JP2020116892A - 積層体、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱い性に優れる、ガラス特有の特性(高い硬度、透明感や上質感等)を保持した加飾された積層体の提供。【解決手段】ガラス板4と、樹脂フィルム2とが、有色部を含む接着層3を介して積層された構成を有する積層体1。接着層3は、カチオン重合性モノマーを含む接着剤の硬化物であり、接着剤は、カチオン重合性モノマーと硬化触媒を含み、カチオン重合性モノマーとして、1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を少なくとも1個と、水酸基を少なくとも1個有する化合物と下記式(b)で表される化合物を少なくとも含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、その製造方法及び製造装置に関する。前記積層体は、加飾体を製造する用途に好適に使用される。
ガラスは高い硬度と透明性を有し、上質感を演出することができる素材として知られる。近年、厚さ20〜200μmほどの極めて薄いガラス板(薄化ガラス板)が開発されている。特許文献1には、このような薄化ガラス板が記載され、当該薄化ガラス板は可とう性に優れること(すなわち、柔軟性を有し、ゆっくり折り曲げることができること)が記載されている。
自動車の内装部品や建築材料等、上質感や高い意匠性が求められる分野では、加飾されたガラス板の使用が提案されている。ガラス板を加飾する方法としては、(1)ガラス板上への直接印刷、スパッタリング処置、又は加飾ハードコートフィルムで被覆する方法や、(2)色ガラスを用いる方法などが知られている。
特開2010−105900号公報
前記(1)の加飾方法では、ガラス板表面が、塗膜や被膜、ハードコートフィルムで覆われてしまう。このため、ガラス特有の特性(高い硬度、透明感や上質感等)が損なわれてしまうという問題があった。また、前記(2)の加飾方法では、ガラス特有の硬度、上質感等は維持されるものの、ガラス板の製法上、複雑な意匠を再現することは困難であった。加えて、ガラスは、割れやすく取り扱いが困難である。薄化ガラスは可とう性に優れていても、割れやすく取り扱いが一層困難である。
以上の理由により、取り扱い性に優れながら、ガラス特有の特性(高い硬度、透明感や上質感等)を損なうことなく加飾する技術は、未だ十分な満足が得られていない。
従って、本発明の目的は、取り扱い性に優れる、ガラス特有の特性(例えば、高い硬度、透明感や上質感等)を保持した加飾された積層体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ガラス板と樹脂フィルムとが強く接着し、且つガラス特有の特性を保持した加飾された積層体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、薄化ガラス板と樹脂フィルムとが強く接着し、耐屈曲性にも優れ、しかもガラス特有の特性を保持した加飾された積層体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記積層体がロール状に巻回されてなる巻回体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記積層体の成形体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、被加飾体と、前記被加飾体表面の少なくとも一部を被覆している前記積層体を備える加飾体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記積層体の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明者等は前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ガラス板と、樹脂フィルムと、当該ガラス板及び樹脂フィルムの間の有色部を含む接着層とを含む積層構造を有する積層体によれば、ガラス特有の特性を保持したまま、加飾された積層体が提供できることを見出した。また前記構成により、ガラス単体よりも衝撃に対して割れにくく、取り扱い性にも優れることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、ガラス板と、樹脂フィルムと、当該ガラス板及び樹脂フィルムの間の有色部を含む接着層とを含む積層構造を有する積層体(以降、「本発明の積層体」と称する場合がある)を提供する。
本発明は、また、前記接着層が、下記接着剤(1)の硬化物である、積層体を提供する。
接着剤(1):カチオン重合性モノマーと硬化触媒とを含有し、前記カチオン重合性モノマーとして、1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を少なくとも1個と、水酸基を少なくとも1個有する化合物、及び下記式(b)
(式中、Rは、s価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す)
で表される化合物を少なくとも含有し、
前記1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を少なくとも1個と、水酸基を少なくとも1個有する化合物の含有量はカチオン重合性モノマー全量の10重量%以上であり、
前記式(b)で表される化合物の含有量は、カチオン重合性モノマー全量の5重量%以上である。
本発明は、また、前記の積層体がロール状に巻回されてなる、巻回体(以降、「本発明の巻回体」と称する場合がある)を提供する。
本発明は、また、前記の積層体の成形体(以降、「本発明の成形体」と称する場合がある)を提供する。
本発明は、また、被加飾体と、前記被加飾体表面の少なくとも一部を被覆している前記積層体とを備える、加飾体(以降、「本発明の加飾体」と称する場合がある)を提供する。
本発明は、また、前記被加飾体が樹脂成形品である加飾体を提供する。
本発明はまた、
ガラス板及び樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、色材を含有する接着剤を付与するする工程と、
前記接着剤を介して、前記ガラス板と、前記樹脂フィルムとを貼り合わせる工程と、
前記ガラス板及び前記樹脂フィルムの間の前記接着剤を硬化させる工程、
を含む、積層体の製造方法を提供する。
本発明はまた、
ガラス板及び樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、色材を含有する接着剤を付与する手段と、
前記接着剤を介して、前記ガラス板と、前記樹脂フィルムとを貼り合わせる手段と、
前記ガラス板及び前記樹脂フィルムの間の前記接着剤を硬化させる手段、
を含む、積層体の製造装置を提供する。
本発明によれば、ガラス特有の特性(例えば、高い透明性、熱的安定性、電位絶縁性、化学的安定性、高い表面平滑性、うねりが少ないこと、高い硬度、ガスバリア性、上質感、高級感、指で触れた際の良好な触感等)を保持した、加飾された積層体を得ることができる。また、ガラス板と樹脂フィルムが接着層を介して複合化されるため衝撃に対して割れにくく、取り扱い性にも優れる。また、本発明の積層体は、有色部を含む接着層がカラーインク兼接着剤の機能を有し、接着と加飾を同時に行うことができる。このため、作業性にも優れる。従来の加飾フィルム(樹脂フィルム)を用いた積層体では、樹脂フィルムに加飾性を付与するために、印刷工程が増えたり、製造工程が複雑化する場合があった。更に、樹脂フィルムの種類によっては、加飾印刷の前後に表面処理が必要となる場合もあった。更に、樹脂フィルムと別基材とを複合化する場合には、相手基材の材質によっては、熱がかけられない、密着性が落ちる等の理由により、加飾印刷自体が困難となる場合もあった。しかし本発明によれば、作業工程を簡略化できるのみならず、接着と加飾を同時に行うことで、適用できるガラス、樹脂の種類は増大する。また、同一厚みのガラス板よりも軽量化を図ることができるため、自動車の内装部品や建築材料などに用いる場合、構造体全体の軽量化を図ることができる。
また、本発明の積層体は、特定のカチオン重合性モノマーを含有する接着剤(例えば、後述の接着剤(1))を用いて、有色部を有する接着層を形成した場合は、光照射又は加熱処理を照射する前は低粘度で塗布性に優れ、光照射又は加熱処理を照射することにより、酸素の存在下でも速やかに硬化して、ガラスに対して優れた密着性を有する硬化物を形成することができる。また、ガラスの表面に予めプライマー処理等を行う必要がなく、直に、ガラスに塗布して接着することができ、一層作業性に優れる。更に、低硬化収縮性を有するため、積層体にカールが発生することも防止することができる。
また、本発明の積層体は、特定の厚みのガラス板と、特定の接着剤(例えば、後述の接着剤(1))を用いて、有色部を有する接着層を形成した場合は、屈曲させる際の、ガラス板への応力負荷が接着層によって緩和され、優れた屈曲耐久性を発揮することができる。すなわち、屈曲−伸展を繰り返してもガラス板にクラックが発生することを抑制することができる。
また、本発明の積層体は、特定の厚みのガラス板と、特定のカチオン重合性モノマーを含有する接着剤(例えば、後述の接着剤(1))を用いて有色部を有する接着層を形成した場合は、屈曲耐久性に加えて、可とう性及び耐カール性にも優れる。すなわち、高い意匠性と可とう性、屈曲耐久性、及び耐カール性といった機能性を兼ね備える。このため、例えばフレキシブル性が必要な電子材料/電子部品等に、好適に使用することができる。
更に、本発明の巻回体は、ロール状に巻回されているため、嵩張らずに保存することができ、運搬も容易である。
本発明によれば、本発明の積層体の特性を保持した成形体を得ることができる。このため、成形加工時にガラス板に割れやクラックが発生することを抑制することができ、作業性、加工性に優れる。また加工時の不良発生率を低減することができる。また、本発明の積層体は、同一厚みのガラス板よりも軽量であるため、成形体の軽量化を図ることができる。
本発明の加飾体は、本発明の積層体の特性を保持している。このため、加工時にガラス板に割れやクラックが発生することを抑制することができ、作業性、加工性に優れる。また加工時の不良発生率を低減することができる。また、本発明の積層体は、同一厚みのガラス板よりも軽量であるため、ガラス板を積層した従来の加飾体と比較して、加飾体自体の軽量化を図ることができる。
本発明の積層体の製造方法(及び製造装置)によれば、色材を含有する接着剤が、カラーインク兼接着剤の機能を有し、接着と加飾を同時に行うことができるため、作業効率にも優れる。
本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す正面断面図である。 本発明の他の一実施形態に係る積層体を模式的に示す正面断面図である。 図3(a)〜(d)は、図1に示す積層体の製造方法の一例の各工程を説明するための断面図である。 図1に示す積層体の模式断面図であり、樹脂フィルム2の向きを、樹脂フィルム2のMD方向が積層体の屈曲方向と平行となるように調整して、接着層3を介しガラス板4と貼り合わせた図である。 本発明の一実施形態に係る成形体を模式的に示す断面模式図である。 図6(a)〜(c)は、図5に示す成形体の製造方法の一例の各工程を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態に係る加飾体を模式的に示す断面模式図である。 本発明の他の一実施形態に係る加飾体を模式的に示す断面模式図である。 図9(a)〜(c)は、図8に示す加飾体の製造方法の一例の各工程を説明するための断面図である。 図10(a)、(b)は、図8に示す加飾体の製造方法の他の一例の各工程を説明するための断面図である。 耐カール性を評価する際の、試験片の浮き量の測定方法を示す模式図である。 本発明における屈曲耐久性の試験方法(R曲げ方法)(積層体をガラス板の面が凹となる方向に屈曲半径(R)が3mmとなるように180°折り曲げ、伸ばす動作の1セット)を示す模式図(側面図)である。 図12の動作(4)を拡大して示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を説明する。尚、図面に記載の実施形態は、本発明を明確に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される本発明の積層体の形状、サイズ、縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
