JP2020122093A - 分散液、インクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

分散液、インクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、優れた粘性を示し、布帛への定着画像の摩擦堅牢性及びフィルムへの耐擦過性に優れるインク組成物の得られる分散液、これを用いたインクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法に関する。【解決手段】アニオン基又はカチオン基を導入した変性ポリビニルアルコールと2個以上のハロゲン原子を有するトリアジン化合物とにより合成される樹脂と、非水溶性色材と、水と、を含有する分散液、当該分散液を含む、インクジェット記録用インク組成物、及び当該インク組成物を、記録ヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む、インクジェット記録方法。【選択図】なし

Description

本発明は、分散液、インクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法はインク組成物の液滴をノズルから飛翔させ、紙等の被記録媒体に付着させて印刷を行う記録方法である。このインクジェット記録方法は、高解像度且つ高品位な画像を高速で印刷できるという特徴を有しており、様々な技術分野で用いられるようになってきている。そして、近年、布への捺染印刷や、ポリプロピレン等のフィルムへの印刷の要望が高まっている。
例えば、特許文献1には、塩化シアヌルを、約3当量の第2の化合物または第2の化合物の混合物と反応させ、全反応性塩素を置換して置換トリアジンを形成させるステップ;および
前記置換トリアジンを顔料の表面と反応させ、表面改質顔料を形成させるステップを含む、顔料の改質方法が記載されている。
特開2015−145497号公報
布帛、フィルム等の被記録媒体へのインクジェット記録方法において、定着画像の堅牢性を確保するために、インク組成物中にポリウレタン等の定着樹脂を混合して、熱溶融又は造膜により定着樹脂中に色材を分散させて強度を持たせる手法が用いられる。
一方で定着樹脂とは別に、色材分散剤が色材を分散するのに用いられる。当該色材分散剤は、定着樹脂と色材の間に入ることで画像の定着を阻害しやすい。これに対して、定着樹脂を多く用いると、インク組成物の粘度が上昇しやすく、記録ヘッドの目詰まりの原因となりやすい。
また、定着樹脂に樹脂エマルションを使用すると、樹脂粒子が布帛の繊維にとどまらないので多く用いる必要があったり、インク組成物中で沈降が生じやすくなる。さらに、各種の被記録媒体との密着性を向上させる手法としては、被記録媒体と画像を密着させるアンカー剤を塗布する手法がとられる。しかしながら、被記録媒体の材料コストアップ、塗布装置等の装置の大型化など招いてしまう。
特許文献1のインク組成物は、塩化シアヌルを置換した置換トリアジンと顔料とを反応させた自己分散型顔料は、塩化シアヌルを全置換しているため、セルロースの水酸基やフィルム表面の水酸基と反応する部位がなくなり摩擦堅牢性が高まらない。
本発明者らは、アニオン基又はカチオン基を導入した変性ポリビニルアルコールと、2個以上のハロゲン原子を有するトリアジン化合物と、により合成される樹脂を用いることで、優れた粘性を示す分散液が得られ、さらには、布帛への定着画像の摩擦堅牢性及びフィルムへの定着画像の摩耐擦過性に優れるインク組成物が得られうることを見出した。
すなわち、本発明に係る分散液は、アニオン基又はカチオン基を導入した変性ポリビニルアルコールと2個以上のハロゲン原子を有するトリアジン化合物とにより合成される樹脂と、非水溶性色材と、水と、を含有する。
当該樹脂は、好ましくは、前記トリアジン化合物由来の残存ハロゲン原子を有し、好ましくは前記変性ポリビニルアルコールと、前記トリアジン化合物とを50℃以上70℃未満の温度で反応させて合成される。
当該トリアジン化合物は、好ましくは、3個のハロゲン原子を有するトリアジン化合物である。
当該分散液は、好ましくは、活性水素基を含むポリウレタン系樹脂をさらに含有する。
本発明に係るインクジェット記録用インク組成物は、好ましくは当該分散液を含む。
本発明に係るインクジェット記録方法は、当該インク組成物を、記録ヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む。
当該被記録媒体は、好ましくは、表面にヒドロキシ基を有する。
当該インクジェット記録方法は、好ましくは、当該インク付着工程と同時又はその後に、前記ヒドロキシ基と前記樹脂中の前記ハロゲン原子との反応温度以上に、前記被記録媒体を加熱する加熱工程を含む。
当該加熱工程における加熱温度は、好ましくは、60℃以上である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
分散液
本実施形態の分散液は、アニオン基又はカチオン基を導入した変性ポリビニルアルコール(以下、単に「変性ポリビニルアルコール」ともいう)と、2個以上のハロゲン原子を有するトリアジン化合物(以下、単に「トリアジン化合物」ともいう)と、により合成される樹脂(以下、単に「樹脂(A)」ともいう)と、非水溶性色材と、水と、を含有する。
上述の分散液によれば、優れた粘性を示し、布帛への定着画像の摩擦堅牢性及びフィルムへの定着画像の摩耐擦過性に優れるインク組成物が得られる。
樹脂(A)
