本発明の一実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態の加熱調理器1は、インターネットに接続可能な外部端末50と無線通信を行うことが可能である。また、加熱調理器1は、中継器60と無線通信を行うことが可能であり、中継器60は、インターネットを介してデータサーバ70に接続可能である。中継器60は、例えば、加熱調理器1が設置される家等に設けられた給湯リモコン、レンジフードなどの機器などと一体に構成され得る。
データサーバ70は、調理データ蓄積部70aと、作動データ記憶部70bとを備える。調理データ蓄積部70aは、詳しくは後述するレシピに基づく自動調理を行う際の加熱調理器1の作動制御用の自動調理データ等を含むレシピデータ(本発明における調理データに相当)を蓄積している。作動データ記憶部70bは、詳しくは後述する作動データを記憶する。
外部端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、モバイルパソコン等により構成され得る。あるいは、外部端末50は、加熱調理器1に専用の機器により構成され得る。
この外部端末50は、あらかじめインストールされた自動調理アプリケーション(以下、自動調理アプリと称する)を実行することで、加熱調理器1で調理を行い得る種々様々な調理メニューのレシピのそれぞれに関するレシピデータを、随時、データサーバ70の調理データ蓄積部70aからインターネットを介して取得可能である。外部端末50は、使用者Pにより操作可能なタッチパネル51を備える。使用者Pは、タッチパネル51を操作することで、レシピデータを取得する。
詳細は後述するが、各レシピの上記レシピデータは、該レシピに基づく自動調理を行う際の加熱調理器1の作動制御用の自動調理データ等を含むデータである。そして、外部端末50は、使用者Pの指示に応じて、個々のレシピに関するレシピデータを加熱調理器1に送信することが可能である。そして、加熱調理器1は、点火動作が行われると、送信されたレシピデータに基づいて火力調整等を行い、自動調理を行う。また、外部端末50は、加熱調理器1の動作状態等の情報を加熱調理器1から受信し、その情報をタッチパネル51に表示する、もしくはスピーカ(図示せず)から報知すること等が可能である。
加熱調理器1は、本実施形態の一例では、例えばガスコンロである。この加熱調理器1は、加熱部として、第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20を備えている。なお、コンロの数は適宜変更可能であり、1個または3個以上設けてもよい。
第1コンロ10a及び第2コンロ10bは、互いに加熱能力(最大火力)が相違するコンロであり、例えば、第1コンロ10aの加熱能力が、第2コンロ10bの加熱能力より高い。
また、第1コンロ10a及び第2コンロ10bには、載置される被加熱物(調理物を収容した調理容器等)の温度を検出する温度センサ15a,15bが設けられている。
加熱調理器1の前面には、加熱調理器1の電源のオン/オフを行うための電源ボタン1aと、第1コンロ10aの点火/消火及び火力変更を行うための第1コンロ用操作ボタン11aと、第2コンロ10bの点火/消火及び火力変更を行うための第2コンロ用操作ボタン11bと、グリル20の点火/消火及び火力変更とを行うためのグリル用操作ボタン21とが設けられている。本実施形態では、第1コンロ10aは、火力が例えば11段階に変更可能となっており、第2コンロ10bは、火力が例えば9段階に変更可能となっており、火力1が最も火力が弱く、火力11が最も火力が強い。
さらに、加熱調理器1の前面には、プッシュオープン式のコンロ操作部12とグリル操作部22とが設けられている。使用者Pがコンロ操作部12を押し操作するとコンロ操作部12が開いてコンロ操作パネル13が現れる。コンロ操作パネル13は、第1コンロ10a用の第1コンロ操作部13aと、第2コンロ10b用の第2コンロ操作部13bとを備えている。同様に、使用者Pがグリル操作部22を押し操作するとグリル操作部22が開いてグリル操作パネル23が現れる。
コンロ操作パネル13は、第1コンロ10a及び第2コンロ10bの作動に関する操作(例えば自動調理のメニュー設定、タイマ時間の設定等)を使用者Pが行い得るように構成されていると共に、第1コンロ10a及び第2コンロ10bの作動に関する各種情報表示を行い得るように構成されている。このことはグリル操作パネル23についても同様である。
加熱調理器1は、上記の構成のほか、さらに図2に示すように、加熱調理器1の全体の作動制御を行う制御装置30と、音声等を出力するスピーカ26と、外部端末50との通信を行う通信装置27とを備える。
