JP2020115857A - 菓子類 - Google Patents

菓子類 Download PDF

Info

Publication number
JP2020115857A
JP2020115857A JP2020008599A JP2020008599A JP2020115857A JP 2020115857 A JP2020115857 A JP 2020115857A JP 2020008599 A JP2020008599 A JP 2020008599A JP 2020008599 A JP2020008599 A JP 2020008599A JP 2020115857 A JP2020115857 A JP 2020115857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
confectionery
mass
texture
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020008599A
Other languages
English (en)
Inventor
拓哉 松原
Takuya Matsubara
拓哉 松原
有里子 斎藤
Yuriko Saito
有里子 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
San Ei Gen FFI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Ei Gen FFI Inc filed Critical San Ei Gen FFI Inc
Publication of JP2020115857A publication Critical patent/JP2020115857A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

【課題】粘度を適切に調整でき、且つ、弾力、及び、粘性といった餅食感のバランスに優れた菓子類の提供。【解決手段】ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する、菓子類。ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が、0.5〜10質量%である菓子類。アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量が、0.04〜10質量%である菓子類。さらに、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを添加する工程を含む、菓子類の餅食感向上方法。【選択図】なし

Description

本発明は、菓子類に関する。
従来から、大福、団子、牛肥、柏餅、わらび餅等をはじめとする餅食感が魅力となる菓子類がある。これらは餅米等の穀類や小麦粉、わらび粉等を用いて作られる和菓子である。近年では、新たな食感を求める消費者ニーズの高まりから、洋菓子を含め、多種の菓子類において、餅様の食感(又は餅食感)が付与された商品が販売されるようになっている。
餅食感を有する菓子類を製造する際、加工デンプンが利用される場合がある。例えば、特許文献1では、特定量のグァーガムとタピオカ化工デンプンとを用いることにより、もちもち感と糸引き性とを有する冷菓が提案されている。
特開2003−199499号公報
菓子類に加工デンプンを用いることにより、餅様の弾力を得ることは可能であるが、歯や口腔内に付着し、口どけが悪く、不快感が生じる場合がある。
また、粘度が高くなりすぎると、原料の撹拌時や容器への充填時など、製造上の問題をも生じさせる場合がある。
従って、餅食感を有する菓子類を製造する場合、食べやすい餅食感を付与しつつ粘度を適正に保つという、高度な調整技術が必要となるが、このような要求を満たす成分の開発は未だに十分ではない。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、加工デンプンとして、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを併用することにより、粘度を適切に調整でき、且つ、弾力、及び、粘性といった餅食感のバランスに優れた菓子類を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる菓子類を提供する。
[1]
ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する、菓子類。
[2]
前記ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が、0.5〜10質量%である、[1]に記載の菓子類。
[3]
前記アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量が、0.04〜10質量%である、[1]又は[2]に記載の菓子類。