樹脂(A)は、好ましくはトリアジン化合物由来の残存ハロゲン原子を有する。残存ハロゲン原子を有することで、印刷後に、被記録媒体表面のヒドロキシ基とさらに反応し、摩擦堅牢性及び耐擦過性に優れるインク組成物が得られる。
変性ポリビニルアルコールは、アニオン基又はカチオン基を有することで、非水溶性色材の水中での高い分散性が得られ、分散液又はインク組成物の粘度を低くすることができる。
「アニオン基」とは、インク組成物中で、遊離し、変性ポリビニルアルコールの分子鎖にアニオンが導入される基を意味する。
「カチオン基」とは、インク組成物中で、遊離し、変性ポリビニルアルコールの分子鎖にアニオンが導入される基を意味する。
アニオン基としては、特に限定されないが、例えば、スルホ基、カルボキシル基又はこれらの塩が挙げられる。
カチオン基としては、特に限定されないが、例えば、4級アンモニウム基、アミノ基又はその塩が挙げられる。
変性ポリビニルアルコールのけん化度は、好ましくは30mol%以上100mol%以下であり、より好ましくは50mol%以上100mol%以下であり、さらに好ましくは70mol%以上100mol%以下である。当該けん化度を有することで、後述するトリアジン化合物との反応し、摩擦堅牢性及び耐擦過性に優れるインク組成物が得られる。
「けん化度」とは、変性ポリビニルアルコール中に含まれるモノマー単位のうち、ヒドロキシ基が導入されたモノマー単位の割合(mol%)を意味する。
変性ポリビニルアルコールの粘度は、好ましくは0.5mPa・s以上100mPa・s以下であり、より好ましくは1.0mPa・s以上50mPa・s以下であり、さらに好ましくは1.5mPa・s以上10mPa・s以下である。当該粘度を示す重合度の変性ポリビニルアルコールを用いることで、優れた摩擦堅牢性及び耐擦過性を示しながら、低い粘度を示す分散液が得られる。
当該粘度は、変性ポリビニルアルコールの4質量%の水溶液において、20℃で測定した粘度とする。
変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、スルホン酸変性ポリビニルアルコール(市販品としては、例えば、ゴーセネックス(登録商標)シリーズのL−3266、CKS−50(以上製品名、日本合成化学工業株式会社製))、4級アンモニウム変性ポリビニルアルコール(市販品としては、例えば、ゴーセネックス(登録商標)シリーズのK−434(以上製品名、日本合成化学工業株式会社製))が挙げられる。
これらの中でも、アニオン基を導入した変性ポリビニルアルコールが好ましく、スルホン酸変性ポリビニルアルコールがより好ましい。
トリアジン化合物は、2個以上のハロゲン原子を有する。2個以上のハロゲン原子を有することで、トリアジン化合物は、変性ポリビニルアルコールと反応後、さらに、他のヒドロキシ基の反応することができ、優れた摩擦堅牢性及び耐擦過性を示す。
トリアジン化合物は、好ましくは2個又は3個のハロゲン原子を有し、より優れた粘性及び耐擦過性を得る観点から、より好ましくは3個のハロゲン原子を有する。
トリアジン化合物としては、特に限定されないが、例えば、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(別名:塩化シアヌル)、2,4−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2−(3−カルボキシアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジンが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−1,3,5−トリアジンが好ましく、より優れた粘性及び耐擦過性を得る観点から、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンが好ましい。
樹脂(A)において、トリアジン化合物のハロゲン原子と変性ポリビニルアルコールのヒドロキシ基との当量比は、ハロゲン原子/ヒドロキシ基として、好ましくは120/100〜300/100であり、より好ましくは130/100〜250/100であり、さらに好ましくは140/100〜220/100である。
樹脂(A)において、トリアジン化合物の一分子中のハロゲン原子数をa、トリアジン化合物のモル量をx(mol)、変性ポリビニルアルコールのヒドロキシ基(OH基)のモル量をy(mol)とした場合、以下の式(1a)を満たすことが好ましく、以下の式(1b)を満たすことがより好ましく、以下の式(1c)を満たすことがさらに好ましい。
0.5≦(x×a−y)/x≦2.0 (1a)
0.7≦(x×a−y)/x≦1.8 (1b)
0.8≦(x×a−y)/x≦1.6 (1c)
上記の式を満たすことで、樹脂(A)中に、ハロゲン原子が残りやすくなり、印刷後の摩擦堅牢性及び耐擦過性を向上させることができる。
樹脂(A)は、変性ポリビニルアルコールと、トリアジン化合物と、により合成される。
樹脂(A)は、特に限定されないが、好ましくは、変性ポリビニルアルコールと、トリアジン化合物とを50℃以上70℃未満の温度で反応させて合成される。
反応は、例えば、水媒体中で、変性ポリビニルアルコールと、トリアジン化合物とを混合し、懸濁させて反応させてもよい。
反応温度は、好ましくは50℃以上70℃未満であり、より好ましくは55℃以上65℃以下である。
反応における当量比(X基/OH基)は、上述の範囲が好ましい。また、当該反応において、上述の式(1a)、式(1b)、又は式(1c)を満たすことがより好ましい。
