JP2020116501A - 洗煙排水中の水銀を除去する方法 - Google Patents

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【課題】洗煙排水中の水銀を簡便かつ安価に除去することが可能な方法を提供する。【解決手段】洗煙排水中の水銀を除去する方法であって、亜鉛含有廃材の加熱還元揮発を経て得られた粗酸化亜鉛と、水銀を含む洗煙排水とを用意する工程と、洗煙排水を粗酸化亜鉛と混合させて、洗煙排水中の水銀を粗酸化亜鉛に吸着させて除去する工程とを含む、方法。【選択図】図1

Description

本発明は、洗煙排水中の水銀を除去する方法に関する。
近年、人の健康や環境保護等を目的とした「水銀に関する水俣条約」の発効に伴い大気汚染防止法が改正される等、水銀の大気排出を規制する動きが高まっている。大気汚染防止法では、非鉄金属(銅、鉛、亜鉛及び工業金)製造施設や廃棄物焼却設備等の水銀排出施設における水銀の排出基準が定められている。したがって、かかる水銀排出施設では、当該基準を満たすべく、製錬工程や焙焼工程、焼却工程等で発生する排ガスに含まれる水銀を除去することが求められる。
この点、湿式スクラバーを用いて排ガスを洗浄することで、水銀を除去する手法が知られている。湿式スクラバーでは、洗浄塔内を循環する水と排ガスを接触させることにより、排ガスに含まれる水銀や硫黄酸化物(SOx)等の有害物質を水中に回収している。しかしながら、今度は排ガスを洗浄した後の排水である洗煙排水に含まれる水銀を除去することが望まれる。
ここで、キレート剤や活性炭等を用いて排水中の水銀を吸着除去する方法が提案されている。例えば、特許文献1(特開2015−128754号公報)には、排ガス中の硫黄酸化物の除去に用いられた脱硫排水にキレート剤を添加することにより、水銀を固定化する手法が開示されている。
ところで、亜鉛のリサイクルに関して、電炉ダスト等の廃棄物を加熱還元揮発する等して粗酸化亜鉛を作製し、得られた粗酸化亜鉛から金属亜鉛を回収することが一般的に行われている。例えば、特許文献2(特許第3727232号公報)には、酸化亜鉛及び酸化鉄を含有する原料の加熱還元を行い、生成した金属亜鉛蒸気の再酸化によって生じた粗酸化亜鉛と、生成した金属鉄含有物とをそれぞれ回収し、これらを混合及び加熱することで生成した金属亜鉛蒸気を凝縮して金属亜鉛を回収する手法が開示されている。
特開2015−128754号公報 特許第3727232号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるようなキレート剤、及び活性炭は高価であるため、洗煙排水中の水銀除去に要するコストが高くなる。
本発明者らは、今般、亜鉛含有廃材由来の粗酸化亜鉛を吸着剤として利用することで、洗煙排水中の水銀を簡便かつ安価に除去できるとの知見を得た。
したがって、本発明の目的は、洗煙排水中の水銀を簡便かつ安価に除去することが可能な方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、洗煙排水中の水銀を除去する方法であって、
亜鉛含有廃材の加熱還元揮発を経て得られた粗酸化亜鉛と、水銀を含む洗煙排水とを用意する工程と、
前記洗煙排水を前記粗酸化亜鉛と混合させて、前記洗煙排水中の水銀を前記粗酸化亜鉛に吸着させて除去する工程と、
を含む、方法が提供される。
例1で粗酸化亜鉛の作製に用いた廃棄物処理装置の概略図である。
本発明による洗煙排水中の水銀を除去する方法は、亜鉛含有廃材の加熱還元揮発を経て得られた粗酸化亜鉛と、水銀を含む洗煙排水とを用意する工程と、洗煙排水を粗酸化亜鉛と混合させて、洗煙排水中の水銀を粗酸化亜鉛に吸着させて除去する工程とを含む。
以下、本発明の方法を(1)粗酸化亜鉛の用意、(2)洗煙排水の用意、(3)粗酸化亜鉛及び洗煙排水の混合、及び(4)所望により行われる粗酸化亜鉛中の水銀の分離、の各操作に分けて順に説明する。
(1)粗酸化亜鉛の用意