[4]
前記アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量1質量部に対して、前記ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が0.4〜20質量部である、[1]〜[3]のいずれかに記載の菓子類。
[5]
前記ヒドロキシプロピルデンプン及び/又はアセチル化リン酸架橋デンプンが、タピオカ由来である、[1]〜[4]のいずれかに記載の菓子類。
[6]
前記菓子類が、氷菓又はアイスクリーム類である、[1]〜[5]のいずれかに記載の菓子類。
[7]
B型回転粘度計を用いて、5℃条件で60rpmにて1分間測定した前記氷菓又はアイスクリーム類の粘度が、200〜2000m・Pasである、[6]に記載の菓子類。
[8]
ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを添加する工程を含む、菓子類の餅食感向上方法。
[9]
ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを添加する工程を含む、菓子類の製造方法。
本発明により、粘度を適切に調整でき、且つ、弾力、及び、粘性といった餅食感のバランスに優れた菓子類を提供することが可能となる。
[菓子類]
本発明は、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する、菓子類に関する。
[ヒドロキシプロピルデンプン]
本明細書において、ヒドロキシプロピルデンプンとは、デンプンを酸化プロピレンでエーテル化して得られ、デンプンのいくつかの水酸基がヒドロキシプロピル基でエーテル化された加工デンプン(化工デンプン)である。
ヒドロキシプロピルデンプンとしては、タピオカ由来、馬鈴薯由来、もち種馬鈴薯由来、コーン由来、ハイアミロースコーンスターチ由来、ワキシーコーン由来、小麦由来、サゴヤシ由来、米由来、もち米由来、エンドウ由来、ソラマメ由来、ワラビ由来、ハス由来、クズ由来、緑豆由来、甘藷由来、レンコン由来、又は、クワイ由来のデンプンからなる群より選択される1種以上のヒドロキシプロピルデンプンを用いることができる。本発明にはいずれの起源のヒドロキシプロピルデンプンであってもよいが、タピオカ由来がより好ましい。
ヒドロキシプロピルデンプンは、簡便には、一般に流通している市販製品(例えば、松谷化学工業社製「ゆり」、松谷化学工業社製「マツノリンXA−80」、イングレディオン社製「NATIONAL 208」等)を利用することが可能である。
ヒドロキシプロピルデンプンの含有量は、他の成分の種類やその含有量、菓子類の種類等により適宜調整され、特に制限されないが、例えば、菓子類全量に対して、好ましくは、0.5質量%以上、0.7質量%以上、0.9質量%以上、1.2質量%以上とすることができる。ヒドロキシプロピルデンプンの含有量は、例えば、菓子類全量に対して、好ましくは、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下とすることができる。ヒドロキシプロピルデンプンの含有量は、例えば、菓子類全量に対して、好ましくは、0.5〜10質量%、0.7〜10質量%、0.9〜10質量%、1.2〜10質量%、0.5〜8質量%、0.7〜8質量%、0.9〜8質量%、1.2〜8質量%、0.5〜6質量%、0.7〜6質量%、0.9〜6質量%、1.2〜6質量%とすることができる。
[アセチル化リン酸架橋デンプン]
本明細書において、アセチル化リン酸架橋デンプンとは、デンプンをオキシ塩化リンまたはトリメタリン酸と無水酢酸または酢酸ビニルでエステル化したもので、デンプン分子間のいくつかの水酸基がリン酸で架橋され、デンプン分子の水酸基のいくつかがアセチル化された加工デンプン(化工デンプン)である。
アセチル化リン酸架橋デンプンとしては、タピオカ由来、馬鈴薯由来、もち種馬鈴薯由来、コーン由来、ハイアミロースコーンスターチ由来、ワキシーコーン由来、小麦由来、サゴヤシ由来、米由来、もち米由来、エンドウ由来、ソラマメ由来、ワラビ由来、ハス由来、クズ由来、緑豆由来、甘藷由来、レンコン由来、又は、クワイ由来のデンプンからなる群より選択される1種以上のアセチル化リン酸架橋デンプンを用いることができる。本発明にはいずれの起源のアセチル化リン酸架橋デンプンであってもよいが、タピオカ由来がより好ましい。
アセチル化リン酸架橋デンプンは、簡便には、一般に流通している市販製品(例えば、松谷化学工業社製「すいせん」、松谷化学工業社製「ばら」、日本食品化工社製「ネオビスC10」等)を利用することが可能である。
アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量は、他の成分の種類やその含有量、菓子類の種類等により適宜調整され、特に制限されないが、例えば、菓子類全量に対して、好ましくは、0.04質量%以上、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.5質量%以上とすることができる。アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量は、例えば、菓子類全量に対して、好ましくは、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下とすることができる。アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量は、例えば、菓子類全量に対して、好ましくは、0.04〜10質量%、0.1〜10質量%、0.3〜10質量%、0.5〜10質量%、0.04〜8質量%、0.1〜8質量%、0.3〜8質量%、0.5〜8質量%、0.04〜6質量%、0.1〜6質量%、0.3〜6質量%、0.5〜6質量%とすることができる。
ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンの総含有量は、他の成分の種類やその含有量、菓子類の種類等により適宜調整され、特に制限されないが、例えば、菓子類全量に対して、0.1〜35質量%とすることができ、好ましくは、0.3〜30質量%、0.5〜25質量%、0.7〜20質量%、1〜15質量%、1.2〜10質量%とすることができる。
アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量1質量部に対して、前記ヒドロキシプロピルデンプンの含有量は、例えば、0.4〜20質量部とすることができ、好ましくは、1.2〜20質量部、3〜20質量部、5〜20質量部とすることができる。
[粘度]
本発明の菓子類が氷菓又はアイスクリーム類である場合は、B型回転粘度計を用いて、5℃条件で60rpmにて1分間測定した粘度が、例えば、200〜2000m・Pasであり、好ましくは300〜1800m・Pas、より好ましくは400〜1600m・Pas、更に好ましくは450〜1500m・Pasである。上記粘度は、氷菓又はアイスクリーム類の製造における冷却工程において、5℃に達温した時点で測定される。本発明の菓子類では、ヒドロキシプロピルデンプンと、アセチル化リン酸架橋デンプンとの配合量を調整することにより、高粘度化を抑制し適切に調整することが可能となる。
[菓子類の種類]
本明細書において、菓子類の種類は特に制限されず、冷菓、洋菓子、和菓子、菓子パン、スナック菓子等を挙げることができる。本発明は、餅食感が求められる菓子類に適用されることが好ましい。本発明は、菓子類に適用されるのに加えて、菓子類に用いられるソース類(果実ソース、チョコレートソース、クリームソース等)、タレ類(団子のタレ)、ジャム類(イチゴジャム、マーマレード等)等にも適用されていてもよい。これらの中でも、冷菓が好ましい。冷菓には、氷菓及びアイスクリーム類を含んでいてもよく、例えば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等のアイスクリーム類、アイス大福、アイス饅頭、わらび餅、求肥、団子、柏餅、白玉、ゼリー、ドリンクゼリー、杏仁豆腐、ムース、ババロア、プリン、水羊羹、冷やしカステラ等が挙げられる。
また、別の実施形態において、餅食感が求められる菓子類として、例えば、ホットケーキ、バターケーキ、パンケーキ、ワッフル、マフィン、カステラ、ケーキドーナツ、アメリカンドッグ、菓子パン等の焼き菓子が好ましい。このような焼き菓子は、穀粉等を含むバッター生地を加熱焼成して得られる食品である。バッター生地に含有される穀粉には、通常薄力粉等の小麦粉が用いられる。限定はされないが、バッター生地に含有される穀粉において、薄力粉等の小麦粉に代替して、或いは、添加してヒドロキシプロピルデンプンと、アセチル化リン酸架橋デンプンとを用いることにより、弾力、及び、粘性といった餅食感のバランスに優れた菓子類を提供することが可能となる。
本発明の効果を奏する限りにおいて、菓子類には、水、油脂、タンパク質、糖質、無脂乳固形分、香料、色素、乳化剤、安定剤、酸化防止剤等より選択された添加材料を、所定の割合で混合させ溶融したものが用いることができる。
油脂としては、植物油脂、乳脂肪分、あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等の中から一種又は二種以上を併用することができる。植物油脂の例としては、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油及びパーム核油等を挙げることができる。上記の植物油脂のうち、本発明の効果を顕著に奏する観点から、パーム油、ヤシ油などのパルミチン酸含有率の比較的高い油脂が好ましい。乳脂肪分は、特に限定されないが、例えば、牛乳、濃縮乳、バター、生クリーム、全脂加糖練乳、全脂粉乳等を挙げることができる。
