JP2020122209A - ねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体及びその製造方法 - Google Patents

ねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な加工特性をもって形成でき、耐疲労特性及び耐破断特性に優れたねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体及びその製造方法を提供すること。【解決手段】ねじ部を有する成形体であって、前記ねじ部が転造加工部であるCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体である。成形体素材の少なくとも一部を、結晶構造がA2型構造である状態で転造により塑性加工して成形した後に、L21型構造に変化させる熱処理を施すことで、超弾性特性を発現させる前記ねじ部を形成する工程を含むことで、製造できる。【選択図】図1

Description

本発明は、ねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体及びその製造方法に関する。詳しく述べると本発明は、良好な加工特性をもって形成でき、耐疲労特性に優れたねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体及びその製造方法に関する。
形状記憶合金は、温度変化や、負荷した応力の除荷によって変形前の形状に戻ることが可能な金属材料のことをいう。形状記憶合金が有する特性としては、変形した材料を加熱することで変形前の形状に回復する特性(この特性を「形状記憶効果」と呼ぶ。)と、最大弾性歪みを超えた歪みを与える応力を負荷して変形させても、応力を除荷することで変形前の形状に戻る特性(この特性を「超弾性」と呼ぶ。)の2つに分類することができる。
通常の金属材料では、弾性限界を超える応力を印加して塑性変形させてしまうと、再び加工を施さない限り、変形前の形状に戻ることはないが、形状記憶合金は、特異な性質を有するため、上記のような特性の発現が可能となっている。なお、本発明では、「形状記憶合金」を、上記形状記憶効果や超弾性のうち、少なくとも超弾性を示す合金と定義する。
形状記憶合金は、熱弾性型マルテンサイト変態の逆変態に付随して顕著な形状記憶効果及び超弾性特性を示し、生活環境温度近辺で優れた機能を持つことから、種々の分野で実用化されている。
代表的な形状記憶合金のNi−Ti系合金では、形状記憶効果を利用した製品に、混合水栓や給湯器の温度調節機構に、超弾性を利用した製品にはブラジャーワイヤー、携帯電話アンテナの芯材、メガネフレーム等があり、最近は医療用のガイドワイヤーやステント用の材料にも用いられている。
一方近年、建築物などの構造物の耐震性の向上を目的とする制振部材として、一般的な鋼材や極低降伏点鋼等を用いたものが開発されている。このような制振部材は、金属の塑性変形により地震エネルギーを吸収することで、被害が主体構造物に及ばないようにするものであるが、上記したような超弾性を示す形状記憶合金を用い、当該形状記憶合金より構成される部位を塑性変形させるようにすれば、形状記憶合金は、元の形状に回復できる温度(変態温度)が常温よりも十分に低いため、加熱することなく変形が回復するという特性を有する。そのため、形状記憶合金を用いた制振部材は、大地震後の残留変形が全く生じないか、生じたとしても非常にわずかであるため、部材の交換等が不要となる。
このような制振部材等において、その全体を価格的に高価な形状記憶合金で構成させる必要はなく、当該形状記憶合金より構成される部分はその一部のみで十分であり、このためその他の部分を構成する鋼材等との接合構造が必要となる。
既存のNi−Ti系の形状記憶合金では、冷間加工組織と熱処理による再結晶により特性を発現しているため、加熱による組織の変化による特性の劣化や、酸化反応による脆化があるため、溶接的接合は向かず、機械式接合方法を採ることが一般的である。
機械的接合方法としては、一般的に、リベット、カシメ、ボルト接合、焼き嵌め等が挙げられ、このうち簡易ながら強固な接合力を得ることのできるものとしては、ボルト接合が代表的である。
ボルト接合のためには、対象とする構造材にねじ部を形成する必要があるが、このようなねじ部の形成方法としては、一般的には切削加工による方法と転造加工による方法とがある。
しかし、Ni−Ti系の形状記憶合金は切削性が悪く、切削ねじの形成が困難である。また、形状記憶合金は、低温のマルテンサイト相の状態では、見かけ上塑性変形するが、逆変態温度以上に加熱すると元の記憶した形状に戻る形状記憶効果と、変形しても除荷すると元の形状に戻る上記したような超弾性がある。形状記憶合金で転造可能なものは、形状記憶特性では、マルテンサイト相で加工し、見かけ上塑性変形させる方法が考えられるが、逆変態温度以上に加熱した時に形状変形するため、ねじ精度が悪くなる。また超弾性は塑性変形しないため、最終工程で塑性変形できるように焼き鈍しにより加工組織を除去すると、超弾性の特性が極めて悪くなってしまう。このため、転造ねじによるボルト接合や、塑性加工によるリベットも現実的でなく、実用的にはカシメ方法が多く採用されている。
一方、Cu−Al−Mn系の形状記憶合金も、組織制御と時効熱処理により、形状記憶特性、超弾性特性を発揮するが、上述したNi−Ti系の形状記憶合金とは製法が異なることと、加工性が良好なため、切削加工によるボルト接合(非特許文献1)、熱間ヘッダー加工でのリベット加工(非特許文献2)や、焼嵌めのような嵌合方法(特許文献1)などによる接合方法が提唱されている。
特開2018−119657号公報
Earthquake Engineering & Structural Dynamics 2016:45:297−314 Smart Materials and Structures 27:2018、065025
しかし、熱間ヘッダー加工でのリベット加工は、強度を持たせるためには、特殊な組織制御が必要なことと、製造には特殊な装置が必要になるという課題があった。また、焼嵌めのような嵌合方法も特別な装置が必要なことと、強度の信頼性が不安定なため、信頼性とコストに課題が残るものであった。
また、切削加工ねじは、材料の歩留まりが悪く、NC加工で加工しても一般的な転造に較べて作業時間が数倍以上になる。
また切削加工は材料の強度に変わりがないことから、ねじ谷部の径よりも軸径を大きくしなければ、ねじ部での折損の危険が有るため、軸径よりもねじ径を大きくしなければならず、生産性、材料歩留まりが極めて悪いという課題があった。
