JP2020114626A - 反射フィルム、反射光学素子、反射光学素子の成形方法及び反射フィルムの製造方法 - Google Patents

反射フィルム、反射光学素子、反射光学素子の成形方法及び反射フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂成形品の形状にかかわらず複合化しても割れなどが生じにくく、耐久性に優れる反射フィルム、反射フィルムを樹脂成形品と複合化した反射光学素子、反射光学素子の成形方法、及び反射フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】反射フィルムは、プラスチックフィルム上に、銀層と、ポリウレタン樹脂の保護層とを、この順序で設けてなる。【選択図】図6

Description

本発明は、反射フィルム、反射光学素子、反射光学素子の成形方法及び反射フィルムの製造方法に関する。
レーザービームプリンタや複合機等に用いられているfθミラーや折返しミラー、ヘッドアップディスプレイやプロジェクター用の大型ミラーなどの比較的大型の反射光学素子は、軽量化、低コスト化への対応等の理由から、従来のガラス製から樹脂成形品への転換が行われ、既に実用化されている。これらの反射光学素子については、一般的には金型の高精度の鏡面を射出成形などにより転写して得られた成形品に蒸着等の成膜プロセスを介して、所定の金属反射面を形成している。
ところで、この蒸着等の成膜プロセスは、所定の環境に維持された成膜室にてバッチ処理により行われるが、成膜室の大きさが制限されることから、大型の成形品に大面積にわたって成膜を行う場合、1バッチあたりに成膜できる成形品の個数が少なくなり、成膜コストが顕著に増大するという課題がある。このような課題に対して、金属シートや、金属薄膜を形成したフィルムなどをプラスチック成形品と複合化することにより、より低コストで反射光学素子を形成する試みがある。
ところで、このような複合化による反射光学素子の課題の一つに、高反射率をいかに確保するかということがある。上述したような用途の大型光学ミラーに求められる反射率は、一般的に可視光領域で90%以上が要求される。しかしながら、従来、反射材として広く用いられているアルミニウムシートやステンレスシートはもちろん、アルミニウムを蒸着したプラスチックフィルムでも、このように高い反射率を確保することが困難である。
高い反射率を得る手法の1つとして、樹脂成形品への蒸着でも用いられているように、アルミニウム膜の上に複数の誘電体膜を形成して増反射させる技術がある。しかし、このように誘電体膜を設けると、温度変化時の熱膨張や成形品への転写時の変形により、容易に割れが生じてしまい、反射率低下や外観損失を招くことから、かかる技術の大型ミラーへの適用は現状では困難であるといえる。
又、高い反射率を得る別な手法として、プラスチックフィルムに銀を蒸着する技術も提案されている。しかるに、銀膜は比較的反射率が高いという利点がある一方で、銀自体が水分や塩素などのガスにより腐食しやすいという課題がある。この課題に対し特許文献1には、銀膜の表裏にケイ素化合物樹脂層を設けることで、高温多湿環境下で長時間、腐食防止ができるとされる技術が開示されている。
特許第3645398号明細書
しかしながら、特許文献1の技術では、より厳しい環境において使用された場合、ケイ素化合物樹脂層が耐えられず銀の腐食を招く恐れがある。また、ミラー形状が3次元的である場合など、プラスチックフィルムを複数方向に延伸させて密着させる必要が生じるが、硬度が高く延伸性に劣る誘電体層やケイ素化合物樹脂層を、銀層の保護層としてプラスチックフィルムに設けると、ミラー形状への密着時の変形による膜割れが生じる恐れがある。更に、ケイ素化合物樹脂は、いわゆる触媒毒があるとされるため、フィルターなどを汚染するなど取扱いに注意が必要で、成膜装置側にて問題を発生させる恐れがある。このように、樹脂成形品と複合化することで大型の反射光学素子を形成できる適切な反射フィルムが見当たらないのが現状である。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、樹脂成形品の形状にかかわらず複合化しても割れなどが生じにくく、耐久性に優れる反射フィルム、反射フィルムを樹脂成形品と複合化した反射光学素子、反射光学素子の成形方法、及び反射フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の反射フィルムは、プラスチックフィルム上に、銀層と、ポリウレタン樹脂の保護層とを、この順序で設けたものである。