制御装置30は、CPU、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成される。なお、制御装置30は、相互に通信可能な複数の電子回路ユニットにより構成されていてもよい。また、通信装置27及び制御装置30は、第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20がオフされても、電源ボタン1aはオン状態が保たれ、通信可能状態が持続する。
該制御装置30には、温度センサ15a,15bの検出信号と、操作ボタン(第1,第2コンロ用操作ボタン11a,11b、グリル用操作ボタン21)の操作信号と、操作パネル(コンロ操作パネル13、グリル操作パネル23)の操作信号と、通信装置27により受信された信号(外部端末50から送信された信号)とが入力される。
制御装置30は、実装されるプログラムを実行することで実現される機能又はハードウェア構成により実現される機能によって、第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20のそれぞれの作動制御(点火/消火制御等)と、操作パネル(コンロ操作パネル13、グリル操作パネル23)の表示制御と、スピーカ26の出力制御と、通信装置27を介した外部端末50及び中継器60との通信制御とを行い得るように構成されている。加熱調理器1の通信装置27と中継器60との通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離通信を利用することができ、この場合、通信にかかる電力を削減でき、省電力となる。また、加熱調理器1には、ガスの流れを制御するガス電磁弁等の複数のアクチュエータや、振動を検知するための加速度センサ等の複数のセンサが設けられている(いずれも図示せず)。
ここで、本実施形態では、加熱調理器1が外部端末50を介してレシピデータを取得可能なレシピは、第1コンロ10a及び第2コンロ10b用のレシピと、グリル20用のレシピとに大別される。
第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20が、本発明における加熱部に相当するものであるが、本実施形態では、一例として、第1コンロ10aを用いて自動調理を行う場合の作動制御を中心に説明する。
制御装置30は、レシピに対応するレシピデータを、外部端末50との通信を行うことにより該外部端末50から取得するレシピデータ取得部32としての機能と、レシピに基づく調理の実行時に、レシピに対応するレシピデータ(本発明における調理データに相当)に含まれる自動調理データに応じて第1コンロ10aの作動制御を行うレシピ調理実行処理部33としての機能とを有する。自動調理データは、周知のものであり、その詳細な説明は簡略化するが、例えば、第1コンロ10aの燃焼停止、再点火、火力調整などの各作動制御に対応した複数のブロックが設けられ、各ブロックに各作動制御に関する指令信号が記録されるデータ構造を有している。そして、外部端末50からの1回の送信で、各作動制御の指令信号を含むレシピデータが送信される。また、指令信号がない作動制御のブロックはブランクとなる。なお、レシピデータには、使用者Pによって行われる下ごしらえ用レシピのデータが含まれていてもよい。
制御装置30のレシピデータ取得部32は、外部端末50との通信によって取得したレシピのレシピデータを図示しないメモリに記憶保持する。この場合、本実施形態では、制御装置30は、外部端末50の操作による使用者Pの指示に応じて、複数(所定数)のレシピのそれぞれ毎のレシピデータをメモリに記憶保持することが可能である。
なお、メモリに記憶保持するレシピデータは、加熱調理器1又は外部端末50の操作によって、適宜、更新あるいは消去することが可能である。
本実施形態では、加熱調理器1は、第1コンロ10a、第2コンロ10bを用いた調理モードとして、例えば、高温炒めモード、湯沸しモード、茹で物モード、及び、麺ゆでモードを実行可能となっている。
上記各モードは、周知のものであり、その詳細な説明は簡略化するが、高温炒めモードは、高温度での調理が可能となるモードであり、湯沸しモードは、水を沸騰させ、沸騰の検知後に一定火力で沸騰状態を保つモードである。
茹で物モードは、調理用の具材を浸漬させた水を沸騰させ、沸騰の検知後に火力の強弱の切り替えを行いながら沸騰状態を保つモードであり、麺ゆでモードは、水を沸騰させた後に、使用者Pにより麺が浸漬された場合に、沸騰の検知後に一定火力で沸騰状態を保つモードである。
[自動調理工程]
加熱調理器1により自動調理を行う場合、使用者Pは、外部端末50のタッチパネル51を操作して、自動調理アプリを実行する。自動調理アプリが実行されると、タッチパネルに複数のレシピ(料理名)が表示され、使用者Pは、所望するレシピを選択する。
