JP2020123536A - 全固体積層電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】短絡を抑制可能な全固体積層電池を提供する。【解決手段】正極集電箔、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電箔を備える全固体積層電池であって、正極活物質層の一方側の端部は負極活物質層及び固体電解質層の一方側の端部よりも内側に存在し、正極集電箔の固体電解質層側の面のうち、積層方向において、負極活物質層及び固体電解質層の一方側の端部と対向する部分を含む部分に絶縁被膜が形成されている。【選択図】図2

Description

本願は全固体電池を開示するものである。
特許文献1は、液系電池において、負極集電箔(アルミニウム材)にダイヤモンドライクカーボン膜を形成することを開示している。ダイヤモンドライクカーボン膜はアルミニウム材の劣化を防ぐことができるため、特許文献1には優れたサイクル特性を有する電池を低コストで提供することができると記載されている。
特開2014−149969号公報
ところで、液系電解質ではなく、固体電解質を用いた全固体電池が従来から開発されている。現在の開発されている全固体電池は積層構造を取っており、具体的には正極集電箔、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電箔を複数備える積層構造を取っている。また、正極集電箔はそれぞれまとめられ正極集電タブに接合しており、負極集電箔もそれぞれまとめられ負極集電タブに接合している。さらに、電池内での電極効率(無駄なスペースを無くす)観点から、集電箔の一部は、固体電解質層、正極活物質層、又は負極活物質層の端部に近接するように曲げられている。
このような積層構造を有する従来の全固体積層電池の一例を図1に示した。図1は従来の全固体積層電池において、正極集電タブ側の端部に着目した断面図である。
図1に示したように、正極集電箔は固体電解質層又は負極活物質層の端部に近接するように曲げられて、まとめられている。そのため、ラミネートセルのように減圧封止する場合、正極集電箔が固体電解質層又は負極活物質層の端部に接触し又は押しつけられ、短絡する虞があった。また、積層体を製造する際に、固体電解質層又は活物質層を切断する場合があり、そのため固体電解質層又は負極活物質層の端部にバリが生じている。よって、減圧封止の際に、正極集電箔が当該バリに接触し又は押しつけられ、短絡する虞もあった。
そこで、本願は短絡を抑制可能な全固体積層電池を提供することを課題とする。
上記問題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、正極集電箔において、固体電解質層又は負極活物質層の端部又はバリと接触する虞のある部位に絶縁被膜を設けることにより、上記の課題を解決できることを見出した。
特許文献1の集電箔にもダイヤモンドライクカーボン膜が形成されているが、これは電気絶縁性を主眼とするものではなく、集電箔の劣化を防止するためのものである。そのため、集電箔の全面をダイヤモンドライクカーボンで被覆する必要があり、これを全固体積層電池に適用すると、コスト及び電気性能(電子伝導性、リチウムイオン伝導性)に問題が生じる。また、従来技術において、樹脂系のテープや絶縁テープを集電箔や電極層端部に貼り付ける形態も存在するが、当該テープはある程度の厚みがあるため、ラミネートセルのように減圧密封する場合、テープを貼り付けた部分が厚くなってしまう問題がある。テープの厚みを薄くすると、バリがテープを貫通する虞がある。
一方で、本発明者らは上述したように、正極集電箔において、固体電解質層又は負極活物質層の端部と接触する虞のある部位に絶縁被膜を設けることにより、集電箔の電子伝導性及びリチウムイオン伝導性を確保しつつ、正極集電箔と固体電解質層又は負極活物質層の端部又はバリとの接触による短絡を抑制することができることを見出した。
以上のことより、本願は上記課題を解決するための一つの手段として、正極集電箔、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電箔を備える全固体積層電池であって、正極活物質層の一方側の端部は負極活物質層及び固体電解質層の一方側の端部よりも内側に存在し、正極集電箔の固体電解質層側の面のうち、積層方向において、負極活物質層及び固体電解質層の一方側の端部と対向する部分を含む部分に絶縁被膜が形成されている、全固体積層電池を開示する。
本願が開示する全固体積層電池によれば、正極集電箔と固体電解質層又は負極活物質層の端部との接触による短絡を抑制できる。
