JP2020117769A - コネクタ用端子材及びコネクタ用端子 - Google Patents

コネクタ用端子材及びコネクタ用端子 Download PDF

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圭栄 樽谷
中矢 清隆
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Abstract

【課題】耐摩耗性及び耐熱性を向上できるコネクタ用端子材及びコネクタ用端子を提供する。【解決手段】少なくとも表面が銅又は銅合金からなる基材の上の少なくとも一部に形成され、表面層を構成する銀金合金めっき層を有し、銀金合金めっき層は、Auの含有量が0.1at%以上10at%以下で、膜厚が1μm以上50μm以下であり、基材と銀金合金めっき層との間に膜厚が0.5μm以上50μm以下の銀めっき層を介在させることも可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や民生機器等の電気配線の接続に使用される有用な皮膜が設けられたコネクタ用端子材及びコネクタ用端子に関する。
従来、自動車等の信号系および電源系の電気部品の接続に用いられるコネクタ用端子は、一般的に銅又は銅合金からなる基材の上に錫めっきを施した後、リフロー処理を行った錫めっき層付き端子が多く用いられていた。しかし、近年、自動車の電動化率が増加し、より電流を多く流すことができる耐熱性、耐摩耗性に優れた貴金属めっきを施した端子の用途が増加している。
このような耐熱性、耐摩耗性が求められるコネクタ用端子材として、例えば、特許文献1に記載のように、銅又は銅合金からなる基材に、シアン浴を用いて銀めっきを施して、銀めっき層を形成した端子材が知られている。
また、この銀めっき層に代えて、特許文献2記載のようにアンチモンを添加した銀合金めっき層とする、あるいは、特許文献3記載のように、銀錫合金(Ag−Sn)めっき層とすることにより、めっき層を硬くして、耐摩耗性を高めることも提案されている。
特開2008−169408号公報 特開2009−79250公報 特開2015−183216号公報
しかしながら、特許文献1に記載の端子では、加熱すると、銀めっき層の結晶径が大きくなるため硬度が低下する問題がある。この硬度の低下を抑制するため、銀めっき層を厚くすることが考えられるが、コスト増を招く。一方、特許文献2に記載のように、アンチモンを添加した銀合金めっき層としても、初期硬度は高いものの、加熱によって硬度が低下するとともに、アンチモンがめっき層表面に濃化して酸化することにより、接触抵抗が増大する不具合が生じる。また、特許文献3に記載の端子材では、金錫合金めっき層が硬すぎるので、この金錫合金めっき層が形成された基材を曲げると、めっき層にクラックが発生し、プレス加工(後加工)が困難になるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、耐摩耗性及び耐熱性を向上できるコネクタ用端子材及びコネクタ用端子を提供することを目的とする。
本発明のコネクタ用端子材は、少なくとも表面が銅又は銅合金からなる基材の上の少なくとも一部に形成され、表面層を構成する銀金合金めっき層を有し、前記銀金合金めっき層は、Auの含有量が0.1at%以上10at%以下で、膜厚が1μm以上50μm以下である。
銀金合金めっき層が表面に形成されるので、表面を硬くすることができる。この銀金合金めっき層の膜厚が1μm未満では、薄すぎるため早期に摩耗して消失し易く、高温環境下で接触抵抗が上昇する不具合が生じる。銀金合金めっき層の膜厚が50μmを超える厚さとしても問題はないが、コストの点から50μm以下とするのが好ましい。なお、銀と金とは全率固溶体であって金属間化合物を形成しないので、過剰に硬くならず、プレス加工等で割れが生じにくい。また、加熱環境下でも結晶粒の粗大化や表面酸化を生じにくいので、硬度の低下を抑制できる。
銀金合金めっき層のAuの含有量は0.1at%では表面を硬くする効果が低い。Auが10at%を超える含有量としても問題はないが、コストの面から10at%以下とするのが好ましい。