外部端末50は、使用者Pによって選択されたレシピのレシピデータを、インターネットを介してデータサーバ70の調理データ蓄積部70aから取得する。そして、外部端末50は、取得したレシピデータに含まれる下ごしらえ用レシピ(例えば、所定量の野菜や肉等の食材と、所定量の水と、所定量の調味料とを鍋等の調理容器に入れる)をタッチパネル51に表示する。使用者Pは、タッチパネル51に表示された下ごしらえ用レシピに沿って下ごしらえを行い、調理容器を第1コンロ10aの上に載せる。
使用者Pは、下ごしらえを行った後、電源ボタン1aを操作して加熱調理器1の電源をオンする。
図3に示すタイムチャートのように、加熱調理器1は、電源がオンされる(時刻:t0)と、外部端末50と双方向通信可能に接続される。なお、加熱調理器1と中継器60とは、双方向通信可能に接続可能となるが、加熱調理器1と外部端末50とが双方向通信接続されている期間では、加熱調理器1と中継器60とは接続されない。
図3に示すタイムチャートでは、横軸が時間(時刻)軸であり、加熱調理器1の時間経過を示す第1軸線L1、外部端末50の時間経過を示す第2軸線L2、及び中継器60の時間経過を示す第3軸線L3を横軸に示し、矢印付きの縦軸線は、加熱調理器1と外部端末50又は中継器60との信号の送受信及び接続状態を示す。
また、外部端末50の第2軸線L2及び中継器60の第3軸線L3における実線部は、加熱調理器1と接続された状態を示し、外部端末50の第2軸線L2及び中継器60の第3軸線L3における一点鎖線部は、加熱調理器1と接続されていない状態を示す。
外部端末50は、加熱調理器1と双方向通信可能に接続されると、使用者Pによって選択されたレシピのレシピデータ(例えば、ステップ1:湯沸しモード10分、ステップ2:茹で物モード30分、ステップ3:消火)を含むレシピデータを加熱調理器1に送信する(時刻:t1)。レシピデータには、各モードでの火力データも含まれる。
加熱調理器1は、外部端末50からレシピデータ(自動調理データ)を受信する(時刻:t1)と、レシピデータを受信したことを示すデータを外部端末50に送信する。外部端末50は、受信したデータをタッチパネル51に表示する。これにより、使用者Pは、タッチパネル51に表示されたデータを確認して、レシピデータが受信されたことを知ることができる。
次に、使用者Pは、第1コンロ用操作ボタン11aを操作して第1コンロ10aを点火する(時刻:t2)。第1コンロ10aが点火されると、加熱調理器1の制御装置30(レシピ調理実行処理部33)は、受信したレシピデータ(ステップ1〜3)に基づいて、自動調理を開始する。
加熱調理器1は、第1コンロ10aが点火される(時刻:t2)と、動作状態(自動調理の開始)のデータを外部端末50に送信する。外部端末50は、受信したデータをタッチパネル51に表示する。これにより、使用者Pは、タッチパネル51に表示されたデータを確認して、加熱調理器1の動作状態を知ることができる。
レシピ調理実行処理部33は、先ず、ステップ1として、第1コンロ10aを湯沸しモード(例えば、第1コンロ10aの火力が11段階の5)で10分作動させる制御を行う。
次に、レシピ調理実行処理部33は、湯沸しモードで10分作動させた後、ステップ2として、茹で物モード(例えば、第1コンロ10aの火力を11段階の7と3とで切り替える)で30分作動させる制御を行う。
そして、レシピ調理実行処理部33は、茹で物モードで30分作動させた後、ステップ3として、消火するように第1コンロ10aの作動制御を行う。以上のステップ1〜3が行われると、自動調理が終了する(時刻:t7)。
加熱調理器1は、自動調理の実行中(時刻:t2−t7)は、基本的に外部端末50と双方向通信可能に接続されており、動作状態(例えば、加熱中の火力や残り調理時間)のデータを、随時又は定期的に外部端末50に送信する。外部端末50は、受信した動作状態データをタッチパネル51に表示する。これにより、使用者Pは、タッチパネル51に表示された動作状態データを確認して、残り調理時間や、自動調理終了を知ることができる。
また、加熱調理器1は、自動調理中には、自動調理の状態を見ながら、例えば、所定の条件の1つとして自動調理開始から例えば2分経過毎に、外部端末50からの返答を待たずに加熱調理器1と外部端末50との接続を解除し、中継器60に詳しくは後述する加熱調理器データ(小)を送信する。なお、図3では、簡易的に、加熱調理器1と外部端末50との接続を解除して加熱調理器データ(小)を送信するタイミング(以下、接続解除タイミングと称する)を3箇所図示している。また、2分毎の加熱調理器データ(小)を送信するタイミングで、加熱調理器1と外部端末50との接続を解除することができない、例えば、外部端末50から加熱調理器1にレシピデータを送信中である場合には、レシピデータの送信終了後に、加熱調理器1と外部端末50との接続を解除して、加熱調理器データ(小)を送信する。