従来の全固体積層電池において、正極集電タブ側の端部に着目した断面図である。 全固体積層電池100において、正極集電タブ側の端部に着目した断面図である。 全固体積層電池100において、正極10に正極集電箔を2枚重ねて配置した場合を説明する図である。 正負の集電タブの位置による、正負極の集電箔の形状の態様を説明する図である。(a)正負の集電タブが同じ側に配置される場合の図である。(b)正負の集電タブが異なる側に配置される場合の図である。
本明細書において、数値A及びBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
[全固体積層電池]
本開示の全固体積層電池について、一実施形態である全固体積層電池100を用いて説明する。
図2は全固体積層電池100において正極集電タブが配置されている側の端部に着目した断面図であって、1つの正極集電箔及びその近隣の層を抜き出した図である。以下において、図2の紙面上下方向を積層方向ということがあり、紙面左右方向を幅方向ということがあり、紙面奥手前方向を奥行き方向ということがある。
図2に示したとおり、全固体積層電池100は正極集電箔1、正極活物質層2、固体電解質層3、負極活物質層4、及び負極集電箔5をこの順で備えている。「この順で備え」とは、各層がこの順番に配置された形態であり、各層間に他の層が配置される形態を妨げない。言い換えると、各層が直接的にこの順で配置された形態のほか、各層間に他の層が配置され、間接的にこの順で配置された形態を含む。
具体的には、全固体積層電池100は、正極集電箔1の両面に正極活物質層2を備えた正極10と、負極集電箔5の両面に負極活物質層4を備えた負極20と、正極10及び負極20の間に配置された固体電解質層3とを複数備えている。ただし、全固体積層電池100において、正極10、負極20、固体電解質層30は少なくとも1つでもよい。
また、全固体積層電池100の正極活物質側の端部には正極集電箔1が配置され、負極活物質層側の端部には負極集電箔5が配置されている。なお、正極10に含まれる正極集電箔1は1枚でもよく、2枚以上重なっていてもよい。図3に正極集電箔1を2枚重ねて使用している例を示した。また、負極20も同様に、負極20に含まれる負極集電箔5は1枚でもよく、2枚以上重なっていてもよい。
また、図2では図示していないが、全固体積層電池100は、図1に示したように、正極集電箔1は全固体積層電池100の端部の一方側(図2の紙面左側)にまとめられ正極集電タブに接合している。そのため、正極集電箔1は正極集タブにまとめられる端部のうち、一部または全部が固体電解質層3及び負極活物質層4の端部よりも外側に延びている。
負極集電箔5も同様に、まとめられ負極集電タブに接合している。負極集電タブの配置位置は特に限定されず、全固体積層電池100の端部の一方側であってもよく、他方側であってもよい。
さらに、全固体積層電池100の積層方向の断面において、正極活物質層2の一方側の端部(図2の紙面左側の端部)は、幅方向において、負極活物質層4及び固体電解質層3の一方側の端部よりも内側に存在している。Li析出の観点から、正極活物質層2の面積よりも負極活物質層4の面積を大きくすることが望ましいためである。
次に、各層を構成する材料について説明する。
正極活物質層2は、少なくとも正極活物質を含む。正極活物質層2には、正極活物質に加えて、任意に固体電解質、バインダー及び導電剤等を含ませることができる。正極活物質は公知の正極活物質を用いればよい。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、正極活物質としてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、マンガン酸リチウム、スピネル系リチウム化合物等の各種のリチウム含有複合酸化物を用いることができる。正極活物質は表面がニオブ酸リチウム層やチタン酸リチウム層やリン酸リチウム層等の酸化物層で被覆されていてもよい。正極活物質層2に含まれ得る固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2−X(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−SiS−P、LiS−P−LiI−LiBr、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P−GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS−Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS−P−LiI−LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。