本発明のコネクタ用端子材は、少なくとも表面が銅又は銅合金からなる基材と、該基材の上の少なくとも一部に形成された銀めっき層と、該銀めっき層の上の少なくとも一部に形成され、表面層を構成する銀金合金めっき層とを有し、前記銀めっき層は、膜厚が0.5μm以上50μm以下であり、前記銀金合金めっき層は、Auの含有量が0.1at%以上10at%以下で、膜厚が0.05μm以上50μm以下である。
銀金合金めっき層が表面に形成されるので、表面を硬くすることができる。この銀金合金めっき層の膜厚が0.05μm未満では、薄すぎるため早期に摩耗して消失し易い。この端子材の場合は、銀金合金めっき層と基材との間に銀めっき層が介在しているので、銀金合金めっき層が薄くても優れた耐摩耗性を有する。銀金合金めっき層の膜厚が50μmを超える厚さとしても問題はないが、コストの点から50μm以下とするのが好ましい。なお、膜厚が厚くても、プレス加工等で割れが生じにくい。また、表面の銀金合金めっき層は、加熱環境下でも結晶粒の粗大化や表面酸化を生じにくいので、硬度の低下を抑制できる。
銀金合金めっき層のAuの含有量は0.1at%では表面を硬くする効果が低い。Auが10at%を超える含有量としても問題はないが、コストの面から10at%以下とするのが好ましい。
銀めっき層は膜厚が0.5μm未満では、銀金合金めっき層が薄い場合に耐摩耗性を高める効果に乏しく、銀めっき層の膜厚が50μmを超える厚さとしても問題はないが、コストの点から50μm以下とするのが好ましい。
本発明のコネクタ用端子は、上記コネクタ用端子材からなるコネクタ用端子であって、相手方コネクタ用端子との接点部分の表面に前記銀金合金めっき層が形成されている。
このコネクタ用端子は、接点部分に硬い銀金合金めっき層が形成されているので、耐摩耗性に優れている。
本発明によれば、コネクタ用端子材及びコネクタ用端子の表面の硬さが高く、耐摩耗性が向上するとともに、加熱環境下でも硬度低下が少なく、耐熱性を向上する。
本発明の第1実施形態に係るコネクタ用端子材を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るコネクタ用端子材を模式的に示す断面図である。 試料4の断面のSIM像である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
<第1実施形態>
[コネクタ用端子材の構成]
第1実施形態のコネクタ用端子材1は、図1に断面を模式的に示したように、少なくとも表面が銅又は銅合金からなる板状の基材2と、該基材2の表面の少なくとも一部(図1では左半分)に被覆され、表面層を構成する銀金合金めっき層4と、を備えている。
なお、基材2は、銅または銅合金からなるものであれば、特に、その組成が限定されるものではない。また、母材の表面に銅又は銅合金からなる銅めっき層が施されためっき材により構成されてもよい。この場合、母材としては銅以外の金属材料であってもよい。
銀金合金めっき層4は、コネクタ用端子材1の最表面に位置し、基材2の表面に銀ストライクめっきが施された後、その上に被覆される。この銀金合金めっき層4は、Auの含有量が0.1at%以上10at%以下で、膜厚が1μm以上50μm以下である。
この銀金合金めっき層4において、金(Au)はアンチモン(Sb)より融点が高いので、アンチモンのように加熱によって表面に拡散して硬度低下することは生じにくい。また、金は電気伝導率が高いので、銀金合金の電気抵抗も良好である。さらに、銀金合金は純銀(Ag)より酸化しにくいため、加熱による接触抵抗の劣化が生じにくい。
銀金合金めっき層4のAuの含有量は0.1at%では表面を硬くする効果が低い。Auが10at%を超える含有量としても問題はないが、コストの点から10at%以下とするのが好ましい。この銀金合金めっき層4の好ましいAuの含有量は0.5at%以上である。
また、銀金合金めっき層4の膜厚が1μm未満では、薄すぎるため早期に摩耗して消失し易く、高温環境下で接触抵抗が上昇する不具合がある。銀金合金めっき層4の膜厚が50μmを超える厚さとしても問題はないが、コストの点から50μm以下とするのが好ましい。なお、銀と金とは全率固溶体であって金属間化合物を形成しないので、過剰に硬くならず、プレス加工等で割れが生じにくい。この銀金合金めっき層4の好ましい膜厚は2μm以上10μm以下である。また、銀金合金であるので、加熱環境下でも結晶粒の粗大化や表面酸化を生じにくく、硬度の低下を抑制でき、耐熱性にも優れている。