加熱調理器1は、上記接続解除タイミングでは、外部端末50との接続を解除し、加熱調理器1と中継器60とを双方向通信可能に接続する(時刻:t3)。加熱調理器1は、中継器60に接続されると、加熱調理器1の作動状態に関する加熱調理器データ(小)を第1通信データとして、中継器60に送信する。
加熱調理器データ(小)は、加熱調理器1の作動状態に関する作動情報からなるデータである。また、加熱調理器データ(小)は、1回の通信量(データ量)が所定量(例えば、20バイト)以下のデータである。さらに、加熱調理器データ(小)は、少なくとも第1コンロ10aの作動状態を含む第1特定種類のデータである。例えば、加熱調理器データ(小)は、電源状態データ(オン、オフ)、運転状態データ(停止、エラー停止、作動完了停止、運転中)、火力データ(1〜11)、温度センサ15a,15bでの検出温度データ、調理モード(高温炒めモード、湯沸しモード、茹で物モード、麺ゆでモード)、エラーコードである。エラーコードは、第1コンロ10aの機種に応じて予め設定された例えば2文字のコードである。本実施形態では、加熱調理器データ(小)には、例えば、第1コンロ10aの作動状態である火力データ、温度センサ15a,15bの検出温度データ等が含まれる。
加熱調理器データ(小)の各作動情報は、それぞれデータ量の1バイトの作動情報であり、本実施形態では、加熱調理器データ(小)の総データ量(1回の通信量)は、例えば18バイトである。なお、加熱調理器データ(小)は、総データ量(1回の通信量)が、所定量(上記した20バイト)以下のデータであればよく、含まれる作動情報は適宜変更可能である。また、加熱調理器データ(小)に含まれる各作動情報の数は適宜変更可能であり、1つでも複数でもよい。
加熱調理器1は、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信した後、中継器60との接続を解除し、外部端末50と双方向通信可能に接続される(時刻:t4)。本実施形態では、加熱調理器1は、外部端末50と中継器60とのいずれかにのみ接続され、両方に同時に接続されることはない。これにより、外部端末50と中継器60との両方に同時に接続可能にする場合に比べて、加熱調理器1の制御装置30にかかる負荷を軽減することができる。なお、総データ量(1回の通信量)が、所定量(上記した20バイト)以下のデータがない場合には、加熱調理器データ(小)は中継器60に送信されない。
加熱調理器データ(小)は、主に自動調理中に変化する加熱調理器1の状態情報データ(火力や検出温度)である。このような変化するデータを、加熱調理器1の電源オフ後(第1コンロ10aの電源はオフであるが、データ送信に必要な通信装置27及び制御装置30はオン状態)にまとめて中継器60に送信する場合、全てのデータを加熱調理器1の電源オフまで記憶しておく必要がある。このため、記憶するデータ量が多くなってしまい、大容量のメモリが必要となる。
本実施形態では、加熱調理器データ(小)を、加熱調理器1の電源オフまでの間の2分毎に、中継器60に送信するので、メモリの容量を小さくすることができ、コストアップを抑制することができる。
また、加熱調理器1は、例えば、所定の条件の1つとして、少なくとも第1コンロ10aの作動状態を含む第1特定種類のデータであって、1回の通信量(データ量)が所定量(上記した20バイト)以下の加熱調理器データ(小)に含まれる作動情報に変化があった場合(例えば、火力が変化)に加熱調理器データ(小)を中継器60に送信する。これにより、上記接続解除タイミングで送信するまで、変化したデータを加熱調理器1のメモリに記憶しておく必要がなく、メモリの容量を小さくすることができる。なお、加熱調理器データ(小)に変化があった場合の加熱調理器データ(小)の送信は、行わなくてもよい。
加熱調理器1は、上記接続解除タイミングとなる時刻:t5で再び、外部端末50との接続を解除し、加熱調理器1と中継器60とを双方向通信可能に接続し、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信する。
加熱調理器1は、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信した後、中継器60との接続を解除し、外部端末50と双方向通信可能に接続される(時刻:t6)。
加熱調理1は、自動調理に係る加熱調理器1での作動制御が終了して自動調理が終了する(時刻:t7)と、動作状態(自動調理の終了)のデータを外部端末50に送信する。外部端末50は、受信したデータをタッチパネル51に表示する。これにより、使用者Pは、タッチパネル51に表示されたデータを確認して、自動調理が終了したことを知ることができる。