本発明の方法に用いられる粗酸化亜鉛は、亜鉛含有廃材の加熱還元揮発を経て得られたものである。すなわち、亜鉛含有廃材をコークスや石炭等の還元剤とともに加熱することで、亜鉛含有廃材中の亜鉛酸化物等が還元揮発され、その後還元揮発した金属分を酸化、冷却ないし捕集することにより粗酸化亜鉛を得ることができる。このような粗酸化亜鉛は、亜鉛製錬用の亜鉛精鉱代替原料として亜鉛製錬業界で広く製造及び使用される低純度の酸化亜鉛であり、それ故、安価に入手可能なものである。粗酸化亜鉛は、粗酸化亜鉛の全重量に対して、典型的にはZnを40重量%以上80重量%以下含むものであり、より典型的には50重量%以上75%重量以下、さらに典型的には60重量%以上70重量%以下含む。したがって、粗酸化亜鉛は、上記範囲内の量のZnを含み、残部が亜鉛含有廃材由来の不可避不純物であるものということができる。亜鉛含有廃材は、亜鉛及び/又は亜鉛化合物を含む廃材である。亜鉛含有廃材は、亜鉛リサイクル用の原料であるのが好ましく、亜鉛リサイクル用原料の例としては、溶融飛灰、製鋼煙灰、汚泥、焼却飛灰、廃乾電池、製錬残渣等が挙げられる。亜鉛含有廃材には、亜鉛以外の金属分(例えば鉛や銅等)が含まれていてもよい。また、亜鉛含有廃材には、典型的に不可避不純物として水銀が含まれる。
亜鉛含有廃材の加熱還元揮発は、粗酸化亜鉛を作製可能な公知の設備を用いて行えばよく、特に限定されない。例えば、溶鉱炉、ロータリーキルン等の設備を好ましく用いることができる。加熱還元揮発を行う温度は1000℃以上1500℃以下が好ましく、より好ましくは1100℃以上1400℃以下、さらに好ましくは1150℃以上1350℃以下である。こうすることで、亜鉛含有廃材の還元揮発をより確実に行うことが可能となる。
加熱還元揮発を行う前に、亜鉛含有廃材に対して前処理を施してもよく、そのような前処理の例としては、製団処理が挙げられる。製団処理とは、亜鉛含有廃材を、珪石や酸化鉄等のフラックスや、石炭等の還元剤、パルプ廃液等のバインダー等とともに混合、乾燥及び粉砕し、その後製団機等を用いて圧縮成型することで団鉱を作製する処理である。亜鉛含有廃材を団鉱の形で加熱処理することで、安定した操業が可能となる。なお、亜鉛含有廃材が溶融飛灰を含む場合には、当該溶融飛灰に対して公知の手法で脱ハロゲン処理を施してもよい。
亜鉛含有廃材は加熱及び還元により溶融して、スラグ、マット及びメタルの三相に分離する。このうち、亜鉛含有廃材中の亜鉛は主にメタル中に存在しており、当該メタルは高温雰囲気中で揮発する。そして、加熱によって揮発したメタルは、その金属分の殆どが冷却時に酸化されて、酸化亜鉛、及び存在する場合にはその他の金属酸化物(例えば酸化鉛や塩化鉛等)を含む固形分となる。したがって、この固形分を捕集することにより粗酸化亜鉛を得ることができる。捕集方法の好ましい例としては、フィルタリング、電気集塵、サイクロン、重力沈降、湿式スクラバー等が挙げられる。なお、亜鉛含有廃材に水銀が含まれる場合、その一部は粗酸化亜鉛中に含まれるが、残りは粗酸化亜鉛を捕集除去した後の排ガスに含まれる。
こうして得られた粗酸化亜鉛には通常、塩素やフッ素等のハロゲン類が含まれているため、工業用水等を用いて湿式洗浄による脱ハロゲン処理を行うのが一般的である。この点、本発明では、洗煙排水を粗酸化亜鉛と混合させるため、粗酸化亜鉛中の塩素類を洗煙排水で除去することが可能となる。このように、本発明によれば、洗煙排水中の水銀を除去できるのみならず、粗酸化亜鉛の脱ハロゲン処理をも同時に行うことが可能となる。したがって、本発明で用意する粗酸化亜鉛は、脱ハロゲン処理を経ていないものであることができる。換言すれば、本発明に用いる粗酸化亜鉛は、ハロゲンを含むことができ、例えば塩素を含みうる。
(2)洗煙排水の用意
