JP2020113916A - 頭部装着型表示装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】利用者の眼にとって適切な位置に画面の表示位置を配置し得る技術を提供する。【解決手段】頭部装着型表示装置は、眼に対向する位置に配置され、画面を表示する表示部と、表示部の画面表示を制御する表示制御部と、表示部による画面表示位置を調整する調整機構と、を備えており、表示制御部は、画面表示位置を調整する際に、表示部に位置調整用画面を表示させる。【選択図】図1

Description

本明細書で開示する技術は、頭部装着型表示装置に関する。
特許文献1には、左眼用画面を表示する左眼用表示部と、右眼用画面を表示する右眼用表示部と、左眼用表示部及び右眼用表示部の画面表示を制御する表示制御部と、左眼用表示部と右眼用表示部間の眼幅を調整する眼幅調整機構と、を備える頭部装着型表示装置(いわゆるヘッドマウントディスプレイ)が開示されている。
上記の特許文献1の頭部装着型表示装置では、表示制御部は、眼幅調整機構において眼幅を調整する際に、眼幅調整用の信号パターン画面を左眼用表示部及び右眼用表示部に表示させる。この際に表示される信号パターン画面は、左眼用と右眼用とで白黒を反転させた幾何形状からなる画像によって構成される。例えば、左眼用の信号パターン画面が、白地の中に黒色の矩形が複数個配置された画像を表わし、右眼用の信号パターン画面が、その白黒を反転させた画像を表わす。
特開2012−138654号公報
一般に、この種の頭部装着型表示装置を装着して利用者が表示画面を見る場合、眼の健康のために、利用者の左眼及び右眼にとっての適正位置に表示画面が表示されることが好ましい。一方で、左眼と右眼との間の幅(即ち眼幅)は、利用者毎に異なる。利用者の眼幅に合わせた位置に表示画面が表示されるよう、左眼用表示部と右眼用表示部との間の間隔を調整する必要がある。
上記特許文献1の頭部装着型表示装置において眼幅調整を行う場合、利用者は、左眼用表示部に表示された左眼用の信号パターン画面を左眼で見るとともに、右眼用表示部に表示された右眼用の信号パターン画面を右眼で見ながら、眼幅調整機構を操作して、両信号パターン画面が重なり合って全体が白(又は全体が黒)の一つの画面が形成される位置に合うように眼幅の調整を行う。特許文献1の技術では、両信号パターン画面が重なり合って全体が白(又は全体が黒)のパターン画面が形成される位置に合うように調整を行うことで、前記左眼用表示部と前記右眼用表示部間の眼幅を最適値に調整させることを図っている。
しかしながら、本件発明者が実際に特許文献1の技術を用いて眼幅を調整する実験を行ったところ、特許文献1の技術によっては、両信号パターン画面が重なり合って全体が白(又は全体が黒)のパターン画面が形成されるように見え方を調整することが極めて難しいことが判明した。その理由は以下の通りである。
人間の両眼及び脳は、左眼と右眼とでそれぞれ視差のある画像を見た場合、両画像を合わせて立体的な一つの画像を認識する機能を備える。このような物の見方をいわゆる立体視という。人間が立体視を行う際、人間の脳は、無意識に、注視する物体の輪郭から、視差のある両眼画像の一致点を結んで一つの物体画像として認知する。この際、両眼球は、対象の物体を注視する(即ち、両眼球が対象の物体に焦点を合わせる)ように回動する。
人間の脳及び両眼球がそのような動作を無意識に行うため、左眼用と右眼用とで白黒を反転させた幾何形状からなる画像を表わす信号パターン画面をそれぞれ左眼と右眼とで視認した場合、人間の両眼球及び脳は、同色の形状同士の輪郭を一致させて認識しようとする。その結果、特許文献1の頭部装着型表示装置が表示する信号パターン画面を視認した利用者の両眼及び脳は、例えば、無意識に、左眼用の信号パターン画面中の黒色の部分(例えば黒色の矩形部分)と右眼用の信号パターン画面中の黒色の部分(例えば黒色の矩形部分)の輪郭を一致させて認識しようとする。その結果、上述の通り、利用者が、両信号パターン画像が重なり合った全体が白(又は全体が黒)の一つのパターン画面を視認することができない。仮に、両信号パターン画面の表示位置を左右にずらしたとしても、人間の両眼球及び脳が無意識に左眼用の信号パターン画面と右眼用の信号パターン画面の同色部分の輪郭を一致させようと動作してしまうため、利用者は、全体が白(又は全体が黒)のパターン画面を視認することはできない。本件発明者らが実際に実験を行ったところ、全体が白(又は全体が黒)のパターン画面を視認できた被検者は極めて少数であった。しかも、全体が白(又は全体が黒)のパターン画面を視認できた被検者の場合、眼幅の調整値がどのような値であっても、被検者の両眼及び脳が無意識に調整を図るために全体が白(又は全体が黒)のパターン画面を視認できてしまう。そのため、そのような被検者にとっても、上記特許文献1の頭部装着型表示装置によって眼幅を最適値に調整することができない。
さらに、特許文献1の頭部装着型表示装置の眼幅調整機構は、一つの調節ねじを回動させることにより、左眼用表示部と右眼用表示部とを水平方向に同時に相互に近接又は離間させるように移動させるに過ぎない。特許文献1の技術では、左眼用表示部における画面の表示位置と、右眼用表示部における画面の表示位置と、を個別に調整することも考慮されていない。そのため、利用者の左眼と右眼のそれぞれにとって最適な位置に画面の表示位置を配置することが難しい場合がある。
このように、特許文献1の技術によって、適切に眼幅調整を行う(より具体的には、利用者の左眼と右眼のそれぞれにとって適切な位置に画面の表示位置を配置する)ことが難しいことが判明した。利用者の左眼と右眼のそれぞれにとって適切な位置に画面の表示位置を配置し得る新規な技術の開発が望まれている。
本明細書は、利用者の眼にとって適切な位置に画面の表示位置を配置し得る技術を提供する。
本明細書で開示する頭部装着型表示装置は、眼に対向する位置に配置され、画面を表示する表示部と、前記表示部の画面表示を制御する表示制御部と、前記表示部による画面表示位置を調整する調整機構と、を備えており、前記表示制御部は、前記画面表示位置を調整する際に、前記表示部に位置調整用画面を表示させる。
ここでいう「眼」は、左眼と右眼とのうちの一方又は双方を含む。上記の構成によると、頭部装着型表示装置の利用者は、画面表示位置を調整する際に、表示部に位置調整用画面を表示させることができる。即ち、利用者は、位置調整用画面を視認しながら画面表示位置を調整することができる。そのため、上記の頭部装着型表示装置によれば、利用者は、自身の眼にとって適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。
前記位置調整用画面は、表示領域の外周縁に配置されるマーカ画像を含んでもよい。
この構成によると、利用者は、以下の手法で画面の表示位置を調整し得る。例えば、調整機構によって画面表示位置を調整する際、利用者は、位置調整用画面の表示領域の外周縁に配置されるマーカ画像を目印にして、眼(例えば左眼)がマーカ画像を視認し得る最も外側(即ち左端)の左眼表示部の位置(以下「外側境界位置」と呼ぶ場合がある)と、左眼がマーカ画像を視認し得る最も内側(即ち右端)の左眼表示部の位置(以下「内側境界位置」と呼ぶ場合がある)と、をそれぞれ特定することができる。そして、利用者は、特定された外側境界位置と内側境界位置とを利用することにより、左眼のための画面表示位置を適切な位置に調整し得る。右眼の場合も同様である。この構成によると、利用者は、自身の眼にとってより適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。
前記位置調整用画面は、表示領域の中央に配置される高輝度画像を含んでもよい。
ここで言う「高輝度画像」は、例えば全面が白色やそれに準ずる高輝度色の無地画像(なお、白色は最も輝度の高い色である)、利用者が注視しやすい目印になり得る高輝度の画像等、任意の高輝度画像を含む。一般的に、高輝度画像は、低輝度画像に比べて利用者が視認し易いため、表示された際に利用者が無意識に注視する対象になり得る。そのため、この構成によると、例えば、調整機構によって画面表示位置を調整する際、利用者に高輝度画像を注視させることで、眼球が意図しない方向に回動することを抑制し、視線(即ち眼球の向き)を位置調整用画面の表示領域の中央付近に固定することができる。そのため、利用者が実際に表示画面を見る際の視線を再現しながら画面表示位置を調整することができる。この構成によると、利用者は、自身の眼にとってより適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。
前記表示制御部は、前記画面表示位置を調整する際において、表示中の前記位置調整用画面のうちの少なくとも一部の表示輝度を変更してもよい。