自動調理に係る加熱調理器1での作動制御が終了して自動調理が終了した(時刻:t7)後、加熱調理器1は、上記接続解除タイミングとなる時刻:t8で、外部端末50との接続を解除し、加熱調理器1と中継器60とを双方向通信可能に接続し、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信する。なお、自動調理の終了(時刻:t7)後、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信する前に加熱調理器1の電源オフ操作がされた場合には、加熱調理器1は、詳しくは後述する加熱調理器データ(大)と一緒に加熱調理器データ(小)を送信してもよい。
加熱調理器1は、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信した後、中継器60との接続を解除し、外部端末50と双方向通信可能に接続される(時刻:t9)。
その後、使用者Pが電源ボタン1aを操作して加熱調理器1の電源をオフする(時刻:t10)と、第1コンロ10aは電源オフされるが、通信装置27及び制御装置30はオン状態が保たれる。そして、加熱調理器1は、外部端末50との接続を解除し、中継器60と双方向通信可能に接続する。
また、加熱調理器1は、外部端末50との接続を解除する前に、詳しくは後述するように、第1コンロ10aに関する加熱調理器データ(大)を中継器60に送信するため、所定期間(例えば、30秒)は、加熱調理器1が加熱調理器データ(大)を送信中である旨を報知するための報知データを、外部端末50に送信する。外部端末50は、受信した報知データをタッチパネル51に表示する。これにより、使用者Pは、所定期間は、外部端末50と接続不能となっても、アプリや加熱調理器1が故障しているのではないと認識することができる。また、加熱調理器1で、加熱調理器1が加熱調理器データ(大)を送信中であり、外部端末50と接続不能となる状態をスピーカ26等により報知するようにしてもよい。なお、所定期間中に、報知データの送信を終了してもよい。また、報知データの送信は行わないようにしてもよい。
加熱調理器1は、中継器60と双方向通信可能に接続されると、中継器60に通信可能であることを示す通信可能信号を送信する(時刻:t11)。中継器60は、通信可能信号を受信すると、通信可能な状態であるかどうかを判断し、通信可能な状態である場合、加熱調理器1に通信可能信号を送信する(時刻:t12)。
加熱調理器1は、通信可能信号を受信すると、詳しくは後述する加熱調理器1の作動状態に関する加熱調理器データ(大)を第2通信データとして、中継器60に送信する(時刻:t13)。
加熱調理器データ(大)は、加熱調理器1の作動状態に関する作動情報からなるデータである。また、加熱調理器データ(大)は、第2特定種類の作動情報からなり、1回の通信量(データ量)が所定量(上記した20バイト)を超えるデータである。例えば、加熱調理器データ(大)は、加熱調理器1の情報である累積運転時間データ、累積燃焼回数、燃焼状態、運転状態、エラーコード、エラー発生回数、複数のアクチュエータ(例えば、ステッピングモータ、ガス電磁弁等)の動作状態データ、複数のセンサ(例えば、温度センサ15a,15b、振動検知用の加速度センサ、鍋の有無を検知する鍋センサ等)の検出データ(作動情報)等からなる。
加熱調理器データ(大)の各作動情報は、それぞれデータ量1〜2バイトの作動情報であり、本実施形態では、加熱調理器データ(大)の総データ量(1回の通信量)は、例えば44バイトである。なお、加熱調理器データ(大)は、総データ量(1回の通信量)が、所定量(上記した20バイト)を超えるデータであればよく、含まれる作動情報は適宜変更可能である。
加熱調理器1は、加熱調理器データ(大)の送信終了後に、中継器60との接続を解除する(時刻:t14)。以上の工程により、自動調理に関するデータ送信が終了する。そして、加熱調理器1は、中継器60との接続を解除した後、所定のタイミング(例えば、所定時間経過後)で通信装置27及び制御装置30もオフして、通信不能な状態とする。
本実施形態では、加熱調理器1は、自動調理を行っている間に、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信しているので、自動調理(作動制御)が終了した後に加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を中継器60に送信するものに比べて、自動調理が終了した後に送信するデータの総データ量を少なくすることができる。これにより、自動調理が終了してから、加熱調理器1の電源をオフするまでの時間を短縮することができる。
