、貫通孔10dの開口面側における第1の電極10と第2の電極30との短絡が防止される。
図4に示す第2のセパレータ層20bは、全体として平らな薄膜状であり、貫通孔10dの位置と対応する位置に複数の孔が存在する。当該孔を介して、第2のセパレータ層20bの表面から第1のセパレータ層20aの表面に亘って、第2の電極30を形成し得る。第2のセパレータ層20bは、第1の電極10と第2の電極30との短絡を防止可能な程度の厚みを有していればよい。例えば、第2のセパレータ層20bの厚みは3μm以上40μm以下であってもよい。
第2のセパレータ層20bの材質は第1のセパレータ層20aの材質と同じであっても異なっていてもよい。第2のセパレータ層20bの材質が第1のセパレータ層20aの材質と同じである場合、第2のセパレータ層20bと第1のセパレータ層20aとは境目のない連続層であってもよい。また、第2のセパレータ層20bの材質が第1のセパレータ層20aの材質と異なる場合、第2のセパレータ層20bは第1のセパレータ層20aよりもキャリアイオン伝導度が低くてもよく、この場合、第2のセパレータ層20bはキャリアイオンを実質的に通さないものであってもよい。第2のセパレータ層20bを構成する材料として、種々の有機材料や種々の無機材料を採用し得る。キャリアイオン伝導度を小さくし易く、且つ、後述する電着や転写によって第2のセパレータ層20bを容易に形成可能である観点から、第2のセパレータ層20bはポリイミド、ポリアミドイミド及びポリアクリル酸から選ばれる少なくとも1種を含むものであってもよい。
図5に示すように、第2の電極30は、第1のセパレータ層20a及び第2のセパレータ層20bの表面のうち第1の電極10と接触する表面とは反対側の表面に積層されており、且つ、第1のセパレータ層20aの表面から第2のセパレータ層20bの表面に亘って連続的に存在している。これにより、第1の電極10の一方面10a側及び/又は他方面10b側において、第2の電極30の安定的な集電が可能となる。
第2の電極30はセパレータ層20a、20bの表面に沿って形成される。第1の電極10の貫通孔10dの内部において、第2の電極30は、密に充填されていてもよいし、中央に通気孔40を残すように筒状に充填されていてもよい。ただし、通気孔40の数が貫通孔10dの全数の28%以上となるようにする。貫通孔10dの内部における第2の電極30の充填率や厚みは、第1の電極10との容量のバランス等を考慮して適宜決定すればよい。図5には、第1の電極10の一方面10a側又は他方面10b側において、第2の電極30が第2のセパレータ層20bの全面に積層されている形態を示したが、第1の電極10の一方面10a側又は他方面10b側において、第2のセパレータ層20bが一部露出していてもよい。
第2の電極30は、電池の充放電時にキャリアイオンを挿入・脱離可能な材料を含む。第1の電極10を負極とする場合は第2の電極30を正極とすればよく、第1の電極10を正極とする場合は第2の電極30を負極とすればよい。第2の電極30を構成する材料については、第1の電極10を構成する材料に関する上記説明を援用可能である。すなわち、第2の電極30を正極とする場合、当該第2の電極30は正極活物質を含み得る。第2の電極30を負極とする場合、当該第2の電極30は負極活物質を含み得る。第2の電極30に含まれ得る活物質の種類や量は特に限定されるものではなく、目的とする電池の性能に応じて適宜決定すればよい。また、第1の電極10と同様に、第2の電極30においてもバインダー等のその他の成分が含まれていてもよい。例えば、第2の電極30において粒子状の活物質を採用する場合、第2の電極30は、当該粒子状の活物質と、当該活物質同士を結着させるためのバインダーとを含んでいてもよい。その他の成分の種類や量についても特に限定されるものではなく、目的とする電池の性能に応じて適宜決定すればよい。
