JP2020122462A - ブローバイガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関のブローバイガスが流されるブローバイガス通路に設けられ、ブローバイガスに含まれる水分を除去する除湿器の除湿性能の低下を検知する。【解決手段】ブローバイガス処理装置23は、内燃機関のブローバイガスが流されるブローバイガス通路24と、ブローバイガス通路に設けられ、ブローバイガスに含まれる水分を除去する除湿器26と、除湿器を診断するように構成された診断装置100とを備える。前記診断装置は、前記除湿器に流入するブローバイガスの湿度である入口湿度と、前記除湿器から流出するブローバイガスの湿度である出口湿度とに基づいて、前記除湿器を診断する。【選択図】図2
Description
本開示はブローバイガス処理装置に係り、特に、ブローバイガスに含まれる水分を除去する除湿器を備えたブローバイガス処理装置に関する。
内燃機関においては、ピストンとシリンダの隙間からクランクケース内に漏出したブローバイガスを、ブローバイガス通路を通じて吸気通路に還流させるブローバイガス処理装置が公知である。
ところで、ガソリンや軽油等といった内燃機関の燃料が燃焼すると水が発生する。この水は当然ながらブローバイガスにも含まれる。低温環境下では、このブローバイガス中に含まれる水分が、ブローバイガス通路等の内部で凍結し、例えば通路を閉塞するという不具合を引き起こす可能性がある。
このため、ブローバイガス通路に除湿器を設置し、この除湿器でブローバイガス中の水分を除去することが考えられる。
しかし、除湿器は経年劣化し、その使用期間が増大するにつれ、その除湿性能は低下していく。こうした状況の中、除湿性能が大きく低下した除湿器を使用し続けると、ブローバイガス中の水分を十分に除去できず、上述の不具合を引き起こす可能性がある。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、除湿器の除湿性能の低下を検知することが可能なブローバイガス処理装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
内燃機関のブローバイガスが流されるブローバイガス通路と、
前記ブローバイガス通路に設けられ、ブローバイガスに含まれる水分を除去する除湿器と、
前記除湿器を診断するように構成された診断装置と、
を備えたことを特徴とするブローバイガス処理装置が提供される。
内燃機関のブローバイガスが流されるブローバイガス通路と、
前記ブローバイガス通路に設けられ、ブローバイガスに含まれる水分を除去する除湿器と、
前記除湿器を診断するように構成された診断装置と、
を備えたことを特徴とするブローバイガス処理装置が提供される。
好ましくは、前記診断装置は、前記除湿器に流入するブローバイガスの湿度である入口湿度と、前記除湿器から流出するブローバイガスの湿度である出口湿度とに基づいて、前記除湿器を診断する。
好ましくは、前記診断装置は、前記入口湿度と前記出口湿度の差または比に基づいて前記除湿器を診断する。
好ましくは、前記診断装置は、前記入口湿度と前記出口湿度に基づいて前記除湿器の除湿効率を算出し、算出した除湿効率に基づいて前記除湿器を診断する。
好ましくは、前記ブローバイガス処理装置は、前記ブローバイガス通路に設けられ、ブローバイガスに含まれるオイルを分離するオイルセパレータをさらに備え、
前記除湿器は、前記オイルセパレータより下流側の前記ブローバイガス通路に設けられる。
前記除湿器は、前記オイルセパレータより下流側の前記ブローバイガス通路に設けられる。
本開示によれば、除湿器の除湿性能の低下を検知することができる。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本実施形態の構成を示す概略図である。本実施形態の内燃機関(エンジン)1は、車両(図示せず)に搭載された多気筒の圧縮着火式内燃機関すなわちディーゼルエンジンである。車両はトラック等の大型車両である。しかしながら、車両および内燃機関の種類、形式、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジンは火花点火式内燃機関すなわちガソリンエンジンであってもよい。図示例は直列4気筒エンジンを示すが、エンジンのシリンダ配置形式、気筒数等も任意である。
なおエンジンは、車両以外の移動体、例えば船舶、航空機、建設機械、または産業機械に搭載されたものであってもよい。またエンジンは、移動体に搭載されたものでなくてもよく、定置式のものであってもよい。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4と、ターボチャージャ14と、燃料噴射装置5とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを含む。燃料噴射装置5は、シリンダ9内に燃料(本実施形態では軽油)を噴射するための装置である。