一般に、視界のうちの外側境界位置及び内側境界位置においては、視界の中心付近に比べて、入射光量が少ないことが知られている。そのため、この構成によると、例えば、表示部が眼(例えば左眼)に対向している場合において、調整機構によって画面表示位置を調整する際、位置調整用画面のうちの外周縁の表示輝度を中心部分に比べて下げることにより、表示輝度を下げた際に、表示輝度を下げた箇所(例えば左側の外周縁付近の箇所)が視認できなくなった際の位置を外側境界位置として特定し得る。同様に、右側の外周縁付近の箇所が視認できなくなった際の位置を内側境界位置として特定し得る。このように、外側境界位置及び内側境界位置を適切に特定し得る。利用者は、特定された外側境界位置と内側境界位置とを利用することにより、左画面表示位置を適切な位置に調整し得る。右眼の場合も同様である。この構成による場合も、利用者は、自身の眼にとってより適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。
前記表示制御部は、前記表示輝度を変更する場合、第1輝度値と、前記第1輝度値よりも低輝度の第2輝度値と、を含む複数種類の輝度値の間で前記表示輝度を周期的に変更させてもよい。
位置調整用画面のうち、表示輝度が周期的に変更する(例えば点滅する)箇所は、視界の外周縁付近の箇所であっても、利用者が視認し易くなる。そのため、この構成によると、例えば、調整機構によって画面表示位置を調整する際、位置調整用画面のうちの外周縁の箇所の表示輝度を複数種類の輝度値の間で周期的に変更させる(例えば点滅させる)ことで、利用者が、外側境界位置と内側境界位置とを特定し易くなる。この構成による場合、利用者は、外側境界位置と内側境界位置とをより適切に特定することができる。
前記調整機構は、現在の前記画面表示位置に対応する前記表示部の位置を出力する現在位置出力部と、指定された前記画面表示位置に対応する位置に前記表示部を設定する設定部と、を含んでもよい。
この構成によると、利用者は、調整機構によって画面表示位置を調整する際に、適切な位置に表示部を設定し得る。
前記表示部は、前記眼と前記表示部との相対位置に応じて、前記眼への入射光量が変化する特性を有していてもよい。
この構成によると、表示部が、眼と表示部との相対位置に応じて、眼への入射光量が変化する特性を有する場合(例えば、表示部が導光板を含む場合等)においても、利用者は、自身の眼にとって適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。
前記表示部は、左眼に対向する位置に配置され、左眼用画面を表示する左眼用表示部と、右眼に対向する位置に配置され、右眼用画面を表示する右眼用表示部と、を含んでもよい。前記表示制御部は、前記左眼用表示部と前記右眼用表示部の画面表示を制御してもよい。前記調整機構は、前記左眼用表示部による左画面表示位置を調整するための左調整機構と、前記右眼用表示部による右画面表示位置を調整するための右調整機構と、を含んでもよい。前記表示制御部は、前記左画面表示位置を調整する際に、少なくとも前記左眼用表示部に前記位置調整用画面を表示させ、前記右画面表示位置を調整する際に、少なくとも前記右眼用表示部に前記位置調整用画面を表示させてもよい。
上記の構成によると、頭部装着型表示装置の利用者は、左画面表示位置を調整する際に、少なくとも左眼用表示部に位置調整用画面を表示させることができる。同様に、利用者は、右画面表示位置を調整する際に、少なくとも右眼用表示部に位置調整用画面を表示させることができる。即ち、上記の構成によると、利用者は、左画面表示位置と、右画面表示位置と、を個別に調整することができる。そのため、上記の頭部装着型表示装置によれば、利用者は、自身の左眼と右眼のそれぞれにとって適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。
前記表示制御部は、前記左画面表示位置を調整する際と前記右画面表示位置を調整する際との双方において、前記左眼用表示部と前記右眼用表示部との双方に前記位置調整用画面を表示させてもよい。前記左眼用表示部に表示される前記位置調整用画面と、前記右眼用表示部に表示される前記位置調整用画面との間には、両眼視した際に立体的に認識させるための視差が設けられていてもよい。
この構成によると、左画面表示位置を調整する際と右画面表示位置を調整する際との双方において、利用者は、調整の際に、立体的に認識できる画面を視認する。例えば、立体的に認識できる画面が立体的に認識できる物体の画像を含んでいる場合を想定する。利用者がその物体を視認した際に、物体の画像が視認されている位置と利用者との間の距離は、その利用者の左右の視差量(即ち、眼幅)に応じて異なることが分かっている。そのため、立体的に認識できる物体の画像が視認されている位置と利用者との距離を測定し、その距離を用いて計算することで、利用者の眼幅を算出することができる。従って、この構成による場合も、利用者は、自身の左眼と右眼のそれぞれにとってより適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。
上記の頭部装着型表示装置のための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の頭部装着型表示装置を利用して、利用者の眼にとって適切な位置に画面の表示位置を配置するための調整方法も、新規で有用である。
第1実施例のHMD2の概要を示す。 左投影装置30Lから出射される光の経路及び位置毎の瞳入射光量を模式的に示す。 位置と瞳入射光量との関係を示す。 制御部90が実行する位置調整処理のフローチャートを示す。 位置調整処理が行われる際の位置調整用画面100の遷移を示す。 第2実施例のHMD202の概要を示す。 第3実施例における位置と瞳入射光量との関係を示す。 第4実施例における位置調整用画面100の例を示す。 第5実施例における位置調整用画面300の例を示す。 第6実施例における位置調整用画面400の例を示す。
(第1実施例)
(HMD2の構成)
図1に示すように、本実施例のHMD(Head Mount Displayの略)2は、利用者の頭部に装着して使用される表示装置である。HMD2は、基材10と、左導光板20Lと、右導光板20Rと、左投影装置30Lと、右投影装置30Rと、左調整機構40Lと、右調整機構40Rと、制御部90とを備えている。
基材10は、利用者の頭部前面に装着可能なフレーム部材である。図1の例では、基材10の正面部分のみを図示している。基材10には、図1に示していない範囲において、利用者の頭部にHMD2を装着して保持するための保持部材(例えば、眼鏡のツル状の部材、ヘアバンド状の部材)等が備えられている。また、基材10には、HMD2の各部材20L、20R、30L、30R、40L、40R、90等が搭載されている。図1に示すように、基材10を利用者の頭部前面に装着すると、基材10は、利用者の左眼4L及び右眼4Rの上方に配置される。基材10の前面には、左導光板20Lの現在位置を示す左目盛11Lと、右導光板20Rの現在位置を示す右目盛11Rとが設けられている。左目盛11L及び右目盛11Rは、基材10の前面側から視認可能である。以下では、左目盛11Lと右目盛11Rとを区別せずに呼ぶ場合には単に「目盛11」と呼ぶ場合がある。
右導光板20R、右投影装置30R、及び、右調整機構40Rの構成は、左右が反対であることを除き、左導光板20L、左投影装置30L、及び、左調整機構40Lの構成とほぼ同様である。そのため、以下では、左導光板20L、左投影装置30L、及び、左調整機構40Lの構成を詳しく説明し、右導光板20R、右投影装置30R、及び、右調整機構40Rの構成の詳しい説明は省略する。なお、以下では、右導光板20Rと左導光板20Lとを区別せずに呼ぶ場合には単に「導光板20」と呼ぶ場合がある。同様に、右投影装置30Rと左投影装置30Lとを区別せずに呼ぶ場合にも単に「投影装置30」と呼ぶ場合がある。同様に、右調整機構40Rと左調整機構40Lとを区別せずに呼ぶ場合にも単に「調整機構40」と呼ぶ場合がある。
左導光板20Lは、基材10を利用者の頭部に装着した場合に、利用者の左眼4Lに対向する範囲に配置される透光性の基板である。左導光板20Lは、例えばガラスによって形成される。変形例では、左導光板20Lは光透過性の樹脂材料等によって形成されていてもよい。図2に示すように、左導光板20Lは、利用者の左眼4Lに対向する側の主面である第1主面と、第1主面と反対側の主面である第2主面とを有する。さらに、左導光板20Lの内部には左ハーフミラー部材22Lが設けられている。
図1、図2に示すように、左投影装置30Lは、左導光板20Lの左側(即ち、利用者の顔の外側寄りの位置)に配置される。左投影装置30Lは、左導光板20Lの内部に向かって左眼用画面を表わす画像を形成する光を照射するための投影装置である。ここで、左眼用画面は、利用者に視認させる1個の画面のうちの左眼視界範囲に対応する部分を示す画面である。左投影装置30Lは、制御部90(図1参照)の指示に従って、様々な態様で光を照射する。