本実施形態の分散液において、樹脂(A)の含有量は、分散液全量(100質量%)に対して、好ましくは0.5質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上30質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以上20質量%以下である。
本実施形態の分散液において、非水溶性色材と樹脂(A)との質量比は、非水溶性色材/樹脂(A)として、好ましくは40/60〜90/10であり、より好ましくは50/50〜80/20であり、さらに好ましくは55/45〜75/25である。
非水溶性色材
本実施形態の非水溶性色材としては、特に限定されないが、顔料又は油溶性染料が挙げられる。
油溶性染料としては、特に限定されないが、例えば、分散染料、建染染料、又は有機溶剤溶解性染料等を用いることができる。
本実施形態の顔料としては、特に限定されないが、より具体的には、以下のものが挙げられる。
ブラックインクに使用されるカーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarc 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
ホワイトインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:2、48:5、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、及びC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、及びC.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、上記以外の顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、及びC.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
顔料の平均粒子径は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは50nm以上300nm以下であり、より好ましくは55nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは60nm以上150nm以下であり、よりさらに好ましくは65nm以上100nmである。なお、本明細書における平均粒子径は、特に明示がない限り体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定できる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装株式会社(Nikkiso Co., Ltd.)製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
本実施形態の分散液において、非水溶性色材の含有量は、分散液全量100質量%に対して、好ましくは1.0質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以上15質量%以下である。

本実施形態のインク組成物は、水を含有する。水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水が挙げられる。
本実施形態の分散液において、水の含有量は、分散液全量100質量%に対して、好ましくは60質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上95質量%以下であり、さらに好ましくは75質量%以上90質量%以下である。
ポリウレタン系樹脂
本実施形態の分散液は、摩擦堅牢性及び耐擦過性をより向上させる観点から、活性水素基を含むポリウレタン系樹脂(以下、単に「ポリウレタン系樹脂」ともいう)をさらに含有する。ポリウレタン系樹脂に含まれる活性水素基が、樹脂(A)に含まれるハロゲン原子と反応し、架橋構造を形成するため、摩擦堅牢性及び耐擦過性がより向上すると考えられるが、要因はこれに限定されない
活性水素基としては、特に限定されないが、ヒドロキシ基、アミノ基が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシ基が好ましい。
ポリウレタン系樹脂としては、ウレタン結合以外に、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂が挙げられる。これらのウレタン樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ポリウレタン系樹脂は、好ましくは樹脂粒子として添加される。樹脂粒子(以下、「樹脂分散体」、「樹脂エマルジョン」ともいう。)は、樹脂を含む粒子である。本実施形態の樹脂粒子は、水に安定に分散させるために必要な親水成分が導入された自己分散型の樹脂粒子(自己分散型樹脂粒子)であってもよいし、外部乳化剤の使用により水分散性となる樹脂粒子であってもよい。
樹脂粒子の平均粒子径は、本発明の作用効果をより有効にかつ確実に奏する観点から、好ましくは50nm以上300nm以下であり、より好ましくは55nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは60nm以上150nm以下であり、よりさらに好ましくは65nm以上100nm以下である。樹脂粒子の平均粒子径は、例えば、顔料の平均粒子径の測定方法として例示した測定方法で測定できる。