[積層体1]
図1に示す積層体1は、ガラス板4と、樹脂フィルム2と、ガラス板4及び樹脂フィルム2の間の有色部を含む接着層3(以降、「接着層3」と称する場合がある)、とを含む積層構造を有する積層体である。すなわち、ガラス板4/接着層3/樹脂フィルム2の3層積層構造を少なくとも有する。
図2に示すように、接着層3は、少なくとも一部に有色部を含んでいればよい。図2に示すように、有色部3A、透明部3Bから構成されていてもよい。
積層体1は、ガラス板4/接着層3/樹脂フィルム2、の3層積層構造以外にも他の層を有していてもよい。
ガラス板4は、接着層3の積層面とは反対側の面に、ガラス特有の特性を損なわない範囲で、更に他の層(例えば、防汚層等)が1層又は2層以上積層されていてもよい。また、樹脂フィルム2は、接着層3の積層面とは反対側の面に、求める用途に応じて、更に他の層が1層又は2層以上有していてもよい。
積層体1は、特定の接着剤12(好ましくは、後述の接着剤(1)〜(3))を用いて接着層3を形成した場合は、屈曲させる際の、ガラス板への応力負荷が接着層3によって緩和され、優れた屈曲耐久性を発揮することができる。すなわち、屈曲−伸展を繰り返してもガラス板にクラックが発生することを抑制することができる。下記試験による屈曲耐久性は、例えば10以上であり、好ましくは100以上、特に好ましくは1000以上、更に好ましくは2000以上、最も好ましくは10000以上である。
屈曲耐久性試験:
積層体を伸ばした状態から、ガラス板の面が凹となる方向に屈曲半径が3mmとなるように180°折り曲げ、再び伸ばす動作を1セットとし、1分間に43セットの速さで前記動作を行った際における、積層体にクラックが生じるまでのセット数を屈曲耐久性の指標とする
積層体1の総厚みは、例えば300μm以下であり、屈曲耐久性に極めて優れる点で、好ましくは250μm以下、特に好ましくは200μm以下、最も好ましくは150μm以下である。尚、総厚みの下限は、例えば50μm、好ましくは75μm、特に好ましくは100μmである。
積層体1の形状は、目的に応じて任意に選択でき、例えば、シート状(枚葉状)、ロール状(後述の本発明の巻回体)等とすることができる。
(ガラス板4)
ガラス板4は、積層体1に、ガラス特有の特性(例えば、高い透明性、熱的安定性、電位絶縁性、化学的安定性、極めて高い表面平滑性、うねりが少ないこと、高い硬度、ガスバリア性、上質感、高級感、指で触れた際の良好な触感等)を付与する。
ガラス板4の厚みは特に限定されないが、可とう性が求められる用途には、厚みは150μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下、特に好ましくは50μm以下である。また、屈曲耐久性が求められる用途には、例えば10μm以上であることが好ましく、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上である。
ガラス板4としては、最小曲げ半径が3mm以下であるガラス板(すなわち、屈曲半径が3mm以下となるまで、少なくとも1回、折り曲げ可能なガラス板)を使用することが、屈曲耐久性に優れる積層体が得られる確率が飛躍的に向上する点で好ましい。最小曲げ半径が3mm超であるガラス板は、ガラス表面や端面に目視では確認できないほど小さな傷が入っている場合が多く、そのようなガラス板4を使用すれば、得られる積層体は屈折耐久性が不十分となる可能性が高まる傾向がある。
(樹脂フィルム2)
樹脂フィルム2は、支持体としての役割を有する。樹脂フィルム2としては、用途に応じて、公知乃至慣用の樹脂フィルムを用いることができる。用途に応じて色調(有色、透明色)は自由に選択できる。
樹脂フィルム2の材料としては、熱可塑性プラスチックや熱硬化性プラスチックが挙げられる。前記熱可塑性プラスチックには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリ塩化ビニリデン、酢酸セルロース(例えば、トリアセチルセルロース(TAC))、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の汎用プラスチック;ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン等のエンジニアリングプラスチック;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が含まれる。前記熱硬化性プラスチックには、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、シリコン樹脂等が含まれる。
樹脂フィルム2としては、なかでも、屈曲耐久性に極めて優れる点で、PET、PAI、PI、酢酸セルロース(特に、TAC)、及びPENから選択される少なくとも1種の材料からなるプラスチックフィルムが好ましく、特に、PET又はPIからなるプラスチックフィルムが好ましい。
樹脂フィルム2は、用途に応じて、1層又は2層以上有していてもよい。
樹脂フィルム2の表面の一部又は全部には、粗化処理、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理(サンドマット処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処理、ウォーターマット処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理、シランカップリング剤処理等の公知乃至慣用の表面処理が施されていてもよい。
樹脂フィルム2の厚みは、例えば150μm以下であり、好ましくは140μm以下、特に好ましくは120μm以下、最も好ましくは100μm以下、更に好ましくは80μm以下、とりわけ好ましくは70μm以下である。また、屈曲耐久性に極めて優れる点で、例えば10μm以上であることが好ましく、より好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上である。
(有色部を含む接着層3)
接着層3は、本発明の積層体に加飾を施す効果を有する。接着層3は、接着剤12の硬化物である。
以下、図2を参照しつつ、接着層3について説明する。
接着層3は、接着層の一部が有色部であればよい。図2に示すように、有色部3A、透明部3Bから構成されていてもよい。
接着層3の厚みは、例えば100μm以下であり、好ましくは80μm以下、特に好ましくは50μm以下、最も好ましくは30μm以下である。尚、厚みの下限は、明瞭且つ美観に優れる加飾を形成する観点から、例えば1μm、好ましくは5μmである。接着層3が前記範囲であると、接着性と屈曲耐久性に一層優れる。接着層3の厚みが過剰となると、接着性は向上するが、屈曲耐久性や透明性が低下する傾向がある。
接着層3(好ましくは、後述の接着剤(1)の硬化物からなる接着層)は、ガラス板4に対して密着性に優れることが好ましく、且つ樹脂フィルム2に対しても、密着性に優れることが好ましい。
接着層3の、ガラス板4及び/又は樹脂フィルム2に対する密着性は、クロスカット法(JIS K 5600−5−6に準拠)の6段階分類試験において、例えば、分類0〜2であることが好ましい。
接着層3(好ましくは、後述の接着剤(1)の硬化物からなる接着層)の弾性率(例えば、25℃でのヤング率)は、例えば0.01MPa〜1000GPaであることが、本発明の積層体に優れた屈曲耐久性を付与することができる点において好ましく、特に好ましくは1MPa〜100GPa、最も好ましくは5MPa〜50GPa、とりわけ好ましくは5MPa〜10GPaである。
接着層3は耐熱性に優れることが、高温環境下でも本発明の積層体の屈曲耐久性を高く保持することができ、車載機器にも使用可能となる点で好ましく、接着層3(好ましくは、後述の接着剤(1)の硬化物からなる接着層)のガラス転移温度(Tg)又は融点(Tm)は、好ましくは70℃以上、特に好ましくは80℃以上である。尚、上限は、例えば150℃である。尚、ガラス転移温度(Tg)又は融点(Tm)は、例えば、DSC、TGA等の熱分析や動的粘弾性測定により測定できる。
積層体1は前記構成を有することにより、ガラス板4の表面硬度が損なわれず高く維持される。そのため、積層体1のガラス板表面の表面硬度は、鉛筆硬度(JIS K5600−5−4(ISO/DIN15184))が、例えばH以上、好ましくは2H以上、特に好ましくは3H以上、最も好ましくは5H以上である。
後述の接着剤(1)を用いて、接着層3を形成した場合は、連続屈曲した後も、表面硬度(特に屈曲部位の表面硬度)を前記の通り高く維持した積層体を得ることができる。
後述の接着剤(1)を用いて、接着層3を形成した場合は、脆性が極めて低く抑制され、靱性に優れる。
<接着剤12>
接着剤12は、色材を含有する接着剤である。接着剤12は、未硬化状態のものであり、硬化させることにより、有色部を含む接着層3を形成する。
接着剤12に含まれる色材は、均一に混合されていてもよく、不均一なマーブル状を呈していてもよい。尚、絵柄やデザインに応じて、更に色材を含まない透明色の接着剤を組み合わせて用いてもよい。
接着剤12としては、例えば、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱可塑性接着剤等が挙げられる。前記硬化型接着剤のなかでは、紫外線硬化型接着剤が、速硬化性に優れる点及び耐熱性の低い樹脂フィルムにも使用可能である点で好ましい。尚、本明細書における「硬化」には、ラジカル硬化型又はカチオン硬化型接着剤のモノマーの重合を伴う硬化、及び熱可塑性接着剤の加熱し軟化したものを冷却することによる硬化(若しくは、固化)を含む。
紫外線硬化型接着剤には、ラジカル硬化型及びカチオン硬化型が含まれる。ラジカル硬化型接着剤は速硬化性を有する点、及びモノマーの種類が豊富である点で優れている。一方、カチオン硬化型接着剤は、酸素による硬化阻害を受けにくく、酸素の存在下でも速やかに硬化する点で優れている。また、硬化収縮が小さいため、寸法安定性にも優れている。一般に硬化収縮が大きい接着剤を使用して薄化された樹脂フィルム2とガラス板4とを接着した場合、接着剤の硬化収縮によって、得られる積層体にカールが発生しやすい。よって接着剤12としては、カチオン硬化型接着剤を用いることが好ましい。
カチオン硬化型接着剤は、カチオン重合性モノマーと硬化触媒とを含有する。
(カチオン重合性モノマー)
前記カチオン重合性モノマーには、ビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択される少なくとも1種のカチオン重合性基を含有する化合物が挙げられる。
本発明においては、接着剤12は、ガラスに対する密着性、低硬化収縮性、可とう性、屈曲耐久性、及び耐カール性に優れる観点から、1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を少なくとも1個と、水酸基を少なくとも1個有する化合物(以後、「化合物(I)」と称する場合がある)、及び下記式(b)