左投影装置30Lは、図示しないLED(Light Emitting Diodeの略)パネル、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)パネル、レンズ等を含む。LEDパネルは、制御部90(図1参照)の指示に従って、赤色光、緑色光及び青色光を時分割で照射する。LEDパネルが赤色光、緑色光、青色光を時分割で照射することによって、利用者が視認可能な左眼用画面が形成される。LCOSパネルは、LEDパネルから投射される光を、形成されるべき画面に応じて反射するスクリーンである。LCOSパネルにおいて反射された光はレンズに入射する。レンズは、LCOSパネルからプリズムを透過して入射された光の角度を変更して(例えば平行光になるように収束させて)左導光板20Lに投射するための光学部材である。このようにして、左投影装置30Lは左眼用画面を形成する光を左導光板20L内に入射させることができる(図2参照)。
図1に示す左調整機構40Lは、左導光板20Lの左右位置を調整するための機構である。左調整機構40Lは、基材10と左導光板20Lとの間に配置され、基材10と左導光板20Lとを連結している。左調整機構40Lは、ボルトとナットとを備える機構であり、左端部に配置される調整ねじ42Lを回動させることで(矢印46L参照)、左導光板20Lを左右方向(矢印48L参照)に沿って移動させることができる。利用者は、調整ねじ42Lを回動させることで、左導光板20Lの左右位置を調整することができる。
左調整機構40Lには、さらに、目印44Lが含まれる。目印44Lは、左導光板20Lの上端に固定されており、左導光板20Lの左右方向の移動に追随して移動する。目印44Lは矢印型に形成されており、その先端が左目盛11Lの一部を指し示している。利用者は、目印44Lが左目盛11Lを指し示している位置を見ることにより、左導光板20Lの現在の位置を把握することができる。
制御部90は、左投影装置30L及び右投影装置30Rを制御するための制御装置である。図1の例では、制御部90は、左投影装置30L及び右投影装置30Rの外側に模式的に描かれているが、制御部90は、例えば、左投影装置30L内に収容されていてもよい。他の例では、制御部90は、右投影装置30R内に収容されていてもよいし、左投影装置30Lと右投影装置30Rとに分かれて設けられていてもよい。上記の通り、制御部90の指示に従って、投影装置30は、表示画面を表わす光を照射する。
また、図1では示していないが、HMD2には、利用者がHMD2に各種指示を入力するための操作部も設けられている。利用者は、操作部を操作することで、HMD2に各種指示を入力することができる。制御部90は、利用者が入力する指示に従って様々な処理を実行することができる。
続いて、図2、図3を参照して、左投影装置30Lから照射される光の挙動について説明する。この場合も、右投影装置30Rから照射されて右眼4Rに入射される光の挙動は、左右が反対であることを除いて、左投影装置30Lから照射されて左眼4Lに入射される光の挙動と同様であるため、以下では左投影装置30Lから照射されて左眼4Lに入射される光の挙動について詳しく説明し、右投影装置30Rから照射されて右眼4Rに入射される光の挙動については詳しい説明を省略する。
図2の矢印24Lに示すように、左投影装置30Lから左導光板20Lの内部に入射された光は、第1主面の内面と第2主面の内面とで全反射されながら導光された後、左ハーフミラー部材22Lによって反射されて左眼4Lに向かって出射される。左導光板20Lの左右位置が変わる場合、左導光板20Lから左眼4Lに向かって光が出射される左右位置がそれに応じて変わる。ただし、本実施例では、左導光板20Lから出射されて左眼4Lに入射される光の角度(矢印24L参照)は、左導光板20Lの左右位置に関わらず(左導光板20Lの左右位置が変わる場合であっても)一定である。
また、本実施例では、左眼4Lに入射される入射光量(「瞳入射光量」とも呼ぶ)は、左眼4L(瞳)の左右位置に応じて異なる。図2、図3に示すように、中央部付近では光量が多く、外側端部(左眼4Lの場合左端部)近傍及び内側端部(左眼4Lの場合右端部)近傍では減少する。瞳入射光量が所定の閾値th以上である範囲において、左眼4Lは像を視認することができる。即ち、瞳入射光量が所定の閾値th以上である範囲が、左眼4Lの視界(「アイボックス」とも呼ぶ)の範囲である。瞳入射光量が閾値thを下回る範囲(0である範囲を含む)が左眼4Lの視界の範囲外である。なお、閾値thには利用者によって個人差がある。本実施例では、図2、図3に示すように、瞳入射光量の分布グラフは、略左右対称の台形形状を示す。ただし、瞳入射光量の分布は、HMD2の仕様によって変わる。そのため、他の例では、瞳入射光量の分布グラフは、左右非対称の台形形状を示す場合もある(図7参照)。
図3のグラフのうち、外側境界位置d0は、利用者の左眼4Lの視界のうち、瞳入射光量が所定の閾値thを下回る外側の境界位置(即ち左側の境界位置)を表わす。即ち、利用者の左眼4Lは、外側境界位置d0より内側(右側)の像のみを視認でき、外側境界位置d0より外側(左側)の像を視認できない。
同様に、図3のグラフのうち、内側境界位置d1は、利用者の左眼4Lの視界のうち、瞳入射光量が閾値thを下回る内側の境界位置(即ち右側の境界位置)を表わす。即ち、利用者の左眼4Lは、内側境界位置d1より外側(左側)の像のみを視認でき、外側境界位置d0より内側(右側)の像を視認できない。
そして、上記の通り、本実施例のHMD2では、図3に示すように、瞳入射光量の分布グラフは、略左右対称の台形形状を示す。そのため、本実施例のHMD2の場合、外側境界位置d0及び内側境界位置d1が把握できれば、それらの中点位置が左眼4Lにとっての最適位置dpとなる。即ち、本実施例では、最適位置dpは、(d0+d1)/2を計算することによって得られる。
(位置調整処理)
続いて、図4を参照して、左導光板20Lの左右位置を、左眼4Lが視認する表示画面が適切な位置に表示されるように調整する際に、制御部90が実行する位置調整処理の内容を説明する。
左導光板20Lの左右位置の調整を行うことを希望する利用者は、HMD2を装着した状態で、操作部に所定の左眼調整指示を入力する。左眼調整指示が入力されると、制御部90は、図4の位置調整処理を開始する。
まず、S10において、制御部90は、左投影装置30L及び左導光板20Lに、所定の位置調整用画面100(図5中の(a)参照)を表示させる。具体的には、制御部90は、左投影装置30Lに、所定の位置調整用画面100を形成する光を左導光板20Lに入射させる。左導光板20Lは、左投影装置30Lから位置調整用画面100を形成する光が入射されると、左ハーフミラー部材22Lを介して左眼4Lに向けて当該光を出射する。この結果、左眼4Lには、位置調整用画面100を表わす光が入射され、利用者は、左眼4Lによって位置調整用画面100を視認することができる。以下では、このS10の処理のように、制御部90が、左投影装置30Lに表示画面を表わす光を投射させ、左導光板20Lから出射される光によって当該表示画面を左眼4Lで視認可能な状態を形成することを、説明の便宜上「制御部90が左導光板20Lに表示画面を表示させる」のように呼ぶ場合がある。
図5を参照して、S10において左導光板20Lに表示される位置調整用画面100について説明する。図5中の(a)は、S10の時点で左導光板20Lに表示される位置調整用画面100を表す。図5中の(a)に示すように位置調整用画面100は、外側低輝度部106と、内側低輝度部108と、高輝度部110とを備えている。
外側低輝度部106は、位置調整用画面100の表示領域の外側(即ち左眼4Lから見た場合の左側)の縁部近傍に表示される低輝度の帯状の画像である。例えば、外側低輝度部106は、黒色や灰色等の低輝度の色で表示された画像である。内側低輝度部108は、位置調整用画面100の表示領域の内側(即ち左眼4Lから見た場合の右側)の縁部近傍に表示される低輝度の帯状の画像である。内側低輝度部108も、外側低輝度部106と同様に、黒色や灰色等の低輝度の色で表示される画像である。
高輝度部110は、位置調整用画面100の表示領域の中央部分(より具体的には、外側低輝度部106と内側低輝度部108の間)に表示される高輝度の画像である。本実施例では、高輝度部110は、全面が白色等の高輝度の色で表示された画像である。なお、白色はもっとも輝度の高い色である。
外側低輝度部106の中には、外側マーカ画像102が表示されている。本実施例では、外側マーカ画像102は、破線形状のマーカである。他の例では、外側マーカ画像102は、他の幾何形状のマーカであってもよい。外側マーカ画像102は、外側低輝度部106よりも高輝度の色(例えば黄色や白色等)で表示されている。
同様に、内側低輝度部108の中にも、内側マーカ画像104が表示されている。内側マーカ画像104も、外側マーカ画像102と同様に破線形状のマーカである。他の例では、内側マーカ画像104も、他の幾何形状のマーカであってもよい。内側マーカ画像104も、内側低輝度部108よりも高輝度の色(例えば黄色や白色等)で表示されている。