[製造方法]
次に、このコネクタ用端子材1の製造方法について説明する。このコネクタ用端子材11の製造方法は、基材2となる銅又は銅合金からなる板材を洗浄する前処理工程と、前処理工程後の基材2の表面に、銀ストライクめっきを施す銀ストライクめっき工程と、銀ストライクめっきを施した後に、銀金合金めっき層4を形成する銀金合金めっき層形成工程と、を備える。
(前処理工程)
まず、基材2として、銅又は銅合金からなる板材を用意し、この板材に脱脂、酸洗等をすることによって表面を清浄する前処理を行う。前述したように、銅以外の金属材の上に銅又は銅合金からなる銅めっき層を形成したものを基材としてもよい。
(銀ストライクめっき工程)
基材2の表面において銀金合金めっき層4が形成される部分に5質量%〜10質量%の水酸化カリウム水溶液を用いて活性化処理を行った後、銀ストライクめっきを施す。この銀ストライクめっきは、銀金合金めっき層4と基材2との密着性を高めるために実行される。この銀ストライクめっきを施すためのめっき浴の組成は、特に限定されないが、例えば、シアン化銀(AgCN)1g/L〜5g/L、シアン化カリウム(KCN)80g/L〜120g/Lからなるめっき浴が好適である。そして、この銀ストライクめっき浴に対してアノードとしてステンレス鋼板(SUS316)を用いて、浴温が常温(25℃〜30℃)、電流密度1A/dmの条件下で銀めっきを30秒程度施すことにより、薄く銀ストライクめっき層が形成される。
(銀金合金めっき層形成工程)
銀ストライクめっき工程後、銀ストライクめっき層上に銀金合金めっきを施して銀金合金めっき層4を形成する。この銀金合金めっき層4を形成するためのめっき浴の組成は、特に限定されないが、例えば、シアン化金カリウム(KAu(CN))1g/L〜5g/L、シアン化銀(AgCN)5g/L〜15g/L、シアン化カリウム(KCN)10g/L〜30g/L、炭酸カリウム(KCO)10g/L〜20g/L、添加剤5ml/Lからなるめっき浴が好適である。シアン浴で、アンチモンが含有されなければよい。そして、この銀めっき浴に対してアノードとして純銀板を用いて、浴温が常温(25℃〜30℃)で、電流密度0.1A/dm〜3A/dmの条件下で50秒〜85分程度めっきを施すことにより銀金合金めっき層4が形成される。
このようにして基材2の表面の一部に銀金合金めっき層4が形成されたコネクタ用端子材1に対してプレス加工等を施し、接点として用いられる部分に銀金合金めっき層4が配置されたコネクタ用端子を形成する。この場合、コネクタ用端子材において、銀金合金めっき層4が形成された部分が、相手端子との嵌合部(接点部)に配置されるように用いられる。
本実施形態では、銀金合金めっき層4が表面に形成されるので、表面を硬くすることができる。銀金合金は、金の融点が高く、貴金属として安定している金を共析させているため、加熱により軟らかくなる銀とは異なり、加熱後の硬度低下も少ない。また、銀より金が貴の金属であるため、表面が酸化しにくくなり、接触抵抗も良好である。
また、銀金合金であるので、コネクタとして摺動による凝着が生じにくく、耐摩耗性が向上する。
<第2実施形態>
[コネクタ用端子材の構成]
第2実施形態のコネクタ用端子材11は、第1実施形態のコネクタ用端子材1の層構造に対して、図2に断面を模式的に示したように、基材2と銀金合金めっき層41との間に銀めっき層5が形成された構成である。すなわち、少なくとも表面が銅又は銅合金からなる板状の基材2と、該基材2の表面の少なくとも一部に被覆された銀めっき層5と、銀めっき層5の上に形成された銀金合金めっき層41と、を備えている。
この場合、銀めっき層5は、膜厚が0.5μm以上50μm以下であり、銀金合金めっき層41は、Auの含有量が0.1at%以上10at%以下であるが、膜厚が0.05μm以上50μm以下である。