二次電池100においては、複数の貫通孔10dの全数の28%以上において、一方面10aから他方面10bへと延び、且つ、後述のメッシュ状の集電体50へと到達する通気孔40が存在している。通気孔40は貫通孔10dと対応する位置に存在する。言い換えれば、第1の電極10に対してセパレータ層20a、20b及び第2の電極30が積層された状態において、複数の貫通孔10dのうちの少なくとも一部が通気孔40として残っている。このような通気孔40が備えられることで、メッシュ状の集電体50及び通気孔40を介して電池の内部に電解液を容易に浸透させることができる。すなわち、二次電池100は、電池の内部への電解液の含浸性が良く、電池の初回充放電効率が向上する。
二次電池100は、第2のセパレータ層20bの表面に存在する第2の電極30の表面に、集電体50が設けられており、当該集電体50によって第2の電極30の集電が行われる。
集電体50はメッシュ状であることが重要である。「メッシュ状」とは、例えば、厚み方向に複数のメッシュ孔50a(図1(A)参照)を有する形状である。集電体50をメッシュ状とすることで、集電体50のメッシュ孔50a及び通気孔40を介して電池の内部に電解液を容易に浸透させることができる。すなわち、二次電池100は、電池の内部への電解液の含浸性が良く、電池の初回充放電効率が向上する。集電体50に備えられるメッシュ孔50aの1個あたりの断面積(開口面積)は特に限定されるものではない。例えば、当該断面積を0.01mm2以上3mm2以下としてもよい。また、集電体50の積層面の面積をA3、集電体50に備えられるメッシュ孔50aの合計の断面積をA4とした場合、A4/A3が0.1以上0.9以下であってもよい。釘刺し試験により評価される安全性を一層向上させる観点からは、下限は0.36以上であってもよいし、0.40以上であってもよい。メッシュ孔50aの間の隔壁(リブ)の幅(リブ厚)は特に限定されるものではなく、集電体50の強度等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、当該リブ厚を0.03m以上1mm以下としてもよい。集電体50に設けられるメッシュ孔50aの数は特に限定されるものではない。集電体50の厚みも特に限定されるものではない。例えば0.1μm以上1mm以下であってもよいし、1μm以上100μm以下であってもよい。
集電体50は、例えば、金属により構成可能である。集電体50を構成する金属としては、Cu、Ni、Co、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn、ステンレス鋼等が挙げられる。
二次電池100は、上記した第1の電極10、第1のセパレータ層20a、第2のセパレータ層20b、第2の電極30、通気孔40及びメッシュ状の集電体50以外に、電池として必要な構成を備えていてもよい。
例えば、二次電池100は、第1の電極10に接続された集電体60を備えていてもよい。この場合、図1に示すように、集電体60は、第1の電極10の側面10cに設けられていてもよい。
上述したように、二次電池100は、電解液を備えることが自明である。電解液はキャリアイオンを含み得る。キャリアイオンとしては、例えば、上述したリチウムイオンが挙げられる。ただし、本開示の技術が解決しようとする課題は、リチウムイオン二次電池においてのみ生じるものではなく、リチウムイオン以外の各種カチオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン等)や、各種アニオン(水酸化物イオン、フッ化物イオン等)をキャリアイオンとする二次電池においても同様の課題が生じ得る。本開示の技術は、これら各種カチオン電池やアニオン電池のいずれにおいても採用可能であり、同様の効果が期待できる。電解液は水系電解液であっても非水系電解液であってもよい。電解液の組成は二次電池の電解液の組成として公知のものと同様とすればよい。
言うまでもないが、二次電池100は必要な端子を備えていてもよいし、また、電池ケース内に収容されていてもよい。電池ケースとしては公知のラミネートパック等が挙げられる。