そこで本発明の目的は、良好な加工特性をもって形成でき、耐疲労特性及び耐破断特性に優れた形状記憶合金の接合構造を提供すること、特に、耐疲労特性及び耐破断特性に優れたねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金の成形体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上述した問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、以下のような知見を得た。すなわち、銅系形状記憶合金(Cu−Al−Mn系合金)は、組織制御熱処理と時効熱処理により形状記憶合金としての特性を発揮する。
詳細に述べると、組織制御熱処理後の結晶構造は、不規則構造のA2型構造で、室温で不規則構造の状態で放置すると、徐々に規則化し変態温度が上昇するため、変態温度を固定させるためには、時効熱処理により結晶構造を規則構造のL2型構造(フルホイスラー合金)にする必要がある。
これらの状態での機械的特性は、それぞれ例えば、図1(a)及び(b)に示されるようなものである。
図1(a)からも解るように、不規則なA2型構造においては十分な超弾性を発現しないため塑性加工が可能である。
この特性を利用してA2型構造で転造加工し、その後時効熱処理することでL2型構造として超弾性転造ねじの製造が可能となることを見出した。
さらに、このような方法により製造されたねじ部は、その表面から一定以上の深さ領域の表層部分において、圧縮の残留応力が付与されることで、高い硬度を有し、ねじ部の耐疲労特性及び耐破断特性に優れたものとなる知見を得て、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)ねじ部を有する成形体であって、前記ねじ部が転造加工部であるCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(2)前記ねじ部は、該ねじ部の軸線を含む断面で測定したときの、前記ねじ部のねじ表層部分でのビッカース硬度(Hs)の、前記ねじ部の中央部分でのビッカース硬度(Ho)に対するビッカース硬度比(Hs/Ho比)が1.1以上である上記(1)に記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(3)前記成形体が、前記ねじ部の少なくとも一端から延在する棒部をさらに有し、前記ねじ部のねじ最大径(Dmax)は、前記棒部の軸径(Dsh)に対する比(Dmax/Dsh比)が1.17以下である上記(1)又は(2)に記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(4)前記ねじ部のねじ最小径(Dmin)は、前記棒部の軸径(Dsh)に対する比(Dmin/Dsh)が0.9以上である上記(3)に記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(5)3.0〜10.0質量%のAl、及び5.0〜20.0質量%のMnを含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有し、かつ任意添加元素として、Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種又は2種以上を、合計で0.000〜10.000質量%含有することができる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(6)結晶構造がL2型構造である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(7)前記成形体は、引張歪み5%の負荷と除荷を繰り返す引張サイクル試験において、1000回サイクルで破断が生じない特性を有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(8)前記成形体は、破断まで引っ張ったときの引張試験において、破断伸びが7%以上である上記(1)〜(7)のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
(9)ねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体の製造方法であって、成形体素材の少なくとも一部を、結晶構造がA2型構造である状態で転造により塑性加工して成形した後に、L2型構造に変化させる熱処理を施すことで、超弾性特性を発現させる前記ねじ部を形成する工程を含むCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体の製造方法。
(10)前記熱処理の温度は、80〜300℃の範囲である上記(9)に記載の製造方法。
本発明によれば、良好な加工特性をもって形成でき、耐疲労特性及び耐破断特性に優れたねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金の成形体を提供することができ、例えば、建築物などの構造物の耐震性の向上を目的とする制振部材における構造部材として好適に使用できるものとなる。
Cu−Al−Mn系合金の機械的特性を示すグラフであり、(a)は組織制御後A2型構造のときのもの、(b)は時効熱処理後L2型構造のときのものをそれぞれ示すものである。 ねじ部における各部位を模式的に説明する拡大断面図である。 本発明のねじ部を有する成形体の一例におけるねじ部の形状を模式的に示す図である。 本発明に係る形状記憶合金の製造方法の各工程における条件の一例を説明する模式図である。
<ねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体>
次に、本発明に従うねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体の好ましい実施形態について、以下で詳細に説明する。
本発明に係るねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体の具体的な内容に先立ち、その各部位の呼称について説明する。
(ねじ部の呼称)
ねじ部の呼称を、図2に示すねじの拡大断面図と、図3に示す本発明のねじ部を有する成形体の一例を示す図面をもとに説明する。
「ねじ部」とは、ねじ部を有する成形体においてねじ切りされた部分であり、図3において符号1で示される部位である。
