JP2020116155A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】尿等の横漏れ防止効果を有し、トップシートでの尿等の吸収性に優れた吸収性物品を提供する。【解決手段】液透過性のトップシート2と液不透過性のバックシート3とこれらの間に設けられた吸収体4を有する吸収性物品1であって;トップシート2は、前後方向yに対して傾斜して一方向と他方向に延びる複数の直線部9から構成された四角格子状のエンボス部8と、エンボス部8に囲まれた非エンボス部10とを有し;トップシート2の幅方向xの両側に前後方向yに延びるサイドシート6が設けられ、サイドシート6が、トップシート2の肌面側に設けられたサイド接合部7でトップシート2に接合されており;サイド接合部7は、前後方向yの全体にわたってサイドシート6の幅方向xの内方端から5mm以内の領域に設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、尿パッド(軽失禁パッドを含む)、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関するものである。
従来、トップシートの幅方向の両側に立ち上がりフラップが設けられた吸収性物品が知られている(例えば特許文献1、2)。吸収性物品に立ち上がりフラップを設けることにより、尿等の横漏れを防止することができる。一方、立ち上がりフラップが設けられない吸収性物品も知られている(例えば、特許文献3)。
特許文献3に開示された吸収性物品では、立ち上がりフラップが設けられていないため、尿等の横漏れが起こりやすくなることが懸念される。このような吸収性物品において尿等の横漏れを防止するためには、トップシート上での尿等の拡散性を抑える対応が考えられるが、この場合、吸収性物品の尿等の吸収性が低下するおそれがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、尿等の横漏れ防止効果を有し、トップシートでの尿等の吸収性に優れた吸収性物品を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、前後方向と幅方向を有し、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれらの間に設けられた吸収体を有する吸収性物品であって;トップシートは、前後方向に対して傾斜して一方向と他方向に延びる複数の直線部から構成された四角格子状のエンボス部と、エンボス部に囲まれた非エンボス部とを有し;トップシートの幅方向の両側に前後方向に延びるサイドシートが設けられ、サイドシートが、トップシートの肌面側に設けられたサイド接合部でトップシートに接合されており;サイド接合部は、前後方向の全体にわたってサイドシートの幅方向の内方端から5mm以内の領域に設けられているところに特徴を有する。
本発明の吸収性物品は、トップシートに、前後方向に対して傾斜して一方向と他方向に延びる複数の直線部から構成された四角格子状のエンボス部が形成されているため、トップシート上での尿等の拡散性が高まり、吸収体の広範囲の部分が尿等の吸収に寄与するものとなる。一方、トップシート上での尿等の拡散性が高まると、尿等の横漏れが起こりやすくなることが懸念されるが、トップシートの幅方向の両側にサイドシートが設けられることにより、トップシート上を尿等が幅方向に拡散しても、サイドシートによってさらに幅方向の外方に拡散することが防止される。従って、本発明の吸収性物品は、尿等の吸収性と横漏れ防止効果に優れるものとなる。
サイドシートの幅方向の内方端はトップシートに対して非接合となっていることが好ましい。この場合、サイドシートの幅方向の内方端とトップシートとの間に隙間が形成され、この隙間によってトップシート上を幅方向に拡散した尿等がサイドシートを越えにくくなり、横漏れ防止効果がさらに高まる。
サイドシートには弾性部材が設けられていないことが好ましい。従って、サイドシートは、吸収性物品に通常設けられるような防漏フラップを形成するものとはならない。
サイドシートは液不透過性であることが好ましい。これにより尿等の横漏れ防止効果を高めることができる。
サイド接合部は、吸収体と重なって設けられていることが好ましい。このようにサイド接合部が設けられていれば、トップシート上で尿等が幅方向に拡散しても、その下側に吸収体が存在するため、トップシートを透過した尿等が速やかに吸収体に吸収される。
トップシートの非エンボス部は、前後方向の長さが幅方向の長さよりも長いことが好ましい。このように非エンボス部が形成されることにより、尿等がトップシート上で前後方向に拡散しやすくなる。
トップシートは短繊維不織布から構成され、当該不織布の構成繊維が前後方向に配向していることが好ましく、これにより前後方向への拡散性を高めることができる。
トップシートのエンボス部は熱エンボス部であることが好ましい。これにより、エンボス部での尿等の拡散性を高めることができる。