中継器60は、受信した加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を随時、データサーバ70の作動データ記憶部70b(図1参照)に送信する。データサーバ70の作動データ記憶部70bは、受信した加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を記憶する。このデータは、例えば、加熱調理器1の製造会社等に送信され、加熱調理器1の状態チェックに用いられる。なお、中継器60で加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を記憶するようにしてもよい。
このように、本発明を実施した加熱調理器1では、中継器60を介してデータサーバ70の作動データ記憶部70bに送信する必要がある調理中の時系列な状態データを加熱調理器データ(小)として自動調理中に送信し、調理の器具情報を加熱調理器データ(大)として自動調理終了後に送信することができる。これにより、外部端末50からの自動調理データに応じた自動調理を優先して行いつつ、中継器60に送信したいデータを確実に送信することができる。
なお、本発明における加熱調理器は、燃焼式の加熱部(コンロ)を含むガスコンロに限らず、IHクッキングヒータ等の誘導加熱方式の加熱部を有する加熱調理器、あるいは、電熱式の加熱部を有する加熱調理器であってもよい。
さらに、電池駆動の加熱調理器であってもよい。電池駆動の加熱調理器では、加熱調理器の電源をオフすると、通信装置及び制御装置の電源もオフされるため、データ送信を行うことができないことがある。本発明によれば、通信装置及び制御装置の電源がオフされる前にデータを送信するので、電池駆動の加熱調理器においても、自動調理を優先して行いつつ、中継器に送信したいデータを確実に送信することができる。
本実施形態では、加熱調理器1は、自動調理に係る作動制御が終了した後に電源オフ操作された場合に、加熱調理器データ(大)を中継器60に送信しているが、自動調理に係る作動制御が終了した場合に、加熱調理器データ(大)を中継器60に送信するようにしてもよい。さらに、加熱調理器1は、加熱調理器1にエラーが発生した場合に、加熱調理器データ(大)を中継器60に送信するようにしてもよい。
本実施形態では、加熱調理器1は、加熱調理器1の作動状態に関する全てのデータを中継器60に送信しているが、特定のデータを中継器60に送信するか否かを使用者Pが選択可能にしてもよい。この場合、加熱調理器1の表示部に、送信するか否かを選択する画面を表示し、使用者Pが操作部を操作して選択する。
本実施形態では、加熱調理器1は、上記接続解除タイミング(時刻:t3,t5,t8)で、外部端末50との接続を解除し、加熱調理器1と中継器60とを双方向通信可能に接続しているが、加熱調理器1と中継器60との双方向通信可能な接続に代えて、加熱調理器1から中継器60への単方向通信可能に接続するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、加熱調理器1の加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を中継器60に送信し、中継器60からデータサーバ70の作動データ記憶部70bに送信してデータサーバ70の作動データ記憶部70bに記憶させたが、データサーバ70の作動データ記憶部70bに送信するデータは、一旦、中継器60に記憶させてもよいし、そのまま中継器60を介してデータを送信してもよい。
また、加熱調理器1の加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を直接、データサーバ70の作動データ記憶部70bに送信してデータサーバ70の作動データ記憶部70bに記憶させてもよい。
なお、加熱調理器1は、外部端末50から外部端末50に記憶されたレシピデータを取得するようにしてもよいし、外部端末50がデータサーバ70の調理データ蓄積部70aからレシピデータを取得してもよい。さらに、外部端末50からデータサーバ70の調理データ蓄積部70aに加熱調理器1に送信するレシピデータを指示し、データサーバ70の調理データ蓄積部70aからレシピデータを取得してもよい。
なお、外部端末50に中継器60の機能を付加してもよい。
また、図4に変形例を示す。図4では、中継器60から記憶用サーバ701bの作動データ記憶部70bに無線通信を行い、加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を記憶用サーバ701bの作動データ記憶部70bに記憶させる。また、加熱調理器1の外部端末50から蓄積用サーバ701aの調理データ蓄積部70aに無線通信を行い、外部端末50が蓄積用サーバ701aの調理データ蓄積部70aからレシピデータを取得する。それ以外は図1と同じであり、図1と同一番号が付してあり説明を省略する。