吸気通路3は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流端に接続された吸気管11とにより主に画成される。吸気マニホールド10は、吸気管11から送られてきた吸気を各気筒の吸気ポートに分配供給する。吸気管11には、上流側から順に、エアクリーナ12、ターボチャージャ14のコンプレッサ14C、およびインタークーラ15が設けられる。
排気通路4は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に接続された排気管21とにより主に画成される。排気マニホールド20は、各気筒の排気ポートから送られてきた排気ガスを集合させる。排気管21、もしくは排気マニホールド20と排気管21の間には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられる。タービン14Tより下流側の排気管21には排気浄化用の後処理部材(図示せず)が設けられる。
エンジン1はブローバイガス処理装置23を備える。ブローバイガス処理装置23は、エンジンのブローバイガスが流されるブローバイガス通路24を備える。なおブローバイガスとは周知のように、エンジン本体2内においてシリンダ9とピストンとの隙間からクランクケース内に漏れ出たガスのことである。
本実施形態において、ブローバイガス通路24は、エンジン本体2の外部に設置され外気に露出されたブローバイガス管24aにより画成される。ブローバイガス通路24はブローバイガスを、コンプレッサ14Cよりも上流側の吸気通路3に還流させるようになっている。すなわち、ブローバイガス管24aの下流端は、コンプレッサ14Cよりも上流側の吸気通路3に接続されている。
図1及び図2に示すように、ブローバイガス処理装置23は、ブローバイガスに含まれる水分を除去する除湿器26を備える。またブローバイガス処理装置23は、ブローバイガスに含まれるオイルを分離するオイルセパレータ25を備える。
これら除湿器26およびオイルセパレータ25は、ブローバイガス通路24に設けられ、従って外気に露出されている。黒塗り矢印で示すブローバイガス流れ方向において、除湿器26はオイルセパレータ25の下流側に配置され、オイルセパレータ25でオイルが分離された後のブローバイガスから水分を除去するようになっている。
図3に示すように、除湿器26は、上流端がブローバイガス管24aに接続され下流端が開放された入口側パイプ部27と、入口側パイプ部27が挿入されたケーシング28と、入口側パイプ部27から吐出されたブローバイガスを衝突させる衝突部29と、ケーシング28に接続された出口側パイプ部39とを備える。これら入口側パイプ部27、ケーシング28、衝突部29および出口側パイプ部39は金属製である。すなわち除湿器26は金属製である。
入口側パイプ部27は断面円形の直管により形成される。入口側パイプ部27のうち、下流側部分(図中右側部分)はケーシング28内に挿入されるものの、上流側部分(図中左側部分)はケーシング28から突出され、その上流端にブローバイガス管24aが同軸に接続される。入口側パイプ部27の内径および外径は、ブローバイガス管24aの内径および外径と等しくされる。入口側パイプ部27とブローバイガス管24aとは、各々のフランジ27f,24f1により着脱可能に接続される。これにより入口側パイプ部27の内周面は、ブローバイガス管24aの内周面と段差無く滑らかに繋がる。
入口側パイプ部27の下流端は管軸方向に対して直角に形成される。入口側パイプ部27の下流端には、下流側に向かって開口する先端開口27aが形成される。
ケーシング28内における入口側パイプ部27の中間部には、ガス噴出孔27bが径方向に貫通して形成される。ガス噴出孔27bは、入口側パイプ部27の周方向に間隔を隔てて複数形成される。
ケーシング28は、ブローバイガス流れ方向に平行な中心軸を有する筒状(具体的には円筒形状)とされ、その軸方向両端は、入口側パイプ部27と出口側パイプ部39の接続部分を除いて閉止される。入口側パイプ部27と出口側パイプ部39は、ケーシング28に同軸に接続される。入口側パイプ部27の先端開口27aは、ケーシング28の下流側の端壁28aから離間されている。
出口側パイプ部39は、ケーシング28の下流側の端壁28aから下流側に向かって突出されている。出口側パイプ部39も断面円形の直管により形成され、その上流端がケーシング28内に開口されると共に、その下流端がブローバイガス管24aに同軸に接続される。出口側パイプ部39の内径および外径は、ブローバイガス管24aの内径および外径と等しくされる。出口側パイプ部39とブローバイガス管24aとは、各々のフランジ39f,24f2により着脱可能に接続される。これにより出口側パイプ部39の内周面は、ブローバイガス管24aの内周面と段差無く滑らかに繋がる。