本発明の吸収性物品は、トップシート上での尿等の拡散性に優れ、吸収体の広範囲の部分が尿等の吸収に寄与するものとなる。また、トップシートの幅方向の両側にサイドシートが設けられているため、トップシート上を尿等が幅方向に拡散しても、サイドシートによってさらに幅方向の外方に拡散することが防止される。従って、本発明の吸収性物品は、尿等の吸収性と横漏れ防止効果に優れるものとなる。
本発明の吸収性物品について、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図1および図2には、本発明の吸収性物品の一例として、軽失禁パッドの構成例を示した。図1は、吸収性物品(軽失禁パッド)をトップシート側から見た平面図を表し、図2は、図1に示した吸収性物品のII−II断面図を表す。本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
吸収性物品1は、トップシート2とバックシート3とこれらの間に設けられた吸収体4とを有する。トップシート2は吸収体4の肌面側に配され、バックシート3は吸収体4の非肌面側に配されている。トップシート2を透過した排泄物は、吸収体4により収容される。バックシート3は排泄物が外へ漏れるのを防いでいる。
吸収性物品1は、前後方向yと幅方向xを有する。前後方向yとは、吸収性物品を着用した際に着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当する。幅方向xとは、吸収性物品と同一面上にあり前後方向yと直交する方向を意味し、吸収性物品を着用した際の着用者の左右方向に相当する。また、吸収性物品を着用者が着用した際に、着用者の肌に向かう側を肌面側とし、その反対側を非肌面側とする。
トップシート2は吸収体4の肌面側に配され、吸収性物品の着用の際に着用者の肌に面するように設けられる。トップシート2は、液透過性であることが好ましい。トップシート2としては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシート2として、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
バックシート3は吸収体4の非肌面側に配され、液不透過性であることが好ましい。バックシート3としては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、バックシート3として、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
吸収体4は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体4としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは当該成形体を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布シート等の被覆シートで覆ったものを用いることができる。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収体4は親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
吸収体4は、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
吸収体4の形状(平面形状)は特に限定されない。吸収体4の形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、略長方形、砂時計形、ひょうたん形、羽子板形等が挙げられる。
図面ではバックシート3と吸収体4との間に台紙5が設けられており、台紙5により吸収性物品1の形状保持性を向上させることができる。台紙5は、クレープ紙や不織布から構成することができる。台紙5は設けなくてもよい。
トップシート2やバックシート3として不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。
トップシート2には、四角格子状のエンボス部8が形成されている。四角格子状のエンボス部8は、前後方向yに対して傾斜して一方向と他方向に延びる複数の直線部9から構成されており、直線部9においてトップシート2が押圧されている。このようにトップシート2が形成されることにより、尿等がトップシート2上で拡散しやすくなる。すなわち、エンボス部8でトップシート2が圧密されることにより、トップシート2において尿等の平面方向への拡散性が高まる。一方、トップシート2には、四角格子状のエンボス部8に囲まれて非エンボス部10が形成されるが、非エンボス部10ではトップシート2が圧密されず、尿等のトップシート2の透過性が確保される。つまり、エンボス部8でトップシート2の平面方向に拡散した尿等が、非エンボス部10でトップシート2を速やかに透過しやすくなる。エンボス部8での拡散性を高め、非エンボス部10での液透過性を高める観点からは、トップシート2は不織布から構成されることが好ましい。