二次電池100は例えば以下の通りに製造することができる。すなわち、二次電池100の製造方法は、一方面10a、他方面10b及び側面10cを有するとともに一方面10aから他方面10bへと貫通する複数の貫通孔10dを有する第1の電極10を作製する、第1工程と、第1の電極10の貫通孔10dの内壁に第1のセパレータ層20aを積層する、第2工程と、第1の電極10の一方面10a及び他方面10bのうちの少なくとも一方に第2のセパレータ層20bを積層する、第3工程と、第1のセパレータ層20a及び第2のセパレータ層20bの表面のうち、第1の電極10と接触する表面とは反対側の表面において、第1のセパレータ層20aの表面から第2のセパレータ層20bの表面に亘って第2の電極30を連続的に積層する、第4工程と、第2のセパレータ層20bの表面に存在する第2の電極30の表面にメッシュ状の集電体50を積層する、第5工程と、を備えている。
第1の電極10は、例えば、押出成形によって容易に作製可能である。具体的には、上記の活物質とバインダー等と溶媒とを混合してスラリー又はペーストとし、当該スラリー又はペーストを金型を介して押し出した後、溶媒を除去可能な温度にて乾燥させることにより第1の電極10を得ることができる。この場合、溶媒としては、活物質やバインダー等の種類に応じて、水や有機溶媒等を特に制限なく用い得る。
第1のセパレータ層20aの積層方法は特に限定されるものではない。例えば、第1のセパレータ層20aを構成する材料と溶媒とを混合してスラリー又はペーストとし、当該スラリー又はペーストを貫通孔10dの内壁に塗工して乾燥させることで、貫通孔10dの内壁に第1のセパレータ層20aを積層することができる。この場合、溶媒としては材料の種類に応じて、水や有機溶媒等を特に制限なく用い得る。塗工にあたっては、第1の電極10の一方面10a側に上記スラリー又はペーストを載せたうえで、第1の電極10の他方面10b側を減圧することで、当該スラリー又はペーストを貫通孔10dの内部に吸引してもよい。また、シリンジ等を用いてスラリー又はペーストを貫通孔10dの内部に押し込んでもよい。さらに、塗工時に第1の電極10の一方面10a上及び/又は他方面10b上に当該スラリー又はペーストが溢れ出る等して、一方面10a上及び/又は他方面10b上に不要な層が形成された場合、当該不要な層を削りとってもよい。ただし、上述したように、第1のセパレータ層20aと第2のセパレータ層20bとを同じ層とすることも可能であり、この場合、第1のセパレータ層20aが、第1の電極10の一方面10a及び/又は他方面10bへとはみ出していてもよい。
第2のセパレータ層20bの積層方法は特に限定されるものではない。例えば、第2のセパレータ層20bを構成する材料と溶媒とを混合してスラリー又はペーストとし、当該スラリー又はペーストを第1の電極10の一方面10a及び他方面10bのうちの少なくとも一方に塗工して乾燥させることで、一方面10a及び他方面10bのうちの少なくとも一方に第2のセパレータ層20bを積層することができる。この場合、溶媒としては、材料の種類に応じて、水や有機溶媒等を特に制限なく用い得る。
第2の電極30の積層方法は特に限定されるものではない。例えば、第2の電極30を構成する材料と溶媒とを混合してスラリー又はペーストとし、当該スラリー又はペーストを第1のセパレータ層20a及び第2のセパレータ層20bの表面に塗工して乾燥させることで、第1のセパレータ層20aの表面から第2のセパレータ層20bの表面に亘って第2の電極30を連続的に積層することができる。この場合、溶媒としては材料の種類に応じて、水や有機溶媒等を特に制限なく用い得る。第4工程における塗工回数を調整することで、第2の電極30の厚みを調整可能であり、通気孔40の開口面積や貫通孔10dの全数に対する通気孔40の数を調整可能である。塗工にあたっては、第1の電極10の一方面10a側に存在する第2のセパレータ層20bの表面に上記スラリー又はペーストを載せたうえで、第1の電極10の他方面10b側を減圧することで、当該スラリー又はペーストを第2のセパレータ層20bの表面から貫通孔10d内の第1のセパレータ層20aの表面へと吸引してもよい。また、シリンジ等を用いてスラリー又はペーストを貫通孔10dの内部に押し込んでもよい。
