JP2020121321A - ブラインドナット締結装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のPOP電動コード付きツールの場合は、装着動作と締結動作を1回のトリガ操作で行うため、ブラインドナット装着と締結を個別に動作させることは出来ず装着完了と同時に締結を開始してしまうため、ブラインドナットを事前にワークに挿入するか、ブラインドナットを手で回してツールに装着することが必要となる。
また、特許文献2は、マンドレルを押し付けることでブラインドナット装着は可能であるが、装着用にもう1つのモータを必要としている。
また、市場のコードレスツールは、締結管理について、締結ストローク管理又は締結荷重管理のどちらかしか使用できない。特許文献3は、締結力とストロークとともに計測等は出来るが、締結制御は荷重のみで行っている。
また、これらの既存のツールは、ツールの前進端や後退端の位置を確認するため位置確認センサを必要としており、センサが故障した際には、ツールを破損させる恐れがある。
ブラインドナットを被取付部材に締結するための締結装置であって、
電動モータの回転を伝達するように構成され、第1の伝達系統及び第2の伝達系統を有する動力伝達部と、
前記電動モータの前方に配置され、前記動力伝達部の前記第1の伝達系統により動力を伝えられ回転するジョイントシャフトと、
前記電動モータの前方に配置され、前記動力伝達部の前記第2の伝達系統により動力を伝えられ回転するスピンドルと、
マンドレルの軸部を把持しており、前記ジョイントシャフトの回転に伴い前記マンドレルを回転させるスピンシャフトと、
前記ジョイントシャフトの回転力を前記スピンシャフトに伝達する回転用クラッチと、
前記スピンドルの回転に伴い前記マンドレルをストロークさせるストローク機構と前記スピンドルとの間に配置され、前記スピンドルの回転を前記ストローク機構に伝達するストローク用クラッチと、
を備え、
前記回転用クラッチは、
後端側から順にリアクラッチナットとフロントクラッチナットとを備え、
前記リアクラッチナットは、前記フロントクラッチナットと係合すると前記ジョイントシャフトの回転力を前記フロントクラッチナットに伝達するが、所定の回転負荷により前記フロントクラッチナットから離脱するようになっており、
前記フロントクラッチナットは、円筒形状を有し、前記スピンシャフトを軸心部分に配置できるようになっており、前記スピンシャフトの係合部と係合すると前記スピンシャフトに回転力を伝達するが、前記スピンシャフトの先端方向への所定のストロークにより離脱するようになっており、
前記ストローク用クラッチは、後端側から順にスピンドルクラッチとナットクラッチとを備え、前記スピンドルクラッチは、前記ナットクラッチと係合すると前記スピンドルの回転力を前記ストローク機構に伝達するが、前記マンドレルの後端方向への所定のストロークに伴い前記ナットクラッチから離脱するようになっている、
締結装置である。
前記スピンドルクラッチ及び前記ナットクラッチの回転に伴い回転する円筒状のボールスクリューナットと、
前記ボールスクリューナットの中心部に設けられ、前記ボールスクリューナットの回転に伴い軸方向に移動することにより、前記マンドレルをストロークさせるボールスクリューシャフトと
を備える。
前記スピンプルヘッドケースは、後端方向に所定距離移動すると、前記スピンシャフトの先端側に配置されたスピンプルヘッドと嵌合して、前記スピンプルヘッドと共に前記マンドレルを引き込むように移動させる。
前記マンドレルを軸方向に押圧することにより前記電動モータを始動させるスイッチを更に備え、
前記ブラインドナットを前記マンドレルの先端に配置した状態で前記マンドレルの先端部が後端方向に押圧されると、前記電動モータの前記スイッチが閉状態になり、前記電動モータからの回転力により、前記回転用クラッチと係合する前記スピンシャフトを介して前記マンドレルを回転させ、前記ブラインドナットが前記マンドレルに装着される際に前記マンドレル及び前記スピンシャフトが先端方向にストロークしたことにより、前記スピンシャフトが前記回転用クラッチから離脱すると共に、前記スイッチが開状態になり、