正極活物質層に含まれ得るバインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。正極活物質層に含まれ得る導電剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。正極活物質層2における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。正極活物質層2の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体積層電池100を容易に構成できる観点から、シート状の正極活物質層が好ましい。この場合、正極活物質層2の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上150μm以下であることがより好ましい。
固体電解質層3は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質層3には、固体電解質に加えて、任意にバインダーを含ませることができる。固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2−X(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−SiS−P、LiS−P−LiI−LiBr、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P−GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS−Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS−P−LiI−LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。バインダーは上述したバインダーと同様のものを適宜選択して用いることができる。固体電解質層3における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。固体電解質層3の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体積層電池100を容易に構成できる観点から、シート状の固体電解質層が好ましい。この場合、固体電解質層3の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
負極活物質層4は、少なくとも負極活物質を含む。負極活物質層4には、負極活物質に加えて、任意に固体電解質、バインダー及び導電剤等を含ませることができる。負極活物質は公知の負極活物質を用いればよい。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、負極活物質としてSiやSi合金や酸化ケイ素等のシリコン系活物質;グラファイトやハードカーボン等の炭素系活物質;チタン酸リチウム等の各種酸化物系活物質;金属リチウムやリチウム合金等を用いることができる。負極活物質層に含まれ得る固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2−X(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−SiS−P、LiS−P−LiI−LiBr、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P−GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS−Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS−P−LiI−LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。負極活物質層4に含まれ得るバインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。負極活物質層4に含まれ得る導電剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。負極活物質層4における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。負極活物質層4の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体積層電池100を容易に構成できる観点から、シート状の負極活物質層が好ましい。この場合、負極活物質層4の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上150μm以下であることがより好ましい。ただし、負極の容量が正極の容量よりも大きくなるように、負極活物質層の大きさ(面積や厚み)を決定することが好ましい。