メッシュ状の集電体50の積層方法は特に限定されるものではない。例えば、上述の第2の電極30を構成するためのスラリー又はペーストを接着剤として、集電体50を第2の電極30の表面に貼り付けることができる。
製造方法S10は、上記第1工程〜第5工程に加えて、集電体60を取り付ける工程や、端子を取り付ける工程や、電池ケースに収容する工程や、電解液に含浸させる工程等を備えていてもよい。
1.1.第1の電極の作製
平均粒子径(D50)が15μmの天然黒鉛微粒子45質量部と、カルボキシメチルセルロース10質量部と、イオン交換水45質量部とを混合し、負極スラリーを作製した。当該負極スラリーを金型を通して押出成形し、その後120℃で3時間乾燥することにより、第1の電極を得た。第1の電極はφ20cm、高さ1cmの円柱状であり、φ20cmの円の面内に、1辺の長さが250μmの正方形状の孔が、厚み150μmのリブ(隔壁)を介して等間隔に配置されるものとした。
平均粒子径(D50)が100nmのベーマイト微粒子45質量部と、PVDF4質量部と、イオン交換水51質量部とを混合し、セパレータ用ペーストを作製した。当該セパレータ用ペーストを第1の電極の一方面の上に3〜5g載せ、真空ポンプにより他方面側から吸引を行うことにより、セパレータ用ペーストを貫通孔の内部へと流入させ、貫通孔の内壁の略全面にセパレータ用ペーストを付着させた。その後、120℃で15分間乾燥させることにより、貫通孔の内壁に第1のセパレータ層を固着させて、図3に示すような構造体Aを得た。
粒子径約50μmのポリイミドが分散した電着用ポリイミド溶液(株式会社清水製、得れコート)に構造体Aを投入した。この際、第1の電極の側面にあらかじめNiタブを巻き付け、電着時に第1の電極に電圧をかけられるようにした。次に第1の電極側をマイナス、作用極側をプラスとして、30Vの電圧を2分間かけ、第1の電極の一方面及び他方面にポリイミドを含む第2のセパレータ層を電着した。電着後、水で洗浄して電着液の残渣を取り除き、150℃で1時間熱処理を行い、図4に示すような構造体Bを得た。
粒子径約10μmのコバルト酸リチウム微粒子64質量部と、アセチレンブラック4質量部と、PVDF2質量部と、NMP30質量部とを混合して正極ペーストを作製した。次に、構造体Bの一方面側を上にし、その上に正極ペーストを5gのせ、下の他方面側から真空ポンプによりペーストを吸引した。この操作を2回繰り返し行うことにより、貫通孔の内部に正極ペーストを挿入すると同時に一部通気孔を形成し、その後、120℃で30分間乾燥し、図5に示すような構造体Cを得た。
上記と同様の方法で構造体Cを作製し、通気孔の数/貫通孔の数を以下の手法により測定した。まず、高さ方向中央部を輪切りにし、表面をやすりで平滑化した後、断面を光学顕微鏡により観察した。この際、1個の貫通孔の10%以上の開口面積を有する孔を「通気孔」としてカウントした。カウント結果を下記表1に示す。尚、図7に観察結果の一例を示す。図7(A)が通気孔無しの部分、図7(B)が通気孔有りの部分である。
構造体Cの一方面及び他方面に存在する第2の電極の表面に、上記の正極ペースト0.5gを介して、φ25mm、厚み15μmのメッシュ状のアルミニウム箔(メッシュ孔径:φ1mm、全面に占めるメッシュ孔の割合:40%)を接合し、120℃で15分乾燥させた。次に、構造体Cの第1の電極の側面に厚み50μm、幅3mmのニッケル線を1周巻き、抵抗溶接により固定した。アルミニウム箔及びニッケル線の各々にSUSタブを溶接で取り付けた後、電池をラミネートパック内に収容した。ラミネートパック内に電解液(EC:EMC:DMC=1:1:1、LiPF6 1mol/kg)を5g投入し、SUSタブ先端のみを外に出す形でラミネートパックを真空封止し、評価用のラミネート型二次電池を得た。
1.7.1.充電試験
電解液が電池内に十分に行き渡っていれば、初回充電容量が一般的なシート状の電極で測定した容量と略同等となるはずである。この観点で、下記の条件にて電池の充電試験を行い、シート状の電極とした場合の充電容量に対する、実施例1に係る電池の充電容量の比(初回充電容量率)を測定し、電解液の含浸性を評価した。結果を表1に示す。
・ 充電:CC4.2V、CV5mAカット、電流レート100mA(0.5C相当)