(式中、Rは、s価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す)
で表される化合物(以後、「化合物(b)」と称する場合がある)を少なくとも含有し、
前記化合物(I)の含有量はカチオン重合性モノマー全量の10重量%以上であり、
前記化合物(b)の含有量はカチオン重合性モノマー全量の5重量%以上であることが好ましい。
従って、接着剤12としては、化合物(I)をカチオン重合性モノマー全量の10重量%以上含有し、化合物(b)をカチオン重合性モノマー全量の5重量%以上含有する接着剤(以降、「接着剤(1)」と称する場合がある)が好ましい。
接着剤(1)は、酸素による硬化阻害を受けにくく、酸素の存在下でも速やかに硬化して硬化物を形成することができる点で優れている。また、硬化収縮が大きい接着剤を使用して薄化された樹脂フィルム2を接着した場合、接着剤の硬化収縮によって、樹脂フィルム2に、接着剤が塗布された面側が凹部となるカール(順カール)が発生しやすいが、接着剤(1)を用いる場合は、硬化収縮が小さいため、カールの発生を抑制することができ、寸法安定性の点でも優れる。
接着剤(1)は、ガラス板4や樹脂フィルム2に対する密着性に一層優れる。このため、ガラス板4表面に前処理(例えば、プライマー処理、プラズマ処理、コロナ処理等)を施さなくても、極めて優れた接着力でガラス板4と樹脂フィルム2とを接着することができる。また、接着力に優れるため、極めて少量の使用で十分である。また、光照射又は加熱処理を施した後も、暗反応(後重合)による硬化が進行するため、色材含有による重合阻害を効果的に抑制できる。このため、接着剤(1)の硬化物から形成された接着層3の有色部と無色部(透明部)は、共に優れた密着性を有する。
(化合物(I))
化合物(I)は、1分子中に少なくとも2種の官能基を有する化合物である。詳細には、1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を少なくとも1個と、水酸基を少なくとも1個有する化合物である。化合物(I)を含む接着剤を硬化して得られる硬化物は、前記2種の官能基が重合して高度な架橋構造体を形成するため高硬度を有する。
化合物(I)としては、なかでも、得られる硬化物の高硬度化、低硬化収縮化、密着性向上の点で、1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を1個と、水酸基を1個有する化合物(i)が好ましい。
前記化合物(i)には、以下の3種類の化合物が含まれる。
i−1:ビニルエーテル基1個と、水酸基1個とを有する化合物
i−2:エポキシ基1個と、水酸基1個とを有する化合物
i−3:オキセタニル基1個と、水酸基1個とを有する化合物
前記化合物(i)は、例えば下記式で表される。
HO−R−Y (i)
(式中、Rは2価の炭化水素基、2価の複素環式基、又はこれらが単結合若しくは連結基を介して結合した2価の基を示す。Yはビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を示す)
前記炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が含まれる。
2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;ビニレン、1−メチルビニレン、プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン基等の炭素数2〜18の直鎖状又は分岐鎖状アルケニレン基;エチニレン、プロピニレン、3−メチル−1−プロピニレン、ブチニレン、1、3−ブタジイニレン基等の炭素数2〜18の直鎖状又は分岐鎖状アルキニレン基が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基を構成する脂環には、単環式炭化水素環及び多環式炭化水素環が含まれ、前記多環式炭化水素環には、スピロ炭化水素環、環集合炭化水素環、架橋環式炭化水素環、縮合環式炭化水素環、架橋縮合環式炭化水素環が含まれる。2価の脂環式炭化水素基としては、前記脂環の構造式から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
前記単環式炭化水素環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のC3−12シクロアルカン環;シクロペンテン、シクロヘキセン等のC3−12シクロアルケン環等が挙げられる。
前記スピロ炭化水素環としては、例えば、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロビシクロヘキサン等のC5−16スピロ炭化水素環等が挙げられる。
前記環集合炭化水素環としては、例えば、ビシクロヘキサン等のC5−12シクロアルカン環を2個以上含む環集合炭化水素環等が挙げられる。
前記架橋環式炭化水素環としては、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ノルボルネン、ビシクロヘプタン、ビシクロヘプテン、ビシクロオクタン(ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン等)等の2環式炭化水素環;ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン等の3環式炭化水素環;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン等の4環式炭化水素環等が挙げられる。
前記縮合環式炭化水素環としては、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン等の5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環が挙げられる。
前記架橋縮合環式炭化水素環には、ジエン類の二量体(例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン等のシクロアルカジエンの二量体)や、その水素添加物等が挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基等の、炭素数6〜18のアリーレン基が挙げられる。
前記炭化水素基は、種々の置換基[例えば、ハロゲン原子、オキソ基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等]を有していてもよい。前記カルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
前記連結基としては、例えば、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)等が挙げられる。
2価の複素環式基を構成する複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、オキセタン環等の4員環;フラン環、テトラヒドロフラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、γ−ブチロラクトン環等の5員環;4−オキソ−4H−ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環等の6員環;ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、4−オキソ−4H−クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等の縮合環;3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環等の5員環;4−オキソ−4H−チオピラン環等の6員環;ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環等の縮合環等)等が挙げられる。前記複素環式基は、前記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等のC1−4アルキル基等)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)等を有していてもよい。2価の複素環式基は、前記複素環の構造式から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
前記Rとしては、なかでも2価の炭化水素基、又は炭化水素基の2個以上が連結基を介して結合した2価の基が好ましく、特に好ましくは2価の脂肪族炭化水素基、又は脂肪族炭化水素基の2個以上が連結基を介して結合した2価の基、最も好ましくは炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、又は炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基の2個以上が連結基を介して結合した基、とりわけ好ましくは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、又は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基の2個以上が連結基を介して結合した基である。また、前記連結基としては、エーテル結合が好ましい。
化合物(i)としては、ビニルエーテル基1個と水酸基1個とを有する化合物(i-1)及び/又はオキセタニル基1個と水酸基1個とを有する化合物(i-3)を含有することが、より高硬度を有する硬化物が得られる点で好ましく、とりわけ、オキセタニル基1個と水酸基1個とを有する化合物(i-3)を少なくとも含有することが好ましい。
化合物(i)としては、下記式(i-1-1)〜(i-1-3)(i-3-1)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、とりわけ、下記式(i-3-1)で表される化合物を少なくとも含有することが好ましい。
(化合物(b))
化合物(b)は、下記式(b)で表される化合物である。
(式中、Rは、s価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す)
式中のsは2以上の整数を示し、例えば2〜6の整数、好ましくは2〜4の整数、特に好ましくは2〜3の整数、とりわけ好ましくは2である。
Rにおけるs価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基のうち、2価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数3〜6)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。また、3価以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基は、2価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基の構造式から更に(s−2)個の水素を除いた基が挙げられる。
Rで示される基の総炭素数は、例えば1〜20、好ましくは2〜15、特に好ましくは2〜10、最も好ましくは3〜8である。
化合物(b)としては、なかでも、下記式(b-1)〜(b-5)で表される化合物、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、及びジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルから選択される少なくとも1種が好ましく、特に低粘度で塗布性に優れる点において好ましくは下記式(b-1)〜(b-5)で表される化合物から選択される少なくとも1種であり、最も好ましくは下記式(b-1)〜(b-4)で表される化合物から選択される少なくとも1種である。