前記スピンシャフトが前記回転用クラッチから離脱した状態で、ユーザの操作によりトリガを介して前記電動モータが始動すると、前記スピンドルが回転すると共に、前記ストローク機構を介して前記マンドレルを後端方向にストロークさせることにより、前記ブラインドナットを前記被取付部材に締結する。
円筒部と、前記円筒部の一端部のフランジ部とを有し、前記フランジ部の前面に複数の第1扇型部分が形成され、前記第1扇型部分は、円周方向の一方の端部が前記フランジ部の端面に垂直な第1垂直面であり、他方の端部が前記フランジ部の端面に対して傾斜した第1傾斜面であり、前記ジョイントシャフトと一体に回転するように構成されており、
前記フロントクラッチナットは、
第1前記扇型部分と相補的な形状の複数の第2扇型部分を有し、前記第2扇型部分は、円周方向の一方の端部が前記フロントクラッチナットの端面に垂直な第2垂直面であり、他方の端部が前記フロントクラッチナットの端面に対して傾斜した第2傾斜面であり、
前記フロントクラッチナットの前記第2扇型部分の前記第2垂直面は、前記リアクラッチナットの前記第1扇型部分の前記第1垂直面と係合することができ、
前記フロントラッチナットの前記第2扇型部分の前記第2傾斜面は、前記リアクラッチナットの前記第1扇型部分の前記第1傾斜面と係合することができ、
前記フロントクラッチナットは、前記リアクラッチナッと一体に回転するように構成される。
前記フロントクラッチナットの前記円筒形状の内側形状は、前記係合部と相補的な形状を有している。
図1から3の後端位置に示されるモータ部9について説明する。一実施形態では、電動モータはブラシレスモータ12である。ブラシレスモータ12は、回転子は磁石であり、巻線回路は固定子側にある。ブラシレスモータ12に組み込まれたホール素子13A(磁気センサー)で回転子の回転角度を検出する。ブラシレスモータ12用の電子回路は、回転子の磁極に合わせたタイミングでスイッチングをしている。ブラシレスモータ12の回転子の回転数を検出することにより、スピンシャフト50等の引き込みの軸方向の位置を求めることが出来る。
回転子の回転検出にホール素子以外の公知の素子を使用することもできる。また、遊星ギヤを設けて、ブラシレスモータ12の回転数を下げてから、動力伝達部に伝達するようにしてもよい。
動力伝達部11は、ブラシレスモータ12の回転をジョイントシャフト23に伝える第1の伝達系統と、ブラシレスモータ12の回転をスピンドル14に伝える第2の伝達系統との2つの系統を有する。ジョイントシャフト23の回転動作はスピンシャフト50を回転させる機能に寄与するものであり、スピンドル14の回転動作は、スピンシャフト50をストロークさせる機能に寄与するものである。
マンドレル75の前方より、ブラインドナット70を押し当てると、スピンプルヘッド26、スピンシャフト50、ピン24及びピンホルダ25を経由して、検出カラー22が押されスイッチ10が閉状態になる。スイッチ10は、制御部に接続されており、その信号を検知してブラシレスモータ12を一定数回転させる。
マンドレル75にブラインドナット70が装着された後のブラインドナットを被取付部材に締結する時には、以下に説明するストローク機構により、マンドレル75を後端方向に引き込むようなストローク動作が行われる。
上述の通り、本発明では、クラッチとして、第1クラッチ(リアクラッチナット61及びフロントクラッチナット62)と第2クラッチ(フロントクラッチナット62及びスピンシャフト50)と第3クラッチ(スピンドルクラッチ63及びナットクラッチ64)を備えている。
第1クラッチの構造は、図4に示されるリアクラッチナット61と図5に示されるフロントクラッチナット62から説明できる。
第2クラッチの構造は、図5に示されるフロントクラッチナット62と図6に示されるスピンシャフト50から説明できる。
スピンシャフト50とフロントクラッチナット62とが係合しているときに、フロントクラッチナット62に回転力が伝わるとスピンシャフト50が回転する。
上述の通り、第1クラッチ及び第2クラッチは、スピンシャフト50に回転力を伝えるか否かを制御するものである。
すなわち、第1クラッチ及び第2クラッチは、回転負荷又はストロークにより離脱するように構成されている。
第3クラッチの構造は、図9に示されるスピンドルクラッチ63と図10に示されるナットクラッチ64から説明できる。