本発明の方法に用いられる洗煙排水は、除去対象である水銀を含むものであれば特に限定されない。この洗煙排水は、典型的には、水銀を含む排ガスの洗浄に用いられた洗浄液である。排ガスの洗浄方法は特に限定されず、公知の手法を採用可能である。例えば、湿式スクラバー等の排煙脱硫設備を用いて排ガスの洗浄により得られた洗煙排水を用いることができる。具体的には、循環水(洗浄液)と排ガスとを接触させることにより、排ガス中に含まれる水銀を循環水中に回収し、当該循環水を排出ないし採取して洗煙排水とすればよい。洗煙排水に含まれる水銀濃度は、特に限定されるものではないが、典型的には0.001mg/L以上100mg/L以下、より典型的には0.01mg/L以上10mg/L以下、さらに典型的には0.1mg/L以上1mg/L以下である。
有利なことに、洗煙排水として、粗酸化亜鉛の製造プロセスで生じた排ガスの洗浄に用いられた洗浄液を用いることができる。したがって、洗煙排水は、亜鉛含有廃材の加熱還元揮発を経た粗酸化亜鉛を捕集除去した後の排ガスの洗浄に使用された洗浄液であるのが好ましい。すなわち、亜鉛含有廃材(例えば溶融飛灰)には、典型的に水銀が含まれているため、粗酸化亜鉛の製造プロセスで発生する排ガスにも典型的に水銀が含まれる。この点、粗酸化亜鉛を捕集除去した後の排ガスの洗浄に使用された洗浄液に対して、例えば同プロセス中で捕集した粗酸化亜鉛をその場で混合することにより、洗浄液中の水銀を粗酸化亜鉛に吸着させることができるため、極めて効率良く水銀の回収を行うことが可能となる。洗浄液は酸化剤を含むのが好ましく、そのような酸化剤の好ましい例としては、次亜塩素酸ナトリウム、酸素、オゾン、過酸化水素、ハロゲン分子(例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素)、次亜ハロゲン酸塩、亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸塩、過マンガン酸塩、二クロム酸塩、クロム酸塩及びこれらの組合せ等が挙げられ、特に好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。ここで、排ガス中に含まれる水銀は、水溶性の2価水銀及び非水溶性の0価水銀の二つの形態で存在すると考えられる。この点、洗浄液が酸化剤を含むことで、0価水銀を酸化させて水溶性の2価水銀とすることができ、より多くの水銀を洗浄液に吸収させることができる。その結果、洗煙排水中の水銀濃度が高まり、より多くの水銀を粗酸化亜鉛に吸着させることが可能となる。もっとも、洗煙排水は、粗酸化亜鉛の製造とは無関係のプロセスで生じた排ガスの洗浄に用いられた洗浄液であってもよいのはいうまでもない。
(3)粗酸化亜鉛及び洗煙排水の混合
洗煙排水を粗酸化亜鉛と混合させて、洗煙排水中の水銀を粗酸化亜鉛に吸着させて除去する。混合手法は特に限定されず、市販の攪拌機等を用いて公知の手法で行えばよい。混合時間は特に限定されないが、好ましくは1分間以上24時間以下、より好ましくは10分間以上12時間以下、さらに好ましくは30分間以上6時間以下である。粗酸化亜鉛の添加量は、スラリー濃度として50g/L以上400g/L以下であるのが好ましく、より好ましくは100g/L以上300g/L以下、さらに好ましくは150g/L以上200g/L以下である。この添加量は、予想される洗煙排水中の水銀濃度に応じて、適宜変更してもよい。なお、混合時のpHは6以上13以下であるのが好ましく、より好ましくは7以上12以下、さらに好ましくは8以上11以下である。pH調整に用いる薬剤は苛性ソーダなどが利用できる。
本発明の方法では、洗煙排水を粗酸化亜鉛と混合させるという極めて簡便な手法により、洗煙排水中に存在する水銀を粗酸化亜鉛に効果的に吸着させることができる。この点、従来から提案されていた、キレート剤や活性炭等を用いて洗煙排水中の水銀を除去する方法は、高価なキレート剤や活性炭等を用意する必要があるため、水銀除去に要するコストを低く抑えることが困難であった。一方、本発明の方法に用いる粗酸化亜鉛は、廃棄物から有価資源である亜鉛をリサイクルする過程等において得られるものであり、一般的にキレート剤及び活性炭と比較して極めて安価に入手することができる。このように、本発明によれば、亜鉛含有廃材由来の粗酸化亜鉛を吸着剤として利用することで、洗煙排水中の水銀を簡便かつ安価に除去することが可能となる。
