JP2020121506A - 積層体および液体用紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリア性を有する紙容器用の積層体であって、容器成形後もバリア層にクラックが生じてバリア性が低下することなく優れたバリア性を維持可能な積層体を提供する。また、これを用いた液体用紙容器を提供する。【解決手段】熱融着性を有する表面層、紙からなる基材層、バリア性を有する接着層、バリア性を有する中間層、シーラント層が順次積層されてなる積層体であって、前記接着層は、無機充填剤を含むことを特徴とする積層体。また、これを用いてなる液体用容器。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体および液体用紙容器に関するものである。
食品や非食品の液体の内容物に使用される液体用紙容器は、果汁飲料、ジュース、お茶、コーヒー、乳飲料、スープ等の液体飲料、日本酒、焼酎等の酒類に広く用いられている。この液体用紙容器は、紙層の内面に熱可塑性樹脂によるシーラント層が設けられた積層体からなり、紙層とシーラント層の間にアルミ箔やアルミ蒸着フィルム、あるいは、無機酸化物蒸着フィルムなどのバリア性のある中間層を設けたものなどがある(例えば、特許文献1)。
上記積層体の中間層としてアルミ箔を用いた場合、優れたバリア性を有する一方で、リサイクルには不向きであり、また内容物、紙容器などに混入、付着した異物(金属)を金属探知機で感知できない問題がある。また、中間層として二軸延伸樹脂フィルムの表面に金属または無機酸化物からなるバリア層が設けられたバリアフィルムを用いた場合、アルミ箔の欠点を解決する一方で、この積層体を用いて液体用紙容器を成形するための罫線加工、折り曲げ加工、組み立て加工により、バリア層にクラックが入ることでバリア性が低下するという問題がある。
この問題に対し、特許文献2では積層体のバリア層として2種類以上の無機酸化物からなる薄膜を設ける方法を提案している。
しかし、特許文献2の方法においても屈曲、延伸などの外部応力に対して耐性の低い蒸着膜でバリア性を担保することには変わらないため、バリア層のクラックによるバリア性低下を解決するには至っていない。
特開2003−335362号公報 特開2007−176539号公報
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、容器成形後もバリア層にクラックが生じてバリア性が低下することなく優れたバリア性を維持可能な積層体、及びこれを用いた液体用紙容器を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、
本発明の請求項1の発明は、
熱融着性を有する表面層、紙からなる基材層、バリア性を有する接着層、バリア性を有する中間層、シーラント層が順次積層されてなる積層体であって、
前記接着層は、無機充填剤を含むことを特徴とする積層体である。
請求項2の発明は、
前記中間層は、二軸延伸樹脂フィルムの表面に、金属または無機酸化物からなるバリア層が設けられたバリアフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層体である。
請求項3の発明は、
前記接着層は、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤を添加したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
請求項4の発明は、
前記接着層は、前記基材層側に位置する無機充填剤を含む層と、前記中間層側に位置する無機充填剤を含まない層とを少なくとも含む2層以上からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積層体である。
請求項5の発明は、
前記接着層は、無機充填剤を含む層の両面に無機充填剤を含まない層が積層された3層構成からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積層体である。
請求項6の発明は、
前記接着層のうち、少なくとも中間層側に近接する無機充填剤を含まない層が、酸変性ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の積層体である。
請求項7の発明は、
前記酸変性ポリエチレンが、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の積層体である。
請求項8の発明は、
前記無機充填剤を含む層における無機充填剤の含有率は、10重量%以上40重量%以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の積層体である。
請求項9の発明は、
前記無機充填剤が、無機層状鉱物であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の積層体である。
請求項10の発明は、
前記無機層状鉱物は、平均粒径が0.1〜10μmであり、厚みが10〜500nmであることを特徴とする請求項9に記載の積層体である。
請求項11の発明は、
前記無機層状鉱物は合成雲母を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の積層体である。
請求項12の発明は、