エンボス部8は、トップシート2が非加熱状態で押圧されることによって形成されるものであってもよく、加熱状態で押圧されることによって形成されるものであってもよい。いずれの場合も、エンボス部8はトップシート2が単独で押圧されることによって形成されることが好ましい。なお、エンボス部8での尿等の拡散性を高める観点から、エンボス部8は加熱状態で押圧されることによって形成されることが好ましく、すなわち、エンボス部8は熱エンボス部であることが好ましい。この場合、トップシート2は熱融着性繊維を含む不織布から構成されていることが好ましい。また、熱エンボス部では不織布の構成繊維の少なくとも一部が溶融していることが好ましい。熱融着性繊維としては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の熱可塑性樹脂から構成された繊維が挙げられる。
四角格子状のエンボス部8は、前後方向yに対して傾斜して一方向に延びる複数の直線部9A(以下、「第1直線部」と称する)と前後方向yに対して傾斜して他方向に延びる複数の直線部9B(以下、「第2直線部」と称する)とが交差することにより形成される。複数の第1直線部9Aと複数の第2直線部9Bが互いに交差することによって、トップシート2には、略ひし形の非エンボス部10が複数形成されることが好ましい。「略ひし形」には、完全なひし形のみならず、角が丸まったひし形や角がカットされたひし形も含まれる。また、正方形もひし形の一形態として、ひし形に含まれる。例えばトップシート2を四角格子状のパターンでエンボスした場合、第1直線部9Aと第2直線部9Bの交点では、第1直線部9Aおよび/または第2直線部9Bの線幅がそれ以外の部分よりも太くなる場合がある。そのような場合は、非エンボス部10は、角が丸まったひし形や角がカットされたひし形に形成され得る。略ひし形の非エンボス部10は、幅方向xと前後方向yに複数並んで形成されることが好ましい。
上記のようにトップシート2にエンボス部8が形成されることにより、トップシート2上での尿等の拡散性が高まり、吸収体4のより広範囲の部分が尿等の吸収に寄与するものとなる。一方、トップシート2上での尿等の拡散性が高まると、尿等の横漏れが起こりやすくなることが懸念される。そこで、吸収性物品1には、トップシート2の幅方向xの両側に、前後方向yに延在するサイドシート6が設けられる。サイドシート6は、トップシート2の肌面側に設けられたサイド接合部7でトップシート2に接合されており、サイド接合部7はサイドシート6の幅方向xの内方端から5mm以内の領域に設けられている。このようにトップシート2の幅方向xの両側にサイドシート6が設けられることにより、トップシート2上を尿等が幅方向xに拡散しても、サイドシート6によってさらに幅方向xの外方に拡散することが防止され、尿等の横漏れが防止される。
サイドシート6は、液透過性であっても液不透過性であってもよく、トップシート2やバックシート3に使用可能なシート材料から構成することができる。なお、尿等の横漏れ防止効果を高める観点から、サイドシート6は液不透過性であることが好ましく、例えば、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等から構成されることが好ましい。
サイドシート6には、弾性部材が設けられない。従って、サイドシート6は、吸収性物品に通常設けられるような防漏フラップを形成するものではない。また上記に説明したように、サイド接合部7がサイドシート6の幅方向xの内方端から5mm以内の領域に設けられるため、サイドシート6のサイド接合部7より幅方向xの内方部が防漏フラップとして機能するものともならない。サイドシート6はトップシート2に重なって配され、吸収性物品の使用時もサイドシート6の幅方向xの内方端はトップシート2から起立しない。
サイド接合部7は、前後方向yの全体にわたって、サイドシート6の幅方向xの内方端から5mm以内の領域に少なくとも設けられる。サイド接合部7は、サイドシート6の幅方向xの内方端から5mmを超えた領域にも設けられてもよい。サイド接合部7は、サイドシート6の幅方向xの内方端から5mm以内の領域の少なくとも一部に設けられればよく、サイドシート6の幅方向xの内方端がトップシート2に接合していてもよい。サイドシート6は、接着剤や溶着(ヒートシールや超音波溶着)等の公知の接合手段によりトップシート2に接合することができる。
サイドシート6の幅方向xの内方端はトップシート2に対して非接合となっていることが好ましい。この場合、サイドシート6の幅方向xの内方端とトップシート2との間に隙間が形成され、この隙間によってトップシート2上を幅方向xに拡散した尿等がサイドシート6を越えにくくなり、横漏れ防止効果がさらに高まる。