ポリウレタン系樹脂の市販品としては、UW−1501F、UW−5002(以上製品名、宇部興産株式会社製)、タケラック(登録商標)シリーズのW−6061、W−6110、WS−6021(以上製品名、三井化学株式会社製)、ユーコート(登録商標)シリーズのUX−485、UX−150、UX−390、UX−200(以上製品名、三洋化成工業株式会社製)が挙げられる。
本実施形態の分散液において、ポリウレタン系樹脂を含有する場合、ポリウレタン系樹脂の含有量は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、分散液全量100質量%に対して、好ましくは1.0質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以上10質量%以下である。
本実施形態の分散液において、ポリウレタン系樹脂を含有する場合、樹脂(A)とポリウレタン系樹脂の質量比(樹脂(A)/ポリウレタン系樹脂)は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは30/70〜80/20であり、より好ましくは40/60〜70/30であり、さらに好ましくは45/65〜65/35である。
本実施形態の分散液は、分散液中に存在する酸又は生成する酸を中和する目的で、脱酸剤を含有してもよい。脱酸剤としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
本実施形態の分散液において、脱酸剤の含有量は、分散液全量100質量%に対して、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上8.0質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下である。
インク組成物
本実施形態のインクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう)は、上述の本実施形態の分散液を含む。
本実施形態のインク組成物において、樹脂(A)の含有量は、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以上10質量%以下である。
本実施形態のインク組成物において、非水溶性色材の含有量は、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以上10質量%以下である。
非水溶性色材と樹脂(A)の質量比は上述の分散液における範囲が好ましい。
本実施形態のインク組成物において、ポリウレタン系樹脂を含有する場合、ポリウレタン系樹脂の含有量は、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以上10質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
水溶性有機溶剤
本実施形態のインク組成物は、粘度調整及び保湿効果の観点から、水溶性有機溶剤をさらに含有していてもよい。
水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、低級アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール、及び1,2−ヘキサンジオール)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びトリプロピレングリコール)、グリセリン、アセチン類(例えば、モノアセチン、ジアセチン、及びトリアセチン)、グリコール類の誘導体(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、及びテトラエチレングリコールジエチルエーテル)、1−メチル−2−ピロリドン、β−チオジグリコール、及びスルホランが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは1.0質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
界面活性剤
本実施形態のインク組成物は、インクジェット記録方式でインク組成物を安定に吐出させることができ、かつ、インク組成物の浸透を適切に制御できる観点から、好ましくは界面活性剤をさらに含有する。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物)、フッ素系界面活性剤(例えば、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、及びパーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物)、及びシリコーン系界面活性剤(例えば、ポリシロキサン系化合物、及びポリエーテル変性オルガノシロキサン)が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、インク組成物全量100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上3.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以上1.0質量%以下である。
本実施形態のインク組成物は、その他の添加剤として、柔軟剤、ワックス、溶解助剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防カビ・防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム)等の、種々の添加剤を適宜含有してもよい。