前記接着層は、温度40℃、相対湿度90%rhにおける水蒸気透過量が10g/m・day以下であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の積層体である。
請求項13の発明は、
請求項1から12のいずれかに記載の積層体からなる液体用紙容器である。
本発明の積層体によれば、基材層と中間層を貼り合わせる接着層がバリア性を有し、かつ無機充填剤を含むことにより、容器成形時における中間層のバリア性低下を十分に補い、優れたバリア性を有する液体用紙容器を提供することが可能になる。
中間層としては、ポリエチレンテレフタレートやナイロン等の二軸延伸フィルムの表面に金属または無機酸化物からなるバリア層が設けられたバリアフィルムを用いることにより、優れたバリア性を発揮することができる。
接着層のベースとなる樹脂をポリオレフィン樹脂とすることで、バリア性を得るのに必要な厚みの接着層を一般的なエクストルーダーを用いて簡便かつ高速に得ることができる。
接着層を2層以上の多層構造とし、少なくとも二軸延伸フィルムからなる中間層と接する側の接着層は無機充填剤を添加しない層にすることで、高い接着力とバリア性の両方を確保することができる。
また、接着層としてエチレンメタクリル酸共重合樹脂等の酸変性ポリエチレンを用いることにより、特に高強度の接着力を得ることができる。
前記無機充填剤を含む層における無機充填剤の含有率は10重量%以上、40重量%以下とすることが好ましい。これにより高いバリア性と成形性を両立することができる。
無機充填剤として無機層状鉱物を用いることにより、折り曲げ部においても高いバリア性を得ることができる。
また、無機層状鉱物としてアスペクト比の高い平均粒径が0.1〜10μmで、厚みが10〜100nmである合成雲母を含むことにより、特に高いバリア性を得ることができる。
また、接着層に10g/m・day以下のバリア性を持たせることにより、容器成形による中間層のバリア性低下を十分に補うことが可能である。
本発明に係る積層体の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る接着層の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る接着層の構成のさらに別の一例を示す断面図である。 本発明に係る液体用紙容器の表面の状態の一例を示すブランクの説明図である。 本発明に係る液体用紙容器(口栓付)の一例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る積層体の実施形態の一例を示す断面図である。
積層体1は、一例を示すと、表面から順に表面層2/基材層3/バリア性を有する接着層4/バリア性を有する中間層5/シーラント層6の層構成を成している。中間層5のみならず接着層4がバリア性を有することにより、液体用紙容器成形後も高いバリア性を維持することが可能である。
図2は、前記バリア性を有する接着層4の実施形態の一例を示す断面図である。接着層4は図1のような無機充填剤を含む単層でも良いし、あるいは図2に示すように、接着層4aが無機充填剤を含む層7と無機充填剤を含まない層8とからなる2層構造でもよい。
なお図1の層構成においては、接着層4aは接着層4に相当するものであり、無機充填剤を含む層7が基材層3側に近接して位置し、無機充填剤を含まない層8が中間層5側に近接して位置することが好ましい。中間層5と接する側の接着層は無機充填剤を含まない
方が接着力が高くなり、基材層3と接する側の接着層は無機充填剤を含む方がバリア性が得られるためである。
さらには、別の一例を示す図3のように、接着層4bが、無機充填剤を含む層7の両面を無機充填剤を含まない層8、9が挟んで積層されている多層構造でも良い。
なお図1の層構成において、接着層4bは接着層4に相当するものである。
図4は、本発明に係る液体用紙容器の表面の状態の一例を示すブランクの説明図である。
このブランク20は前述の積層体を用いて形成されている。なお積層体の材料については後述する。
ブランク20は、背シールパネル110、左側パネル120、表パネル130、右側パネル140、裏パネル150が折り曲げ線160を介して連設されている。表パネル130、裏パネル150のそれぞれの上部にトップシール部Aを形成するトップシール板Eが設けられ、左側パネル120、右側パネル140の上部にはそれぞれ折り込み板があり、その折り込み板の上部にそれぞれトップシール板Eが設けられている。また背シールパネル110、左側パネル120、表パネル130、右側パネル140、裏パネル150の下部には、それぞれ成形されて密封する底部Dが形成されている。また表パネルの頂部Bには、口栓を取り付けるための口栓開口部30が形成されている。
図5は、液体用紙容器(口栓付)の一例を示す説明図である。図4のブランク20を成形し、ゲーブルトップ型の液体用紙容器にしたものである。
ブランク20の背シールパネル110の外面と裏パネル150の内面とを熱融着してスリーブ(図には示していない)を作成し、このスリーブを液体用充填機に装着し、底部Dを成形して熱融着して封止し、液体内容物を充填して頂部Bを折り曲げ、トップシール部Aを熱融着して、液体用紙容器50を作成する。
この液体用容器50は、トップシール部A、頂部B、側壁部C、底部Dから成っている。頂部Bが切妻屋根形状で、側壁部Cが四角柱状である。また頂部Bの傾斜板には、プラスチック製の口栓40を突設し、その上部にはキャップ41が装着されている。この液体用紙容器50は、内容物の漏れ、破袋が起きないよう強固にシールされている。
本発明を更に詳しく説明するため、以下に積層体の構成について述べる。