幅方向xの一方側に設けられたサイドシート6の内方端と幅方向xの他方側に設けられたサイドシート6の内方端は、幅方向xに30mm以上互いに離間していることが好ましく、40mm以上離間していることがより好ましく、50mm以上離間していることがさらに好ましい。これにより、トップシート2がサイドシート6によって覆われない部分の面積が確保され、トップシート2上に排泄された尿等が吸収性物品1によって好適に吸収されやすくなる。
サイドシート6の幅方向xの外方端は、吸収性物品1の幅方向xの外縁と一致していることが好ましい。すなわち、サイドシート6はサイド接合部7よりも幅方向xの外方に延在し、吸収性物品1の幅方向xの外縁まで延在していることが好ましい。吸収性物品1はまた、肌面側の面がトップシート2とサイドシート6のみから構成されていることが好ましい。
サイド接合部7は、吸収体4と重なって設けられることが好ましく、吸収体4の幅方向xの両端部と重なって設けられることがより好ましい。このようにサイド接合部7が設けられていれば、トップシート2上で尿等が幅方向xに拡散しても、その下側に吸収体4が存在するため、トップシート2を透過した尿等が速やかに吸収体4に吸収される。
サイド接合部7の幅方向xの内方端は、吸収体4の幅方向xの外方端から3mm以上内方に位置することが好ましく、5mm以上内方に位置することがより好ましく、7mm以上内方に位置することがさらに好ましい。このようにサイド接合部7が設けられていれば、トップシート2を透過した尿等が吸収体4によって好適に吸収されやすくなる。一方、サイド接合部7の幅方向xの内方端は、吸収体4の幅方向xの外方端から内方に25mm以内に位置することが好ましく、20mm以内に位置することがより好ましく、15mm以内に位置することがさらに好ましい。このようにサイド接合部7が設けられれば、トップシート2がサイドシート6によって覆われない部分の面積が確保され、トップシート2上に排泄された尿等が吸収性物品1によって好適に吸収されやすくなる。
トップシート2のエンボス部8と非エンボス部10について詳しく説明する。四角格子状のエンボス部8は、前後方向yに対して傾斜して一方向に延びる複数の第1直線部9Aと前後方向yに対して傾斜して他方向に延びる複数の第2直線部9Bによって構成される。第1直線部9Aは、前後方向yに対して時計回りに5°以上の角度で傾斜していることが好ましく、10°以上がより好ましく、15°以上がさらに好ましく、また44°以下が好ましく、35°以下がより好ましく、30°以下がさらに好ましい。第2直線部9Bは、前後方向yに対して反時計回りに5°以上の角度で傾斜していることが好ましく、10°以上がより好ましく、15°以上がさらに好ましく、また44°以下が好ましく、35°以下がより好ましく、30°以下がさらに好ましい。このように第1直線部9Aと第2直線部9Bが設けられることにより、尿等がトップシート2上を幅方向xよりも前後方向yに拡散しやすくなり、横漏れ防止効果が高まる。
複数の第1直線部9Aは略等ピッチで一方向に傾斜して配されることが好ましく、複数の第2直線部9Bは略等ピッチで他方向に傾斜して配されることが好ましい。複数の第1直線部9Aのピッチ長さおよび複数の第2直線部9Bのピッチ長さは、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましく、また15mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましく、10mm以下がさらに好ましい。複数の第1直線部9A(または第2直線部9B)のピッチ長さは、隣接する第1直線部9A(または第2直線部9B)の線幅の中心間の距離を意味する。第1直線部9Aと第2直線部9Bの線幅は0.5mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましく、また2.5mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましい。なお、複数の第1直線部9Aのピッチ長さは、第1直線部9Aの線幅よりも大きいことが好ましく、例えば、複数の第1直線部9Aのピッチ長さは第1直線部9Aの線幅の2倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましく、また20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下がさらに好ましい。複数の第2直線部9Bのピッチ長さは、第2直線部9Bの線幅よりも大きいことが好ましく、例えば、複数の第2直線部9Bのピッチ長さは第2直線部9Bの線幅の2倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましく、また20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下がさらに好ましい。
