JP2020122190A - 表面処理銅箔、銅張積層板及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
導体損失は、高周波域では表皮効果があり、電流は導体の表面を流れるという特性を有するため、銅箔表面が粗いと複雑な経路を辿って、電流が流れることになる。したがって、高周波信号の導体損失を少なくするためには、銅箔の表面粗さを小さくすることが望ましい。以下、本明細書において、単に「伝送損失」及び「導体損失」と記載した場合は、「高周波信号の伝送損失」及び「高周波信号の導体損失」を主に意味する。
そこで、銅箔と樹脂基材との間を接着剤の使用なしに接着するために、銅箔の少なくとも一方の面に表面処理層を形成することが提案されている。例えば、特許文献1には、銅箔上に粗化粒子から形成される粗化処理層を設けると共に、最表層にシランカップリング処理層を形成する方法が提案されている。
また、シランカップリング処理層は、銅箔と樹脂基材との間の接着性を向上させる効果を有するものの、その種類によっては、接着性の向上効果が十分ではないこともある。
また、本発明の実施形態は、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することを目的とする。
さらに、本発明の実施形態は、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と回路パターンとの間の接着性に優れたプリント配線板を提供することを目的とする。
また、本発明の実施形態は、前記表面処理銅箔と、前記表面処理銅箔の表面処理層に接着された樹脂基材とを備える銅張積層板である。
さらに、本発明の実施形態は、前記銅張積層板の前記表面処理銅箔をエッチングして形成された回路パターンを備えるプリント配線板である。
また、本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と表面処理銅箔との間の接着性に優れた銅張積層板を提供することができる。
さらに、本発明の実施形態によれば、樹脂基材、特に高周波用途に好適な樹脂基材と回路パターンとの間の接着性に優れたプリント配線板を提供することができる。
ここで、二乗平均平方根傾斜RΔqは、粗さ曲線の基準長さにおける局部傾斜dz/dxの二乗平均平方根を表したものであり、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRΔqは、表面処理層の表面の凹凸の傾きを表す指標である。表面処理層のRΔqは、表面処理層(特に、粗化処理層の粗化粒子)のz方向の成長が大きいと増大し、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合に適切なアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRΔqを37〜70°、好ましくは45〜65°に制御する。
ここで、算術平均粗さRaは、粗さ曲線の基準長さにおけるZ(x)の平均を表したものであり、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRaは、表面処理層の表面の平均的な粗さを表す指標である。表面処理層のRaが大きいと、表面処理層の表面が粗くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRaを好ましくは0.25〜0.40μm、より好ましくは0.28〜0.35μmに制御する。
ここで、算術平均高さSaは、二次元のパラメータであるRaを三次元に拡張したパラメータであり、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSaは、Raと同様に、表面処理層の表面の平均的な粗さを表す指標である。表面処理層のSaが大きいと、表面処理層の表面が粗くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSaを好ましくは0.25〜0.40μm、より好ましくは0.30〜0.40μmに制御する。
ここで、最大高さ粗さRzは、基準長さにおける輪郭曲線の山高さの最大値と谷深さの最大値の和を表し、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRzは、表面処理層の表面の突出した凹凸(山部及び谷部)の有無を表す指標である。表面処理層のRzが大きいと、表面処理層の表面に突出した凹凸が存在するため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRzを好ましくは2.3〜5.1μm、より好ましくは2.5〜3.5μmに制御する。
ここで、最大高さSzは、二次元のパラメータであるRzを三次元に拡張したパラメータであり、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSzは、Rzと同様に、表面処理層の表面の突出した凹凸の有無を表す指標である。表面処理層のSzが大きいと、表面処理層の表面に突出した凹凸が存在するため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSzを好ましくは4.4〜7.4μm、より好ましくは5.0〜6.5μmに制御する。
ここで、二乗平均平方根高さSqは、平均面からの距離の標準偏差に相当するパラメータ(高さの標準偏差)を表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSqは、表面処理層の表面における凸部の高さのバラツキを表す指標である。表面処理層のSqが大きいと、表面処理層の表面における凸部の高さのバラツキが大きくなり、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる。ただし、Sqが大きすぎる(凸部の高さのバラツキが大きすぎる)と、工業製品としての品質管理の観点から問題になる場合がある。そのため、アンカー効果の確保と品質管理の観点とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSqを好ましくは0.33〜0.55μm、より好ましくは0.40〜0.55μmに制御する。