位置調整用画面100が表示されている間、外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104は、第1輝度値と、第1輝度値よりも低輝度の第2輝度値との間で周期的に表示輝度が変更される。そのため、左眼4Lによって位置調整用画面100を視認する際、利用者には、外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104が点滅表示されているように認識される。このように、外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104の表示輝度が周期的に変更される(即ち点滅表示される)ことにより、位置調整用画面100を視認する利用者が、位置調整用画面100の表示領域の外周縁付近に表示される外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104を視認し易くなる。本実施例では、第2輝度値は、利用者がほぼ視認できない程度の低輝度である。他の例では、第2輝度値は、第1輝度値より低輝度であれば、利用者が視認可能な程度の輝度であってもよい。また、さらに他の例では、外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104は、第1輝度値と第2輝度値を含む複数種類の輝度値(例えば3種類以上の輝度値)の間で周期的に表示輝度が変更されていてもよい。
図4のS10において位置調整用画面100(図5の(a)参照)が表示された状態で、利用者は、操作部に所定の表示変更指示を入力することができる。その場合、続くS12において、制御部90は、表示中の位置調整用画面100の外側マーカ画像102の表示輝度を低下させる。即ち、S12では、制御部90は、外側マーカ画像102を表示する際の輝度値である第1輝度値を所定値分(即ち一段階分)低下させる。これにより、点滅表示されている外側マーカ画像102の表示輝度(即ち平均の表示輝度)が低下する。この結果、外側マーカ画像102の視認性がS10の時点に比べて低下する。なお、他の例では、S12において、制御部90は、外側マーカ画像102を表示する際の輝度値である第1輝度値と第2輝度値の双方を所定値分(即ち一段階分)低下させてもよい。また、さらに他の例では、S10において位置調整用画面100が表示された後、制御部90は、表示変更指示の入力を待たずに、自動的にS12の処理を行ってもよい。
続くS14では、制御部90は、利用者が、この時点で外側マーカ画像102を視認できないと判断しているか否かを判定する。利用者は、外側マーカ画像102の表示輝度が低下された(S12)状態の位置調整用画面100を左眼4Lで視認しながら、この時点で外側マーカ画像102を視認できなくなったか否かを判断する。外側マーカ画像102の表示輝度が低下したことで、外側マーカ画像102の表示位置に対応する位置における瞳入射光量が、視認可能な閾値th(図3参照)を下回る場合、利用者はこの時点で外側マーカ画像102を視認できなくなる。即ち、利用者は、図5中の(b)に示すように、外側マーカ画像102が視認できない状態の位置調整用画面100を視認することになる。利用者は、この時点で外側マーカ画像102を視認できない場合、操作部に所定の視認不可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S14でYESと判断し、S18に進む。この場合、後述のS16、S17の処理はスキップされる。一方、利用者は、この時点で外側マーカ画像102を視認できる場合、操作部に所定の視認可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S14でNO(即ち視認可能)と判断し、S15に進む。
S15では、制御部90は、現在の外側マーカ画像102の表示輝度が最小値であるか否かを判断する。この時点で既に外側マーカ画像102の表示輝度が最小値まで低下されている(即ち、第1輝度値と第2輝度値との差が最小段階まで低下されている)場合、制御部90は、S15でYESと判断し、S16に進む。一方、この時点ではまだ外側マーカ画像102の表示輝度が最小値まで低下されていない場合、制御部90は、S15でNOと判断し、S12に戻る。戻った先のS12では、制御部90は、表示中の位置調整用画面100の外側マーカ画像102の表示輝度をさらに一段階分低下させる。具体的には、戻った先のS12では、制御部90は、外側マーカ画像102を表示する際の輝度値である第1輝度値をさらに所定値分(即ちさらに一段階分)低下させる。S12で外側マーカ画像102の表示輝度をさらに低下させると、制御部90は、再びS14の判定に戻る。
このように、制御部90は、S14とS15のうちの一方でYESと判断されるまで、S12、S14、S15の各処理を繰り返し実行する。
S16では、制御部90は、利用者が、この時点で外側マーカ画像102を視認できないと判断しているか否かを判定する。利用者は、外側マーカ画像102の表示輝度が最小値まで低下された(S15でYES)状態の位置調整用画面100を左眼4Lで視認しながら、この時点で外側マーカ画像102を視認できなくなったか否かを判断する。利用者は、この時点で外側マーカ画像102を視認できない場合、操作部に所定の視認不可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S16でYESと判断し、S18に進む。一方、利用者は、この時点で外側マーカ画像102を視認できる場合、操作部に所定の視認可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S16でNO(即ち視認可能)と判断し、S17に進む。
S17では、制御部90は、左導光板20Lを外側(即ち、左眼4Lから見て左側)に移動させるように利用者に指示する。表示輝度を低下させても依然として外側マーカ画像102が視認できる場合は、利用者が外側マーカ画像102を視認する位置は、瞳入射光量が閾値th以上である位置である(図3参照)。そのため、利用者が外側マーカ画像102を視認する位置は、外側境界位置d0より依然として内側である(図3参照)。S16では、制御部90は、左導光板20Lに、左導光板20Lを内側に移動させるように指示するための所定のメッセージを表示させてもよい。この場合、利用者は、S17で表示されたメッセージを見た後で、左調整機構40Lの調整ねじ42Lを操作して、左導光板20Lを外側に移動させることができる。
S17の処理を行った後、制御部90は、再びS16の判定に戻る。利用者は、外側マーカ画像102の表示輝度が最小値まで低下され(S15でYES)、左導光板20Lが移動された後の位置調整用画面100を左眼4Lで視認しながら、外側マーカ画像102を視認できなくなったか否かを判断する。この時点で外側マーカ画像102を視認できなくなった場合、利用者は、操作部に視認不可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S16でYESと判断し、S18に進む。一方、利用者は、この時点でもまだ外側マーカ画像102を視認できる場合、操作部に視認可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S16でNO(即ち視認可能)と判断し、再びS17に進む。その後、制御部90は、S16でYESと判断されるまで、S16とS17の処理を繰り返す。
S18では、制御部90は、この時点の外側マーカ画像102の表示位置に対応する位置を外側境界位置d0として特定する。上記の通り、表示輝度を低下させたことで外側マーカ画像102が視認できなくなる位置(即ち、瞳入射光量が閾値thを下回る位置)は、外側境界位置d0である(図3参照)。S18では、さらに、制御部90は、利用者に対して外側境界位置d0が特定された旨の報知を行う。この際の報知は、左導光板20Lに所定のメッセージを表示させることを含んでもよい。報知を受けた利用者は、この時点で外側境界位置d0が特定されたことを知ることができるとともに、この時点で目印44L(図1参照)が示している左目盛11Lの値が、外側境界位置d0に対応する左導光板20Lの位置であることを知ることができる。報知の際に表示される所定のメッセージが、この時点で目印44L(図1参照)が示している左目盛11Lの値を知らせる情報を含んでいてもよい。
S18で外側境界位置d0の特定と報知を行った後、続くS20において、制御部90は、再び位置調整用画面100を左導光板20Lに表示させる。S20で表示される位置調整用画面100は、S10と同様の画面(図5の(a)参照)である。この場合も、利用者は、操作部に所定の表示変更指示を入力することができる。