(4)粗酸化亜鉛中の水銀の分離
所望により、水銀が吸着された粗酸化亜鉛を加熱して水銀を揮発分離してもよい。この加熱は、例えば既設の亜鉛製錬所の設備を利用して行うことが可能である。加熱処理温度は700℃以上1500℃以下が好ましく、より好ましくは800℃以上1300℃以下、さらに好ましくは900℃以上1200℃以下である。加熱処理を行う設備は特に限定されるものではないが、好ましい例としては乾式亜鉛製錬所等で用いられる焼結炉等が挙げられる。このような設備で水銀が吸着された粗酸化亜鉛を加熱処理することにより、水銀を揮発させて分離しつつ、当該粗酸化亜鉛を製錬原料として供することができる。揮発した水銀の回収は、水銀を冷却及び凝縮することにより行ってもよく、水銀を濃硫酸等の溶液に溶解させることにより行ってもよい。これらの回収操作は、いずれも既設の亜鉛製錬所等の設備を利用して行うことが可能である。このように、本発明の方法を用いることで、既設の設備を活用して水銀を安価に処理することができる。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1:粗酸化亜鉛を用いた洗煙排水処理
水銀を含む洗煙排水と粗酸化亜鉛とを混合させて、水銀の吸着の有無を確認した。具体的には以下のとおりである。
(1)粗酸化亜鉛の作製
製鋼煙灰及び溶融飛灰(予め脱塩素処理を施したもの)を含む亜鉛含有廃材を用意した。この亜鉛含有廃材と、フラックス(珪石及び酸化鉄)と、還元剤(石炭)とを混合した。得られた混合物を乾燥及び粉砕した後、製団機で圧縮成型して団鉱とした。この団鉱には原料由来の水銀が不可避不純物として含まれる。作製した団鉱に対して、図1に示される廃棄物処理装置10を用いて加熱還元揮発を含む処理を行った。廃棄物処理装置10は、溶鉱炉12と、ボイラー14と、冷却塔16と、バグフィルター18と、ファン20と、脱硫塔22と、煙突24とを備える。まず、団鉱を溶鉱炉12に装入した。溶鉱炉12を団鉱装入後に加熱して、溶鉱炉12が備える羽口から予熱した空気、酸素及び/又は酸素富化空気を吹き込むことで1200℃以上の高温として、団鉱の溶融状態を維持するための反応ゾーンを形成した。溶鉱炉12に装入された団鉱は反応ゾーンで溶融し、鉄、シリコン及びカルシウムの酸化物を主体とするスラグと、銅の硫化物を含むマットと、反応ゾーンでの還元により生成される亜鉛及び鉛を主体とするメタルとに相分離した。スラグ及びマットを溶鉱炉12底部に存在する排出口から連続的に抜き出す一方、メタルを構成する亜鉛及び鉛を溶鉱炉12の高温雰囲気により揮発させ、その後反応ゾーン上部にある酸化ゾーンで酸化させてそれぞれ酸化亜鉛及び酸化鉛とし、排ガスとともに溶鉱炉12から排出させた。この際、団鉱に含まれる水銀も同様に揮発して排ガスとともに溶鉱炉12から排出された。溶鉱炉12から排出された排ガスをボイラー14に送り込んで廃熱回収した後、冷却塔16でダイオキシン類の再合成を防止するため水を噴霧して200℃以下に急冷した。急冷された排ガスをバグフィルター18に通すことで、酸化亜鉛や酸化鉛等の固形分をろ過捕集した。このバグフィルター18でろ過捕集された酸化亜鉛や酸化鉛等の固形分を粗酸化亜鉛として採取した。粗酸化亜鉛中の水銀濃度を、水銀測定装置(日本インスツルメンツ株式会社製、MA−3000)を用いて加熱気化原子吸光法により測定したところ、3mg/kgであった。
固形分が捕集除去された後の排ガスを、ファン20を経て脱硫塔22に送り込んで洗浄液(苛性ソーダ含有水溶液)で水洗した。こうして排ガス中の水銀を洗浄液に回収した後、水銀が除去された排ガスを煙突24から排出させた。
(2)洗煙排水の用意
上記(1)において、脱硫塔22で排ガスの水洗に用いられた洗浄液を採取し、洗煙排水とした。この洗煙排水の水銀濃度を、水銀測定装置(日本インスツルメンツ株式会社製、MA−3000)を用いて還元気化原子吸光法により測定したところ、0.32mg/Lであった。