ここで、最小自己相関長さSalは、表面の自己相関が相関値s(0≦s<1)に減衰する最も近い横方向の距離を表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSalは、表面処理層の表面において凸部の高さが急激に変化している箇所の有無を表す指標である。表面処理層のSalは、表面処理層の表面が平坦であるほど大きくなり、凸部が多いほど小さくなる。したがって、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSalを好ましくは1.2〜1.7μm、より好ましくは1.3〜1.7μmに制御する。
ここで、突出山部とコア部を分離する負荷面積率SMr1は、突出山部の多さを表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSMr1が大きいと、表面処理層の突出山部が多くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSMr1を好ましくは11.5〜16.0%、より好ましくは12.0〜15.5μmに制御する。
ここで、突出谷部とコア部を分離する負荷面積率SMr2は、突出谷部の多さを表し、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSMr2が大きいと、表面処理層の突出谷部が多くなるため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSMr2を好ましくは86.5〜91.0%、より好ましくは88.0〜91.0μmに制御する。
ここで、突出山部高さSpkは、ISO 25178に準拠して測定される。表面処理層のSpkが大きいと、表面処理層の突出山部の高さが大きいため、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなる一方、表皮効果によって伝送損失が大きくなる。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のSpkを好ましくは0.41〜1.03μm、より好ましくは0.55〜1.00μmに制御する。
ここで、平均長さRSmは、基準長さにおける輪郭曲線要素の長さの平均(すなわち、表面の凹凸形状の平均間隔)を表したものであり、JIS B0601:2013に準拠して測定される。表面処理層のRSmは、表面処理層の凹凸形状の密度(特に、粗化粒子層の粗化粒子の密度)を表す指標である。表面処理層のRSmが小さいほど、表面処理層の凹凸形状の密度が高くなり、表面処理銅箔を樹脂基材に接着した場合にアンカー効果が発揮され易くなることが期待できる。ただし、RSmが小さすぎる(表面処理層の凹凸形状の密度が著しく大きくなる)と、伝送損失が大きくなる可能性が否定できない。そのため、アンカー効果の確保と伝送損失の抑制とのバランスを確保する観点から、表面処理層のRSmを好ましくは3.3〜5.2μm、より好ましくは3.3μm以上5.0μm未満に制御する。
ここで、本明細書において「粗化処理層」とは、粗化粒子を含む層であり、「粗化粒子」とは、球状、楕円状、棒状、樹枝状などの各種形状の粒子である。粗化粒子を形成することを粗化処理といい、これは電気めっき、なかでもいわゆるヤケめっきを施すことで行うのが一般的である。また、粗化処理では、前処理として通常の銅めっきなどが行われたり、仕上げ処理として粗化粒子の脱落を防止するために通常の銅めっきなどが行われたりする場合があるが、本明細書における「粗化処理層」は、これらの前処理及び仕上げ処理によって形成される層を含む。
めっき液組成:11〜30g/LのCu、50〜150g/Lの硫酸
めっき液温度:25〜50℃
電気めっき条件:電流密度38.4〜48.5A/dm2、時間1〜10秒
耐熱処理層及び/又は防錆処理層としては、ニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選択される1種以上の元素(金属、合金、酸化物、窒化物、硫化物などのいずれの形態であってもよい)を含む層であることができる。その中でも耐熱処理層及び/又は防錆処理層はNi−Zn層又はZn層であることが好ましい。特に、Ni含有量がZn含有量に比べて少ないNi−Zn層、又はNiを含まないZn層であれば、耐熱効果及び防錆効果を大きく低減させることなく、導体損失を低減することが可能になるため好ましい。
めっき液組成:1〜30g/LのNi、1〜30g/LのZn
めっき液pH:2〜5
めっき液温度:30〜50℃
電気めっき条件:電流密度1〜10A/dm2、時間0.1〜5秒
めっき液組成:23.5g/LのNi、4.5g/LのZn
めっき液pH:3.6
めっき液温度:40℃
電気めっき条件:電流密度1.1A/dm2、時間0.7秒
ここで、本明細書において「クロメート処理層」とは、無水クロム酸、クロム酸、二クロム酸、クロム酸塩又は二クロム酸塩を含む液で形成された層を意味する。クロメート処理層は、コバルト、鉄、ニッケル、モリブデン、亜鉛、タンタル、銅、アルミニウム、リン、タングステン、錫、砒素、チタンなどの元素(金属、合金、酸化物、窒化物、硫化物などのいずれの形態であってもよい)を含む層であることができる。クロメート処理層の例としては、無水クロム酸又は二クロム酸カリウム水溶液で処理したクロメート処理層、無水クロム酸又は二クロム酸カリウム及び亜鉛を含む処理液で処理したクロメート処理層などが挙げられる。
クロメート液組成:1〜10g/LのK2Cr2O7、0.01〜10g/LのZn
クロメート液pH:2〜5