その場合、続くS22において、制御部90は、表示中の位置調整用画面100の内側マーカ画像104の表示輝度を低下させる。即ち、S22では、制御部90は、内側マーカ画像104を表示する際の輝度値である第1輝度値を所定値分(即ち一段階分)低下させる。これにより、点滅表示されている内側マーカ画像104の表示輝度(即ち、平均の表示輝度)が低下する。この結果、内側マーカ画像104の視認性がS40の時点に比べて低下する。なお、他の例では、S22において、制御部90は、内側マーカ画像104を表示する際の輝度値である第1輝度値と第2輝度値の双方を所定値分(即ち一段階分)低下させてもよい。また、さらに他の例では、S20において位置調整用画面100が表示された後、制御部90は、表示変更指示の入力を待たずに、自動的にS22の処理を行ってもよい。
続くS24では、制御部90は、利用者が、この時点で内側マーカ画像104を視認できないと判断しているか否かを判定する。利用者は、内側マーカ画像104の表示輝度が低下された(S22)状態の位置調整用画面100を左眼4Lで視認しながら、内側マーカ画像104を視認できなくなったか否かを判断する。内側マーカ画像104の表示輝度が低下したことで、内側マーカ画像104の表示位置に対応する位置における瞳入射光量が、視認可能な閾値th(図3参照)を下回る場合、利用者はこの時点で内側マーカ画像104を視認できなくなる。即ち、利用者は、図5中の(c)に示すように、内側マーカ画像104が視認できない状態の位置調整用画面100を視認することになる。利用者は、この時点で内側マーカ画像104を視認できない場合、操作部に所定の視認不可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S24でYESと判断し、S28に進む。この場合、後述のS26、S27の処理はスキップされる。一方、利用者は、この時点で内側マーカ画像104を視認できる場合、操作部に所定の視認可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S24でNO(即ち視認可能)と判断し、S25に進む。
S25では、制御部90は、現在の内側マーカ画像104の表示輝度が最小値であるか否かを判断する。この時点で既に内側マーカ画像104の表示輝度が最小値まで低下されている(即ち、第1輝度値と第2輝度値との差が最小段階まで低下されている)場合、制御部90は、S25でYESと判断し、S26に進む。一方、この時点ではまだ内側マーカ画像104の表示輝度が最小値まで低下されていない場合、制御部90は、S25でNOと判断し、S22に戻る。戻った先のS22では、制御部90は、再び、表示中の位置調整用画面100の内側マーカ画像104の表示輝度を低下させる。具体的には、戻った先のS22では、制御部90は、内側マーカ画像104を表示する際の輝度値である第1輝度値をさらに所定値分(即ちさらに一段階分)低下させる。S22で内側マーカ画像104の表示輝度をさらに低下させると、制御部90は、再びS24の判定に戻る。
このように、制御部90は、S24とS25のうちの一方でYESと判断されるまで、S22、S24、S25の各処理を繰り返し実行する。
S26では、制御部90は、利用者が、この時点で内側マーカ画像104を視認できないと判断しているか否かを判定する。利用者は、内側マーカ画像104の表示輝度が最小値まで低下された(S25でYES)状態の位置調整用画面100を左眼4Lで視認しながら、この時点で内側マーカ画像104を視認できなくなったか否かを判断する。利用者は、この時点で内側マーカ画像104を視認できない場合、操作部に所定の視認不可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S26でYESと判断し、S28に進む。一方、利用者は、この時点で内側マーカ画像104を視認できる場合、操作部に所定の視認可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S26でNO(即ち視認可能)と判断し、S27に進む。
一方、S27では、制御部90は、左導光板20Lを内側(即ち、左眼4Lから見て右側)に移動させるように利用者に指示する。表示輝度を低下させても依然として内側マーカ画像104が視認できる場合は、利用者が内側マーカ画像104を視認する位置は、瞳入射光量が閾値th以上である位置である(図3参照)。そのため、利用者が内側マーカ画像104を視認する位置は、内側境界位置d1より依然として外側である(図3参照)。S26では、制御部90は、左導光板20Lに、左導光板20Lを外側に移動させるように指示するための所定のメッセージを表示させてもよい。この場合、利用者は、S27で表示されたメッセージを見た後で、左調整機構40Lの調整ねじ42Lを操作して、左導光板20Lを内側に移動させることができる。
S27の処理を行った後、制御部90は、再びS26の判定に戻る。利用者は、内側マーカ画像104の表示輝度が最小値まで低下され(S25でYES)、左導光板20Lが移動された後の位置調整用画面100を左眼4Lで視認しながら、内側マーカ画像104を視認できなくなったか否かを判断する。この時点で内側マーカ画像104を視認できなくなった場合、利用者は、操作部に視認不可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S26でYESと判断し、S28に進む。一方、利用者は、この時点でもまだ内側マーカ画像104を視認できる場合、操作部に視認可能指示を入力することができる。この場合、制御部90は、S26でNO(即ち視認可能)と判断し、再びS27に進む。その後、制御部90は、S26でYESと判断されるまで、S26とS27の処理を繰り返す。
S28では、制御部90は、この時点の内側マーカ画像104の表示位置に対応する位置を内側境界位置d1として特定する。上記の通り、表示輝度を低下させたことで内側マーカ画像104が視認できなくなる位置(即ち、瞳入射光量が閾値thを下回る位置)は、内側境界位置d1である(図3参照)。S28では、さらに、制御部90は、利用者に対して内側境界位置d1が特定された旨の報知を行う。この際の報知は、左導光板20Lに所定のメッセージを表示させることを含んでもよい。報知を受けた利用者は、この時点で内側境界位置d1が特定されたことを知ることができるとともに、この時点で目印44L(図1参照)が示している左目盛11Lの値が、内側境界位置d1に対応する左導光板20Lの位置であることを知ることができる。報知の際に表示される所定のメッセージが、この時点で目印44L(図1参照)が示している左目盛11Lの値を知らせる情報を含んでいてもよい。
S28で内側境界位置d1の特定と報知を行った後、続くS30において、制御部90は、S18で特定された外側境界位置d0と、S28で特定された内側境界位置d1と、を用いて、最適位置dp(図3参照)を特定する。具体的には、S30では、制御部90は、(d0+d1)/2を計算して、外側境界位置d0と内側境界位置d1との中点である最適位置dpを算出する。S30では、さらに、制御部90は、利用者に対して最適位置dpが特定された旨の報知を行う。この際の報知は、左導光板20Lに所定のメッセージを表示させることを含んでもよい。報知を受けた利用者は、この時点で最適位置dpが特定されたことを知ることができる。そして、左目盛11Lの値が、S18で報知された外側境界位置d0に対応する値と、内側境界位置d1に対応する値との中間の値になるように左導光板20Lの位置を調整すれば、最適位置dpに対応する位置に左導光板20Lを配置できることを知ることができる。報知の際に表示される所定のメッセージが、最適位置dpに対応する位置の左目盛11Lの値を知らせる情報を含んでいてもよい。
S30の処理を行うと、制御部90は、左眼4Lのための位置調整処理(図4)を終了する。利用者は、その後、左目盛11Lと目印44Lの位置を見ながら左調整機構40Lの調整ねじ42Lを操作して、左導光板20Lを、最適位置dpに対応する位置に調整することができる。これにより、左導光板20Lの左右位置を、左眼4Lにとって適切な位置に配置させることができる。
続いて、利用者は、同じ要領で、右導光板20Rの左右位置を、右眼4Rが視認する表示画面が右眼4Rにとって適切な位置に表示されるように調整することができる。この場合、右導光板20Rの左右位置の調整を行うことを希望する利用者は、HMD2を装着した状態で、操作部に所定の右眼調整指示を入力することができる。右眼調整指示が入力されると、制御部90は、図4の位置調整処理を開始する。以下、制御部90は、右眼4Rのために、上述の図4のS10〜S30と同様の処理を実行する。右眼4Rのために実行される図4のS10〜S30の内容は、左右が反対であることを除けば上記と同様であるため、詳しい説明は省略する。
利用者は、位置調整処理が終了した後で、右目盛11Rと目印44Rの位置を見ながら右調整機構40Rの調整ねじ42Rを操作して、右導光板20Rを、最適位置dpに対応する位置に調整することができる。これにより、右導光板20Rの左右位置を、右眼4Rにとって適切な位置に配置させることができる。