正極集電箔1及び負極集電箔5は、金属箔や金属メッシュ等により構成すればよい。特に金属箔が好ましい。正極集電箔1及び負極集電箔5を構成する金属としては、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。特にCu、Alが好ましい。正極集電箔1及び負極集電箔5は、その表面に、抵抗を調整するための何らかのコート層を有していてもよい。正極集電箔1及び負極集電箔5の各々の厚みは特に限定されるものではない。例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
(絶縁被膜)
全固体積層電池100は上述の積層構造に加えて、さらに正極集電箔1の固体電解質層側の面の少なくとも一部に絶縁皮膜1aが形成されていることを特徴とする。具体的には、正極集電箔1の固体電解質層側の面のうち、積層方向において、負極活物質層4及び固体電解質層3の一方側の端部と対向する部分を含む部分に絶縁被膜1aが形成されていることを特徴とする。
絶縁被膜1aを構成する材料は特に限定されず、絶縁性を有し、かつ、負極活物質層4及び固体電解質層3よりも硬い材料であればよい。硬さの指標としては、例えば、ビッカース硬度HVが1000を超えることが好ましい。固体電解質層3又は負極活物質層4の切断時に生じるバリのビッカース硬度HVが1000以下であるためである。例えば、バリに含まれる成分のうち、Cuのビッカース硬度HVは60以下であり、Niのビッカース硬度HVは100以下であり、チタン酸リチウム(LTO)のビッカース硬度HVは700以下であり、Siのビッカース硬度HVは1000以下である。
絶縁被膜1aを構成する具体的な材料としては、ダイヤモンドライクカーボン(DLC、ビッカース硬度HV:3000以下)やAl、SiC等のセラミックス(ビッカース硬度HV:1500以下)を挙げることができる。これらの材料は数μmの厚みで十分な硬さを発揮することができる。
正極集電箔1に形成されている絶縁被膜1aの好ましい範囲は、全固体積層電池100の奥行き方向においては正極集電箔1の奥行き方向に亘って形成されており、全固体積層電池100の幅方向においては0.1mm〜50mm、より好ましくは1mm〜10mmの範囲である。正極活物質層2に干渉しない範囲に絶縁被膜1aを設けるためである。ただし、上述したように正極集電箔1の固体電解質層側の面のうち、負極活物質層4及び固体電解質層3の一方側の端部と対向する部分を含む範囲に形成されている必要がある。
絶縁被膜1aの厚みは、絶縁被膜1aが形成されている正極集電箔1に配置されている正極活物質層2の厚みよりも小さく(絶縁被膜1aが固体電解質層3に接触していない厚み)、かつ、負極活物質層4及び固体電解質層3よりも大きいビッカース硬度HVを有していれば特に限定されない。好ましくは0.2μm〜30μmの範囲であることが好ましい。
次に絶縁被膜1aが形成された正極集電箔1のそれぞれの態様について説明する。
上述したように、絶縁被膜1aは正極集電箔1の固体電解質層側の面のうち、積層方向において、負極活物質層4及び固体電解質層3の一方側の端部と対向する部分を含む部分に形成されている。そのため、正極10に含まれる正極集電箔1が1枚である場合は、図2に示したとおり、正極集電箔1の両面に絶縁被膜1aが形成される。正極10に含まれる正極集電箔1が2枚重なって配値されている場合は、図3に示した通り、それぞれの正極集電箔1において、負極活物質層4及び固体電解質層3の一方側の端部と対向する面に絶縁被膜1aが形成されている。
また、正負極の集電タブを設ける位置によって、正極集電箔1の態様も変化する。図4(a)は、正負極の集電タブが同じ端部側に設けられる場合である。図4(b)は、正負極の集電タブが異なる側(一方側と他方側)に設けられる場合である。このように、正負極の集電タブを設ける位置によって、正極集電箔1の態様も変化するため、絶縁被膜1aが被膜されている範囲も変化する。
なお、図4(a)、(b)においては、固体電解質層3と負極活物質層4とは同じ大きさとした。