(3)洗煙排水処理試験
洗煙排水200mLをビーカーに取り、そこに粗酸化亜鉛20gを添加し、十分に混合してスラリーとした。このスラリーを30分間攪拌した後、濾紙で濾過して、濾液と粗酸化亜鉛とに固液分離した。水銀測定装置(日本インスツルメンツ株式会社製、MA−3000)を用いて、濾液中の水銀濃度を還元気化原子吸光法により、濾過後の粗酸化亜鉛中の水銀濃度を加熱気化原子吸光法によりそれぞれ測定したところ、表1に示されるとおりであった。
例2(比較):精製された酸化亜鉛を用いた洗煙排水処理
粗酸化亜鉛の代わりに市販の精製された高純度酸化亜鉛(関東化学株式会社製、1級、純度99.0%超)を用いたこと以外は、例1と同様にして洗煙排水の処理及び水銀濃度の測定を行った。結果は、表1に示されるとおりであった。
Figure 2020116501
表1に示されるとおり、粗酸化亜鉛を用いた例1では、洗煙排水中の水銀が粗酸化亜鉛に吸着されたことが分かる。一方、粗酸化亜鉛の代わりに市販の酸化亜鉛を用いた例2では、洗煙排水中の水銀はほとんど液中に残留していた。
例3:粗酸化亜鉛の加熱試験
水銀が粗酸化亜鉛から分離可能であることを確認するため、水銀が吸着した粗酸化亜鉛を加熱する試験を以下のとおり行った。まず、例1の(3)と同様の手順で水銀を吸着させた粗酸化亜鉛を別途作製し、加熱試験用サンプルとした。この加熱試験用サンプルの水銀濃度を例1と同様にして測定したところ6mg/kgであった。加熱試験用サンプル5gを5つの試料皿にそれぞれ採り、これらの試料皿に対して電気炉を用いて表2に示される別々の温度で30分間加熱した。加熱雰囲気として空気を導入し、排ガスの水銀濃度を排ガス水銀連続測定装置(日本インスツルメンツ株式会社製、EMP−2)により測定した。なお、排ガス中の水銀濃度は変動があり、安定しないことから、およその最高濃度を測定値とした。また、加熱後の加熱試験用サンプルの水銀濃度も上記同様にして測定した。結果は表2に示されるとおりであった。
Figure 2020116501
表2に示されるとおり、水銀を吸着した粗酸化亜鉛を加熱することにより、水銀が揮発して排ガスとともに排出されることが分かった。また、加熱温度が高温であるほど脱水銀が進みやすい傾向があった。
10 廃棄物処理装置
12 溶鉱炉
14 ボイラー
16 冷却塔
18 バグフィルター
20 ファン
22 脱硫塔
24 煙突

Claims (5)

  1. 洗煙排水中の水銀を除去する方法であって、
    亜鉛含有廃材の加熱還元揮発を経て得られた粗酸化亜鉛と、水銀を含む洗煙排水とを用意する工程と、
    前記洗煙排水を前記粗酸化亜鉛と混合させて、前記洗煙排水中の水銀を前記粗酸化亜鉛に吸着させて除去する工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記洗煙排水が、亜鉛含有廃材の加熱還元揮発を経た粗酸化亜鉛を捕集除去した後の排ガスの洗浄に使用された洗浄液である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記洗浄液が酸化剤を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記酸化剤が、次亜塩素酸ナトリウム、酸素、オゾン、過酸化水素、ハロゲン分子、次亜ハロゲン酸塩、亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸塩、過マンガン酸塩、二クロム酸塩及びクロム酸塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記水銀が吸着された前記粗酸化亜鉛を加熱して前記水銀を揮発分離する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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