タンパク質としては、通常、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂濃縮乳、脱脂加糖練乳或いは生クリームなどの水溶性の乳由来のタンパク質や、卵由来のタンパク質が好適に用いられる。
甘味料としては、例えば、ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、粉末水あめ、還元麦芽糖水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセサルファムK、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アドバンテーム、アリテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等を挙げることができる。
乳化剤として、例えば、グリセリン脂肪酸エステル類(クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド類、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、レシチン、ステアロイル乳酸塩、ユッカ抽出物、サポニン、ポリソルベート等などを、本発明の効果を損なわない程度において、併用することもできる。本発明の効果を顕著に奏する観点から、グリセリン脂肪酸エステル類が好ましい。
安定剤としては、ウェランガム、キサンタンガム、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、大豆多糖類、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、グルコマンナン、カラギナン、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、プルラン、マクロホモプシスガム、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム等のセルロース誘導体、微結晶セルロース、発酵セルロース、上記以外の加工デンプンや化工デンプン、未加工・未化工の生デンプン等の多糖類、およびゼラチン、乳由来のタンパク質、卵由来のタンパク質、大豆タンパク質、小麦タンパク質等のタンパク質素材を使用することができる。これらの多糖類およびタンパク質素材は、精製品、未精製品、および低分子化物(酸分解、酵素分解)のいずれも使用することができる。
また、香料や色素は公知の菓子類に添加されるものが選択されて用いられる。その他、カルシウム等のミネラル分やビタミン、カテキン、プロテイン類などの栄養強化に用いられるような食品素材や、ナッツ類、クッキー、チョコレートチップ、クルトン、パン、ドライフルーツ、果肉など冷菓の風味、食感にバラエティを持たせるために不溶性の固形分を適宜添加することができる。
本発明の菓子類がホットケーキ等の焼き菓子である場合は、上記の成分の他、バッター生地として公知の材料を用いることができる。限定はされないが、焼き菓子の材料として、上記の成分の他、例えば、卵、卵白等の卵類;ベーキングパウダー、イスパタ等の複合膨張剤;重曹、重炭酸アンモニウム等の単体膨張剤;ライ麦、オーツ麦、コーン、大麦、米、キビ、アワ、ソルガム等の小麦以外の原料の穀粉類等を適宜添加することができる。
[菓子類の餅食感向上方法及び製造方法]
ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを添加する工程を含むことにより、菓子類の餅食感を向上させることが可能となる。
製造方法は菓子類の種類により常法が採用され限定はされないが、例えば、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを、上述の添加材料と粉体混合させ、撹拌しつつ所定の溶融温度にて溶融させ、冷却することで菓子類を製造することが可能である。また、例えば、アイスクリーム類の場合、原料の秤量混合→加温(30〜70℃)→溶解・混合→濾過→ホモジナイズ→殺菌(68℃、30分以上またはHTST殺菌やUHT殺菌)→冷却(5℃以下)→エージング→フレーバー添加→フリージング→充填の工程より必要な工程を適宜選択して製造することができる。ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンの添加は、通常、原料の秤量混合工程において、他の原料と合わせて秤量混合することができる。
菓子類の製造において、必要により、均質化処理を行ってもよい。
均質化処理は、例えば、高圧ホモジナイザー、コロイドミル、ナノマイザー、マイクロフルイタイザー、ホモミキサー又はホモディスパー等を用いて、常法に従って実施できる。均質化処理の条件は特に制限されないが、例えば、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、マイクロフルイタイザー等を用いる場合の好ましい圧力条件(圧力)は1MPa以上であり、より好ましくは5MPa以上、更に好ましくは10MPa以上である。圧力の上限は特に制限されないが、例えば、30MPaである。