銀めっき層5は、純銀からなるのが好ましいが、Ag濃度が95質量%以上であればよい。これは、銀めっき層5のAg濃度が95質量%未満であると不純物が多く含まれることとなり、銀めっき層が合金化して硬くなり、プレス加工等により曲げられた際に割れる可能性があるためである。
銀めっき層5は、膜厚が0.5μm未満では、銀金合金めっき層41が薄い場合に耐摩耗性を高める効果に乏しく、また、高温環境下で基材2のCu成分が銀金合金めっき層41に拡散するのを防止する効果も乏しくなる。この銀めっき層5の膜厚が50μmを超える厚さとしても問題はないが、コストの点から50μm以下とするのが好ましい。この銀めっき層5の好ましい膜厚は1μm以上10μm以下である。
このコネクタ用端子材11は、基材2と銀金合金めっき層41との間に銀めっき層5が形成されているので、銀金合金めっき層41の膜厚を第1実施形態のものより薄くしても、優れた耐摩耗性を発揮することができ、銀金合金めっき層41の膜厚の下限を0.05μmとすることができる。この銀金合金めっき層41の膜厚が0.05μm未満では、薄すぎることから早期に摩耗して消失し易い。銀金合金めっき層41の膜厚が50μmを超える厚さとしても問題はないが、コストの点から50μm以下とするのが好ましい。銀めっき層5の上に形成されるので、銀金合金めっき層41としては5μmの膜厚でも十分である。この銀金合金めっき層4の好ましい膜厚は0.1μm以上5μm以下である。
銀金合金めっき層4のAuの含有量は0.1at%では表面を硬くする効果が低い。Auが10at%を超える含有量としても問題はないが、コストの点から10at%以下とするのが好ましい。この銀金合金めっき層4の好ましいAuの含有量は0.5at%以上である。
[製造方法]
この第2実施形態のコネクタ用端子材11を製造する場合、前処理工程、銀ストライクめっき工程は、第1実施形態の場合と同様である。第2実施形態では、銀ストライクめっき工程の後に、銀めっき層形成工程、銀金合金めっき層形成工程を施す。
(銀めっき層形成工程)
銀ストライクめっき層の上に銀めっき工程を施して銀めっき層5を形成する。この銀めっき層を形成するためのめっき浴の組成は、特に限定されないが、例えば、シアン化銀(AgCN)30g/L〜50g/L、シアン化カリウム(KCN)120g/L〜160g/L、炭酸カリウム(KCO)10g/L〜20g/L、添加剤5ml/Lからなる。そして、この銀めっき浴に対してアノードとして純銀板を用いて、浴温25℃、電流密度2A/dmの条件下で銀めっきを50秒〜85分程度施すことにより銀めっき層5が形成される。
(銀金合金めっき層形成工程)
銀金合金めっき層形成工程は、第1実施形態で説明した組成のめっき浴に対してアノードとして純銀板を用いて、浴温が常温(25℃〜30℃)で、電流密度とめっき時間を調整することにより、銀金合金めっき層41を形成する。例えば、電流密度0.5A/dm〜3A/dmの条件下で53秒〜65分程度のめっき条件とする。
この実施形態のコネクタ用端子材12は、基材2の上に銀めっき層5を介して銀金合金めっき層41が形成されているので、銀金合金めっき層41の膜厚を薄くすることが可能であり、銀金合金めっき層41として、0.05μm以上の膜厚があれば、良好な耐摩耗性を発揮することができる。
<他の実施形態>
その他、細部構成は実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
第1実施形態では、基材2の表面の少なくとも一部に銀金合金めっき層4が形成された構成であり、第2実施形態では、基材2の表面の少なくとも一部に銀めっき層5を介して銀金合金めっき層4が形成された構成とした。これらの構成に対して、基材2の全面に銀金合金めっき層4が形成された構成、あるいは基材2の全面に銀めっき層5が形成され、その銀めっき層5の全面に銀金合金めっき層41が形成された構成としてもよい。さらに、銀めっき層5を設ける場合、基材2の全面に銀めっき層5が形成され、その銀めっき層5の一部に銀金合金めっき層41が形成された構成とすることも可能である。
つまり、銀金合金めっき層4,41については少なくともコネクタ用端子として相手端子との接点部に配置される部分に形成されていればよい。