第3クラッチは、後述するように、締結時にマンドレル75を引き込む方向にストロークするが、この場合に、所定距離以上にストロークすると、ナットクラッチ64は、スピンドルクラッチ63から離脱して、オーバーストロークを防止することができる。
図13は、本発明に係るブラインドナット締結装置の制御部のブロック図を示す。
モータ制御回路8は、ホール素子13A、ブラシレスモータ12、バッテリ5を制御する。例えば、モータ制御回路8は、ブラシレスモータ12のパルスカウントからストロークを計算し、負荷電流から締結荷重を計算し、リニアセンサや荷重センサなしで、マルチ制御を可能にし得る。また、タッチパネル式のディスプレイ2により、作業者(ユーザ)が容易に装置のストロークや締結荷重の設定を変更できるように構成することができる。
ブラインドナット70のマンドレル75への装着から被取付部材72への締結までの処理に対応する各構成要素の動作について、図14から図19を用いて説明する。
上述の通り、マンドレル75へのブラインドナット70の装着が完了した状態では、第1クラッチ及び第2クラッチ(回転用クラッチ)の係合が解除され、スピンシャフト50への回転力が伝わらなくなっている。
又、締結時にブラシレスモータに流れる負荷電流から締結荷重を計算して、設定した締結荷重になったタイミングで、自動的にブラシレスモータ12の回転方向を逆回転に切り替えるように設定してもよい。(締結荷重管理)
2 ディスプレイ
3 ハンドル
4 FRレバースイッチ
5 バッテリ
6 トリガ
7 ノーズ
8 モータ制御回路
9 モータ部
10 スイッチ
11 動力伝達部
12 ブラシレスモータ
13 電動モータ
13A ホール素子
14 スピンドル
15 モータギヤ
16 第1減速部(遊星)
17 スピンドルギヤ
18 第2シャフト
19 後部ギヤ
21 前部ギヤ
22 検出カラー
23 ジョイントシャフト
24 ピン
25 ピンホルダ
26 スピンプルヘッド
27 スピンプルヘッドケース
31 スプリング
32 スプリング
33 スプリング
36 ボールスクリューシャフト
44 ボールスクリューナット
46 テールキャップ
50 スピンシャフト
50a 係合部
61 リアクラッチナット
61A 第1扇型部分
61B 第1垂直面
61C 第1傾斜面
61D 後端部
62 フロントクラッチナット
62A 円筒部
62B 第2扇型部分
62C 第2垂直面
62D 第2傾斜面
63 スピンドルクラッチ
63A 係合部
63B 凸部
63C フランジ部
63D 円筒部
64 ナットクラッチ
64A 係合部
64B 円筒部
70 ブラインドナット
72 被取付部材
75 マンドレル
Claims (7)
- ブラインドナットを被取付部材に締結するための締結装置であって、
電動モータの回転を伝達するように構成され、第1の伝達系統及び第2の伝達系統を有する動力伝達部と、
前記電動モータの前方に配置され、前記動力伝達部の前記第1の伝達系統により動力を伝えられ回転するジョイントシャフトと、
前記電動モータの前方に配置され、前記動力伝達部の前記第2の伝達系統により動力を伝えられ回転するスピンドルと、
マンドレルの軸部を把持しており、前記ジョイントシャフトの回転に伴い前記マンドレルを回転させるスピンシャフトと、
前記ジョイントシャフトの回転力を前記スピンシャフトに伝達する回転用クラッチと、
前記スピンドルの回転に伴い前記マンドレルをストロークさせるストローク機構と前記スピンドルとの間に配置され、前記スピンドルの回転を前記ストローク機構に伝達するストローク用クラッチと、
を備え、
前記回転用クラッチは、
後端側から順にリアクラッチナットとフロントクラッチナットとを備え、
前記リアクラッチナットは、前記フロントクラッチナットと係合すると前記ジョイントシャフトの回転力を前記フロントクラッチナットに伝達するが、所定の回転負荷により前記フロントクラッチナットから離脱するようになっており、
前記フロントクラッチナットは、円筒形状を有し、前記スピンシャフトを軸心部分に配置できるようになっており、前記スピンシャフトの係合部と係合すると前記スピンシャフトに回転力を伝達するが、前記スピンシャフトの先端方向への所定のストロークにより離脱するようになっており、