(ビニルエーテル化合物(A))
接着剤(1)は、カチオン重合性モノマーとして、上述の化合物(I)以外にも、ビニルエーテル基を1分子中に少なくとも1個有し、且つ水酸基を有さない化合物(本明細書においては「ビニルエーテル化合物(A)」と称する場合がある)を1種又は2種以上含有していてもよい。ビニルエーテル化合物(A)は、ビニルエーテル基以外にも他のカチオン重合性基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基等)を有していてもよい。
ビニルエーテル化合物(A)は、例えば、下記式(a)で表される化合物が挙げられる。
−(O−CH=CH (a)
(式中、Rは、t価の炭化水素基、t価の複素環式基、又はこれらが単結合若しくは連結基を介して結合したt価の基を示し、tは1以上の整数を示す)
前記tは1以上の整数であり、例えば1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、特に好ましくは2〜5の整数である。
前記Rにおけるt価の炭化水素基及びt価の複素環式基としては、Rにおける2価の炭化水素基及び2価の複素環式基に対応する基が挙げられる。また、前記t価の炭化水素基及びt価の複素環式基は置換基を有していてもよく、前記置換基としてはRにおける2価の炭化水素基及び2価の複素環式基が有していてもよい置換基や、エポキシ基又はオキセタニル基を含む基が挙げられる。更に、前記連結基としては、Rにおける連結基と同様の例が挙げられる。前記Rとしては、なかでも脂環式又は複素環式骨格を有するt価の基が好ましい。
ビニルエーテル化合物(A)としては、下記式(a-1)〜(a-2)で表される化合物や、シクロヘキシルジメタノールモノビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、シクロヘキシルエチルビニルエーテル、メンチルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテル、1−アダマンチルビニルエーテル、2−アダマンチルビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が好ましい。
(エポキシ化合物(B))
接着剤(1)は、カチオン重合性モノマーとして、上述の化合物(I)や化合物(b)以外にも、エポキシ基を1分子中に少なくとも1個有し、且つ水酸基を有さない化合物(ビニルエーテル基を有する化合物を除く;本明細書においては「エポキシ化合物(B)」と称する場合がある)を1種又は2種以上含有していてもよい。エポキシ化合物(B)は、エポキシ基以外にも他のカチオン重合性基(例えば、オキセタニル基)を有していてもよい。
前記エポキシ基には、下記式(e-1)で表されるシクロヘキセンオキシド基等の、脂環(例えば、3〜8員の脂環)を構成する隣接する2個の炭素原子と、酸素原子とで構成される基(以後、「脂環式エポキシ基」と称する場合がある)や、下記式(e-2)で表されるエチレンオキシド基が含まれる。下記式中、Rは水素原子又はC1−3アルキル基を示す。
エポキシ化合物(B)としては、なかでもエポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物が硬化性に優れる点で好ましく、特に、脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物、エチレンオキシド基を1分子中に2個以上有する化合物、及び脂環式エポキシ基とエチレンオキシド基を1分子中にそれぞれ1個以上有する化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物としては、例えば、下記式(b’)で表される化合物が好ましい。
前記式(b’)中、Xは単結合又は連結基を示す。前記連結基としては、例えば、二価の炭化水素基、炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート基(−O−CO−O−)、アミド基(−CONH−)、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。
前記二価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、炭素数3〜18の二価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。炭素数3〜18の二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等が挙げられる。
前記炭素−炭素二重結合の一部又は全部がエポキシ化されたアルケニレン基(「エポキシ化アルケニレン基」と称する場合がある)におけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、ブタジエニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基等の炭素数2〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基等が挙げられる。特に、前記エポキシ化アルケニレン基としては、炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化されたアルケニレン基が好ましく、より好ましくは炭素−炭素二重結合の全部がエポキシ化された炭素数2〜4のアルケニレン基である。
前記式(b’)中のシクロヘキセンオキシド基には、置換基が結合していてもよく、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1−10アルキル基、C1−10アルコキシ基、C2−10アルケニルオキシ基、C6−14アリールオキシ基、C7−18アラルキルオキシ基、C1−10アシルオキシ基、C1−10アルコキシカルボニル基、C6−14アリールオキシカルボニル基、C7−18アラルキルオキシカルボニル基、エポキシ基含有基、オキセタニル基含有基、C1−10アシル基、イソシアナート基、スルホ基、カルバモイル基、オキソ基等が挙げられる。
前記式(b’)で表される化合物の代表的な例としては、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、1,2−エポキシ−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)プロパン、1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エタンや、下記式(b’-1)〜(b’-8)で表される化合物等が挙げられる。尚、下記式(b’-5)中のLは炭素数1〜8のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等の炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基)を示す。また、下記式(b’-5)(b’-7)中のn、nは、それぞれ1〜30の整数を示す。
脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物には、更に、下記式(b’-9)(b’-10)で表される化合物も含まれる。下記式(b’-9)(b’-10)中のn〜nは、同一又は異なって1〜30の整数を示す。
エチレンオキシド基を1分子中に2個以上有する化合物としては、例えば、水素化ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、水素化ビフェノール型ジグリシジルエーテル、水素化フェノールノボラック型ジグリシジルエーテル、水素化クレゾールノボラック型ジグリシジルエーテル等の脂環式グリシジルエーテル;ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、ビフェノール型ジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型ジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型ジグリシジルエーテル等の芳香族グリシジルエーテル;下記式(b”)で表される化合物等が挙げられる。
式(b”)中、R”は、p価のアルコールの構造式からp個の水酸基(−OH)を除いた基(p価の有機基)であり、p、nはそれぞれ自然数を表す。p価のアルコール[R”(OH)p]としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール等の多価アルコール(炭素数1〜15の多価アルコール等)等が挙げられる。pは1〜6が好ましく、nは1〜30が好ましい。pが2以上の場合、それぞれの[ ]内(外側の角括弧内)の基におけるnは同一でもよく異なっていてもよい。前記式(b”)で表される化合物としては、具体的には、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物[例えば、商品名「EHPE3150」((株)ダイセル製)等]等が挙げられる。
が挙げられる。
脂環式エポキシ基とエチレンオキシド基を1分子中にそれぞれ1個以上有する化合物としては、例えば、1,2:8,9−ジエポキシリモネン等が挙げられる。
エポキシ化合物(B)としては、脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物(特に、式(b’)で表される化合物)を含有することが、速硬化性を有し、高硬度の硬化物が得られる点で好ましい。
(オキセタン化合物(C))
接着剤(1)は、カチオン重合性モノマーとして、上述の化合物(I)以外にも、オキセタニル基を1分子中に少なくとも1個有し、且つ水酸基を有さない化合物(ビニルエーテル基及び/又はエポキシ基を有する化合物を除く;本明細書においては「オキセタン化合物(C)」と称する場合がある)を1種又は2種以上含有していてもよい。
オキセタン化合物(C)は、例えば、下記式(c)で表される。
(式中、Rは1価の有機基を示し、Rは水素原子又はエチル基を示す。mは0以上の整数を示す)
前記Rにおける1価の有機基には1価の炭化水素基、1価の複素環式基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基等)、置換カルバモイル基(N−アルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基等)、アシル基(アセチル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基等)、及びこれらの2以上が単結合又は連結基を介して結合した1価の基が含まれる。
前記1価の炭化水素基、及び1価の複素環式基としては、前記Rにおける2価の炭化水素基及び2価の複素環式基に対応する基が挙げられる。前記連結基としては、前記Rにおける連結基と同様の例が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよく、置換基としてはRにおける炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の例が挙げられる。
前記mは0以上の整数を示し、例えば0〜20の整数、好ましくは0〜1の整数である。
オキセタン化合物(C)としては、なかでも、オキセタニル基を1分子中に2個以上有する化合物を使用することが、速硬化性を有し、高硬度の硬化物が得られる点で好ましく、例えば、下記式(c-1)で表される化合物、及び下記式(c-2)で表される化合物等が好ましい。本発明においては、例えば、「アロンオキセタンOXT−221」、「アロンオキセタンOXT−121」(以上、東亞合成(株)製)等の市販品を使用することができる。