本発明の反射フィルムの製造方法は、連続的に給送されるプラスチックフィルムに対して銀層を形成し、更に、前記銀層の上にポリウレタン樹脂の保護層を形成するものである。
本発明によれば、樹脂成形品の形状にかかわらず複合化しても割れなどが生じにくく、耐久性に優れる反射フィルム、反射フィルムを樹脂成形品と複合化した反射光学素子、反射光学素子の成形方法、及び反射フィルムの製造方法を提供することができる。
本実施の形態にかかる反射フィルムを製造するために用いるロールトゥロール方式の真空蒸着装置の概略図である。 本実施の形態にかかる反射フィルムを製造するために用いるロールコータ装置の概略図である。 反射光学素子のインサート成形工程を示す図である。 屈折率1.6である保護層の膜厚を、100nm、500nm、1000nm、2000nmと変化させた際の反射特性を示すグラフである。 厚みが1000nmである保護層の屈折率を、1.4、1.6、1.8、2.0と変化させた際の反射特性を示すグラフである。 反射フィルムにおける下地層なしの層構成を示す概略図である。 反射フィルムにおける下地層ありの層構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態にかかる反射フィルムを製造するために用いるロールトゥロール方式の真空蒸着装置の概略図である。図1のロールトゥロール方式の真空蒸着装置は、真空の環境下に設置されており、蒸着材料としての銀分子を含む蒸着フラックス3を発生するための蒸発源1と、プラスチックフィルム8を支持し、その上に蒸着フラックス3を受けて薄膜を形成するための成膜ローラ4と、蒸発源1と成膜ローラ4の間に蒸着フラックス3の一部を遮るための遮蔽板6と、を備えている。
本真空蒸着装置には、図示していない巻き出しロールと巻き取りロールが備えられている。すなわち、図1で左側のテンションロール5の更に先には幾つかのロールを介して巻き出しロールが備えられており、巻き出しロールには処理前のプラスチックフィルム8が巻き付けられている。プラスチックフィルム8としては,例えばPETフィルムを用いることができるが、それに限られない。また図1で右側のテンションロール5の更に先には幾つかのロールを介して巻き取りロールが備えられており、巻き取りロールには処理後のプラスチックフィルム8が巻き付けられる。
成膜ローラ4は、公知の温度調整手段により温度制御されている。遮蔽板6は、蒸発源1から発せられる蒸着材料の蒸着フラックス3を遮る機能を有する。一対の遮蔽板6が、成膜ローラ4と蒸発源1の間に、成膜ローラ4に近接させて設置され、その間に開口部9を形成している。尚、ロールトゥロール方式の真空蒸着装置は以上に限られない。又、真空蒸着装置の代わりに、スパッタリング装置を用いてスパッタリング処理により銀層を形成しても良い。
本実施の形態によれば、不図示の巻き出しローラから連続的に供給されるプラスチックフィルム8は、成膜ロール4の外周に巻き付いた後、その露出した表面が開口部9を通過する際に、蒸発源1から開口部9を介して飛散してきた銀分子が付着することで、所望の厚さの銀層が成膜されるようになっている。
成膜ロール4にて片面に銀層を成膜したプラスチックフィルム8は、成膜ロール4の外周から離脱した後、不図示の巻き取りローラに巻き取られ、次工程に搬送されるようになっている。このように本実施の形態にかかるロールトゥロール方式の真空蒸着装置を用いることで、プラスチックフィルム8の片面に連続的に銀層を成膜できる。
図2は、本実施の形態にかかる反射フィルムを製造するために用いるロールコータ装置の概略図である。図2に示すロールコータ装置は、グラビアロール11と、ピックアップロール12と、貯留槽13とを有する。貯留槽13内には、硬化剤にイソシアネート樹脂を用い、主剤にポリエステルやアクリル系樹脂を用いた混合液14が貯留されている。混合液14は、塗布後に乾燥させることでポリウレタン樹脂の被膜となる。「ポリウレタン樹脂」とは、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物のことであり、通常ポリオールとイソシアネートの反応により作製される。ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