以上のとおり、全固体積層電池100を用いて本開示の全固体積層電池について説明した。本開示の全固体積層電池によれば、正極集電箔の所定の位置に絶縁被膜が被覆されているため、正極集電体と固体電解質層及び負極活物質層の一方側の端部(バリ)との接触による短絡を防止することができる。
従来の液系電池ように、固体電解質層や活物質層にコーティング等を施さないのは、硫化物固体電解質は水分があるような大気中では劣化してしまうため、電池製造プロセス的に非常に困難であるためである。そのため、本開示の全固体積層電池においては、大気中でも取り扱いが可能である集電箔に事前に絶縁被膜を設けることで、電池製造プロセスを容易にしている。
また、正極集電箔に樹脂被膜や樹脂テープ等の樹脂被膜を使用しない理由としては、一つは硬さの問題がある。集電箔に用いられる材料、例えば、Al、Ni、Cu等は樹脂材料よりも硬いため、集電箔のタブ付による集電箔に掛かる応力、及びラミネートセルを減圧封止した際の圧力により、集電箔が樹脂被膜を突き破る可能性がある。厚みにおいても、樹脂被膜が正極活物質層よりも厚いものであると、固体電解質層に干渉してしまう。一方で、上述した絶縁被膜、例えばダイヤモンドライクカーボン被膜であれば3μm程度で十分な絶縁性及び硬さを備える。
さらに、正極集電箔の所定の位置に絶縁被膜を被覆することに限定している理由は、正極集電箔の端部はタブ付けが必要であるため、全面を被覆してはならないためである。さらに、絶縁被膜は硬く、曲げることが困難であるため、広範囲に絶縁被膜を配置すると、タブ付けの際に正極集電箔を曲げることが困難になる。或いは、正極集電箔の先端を曲げる距離分だけ延ばす必要が生じるため、全固体積層電池中の活物質層の割合が減り、エネルギー密度が減少する。
よって、本開示の全固体積層電池では、絶縁性、硬さ、薄さを兼ね備え、わずかな面積にも設けることが可能な絶縁被膜材料を用いることにより、確実に絶縁性を確保するとともに、エネルギー密度の損失を防いでいる。
本開示の全固体積層電池の製造方法は、特に限定されず、公知の方法により作製することができる。例えば、正極集電箔に予め所定の位置に絶縁被膜を被覆し、次いで、正極集電箔、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電箔を公知の方法で積層することにより製造することができる。正極集電箔に絶縁被膜を被覆する方法も特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、プラズマCVD法や特許文献1に記載の方法により、正極集電箔に絶縁被膜を被覆することができる。
なお、上記では、Li析出の観点から、負極活物質層の面積が正極活物質層の面積よりも大きい場合を想定し、正極集電箔に絶縁被膜を設ける形態を説明したが、本開示の全固体積層電池においてはこれに限定されず、負極集電箔に絶縁被膜を設ける形態であってもよい。
以下、本開示の全固体積層電池について、実施例を用いてさらに説明する。
[負極の作製]
分散媒としての酪酸ブチル及び結着材としてのポリフッ化ビニリデンを溶解した5質量%酪酸ブチル溶液と、負極活物質としてケイ素粒子(高純度化学製)と、固体電解質としてのLiBr、LiIを含有するLiS−P系ガラスセラミックスと、導電剤としてVGCF(気相法炭素繊維)と、を重量比が負極活物質:固体電解質:導電材:結着材=54.5:42.3:2.2:1.1(wt%)となるようにポリプロピレン製容器に加えて、超音波分散装置(エスエムテー製、製品名UH−50)で30秒間撹拌した。その後、ポリプロピレン製容器を振とう器(柴田科学株式会社製、製品名TTM−1)で30分間振とうして、負極活物質層用ペーストを作製した。
負極活物質層用ペーストを、アプリケーターを使用して、ドクターブレード法にて負極集電箔としての銅箔に塗工し、その後、100℃に加熱したホットプレート上で30分間乾燥することにより、負極活物質層及び負極集電箔を有する負極を作製した。
[正極活物質層の作製]
分散媒としての酪酸ブチル及び結着材としてのポリフッ化ビニリデンを溶解した5質量%酪酸ブチル溶液と、LiNi1/3Co1/3Mn1/3粒子にニオブ酸リチウムをコーティングした正極活物質と、固体電解質としてのLiBr、LiIを含有するLiS−P系ガラスセラミックスと、導電剤としてVGCF(気相法炭素繊維)とを、重量比が正極活物質:固体電解質:導電材:結着材=83.2:13.3:1.3:2.2(wt%)となるようにポリプロピレン製容器に加えて、超音波分散装置で30秒間撹拌した。その後、ポリプロピレン製容器を振とう器で3分間振とうし、さらに超音波分散装置で30秒間撹拌して、正極活物質層用ペーストを作製した。