クロメート液温度:30〜55℃
ここで、本明細書において「シランカップリング処理層」とは、シランカップリング剤で形成された層を意味する。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。シランカップリング剤の例としては、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、メタクリロキシ系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、イミダゾール系シランカップリング剤、トリアジン系シランカップリング剤などが挙げられる。これらの中でも、アミノ系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤が好ましい。上述のシランカップリング剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
代表的なシランカップリング処理層の形成方法としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 KBM603)の1.2体積%水溶液(pH:10)を塗布し、乾燥させることでシランカップリング処理層を形成する方法が挙げられる。
樹脂基材としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。樹脂基材の例としては、紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂、ガラス布基材エポキシ樹脂、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶ポリマー、フッ素樹脂などが挙げられる。
なお、このサブトラクティブ法における各種条件は、特に限定されず、当該技術分野において公知の条件に準じて行うことができる。
厚さ12μmの圧延銅箔(JX金属社製HA−V2箔)を準備し、一方の面を脱脂及び酸洗した後、表面処理層として粗化処理層及びクロメート処理層を順次形成することによって表面処理銅箔を得た。各層を形成するための条件は下記の通りである。
銅箔を巻き付けた円筒状のカソードを中心に配置し、その周りに一定の間隔を置いてアノードを設けて電気めっきを行うことによって粗化処理層を形成した。電気めっき条件は次の通りである。
めっき液組成:11g/LのCu、50g/Lの硫酸
めっき液温度:25℃
電気めっき条件:電流密度48.5A/dm2、時間1秒×2回
以下の浸漬クロメート処理又は電解クロメート処理によってクロメート処理層を形成した。すなわち、後述するピール強度を測定するための試料作製の際は浸漬クロメート処理によってクロメート処理層を形成した。一方、後述する伝送損失を測定するための試料作製の際は、電解クロメート処理によってクロメート処理層を形成した。
(浸漬クロメート処理)
クロメート液組成:3.0g/LのK2Cr2O7、0.33g/LのZn
クロメート液pH:3.65
クロメート液温度:55℃
(電解クロメート処理)
クロメート液組成:3.0g/LのK2Cr2O7、0.33g/LのZn
クロメート液pH:3.65
クロメート液温度:55℃
電気めっき条件:電流密度2.1A/dm2、時間1.4秒
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を15g/LのCu、75g/Lの硫酸に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、電流密度を38.4A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を35℃に、電流密度を38.4A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を35℃にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を50℃に、電流密度を38.4A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、めっき液温度を50℃にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を30g/LのCu、150g/Lの硫酸に、めっき液温度を35℃にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、電流密度を33.3A/dm2に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を20g/LのCu、100g/Lの硫酸に、電流密度を33.3A/dm2にそれぞれ変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
粗化処理層の形成条件において、めっき液組成を40g/LのCu、200g/Lの硫酸に変更したこと以外は実施例1と同様の条件で表面処理銅箔を得た。
<表面処理層のRΔq、Ra、Sa、Rz、Sz、Sq、Sal、SMr1、SMr2、Spk、RSm>
オリンパス株式会社製のレーザー顕微鏡(LEXT OLS4000)を用いて画像撮影を行なった。なお、撮影した画像の解析は、オリンパス株式会社製のレーザー顕微鏡(LEXT OLS 4100)の解析ソフトを用いて行った。RΔq、Ra、Rz及びRSmの測定はJIS B0601:2013に、Sa、Sz、Sq、Sal、SMr1、SMr2及びSpkの測定はISO 25178にそれぞれ準拠して行った。また、これらの測定結果は、任意の3か所で測定した値の平均値を測定結果とした。なお、測定時の温度は23〜25℃とした。また、レーザー顕微鏡及び解析ソフトにおける主要な設定条件は下記の通りである。
対物レンズ:MPLAPON50XLEXT(倍率:50倍、開口数:0.95、液浸タイプ:空気、機械的鏡筒長:∞、カバーガラス厚:0、視野数:FN18)