<第1実施例>
銅合金板からなる厚さ0.3mmの基材を用意し、この基材に脱脂、酸洗等をすることによって表面を清浄する前処理を行った後、基材の表面に、5質量%の水酸化カリウム水溶液を用いて基材の表面を清浄化する活性化処理を行い、この活性化処理後に、基材に対して、銀ストライクめっきを施し、銀ストライクめっき層上に、表1の膜厚となるように電流密度及びめっき時間を調整して、銀金合金めっき層を形成した。
なお、各めっきの条件は以下のとおりとした。
(銀ストライクめっき条件)
・めっき浴組成
シアン化銀2g/L、
シアン化カリウム100g/L
・アノード
SUS316
・浴温25℃
・電流密度1A/dm
(銀金合金めっき条件)
・めっき浴組成
シアン化金カリウム3g/L
シアン化銀10g/L
シアン化カリウム20g/L
炭酸カリウム15g/L
添加剤5ml/L
・アノード
純銀板
・浴温25℃
・電流密度0.5A/dm〜3A/dm
比較例には、基材の表面に銀ストライクめっきを実施後、日進化成株式会社製のアンチモンが添加されたニッシンブライトN浴を用いて、光沢銀めっきを実施した。めっき浴の組成は、標準組成を用い、浴温25℃、電流密度1A/dmとし、アノードとして純銀板を用い、膜厚2.5μmの銀合金めっき層(AgSb合金層)を形成して、比較例10とした。また、銀ストライクめっきの後に、銀金合金めっきではなく、純銀めっきを施したもの(比較例11)も作製した。
そして、これらの実施例及び比較例の試料について、以下の測定及び試験を実施した。
[めっき層の膜厚測定]
銀金合金めっき層の膜厚(AgAuめっき厚)は、FIB(集束イオンビーム装置)にて銀金合金めっき層の断面加工を行った後、日本電子株式会社製の電子線マイクロアナライザー:EPMA(型番JXA−8530F)を用いて断面を観察することにより測定した。測定値は5か所の算術平均とした。
[Au含有量の測定]
FIB(集束イオンビーム装置)にて銀金合金めっき層の断面加工を行った後、銀金合金中のAu含有量は、日本電子株式会社製の電子線マイクロアナライザー:EPMA(型番JXA−8530F)を用いて、加速電圧10kV、ビーム径φ30μmとし、各試料の表面を測定した。測定値は5か所の算術平均とした。
[ビッカース硬さの測定]
加熱前(初期)の各試料及び150℃で240時間加熱後の各試料のそれぞれについて、マイクロビッカース硬さ試験機HM−200(株式会社ミツトヨ製)を用いて、測定数N=10、荷重0.005Nの条件下でビッカース硬さを測定した。ただし、試料1〜試料3は、そのままではビッカース硬さの測定ができなかったため、銀金合金めっき層のAu含有量を変えずに膜厚のみ2μmとしたものを作製して、ビッカース硬さを測定した。
[硬さ低下量の測定]
硬さ低下量は、ビッカース硬さの測定によって得られた加熱前(初期)のビッカース硬さの値から150℃で240時間加熱後のビッカース硬さの値を引くことにより算出した。
[曲げ試験]
試験片を幅10mmの短冊に接点予定部と心線接触予定部の面積が1:1になるように切り出し、接点予定部と心線接触予定部の境界が、曲げ部となるように、曲げ半径1.5mmの120°曲げを実施し後、曲げ戻しを行った。試料の曲げ外周部表面を光学顕微鏡(倍率50倍)で観察し、異常の有無を調べた。銅又は銅合金基材の板厚は0.3mmとした。曲げ戻し部に剥離または亀裂または割れなど、平板状態と異なる状態が見られた場合を「B」、異常が見られなかった場合を「A」とした。
[接触抵抗の測定]
加熱前の各試料及び150℃で240時間加熱後の各試料のそれぞれを60mm×10mmの試験片に切り出し、平板サンプルをオス端子の代用とし、この平板サンプルに曲率半径1.0mmの凸加工を行ったサンプルをメス端子の代用とした。摺動試験は、ブルカー・エイエックスエス株式会社の摩擦摩耗試験機(UMT−Tribolab)を用い、水平に設置したオス端子試験片にメス試験片の凸面を接触させ、オス端子試験片を荷重負荷速度1/15N/secで、0Nから2Nまで荷重をかけた時の接触抵抗値を測定した。
以上の測定、試験の結果を表1に示す。