このように、入口側パイプ部27および出口側パイプ部39がブローバイガス管24aに着脱可能に接続されるので、除湿器26はブローバイガス管24aから着脱可能となる。
衝突部29は、入口側パイプ部27の先端開口27aから吐出されるブローバイガスを衝突させる第1衝突板32と、ガス噴出孔27bから吐出されるブローバイガスを衝突させる第2衝突板33とを備える。
第1衝突板32は、入口側パイプ部27の先端開口27aに対向して配置され、先端開口27aから吐出されたブローバイガスを衝突させるようになっている。第1衝突板32は、ブローバイガス流れ方向に平行な中心軸を有する円錐面状もしくは傘状に形成され、入口側パイプ部27および出口側パイプ部39の間の軸方向位置に、これらと同軸にかつ離間して、ケーシング28内に配置されている。第1衝突板32は、上流側を向く凹面32aと下流側を向く凸面32bとを有し、その頂角θは鈍角とされている。第1衝突板32の外径Dは、入口側パイプ部27の内径d1より大きくされ、ケーシング28の内径d2より小さくされる。第1衝突板32は、ケーシング28又は入口側パイプ部27に図示しないブラケットを介して固定される。
第2衝突板33は、入口側パイプ部27を挿通させる挿通孔33aを中心部に設けたこと以外、第1衝突板32と同様に形成される。入口側パイプ部27の挿通孔33aへの挿通後、第2衝突板33は入口側パイプ部27に溶接等にて固定される。第2衝突板33は、ガス噴出孔27bから吐出されたブローバイガスが衝突するような入口側パイプ部27上の軸方向の位置に配置されている。
ケーシング28の底部には、ブローバイガスから分離されケーシング28内に溜まった水を排出するための排水口28bが形成される。排水口28bは排水通路30を介してタンク31に接続される。
なお除湿器26には、その内部での水分凍結を防止もしくは抑制するためのヒータ34が設けられる。本実施形態のヒータ34は、ケーシング28の外周に巻き付けられた電熱線で構成される。
ところで本実施形態においては、図2に示すように、除湿器26を診断するように構成された診断装置が設けられる。診断装置は、診断ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラである電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit)という)100により形成される。ECU100は、車両およびエンジンの制御を司るものでもある。ECU100は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)、入出力ポート、ならびにROMおよびRAM以外の記憶装置等を含む。
ブローバイガス処理装置23は、除湿器26に流入するブローバイガスの湿度である入口湿度Haを検出するための入口湿度センサ37と、除湿器から流出するブローバイガスの湿度である出口湿度Hbを検出するための出口湿度センサ38とを備える。ECU100は、入口湿度センサ37により検出された入口湿度Haと、出口湿度センサ38により検出された出口湿度Hbとに基づいて、除湿器26を診断するように構成されている。なお入口湿度Haおよび出口湿度Hbは絶対湿度として検出される。
本実施形態において、入口湿度センサ37は、除湿器26の上流側のブローバイガス管24aに設置され、出口湿度センサ38は、除湿器26の下流側のブローバイガス管24aに設置されている。しかしながら、入口湿度センサ37を入口側パイプ部27に設置してもよく、出口湿度センサ38を出口側パイプ部39に設置してもよい。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
エンジン本体2内のブローバイガスは、ブローバイガス通路24を通り、コンプレッサ14Cより上流側の吸気通路3に環流される。この過程でブローバイガスは、オイルセパレータ25内で蛇行状の通路を通過する。これによりブローバイガスに含まれるオイルがブローバイガスから分離され、エンジン本体2内に戻される。他方、オイル分離後のブローバイガスは、ブローバイガス管24aを通じて除湿器26に導入される。この除湿器26内でブローバイガスから水分が除去される。
図3に示すように、ブローバイガスは入口側パイプ部27から除湿器26内に入る。入口側パイプ部27に入ったブローバイガスの一部(主流部B1という)は、先端開口27aから吐出され、第1衝突板32に衝突する。またブローバイガスの残部(分流部B2という)は、ガス噴出孔27bから吐出され、第2衝突板33に衝突する。