接着剤(1)は、カチオン重合性モノマーを、接着剤(1)全量(100重量%)の、例えば50〜99.9重量%(好ましくは70〜98重量%)含有する。接着剤(1)は、カチオン重合性モノマーとして、前記化合物(I)及び化合物(b)を少なくとも含有し、更に、前記ビニルエーテル化合物(A)、エポキシ化合物(B)、及びオキセタン化合物(C)から選択される1種又は2種以上を含有していてもよい。
前記化合物(I)の含有量は、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の10重量%以上(例えば10〜65重量%)が好ましく、特に樹脂フィルムへの密着性に優れる硬化物が得られる点で、下限は25重量%が好ましく、より好ましくは30重量%、特に好ましくは33重量%、最も好ましくは35重量%である。また、特に高硬度を有する硬化物が得られる点で、上限は55重量%が好ましく、特に好ましくは50重量%、最も好ましくは45重量%である。化合物(I)の含有量が前記範囲を下回ると、ガラスに対する密着性が低下するため好ましくない。
ビニルエーテル基を少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有する化合物(i-1-1)及びオキセタニル基を少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有する化合物(i-3-1)の含有量は、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の25重量%以上(例えば、25〜65重量%)であることが、樹脂フィルムへの密着性に優れ、高硬度を有する硬化物が得られる点で好ましく、特に硬化性に優れる点で25重量%以上、60重量%未満が好ましく、最も好ましくは25〜55重量%、とりわけ好ましくは25〜45重量%である。
ビニルエーテル基1個と水酸基1個とを有する化合物(i-1-1)の含有量は、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の例えば30重量%以下、好ましくは25重量%以下、最も好ましくは18重量%以下である。
オキセタニル基1個と水酸基1個とを有する化合物(i-3-1)の含有量は、樹脂フィルムへの密着性に優れ、高硬度を有する硬化物が得られる点で、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の15重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以上である。また、硬化性の観点から、含有量の上限は、例えば55重量%、より好ましくは45重量%、とりわけ好ましくは40重量%である。
前記化合物(b)の含有量は、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の5重量%以上が好ましく、速硬化性を有し、ガラスに対して優れた密着性を有する高硬度の硬化物が得られる点で、より好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは12〜40重量%、最も好ましくは18〜30重量%である。化合物(b)の含有量が前記範囲を下回ると、得られる硬化物の耐クラック性が低下して、脆くなる傾向があるため好ましくない。
前記化合物(I)/化合物(b)の重量比は、ガラスに対して優れた密着性を有する硬化物が得られる点で、例えば0.5以上であり、好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.1以上、最も好ましくは1.3以上である。また、前記重量比の上限は、例えば6.5、好ましくは5.5、特に好ましくは3.0、最も好ましくは2.5、とりわけ好ましくは2.0である。
前記化合物(I)、及び化合物(b)以外の化合物であって、1分子中に、ビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を2個以上有する化合物の含有量は、硬化性の観点から、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の例えば15重量%以上、好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以上、最も好ましくは30重量%以上である。尚、含有量の上限は、高硬度、且つガラスに対して優れた密着性を有する硬化物が得られる点で、例えば55重量%、好ましくは50重量%である。
前記化合物(b)以外の化合物であって、エポキシ基を1分子中に2個以上有し、且つ水酸基を有さない化合物(好ましくは脂環式エポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物、特に好ましくは式(b’)で表される化合物)の含有量は、速硬化性を有し、高硬度の硬化物が得られる点で、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の例えば10重量%以上が好ましく、より好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以である。尚、含有量の上限は、高硬度、且つガラスに対して優れた密着性を有する硬化物が得られる点で、例えば50重量%、好ましくは45重量%、特に好ましくは43重量%である。
ビニルエーテル基を1分子中に2個以上有し、且つ水酸基を有さない化合物の含有量は、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の、例えば20重量%以下であり、好ましくは15重量%以下である。
オキセタニル基を1分子中に2個以上有し、且つ水酸基を有さない化合物の含有量は、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の、例えば20重量%以下であり、好ましくは15重量%以下である。
1分子中に、ビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を1個有し、且つ水酸基を有さない化合物の含有量は、硬化性の観点から、接着剤(1)に含まれるカチオン重合性モノマー全量の例えば30重量%未満であることが好ましく、より好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下、とりわけ好ましくは1重量%以下である。
(硬化触媒)
前記硬化触媒には、公知乃至慣用の光カチオン重合開始剤、及び光ラジカル重合開始剤が含まれる。前記接着剤は、硬化触媒として少なくとも光カチオン重合開始剤を含有することが好ましく、特に光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤を共に含有することが、接着剤の硬化反応をより効率的に進行させることができ、とりわけ高硬度を有する硬化物が得られる点で好ましい。また、前記ラジカル硬化型接着剤は、硬化触媒として少なくとも光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
前記光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩系化合物、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、セレニウム塩系化合物、オキソニウム塩系化合物、アンモニウム塩系化合物、臭素塩系化合物等が挙げられる。本発明においては、例えば、商品名「CPI−101A」、「CPI−100P」、「CPI−110P」(以上、サンアプロ(株)製)、商品名「CYRACURE UVI−6990」、「CYRACURE UVI−6992」(以上、ダウ・ケミカル社製)、商品名「UVACURE1590」(ダイセル・オルネクス(株)製)、商品名「CD−1010」、「CD−1011」、「CD−1012」(以上、米国サートマー製);商品名「イルガキュア−264」(BASF製)、商品名「CIT−1682」(日本曹達(株)製)、商品名「PHOTOINITIATOR 2074」(ローディアジャパン(株)製)等の市販品を好ましく使用することができる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等が挙げられる。本発明においては、例えば、商品名「イルガキュア−184」、「イルガキュア−127」、「イルガキュア−149」、「イルガキュア−261」、「イルガキュア−369」、「イルガキュア−500」、「イルガキュア−651」、「イルガキュア−754」、「イルガキュア−784」、「イルガキュア−819」、「イルガキュア−907」、「イルガキュア−1116」、「イルガキュア−1173」、「イルガキュア−1664」、「イルガキュア−1700」、「イルガキュア−1800」、「イルガキュア−1850」、「イルガキュア−2959」、「イルガキュア−4043」、「ダロキュア−1173」、「ダロキュア−MBF」(BASF製)等の市販品を好ましく使用することができる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記カチオン硬化型接着剤は、硬化触媒として光カチオン重合開始剤を使用することが好ましく、その使用量は、カチオン重合性モノマー100重量部に対して、例えば0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは1〜10重量部である。
また、硬化触媒として光ラジカル重合開始剤を光カチオン重合開始剤と共に使用する場合、光ラジカル重合開始剤の使用量は、カチオン重合性モノマー100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、特に好ましくは0.5〜3重量部、最も好ましくは0.5〜2重量部である。
接着剤12は更に溶剤を含有してもよいが、無溶剤系であること、すなわち溶剤を含有しないことが、乾燥性を向上することができる点、溶剤により劣化しやすい樹脂フィルム2にも適用可能となる点、及び溶剤の揮発による臭気の発生を防止することができる点で好ましい。前記溶剤の含有量は接着剤12の全量(100重量%)の例えば10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
接着剤12は、必要に応じて他の成分を含有していてもよく、例えば、周知慣用の増感剤(例えば、アクリジン化合物、ベンゾフラビン類、ペリレン類、アントラセン類、チオキサントン化合物類、レーザ色素類等)、増感助剤、酸化防止剤、アミン類等の安定化剤等が挙げられる。特に、前記接着剤をUV−LEDを照射して硬化させる用途に使用する場合には、増感剤、及び必要に応じて増感助剤を含有することが、硬化触媒の光照射又は加熱処理光吸収率を向上して硬化性を向上することができる点で好ましい。例えば、接着剤(1)を用いる場合、これらの含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、カチオン重合性モノマー100重量部に対して、例えば0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
また、増感剤としては、例えば、下記式(d-1)で表される化合物と下記式(d-2)で表される化合物を併用すると、得られる硬化物の意図しない着色を極めて低く抑制することができる点で好ましく、これらの化合物の併用割合[式(d-1)で表される化合物/式(d-2)で表される化合物;重量比]は、例えば0.01〜1.0、好ましくは0.1〜0.5、特に好ましくは0.2〜0.5である。尚、下記式(d-1)で表される化合物としては、例えば商品名「アントラキュアー UVS−1331」(川崎化成工業(株)製)を使用することができる。また、下記式(d-2)で表される化合物としては、例えば商品名「アントラキュアー UVS−581」(川崎化成工業(株)製)を使用することができる。