また、ホモミキサー、ホモディスパー等を用いる場合の回転条件(回転数)は菓子類の種類、配合する成分等により適宜設定され、限定はされないが、例えば、1000rpm以上、3000rpm以上、5000rpm以上、6000rpm以上、9000rpm以上等とすることができる。回転数の上限も特に制限されないが、例えば、50000rpm以下、40000rpm以下、30000rpm以下、20000rpm以下、15000rpm以下等とすることができる。
菓子類として、冷菓を製造する場合には、公知のアイスクリームフリーザーによりフリージングする工程を含むことが好ましい。この工程により、冷菓の組織中に気泡を含ませることが可能となる。気泡含量について、オーバーラン(OR)は、50%以下とすることが好ましく、本発明の効果を顕著に奏する観点から、40%以下がより好ましく、20〜40%が更に好ましく、30〜40%が特に好ましい。
上記の方法において、用いられるヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプン、その他の成分の種類や含有量については、上記の[菓子類]の記載に準じる。
菓子類として、焼き菓子を製造する場合は、バッター生地を調製する工程、バッター生地を焼成する工程を含む。バッター生地に含有される穀粉において、薄力粉等の小麦粉に代替して、或いは、添加してヒドロキシプロピルデンプンと、アセチル化リン酸架橋デンプンとを用いることにより、弾力、及び、粘性といった餅食感のバランスに優れた菓子類を提供することが可能となる。
菓子類として、焼き菓子を製造する場合、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンの総含有量は、他の成分の種類やその含有量等により適宜調整され、特に制限されないが、例えば、バッター生地全量に対して、0.1〜35質量%とすることができ、好ましくは、0.3〜30質量%、0.5〜25質量%、0.7〜20質量%とすることができる。
菓子類として、焼き菓子を製造する場合、アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量1質量部に対して、前記ヒドロキシプロピルデンプンの含有量は、例えば、0.1〜15質量部とすることができ、好ましくは、0.2〜14質量部、0.3〜12質量部、0.5〜10質量部とすることができる。
[餅食感付与剤]
他の実施形態において、本明細書では、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する、餅食感付与剤を提供することも可能である。
他の実施形態において、本明細書では、ヒドロキシプロピルデンプンを含有する、アセチル化リン酸架橋デンプンと併用して用いられる、餅食感付与剤、又は、アセチル化リン酸架橋デンプンを含有する、ヒドロキシプロピルデンプンと併用して用いられる、餅食感付与剤を提供することも可能である。
本明細書において、餅食感付与とは、食品に対して、餅食感(餅様の食感を含む)を与えることを言う。適用される食品が、大福、団子、牛肥、柏餅、わらび餅、白玉等の餅類である場合には、餅食感を更に向上させることを含む。食品の種類は、上記の[菓子類の種類]の記載に準じるが、冷菓又は焼き菓子であることが好ましい。
本明細書において、餅食感には、もっちりとした食感、もちもちとした食感、もっちりとした触り心地、マシュマロのような弾力食感、餅のような食感、しっとりとした食感等と表現されることを含む。
上記の餅食感付与剤において、用いられるヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプン、その他の成分の種類や含有量については、上記の[菓子類]の記載に準じる。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。
[試験例1:冷菓(ラクトアイス)の餅食感改良試験1]
表1の処方に基づき、冷菓を調製した。表1中の加工デンプンの種類と添加量を表2に示す。なお、調製された冷菓は、全固形分40.0%、植物性脂肪10.0%、無脂乳固形分7.9%であり、甘味度14.1であった。
Figure 2020115857
Figure 2020115857
具体的な調製方法は、以下のとおりである。
1)表1中の成分3、10(水あめ、イオン交換水)を容器に計量し、予め粉体混合した成分1、4、6〜8(砂糖、脱脂粉乳、キサンタンガム、グァーガム、乳化剤)及び表2中の各加工デンプンを添加して撹拌溶解した。
2)80℃に達温後、成分2(ヤシ油)を添加し、温度を保持したまま10分間撹拌溶解した。
3)イオン交換水で全量補正後、ホモジナイザーにて均質化(第一段10MPa、第二段5MPa)した。