主流部B1および分流部B2が比較的高温である一方、除湿器26、特に第1および第2衝突板32,33は、外気で冷却されて低温となっている。よって主流部B1および分流部B2が第1および第2衝突板32,33に衝突した時、主流部B1および分流部B2が第1および第2衝突板32,33によって冷却されると共に、主流部B1および分流部B2に含まれる水分は凝縮し、凝縮水となって現れる。外気温が低温であるほど、凝縮水の発生量は増大する傾向がある。
このように、ブローバイガス(主流部B1および分流部B2)を衝突部29(第1および第2衝突板32,33)に衝突させ、ブローバイガスに含まれる水分を凝縮水としてブローバイガスから分離できる。このため、ブローバイガスから水分を除去し、ブローバイガスを除湿することができる。
こうすると、除湿器26の下流側のブローバイガス通路24には、湿気が少なく比較的乾燥したブローバイガスが流れる。よって次の不具合、すなわち低温環境下でブローバイガスに含まれる水分がブローバイガス通路24内で凝縮し、さらには凍結し、例えばブローバイガス通路24を閉塞するという不具合を抑制することが可能である。
第1および第2衝突板32,33で分離された水は、第1および第2衝突板32,33から滴下し、ケーシング28の底部に溜められる。そしてその溜まった水は、排水口28bから排水通路30を通じてタンク31に回収される。
低温環境下では、分離された水が除湿器26内で凍結し、これによってできた氷が除湿器26内の通路を塞いでブローバイガスの流通を阻害する虞がある。そのため、かかる凍結の虞がある場合にはECU100によりヒータ34が作動され、除湿器26が加熱され、凍結が抑制される。なお凍結の虞があるか否かは、例えば除湿器26の前後の圧力差を検出することにより判断できる。
ところで除湿器26には、オイルセパレータ25でオイルが分離された後のブローバイガスが送られてくるものの、このブローバイガスには、オイルセパレータ25で分離しきれなかった微量のオイルが含まれる。こうしたブローバイガスが長期に亘って除湿器26を流通し続けると、そのオイルが除湿器26内に徐々に付着し、除湿器26の除湿性能が徐々に低下していく。
例えば、主流部B1が第1衝突板32に長期間衝突し続けると、主流部B1に含まれるオイルが第1衝突板32の表面に徐々に付着していく。すると、主流部B1と第1衝突板32の直接接触が付着オイルにより阻害され、第1衝突板32により主流部B1を冷却する効果が減殺される。この結果、主流部B1から水分を除去する除湿機能が減少される。分流部B2と第2衝突板33の衝突箇所でも同様の問題が発生する。
なお、ブローバイガスに含まれるオイル以外の異物が第1衝突板32等に徐々に付着し、同様の問題を生じさせることもある。
このように、除湿器26は経年劣化し、その使用期間が増大するにつれ、その除湿性能は低下していく。こうした状況の中、除湿性能が大きく低下した除湿器26を使用し続けると、ブローバイガス中の水分を十分に除去できず、上述の不具合を引き起こす可能性がある。
そこで本実施形態では、除湿器26を診断するように構成された診断装置(具体的にはECU100)を設けている。これにより、除湿器26の除湿性能の低下を検知することができる。そして、除湿性能が大きく低下した除湿器26の使用を実質的に禁止し、上記不具合の発生を未然に防止することができる。
診断装置としてのECU100は、入口湿度センサ37により検出された入口湿度Haと、出口湿度センサ38により検出された出口湿度Hbとの差すなわち湿度差dH=(Ha−Hb)を算出する。そしてこの湿度差dHに基づいて、除湿器26の除湿効率E=dH/Ha=(Ha−Hb)/Haを算出する。ECU100は、算出した除湿効率Eに基づいて除湿器26を診断する。
除湿器26が経年劣化していくと、入口湿度Haに対する出口湿度Hbの低下量は徐々に減少し、湿度差dHおよび除湿効率Eは徐々に低下していく。本実施形態では、算出した除湿効率Eを閾値Ethと比較し、除湿効率Eが閾値Ethを下回った時点で、除湿器26の除湿性能が許容できない程大きく低下したとみなし、除湿器26を異常と判定する。そして図示しない警告装置(例えば警告灯)を起動し、ユーザーに除湿器26の交換、清掃、整備等を喚起する。なお除湿器26はブローバイガス管24aから着脱可能なので、こうした交換等を容易に行うことが可能である。
次に、図4を参照して、本実施形態の診断ルーチンを説明する。図示するルーチンはECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、入口湿度センサ37により検出された入口湿度Haと、出口湿度センサ38により検出された出口湿度Hbとの値がそれぞれ取得される。
ステップS102では、これら入口湿度Haおよび出口湿度Hbに基づき、除湿器26の除湿効率Eが算出される。
ステップS103では、除湿効率Eが閾値Ethと比較される。除湿効率Eが閾値Eth以上の場合、ルーチンが終了される。この場合、除湿器26の除湿性能は十分であり、除湿器26は実質的に正常と判定される。