(色材)
接着剤12に含まれる色材としては、例えば顔料と染料が挙げられる。
<顔料>
前記顔料としては、一般に顔料として知られ、接着剤12中に分散可能なものであれば、特に制限なく使用することができる。顔料の平均粒子径は、例えば300nm以下であることが、吐出性及びインク飛翔性に優れ、高精度の加飾を施すことができる点で好ましい。前記顔料は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記顔料は、発色・着色性に加えて、磁性、蛍光性、導電性、又は誘電性等を併せて有するものであってもよい。この場合には、画像に様々な機能を付与することができる。
前記顔料としては、例えば、土製顔料(例えば、オーカー、アンバー等)、ラピスラズリ、アズライト、白亜、胡粉、鉛白、バーミリオン、ウルトラマリン、ビリジャン、カドミウムレッド、炭素顔料(例えば、カーボンブラック、カーボンリファインド、カーボンナノチューブ等)、金属酸化物顔料(例えば、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄等)、金属硫化物顔料(例えば、硫化亜鉛等)、金属硫酸塩、金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、金属ケイ酸塩、金属リン酸塩、金属粉末(例えば、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末、亜鉛粉末等)等の無機顔料;不溶性アゾ顔料(例えば、モノアゾイエロー、モノアゾレッド、モノアゾバイオレット、ジスアゾイエロー、ジスアゾオレンジ、ピラゾロン顔料等)、溶性アゾ顔料(例えば、アゾイエローレーキ、アゾレーキレッド等)、ベンズイミダゾロン顔料、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、縮合アゾ顔料、キナクリドン顔料(例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等)、ペリレン顔料(例えば、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等)、ペリノン顔料(例えば、ペリノンオレンジ等)、イソインドリノン顔料(例えば、イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等)、イソインドリン顔料(例えば、イソインドリンイエロー等)、ジオキサジン顔料(例えば、ジオキサジンバイオレット等)、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料(例えば、キノフタロンイエロー等)、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料(例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等)、染料レーキ顔料等の有機顔料;無機蛍光体や有機蛍光体等の蛍光顔料等が挙げられる。
<染料>
前記染料としては、例えば、ニトロアニリン系、フェニルモノアゾ系、ピリドンアゾ系、キノフタロン系、スチリル系、アントラキノン系、ナフタルイミドアゾ系、ベンゾチアゾリルアゾ系、フェニルジスアゾ系、チアゾリルアゾ系染料等が挙げられる。
接着剤12が、カチオン硬化型接着剤の場合、前記色材(顔料及び/又は染料)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、カチオン重合性モノマー100重量部に対して、例えば0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
(分散剤)
接着剤12は、前記色材の分散性を向上するために分散剤を含有することが好ましい。
前記分散剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、イオン系界面活性剤、帯電剤、高分子系分散剤(例えば、商品名「Solsperse24000」、「Solsperse32000」、以上アビシア社製、「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」、「アジスパーPB824」、「アジスパーPB881」、「アジスパーPN411」、「アジスパーPN411」、以上味の素ファインテクノ(株)製)等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着剤12は、色材と共に分散剤を含有することが、色材の分散性を向上することができる点で好ましく、前記分散剤の含有量は、色材(顔料及び/又は染料)100重量部に対して、例えば1〜50重量部、好ましくは3〜30重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。
接着剤12は、使用する接着剤の種類に応じて、必要に応じて他の成分と共に、自公転式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、3本ロールミル、ビーズミル等の一般的に知られる混合用機器を使用して均一に混合することにより製造することができる。尚、各成分は、同時に混合してもよいし、逐次混合してもよい。
接着剤12の表面張力(30℃、1気圧下における)は、例えば10〜50mN/mが好ましい。また、接着剤12の粘度[25℃、せん断速度100(1/s)における]は、流動性に優れ、インクジェット印刷機等を用いて塗布する場合は吐出性に優れる点で、1〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは5〜500mPa・s、特に好ましくは10〜100mPa・s、最も好ましくは10〜50mPa・s、とりわけ好ましくは10〜30mPa・sである。
尚、接着剤12の表面張力は、例えば高精度表面張力計「DY−700」(協和界面科学(株)製)を使用し、Wilhelmy法(プレート法)にて測定することができる。
以下、図3(a)〜(d)を参照しつつ、図1に示す積層体1の製造方法の一例について説明する。
[積層体1の製造方法]
積層体1は、以下の工程を含む製造方法により得ることができる。
ガラス板及び樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、色材を含有する接着剤を付与するする工程と、
前記接着剤を介して、前記ガラス板と、前記樹脂フィルムとを貼り合わせる工程と、
前記ガラス板及び前記樹脂フィルムの間の前記接着剤を硬化させる工程
を含む、積層体の製造方法。
(接着剤を付与する工程)
先ず、図3(a)に示すように、樹脂フィルム2上に、吐出手段や塗布手段により接着剤12(本実施形態では接着剤(1))を付与する。
接着剤12として、接着剤(1)を用いる場合は、流動性と吐出性に優れるため、インクジェット印刷機11を用いて吐出(若しくは、噴出)する方式を好ましく用いることができる。接着剤(1)を、インクジェット印刷機で吐出すれば、ガラス板4や樹脂フィルム2上に、任意の絵柄を非常に高精度に表現できる。樹脂フィルム2上に付与された接着剤12は、図3(b)に示す状態となる。
接着剤12のその他の付与方法としては、各接着剤に応じた方法を適宜選択することができる。例えば、スクリーン印刷法、マスク印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スキージ印刷法、シルクスクリーン印刷法、スタンピング、ディスペンス、噴霧、刷毛塗り等が挙げることができる。熱可塑性接着剤を使用する場合は、加熱手段を備える装置(例えば、ホットメルト装置)内に、熱可塑性接着剤を充填し、溶融温度以上(例えば、約200℃)に加熱することにより液状化させて塗布することができる。
(貼り合わせる工程)
図3(c)に示すように、接着剤12を介して、ガラス板4と、樹脂フィルム2とを貼り合わせる。
前記工程に用いる方法としては、特に制限はなく、例えば、プレス法、各種ラミネート法(例えば、押出ラミネート法、ドライラミネート法、ノンソルベントドライラミネート法、真空ラミネート法)等を挙げることができる。
貼り合わせに際して、樹脂フィルム2は、樹脂フィルム2のMD方向が積層体の屈曲方向(=優れた屈曲耐久性を示す屈折方向)とほぼ平行(樹脂フィルムのMD方向と積層体の屈曲方向の交差角は、例えば30°以下、好ましくは20°以下、特に好ましくは10°以下、最も好ましくは5°以下)となるように、若しくは、樹脂フィルムのMD方向が積層体を屈曲方向に折り曲げた場合に生じる折線とほぼ垂直(樹脂フィルムのMD方向と前記折線の交差角は、例えば60〜120°、好ましくは70〜110°、特に好ましくは80〜100°、最も好ましくは85〜95°)に交わるように、貼り合わせ方向を調整して積層することが、屈曲耐久性に特に優れる積層体が得られる点で好ましい(図4参照)。
尚、MD方向とは、樹脂フィルム2を射出成形により製造する際に溶融樹脂が流れる方向であり、TD方向(MD方向に直交する方向であり、幅方向)に比べて機械的強度に優れる。樹脂フィルム2のMD方向、及びTD方向は、例えば2次元複屈折装置(PA−100、(株)フォトニックラティス製)を用いて計測される、複屈折の配向方向によって確認できる。
(硬化させる工程)
図3(d)に示すように、ガラス板4及び樹脂フィルム2の間の接着剤12を硬化させて、接着層3を得る。
接着剤12の硬化は、各接着剤に応じた方法で行うことができる。例えば紫外線硬化型接着剤を使用する場合は、紫外線を照射することにより硬化させることができる。紫外線の照射光源としては、例えば、350nm以上450nm以下の波長の光である。また、前記紫外線の照射量(積算光量)は、例えば10〜5000mJ/cmである。
尚、接着剤12として、接着剤(1)を用いる場合は、紫外線を照射することにより硬化させることができる。得られる硬化物(接着層3)は、高硬度で、ガラス板4及び樹脂フィルム2との密着性にも優れる。
前記紫外線照射に加えて加熱処理を施してもよい。加熱処理を施すことにより、硬化度をより一層向上させることができる。加熱処理を施す場合、加熱温度は40〜200℃程度であり、加熱時間は1分〜15時間程度である。また、紫外線を照射した後に、室温(20℃)で1〜48時間程度静置することでも硬化度を向上させることができる。
熱可塑性接着剤を使用する場合は、加熱により軟化した接着剤を空冷、又は必要に応じて冷却することにより硬化(若しくは、固化)させることができる。
(その他の工程)
その他の工程としては、特に制限はなく、用途に応じて適宜行うことができる。例えば、更に他の層と積層一体化する工程、搬送工程などが挙げられる。
[積層体の製造装置]
本発明の積層体の製造装置は、以下の手段を含む製造装置である。
ガラス板及び樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、色材を含有する接着剤を付与する手段と、
前記接着剤を介して、前記ガラス板と、前記樹脂フィルムとを貼り合わせる手段と、
前記ガラス板及び前記樹脂フィルムの間の前記接着剤を硬化させる手段、
を含む、積層体の製造装置。
前記接着剤を付与する手段としては、例えば、連続噴射型、オンデマンド型等のインクジェット印刷機、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター等の塗布装置が挙げられる。
前記貼り合わせ手段としては、例えば、プレス装置、ラミネート装置等を挙げることができる。