この表1からわかるように、基材上に、膜厚が1μm以上の銀金合金めっき層が形成され、銀金合金めっき層のAu含有量が0.1at%以上である試料2〜6及び8〜10は、高いビッカース硬さで、加熱後も硬さ低下が少なく、曲げ試験でも剥離や亀裂等の異常が認められず、接触抵抗も良好であった。
試料4の断面を走査イオン顕微鏡(SIM)で観察したところ、図3に示すように、基材(Cuと表記)の上に、銀金合金めっき層(AgAuと表記)が形成されていることが確認された。
一方、試料1は、銀金合金めっき層の膜厚が0.8μmと薄かったため、加熱後の接触抵抗が高くなった。試料7は、銀金合金めっき層中のAu含有量が0.08at%と低かったため、ビッカース硬さが低くなった。試料11は表面が銀アンチモン合金めっき層であり、初期硬さは高いが、加熱後の硬さの低下が大きく、曲げ試験でも剥離や亀裂等の異常が認められ、加熱後の接触抵抗も大きくなった。試料12は、表面が純銀めっき層であり、加熱後の硬さの低下が大きくなった。
<第2実施例>
銅合金板からなる厚さ0.3mmの基材を用意し、この基材に脱脂、酸洗等をすることによって表面を清浄する前処理を行った後、基材の表面に、5質量%の水酸化カリウム水溶液を用いて基材の表面を清浄化する活性化処理を行い、この活性化処理後に、基材に対して、銀ストライクめっきを施し、銀ストライクめっき層上に、銀めっき層を形成し、表1の膜厚となるように電流密度及びめっき時間を調整して、銀金合金めっき層を形成した。銀めっき層以外の各めっき層の条件は前述した第1実施例と同じである。
銀めっきの条件は以下の通りとし、膜厚2.5μmの銀めっき層を形成した。
(銀めっき条件)
・めっき浴組成
シアン化銀40g/L、
シアン化カリウム120g/L
炭酸カリウム15g/L
・アノード
純銀板
・浴温25℃
・電流密度2A/dm
比較例としては、第1実施例の試料11,12と同じものを作製し、それぞれ試料26,27とした。
これらの試料について、めっき層の膜厚測定、銀金合金めっき層中のAu含有量の測定、ビッカース硬さ及び硬さ低下量の測定、曲げ試験を実施した。これらの測定方法、試験方法は前述の第1実施例と同様である。
その結果を表2に示す。
この表2からわかるように、基材上に、銀めっき層を介して、膜厚が0.05μm以上50μm以下の銀金合金めっき層が形成され、銀金合金めっき層のAu含有量が0.1at%以上である試料23〜25は、ビッカース硬さが高く、加熱後も硬さ低下が少ない。また、曲げ試験でも剥離や亀裂等の異常が認められず、接触抵抗も良好であった。
一方、試料21は銀金合金めっき層が0.02μmと薄く、試料22は銀金合金めっき層中のAu含有量が0.08at%と低かったため、いずれもビッカース硬さが低かった。ただし、銀めっき層が形成されているため、接触抵抗は良好であった。試料26は表面が銀アンチモン合金めっき層であり、初期硬さは高いが、加熱後の硬さの低下が大きく、曲げ試験でも剥離や亀裂等の異常が認められ、加熱後の接触抵抗も大きくなった。試料27は、表面が純銀めっき層であり、ビッカース硬さが低かった。
1 コネクタ用端子材
2 基材
4,41 銀金合金めっき層
5 銀めっき層

Claims (3)

  1. 少なくとも表面が銅又は銅合金からなる基材の上の少なくとも一部に形成され、表面層を構成する銀金合金めっき層を有し、前記銀金合金めっき層は、Auの含有量が0.1at%以上10at%以下で、膜厚が1μm以上50μm以下であることを特徴とするコネクタ用端子材。
  2. 少なくとも表面が銅又は銅合金からなる基材と、該基材の上の少なくとも一部に形成された銀めっき層と、該銀めっき層の上の少なくとも一部に形成され、表面層を構成する銀金合金めっき層とを有し、前記銀めっき層は、膜厚が0.5μm以上50μm以下であり、前記銀金合金めっき層は、Auの含有量が0.1at%以上10at%以下で、膜厚が0.05μm以上50μm以下であることを特徴とするコネクタ用端子材。
  3. 請求項1又は2記載のコネクタ用端子材からなるコネクタ用端子であって、相手方コネクタ用端子との接点部分の表面に前記銀金合金めっき層が形成されていることを特徴とするコネクタ用端子。
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