インク組成物の物性
本実施形態のインク組成物の粘度は、25℃でずり速度10(1/s)において、好ましくは0.03Pa・s未満であり、より好ましくは0.01Pa・s未満であり、さらに好ましくは0.005Pa・s未満である。分散液の粘度は、特に限定されないが、例えば、25℃でずり速度10(1/s)において、0.00001Pa・s以上である。
本実施形態のインク組成物の粘度は、25℃でずり速度1000(1/s)において、好ましくは0.03Pa・s未満であり、より好ましくは0.01Pa・s未満であり、さらに好ましくは0.005Pa・s未満である。分散液の粘度は、特に限定されないが、例えば、25℃でずり速度1000(1/s)において、0.00001Pa・s以上である。
上記の粘度は、25℃でE型粘度計(例えば、東機産業株式会社製TVE−22)により測定した値である。
インクジェット記録方法
本実施形態のインクジェット記録方法は、上述の本実施形態のインク組成物を、記録ヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む。
上述のインクジェット記録方法は、インク組成物を、インクジェット装置に装填して使用する記録方法である。当該インクジェット装置としては、特に限定されないが、例えばドロップオンデマンド型のインクジェット装置が挙げられる。このドロップオンデマンド型のインクジェット装置には、ヘッドに配設された圧電素子を用いたインクジェット捺染方法を採用した装置、及びヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いたインクジェット記録方法を採用した装置などがあり、いずれのインクジェット記録方法を採用したものでもよい。以下、インクジェット記録方法が有する各工程について詳細に説明する。
インク付着工程
本実施形態のインク付着工程は、例えば、被記録媒体の面(画像形成領域)に向けて、インク組成物をインクジェット方式により吐出し、被記録媒体に付着させて、画像を形成する。なお、吐出条件は、吐出されるインク組成物の物性によって適宜決定すればよい。
被記録媒体
被記録媒体は、摩擦堅牢性及び耐擦過性を向上させる観点から、表面にヒドロキシ基を有することが好ましい。被記録媒体のヒドロキシ基と、インク組成物に含まれる樹脂(A)の残存ハロゲン原子が反応し、被記録媒体への定着が強固になり、摩擦堅牢性及び耐擦過性を向上させることができるものと考えられる。ただし、この要因には限定されない。
被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、布帛、紙、プラスチック、紙基材にプラスチック類をコーティングした被記録媒体が挙げられる。
布帛としては、特に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の天然繊維及び合成繊維が挙げられる。布帛としては、1種の繊維からなるものであっても、2種以上の繊維を混紡したものであってもよい。
紙としては、特に限定されないが、例えば、普通紙、インクジェット用紙、アート紙、コート紙、キャスト紙が挙げられる。インクジェット用紙は、シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、又は、ポリビニルアルコール等のヒドロキシ基を有する親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えていてもよい。
プラスチックとしては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン等のプラスチック類のフィルム又はプレートが挙げられる。
紙製の基材にコーティングするプラスチック類としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタンが挙げられる。
これらの被記録媒体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
プラスチック、又は、紙基材にプラスチック類をコーティングした被記録媒体を用いる場合、表面にヒドロキシ基を導入する処理を施した被記録媒体を用いることが好ましい。
ヒドロキシ基を導入する処理としては、特に限定されないが、例えば、コロナ処理、ヒドロキシ基を有する材料によりインク受容層を設ける処理が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する材料としては、特に限定されないが、ポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、及びゼラチンが挙げられる。これらの材料は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
加熱工程
本実施形態のインクジェット記録方法は、好ましくは、インク付着工程と同時又はその後に、ヒドロキシ基と樹脂(A)中のハロゲン原子との反応温度以上に、被記録媒体を加熱する加熱工程をさらに含む。
加熱工程を有することにより、被記録媒体の表面のヒドロキシ基と、樹脂(A)中の残存ハロゲン原子が反応し、被記録媒体に非水溶性色材をより良好に固着できる。加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、HT法(高温スチーミング法)、HP法(高圧スチーミング法)、サーモゾル法が挙げられる。