図1に示す積層体1において、熱融着性を有する表面層2は、低密度ポリエチレン樹脂や、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく使用することができる。
この熱可塑性樹脂を用いて、基材層3の外面に押出しラミネーションにより表面層2を設けることができる。なお、表面層2の外面に設けられる印刷層(図示しない)は、公知の印刷用インキを用いてグラビア印刷やオフセット印刷等の方法で施される、絵柄や商品情報などを含む層である。なお、表面層2にはコロナ処理などの易接着処理を行って、印刷層との接着性を高めることが好ましい。また、印刷層上には耐摩耗性向上の為にオーバーコート層を設けてもよい。
基材層3としては、通常、ミルクカートン原紙等の紙が用いられる。坪量と密度は容器の容量やデザインにより適宜選定されるが、通常は坪量200〜500g/mの範囲で密度0.6〜1.1g/cmの紙が好適に用いられる。
バリア性を有する接着層4のベース樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状ポリエチレ
ン(LLDPE)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー(IO)、ポリプロピレン(PP)などを使用できる。
このうちエチレン−メタクリル酸共重合体およびエチレン−アクリル酸共重合体は酸変性ポリエチレン樹脂であり、接着層4がこれらを含む場合は接着力が高くなるため好ましく、特にエチレン−メタクリル酸共重合体が好ましい。
これらの樹脂をエクストルーダーより押出し、サンドポリ加工によって基材層3と中間層5とを接着層4を介して貼り合わせることができる。
接着層4の厚みとしては、10〜60μmが好ましい。
バリア性を有する中間層5として、ポリエチレンテレフタレートやナイロン等のプラスチックフィルムを用いる場合は、高い接着力を得るために前述のEMAAやEAAを用いるのが良い。また、一般にEMAAやEAAはLDPEやPPと比較して高価なため、図2や図3に示すように、バリア性を有する接着層4は多層構造とし、無機充填剤を含む層のベース樹脂はLDPEやLLDPEを用い、無機充填剤を含まない層はEMAAやEAAを用いることが好ましい。
このようにバリア性を持たせる層と接着性を持たせる層を分割することによって、それぞれの機能性を高めるだけでなくコストを抑えることが可能となる。この場合の無機充填剤を含まない層の厚みとしては5〜10μmとするのが良い。
バリア性を有する接着層4の水蒸気透過量は、温度40℃相対湿度90%rhにおいて10g/m・day以下にすることで、容器成形時に中間層5で生じるクラックによるバリア性低下の影響を特に軽減することが可能である。
このバリア性を発現するための無機充填剤としては、セラミックス系や金属化合物系などの公知の無機充填剤を用いてもよいが、無機層状鉱物を用いることが好ましい。
無機層状鉱物とは、極薄の単位結晶層が重なって1つの層状粒子を形成している無機化合物を指す。無機層状鉱物の代表的なものとしては、フィロケイ酸塩鉱物等の含水ケイ酸塩が挙げられ、例えば、ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等のカオリナイト族粘土鉱物;アンチゴライト、クリソタイル等のアンチゴライト族粘土鉱物;モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイト族粘土鉱物;バーミキュライト等のバーミキュライト族粘土鉱物;白雲母、金雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等の雲母またはマイカ族粘土鉱物:等が挙げられる。これらの無機層状鉱物は、1種単独で、または2種以上が組み合わせられて用いられる。
これらの無機層状鉱物の中でも、モンモリロナイト等のスメクタイト族粘土鉱物、水膨潤性雲母等のマイカ族粘土鉱物が好ましい。
無機層状鉱物の粒子の平均粒径は、10μm以下であることが好ましい。平均粒径が前記上限値以下であれば、接着層4中で無機層状鉱物が均一に整列しやすくなり、バリア性、膜凝集強度が高いものとなる。なお、無機層状鉱物の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計により測定される。
無機層状鉱物の厚みは、500nm以下であることが好ましい。厚みが前記上限値以下であれば、接着層4中で無機層状鉱物が均一に整列しやすくなり、バリア性、膜凝集強度が高いものとなる。なお、無機層状鉱物の厚みは、原子間力顕微鏡(AFM)により測定される。
したがって、無機層状鉱物は、平均粒径が10μm以下で、厚みが500nm以下であることが特に好ましい。
また、無機層状鉱物は、少なくとも合成雲母を含むことが好ましく、平均粒径が0.1〜10μmで、厚みが10〜100nmである合成雲母を含むことが特に好ましい。
合成雲母は天然系の雲母に比べて不純物が少ない。そのため、無機層状鉱物として合成雲母を用いると、不純物に由来するバリア性の低下や膜凝集力の低下を招きにくい。
加えて、合成雲母は他の無機層状鉱物に比べて、高いアスペクト比(平均粒径/厚み)を有することから、無機充填剤を含む層の厚みに対して無機層状鉱物の隙間を通るガスの通過経路が長くなり、ガスと無機層状鉱物との接触面積が大きくなることによってガスバリア性を高めることを示す、いわゆる迷路効果がより効果的に働き、接着層4のバリア性が特に高く発現するのに寄与する。