「棒部」とは、成形体が、ねじ部の少なくとも一端から延在する部分であって、成形体においてねじ切りされていない部分、すなわちねじ部以外の部分であり、図3において符号2で示される部位である。
「ねじ部のねじ最大径」とは、雄ねじの山部Sの頂S位置で測定したときの直径の最大値であり、図2、図3におけるDmaxである。なお、雄ねじの山部の「頂」Sとは、山部Sのうち、ねじ部の軸線Oから最も離れた位置にある部分である。
「ねじ部のねじ最小径」とは、雄ねじの谷部Sの谷底S位置で測定したときの直径であり、図2及び図3におけるDminである。なお、雄ねじの谷部Sの「谷底」Sとは、谷部Sのうち、ねじ部の軸線Oから最も近い位置にある部分である。
「ねじ部の傾斜部」SInとは、ねじ部の山部Sの頂Sとねじ部の谷部Sの谷底Sとを連絡(連結)する面、すなわちフランクを構成する部分である。
「棒部の軸径」とは、成形体においてねじ切りされていない部分、すなわちねじ部以外の部分(棒部2)の直径を意味するものであり、図3におけるDshである。なお、以下において「棒部の軸径」を単に「軸径」と省略して記載する場合もある。
また「ねじ部の軸線」は、図2及び図3において符号Oで示されるねじ部の軸心を通る中心線である。
「ねじ部の中央部分」とは、ねじ部の軸線を含む断面にて、ねじ部の軸線に沿って延在する、軸線を中心とする0.80mm幅の部分を意味する。
「ねじ部のねじ表層部分」とは、図2におけるねじ山部Sの頂Sと、ねじ谷部Sの谷底Sと、ねじ部の傾斜部SInとを全てつなげたねじ部の表面全体において、ねじ部の表面から、一定深さ、具体的には表面より0.80mmの深さ位置までの領域を意味する。なお、ここで規定する「表層部分」の範囲は、あくまで本発明に係るねじ部が、特異的に高い硬度を有することの指標とする上での規定であり、実際上でこの表層の領域とより内部の領域との境界で明確な何らかの物性の差異が生じるといったものではなく、また転造ねじの形成により硬度が向上する領域は、このような深さまでに何ら限定されるものではなく、好ましくは、より深い領域、具体的には例えば、表面より1.20mm程度における硬度も向上するものである。
なお、図3において、ねじ部1におけるねじの山、谷は誇張して描かれており、またねじの山と谷の距離も誇張して描かれている。
そして本発明に係るCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体は、ねじ部1を有する成形体10であって、そのねじ部1が転造加工部であることを特徴とする。
本発明に係るねじ部1を有する成形体10の形状としては、特に限定されるものではなく、成形体のいずれかの部位にねじ部1が設けてあれば良い。
例えば、図3に示すように、棒状の成形体の一方又は両方の端部にねじ部1が設けられる。
(ねじ部の中央部分でのビッカース硬度Hoとねじ部のねじ表層部分でのビッカース硬度Hsの比)
本発明に係る成形体10の前記ねじ部は、該ねじ部の軸線を含む断面で測定したときの、前記ねじ部1のねじ表層部分でのビッカース硬度Hsの、前記ねじ部1の中央部分でのビッカース硬度Hoに対するビッカース硬度比(Hs/Ho比)が1.1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上である。
本発明に係る成形体10のねじ部1は、後述するように、代表的には、Cu−Al−Mn系形状記憶合金からなる成形体素材を、結晶構造が塑性成形加工可能なA2型構造である状態で転造加工によって形成されるものであるため、ねじ部1の表面が、滑らかになり、塑性変形により圧縮の残留応力が付与されることによって硬度が向上する。このため、素材本来の硬度に対して、ねじ部1の全体のいずれの部位においてもその表層部分の硬度が向上する。
(ねじ部の繰り返し強度、破断伸び)
このように、Cu−Al−Mn系形状記憶合金の成形体10のねじ部1を高強度で形成できるため、成形体1は、引張歪み5%の負荷と除荷を繰り返す引張サイクル試験において、1000回サイクルで破断が生じない特性を有し、高い信頼性を得ることができる。
また、Cu−Al−Mn系形状記憶合金の成形体10は、破断まで引っ張ったときの引張試験において、破断伸びが7%以上である特性を有することができ、より好ましくは15%以上であり、さらに好ましくは20%以上といった特性を有する。
(ねじ部の径と棒部の軸径の比)
また、本発明に係るCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体10は、別の観点からすると、前記ねじ部1の少なくとも一端から延在する棒部2をさらに有し、前記ねじ部1のねじ最大径Dmaxは、棒部の軸径Dshに対する比、すなわちDmax/Dsh比が1.17以下であることが好ましい。
このようなねじ最大径Dmaxと軸径Dshの比を有するねじ部を有する成形体は、例えば、切削加工によりねじ部を形成した場合においては十分な強度を発揮できず、本発明に係るねじ部を有する成形体と明らかに区別可能である。なお、Dmax/Dsh比は、さらに好ましくは1.08〜1.17、特に好ましくは1.10〜1.14である。
さらに好ましくは、前記ねじ部1のねじ最小径(Dmin)は、棒部2の軸径(Dsh)に対する比(Dmin/Dsh)が0.9以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.91以上、特に0.93〜0.98であることが好ましい。
<Cu−Al−Mn系合金材の組成>
また、このような本発明に係るCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体10に用いられる合金材の組成としては特に限定されるものではないが、好ましくは以下のようなものである。
形状記憶特性及び超弾性を有する本発明で用いられる銅系合金は、Al及びMnを含有した合金である。この合金は、高温でβ相(体心立方)単相(本書では、以下、単に「β単相」ともいう)になり、低温でβ相とα相(面心立方)の2相組織(本書では、以下、単に「(α+β)」相ともいう)になる。合金組成により異なるが、β単相となる高温は通常700℃以上であり、(α+β)相となる低温とはおおよそ700℃未満である。
本発明に係る成形体を構成するCu−Al−Mn系形状記憶合金としては、β単相となる場合に、組織制御熱処理後において結晶構造がA2型の状態を示し、時効熱処理後の結晶構造が規則構造のL2型構造を呈するものであれば特に限定されない。