本ロールコータ装置にも、図示していない巻き出しロールと巻き取りロールが備えられている。すなわち、図2で左側になる上流側に巻き出しロールが備えられており、巻き出しロールには片面(図2で下面)に銀層を成膜されたプラスチックフィルム8が巻き付けられている。また図2で右側になる下流側には巻き取りロールが備えられており、巻き取りロールには処理後のプラスチックフィルム8が巻き付けられる。
図2において,貯留槽13内に貯留された混合液14は、混合液14内に浸漬されるゴム製のピックアップロール12を介してグラビアロール11に転写され、グラビアロール11によって、巻き出しロールから連続的に供給されたプラスチックフィルム8の銀層上に所望の厚さで塗布される。その後、プラスチックフィルム8は乾燥工程を経て、銀層の上にポリウレタン樹脂を保護層として被覆させたプラスチックフィルム8,すなわち反射フィルムが得られる。かかるプラスチックフィルム8は、不図示の巻き取りローラに巻き取られ、更に所定のサイズにカットされた後、成形品と複合化される次工程へと搬送されるようになっている。尚、ポリウレタン樹脂を形成する工程は、以上に限られず、グラビアコーターやリバースコーター、コンマコーターなどのロールコーター法やスロットダイなどによるダイコーター法等、種種の工程により形成することができる。
変形例として、プラスチックフィルム8に下地層を設ける場合、プラスチックフィルム8の片面に対して、図2のようなロールコータ装置を用いてポリウレタン樹脂の下地層を形成し、その後、図1のようなロールトゥロール方式の真空蒸着装置を用いて銀層を形成し、再び図2のようなロールコータ装置を用いてポリウレタン樹脂の保護層を形成して、反射フィルムを製造することができる。尚、プラスチックフィルム8に下地層を設けるか否かにかかわらず、銀層を設けた片面とは反対側の面に接着層を設けても良い。接着層を設けることで、成形品にプラスチックフィルム8を貼り付ける際に強固な接着力を確保できる。
図3は、反射光学素子のインサート成形工程を示す図である。インサート成形を用いた反射光学素子の製造方法について、図3を参照して説明する。図3において、金型21は、凸曲面状の転写面21aと、一端が転写面21aに開口する吸気孔21bと、転写面21aから突き出し可能に配置されたイジェクトピン21cとを有している。吸気孔21bの他端は、外部の負圧機構(不図示)に接続されている。又、イジェクトピン21cは、駆動機構21dにより突き出し又は引き込みが可能となっている。一方、金型22は、転写面21aに対向して凹曲面状の転写面22aを有している。
まず、前工程として、上述のように銀層とポリウレタン樹脂を形成したプラスチックフィルム8を所定サイズに裁断する。更に、図3(a)に示すように、金型21,22を離間させた状態で、搬送装置23を用いて,裁断したプラスチックフィルム8を搬送し、銀層と保護層を設けた側を転写面21aに接近させる。このとき、負圧機構により吸気孔21b内を負圧にすると、プラスチックフィルム8は大気圧により曲面状の転写面21aに対して密着する。この際に、銀層及びポリウレタン樹脂の保護層は曲げられるが、割れなどが生じることがない。更に、搬送装置23は、プラスチックフィルム8を解放させた後に金型間から退避させる。
その後、図3(b)に示すように、金型21,22を互いに接近させて型締めを行い、転写面21a(プラスチックフィルム8)と転写面22aの間に形成されたキャビティ内に、不図示のゲートを介して溶融した樹脂を射出する。射出した樹脂が固化することで、プラスチックフィルム8と一体化することとなる。この際に、銀層及びポリウレタン樹脂の保護層は加熱されるが、熱膨張などで割れやヒビなどが生じることがない。