バリア性を有する中間層4は、二軸延伸樹脂フィルムの表面に、金属または無機酸化物からなるバリア性蒸着層(図示しない)を積層させて設けられたバリアフィルムを用いることができる。
二軸延伸樹脂フィルムとしては、厚さ10〜20μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルムあるいはポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。
無機酸化物の蒸着層としては、例えばSiO 、SiOなど珪素酸化物、Alなどアルミニウム酸化物等が好ましく、その積層方法としては、物理蒸着法や化学蒸着法により、透明でガスバリア性に優れたバリアフィルムとすることができる。
また、二軸延伸樹脂フィルムと蒸着層の密着性を高めるため、この間にアンカーコート層を設けても良い。アンカーコート層としては、例えばアクリルポリオール、イソシアネート化合物、および一般式:R’SI(OR)(式中、R’はアルキル基、ビニル基、グリシオキシプロピル基の一種、Rはアルキル基)で表される3官能オルガノシランあるいはオルガノシランの加水分解物を含む組成物、または前記組成物に一般式:M(OR)n(式中Mは金属元素、RはCH、C等のアルキル基、nは金属元素の酸化数)で表せる金属アルコキシド、あるいは金属アルコキシドの加水分解物を含む組成物を用いることができる。
また、蒸着層のクラックを抑制するため、蒸着層の上に被覆層(図示しない)を設けても良い。被覆層として、例えば水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物、塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合液を主剤とするコーティング剤からなるものを用いることができる。
なお、中間層5における蒸着層は、接着層4側とシーラント層6側のどちら側に設けても良い。
シーラント層6には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが使用できる。また、一部ポリブテンを含む層があってもよい。特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく用いることができる。
また、シール部の開封を容易にさせる目的で、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂と熱可塑性エラストマーとのブレンド樹脂としてもよい。内容物の低吸着や、接着剤成分の低溶出を目的として環状オレフィン樹脂を使用してもよい。
シーラント層6と中間層5の貼り合わせ方法は特に限定しないが、例えばエクストルーダーにより押出されたシーラント層樹脂を直接、またはアンカーコート剤を介して、中間層5上に形成しても良い。あるいは予めTダイ法またはインフレーション法により形成したシーラントフィルムを、ウレタン系二液硬化型接着剤を用いてドライラミネート法によ
り中間層5と貼り合わせても良い。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
バリア性を有する中間層5として、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に酸化アルミニウムを蒸着したバリアフィルムを用意した。次に、エクストルーダーを用いてLLDPE60μmを押出し、ウレタン系二液硬化型接着剤をアンカーコート剤として用いてバリアフィルムの蒸着面に貼り合わせて、シーラント層6を設けた。
接着層4としては、中間層5側から順に、EMAA10μm/無機層状鉱物を分散させたLDPE30μm/LDPE10μmの3層構成とした。無機層状鉱物としては、平均粒径2μmの合成雲母を用い、予めLDPEに重量比40%で分散させたマスターバッチを用意した。
この接着層4の樹脂フィルムを3種3層押出しが可能なエクストルーダーを用いて押出し、中間層5の非蒸着面と基材層3として用いる紙(坪量400g/m)をラミネートした。
次に、基材層3の紙のもう一方の面に、表面層2としてエクストルーダーを用いてLDPE18μmを押出し、液体用紙容器用の積層体1を得た。
次に該積層体1を用いて、2000ml用液体用紙容器を形成するために、打ち抜き加工、罫線加工によって図4に示すようなブランク20を作製し、次に背シールパネルの外側と裏パネルの内側を熱シールしてスリーブを組み立て、その後、底部の成形、口栓の装着、トップシール板のシールを行い、口栓にキャップを取り付け、液体用紙容器50を得た。
<実施例2>
3層構成の接着層4の中央に位置するLDPEに添加する無機層状鉱物の重量比を10%にした以外は実施例1と同様にして液体用紙容器を得た。
<実施例3>
接着層4として、EMAA(厚さ50μm)に重量比40%で無機層状鉱物を分散させた単層を用いた以外は実施例1と同様にして液体用紙容器を得た。
<比較例1>
接着層4として、層状鉱物を添加しないEMAA(厚さ50μm)を用いた以外は実施例1と同様にして液体用紙容器を得た。
<比較例2>
中間層として蒸着層を設けない厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして液体用紙容器を得た。
作製した液体用紙容器および使用した材料について、以下の方法により評価した。
<接着層4の水蒸気バリア性>
水蒸気透過度測定装置(商品名:PERMATRAN−W−3/33、MOCON社製)を用いて、温度40℃相対湿度90%rhの雰囲気下、水蒸気透過度を測定した。