また、加熱工程においては、被記録媒体上のインク組成物付着面を加圧処理しても、加圧処理しなくてもよい。被記録媒体上のインク組成物付着面を加圧処理しない加熱方法としては、オーブン乾燥(コンベアオーブン、バッチオーブン等のプレスをしない方法)が挙げられる。このような加熱工程を有することにより、記録物生産性がより向上する。また、被記録媒体上のインク組成物付着面の加圧処理もする加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、ヒートプレス、ウェットオンドライが挙げられる。なお、「加圧」とは、被記録媒体に対して、固体を接触させることにより圧をかけることをいう。
加熱処理時の温度は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは60℃以上180℃以下であり、さらに好ましくは60℃以上175℃以下であり、よりさらに好ましくは60℃以上170℃以下である。
被記録媒体として布帛を用いる場合、加熱処理時の温度は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは100℃以上180℃以下であり、より好ましくは130℃以上175℃以下であり、さらに好ましくは150℃以上170℃以下である。
プラスチック、又は、紙基材にプラスチック類をコーティングした被記録媒体を用いる場合、加熱処理時の温度は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に奏する観点から、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは60℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは60℃以上140℃以下であり、よりさらに好ましくは60℃以上130℃以下である。
洗浄工程
被記録媒体が布帛である場合、本実施形態のインクジェット記録方法は、加熱工程後に、インク組成物が付着した被記録媒体を洗浄する洗浄工程をさらに含んでいてもよい。洗浄工程により、繊維に染着していない非水溶性着色剤を効果的に除去することができる。洗浄工程は、例えば水を用いて行うことができ、必要に応じてソーピング処理を行ってもよい。ソーピング処理方法としては、特に限定されないが、例えば、即ち未固着の顔料を熱石鹸液などで洗い落とす方法が挙げられる。
このようにして、布帛を含む被記録媒体上に、上記のインク組成物に由来する画像が形成された、捺染物等の記録物を得ることができる。
本実施形態によれば、優れた粘性を示し、布帛への定着画像の摩擦堅牢性及びフィルムへの耐擦過性に優れるインク組成物の得られる分散液、これを用いたインクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
樹脂の合成
合成例1:樹脂1の合成
300mL三口フラスコにスルホン酸変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセネックス(登録商標)L−3266,日本合成化学工業株式会社製、けん化度85mol%)4.7質量部(ヒドロキシ基のモル量:0.079mol部(トリアジン化合物に対して、1.5倍のモル量))と、水85質量部とを入れて0℃に冷却した。ここにトリアジン化合物として、塩化シアヌル(東京化成工業株式会社製)10質量部(0.054mol部)を徐々に加え30分撹拌させ懸濁液を得た。その後、60℃に昇温して2時間反応させた。反応終了後、樹脂1の水溶液を100質量部得た。
合成例2:樹脂2の合成
300mL三口フラスコにスルホン酸変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセネックス(登録商標)CKS−50,日本合成化学工業株式会社製、けん化度99mol%)4.7質量部(ヒドロキシ基のモル量:0.11mol部(トリアジン化合物に対して、2倍のモル量))と、水85質量部とを入れて0℃に冷却した。ここにトリアジン化合物として、塩化シアヌル(東京化成工業株式会社製)10質量部(0.054mol部)を徐々に加え30分撹拌させ懸濁液を得た。その後、60℃に昇温して2時間反応させた。反応終了後、樹脂2の水溶液を100質量部得た。
合成例3:樹脂3の合成
300mL三口フラスコにスルホン酸変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセネックス(登録商標)L−3266,日本合成化学工業株式会社製、けん化度85mol%)2.4質量部(ヒドロキシ基のモル量:0.041mol部(トリアジン化合物に対して、0.76倍のモル量))と、水85質量部を入れて0℃に冷却した。ここにトリアジン化合物として、2,4‐ジクロロ−1,3,5−トリアジン(東京化成工業株式会社製)8.1質量部(0.054mol部)を徐々に加え30分撹拌させ懸濁液を得た。その後、60℃に昇温して2時間反応させた。反応終了後、樹脂3の水溶液を100質量部得た。
合成例4:樹脂4の合成
300mL三口フラスコにカチオン(4級アンモニウム塩)変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックス(登録商標)K−434,日本合成化学工業株式会社製、けん化度85mol%)4.7質量部(ヒドロキシ基のモル量:0.079mol部(トリアジン化合物に対して、1.5倍のモル量))と、水85質量部とを入れて0℃に冷却した。ここにトリアジン化合物として、塩化シアヌル(東京化成工業株式会社製)10質量部(0.054mol部)を徐々に加え30分撹拌させ懸濁液を得た。その後、60℃に昇温して2時間反応させた。反応終了後、樹脂4の水溶液を100質量部得た。