通気孔の有無によって誤用安全性試験時の挙動が変わることを想定し、釘刺し試験を実施した。具体的には、電池を4.2Vに充電後、側面部にφ1.5mm、長さ5cmの釘を2cm/秒の速度で突き刺し、これにより生じる挙動を目視で確認した。釘刺し直後、特に何も起こらなかったか、或いは、ガスが噴出しただけであった場合を「○」、それ以外を「×」とした。結果を表1に示す。
第2の電極を積層する際のペースト吸引の繰り返し回数を1回としたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
第2の電極を積層する際のペースト吸引の繰り返し回数を3回としたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
第2の電極を積層する際のペースト吸引の繰り返し回数を4回としたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
メッシュ状のアルミニウム箔として、メッシュ孔の割合が36%のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
メッシュ状のアルミニウム箔として、メッシュ孔の割合が27%のものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
第2の電極を積層する際のペースト吸引の繰り返し回数を5回としたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
メッシュ状のアルミニウム箔に替えて、メッシュ孔を有さないアルミニウム箔を用いるとともに、第2の電極を積層する際のペースト吸引の繰り返し回数を10回としたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
メッシュ状のアルミニウム箔に替えて、メッシュ孔を有さないアルミニウム箔を用いたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
第2の電極を積層する際のペースト吸引の繰り返し回数を7回としたこと以外は、実施例1と同様にして二次電池の作製及び評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
上記の実施例では、特定の材料を用いた二次電池を例示したが、本開示の技術において電池に採用される材料は上記の材料に限定されるものではない。本開示の技術は、メッシュ状集電体及び通気孔といった構造的な特徴でもって所望の効果(電解液に対する含浸性の向上)を発揮させるものであり、電池を構成する材料によらず所望の効果を発揮して、課題を解決することができるものと考えられる。
20a 第1のセパレータ層
20b 第2のセパレータ層
30 第2の電極
40 通気孔
50 集電体(第2の電極と接続)
60 集電体(第1の電極と接続)
100 二次電池
Claims (1)
- 一方面、他方面及び側面を有するとともに前記一方面から前記他方面へと貫通する複数の貫通孔を有する第1の電極と、
前記第1の電極の前記貫通孔の内壁に積層された第1のセパレータ層と、
前記第1の電極の前記一方面及び前記他方面のうちの少なくとも一方に積層された第2のセパレータ層と、
前記第1のセパレータ層及び前記第2のセパレータ層の表面のうち前記第1の電極と接触する表面とは反対側の表面に積層され、且つ、前記第1のセパレータ層の表面から前記第2のセパレータ層の表面に亘って連続的に存在する第2の電極と、
前記第2のセパレータ層の表面に存在する前記第2の電極の表面に設けられた集電体と、
を備え、
前記第2の電極の表面に設けられた前記集電体がメッシュ状であり、
複数の前記貫通孔の全数の28%以上において、前記一方面から前記他方面へと延び、且つ、メッシュ状の前記集電体へと到達する通気孔が存在しており、
前記貫通孔の開口面積に占める前記通気孔の開口面積の割合が10%以上である、
二次電池。
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