4)5℃以下まで冷却後、一晩エージングした。
5)成分9(バニラ香料)を添加して、フリージング(OR:約35質量%)を行い、実施例1−1〜実施例1−3、比較例1−1の冷菓を調製した。
冷菓の粘度を以下の条件で測定した。
粘度測定条件:B型回転粘度計、ローター適宜、5℃、60rpm、1分間測定
冷菓の粘度は、冷却工程における5℃に達温した時点で測定した。
結果を表3に示した。
(官能評価試験)
上記で調製した各冷菓について、食感判定を日常的に行っているパネラー5名により、ブラインドによる食感の官能評価を行った。「弾力」、「粘性」、及び「口どけ」の評価項目について、各評価項目の良好度合いに応じて4>3>2>1の4段階評価を行った。具体的な評価基準は次のとおりである。
「弾力」の評価基準1:噛んだ時の抵抗が非常に弱く、餅食感として望ましくない。2:(−)噛んだ時の抵抗が弱く、餅食感としてあまり望ましくない。又は、(+)噛んだ時の抵抗が強すぎて、餅食感としてあまり望ましくない。3:噛んだ時の抵抗がやや強く、餅食感として望ましい。4:噛んだ時の抵抗が強く、餅食感として非常に望ましい。
「粘性」の評価基準1:粘りがなく、餅食感として望ましくない。2:(−)餅様の粘りが弱く、餅食感としてあまり望ましくない。又は、(+)チューインガム様の非常に強い粘りがあり、餅食感としてあまり望ましくない。3:餅様の粘りがあり、餅食感として望ましい。4:餅様の適度な粘りがあり、餅食感として非常に望ましい。
「口どけ」の評価基準1:口どけが非常に悪く、飲み込みにくい。餅食感として望ましくない。2:(−)口どけが悪く、飲み込みにくく感じる。餅食感としてあまり望ましくない。又は、(+)口どけが良すぎて、物足りなさを感じる。餅食感としてあまり望ましくない。3:口どけがやや良く、飲み込みやすい。餅食感として望ましい。4:口どけが良く、飲み込みやすい。餅食感として非常に望ましい。結果を表3に示した。各パネラーの個別評点を表4に示した。
Figure 2020115857
Figure 2020115857
表3及び表4に示すように、ヒドロキシプロピルデンプンのみを含有する比較例1−1では、粘性の平均値は「2.0」の評価であった。比較例1−1の各パネラーの評価が2(+)であったように、粘りが強すぎて、チューイングガム様のくどさが感じられた。さらに、比較例1−1の口どけの平均値は「1.6」の評価であった。比較例1−1の各パネラーの評価では2名以上が1と評価し、口どけの不良により、飲み込みにくいように感じられた。このように、当該成分単独での餅様食感の改良は困難な場合があることが新たな課題として見出された。一方、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する実施例1−1〜実施例1−3では、これら2成分の配合量を調整することにより、粘度を適切に調整でき、且つ、比較例1−1と対比して、弾力、粘性、及び、口どけのバランスに優れた冷菓であることが示された。
[試験例2:冷菓(アイスクリーム)の餅食感改良試験2]
表5の処方に基づき、冷菓を調製した。加工デンプンの種類と添加量を表6に示す。なお、調製された冷菓は、全固形分45.2%、乳脂肪分10.0%、無脂乳固形分9.7%であり、甘味度15.5であった。
Figure 2020115857
Figure 2020115857
具体的な調製方法は、以下のとおりである。
1)表5中の成分1、2、4、11(生クリーム、全脂加糖練乳、水あめ、イオン交換水)を容器に計量し、予め粉体混合した成分3、5、7〜9(脱脂粉乳、砂糖、グァーガム、キサンタンガム、乳化剤)及び表6中の各加工デンプンを添加して撹拌溶解した。
2)80℃に達温後、温度を保持したまま10分間撹拌溶解した。
3)イオン交換水で全量補正後、ホモジナイザーにて均質化(第一段10MPa、第二段5MPa)した。
4)5℃以下まで冷却後、一晩エージングした。
5)成分10(バニラ香料)を添加して、フリージング(OR:約35質量%)を行い、実施例2−1〜実施例2−3の冷菓を調製した。
冷菓の粘度の測定方法、及び、官能評価試験の方法は、試験例1と同様である。結果を表7に示した。各パネラーの個別評点を表8に示した。
Figure 2020115857
Figure 2020115857
表7及び表8に示すように、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する実施例2−1〜実施例2−3では、これら2成分の配合量を調整することにより、粘度を適切に調整でき、且つ、弾力、粘性、及び、口どけのバランスに優れた冷菓であることが示された。
[試験例3:冷菓(氷菓)の餅食感改良試験3]
表9の処方に基づき、冷菓を調製した。加工デンプンの種類と添加量を表10に示す。なお、調製された冷菓は、全固形分26.6%であり、甘味度20.5であった。
Figure 2020115857