前記硬化させる手段としては、例えば、UV−LED、低、中、又は高圧水銀ランプのような水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、アーク灯、エキシマランプ、エキシマレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、レーザと非線形光学結晶とを組み合わせたレーザシステム、高周波誘起紫外線発生装置等が挙げられる。
本発明の積層体の製造装置は、用途に応じて適宜その他の手段を有していてもよい。例えば、更に他の層と積層一体化する手段、搬送手段などが挙げられる。
[巻回体]
積層体1は、厚みが150μm以下のガラス板と、接着剤(1)を用いた場合は、屈曲性に優れるため、ロール状に巻回することにより巻回体を形成することができる。本発明の巻回体は、可とう性に優れるため、連続的に製造され、必要に応じて所定の幅に切断(スリット)等を行い、巻き取って巻回体とすることができる。本発明の巻回体は、嵩張らずに保存することができ、運搬も容易である。
本発明の成形体について、図5、図6を参照しつつ説明する。
[成形体21]
図5に示す成形体21は、積層体1を成形してなる。成形体21の厚みや形状は、特に制限されず、用途に応じて適宜調整することができる。
成形体21の成形方法としては、特に制限されず、真空成形、圧空成形、プレス成形等から適宜選択することができる。
以下、図6(a)〜(c)を参照しつつ、図5に示す成形体21の製造方法の一例(プレス成形法)について説明する。
図6(a)に示すように、積層体1を、プレス成形用装置の雌型51aの表面にセットする。このときガラス板4側を、キャビティ形成面52と接する向きに配置する。必要に応じて、積層体1や金型は予め加熱しておいてもよい。次いで、雄型51bを降下しプレスすることで立体形状に成形する(図6(b))。このとき、積層体1が、厚み150μm以下のガラス板4と、接着剤(1)を用いて接着層3を形成したものである場合、可とう性に一層優れるため、キャビティ形成面52への追従性が良好なものとなる。また、積層体1は、ガラス板4と樹脂フィルム2が接着層3により複合化された構造であるため、加工時に、ガラス板4に割れやクラックが発生することを抑制することができる。このため、成形体の不良発生率を低減することができる。プレス成形することにより、成形体21(図6(c))が製造される。
前記プレス成形法におけるプレス圧力、金型温度、金型締切速度等の成形条件は、積層体1の可とう性、積層構造に応じて、成形体の不良率を低減すること等を考慮して適宜調整される。
本発明の加飾体について、図7〜10を参照しつつ説明する。
[加飾体31,41]
図7に示す加飾体31は、積層体1と、接着層5と、被加飾体である基材層6とを備える。
本発明の加飾体では、積層体1は、射出成形用のインサート材として用いられてもよい。インサート材として用いる場合、積層体1は、射出成形と同時に、樹脂成形品7表面の少なくとも一部を被覆して一体化され、加飾体41を構成する(図8、図9(a)〜(c)、図10(a)、(b)参照)。尚、図7に示される加飾体31も同様に、インサート材として好適に用いることができる。
前記被加飾体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ビニロン樹脂、アセテート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂等、あるいはこれらの複合体からなる樹脂基材;金属基材;セラミックス基材;半導体基材;ガラス基材;紙基材;木基材(木製基材)等、公知乃至慣用の基材;樹脂成形品等を挙げることができる。
前記被加飾体として樹脂成形品を用いる場合、前記樹脂成形品を構成する樹脂としては、加飾体41の用途に応じて、公知乃至慣用の熱可塑性樹脂から用途に応じて選択することができる。例えば、ABS系樹脂、PMMA樹脂のようなアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、各種ポリアミド系樹脂、COP樹脂、更には、スチレンイソプレン系熱可塑性エラストマー、スチレンブタジエン系熱可塑性エラストマー及びスチレン・イソプレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー等の各種エラストマー樹脂などが挙げられる。また、これらは、フィラー等を配合したコンパウンド品や、複数種の樹脂をアロイ化又はブレンド化した混合品であってもよい。
また被加飾体と樹脂フィルム2との間の密着性を向上させるために、又は前記基材間の接着のために必要に応じて接着層5(すなわち接着層3以外の接着層)を設けてもよい。接着層は、被加飾体の材質に応じて、親和性のある接着剤を選択することが好ましい。例えば、被加飾体の材質がアクリル系樹脂の場合には、アクリル系樹脂を用いるとよい。接着層の形成方法としては、スクリーン印刷法、マスク印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スキージ印刷法、シルクスクリーン印刷法、スタンピング、ディスペンス、噴霧、刷毛塗り等が挙げることができる。
加飾体31、41の製造方法は、真空成形、プレス成形、圧空成形、射出成形等の金型成形による方法等が挙げられる。なかでも、三次元形状の加飾体を得る場合には、成形と加飾を同時に行え、作業工程を簡略化できる観点から、射出成形法により製造することが好ましい。
以下、図9(a)〜(c)、図10(a)、(b)を参照しつつ、図8に示す加飾体41の製造方法の一例について説明する。
図9(a)に示すように、積層体1を射出成形用金型の可動型61の表面にセットする。このときガラス板4側を、キャビティ形成面65と接する向きに配置する。次いで射出成形用の可動型61の凹部と積層体1との間の空間を密着させる手段を用いる。図9(a)では、真空吸引孔63から排気して空間内の気圧を下げることによって真空吸引64する。尚、真空吸引64以外にも、金型形状に応じて、圧空により密着させてもよい。次いで、積層体1を射出成形用の可動型61の凹部すなわちキャビティ形成面65に沿うように立体形状に加工し、成形された積層体1を得る。このとき、積層体1が、厚み150μm以下のガラス板4と、接着剤(1)を用いて接着層3を形成したものである場合、可とう性に一層優れるため、キャビティ形成面65への追従性が良好なものとなる。また、積層体1は、ガラス板4と樹脂フィルム2が接着層3を介して複合化された構造であるため、加工時にガラス板4に割れやクラックが発生することを抑制することができる。このため、加飾体の不良発生率を低減することができる。立体形状に加工する際、あるいはクランプ部材(図示せず)で積層体1を押さえ付けて固定する際には、積層体1の不要部分の打ち抜き加工をしてもよい。
尚、上記方法に代えて、図10(a)に示すように、射出成形用の可動型61と固定型62とは別の立体加工成形用型71を用いて、予備成形を行ってもよい。立体加工成形用型71の成形面前面に積層体1を配置する。次いで立体加工成形用型71(可動型41と同一形状)の凹部と積層体1との間の空間を密閉して真空吸引孔63から排気して空間内の気圧を下げることによって真空吸引64し、キャビティ形成面65に沿うように立体形状に積層体1を成形する。次いで、図10(b)に示すように、射出成形用の可動型61のキャビティ形成面65に、立体加工成形された積層体1(成形体21)をはめ込むようにしてもよい。
次に、図9(b)に示すように、固定型62に対して可動型61を型閉めして溶融状態の成形樹脂68を固定型62のゲート部67からキャビティ66内に射出し、成形樹脂68を固化させてキャビティ66内で樹脂成形品7を形成すると同時に、その表面に積層体1を一体化接着させて、図9(c)に示す加飾体41を得る。
成形樹脂68は、特に限定されることはなく、前述の被加飾体の樹脂成形品を構成する公知乃至慣用の熱可塑性樹脂から、用途に応じて選択することができる。
射出成形条件は、熱可塑性樹脂の熱的特性や溶融温度、加飾体の形状、厚み、に応じて必要な条件(例えば、樹脂温度、金型温度、射出圧、射出速度、射出後の保圧、冷却時間)を適宜調節することができる。
その後、加飾体41を可動型61から取り出したのち、加飾体41に接着した積層体1のうち不要な部分を除去する。尚、予め所望の形状に打ち抜き加工していた場合には、積層体1の不要な部分を除去する作業は不要である。
積層体1、成形体21、加飾体31、41は、前述したような特徴を生かして、物品の表面を加飾するための用途に利用されうる。特に、高い意匠性とガラス特有の特性が求められる用途に、好ましく使用することができる。例えば、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末等の電気・電子機器;テレビ、VTR、DVD装置、ブルーレイディスク装置、時計、カメラ、アイロン、ヘアードライヤー、ヘアアイロン、炊飯器、トースター、電子レンジ、冷蔵庫、掃除機、音響機器、音声機器、照明機器、エアコン、加湿器等の家電製品;パソコン、ノートパソコン、CRTディスプレイ、コピー機、ファックス、記録媒体のドライブプリンター、タイプライター、ワードプロセッサー等のOA機器;アミューズメント機器;福祉機器、医療機器;等の筐体や、車両、航空機等の内装部品、建材、家具等の外装部材等に好ましく使用されうる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
調製例1(接着剤の調製)
表1(単位は重量部)に記載の処方通りに各成分を混合して、接着剤を得た。得られた接着剤の25℃、せん断速度100(1/s)における粘度を、E型粘度計(商品名「VISCOMETER TV-25」、東機産業(株)製)を用いて測定したところ、22.6mPa・sであった。
調製例2〜31、比較調製例1〜3
表1(単位は重量部)に記載の通りに処方を変更した以外は調製例1と同様にして接着剤を得た。
(接着剤の密着性評価)
調製例及び比較調製例で得られた接着剤をガラス板4(商品名「S9112」、松浪硝子工業(株)製)に塗布し(塗膜厚み:5μm)、空気雰囲気下、光源としてLED照射器を使用して365nmの光を照射して硬化物/ガラス板からなる積層体を得た。
前記の積層体を、密着性試験(クロスカット法;JIS K5600−5−6(ISO2409)に準拠)に付し、6段階分類試験によって密着性を評価した。
(接着剤の耐カール性評価(1))
調製例及び比較調製例で得られた接着剤を、樹脂フィルム2としてのPETフィルム(サイズ:縦×横=1cm×7cm、厚み:100μm)に塗布し(塗膜厚み:10μm)、空気雰囲気下、LED照射器を用いて365nmの光を、タック性がなくなるまで照射して硬化物/PETからなる積層体を得た。
得られた硬化物/PET積層体(サイズ:縦×横=1cm×7cm)を試験片とし、これを水平面に置き、試験片の短辺の一方を押さえた際に短辺のもう一方が水平面から浮く量を測定し、下記基準で耐カール性を評価した(図11)。尚、浮き量が少ない方が耐カール性に優れる。
◎:浮き量が1mm未満
○:浮き量が1mm以上、2mm未満
△:浮き量が2mm以上、5mm未満
×:浮き量が5mm以上
結果を下記表1にまとめて示す。各調整例の接着剤の密着性、耐カール性は何れも良好であった。各調製例の接着剤の硬化物は、色材の含有の有無に関わらず、密着性に差は認められなかった。
尚、表1中の略号を以下に説明する。
<化合物(I)>
HEVE:エチレングリコールモノビニルエーテル
HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル
DEGMVE:ジエチレングリコールモノビニルエーテル
OXT101:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、商品名「アロンオキセタン OXT−101」、東亞合成(株)製