非エンボス部10は、前後方向yの長さが幅方向xの長さよりも長く形成されていることが好ましい。詳細には、四角格子状のエンボス部8によって囲まれた各非エンボス部10が、前後方向yの長さが幅方向xの長さよりも長く形成されていることが好ましい。このように非エンボス部10が形成されることにより、尿等がトップシート2上で前後方向yに拡散しやすくなる。非エンボス部10の前後方向yの長さは幅方向xの長さの1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上がより好ましく、また4.0倍以下が好ましく、3.0倍以下がより好ましい。このように非エンボス部10が形成されていれば、尿等がトップシート2上を前後方向yに優先的に拡散しやすくなる。
非エンボス部10の前後方向yの長さは、例えば5mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましく、10mm以上がさらに好ましく、また25mm以下が好ましく、22mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。非エンボス部10の幅方向xの長さは、例えば3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましく、また16mm以下が好ましく、14mm以下がより好ましく、12mm以下がさらに好ましい。
エンボス部8は、トップシート2の吸収体4と重なる領域の少なくとも一部に設けられることが好ましく、トップシート2の吸収体4と重なる領域の全体に設けられていることがより好ましい。このようにエンボス部8が設けられることにより、尿等がトップシート2上の広範囲に拡散しやすくなり、吸収体4の全体が尿等の吸収に寄与しやすくなる。エンボス部8は、トップシート2の全領域にわたって設けられてもよい。
トップシート2において尿等の前後方向yへの拡散を促進する観点から、トップシート2は不織布から構成され、当該不織布の構成繊維が前後方向yに配向していることが好ましい。より好ましくは、トップシート2は短繊維不織布から構成され、当該不織布の構成繊維が前後方向yに配向している。これにより、尿等がトップシート2上を前後方向yに優先的に拡散しやすくなるとともに、幅方向xへの拡散性も確保される。
構成繊維が一方向に配向した不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布等が挙げられる。不織布の構成繊維の配向方向は、不織布の表面を顕微鏡等で観察することにより確認できる。例えばスパンボンド不織布では、構成繊維の配向方向について次のように説明される。スパンボンド不織布は、例えば、ポリマー原料を溶融し、紡糸口金から押し出して延伸し、これをコンベアベルト等の上に集積して、ウェブ状に形成することにより得られるが、この際、コンベアベルト上に集積されたウェブ(繊維)はコンベアベルトの進行方向に沿って配列されることとなる。従って、この場合、ウェブ(繊維)はコンベアベルトの進行方向(MD方向)に沿って配向することとなる。エアスルー不織布では、不織布を製造するに当たり、繊維塊形成の際の原料短繊維の集積方法やウェブ形成の際の開繊方法を適宜設定することにより、構成繊維の配向方向を揃えることができる。スパンレース不織布では、不織布を形成する際に、短繊維が分散した水流の流れを制御して繊維を堆積させることで、構成繊維の配向方向を揃えることができる。
トップシート2は、短繊維不織布として、エアスルー不織布またはスパンレース不織布から構成されていることが好ましい。スパンレース不織布やエアスルー不織布は比較的嵩密度を低く形成することができるため、尿等の透過性に優れるものとなる。また上記に説明したように、スパンレース不織布とエアスルー不織布は、当該不織布の構成繊維が前後方向yに配向していることが好ましく、これにより前後方向yへの拡散性を高めることができる。
以上、本発明の吸収性物品について図面を参照して説明したが、本発明の吸収性物品は図面に示したような軽失禁パッドに限定されず、使い捨ておむつや生理用ナプキンであってもよい。
吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、例えば、前腹部と後背部とこれらの間に位置し吸収体が備えられた股部とから構成される。前腹部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の腹側に当てる部分に相当し、後背部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の背側に当てる部分に相当する。股部は、前腹部と後背部との間に位置し、着用者の股間に当てる部分に相当する。