その後、図3(c)に示すように、金型21,22を離間して型開きし、更に図3(d)に示すように駆動機構21dを用いてイジェクトピン21cを突き出すことで、転写面21aから成形品を取り出すことができる。かかる成形品は、プラスチックフィルム8をインサート成形することにより、低コストながらも高反射率を備えた高精度な反射面を有する反射光学素子OEとなる。尚、図3(a)ではプラスチックフィルム8はフラットな形状で示しているが予め製品形状に近い形状にフォーミングしたものであっても構わないし、金型22側に吸気孔を設けて転写面22a側でフィルムを保持して転写させて金型21側から成形品を取り出すようにしても構わない。
本実施の形態にかかる反射光学素子OEは、銀層の上にポリウレタン樹脂の保護層を設けているので、銀の腐食を有効に抑制できる。又、プラスチックフィルム8に下地層を設けた場合、延伸時の銀層の剥離やクラックを更に有効に抑制できる。
以下、本発明者らが行った検討結果について説明する。本発明者らは、まず保護層の厚みに対する反射光学素子の反射特性について検討した。図4は、屈折率1.6である保護層の膜厚を、100nm、500nm、1000nm、2000nmと変化させた際の反射特性を示すグラフであり、縦軸を反射率、横軸を波長としている。図4の検討結果によれば、保護層の膜厚を2000nm以下とすれば、可視光域(波長400−600nm)において、90%以上の反射率を確保できることがわかる。
但し、波長によって反射率の増減が大きくなりすぎると、反射光学素子を用いて画像を形成しようとするときに、画像データの補正が必要になる場合がある。これに対し、保護層の厚みを500nm以下とすれば、波長に応じた反射率の増減が小さくなるので,それにより補正処理の簡素化もしくは省略ができる。一方、保護層の厚みが10nmを下回ると、塗布時の濃度が顕著に薄くなり、均一に成膜することが難しくなり、銀の腐食を招きやすくなる。これに対し、保護層の厚みを10nm以上とすることで、均一な膜厚を確保することができる。
次に本発明者らは、保護層の屈折率に対する反射光学素子の反射特性について検討した。図5は、厚みが1000nmである保護層の屈折率を、1.4、1.6、1.8、2.0と変化させた際の反射特性を示すグラフであり、縦軸を反射率、横軸を波長としている。図5の検討結果によれば、保護層の屈折率を1.7とすれば、可視光域(波長400−600nm)において、90%以上の反射率を確保できることがわかる。但し、屈折率が1.4を下回ると、材料の選定の自由度が制限される恐れがあるので、屈折率は1.4以上とすることが好ましい。
次に、本発明者らは実施例を作製し、比較例と共に試験に供することで、その効果を確認した。まず、図6に示すような膜構成(下地層なし)を持つ比較例1〜5,実施例1、2を、以下の要領で作製した。プラスチックフィルム(以下、基材という)には、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。この基材に、銀(Ag)を真空蒸着により厚み150nmになるよう成膜した。基材に銀層のみを形成したものを比較例1とした。
基材に銀層を形成した後、誘電体多層膜(SiO2,TiO2等)5層を目標の厚み(1μm程度)になるよう真空蒸着したものを、比較例2とした。又、基材に銀層を形成した後、その上面側に後述する樹脂を適切な溶剤で濃度調整をし、バーコーターで塗布して、その後すぐに乾燥炉にて、溶剤を揮発させた。その際、化学反応させて目標の厚みになるよう保護層を成膜していくつかの比較例と実施例を作成した。まず、保護層として厚さ1μmのシリコーン樹脂(溶剤系)を用いたものを比較例3とした。又、保護層として厚さ1μmのポリウレタン樹脂(主剤としてポリエステル樹脂、硬化剤としてポリイソシアネート樹脂)を用いたものを実施例1とし、保護層として厚さ1μmのポリウレタン樹脂(主剤としてアクリル樹脂、硬化剤としてポリイソシアネート樹脂)を用いたものを実施例2とした。更に、保護層として厚さ2μmのアクリル樹脂(溶剤系)を用いたものを比較例4とし、保護層として厚さ2μmのフッ素樹脂(溶剤系)を用いたものを比較例5とした。尚、比較例1〜5,実施例1、2において、基材の反対面側に接着層として、アクリル樹脂やその他合成樹脂を溶剤で溶融したものをスクリーン印刷にて成膜したのちに乾燥炉にて溶剤を揮発させて数μmの厚みに形成した。