他方、除湿効率Eが閾値Eth未満の場合、ステップS104に進んで、除湿器26は異常と判定され、ルーチンが終了される。この場合、除湿器26の除湿性能が許容できない程大きく低下したとみなされ、除湿器26は異常と判定される。この場合、警告装置が起動され、ユーザーに除湿器26の交換等が促される。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。
(1)例えばECU100は、単なる湿度差dH=(Ha−Hb)によって除湿器26の異常を検知してもよい。この場合、図4の診断ルーチンは次のように変形される。すなわち、ステップS102では湿度差dHが算出され、ステップS103では湿度差dHがその閾値dHthより小さいか否かが判断される。dH≧dHthのとき除湿器26は正常と判定され、dH<dHthのときはステップS104に進んで除湿器26は異常と判定される。
(2)ECU100は、入口湿度Haと出口湿度Hbの比すなわち湿度比rH=Ha/Hbによって除湿器26の異常を検知してもよい。この場合、図4の診断ルーチンは次のように変形される。すなわち、ステップS102では湿度比rHが算出され、ステップS103では湿度比rHがその閾値rHthより小さいか否かが判断される。rH≧rHthのとき除湿器26は正常と判定され、rH<rHthのときはステップS104に進んで除湿器26は異常と判定される。
(3)上記実施形態の除湿器26において、ガス噴出孔27bと第2衝突板33の組み合わせの数を複数に増やすことも可能である。また第1および第2衝突板32,33の形状をドーム状等に変形することも可能である。
(4)除湿器の構造は、上記実施形態のものに限定されず、例えば次のような構造のものであってもよい。
図5に示すように、第1変形例の除湿器40は、衝突部として、ワイヤーメッシュで構成されるトラップ41を備える。トラップ41は、ケーシング28内にブローバイガスの流れ方向に沿って複数設けられる。ブローバイガスがトラップ41を通過する度にガス中の水分が冷却され、凝縮される。なおこの例の場合、入口側パイプ部27はケーシング28の内部に挿入されておらず、ケーシング28の上流側の端壁から上流側に向かって突出されている。
図6に示すように、第2変形例の除湿器42は、衝突部として、スチールウールで構成されるトラップ43を備える。この場合、ケーシング28内は、トラップ43で埋め尽くされてもよい。ブローバイガスがトラップ43を通過する際にガス中の水分が冷却され、凝縮される。
図7に示すように、第3変形例の除湿器46では、排水通路30が大気開放される。排水通路30の開放端44は下方に向けられる。また排水通路30には、排水弁45が設けられる。排水弁45は、スプリング(不図示)の付勢力によって閉弁すると共に、排水通路30内の水の荷重によってスプリングの付勢力に反して開弁する。
前述の各実施形態および変形例の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関
23 ブローバイガス処理装置
24 ブローバイガス通路
25 オイルセパレータ
26,40,42,46 除湿器
100 電子制御ユニット(ECU)
23 ブローバイガス処理装置
24 ブローバイガス通路
25 オイルセパレータ
26,40,42,46 除湿器
100 電子制御ユニット(ECU)
Claims (5)
- 内燃機関のブローバイガスが流されるブローバイガス通路と、
前記ブローバイガス通路に設けられ、ブローバイガスに含まれる水分を除去する除湿器と、
前記除湿器を診断するように構成された診断装置と、
を備えたことを特徴とするブローバイガス処理装置。 - 前記診断装置は、前記除湿器に流入するブローバイガスの湿度である入口湿度と、前記除湿器から流出するブローバイガスの湿度である出口湿度とに基づいて、前記除湿器を診断する
請求項1に記載のブローバイガス処理装置。 - 前記診断装置は、前記入口湿度と前記出口湿度の差または比に基づいて前記除湿器を診断する
請求項2に記載のブローバイガス処理装置。 - 前記診断装置は、前記入口湿度と前記出口湿度に基づいて前記除湿器の除湿効率を算出し、算出した除湿効率に基づいて前記除湿器を診断する
請求項2に記載のブローバイガス処理装置。 - 前記ブローバイガス通路に設けられ、ブローバイガスに含まれるオイルを分離するオイルセパレータをさらに備え、
前記除湿器は、前記オイルセパレータより下流側の前記ブローバイガス通路に設けられる
請求項1〜4のいずれか一項に記載のブローバイガス処理装置。
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A521 | Written amendment |
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