使い捨ておむつは、テープタイプの使い捨ておむつであってもよく、パンツタイプの使い捨ておむつであってもよい。テープタイプの使い捨ておむつは、例えば、後背部の幅方向の両端部に止着部材が設けられて構成され、当該止着部材を前腹部に止着することにより、着用時にパンツ形状に形成することができる。パンツタイプの使い捨ておむつは、ウェスト開口部と一対の脚開口部とを有するパンツ形状を有し、着用前からパンツ形状に形成されているものである。
吸収性物品が使い捨ておむつである場合は、使い捨ておむつは、例えば、トップシートとバックシートの間に吸収体が配された積層体が、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有するように形成される。使い捨ておむつはまた、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有する外装部材の股部に、トップシートとバックシートの間に吸収体が配された吸収性本体を設けて構成することもできる。後者の場合、外装部材をパンツ形状に形成することで、パンツタイプの使い捨ておむつとすることができる。いずれの場合も、吸収性物品のトップシートやサイドシートを上記に説明したように構成することにより、本発明の吸収性物品とすることができる。
1:吸収性物品
2:トップシート
3:バックシート
4:吸収体
5:台紙
6:サイドシート
7:サイド接合部
8:エンボス部
9:直線部、9A:第1直線部、9B:第2直線部
10:非エンボス部
2:トップシート
3:バックシート
4:吸収体
5:台紙
6:サイドシート
7:サイド接合部
8:エンボス部
9:直線部、9A:第1直線部、9B:第2直線部
10:非エンボス部
Claims (8)
- 前後方向と幅方向を有し、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれらの間に設けられた吸収体を有する吸収性物品であって、
前記トップシートは、前後方向に対して傾斜して一方向と他方向に延びる複数の直線部から構成された四角格子状のエンボス部と、前記エンボス部に囲まれた非エンボス部とを有し、
前記トップシートの幅方向の両側に前後方向に延びるサイドシートが設けられ、前記サイドシートが、前記トップシートの肌面側に設けられたサイド接合部で前記トップシートに接合されており、
前記サイド接合部は、前後方向の全体にわたって前記サイドシートの幅方向の内方端から5mm以内の領域に設けられていることを特徴とする吸収性物品。 - 前記サイドシートの幅方向の内方端は前記トップシートに対して非接合となっている請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記サイドシートには弾性部材が設けられていない請求項1または2に記載の吸収性物品。
- 前記サイドシートは液不透過性である請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記サイド接合部は、前記吸収体と重なって設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記非エンボス部は、前後方向の長さが幅方向の長さよりも長い請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記トップシートは短繊維不織布から構成され、当該不織布の構成繊維が前後方向に配向している請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記エンボス部は熱エンボス部である請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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WO2022071001A1 (ja) * | 2020-09-30 | 2022-04-07 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
Citations (4)
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JP2011120764A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-06-23 | Kao Corp | 生理用ナプキン |
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2019
- 2019-01-24 JP JP2019010022A patent/JP2020116155A/ja active Pending
- 2019-03-28 CN CN201920414479.1U patent/CN210114578U/zh active Active
Patent Citations (4)
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