本発明で用いられるCu−Al−Mn系合金材として、好ましくは、3.0〜10.0質量%のAl、及び5.0〜20.0質量%のMnを含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する。Al含有量が少なすぎるとβ単相を形成できず、また多すぎると合金材が脆くなる。また、Al含有量はMn元素の含有量に応じて変化するが、好ましいAl含有量は6.0〜10.0質量%である。Mnは、β相の存在範囲が低Al側へ広がり、冷間加工性が著しく向上させ、成形加工が容易にする元素であるため、Mnを含有させることが必要である。Mn含有量が5.0質量%よりも少ないと、満足な加工性が得られず、かつβ単相の領域を形成することができない。また、Mn含有量が20.0質量%よりも多いと、十分な形状回復特性が得られない。なお、Mn含有量は8.0〜12.0質量%であることが好ましい。
上記必須の含有元素以外に、本発明で用いられるCu−Al−Mn系合金材はさらに必要に応じて任意添加元素として、Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタル(Pr、Ndなど)からなる群より選ばれた1種又は2種以上を、合計で0.000〜10.000質量%含有することができる。これらの任意添加元素は、冷間加工性を維持したままCu−Al−Mn系合金材の強度を向上させる効果を発揮する。これらの任意添加元素の含有量は合計で0.000〜10.000質量%であるのが好ましく、特に0.001〜5.000質量%が好ましい。これら任意添加元素の合計含有量が合計で10.000質量%よりも多くなると、マルテンサイト変態温度が低下し、β単相組織が不安定になるからである。
Ni、Co、Fe、Snは、基地(マトリックス)組織の強化に有効な元素である。Coは、Co−Al金属間化合物の形成により結晶粒を粗大化するが、過剰になると合金の靭性を低下させる。Coの含有量は0.001〜2.000質量%である。Ni及びFeは、Ni−Al金属間化合物の形成及びFe−Al化合物により基地のAl濃度を低下させ、不規則相になってしまうため、含有量はそれぞれ0.001〜6.000質量%である。Snは基地の含有量が多くなると合金の靱性を低下させるため、含有量は0.001〜1.000質量%である。
Tiは、阻害元素であるN及びOと結合し酸窒化物を形成し、また、Bとの複合添加によってボライドを形成し、強度を向上させる元素である。Tiの含有量は0.001〜2.000質量%である。
V、Nb、Mo、Zrは、硬度を高める効果を有し、耐摩耗性を向上させ、また、これらの元素はほとんど基地に固溶しないので、β相(bcc結晶)として析出し、強度を向上させる元素である。V、Nb、Mo、Zrの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%である。
Crは、耐摩耗性及び耐食性を維持するのに有効な元素である。Crの含有量は0.001〜2.000質量%である。Siは、耐食性を向上させる効果を有する元素である。Siの含有量は0.001〜2.000質量%である。Wは、基地にほとんど固溶しないので、析出強化の効果がある元素である。Wの含有量は0.001〜1.000質量%である。
Mgは、阻害元素であるN及びOを除去する効果があるとともに、阻害元素であるSを硫化物として固定し、熱間加工性や靭性の向上に効果がある元素である。Mgの多量の添加は粒界偏析を招き、脆化の原因となる。Mgの含有量は0.001〜0.500質量%である。
Pは、脱酸剤として作用し、靭性向上の効果を有する元素である。Pの含有量は0.01〜0.50質量%である。Be、Sb、Cd、Asは、基地組織を強化する効果を有する。Be、Sb、Cd、Asの含有量はそれぞれ0.001〜1.000質量%である。
Znは、形状記憶処理温度を上昇させる効果を有する元素である。Znの含有量は0.001〜5.000質量%である。B、Cは、適量であればピン止め効果が得られより結晶粒が粗大化する効果がある元素である。B及び/又はCは、特にTi及び/又はZrとの複合添加が好ましい。B、Cの含有量はそれぞれ0.001〜0.500質量%である。
Agは、冷間加工性を向上させる効果がある元素である。Agの含有量は0.001〜2.000質量%である。ミッシュメタルは、適量であればピン止め効果が得られるので、より結晶粒が粗大化する効果がある元素である。ミッシュメタルの含有量は0.001〜5.000質量%である。なお、ミッシュメタルとは、Pr、LaやCe、Ndなど単体分離の難しい希土類元素の合金のことを指す。
上記した成分以外の残部は、Cu及び不可避的不純物である。ここでいう「不可避不純物」は、製造工程上、不可避的に含まれうる含有レベルの不純物を意味する。不可避不純物としては、例えば、O、N、H、S、P等が挙げられる。不可避不純物の含有量は、例えば不可避不純物成分の合計量で、0.10質量%以下であれば、本発明のCu−Al−Mn系合金材の特性に影響を及ぼすものではない。
本発明に係る成形体10の形状としては、ねじ部を有するものである限りその具体的形状等は特に、限定されるものではなく、各種の形態を取り得る。具体的には、例えば、制振(制震)材や建築材等として用いられる、例えば、一般的なボルト、アンカーボルト、ブレース用のねじ、表面に凹凸を付けることで、コンクリートやモルタルとの付着強度を上げる異形鉄筋などを挙げることができる。さらに、特に耐繰返し変形特性が必要となる宇宙機器、航空機器、自動車部材、電子部品、従来では困難であった分野でも使用が可能となった。振動を吸収する特性を利用して、騒音や振動の公害の防止が可能となる土木建築材としての利用可能な各種接続部材や、ノイズ減衰の効果を目的とした場合では輸送機器分野での各種接続部材、構造体であってもよい。
特に限定されるものではないが、例えば、建築物の制振材として用いられる態様においては、軸径が1.67〜30.93mm、ねじ部がM2〜M32程度のねじを形成してなるものであることが望ましい。
<Cu−Al−Mn系形状記憶合金の成形体の製造方法>
本発明に係るCu−Al−Mn系形状記憶合金の成形体の製造方法としては、基本的にCu−Al−Mn系合金材において、上記のような安定的に良好な超弾性特性を奏して耐繰返し変形特性に優れる超弾性合金材を得るための製造条件に従い、成形体素材の少なくとも一部を、結晶構造がA2型構造である状態で転造により塑性加工して成形した後に、L2型構造に変化させる熱処理を施すことで、超弾性特性を発現させるねじ部を形成する工程を含む。転造加工によるねじ部形成工程後の、熱処理の温度としてはL2型構造に変化させることのできるものであれば特に限定されるわけではないが、80〜300℃の温度で熱処理することが望ましい。