Figure 2020115857
具体的な調製方法は、以下のとおりである。
1)表9中の成分2、4、7(水あめ、果糖ぶどう糖液糖、イオン交換水)を容器に計量し、予め粉体混合した成分3(砂糖)及び表10中の各加工デンプンを添加して撹拌溶解した。
2)80℃に達温後、温度を保持したまま10分間撹拌溶解した。
3)成分1(アルフォンソマンゴーピューレ)を添加し、全量調整後、ホモジナイザーにて均質化(第一段10MPa、第二段5MPa)した。
4)5℃以下まで冷却後、一晩エージングした。
5)成分6(香料)を添加して、フリージング(OR:約30質量%)を行い、実施例3−1〜実施例3−2の冷菓を調製した。
冷菓の粘度の測定方法、及び、官能評価試験の方法は、試験例1と同様である。結果を表11に示した。各パネラーの個別評点を表12に示した。
Figure 2020115857
Figure 2020115857
表11及び表12に示すように、ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する実施例3−1〜実施例3−2では、これら2成分の配合量を調整することにより、粘度を適切に調整でき、且つ、弾力、粘性、及び、口どけのバランスに優れた冷菓であることが示された。
[試験例4:冷菓(ドリンクゼリー)の餅食感応用試験4]
表13の処方に基づき、ドリンクゼリーを調製した。具体的な調製方法は、以下のとおりである。
1)表13中の成分1、3、14(果糖ぶどう糖液糖、生クリーム、イオン交換水)を容器に計量し、予め粉体混合した成分2、5〜8、11(砂糖、寒天、ヒドロキシプロピルデンプン、ペクチン、アセチル化リン酸架橋デンプン、クエン酸三ナトリウム)を添加して、室温にて10分間撹拌した。
2)更に成分4、9、10、12、13(5倍濃縮リンゴ透明果汁、乳酸カルシウム、クエン酸(無水)、バナナ香料、ベニバナ黄色素)を添加し、全量補正後、加熱して93℃達温まで撹拌した。
3)チアパックに充填し、85℃の湯浴にて5分間殺菌した。
4)水冷にて冷却し固化させた。
Figure 2020115857
得られたスムージー食感ドリンクゼリーでは、バナナの生果肉様のもっちりとした弾力のある食感を付与することができた。
[試験例5:焼き菓子(ホットケーキ)の餅食感改良試験1]
表14の処方に基づき、焼き菓子(ホットケーキ)のバッター生地を調製した。
Figure 2020115857
具体的な調製方法は、以下のとおりである。
1)表14中の成分1〜7までを計量し、粉体混合した。
2)成分8〜10をボウルに計り入れ、泡立て器で混ぜながら、上記1)の粉体を添加し、粉末がなくなるまで混合してバッター生地を調製した。
3)フライパンを弱火にかけ、フライパンの表面温度が130℃に達温後、上記2)のバッター生地を流し込み、5分間焼成後、裏返して更に2分間焼成した。
試験例1で官能評価試験を担当したパネラー5名により、ブラインドによる食感の官能評価を行った。ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有するバッター生地により焼き菓子を調製することにより、密な弾力、及び、粘性のバランスに優れた餅食感が得られることが示された。

Claims (9)

  1. ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを含有する、菓子類。
  2. 前記ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が、0.5〜10質量%である、請求項1に記載の菓子類。
  3. 前記アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量が、0.04〜10質量%である、請求項1又は2に記載の菓子類。
  4. 前記アセチル化リン酸架橋デンプンの含有量1質量部に対して、前記ヒドロキシプロピルデンプンの含有量が0.4〜20質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の菓子類。
  5. 前記ヒドロキシプロピルデンプン及び/又はアセチル化リン酸架橋デンプンが、タピオカ由来である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の菓子類。
  6. 前記菓子類が、氷菓又はアイスクリーム類である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の菓子類。
  7. B型回転粘度計を用いて、5℃条件で60rpmにて1分間測定した前記氷菓又はアイスクリーム類の粘度が、200〜2000m・Pasである、請求項6に記載の菓子類。
  8. ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを添加する工程を含む、菓子類の餅食感向上方法。