このようにして製作した比較例1〜5,実施例1、2を、Ag腐食試験と膜剥離試験に供試した。より具体的には、Ag腐食試験では、温度85℃、相対湿度85%RHの環境下に、1000時間曝露する間、銀層の腐食(白化)の有無を目視により観察した。1000時間曝露後も腐食がなければ評価を○とし、200時間以内に腐食がなければ、評価△とし、200時間以内に腐食が生じれば評価を×とした。
一方、膜剥離試験では、温度85℃、相対湿度85%RHの環境下に、1000時間曝露する間、銀層の剥離の有無を目視により観察した。1000時間曝露後も剥離なしであれば評価を○とし、剥離があれば評価を×とした。その評価結果を表1にまとめて示す。
表1の評価結果によれば、比較例1のように銀層のみで保護層がなければ、腐食が発生することが分かる。又、比較例2、3のように、誘電体多層膜又はシリコーン樹脂を保護層とした場合、共に膜剥離試験は評価が○であるが、Ag腐食試験で評価が△であり、実用に供し得ないことが分かる。更に、比較例4のように、アクリル樹脂を保護層とした場合、膜剥離試験もAg腐食試験も評価が×であり、実用に供し得ないことが分かる。又、比較例5のように、フッ素樹脂を保護層とした場合、膜剥離試験は評価が○であるが、Ag腐食試験で評価が×であり、実用に供し得ないことが分かる。
これに対し、実施例1,2のように、ポリウレタン樹脂を保護層とした場合、共に膜剥離試験もAg腐食試験も評価が○となり、十分に実用に供し得ることが分かる。この結果により、ポリイソシアネート樹脂のように窒素を含む材料を硬化剤した材料を成膜することでAgの凝集を抑えられ、銀層の腐食を抑えられることが分かった。
尚、保護層は銀層(Ag)の凝集を抑える効果があるので、直接、銀層に接合する必要がある。但し、保護層の上に他の層を設けても良い。又、銀層とフィルム基材との間に別の層を設けてもよい。
更に本発明者らは、下地層ありの実施例を作製し、下地層ありの比較例と共に試験に供することで、その効果を確認した。まず、上述した比較例1,図7に示すような膜構成(下地層あり)を持つ比較例6〜8,実施例3、4を、以下の要領で作製した。基材には、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。比較例1については、上述したので省略する。
この基材に、下地層として誘電体多層膜(Al23等)2層を目標の厚み(1μm程度)になるよう真空蒸着したものに、比較例2と同様に銀層及び保護層を形成して、比較例6とした。又、基材に後述する樹脂を適切な溶剤で濃度調整をし、バーコーターで塗布して、その後すぐに乾燥炉にて、溶剤を揮発させた。その際、化学反応させて目標の厚みになるよう下地層を成膜していくつかの比較例と実施例を作成した。まず、下地層として厚さ1μmのシリコーン樹脂(溶剤系)を用いたものに、比較例3と同様に銀層及び保護層を形成して、比較例7とした。更に、下地層として厚さ1μmのポリウレタン樹脂(主剤としてポリエステル樹脂、硬化剤としてポリイソシアネート樹脂)を用いたものに、実施例1と同様に銀層及び保護層を形成して、実施例3とした。又、下地層として厚さ1μmのポリウレタン樹脂(主剤としてアクリル樹脂、硬化剤としてポリイソシアネート樹脂)を用いたものに、実施例2と同様に銀層及び保護層を形成して、実施例4とした。更に、下地層として厚さ2μmのアクリル樹脂(溶剤系)を用いたものに、比較例4と同様に銀層及び保護層を形成して、比較例8とした。但し、下地層としてフッ素樹脂(溶剤系)を用いると、銀層の形成が困難となるので、これは供試品としなかった。さらに、比較例6〜8,実施例3,4において、上述と同様に接着層を形成した。
このようにして製作した比較例6〜8,実施例3,4を、Ag腐食試験と膜剥離試験と延伸性試験に供試した。Ag腐食試験と膜剥離試験の詳細と評価手法については,上述しているため省略する。一方、延伸性試験については、比較例6〜8,実施例3,4を、それぞれ長さ100mm、幅15mmの試験片として、雰囲気温度を125℃に設定し、試験器(島津製作所製、製品名AUTOGRAPH)にかけて、フィルムの延伸率10%まで延伸させて反射率低下評価を行った。その結果、反射率低下が認められない場合、評価を○とし、クラック発生による反射率低下が認められた場合、評価を×とした。その評価結果を表2にまとめて示す。