本発明に係る製造方法としては、例えば、下記のような製造工程を挙げることができる。
(ねじ加工前の線棒材の製造方法)
ねじ加工前のCu−Al−Mn系合金の線棒材(成形体素材)の製造工程は、図4に示すように主として溶解・鋳造[工程1]、熱間鍛造・加工[工程2]、中間焼鈍[工程3]、冷間加工[工程4]、記憶熱処理[工程5]からなる。
製造工程全体の中で特に、中間焼鈍[工程3]での熱処理温度[3]を400〜680℃の範囲とし、冷間加工(具体的には冷間圧延若しくは冷間伸線)[工程4−1]での冷間圧延率若しくは冷間伸線の加工率[5]を30%以上の範囲とすることにより、安定的に良好な超弾性特性を奏するCu−Al−Mn系合金材が得られる。これに加えて、記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]において、(α+β)相になる温度域[8]と[14](合金組成により異なるが400〜650℃、好ましくは450℃〜550℃)からβ単相になる温度域[11]と[17](合金組成により異なるが通常700℃以上、好ましくは750℃以上、さらに好ましくは900℃〜950℃)までの加熱[工程5−3]と[工程5−7]での昇温速度[10]と[16]とを、いずれも0.1〜20℃/分という所定の遅い範囲に制御する。これに加えて、β単相になる温度域[11]から(α+β)相になる温度域[14]までの冷却[工程5−5]での降温速度[13]を、0.1〜20℃/分という所定の遅い範囲に制御する。さらに、前記(α+β)相になる温度域[8]からβ単相になる温度域[11]までの加熱[工程5−3]の後で、β単相になる温度域[11]での所定時間[12]の保持[工程5−4]から、その後の、β単相になる温度域[11]から(α+β)相になる温度域[14]まで0.1〜20℃/分の降温速度[13]で冷却[工程5−5]し、該温度域[14]に所定時間[15]保持[工程5−6]を経て、さらに、(α+β)相になる温度域[14]からβ単相になる温度域[17]まで0.1〜20℃/分の昇温速度[16]で加熱[工程5−7]し、さらに該温度域[17]に所定時間[18]保持[工程5−8]するまでの、[工程5−4]から[工程5−8]までを少なくとも1回、好ましくは少なくとも4回繰り返して行う([工程5−9])。この後、最後に急冷[工程5−10]する。
好ましくは、次のような製造工程が挙げられる。
常法によって溶解・鋳造[工程1]と熱間圧延又は熱間鍛造の熱間加工[工程2]を行った後、400〜680℃[3]で1〜120分[4]の中間焼鈍[工程3]と、その後に、加工率30%以上[5]の冷間圧延又は冷間伸線の冷間加工[工程4−1]とを行う。ここで、中間焼鈍[工程3]と冷間加工[工程4−1]とはこの順で1回ずつ行ってもよく、この順で2回以上の繰り返し回数[6]で繰り返して[工程4−2]行ってもよい。その後、記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]を行う。
前記中間焼鈍[工程3]と前記冷間加工[工程4−1]は繰り返し行う[工程4−2]ことで、結晶方位をより好ましく集積させることができる。中間焼鈍[工程3]と冷間加工[工程4−1]の繰り返し数[6]は、1回でも良いが、好ましくは2回以上、さらに好ましくは3回以上である。前記中間焼鈍[工程3]と前記加工[工程4−1]の繰り返し回数[6]が多いほど特性が向上するためである。
前記記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]は、(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[11]までを0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分の昇温速度[10](以下、除昇温という。)で加熱[工程5−3]して、該加熱温度[11]に5分〜480分、好ましくは10〜360分[12]保持[工程5−4]してなり、さらにβ単相になる温度域(例えば、900℃)[11]から(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]までを0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分の降温速度[13]で(以下、除降温という。)冷却[工程5−5]して、該温度[14]に20〜480分、好ましくは30〜360分[15]保持[工程5−6]する。その後、再び(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[17]まで上記徐昇温の昇温速度[16]で加熱[工程5−7]して、該温度[17]に5分〜480分、好ましくは10〜360分[18]保持[工程5−8]する。このような徐降温[13][工程5−5]と徐昇温[16][工程5−7]を繰り返す[工程5−9]ことを少なくとも1回、好ましくは少なくとも4回の繰り返し回数[19]で行う。その後、急冷[工程5−10]、例えば水冷の各工程を有してなる。
α+β単相になる温度域でかつ本発明で定める温度域は400〜650℃、好ましくは450〜550℃とする。
β単相になる到達温度域は700℃以上、好ましくは750℃以上、さらに好ましくは900〜950℃とする。
(ねじ部の製造方法)
このような、組織制御熱処理後の結晶構造がA2型構造である状態の線棒材(成形体素材)に、ねじ部を形成するための塑性加工を行う。
塑性加工は、一般的に転造ねじの製造方法において公知のいずれの手段を用いて良く、例えば、平ダイスを用いた転造や、丸ダイスを用いた転造等によりねじ部を形成することができる。転造処理においては、構造材がダイスによって圧縮応力を加えられるため、ねじ部の強度が向上する。なお、転造処理の際の温度条件等は特に限定されるわけではないが、例えば0〜80℃程度の温度条件下であることが好ましい。
その後、結晶構造をL2型構造とするために、80〜300℃[21]で5〜120分[22]の時効熱処理[工程6]を施す。時効処理温度[21]が低すぎるとβ相は不安定であり、室温に放置しているとマルテンサイト変態温度が変化することがある。逆に時効処理温度[21]がやや高いとベイナイト(金属組織)、高すぎるとα相の析出が起こる。特にα相の析出は形状記憶特性や超弾性を著しく低下させる傾向がある。
(各工程の好ましい条件)
中間焼鈍[工程3]は、400〜680℃[3]で1分〜120分[4]とする。この中間焼鈍温度[3]はより低い温度とすることが好ましく、好ましくは400〜550℃とする。