  9. ヒドロキシプロピルデンプン及びアセチル化リン酸架橋デンプンを添加する工程を含む、菓子類の製造方法。
JP2020008599A 2019-01-22 2020-01-22 菓子類 Pending JP2020115857A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019008757 2019-01-22
JP2019008757 2019-01-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020115857A true JP2020115857A (ja) 2020-08-06

Family

ID=71889139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020008599A Pending JP2020115857A (ja) 2019-01-22 2020-01-22 菓子類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020115857A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020171215A (ja) * 2019-04-09 2020-10-22 王子ホールディングス株式会社 パンケーキおよびパンケーキプレミックス
CN115918831A (zh) * 2022-09-30 2023-04-07 福建农林大学 一种具有调节肠道菌群功效的乙酰化莲子淀粉泡腾片的加工方法
JP7514904B2 (ja) 2022-11-30 2024-07-11 新田ゼラチン株式会社 餅様食品、その製造方法、食品組成物および餅様食品添加用組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020171215A (ja) * 2019-04-09 2020-10-22 王子ホールディングス株式会社 パンケーキおよびパンケーキプレミックス
JP7334447B2 (ja) 2019-04-09 2023-08-29 王子ホールディングス株式会社 パンケーキおよびパンケーキプレミックス
CN115918831A (zh) * 2022-09-30 2023-04-07 福建农林大学 一种具有调节肠道菌群功效的乙酰化莲子淀粉泡腾片的加工方法
CN115918831B (zh) * 2022-09-30 2023-09-12 福建农林大学 一种具有调节肠道菌群功效的乙酰化莲子淀粉泡腾片的加工方法
JP7514904B2 (ja) 2022-11-30 2024-07-11 新田ゼラチン株式会社 餅様食品、その製造方法、食品組成物および餅様食品添加用組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060093720A1 (en) Pumpable, semi-solid low calorie sugar substitute compositions
US6306218B1 (en) Starch-emulsifier composition and methods of making
JP4512135B2 (ja) 機能性砂糖代替物
TWI459902B (zh) 用於製造不含麩質之烘焙產品之配方及方法
JP4972099B2 (ja) 低カロリーの脂肪代替品
JP2009526530A (ja) 機能性砂糖代替物
JP2020115857A (ja) 菓子類
JP2016103992A (ja) 加工食品の品質改良剤
JP4119338B2 (ja) 耐熱性フィリング材
JP6581972B2 (ja) 新規な食用水中油型ペースト状組成物
JP2021052700A (ja) 植物ベースのクリーム代替物の製造法
JP4994336B2 (ja) パン
JP2004081197A (ja) 冷菓用安定剤及び該安定剤を含有する冷菓
JP4873252B2 (ja) チョコレート組成物
JP2017195815A (ja) 製パン改良材
JP2016202141A (ja) 食物繊維を含有するパン用生地及びパン
JP2002186427A (ja) 冷 菓
JP6230740B1 (ja) フラワーペースト
JP6689675B2 (ja) 改良されたカルボキシメチル化澱粉及びその用途
JP6546473B2 (ja) バターケーキ改良材
JP2013215172A (ja) ベーカリー食品内水分移行抑制剤、ベーカリー用上掛け生地及びベーカリー食品
EP4025057A1 (en) Sugar-reduced food cream composition using native pea starch
JP3660261B2 (ja) 冷菓及びその製造方法
TW202005544A (zh) 發泡鮮奶油
KR20040075438A (ko) 빙과 및 그 제조방법