正極活物質層用ペーストを、アプリケーターを使用して、ドクターブレード法にて基盤としてのアルミニウム箔に塗工し、その後、100℃に加熱したホットプレート上で30分間乾燥することにより正極活物質層を作製した。
[固体電解質層の作製]
分散媒としてのヘプタン及び結着材としてのブタジエンゴムを溶解した5質量%ヘプタン溶液と、固体電解質としてのLiBr、LiIを含有するLiS−P系ガラスセラミックスと、を重量比が固体電解質:結着材=99:1(wt%)となるようにポリプロピレン製容器に加えて、超音波分散装置で30秒間撹拌した。その後、ポリプロピレン製容器を振とう器で30分間振とうして、固体電解質層用ペーストを作製した。
固体電解質層用ペーストを、アプリケーターを使用して、ドクターブレード法にて、基盤としてのアルミニウム箔に塗工し、その後、100℃に加熱したホットプレート上で30分間乾燥することにより、固体電解質層を作製した。
[プレス工程]
固体電解質層が負極活物質層と接するように、固体電解質層を負極に積層して、ロールプレス機を用いてプレス温度25℃、プレス圧1ton/cmでプレスし、固体電解質層の基盤としてのアルミニウム箔を剥がして、固体電解質層と負極との積層体1を得た。
その後、上記積層体1の固体電解質層側に正極活物質層を積層し、ロールプレス機を用いて、プレス温度25℃、プレス圧1ton/cmでプレスし、正極活物質層の基盤としてのアルミニウム箔を剥がして、正極活物質層、固体電解質層、負極の積層体2を作製し、さらに、プレス温度150℃、プレス圧4ton/cmでプレスして緻密化し、緻密化された積層体2を得た。
[裁断工程]
積層体2をレーザーにより、図4(a)に示した形状に裁断した。
[正極集電箔の貼り付け工程]
裁断後の積層体2に対して、接着剤を塗布した正極集電箔を貼り付け、図4(a)に示した形状の電極積層体を作製した。
ここで、正極集電箔には固体電解質層側の面のうち、積層方向において、負極活物質層及び固体電解質層の一方側の端部と対向する部分を含む部分に絶縁被膜が形成されている。絶縁被膜は奥行き方向においては、図4(a)に示したとおり正極集電箔の奥行き方向に亘って形成されており、幅方向においては5mmの長さに形成されている。絶縁被膜の厚み及び絶縁被膜を構成する材料については、表1に記載した。なお、比較例1においては、絶縁被膜を形成していない正極集電箔を用いた。
[積層工程]
上記により作製した電極積層体を30個積み重ね、正負極の集電箔を各々まとめた後、正極集電タブとしてAlを用い、負極集電タブとしてNiめっきCuを用いて、それぞれ超音波溶接で集電箔とタブとを接合した。また、各々の集電タブには予めラミネートと熱溶着可能な溶接テープを施した。そして、アルミラミネートを用いて−80kpaにて減圧封止を行い、全固体積層電池を作製した。
[自己放電試験]
作製した全固体積層電池を5Mpaにて拘束し、つぎの手順により自己放電検査を行った。まず、全固体積層電池を充電(4.0Vcccv、電流レート1/10C、カットオフ電流1/100C)で充電した後、25℃の恒温槽で25h静置し、静置前後の電圧変化ΔVを測定した。
表1にその結果を示した。表1では、最も悪い結果となった比較例1の自己放電電圧低下を100とした場合の相対値(自己放電評価指標)を用いて評価した。自己放電評価指標は低いほど電圧変化が小さいことを意味するため、自己放電評価指標は小さいほど望ましい。
表1より、実施例1〜3は比較例1、2に比べて、電圧変化ΔVが小さく自己放電評価指数が低かった。よって、正極集電箔の所定の位置に絶縁被膜を設けることにより、正極集電箔と固体電解質層又は負極活物質層の端部との接触による短絡を抑制することができたと考えられる。
1 正極集電箔
1a 絶縁被膜
2 正極活物質層
3 固体電解質層
4 負極活物質層
5 負極集電箔
10 正極
20 負極
100 全固体積層電池

Claims (1)

  1. 正極集電箔、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電箔を備える全固体積層電池であって、
    前記正極活物質層の一方側の端部は前記負極活物質層及び前記固体電解質層の一方側の端部よりも内側に存在し、
    前記正極集電箔の固体電解質層側の面のうち、積層方向において、前記負極活物質層及び前記固体電解質層の前記一方側の端部と対向する部分を含む部分に絶縁被膜が形成されている、
    全固体積層電池。
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