前記ストローク用クラッチは、後端側から順にスピンドルクラッチとナットクラッチとを備え、前記スピンドルクラッチは、前記ナットクラッチと係合すると前記スピンドルの回転力を前記ストローク機構に伝達するが、前記マンドレルの後端方向への所定のストロークに伴い前記ナットクラッチから離脱するようになっている、
締結装置。 - 前記マンドレルをストロークさせる前記ストローク機構は、
前記スピンドルクラッチ及び前記ナットクラッチの回転に伴い回転する円筒状のボールスクリューナットと、
前記ボールスクリューナットの中心部に設けられ、前記ボールスクリューナットの回転に伴い軸方向に移動することにより、前記マンドレルをストロークさせるボールスクリューシャフトと
を備えた請求項1に記載の締結装置。 - 前記ボールスクリューシャフトの先端側に配置され、前記ボールスクリューシャフトのストロークに伴い前記ボールスクリューシャフトと同方向に移動するスピンプルヘッドケースを更に備え、
前記スピンプルヘッドケースは、後端方向に所定距離移動すると、前記スピンシャフトの先端側に配置されたスピンプルヘッドと嵌合して、前記スピンプルヘッドと共に前記マンドレルを引き込むように移動させる、
請求項2に記載の締結装置。 - 前記マンドレルを軸方向に押圧することにより前記電動モータを始動させるスイッチを更に備え、
前記ブラインドナットを前記マンドレルの先端に配置した状態で前記マンドレルの先端部が後端方向に押圧されると、前記電動モータの前記スイッチが閉状態になり、前記電動モータからの回転力により、前記回転用クラッチと係合する前記スピンシャフトを介して前記マンドレルを回転させ、前記ブラインドナットが前記マンドレルに装着される際に前記マンドレル及び前記スピンシャフトが先端方向にストロークしたことにより、前記スピンシャフトが前記回転用クラッチから離脱すると共に、前記スイッチが開状態になり、
前記スピンシャフトが前記回転用クラッチから離脱した状態で、ユーザの操作によりトリガを介して前記電動モータが始動すると、前記スピンドルが回転すると共に、前記ストローク機構を介して前記マンドレルを後端方向にストロークさせることにより、前記ブラインドナットを前記被取付部材に締結する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の締結装置。 - 前記リアクラッチナットは、
円筒部と、前記円筒部の一端部のフランジ部とを有し、前記フランジ部の前面に複数の第1扇型部分が形成され、前記第1扇型部分は、円周方向の一方の端部が前記フランジ部の端面に垂直な第1垂直面であり、他方の端部が前記フランジ部の端面に対して傾斜した第1傾斜面であり、前記ジョイントシャフトと一体に回転するように構成されており、
前記フロントクラッチナットは、
前記第1扇型部分と相補的な形状の複数の第2扇型部分を有し、前記第2扇型部分は、円周方向の一方の端部が前記フロントクラッチナットの端面に垂直な第2垂直面であり、他方の端部が前記フロントクラッチナットの端面に対して傾斜した第2傾斜面であり、
前記フロントクラッチナットの前記第2扇型部分の前記第2垂直面は、前記リアクラッチナットの前記第1扇型部分の前記第1垂直面と係合することができ、
前記フロントクラッチナットの前記第2扇型部分の前記第2傾斜面は、前記リアクラッチナットの前記第1扇型部分の前記第1傾斜面と係合することができ、
前記フロントクラッチナットは、前記リアクラッチナットと一体に回転するように構成される、
請求項1から4のいずれか1つに記載の締結装置。 - 前記ブラインドナットを前記マンドレルに装着し、前記スピンシャフトが回転できなくなると、前記リアクラッチナットの前記第1扇型部分の前記第1傾斜面と前記フロントクラッチナットの前記第2扇型部分の前記第2傾斜面とはスリップして、前記リアクラッチナットは後方へ移動するようになっている
請求項5に記載の締結装置。 - 前記スピンシャフトの前記係合部は、前記係合部より先端側の円柱形状の径より小さい径を有する小径部分を複数有しており、前記スピンシャフトの前記係合部の後端側は、前記係合部の前記小径部分の径より小さい径を有しており、
前記フロントクラッチナットの前記円筒形状の内側形状は、前記係合部と相補的な形状を有している、
請求項1から6のいずれか1つに記載の締結装置。
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