本発明のデータサーバ70は、調理データ蓄積部70a及び作動データ記憶部70bを一体に備えているが、図4の様に、調理データ蓄積部70aを備えた蓄積用サーバ701aと、作動データ記憶部70bを備えた記憶用サーバ701bとを別々に設けてもよい。
別々のサーバを備えた場合でも、上記説明した様に、加熱調理器1の加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を中継器60に送信し、中継器60から記憶用サーバ701bの作動データ記憶部70bに送信して記憶用サーバ701bの作動データ記憶部70bに記憶させてもよい。さらに、記憶用サーバ701bの作動データ記憶部70bに送信するデータは、一旦、中継器60に記憶させてもよいし、そのまま中継器60を介してデータを送信してもよい。
また、加熱調理器1の加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)を直接、記憶用サーバ701bの作動データ記憶部70bに送信して記憶用サーバ701bの作動データ記憶部70bに記憶させてもよい。
なお、加熱調理器1は、外部端末50から外部端末50に記憶されたレシピデータを取得するようにしてもよいし、外部端末50が蓄積用サーバ701aの調理データ蓄積部70aからレシピデータを取得してもよい。さらに、外部端末50から蓄積用サーバ701aの調理データ蓄積部70aに加熱調理器1に送信するレシピデータを指示し、蓄積用サーバ701aの調理データ蓄積部70aからレシピデータを取得してもよい。
なお、外部端末50に中継器60の機能を付加してもよい。
データを、中継器60に一旦記憶させる場合は、中継器60が記憶用サーバ701bに相当し、外部端末50から外部端末50に記憶されたレシピデータを取得するようにした場合には、外部端末50が蓄積用サーバ701aに相当する。
本実施形態では、加熱調理器データ(小)を、第1コンロ10aの作動状態を含む第1特定種類のデータとしているが、加熱調理器データ(小)は、1回の通信量(データ量)が所定量(上記した20バイト)以下のデータであればよく、第1コンロ10aの作動状態を含む第1特定種類のデータでなくてもよい。
本実施形態では、一例として、第1コンロ10aを用いて自動調理を行う場合の作動制御を中心に説明しているが、第2コンロ10bやグリル20を用いて自動調理を行う場合の自動調理データを取得して、その自動調理データに応じて、第2コンロ10bやグリル20を作動制御するようにしてもよい。なお、グリル20を用いた調理モードは、例えば、周知のタイマーモード、魚焼きモード等である。
さらに、第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20のうちの複数(2つや3つ)を用いて自動調理を行う場合の自動調理データを取得して、その自動調理データに応じて、各部を作動制御するようにしてもよい。例えば、第1コンロ10a及び第2コンロ10bを用いて自動調理を行う場合の自動調理データを取得して、その自動調理データに応じて、第1コンロ10a及び第2コンロ10bやグリル20を作動制御するようにしてもよい。第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20のうちの複数を用いて自動調理を行う場合の自動調理データには、自動調理に用いる各部のそれぞれに関する自動調理データが含まれる。なお、自動調理に用いる各部のそれぞれに関する自動調理データを、個別に送信するようにしてもよい。
第2コンロ10bやグリル20を用いて自動調理を行う場合の自動調理データに応じて、第2コンロ10bやグリル20を作動制御する場合にも、本実施形態と同様に、加熱調理器1は、自動調理を行っている間に、加熱調理器データ(小)を中継器60に送信し、電源オフ操作後に、加熱調理器データ(大)を中継器60に送信する。
第2コンロ10bを用いて自動調理を行う場合の加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)は、本実施形態(第1コンロ10aを用いて自動調理を行う場合)の加熱調理器データ(小)及び加熱調理器データ(大)と同様のデータである。また、グリル20を用いて自動調理を行う場合の加熱調理器データ(小)は、例えば、グリル20に関するデータ(調理モード、火力等)を含み、グリル20を用いて自動調理を行う場合の加熱調理器データ(大)は、例えば、グリル20に関するデータ(グリル20の累積燃焼時間等)を含む。
加熱調理器データ(小)は、総データ量(1回の通信量)が所定量以下であれば、第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20それぞれの加熱部の作動情報を含んでもよい。また、加熱調理器データ(大)のデータは、第1コンロ10a、第2コンロ10b及びグリル20それぞれの加熱部の作動情報からなるデータを含んでもよい。