合成例51:樹脂51の合成
300mL三口フラスコにスルホン酸変性ポリビニルアルコール(製品名:ゴーセネックス(登録商標)L−3266,日本合成化学工業株式会社製、けん化度85mol%)2.4質量部(ヒドロキシ基のモル量:0.041mol部(トリアジン化合物に対して、0.76倍のモル量))と、水85質量部とを入れて0℃に冷却した。ここにモノクロロトリアジン10質量部(0.054mol部)を徐々に加え30分撹拌させ懸濁液を得た。その後、60℃に昇温して2時間反応させた。反応終了後、樹脂51の水溶液を100質量部得た。
分散液の製造
実施例A1:分散液1の製造
ジルコニアビーズ80質量部と、樹脂1の水溶液13質量部と、非水溶性色材としてC.I.ピグメントブルー15:3(以下、「PB15:3」ともいう)4質量部と、脱酸剤としてトリエタノールアミン1質量部と、純水17質量部と、を加えてビーズミルにて1時間粉砕し、分散液1とした。
実施例A2:分散液2の製造
ジルコニアビーズ80質量部と、樹脂2の水溶液13質量部と、非水溶性色材としてPB15:3を4質量部と、脱酸剤としてトリエタノールアミン1質量部と、純水17質量部とを加えてビーズミルにて1時間粉砕し、分散液2とした。
実施例A3:分散液3の製造
ジルコニアビーズ80質量部と、樹脂3の水溶液15質量部と、非水溶性色材としてC.I.ピグメントレッド122(以下、「PR122」ともいう)を4質量部と、脱酸剤としてトリエタノールアミン1質量部と、純水17質量部とを加えてビーズミルにて1時間粉砕し、分散液3とした。
実施例A4:分散液4の製造
ジルコニアビーズ80質量部と、樹脂1の水溶液10質量部と、ポリウレタン系樹脂(製品名:ユーコート(登録商標)UX−485、固形分濃度:40質量%、三洋化成工業株式会社製(以下、単に「UX−485」ともいう))3質量部と、非水溶性色材としてPB15:3を4質量部と、脱酸剤としてトリエタノールアミン1質量部と、純水17質量部とを加えてビーズミルにて1時間粉砕し、分散液4とした。
実施例A5:分散液5の製造
ジルコニアビーズ80質量部、樹脂4の水溶液10質量部と、ポリウレタン系樹脂(製品名:ユーコート(登録商標)UX−485、固形分濃度:40質量%、三洋化成工業株式会社製)を3質量部、非水溶性色材としてカーボンブラック(以下、「CB」ともいう)4質量部と、脱酸剤としてトリエタノールアミン1質量部と、純水17質量部とを加えてビーズミルにて1時間粉砕し、分散液5とした。
実施例A6:分散液6の製造
実施例A1の樹脂1の水溶液の代わりに樹脂2の水溶液を用い、非水溶性色材として、PB15:3の代わりにC.I.ピグメントイエロー180(以下、「PY180」ともいう)を用い、ポリウレタン系樹脂(製品名:ユーコート(登録商標)UX−485、三洋化成工業株式会社製)の代わりにポリウレタン系樹脂(製品名:ユリアーノ(登録商標)W600、荒川化学工業株式会社製)(以下、単に「W600」ともいう)を用いた以外は分散液1と同様な方法で分散液6を得た。
比較例A1:分散液51の製造
樹脂1の水溶液の代わりに、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」ともいう)を用い、1官能である、モノクロロトリアジンを用いた以外は実施例A1と同様の方法で分散液51を得た。
比較例A2:分散液52の製造
樹脂1の水溶液の代わりに、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」ともいう)を用いた以外は、実施例A1と同様の方法で分散液52を得た。
比較例A3:分散液53の製造
樹脂1の水溶液の代わりに、樹脂51の水溶液を用いた以外は、実施例A1と同様の方法で分散液53を得た。
Figure 2020122093
インク組成物の製造
実施例B1〜B6、比較例B1〜B3
表2に示した成分を混合し、インク組成物を得た。
得られたインク組成物について、以下のインクジェット記録方法を実施し、評価を行った。
評価方法
インクジェット記録方法の条件
上記で得られた各インク組成物をそれぞれインクカートリッジに充填し、ピエゾ素子のエネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(製品名:PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)に搭載した。実施例及び比較例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が28ng±10%であるインク滴を1滴付与する条件で記録したベタ画像の記録デューティを100%と定義する。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:55%とした。
粘性
得られたインク組成物について、25℃でE型粘度計(製品名:TVE−22、東機産業株式会社製)により測定し、粘度の大きさにより分散性を下記基準に従い評価した。なお、測定時のずり速度を1(1/s)及び1000(1/s)とした。
(評価基準)
A:ずり速度10(1/s)、1000(1/s)のときの粘性がともに0.005Pa・s未満
B:ずり速度10(1/s)、1000(1/s)のときの粘性がともに0.005Pa・s以上0.01Pa・s未満
C:ずり速度10(1/s)、1000(1/s)のときの粘性がともに0.01 Pa・s以上0.02Pa・s未満