冷間加工[工程4−1]は加工率30%以上[5]とする。ここで、加工率は次の式で定義される値である。
加工率(%)={(A−A)/A}×100
は冷間加工(冷間圧延若しくは冷間伸線)前の試料の断面積であり、Aは冷間加工後の試料の断面積である。
この中間焼鈍[工程3]と冷間加工[工程4−1]とを2回以上繰り返し行う場合の累積加工率([6])は30%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは45%以上である。累積加工率の上限値には特に制限はないが、通常95%以下である。
前記記憶熱処理[工程5−1]〜[工程5−10]においては、まず[工程5−1]では、前記冷間加工後に室温から昇温速度[7](例えば、30℃/分)で(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]まで昇温する。その後、(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]で2〜120分、好ましくは10〜120分[9]保持[工程5−2]する。その後、(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[8]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[11]まで加熱[工程5−3]する際には、昇温速度[10]を前記徐昇温の0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分とする。その後、この温度域[11]に5〜480分、好ましくは10〜360分[12]保持[工程5−4]する。その後、β単相になる温度域(例えば、900℃)[11]から(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]まで0.1〜20℃/分、好ましくは0.1〜10℃/分、さらに好ましくは0.1〜3.3℃/分の降温速度[13]で冷却[工程5−5]し、この温度域[14]で20〜480分、好ましくは30〜360分[15]保持[工程5−6]する。その後、再び(α+β相)になる温度域(例えば、450℃)[14]からβ単相になる温度域(例えば、900℃)[17]まで前記徐昇温の昇温速度[16]で加熱[工程5−7]し、この温度域[17]に5〜480分、好ましくは10〜360分[18]保持[工程5−8]する。このような[工程5−4]〜[工程5−8](条件[11]〜[18])を繰り返し[工程5−9]少なくとも1回、好ましくは少なくとも4回[19]行う。
急冷[工程5−10]時の冷却速度[20]は、通常30℃/秒以上、好ましくは100℃/秒以上、さらに好ましくは1000℃/秒以上とする。
転造ねじ加工後の時効熱処理[工程6]は、80〜300℃[21]で5〜120分[22]、好ましくは100〜200℃[21]で5〜120分[22]行う。
なお、上述した実施形態は、この発明の具体的態様の理解を容易にするため例示したものであって、この発明は、かかる実施形態だけには限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈される。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例においては、同一形状のねじ部を形成するため、成形体素材を切削あるいは転造で加工して加工可否を確認して、ねじの加工が可能であったものについて、硬度、超弾性残留歪み特性、疲労試験(引張りサイクル繰返し試験)、破断伸びの評価を行い、有意差を明らかにした。
<評価方法>
なお、実施例、比較例において用いた各試験及び評価の方法は以下の通りである。
(1)評価サンプル
評価サンプルは、長さ100mmの棒材の片端部に、長さ25mmのねじ加工を施してねじ部を形成した成形体Aと、長さ200mmの棒材の左右両端部に、それぞれ長さ25mmのねじ加工を施してねじ部を形成した成形体Bの2種類を作製した。
(2)ねじの加工可否(ゲージ評価)
転造及び切削によるねじ加工の可否は、ゲージ評価によって行った。
ねじ加工を行ったあとに、JIS B 0251:2008に規定されているおねじのゲージによる検査方法にて、通り側ねじリングゲージ及び止り側ねじリングゲージで行い、通り側ねじリングゲージがねじ全長にわたり通り、止り側ねじリングゲージが2周以内に止まる状態を同時に満たした場合を、所定のねじ加工が可能であったとして「○」とし、そうでない場合を、所定のねじ加工が困難であったとして「×」として評価とした。
(3)ねじ寸法測定
ねじ寸法の測定は、ねじ部1のねじ最大径Dmaxをフラット式のマイクロメータにて測定し、ねじ部1のねじ最小径Dminを、先端がナイフエッジのマイクロメータにて測定し、棒部2の軸径Dshとの比を算出した。寸法の値は、成形体Aの片端部と、成形体Bの両端部の計3つのねじ部の寸法測定の平均とした。
(4)ビッカース硬度
ねじ部の硬度の測定は、ねじ部を、その軸線方向を含む平面位置にて湿式砥石切断機で切断して半部とし、この半部を、切断面が研磨面となるように樹脂に埋め、金属研磨機で研磨し、仕上げは0.2μmのアルミナ砥粒でバフ仕上げまで行い、押し込み荷重100gf、マイクロビッカース硬度計にて硬度測定した。
硬度測定方法は、JIS Z 2244:2009に準拠して行ない、ダイヤモンド圧子を試験片の表面に押し込みこれを解除した後、表面に残るくぼみの中心値(くぼみ対角線の交点)とねじ表面からの距離が、くぼみ対角線平均値の2.5倍以上になるようにした。
それぞれのねじ部において、ねじ表層部分の測定箇所は、ねじ部の軸線を含む断面にて、ねじの山部Sの頂S、ねじの傾斜部SInの中心点、ねじの谷部Sの谷底Sの3箇所を結んだ表面から0.15mmだけ深さ方向に進んだ位置と、この位置から測定間隔0.16mmでねじの軸線に対して直交する方向に向って深くなる4箇所の位置とを測定、すなわち計15箇所で測定した。
ねじの傾斜部の中心点とは、図2に示す傾斜部SInの表面にある(Dmax+Dmin)/2の位置にある点である。
ねじ部の中央部分の測定箇所は、ねじ部の軸線を含む断面にて、ねじ部の軸線に沿って延在する、軸線を中心とする0.80mm幅の部分に位置する点の硬度を、0.16mmの軸線に沿った間隔で計10点測定した。
ねじ部のねじ表層部分で測定したビッカース硬度のすべての平均値(硬度平均値)をHsとし、ねじ部の中央部分で測定したビッカース硬度のすべての平均値をHoとし、ねじ表層部分でのビッカース硬度の、ねじ部の中央部分でのビッカース硬度に対する比(Hs/Ho比)を求めた。なお、表4〜表7において示す「硬度平均値」は、ねじ表層部分で測定したビッカース硬度のすべての平均値の値である。