光学ズーム倍率:1倍
走査モード:XYZ高精度(高さ分解能:10nm、取込みデータの画素数:1024×1024)
取込み画像サイズ[画素数]:横257μm×縦258μm[1024×1024]
(横方向に測定するため、評価長さとしては257μmに相当)
DIC:オフ
マルチレイヤー:オフ
レーザー強度:100
オフセット:0
コンフォーカルレベル:0
ビーム径絞り:オフ
画像平均:1回
ノイズリダクション:オン
輝度むら補正:オン
光学的ノイズフィルタ:オン
カットオフ:無し(λc、λs、λf全て無し)
フィルタ:ガウシアンフィルタ
ノイズ除去:測定前処理
表面(傾き)補正:実施
最少高さの識別値:Rzに対する比の10%
切断レベル差:Rmr1 20%
Rmr2 80%
相対負荷長さ率
RMr:切断レベルC0:最も高い点より下に1μm
切断レベル差:切断レベルC0より下に1μm
90度ピール強度の測定は、JIS C6471:1995に準拠して行った。具体的には、回路(表面処理銅箔)幅を3mmとし、90度の角度で50mm/分の速度で市販の樹脂基材(LCP:液晶ポリマー樹脂(ヒドロキシ安息香酸(エステル)とヒドロキシナフトエ酸(エステル)との共重合体)フィルム(株式会社クラレ製Vecstar(登録商標)CTZ;厚み50μm))と表面処理銅箔との間を引き剥がしたときの強度を測定した。測定は2回行い、その平均値をピール強度の結果とした。ピール強度は、0.5kgf/cm以上であれば、回路と樹脂基材との接着性が良好であるといえる。
なお、回路幅の調整は、塩化銅エッチング液を用いる通常のサブトラクティブエッチング方法によって行った。
表面処理銅箔を樹脂基材(LCP:液晶ポリマー樹脂(ヒドロキシ安息香酸(エステル)とヒドロキシナフトエ酸(エステル)との共重合体)フィルム(株式会社クラレ製Vecstar(登録商標)CTZ;厚み50μm))と貼り合わせた後、エッチングによって特性インピーダンスが50Ωとなるようマイクロストリップ線路を形成し、アジレント・テクノロジー株式会社製(現キーサイト・テクノロジー株式会社)のネットワークアナライザーN5247Aを用いて透過係数を測定し、周波数30GHzでの伝送損失を求めた。伝送損失は、−6.0dB/10cm以内であれば良好であるといえる。
一方、表面処理層のRΔqが37°未満である比較例1〜3の表面処理銅箔は、伝送損失は少なかったが、ピール強度が低かった。
なお、上述した実施例において、Zn−Ni層などの耐熱処理層及び/又は防錆処理層を設けると、耐熱性及び又は錆に対する耐性が向上することを期待できる。この場合、耐熱処理層及び/又は防錆処理層は平滑めっきにより形成することが好ましい。また、シランカップリング処理層を設けると、樹脂基材との接合強度が向上することを期待できる。
Claims (16)
- 銅箔と、前記銅箔の少なくとも一方の面に形成された表面処理層とを有し、
前記表面処理層の二乗平均平方根傾斜RΔqが37〜70°である表面処理銅箔。 - 前記表面処理層の算術平均粗さRaが0.25〜0.40μmである、請求項1に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の算術平均高さSaが0.25〜0.40μmである、請求項1又は2に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の最大高さ粗さRzが2.3〜5.1μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の最大高さSzが4.4〜7.4μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の二乗平均平方根高さSqが0.33〜0.55μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の最小自己相関長さSalが1.2〜1.7μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の突出山部とコア部を分離する負荷面積率SMr1が11.5〜16.0%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の突出谷部とコア部を分離する負荷面積率SMr2が86.5〜91.0%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の突出山部高さSpkが0.41〜1.03μmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層の平均長さRSmが3.3〜5.2μmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記表面処理層が、粗化処理層、耐熱処理層、防錆処理層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記銅箔上に粗化処理層を有し、前記粗化処理層上にNi−Zn層を有し、前記Ni−Zn層上にクロメート処理層を有し、前記クロメート処理層上にシランカップリング処理層を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 前記銅箔が圧延銅箔である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の表面処理銅箔と、前記表面処理銅箔の表面処理層に接着された樹脂基材とを備える銅張積層板。
- 請求項15に記載の銅張積層板の前記表面処理銅箔をエッチングして形成された回路パターンを備えるプリント配線板。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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