表2の評価結果によれば、比較例1、8の場合、5%の延伸にて反射率が低下し、実用に供し得ないことが分かる。又、比較例6、7の場合、1%の延伸にて反射率が低下し、実用に供し得ないことが分かる。尚、比較例6は比較例2に対して、下地層を設けることでAg腐食試験の評価が○となる。特に、誘電体多層膜の場合には膜応力が大きいため、下地層を設けて初めて評価が○となると考えられる。又、比較例8は比較例4に対して、下地層を設けることでAg腐食試験の評価が○となっている。
これに対し、実施例3,4の場合、Ag腐食と膜剥離の評価に加えて、延伸性の評価も○となり、クラック抑制が十分で実用に供し得ることが分かる。特に、硬化剤のイソシアネート樹脂が、Ag腐食や延伸性の向上に有効である。
尚、下地層も銀層との密着力確保が必要なので,両者は直接接合させることが必要になる。但し、下地層とフィルム基材の間に他の層を設けても良い。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明はこれに限られない。例えば、反射フィルムと成形品との複合化は、インサート成形に限られず、反射フィルムを樹脂成形品に接着する場合も含む。又、本発明の反射光学素子は、レーザービームプリンタや複合機等に用いられているfθミラーや折返しミラー、ヘッドアップディスプレイやプロジェクター用の大型ミラー等に適用できる。
1 蒸発源
3 蒸着フラックス
4 成膜ローラ
5 テンションロール
6 遮蔽板
8 プラスチックフィルム
9 開口部
11 グラビアロール
12 ピックアップロール
13 貯留槽
13 貯留部
14 混合液
21 金型
21a 転写面
21b 吸気孔
21c イジェクトピン
21d 駆動機構
22 金型
22a 転写面
23 搬送装置
OE 反射光学素子

Claims (12)

  1. プラスチックフィルム上に、銀層と、ポリウレタン樹脂の保護層とを、この順序で設けた反射フィルム。
  2. 前記プラスチックフィルムと前記銀層との間に、ポリウレタン樹脂の下地層を設けた請求項1に記載の反射フィルム。
  3. 前記ポリウレタン樹脂の保護層の厚みが10nm以上、2000nm以下である請求項1又は2に記載の反射フィルム。
  4. 前記ポリウレタン樹脂の保護層の厚みが10nm以上、500nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の反射フィルム。
  5. 前記ポリウレタン樹脂の保護層の屈折率が1.4以上、1.7以下である請求項1〜4のいずれかに記載の反射フィルム。
  6. 前記プラスチックフィルムにおける前記銀層とは反対側の面に接着層を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の反射フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射フィルムを樹脂成形品の表面に貼り付けてなる反射光学素子。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射フィルムを金型内に配置して、溶融した樹脂を前記反射フィルムに接するように前記金型内に射出して、前記樹脂を固化させることで前記反射フィルムと前記樹脂とを一体化する反射光学素子の成形方法。
  9. 連続的に給送されるプラスチックフィルムに対して銀層を形成し、更に、前記銀層の上にポリウレタン樹脂の保護層を形成する反射フィルムの製造方法。
  10. 前記銀層を形成する前に前記プラスチックフィルムに対して、ポリウレタン樹脂の下地層を形成し、その上に前記銀層を形成する請求項9に記載の反射フィルムの製造方法。
  11. 前記銀層は真空蒸着法又はスパッタリング法により形成する請求項9又は10に記載の反射フィルムの製造方法。
  12. 硬化剤にイソシアネート樹脂を用い、主剤にポリエステルやアクリル系樹脂を用いた混合液を、前記プラスチックフィルムに成膜された前記銀層に塗布した後に、乾燥工程により反応させることにより、前記ポリウレタン樹脂の保護層として形成することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の反射フィルムの製造方法。
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