(5)超弾性残留歪み特性
超弾性特性の判定は、試験片(成形体B)に、両端M14、長さ50mmの長ナットを嵌めて、長ナットを引張試験機のチャックに挟み、評点間距離40mmの非接触伸び計を用い、歪み速度1%/minで、付与歪み5%まで負荷し、その後除荷して荷重がゼロになる引張試験を行い、荷重がゼロになった時点での残留歪みが0.50%以内である場合を良好であるとして評価した。
(6)耐疲労特性(引張りサイクル試験)
疲労試験は超弾性残留歪み特性を評価した後の試験片(成形体B)に、歪み速度2%/minで、付与歪み5%まで負荷し、その後除荷して荷重がゼロになるまでを1サイクルとした引張サイクル試験を1000サイクル繰り返して行った。破断するまでの繰返し回数が多いほど、繰返し変形に耐えられるため、建物の崩壊や部材の破壊を抑制でき、耐破断特性に優れている。1000サイクルでも、試験片が破断せずに引張サイクル試験を終えたものを良好として評価した。
(7)耐破断特性(破断伸び)
破断伸びは、上記引張サイクル試験を行なった後の試験片(成形体B)に、歪み速度1%/minで、破断まで引っ張った時の伸び計により算出された破断歪みの値を求めた。ねじ部で破断せずに、破断伸び7%以上のものを良好として評価した。
(8)総合評価
総合評価は、ねじ加工が可能であったもののうちで、超弾性残留歪み特性、耐疲労特性及び耐破断特性の3つのうち、全て良好をA、二つ良好をB、良好が1つ以下をCとして行なった。
<合金組成>
また、以下の実施例及び比較例において用いた成形体素材の合金組成は、表1〜表3に示す通りであった。
(実施例1〜7)
Cu−Al−Mn系合金として、Al:8.2質量%、Mn:10.7質量%、残部Cuの成形体素材(表1における合金No.1)を使用した。
この材料を、高周波真空溶解炉にて溶解鋳造し、800℃で熱間鍛造、600℃で熱間圧延、520℃の中間焼鈍、冷間加工率40%の冷間伸線に付し、直径14mm、長さ300mmの棒材を作製した。この棒材を、電気炉内で昇温速度10℃/minで500℃にし、500℃で1時間保持後、昇温速度1.0℃/minで900℃に達した後、900℃で10分保持、その後降温速度1.0℃/minで500℃にし、500℃で1時間保持後、昇温速度1.0℃/minで900℃に達した後、1時間保持後に水中急冷し、長さ300mmの単結晶で、結晶構造がA2型構造の棒材を得た。その後、直径14mmの棒材を旋盤加工とセンターレス研磨によって11.8mmから13.2mmまでの直径の異なる棒材を作製した。丸ダイスを用いた転造処理によって、JIS B 0205「一般用メートルねじ」に規定されるピッチ2mmのM14ねじを形成した。その後、150℃、熱処理時間30分の時効熱処理を行い、L2型構造の超弾性を発現する構造にさせた。このようにして本発明に係るCu−Al−Mn系形状記憶合金からなるねじ付棒材を得た。得られたねじ付棒材について、上述した各評価を行った。得られた結果を表4に示す。
その結果、表4に示すように、実施例1〜7で、ねじ加工が可能であり、特に実施例2〜6は、良好な超弾性特性、耐疲労特性及び耐破断特性を有していた。なお、実施例1は、転造加工前の軸径が細く、転造加工時のねじ成形性が劣り、破断伸びが劣る結果となった。また、実施例7は、転造前の軸径が太く、ねじ成形時に一部材料に割れが見られて、破断伸びが劣る結果となった。
(実施例8〜11)
実施例4と同様の製造方法であるが、ねじ転造後の熱処理温度を60〜400℃、熱処理時間30分の時効熱処理を行った。得られたねじ付棒材について、上述した各評価を行った。得られた結果を表4に示す。
その結果、表4に示すように、実施例8〜11で、ねじ加工が可能であり、特に実施例9、10で、良好な超弾性特性、耐疲労特性及び耐破断特性を有していた。実施例8は、ねじ転造後の熱処理温度が低く、不規則なA2型構造から規則構造L2型構造への変化が乏しく、超弾性の発現が不十分で、超弾性残留歪みが大きかった。実施例11は、ねじ転造後の熱処理温度が高く、ビッカース硬度比(Hs/Ho比)が低く、またベイナイト相が析出されるため、超弾性残留歪みが劣る結果となった。
(実施例12〜40)
実施例4と同様の製造方法であるが、Cu−Al−Mn系合金の成分として、表1〜3に示すように、Al及びMnの配合量、並びに任意添加元素の種類及び配合量を変更したもの(表1〜3における合金No.2〜30)を用いた。得られたねじ付棒材について、上述した各評価を行った。得られた結果を表5及び6に示す。
その結果、表5及び6に示すように、実施例12〜40で、ねじ加工が可能であった。特に実施例13〜40で、良好な超弾性特性、耐疲労特性及び耐破断特性を有していた。また、実施例12は、Al成分が多めであり、耐破断特性が劣る結果となった。
(比較例1〜3)
Cu−Al−Mn系合金として、Al:8.2質量%、Mn:10.7質量%、残部Cuの成形体素材(表1における合金No.1)を使用した。この素材を高周波真空溶解炉にて溶解鋳造し、800℃で熱間鍛造、600℃で熱間圧延、520℃の中間焼鈍、冷間加工率40%の冷間伸線に付し、直径14mm、長さ300mmの棒材を作製した。これを実施例1と同様に、電気炉内で昇温速度10℃/minで500℃にし、500℃で1時間保持後、昇温速度1.0℃/minで900℃に達した後、900℃で10分保持、その後降温速度1.0℃/minで500℃にし、500℃で1時間保持後、昇温速度1.0℃/minで900℃に達した後、1時間保持後に水中急冷し、長さ300mmの単結晶で、結晶構造がA2型構造の棒材を得た。得られた直径14mmの棒材を旋盤加工とセンターレス研磨によって直径12〜13mmになる棒材を作製した。本棒材を、旋盤を使った切削加工によって、JIS B 0205「一般用メートルねじ」に規定されるピッチ2mmのM14ねじの形成を試みた。その後150℃、熱処理時間30分の時効熱処理を行い、L2型構造の超弾性を発現させた。得られたねじ付棒材について、上述した各評価のうち可能なものについては評価を行った。得られた結果を表7に示す。
表7に示す比較例1〜3の結果から、切削加工では、軸径が太いほど耐疲労特性が悪く、十分な特性が得られなかった。
(比較例4〜6)