以上の通り、本実施例のHMD2を利用することで、利用者は、左導光板20L及び右導光板20Rの左右位置を、左眼4L及び右眼4Rのそれぞれにとって適切な位置に調整することができる。この結果、左導光板20Lによる表示画面の表示位置と、右導光板20Rによる表示画面の表示位置とが、それぞれ、左眼4L及び右眼4Rのそれぞれにとって適切な位置に調整される。
上記の通り、本実施例のHMD2は、左導光板20Lの左右位置を調整するための左調整機構40Lと、右導光板20Rの左右位置を調整するための右調整機構40Rとを別個に備えている。そして、利用者は、左導光板20Lの位置を調整する際には、左導光板20Lに位置調整用画面100を表示させることができ、右導光板20Rの位置を調整する際には、右導光板20Rに位置調整用画面100を表示させることができる。即ち、本実施例によると、利用者は、左導光板20Lの位置と、右導光板20Rの位置と、を個別に調整することができる。そのため、本実施例のHMD2によれば、利用者は、左導光板20Lによる表示画面の表示位置と、右導光板20Rによる表示画面の表示位置とを、それぞれ、左眼4L及び右眼4Rのそれぞれにとって適切な位置に配置することができる。
また、上記の通り、本実施例で位置調整の際に表示される位置調整用画面100は、表示領域の外側の縁部近傍に表示される外側マーカ画像102と、表示領域の内側の縁部近傍に表示される内側マーカ画像104と、を含む。利用者は、外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104を目印として、外側境界位置d0及び内側境界位置d1を特定することができる。そして、利用者は、外側境界位置d0と内側境界位置d1とを利用することにより、導光板20の位置(即ち、表示画面の表示位置)を適切な位置に調整し得る。
また、本実施例では、外側マーカ画像102は外側低輝度部106内に表示され、内側マーカ画像104は、内側低輝度部108内に表示される。即ち、外側マーカ画像102、内側マーカ画像104は、それぞれ、外側低輝度部106、内側低輝度部108よりも高輝度に表示される。そのため、利用者は、調整の際、外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104を目印として視認し易くなる。
さらに、本実施例では、位置調整用画面100は、表示領域の中央部分(より具体的には、外側低輝度部106と内側低輝度部108の間)に表示される高輝度部110を含む。一般的に、高輝度の画像は、低輝度の画像に比べて利用者が視認し易いため、表示された際に利用者が無意識に注視する対象になり得る。そのため、本実施例によると、例えば、調整の際、利用者に高輝度部110を注視させることで、眼球が意図しない方向に回動することを抑制し、視線(即ち眼球の向き)を位置調整用画面100の表示領域の中央付近に固定することができる。そのため、利用者が実際に表示画面を見る際の視線を再現しながら、位置調整処理を行うことができる。そのため、導光板20の位置(即ち、表示画面の表示位置)を適切な位置に調整し得る。
また、本実施例では、図5のS12において、制御部90は、外側境界位置d0を特定する際、表示中の位置調整用画面100の外側マーカ画像102の表示輝度を低下させる。同様に、S22において、制御部90は、内側境界位置d1を特定する際、表示中の位置調整用画面100の内側マーカ画像104の表示輝度を低下させる。上記の通り、視界のうちの外側境界位置d0及び内側境界位置d1においては、視界の中心付近に比べて、瞳入射光量が少ない(図3参照)。そのため、本実施例において、外側境界位置d0を特定する際に外側マーカ画像102の表示輝度を低下させることにより、外側マーカ画像102が視認できなくなった際の外側マーカ画像102の表示位置に対応する位置を外側境界位置d0として特定することができる(S18)。同様に、内側境界位置d1を特定する際に内側マーカ画像104の表示輝度を低下させることにより、内側マーカ画像104が視認できなくなった際の内側マーカ画像104の表示位置に対応する位置を内側境界位置d1として特定することができる(S28)。このように、本実施例の処理によると、外側境界位置d0及び内側境界位置d1を適切に特定することができる。
また、本実施例では、位置調整用画面100が表示されている間、外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104は、第1輝度値と、第1輝度値よりも低輝度の第2輝度値との間で周期的に表示輝度が変更される(即ち点滅表示される)。これにより、位置調整用画面100を視認する利用者が、位置調整用画面100の表示領域の外周縁付近に表示される外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104を視認し易くなる。従って、利用者が、外側境界位置d0と内側境界位置d1とを特定し易くなる。
本実施例と請求項の記載の対応関係を説明しておく。左導光板20L及び左投影装置30L、右導光板20R及び右投影装置30Rが「表示部」の一例である。左導光板20L及び左投影装置30Lが「左眼用表示部」の一例である。右導光板20R及び右投影装置30Rが「右眼用表示部」の一例である。制御部90が「表示制御部」の一例である。左調整機構40L、右調整機構40Rが「調整機構」の一例である。外側マーカ画像102及び内側マーカ画像104が「マーカ画像」の一例である。高輝度部110が「高輝度画像」の一例である。左目盛11L及び目印44L、右目盛11R及び目印44Rが「現在位置出力部」の一例である。調整ねじ42L、調整ねじ42Rが「設定部」の一例である。
(第2実施例)
第2実施例のHMD202について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。図6に示すように、本実施例のHMD202は、その基本的な構成は第1実施例のHMD2(図1参照)と共通する。図6では、第1実施例と同様の構成については、図1と同様の符号を用いて示し、詳しい説明を省略する。本実施例のHMD202では、左調整機構240L及び右調整機構240Rの各構成が、第1実施例とは異なる。本実施例でも、右調整機構240Rの構成は、左右が反対であることを除けば左調整機構240Lと同様であるため、以下では左調整機構240Lの構成を詳しく説明し、右調整機構240Rの構成の詳しい説明は省略する。
本実施例の左調整機構240Lも、左導光板20Lの左右位置を調整するための機構である。左調整機構240Lは、基材10と左導光板20Lとの間に配置され、基材10と左導光板20Lとを連結している。左調整機構240は、ボルトとナットとを備える機構である。本実施例では、左端部には、調整ねじに代えて、ボルトを回動させるためのモータ242Lが設けられている。本実施例では、モータ242Lを動作させることで、左導光板20Lを左右方向(矢印48L参照)に沿って移動させることができる。モータ242Lの動作は、制御部90によって制御される。利用者は、操作部にモータ242Lを動作させるための指示を入力する等することにより、制御部90を介して、モータ242Lを動作させることができる。
図6に示す左調整機構240Lは、さらに、基材10側に固定された第1電極252Lと、左導光板20L側に固定された第2電極254Lとを備える。第1電極252Lと第2電極254Lとは、図示しない絶縁材(例えば絶縁シート)を介して対向配置されている。対向する第1電極252Lと第2電極254Lとの間の静電容量は、第1電極252Lと第2電極254Lとの対向面積に応じて変わる。第1電極252Lと第2電極254Lには交流電圧が供給される。また、第1電極252Lと第2電極254Lとはともに制御部90に電気的に接続される。制御部90は、第1電極252Lと第2電極254Lとに流れる交流電流を測定することにより、第1電極252Lと第2電極254Lとの間の静電容量を測定することができる。制御部90は、第1電極252Lと第2電極254Lとの間の静電容量に応じて、左導光板20Lの現在の位置を特定することができる。
制御部90は、第1電極252Lと第2電極254Lとの間の静電容量を測定しながらモータ242Lを動作させることにより、指定された位置(例えば最適位置dp)に左導光板20Lの位置を設定することができる。
本実施例と請求項の記載の対応関係を説明しておく。左調整機構40L及び右調整機構40Rが「調整機構」の一例である。第1電極252Lと第2電極254Lと制御部90の組合せ、及び、第1電極252Rと第2電極254Rと制御部90の組合せが、「現在位置出力部」の一例である。制御部90とモータ242Lとの組合せ、及び、制御部90とモータ242Rとの組合せが「設定部」の一例である。
(第3実施例)