<ラミネート強度>
引張試験機により中間層5と接着層4を300mm/分の速度で剥離し、その際の強度
をラミネート強度として測定した。
<水分蒸散>
作製した容器にエタノール20重量%、水80重量%の混合溶液を2000ml入れ、キャップにより封止した。次にこの容器を温度40℃相対湿度20%rhの雰囲気下で3ヶ月間保存しながら重量変化を測定した。その重量変化の傾きから1年間における重量変化を算出した。
重量変化0.5%(10g/年)未満を合格(○)とし、0.5%以上を不合格(×)とした。
表1に実施例、比較例の評価結果を示す。
表1から、接着層が3層で無機層状鉱物が40重量%の層を有する実施例1、無機層状鉱物が10重量%である実施例2、及び接着層が単層で無機層状鉱物が40重量%である実施例3は、いずれも水蒸気バリア性に優れ、かつ1年間の水分蒸散による重量変化が小さかった。この結果、接着層に無機層状鉱物を分散させてバリア性を向上させることにより、容器成形によってバリア性が低下するようなことがなく、水分蒸散を大幅に軽減できることが分かった。
またいずれもラミネート強度は良好であり、接着層の接着性も問題なかった。
一方、接着層に無機充填剤を含まない比較例1は、水蒸気バリア性が劣り、水分蒸散による重量変化が大きかった。また、中間層でバリア性蒸着層を含まない比較例2は、水蒸気バリア性は問題なかったが、水分蒸散による重量変化が大きく、液体用紙容器としてのバリア性が大きく劣る結果であった。
以上から、接着層を多層構造にしてバリア性を担保する層と接着力を担保する層に分けることにより、ラミネート強度とバリア性の両方で高い効果を発揮することが分かった。
1 積層体
2 表面層
3 基材層
4、4a、4b (ガスバリア性を有する)接着層
5 (ガスバリア性を有する)中間層
6 シーラント層
7 無機充填剤を含む層
8、9 無機充填剤を含まない層
20 ブランク
40 口栓
41 キャップ
50 液体用容器
110 背シールパネル
120 左側パネル
130 表パネル
140 右側パネル
150 裏パネル
160 折り曲げ線
A トップシール部
B 頂部
C 側壁部
D 底部
E トップシール板

Claims (13)

  1. 熱融着性を有する表面層、紙からなる基材層、バリア性を有する接着層、バリア性を有する中間層、シーラント層が順次積層されてなる積層体であって、
    前記接着層は、無機充填剤を含むことを特徴とする積層体。
  2. 前記中間層は、二軸延伸樹脂フィルムの表面に、金属または無機酸化物からなるバリア層が設けられたバリアフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記接着層は、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤を添加したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記接着層は、前記基材層側に位置する無機充填剤を含む層と、前記中間層側に位置する無機充填剤を含まない層とを少なくとも含む2層以上からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記接着層は、無機充填剤を含む層の両面に無機充填剤を含まない層が積層された3層構成からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記接着層のうち、少なくとも中間層側に位置する無機充填剤を含まない層が、酸変性ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の積層体。
  7. 前記酸変性ポリエチレンが、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
  8. 前記無機充填剤を含む層における無機充填剤の含有率は、10重量%以上40重量%以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の積層体。
  9. 前記無機充填剤が、無機層状鉱物であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の積層体。
  10. 前記無機層状鉱物は、平均粒径が0.1〜10μmであり、厚みが10〜500nmであることを特徴とする請求項9に記載の積層体。
  11. 前記無機層状鉱物は、合成雲母を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の積層体。
  12. 前記接着層は、温度40℃、相対湿度90%rhにおける水蒸気透過量が10g/m・day以下であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の積層体。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の積層体からなる液体用紙容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022190999A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15 凸版印刷株式会社 ガスバリア性積層体およびそれを備える包装材

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