比較例4〜6においては、Ni-Ti系の形状記憶合金(表3における合金No.31)を用いた。形状記憶合金の中でも、超弾性の組成である56.0質量%Ni−44.0質量%Tiの組成の素材を高周波真空溶解炉にて溶解鋳造し、900℃で熱間鍛造、900℃で熱間圧延、700℃の中間焼鈍、冷間加工率30%の冷間伸線に付し、直径14mm、長さ300mmの棒材を作製し、正直機で直線性の有る棒材を4本作製した。4本のうち3本は、直線形状を維持する治具で拘束し、700℃で60分熱処理後水中焼入れし、棒材を作製した。その後、直径14mmを700℃で熱処理焼入れした棒材を旋盤加工により12〜13mmに加工し、長さ100mmと200mmに切断し、旋盤加工で長さ100mmの棒材の片端を、丸ダイスを用いた転造処理によって、JIS B 0205「一般用メートルねじ」に規定されるピッチ2mmのM14ねじを形成した。残りの200mmの棒材は、丸ダイスを用いた転造処理によって、両端部を長さ25mmのJIS B 0205「一般用メートルねじ」に規定されるピッチ2mmのM14ねじに加工した。その後300℃、熱処理時間30分保持後水冷の時効熱処理によりTiNiを析出させて、超弾性を発現する組織にした。
表7に示す比較例4〜6の結果から、Ni−Ti超弾性材を転造加工が可能になるように予め焼鈍したことにより転造加工は可能であったが、超弾性発現させるための熱処理で形状が回復し、ゲージ評価を満たすような(精度の)十分なねじ形成ができなかった。このように、同一形状のねじ部を形成できず、ねじの加工が可能でなかったので、硬度、超弾性残留歪み特性、疲労試験(引張りサイクル繰返し試験)、破断伸びの評価は行わなかった。
(比較例7)
比較例7は、比較例4と同様であるが、直径14mmを700℃での熱処理焼入れを行わずに、引抜加工により12.5mmに加工した。その後、比較例4の方法によって転造処理、熱処理を行い、再結晶化させ超弾性を発現する組織にした。その結果、比較例7は、Ni−Ti超弾性材の最も一般的な製造法となる、冷間加工組織を入れた状態で熱処理する方法を試みたが、転造加工時に転造ダイスと材料が割れてしまい、転造によるねじ形成ができなかった。このように、同一形状のねじ部を形成できず、ねじの加工が可能でなかったので、硬度、超弾性残留歪み特性、疲労試験(引張りサイクル繰返し試験)、破断伸びの評価は行わなかった。
(比較例8〜10)
比較例8〜10においては、Ni-Ti系の形状記憶合金(表3における合金No.31)を用いた。形状記憶合金の中でも超弾性の組成である56.0質量%Ni−44.0質量%Tiの組成の素材を高周波真空溶解炉にて溶解鋳造し、900℃で熱間鍛造、900℃で熱間圧延、700℃の中間焼鈍、冷間加工率30%の冷間伸線に付し、直径14mm、長さ300mmの棒材を作製し、正直機で直線性の有る、結晶構造がB2構造の棒材を3本作製した。直径14mmの棒材を、旋盤加工で軸径を12〜13mmに加工した後に、旋盤による切削加工によって、両端部を長さ25mmのJIS B 0205「一般用メートルねじ」に規定されるピッチ2mmのM14ねじに加工した。その後500℃、熱処理時間30分保持後水冷の熱処理を行った。得られたねじ付棒材について、上述した各評価のうち可能なものについては評価を行った。得られた結果を表7に示す。
表7に示す結果から、比較例8〜10は、軸径が太いほど耐疲労特性が悪く、十分な特性が得られなかった。
1 ねじ部
2 棒部
10 (Cu−Al−Mn系形状記憶合金)成形体
O ねじ部の軸線
Dsh 軸径
Dmax ねじ最大径
Dmin ねじ最小径

Claims (10)

  1. ねじ部を有する成形体であって、
    前記ねじ部が転造加工部であるCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  2. 前記ねじ部は、該ねじ部の軸線を含む断面で測定したときの、前記ねじ部のねじ表層部分でのビッカース硬度(Hs)の、前記ねじ部の中央部分でのビッカース硬度(Ho)に対するビッカース硬度比(Hs/Ho比)が1.1以上である請求項1に記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  3. 前記成形体が、前記ねじ部の少なくとも一端から延在する棒部をさらに有し、前記ねじ部のねじ最大径(Dmax)は、前記棒部の軸径(Dsh)に対する比(Dmax/Dsh比)が1.17以下である請求項1又は2に記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  4. 前記ねじ部のねじ最小径(Dmin)は、前記棒部の軸径(Dsh)に対する比(Dmin/Dsh)が0.9以上である請求項3に記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  5. 3.0〜10.0質量%のAl、及び5.0〜20.0質量%のMnを含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有し、かつ任意添加元素として、Ni、Co、Fe、Ti、V、Cr、Si、Nb、Mo、W、Sn、Mg、P、Be、Sb、Cd、As、Zr、Zn、B、C、Ag及びミッシュメタルからなる群より選ばれた1種又は2種以上を、合計で0.000〜10.000質量%含有することができる、請求項1〜4のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  6. 結晶構造がL2型構造である請求項1〜5のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  7. 前記成形体は、引張歪み5%の負荷と除荷を繰り返す引張サイクル試験において、1000回サイクルで破断が生じない特性を有する請求項1〜6のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  8. 前記成形体は、破断まで引っ張ったときの引張試験において、破断伸びが7%以上である請求項1〜7のいずれかに記載のCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体。
  9. ねじ部を有するCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体の製造方法であって、
    成形体素材の少なくとも一部を、結晶構造がA2型構造である状態で転造により塑性加工して成形した後に、L2型構造に変化させる熱処理を施すことで、超弾性特性を発現させる前記ねじ部を形成する工程を含むCu−Al−Mn系形状記憶合金成形体の製造方法。
  10. 前記熱処理の温度は、80〜300℃の範囲である請求項9に記載の製造方法。
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