<化合物(b)>
1,6−HDGE:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
1,4−BDGE:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
1,2−EDGE:エチレングリコールジグリシジルエーテル
NPGDGE:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
YH300:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
<その他のカチオン重合性モノマー>
ISBDVE:イソソルビドジビニルエーテル、商品名「ISB−DVE」、(株)ダイセル製
ONBDVE:オキサノルボルネンジビニルエーテル
CHDVE:1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル
2021P:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、商品名「セロキサイド2021P」、(株)ダイセル製
b’−1:(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル
2−EHVE:2−エチルヘキシルビニルエーテル
TEGDVE:トリエチレングリコールジビニルエーテル
OXT212:3−エチル−3−[(2−エチルヘキシルオキシ)メチル]オキセタン、商品名「アロンオキセタン OXT−212」、東亞合成(株)製
OXT221:ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、商品名「アロンオキセタン OXT−221」、東亞合成(株)製
<ラジカル重合性モノマー>
DCPA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
VEEA:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル
<硬化触媒>
CPI−110P:ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロホスファート及びチオジ−p−フェニレンビス(ジフェニルスルホニウム) ビス(ヘキサフルオロホスファート)の混合物(99.5/0.5)、商品名「CPI−110P」、サンアプロ(株)製
<増感剤>
UVS1331:9,10−ジブトキシアントラセン、商品名「アントラキュアー UVS−1331」、川崎化成工業(株)製
UVS581:9,10−ジ(カプリロイルオキシ)アントラセン、商品名「アントラキュアー UVS−581」、川崎化成工業(株)製
実施例1〜10、比較例1(積層体)
図1に示す構成の積層体1を、以下の方法により作製した。
実施例1
樹脂フィルム2として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、品番:A4300、東洋紡(株)製、サイズ:縦×横=4cm×5cm、厚み:75μm)上に、調製例31(白色)と調製例1(透明色)で得られた接着剤12を、透明部と白色部が1:1の面積比を有し、乾燥後の厚みが15μmとなるよう、インクジェット印刷機のインクジェットヘッドから吐出した。次いで、接着剤12を介して、ガラス板4(商品名「G−leaf」、日本電気硝子(株)製、厚み50μm)とPETとを貼り合わせた。次いで、G−leafとPETの間の接着剤12を、空気雰囲気下、LED照射器を用いて365nmの光を照射(照射量:2000mJ/cm)して硬化させ、PET/有色部を含む接着層3/G−leafの構成の積層体を得た。積層体のG−leaf表面の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4(ISO/DIN15184)に準拠した方法で測定したところ、(9H)であった。得られた積層体は、透明部と白色部に加飾されたものであり、ガラス特有の透明感、上質感、高級感を備えていた。
(可とう性評価)
実施例1の積層体、比較例1としてG−leaf(厚み50μm)のみについて、25℃において、市販の万力で試験片を挟み、破壊するまで荷重をかけ歪ませた。初めて積層体に割れが生じた半径を、最小曲げ半径(mm)とし、この最小曲げ半径から可とう性を評価した。尚、最小曲げ半径が小さい方が可とう性に優れる。結果を表2に示す。
(屈曲耐久性評価(1))
実施例1の積層体、比較例1のG−leaf(厚み50μm)のみを試験片として使用し、25℃において、前記試験片を平面上に水平に設置して伸ばした状態から、その中心部において、試験片を実施例1の場合は、G−leafの面が凹となる方向に、屈曲半径が3mmとなるように180°折り曲げ、その後、再び伸ばして元に戻す動作を1セットとし、1分間に43セットの速さで前記動作を行い、試験片にクラックが生じるまでのセット数を屈曲耐久性の指標とした(図12、13参照)。結果を表2に示す。
(耐カール性評価(2))
実施例1の積層体(サイズ:縦×横=1cm×7cm)、比較例1のG−leaf(サイズ:縦×横=1cm×7cm、厚み:50μm)のみについて、前記耐カール性評価(1)と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
(評価)
実施例1の積層体は、比較例1のガラスの2.8倍の総厚みを有するにも関わらず、最少曲げ半径(mm)はほぼ同程度であった。また屈曲耐久性(セット)は、ガラス単体の比較例1は1セット未満であるのに対し、実施例1は驚くべきことに、10万セット超、実施しても試験片にクラックが生じなかった。
実施例2〜10(積層体の調製)
下記表に記載の樹脂フィルム2(サイズ:縦×横=4cm×5cm)上に、実施例1と同様の接着剤12を、透明部と白色部が1:1の面積比を有し、乾燥後の厚みが15μmとなるようにインクジェット印刷機のインクジェットヘッドから吐出した。次いで、接着剤12を介して、下記表に記載の最小曲げ半径を有するガラス板4(商品名「G−leaf」、日本電気硝子(株)製、厚み50μm)上に、これから得ようとする積層体の屈曲方向が、前記樹脂フィルムのMD方向、TD方向、若しくは複屈折の配向方向に対して45°の方向と平行になるよう貼り合わせた後、空気雰囲気下、LED照射器を用いて365nmの光を照射(照射量:2000mJ/cm)して硬化させ、樹脂フィルム2/有色部を含む接着層3/G−leaf積層体(各実施例につき、n=10)を得た。尚、最小曲げ半径は前記(可とう性評価)と同様の方法で測定した。
(屈曲耐久性評価(2))
得られた積層体(各サンプル数10)を平面上に水平に設置して伸ばした状態から、その中心部において、試験片をG−leafの面が凹となる方向に、屈曲半径が3mmとなるように180°折り曲げ、その後、再び伸ばして元に戻す動作を1セットとし、1分間に43セットの速さで2000セット行い、試験片にクラックが生じなかったサンプルの割合から屈曲耐久性を評価した。結果を表3に示す。
(評価)
実施例2〜10の積層体の2000セット屈曲耐久性(%)は、少なくとも20%以上であった。尚、実施例2と実施例8の屈曲耐久性(%)の相違は、ガラス板の最少曲げ半径が3mm未満又は3mm超、であるかの差に基づく。また、実施例2〜7は、積層体の屈曲方向が各樹脂フィルムのMD方向と平行になるように貼り合わせた例であるところ、2000セット屈曲耐久性(%)は、何れも100%と優れていた。
表3中の略号を以下に説明する。
<樹脂フィルム>
PET:二軸延伸PETフィルム、商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡(株)製
PEN:二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、商品名「テオネックスQ65HA」、帝人フィルムソリューション(株)社製
PAI:二軸延伸ポリアミドイミドフィルム、商品名「Taimide OT-050」、Taimide Tech. Inc.社製
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 積層体
2 樹脂フィルム
3 有色部を含む接着層
3A 接着層(有色部)
3B 接着層(透明部)
4 ガラス板
5 接着層
6 基材層
7 樹脂成形品
11 インクジェット印刷機
12 接着剤
21 成形体
31 加飾体
41 加飾体
50 キャビティ
51a 雌型
51b 雄型
52 キャビティ形成面
61 可動型
62 固定型
63 真空吸引孔
64 真空吸引
65 キャビティ形成面
66 キャビティ
67 ゲート部
68 成形樹脂
71 立体加工成形用型
81 試験片
82 浮き量
83 水平面

Claims (8)

  1. ガラス板と、樹脂フィルムと、当該ガラス板及び樹脂フィルムの間の有色部を含む接着層とを含む積層構造を有する積層体。
  2. 前記接着層は、下記接着剤(1)の硬化物である、請求項1に記載の積層体。
    接着剤(1):カチオン重合性モノマーと硬化触媒とを含有し、前記カチオン重合性モノマーとして、1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を少なくとも1個と、水酸基を少なくとも1個有する化合物、及び下記式(b)
    (式中、Rは、s価の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基、又は2個以上の直鎖状又は分岐鎖状飽和脂肪族炭化水素基がエーテル結合を介して結合したs価の基を示し、sは2以上の整数を示す)
    で表される化合物を少なくとも含有し、
    前記1分子中にビニルエーテル基、エポキシ基、及びオキセタニル基から選択されるカチオン重合性基を少なくとも1個と、水酸基を少なくとも1個有する化合物の含有量はカチオン重合性モノマー全量の10重量%以上であり、
    前記式(b)で表される化合物の含有量は、カチオン重合性モノマー全量の5重量%以上である。
  3. 請求項1又は2に記載の積層体がロール状に巻回されてなる、巻回体。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の積層体の成形体。
  5. 被加飾体と、前記被加飾体表面の少なくとも一部を被覆している請求項1又は2に記載の積層体とを備える、加飾体。
  6. 前記被加飾体は、樹脂成形品である請求項5に記載の加飾体。
  7. ガラス板及び樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、色材を含有する接着剤を付与するする工程と、
    前記接着剤を介して、前記ガラス板と、前記樹脂フィルムとを貼り合わせる工程と、
    前記ガラス板及び前記樹脂フィルムの間の前記接着剤を硬化させる工程、
    を含む、積層体の製造方法。
  8. ガラス板及び樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、色材を含有する接着剤を付与する手段と、
    前記接着剤を介して、前記ガラス板と、前記樹脂フィルムとを貼り合わせる手段と、
    前記ガラス板及び前記樹脂フィルムの間の前記接着剤を硬化させる手段、
    を含む、積層体の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023236349A1 (zh) * 2022-06-06 2023-12-14 韦尔通科技股份有限公司 一种高Tg、高粘接、耐老化的环氧胶黏剂组合物及其制备方法和应用

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