第3実施例のHMD2について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例のHMD2は、その基本的構成は第1実施例と共通する(図1参照)。ただし、図7に示すように、本実施例では、瞳入射光量の分布グラフが、左右非対称の台形形状を示す。上記の通り、左右位置における瞳入射光量の分布は、HMD2の仕様によって変わるためである。図7に示すように、本実施例では、内側(図7中の右側)の瞳入射光量の減少割合が、外側(図7中の左側)の瞳入射光量の減少割合よりも小さい。この場合、外側境界位置d0と内側境界位置d1との間の単純な中間位置d1/2は、表示画面を視認する際の最適位置dpではない。
そのため、本実施例では、図4のS30において、制御部90が最適位置dp(図7参照)を特定する際の手法が第1実施例とは異なる。本実施例では、S30において、制御部90は、(d0*A+d1*B)を計算することによって、最適位置dpを特定する。ここで、「A」及び「B」は、HMDの仕様毎に予め定められた係数である。本実施例では、係数Aは、例えば0.6であり、係数Bは、例えば0.4である。
本実施例の手法によると、瞳入射光量の分布グラフが左右非対称の台形形状を示す場合(図7参照)においても、HMD2の仕様に応じた最適位置dpを適切に特定し得る。
(第4実施例)
第4実施例のHMD2について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例のHMD2も、その基本的構成は第1実施例と共通する(図1参照)。ただし、図8に示すように、本実施例では、位置調整用画面100の内容が一部第1実施例とは異なる。本実施例では、高輝度部110内に、立方体形状の目標画像112が表示されている点が第1実施例とは異なる。
目標画像112も、比較的高輝度で表示される画像である。図8に示す目標画像112の形状(即ち立方体形状)はあくまで一例であり、他の形状の画像であってもよい。
本実施例によると、調整の際、利用者が目標画像112をより注視し易くなる。その結果、眼球が意図しない方向に回動することをより適切に抑制し、視線(即ち眼球の向き)を位置調整用画面100の表示領域の中央付近に固定することができる。そのため、利用者が実際に表示画面を見る際の視線を再現しながら、位置調整処理を行うことができる。そのため、導光板20の位置(即ち、表示画面の表示位置)を適切な位置に調整し得る。本実施例の目標画像112が「高輝度領域」の一例である。
(第5実施例)
第5実施例のHMD2について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例のHMD2も、その基本的構成は第1実施例と共通する(図1参照)。ただし、本実施例では、制御部90は、左導光板20L及び右導光板20Rの左右位置の調整のために図4の位置調整処理を実行しない点が第1実施例とは異なる。具体的には、本実施例では、左眼4Lと右眼4Rのそれぞれについて、外側境界位置d0及び内側境界位置d1を特定して、それらを利用して最適位置dpを特定することに代えて、利用者の左眼4Lと右眼4Rとの間の距離(即ち眼幅)を特定する。そして、本実施例では、利用者は、特定された眼幅の値に応じて、左導光板20L及び右導光板20Rの左右位置を適宜調整することにより、画面表示位置を調整する。
以下、本実施例で利用者の左眼4Lと右眼4Rとの間の距離(即ち眼幅)を特定する方法について説明する。本実施例では、利用者によって所定の調整指示が入力されると、制御部90は、左導光板20Lと右導光板20Rのそれぞれに、位置調整用画面300(図9参照)を表示させる。この際、左導光板20Lに表示される位置調整用画面300と、右導光板20Rに表示される位置調整用画面300との間には、両眼視した際に、立体的に認識させるための視差が設けられている。
利用者は、左眼4Lと右眼4Rとで、左導光板20Lに表示される位置調整用画面300と右導光板20Rに表示される位置調整用画面300とを両眼視する。図9は、本実施例において、利用者が両眼視を行った際に視認することができる位置調整用画面300を表わす。
本実施例では、位置調整用画面300は、現実空間において利用者の位置(図中のP0)から1m離間した位置(図中のP1)に、所定の眼幅PD0(後述)において立体視される仮想画像である定規302を含み、目印304は実際に置かれた本物の(現実の物体である)目印である。利用者は、自身が視認する位置調整用画面300において、定規302が示す目印304の位置の値を読み取り、その値を、操作部を介して入力する。利用者が入力する値をD1とする。D1は、例えば1.1mであるとする。
制御部90は、D1(=1.1m)が入力されると、以下のように、利用者の眼幅PD1を計算する。まず、制御部90は、D0として、目印304が配置される実際の距離である1mを予め記憶している。さらに、制御部90は、定規302の画像を生成する左右視差を算出するための基準となる(標準的な)眼幅PD0の値として、0.063m(=63mm)を記憶している。即ち、利用者がD1を入力したことで、制御部90は、PD0(=0.063m)、D0(=1m)、D1(=1.1m)の各値を取得したことになる。
制御部90は、利用者の眼幅PD1を、D1*PD0/D0を計算することによって算出する。即ち、上記のPD0、D0、D1の各値を代入すると、PD1=1.1*0.063/1=0.069となる。即ち、この例では、眼幅PD1は0.069m(=69mm)であると推定される。制御部90は、算出された眼幅PD1の値を左導光板20L及び右導光板20Rに表示する等して出力する。
利用者は、出力された眼幅PD1の値を参照し、左導光板20L及び右導光板20Rの左右位置を適宜調整することができる。
上記の通り、本実施例では、利用者は、立体的に認識できる位置調整用画面300を視認する。そして、利用者が立体的に表示される仮想の定規302が示す目印304の位置を示す値D1を入力することで、制御部90は、眼幅PD1の値を算出することができる。従って、本実施例による場合も、利用者は、自身の左眼4Lと右眼4Rのそれぞれにとってより適切な位置に画面の表示位置を配置し得る。本実施例では、位置調整用画面300が「位置調整用画面」の一例である。
(第6実施例)
第6実施例は、第5実施例の変形態様である。第5実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、利用者によって所定の調整指示が入力されると、制御部90は、左導光板20Lと右導光板20Rのそれぞれに、位置調整用画面400(図10参照)を表示させる。この際、左導光板20Lに表示される位置調整用画面400と、右導光板20Rに表示される位置調整用画面400との間には、第5実施例と同様、両眼視した際に立体的に認識させるための視差が設けられている。
利用者は、左眼4Lと右眼4Rとで、左導光板20Lに表示される位置調整用画面300と右導光板20Rに表示される位置調整用画面300とを両眼視する。図9は、本実施例において、利用者が両眼視を行った際に視認することができる位置調整用画面300を表わす。
本実施例では、位置調整用画面400は、現実空間において利用者の位置(図中のP0)から1m離間した位置(図中のP1)に、所定の眼幅PD0(後述)において立体視される仮想画像である旗402を含み、目印404は実際に置かれた本物の(現実の物体である)目印である。旗402は、位置P0とP1とを結ぶ直線上に配置されている。さらに、位置調整用画面400は、旗402を遠方に移動させる遠方移動ボタン410と、旗402を近方に移動させる近方移動ボタン412と、旗402の位置を確定させるOKボタン414とを含む。これらのボタン410〜414は、利用者が操作部に操作を入力すること、又は、これらのボタン410〜414を操作する動作を仮想空間内で行うことにより操作可能である。
制御部90は、利用者の位置P0と旗402の間の距離D1と標準の眼幅PD0を用いて旗402の左右視差画像を生成する。利用者は、遠方移動ボタン410及び近方移動ボタン412を操作して、旗402を目印404(即ち位置P1)に合わせるように移動させる。利用者は、旗402が目印404と一致した時点でOKボタン414を操作する。これにより、旗402が目印404と一致した時点の利用者の位置P0と旗402の間の距離D1が入力される。この例でも、D1の値は1.1mであるとする。
制御部90は、D1(=1.1m)が入力されると、以下のように、利用者の眼幅PD1を計算する。まず、本実施例でも、制御部90は、D0として、目印404が配置される実際の距離である1mを予め記憶している。さらに、制御部90は、基準となる(標準的な)眼幅PD0の値として、0.063m(=63mm)を記憶している。即ち、D1が入力されたことで、制御部90は、PD0(=0.063m)、D0(=1m)、D1(1.1m)の各値を取得したことになる。