D:ずり速度10(1/s)、1000(1/s)のときの少なくもいずれかが0.02Pa・s以上0.03Pa・s未満
E:ずり速度10(1/s)、1000(1/s)のときの少なくもいずれかが0.03Pa・s以上
摩擦堅牢性(布)
布帛に対して、インクジェット記録装置(製品名:PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)の改造機(布帛への記録が可能なように布帛固定手段を有する。)を用いたインクジェット記録方法により、各インク組成物を付着させた。記録条件としては、15mg/inch2の付着量でベタ画像を記録した。このようにして布帛へインクジェット記録を行った。ここで、「ベタ画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像を意味する。
その後、ヒートプレス機を用いて160℃で1分間加熱処理を行い、当該インク組成物を布帛に定着させた。このようにして、布帛に画像が形成された(インクが捺染された)捺染物を製造した。
各捺染物について、学振型摩擦堅牢度試験機(製品名:AB−301、テスター産業株式会社製)を使用し、200gの加重、10cm/sの速度条件下で、100回の往復を実施し、その後、JIS染色堅牢度試験用白布(JIS L 0803:2011準拠3−1号)を使用して移染濃度光学濃度値(以下「移染濃度OD値」ともいう)を測定し、以下の評価基準により摩擦堅牢性を評価した。移染濃度OD値が低いほど、摩擦堅牢性に優れることを意味する。結果を表2に示す。
評価基準
A:移染濃度OD値が0.15以下である。
B:移染濃度OD値が0.15超0.20以下である。
C:移染濃度OD値が0.20超0.25以下である。
D:移染濃度OD値が0.25超0.30以下である。
E:移染濃度OD値が0.3超である。
耐擦過性試験(フィルム)
上記のインクジェット記録装置を用いて、コロナ処理された二軸延伸ポリプロピレンフィルム(製品名:OPP無地ロール25μm厚、東洋紡株式会社製)に、記録デューティが100%である、1.0インチ×0.5インチのベタパターン画像を記録した記録物を得た。プラテン温度を60℃で1440dpi×1440dpiのドット密度で印刷した。記録の1日後にそれぞれ、記録物のベタ画像の上に金巾綿を押し当てて評価した。評価は、JIS L0849:2013に基づいて学振式耐擦過性評価装置(製品名:AB−301、テスター産業株式会社製)を用いて200g荷重100往復の条件で行った。その後、金巾綿の汚れ、非記録部の汚れ及び印刷部分の剥がれ具合を目視で確認して、表に示す評価基準にしたがって耐擦過性の評価を行った。結果を表2に示す。
評価基準
A:金巾綿の汚れが及び非記録部の汚れもほとんどなく、印刷部分の剥がれ具合がほとんどなかった。
B:金巾綿の汚れ及び非記録部の汚れがあるが少なく、印刷部分の剥がれ具合がほとんどなかった。
C:金巾綿の汚れ及び非記録部の汚れがあり、印刷部分の剥がれ具合が多少あった。
D:金巾綿の汚れ及び非記録部の汚れがかなりあり、印刷部分の剥がれ具合が多かった。
Figure 2020122093
BYK−348:シリコーン系界面活性剤(製品名:BYK−348、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
CMC:カルボキシメチルセルロース
以上の評価結果より、実施例の分散液及びインク組成物は、比較例の分散液及びインク組成物と比較して、分散性、布帛に対する摩擦堅牢制、耐擦過性にすぐれることがわかる。

Claims (10)

  1. アニオン基又はカチオン基を導入した変性ポリビニルアルコールと、2個以上のハロゲン原子を有するトリアジン化合物と、により合成される樹脂と、
    非水溶性色材と、
    水と、
    を含有する分散液。
  2. 前記樹脂が、前記トリアジン化合物由来の残存ハロゲン原子を有する、請求項1に記載の分散液。
  3. 前記トリアジン化合物が、3個のハロゲン原子を有するトリアジン化合物である、請求項1又は2に記載の分散液。
  4. 活性水素基を含むポリウレタン系樹脂をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載に記載の分散液。
  5. 前記樹脂が、前記変性ポリビニルアルコールと、前記トリアジン化合物とを50℃以上70℃未満の温度で反応させて合成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分散液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散液を含む、インクジェット記録用インク組成物。
  7. 請求項6に記載のインク組成物を、記録ヘッドから吐出して被記録媒体へ付着させるインク付着工程を含む、インクジェット記録方法。
  8. 前記被記録媒体が、表面にヒドロキシ基を有する、請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記インク付着工程と同時又はその後に、前記ヒドロキシ基と前記樹脂中の前記ハロゲン原子との反応温度以上に、前記被記録媒体を加熱する加熱工程を含む、請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記加熱工程における加熱温度が、60℃以上である、請求項9に記載のインクジェット記録方法。
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