制御部90は、利用者の眼幅PD1を、D1*PD0/D0を計算することによって算出する。即ち、上記のPD0、D0、D1の各値を代入すると、PD1=1.1*0.063/1=0.069となる。この例では、眼幅PD1は0.069m(=69mm)であると推定される。制御部90は、算出された眼幅PD1の値を左導光板20L及び右導光板20Rに表示する等して出力する。
利用者は、出力された眼幅PD1の値を参照し、左導光板20L及び右導光板20Rの左右位置を適宜調整することができる。本実施例では、位置調整用画面400が「位置調整用画面」の一例である。
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(変形例1)第1〜第4実施例において、左導光板20Lの左右位置の調整を行う際に、制御部90は、左導光板20Lと右導光板20Rのそれぞれに、位置調整用画面100を表示させてもよい。同様に、右導光板20Rの左右位置の調整を行う際に、制御部90は、左導光板20Lと右導光板20Rのそれぞれに、位置調整用画面100を表示させてもよい。
(変形例2)第1〜第4実施例において、外側境界位置d0の特定のために表示される位置調整用画面100(図4のS10、S12参照)は、内側マーカ画像104を含んでいなくてもよい。同様に、内側境界位置d1の特定のために表示される位置調整用画面100(図4のS20、S22参照)は、外側マーカ画像102を含んでいなくてもよい。
(変形例3)上記の各実施例において、HMD2(202)は、左導光板20Lと、右導光板20Rと、左投影装置30Lと、右投影装置30Rと、左調整機構40Lと、右調整機構40Rと、に代えて、遮光性のディスプレイからなる左眼用表示部と右眼用表示部とを備えていてもよい。この場合、左眼用表示部は、左眼用の表示画面の表示位置を適宜調整可能なものであってもよい。同様に、右眼用表示部は、右眼用の表示画面の表示位置を適宜調整可能なものであってもよい。この変形例の場合にも、上記の各実施例の技術を適用することができる。
(変形例4)上記の第1〜第4実施例では、HMD2(202)は、左導光板20Lと、右導光板20Rと、左投影装置30Lと、右投影装置30Rと、左調整機構40Lと、右調整機構40Rと、を備えている。これに限られず、第1〜第4実施例において、HMDは、左導光板20Lと、左投影装置30Lと、左調整機構40Lとのみを備える左眼単眼用のHMDであってもよい。このような左眼単眼用のHMDにおいても、上記の第1〜第4実施例と同様の手法によって左眼用の表示画面の表示位置を調整することができる。この場合、左導光板20Lと、左投影装置30Lとが「表示部」の一例である。左調整機構40Lが「調整機構」の一例である。同様に、第1〜第4実施例において、HMDは、右導光板20Rと、右投影装置30Rと、右調整機構40Rとのみを備える右眼単眼用のHMDであってもよい。このような右眼単眼用のHMDにおいても、上記の第1〜第4実施例と同様の手法によって右眼用の表示画面の表示位置を調整することができる。この場合、右導光板20Rと、右投影装置30Rとが「表示部」の一例である。右調整機構40Rが「調整機構」の一例である。
(変形例5)上記の各実施例では、左調整機構40Lは、左導光板20Lの左右位置を調整するための機構である。これに限られず、左調整機構40Lは、左導光板20Lの上下位置を調整するための機構であってもよい。また、左調整機構40Lは、左導光板20Lの上下左右位置を調整するための機構であってもよい。同様に、右調整機構40Rは、右導光板20Rの上下位置を調整するための機構であってもよいし、右導光板20Rの上下左右位置を調整するための機構であってもよい。
(変形例6)上記の各実施例では、左導光板20L及び左投影装置30L、右導光板20R及び右投影装置30Rによって、画面を表示するための表示部が構成される。これに限られず、表示部として、導光板を備えない任意の画面表示機構を採用してもよい。例えば、表示部として、液晶ディスプレイ等が採用されてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:HMD
4L:左眼
4R:右眼
10:基材
11L:左目盛
11R:右目盛
20L:左導光板
20R:右導光板
22L:左ハーフミラー部材
30L:左投影装置
30R:右投影装置
40L:左調整機構
40R:右調整機構
42L:調整ねじ
42R:調整ねじ
44L:目印
44R:目印
90:制御部
100:位置調整用画面
102:外側マーカ画像
104:内側マーカ画像
106:外側低輝度部
108:内側低輝度部
110:高輝度部
112:目標画像
202:HMD
240:左調整機構
240L:左調整機構
240R:右調整機構
242L:モータ
242R:モータ
252L:第1電極
252R:第1電極
254L:第2電極
254R:第2電極
300:位置調整用画面
302:定規
304:目印
400:位置調整用画面
402:旗
404:目印
410:遠方移動ボタン
412:近方移動ボタン
413:ボタン
414:OKボタン
d0:外側境界位置
d1:内側境界位置
dp:最適位置
th:閾値

Claims (10)

  1. 眼に対向する位置に配置され、画面を表示する表示部と、
    前記表示部の画面表示を制御する表示制御部と、
    前記表示部による画面表示位置を調整する調整機構と、
    を備えており、
    前記表示制御部は、前記画面表示位置を調整する際に、前記表示部に位置調整用画面を表示させる、
    頭部装着型表示装置。
  2. 前記位置調整用画面は、表示領域の外周縁に配置されるマーカ画像を含む、請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
  3. 前記位置調整用画面は、表示領域の中央に配置される高輝度画像を含む、請求項1又は2に記載の頭部装着型表示装置。
  4. 前記表示制御部は、前記画面表示位置を調整する際において、表示中の前記位置調整用画面のうちの少なくとも一部の表示輝度を変更する、請求項1から3のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
  5. 前記表示制御部は、前記表示輝度を変更する場合、第1輝度値と、前記第1輝度値よりも低輝度の第2輝度値と、を含む複数種類の輝度値の間で前記表示輝度を周期的に変更させる、請求項4に記載の頭部装着型表示装置。
  6. 前記調整機構は、現在の前記画面表示位置に対応する前記表示部の位置を出力する現在位置出力部と、指定された前記画面表示位置に対応する位置に前記表示部を設定する設定部と、を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
  7. 前記表示部は、前記眼と前記表示部との相対位置に応じて、前記眼への入射光量が変化する特性を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
  8. 前記表示部は、左眼に対向する位置に配置され、左眼用画面を表示する左眼用表示部と、右眼に対向する位置に配置され、右眼用画面を表示する右眼用表示部と、を含み、
    前記表示制御部は、前記左眼用表示部と前記右眼用表示部の画面表示を制御し、
    前記調整機構は、前記左眼用表示部による左画面表示位置を調整するための左調整機構と、前記右眼用表示部による右画面表示位置を調整するための右調整機構と、を含み、
    前記表示制御部は、
    前記左画面表示位置を調整する際に、少なくとも前記左眼用表示部に前記位置調整用画面を表示させ、
    前記右画面表示位置を調整する際に、少なくとも前記右眼用表示部に前記位置調整用画面を表示させる、請求項1から7のいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置。
  9. 前記表示制御部は、前記左画面表示位置を調整する際と前記右画面表示位置を調整する際との双方において、前記左眼用表示部と前記右眼用表示部との双方に前記位置調整用画面を表示させ、
    前記左眼用表示部に表示される前記位置調整用画面と、前記右眼用表示部に表示される前記位置調整用画面との間には、両眼視した際に立体的に認識させるための視差が設けられている、請求項8に記載の頭部装着型表示装置。
  10. 頭部装着型表示装置のためのコンピュータプログラムであって、
    前記頭部装着型表示装置は、
    眼に対向する位置に配置され、画面を表示する表示部と、
    前記表示部の画面表示を制御する表示制御部と、
    前記表示部による画面表示位置を調整する調整機構と、
    を備えており、
    前記コンピュータプログラムは、前記表示制御部に搭載されるコンピュータに、
    前記画面表示位置を調整する際に、前記表示部に位置調整用画面を表示させる表示処理を実行させる、
    コンピュータプログラム。
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