JP2020112853A - 行動把握システム - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーンルーム内でのオペレータの移動により発生する可能性がある、作業空間の空気の乱れの要因を検証する。【解決手段】クリーンルーム10内には、不要にオペレータ60A、60Bが近づくことを回避する領域があったり、安全キャビネット12の近傍を通過することで、安全キャビネット12の開口部のエアカーテンの気流を乱すといったオペレータの移動による不具合(異常)が発生する場合がある。そこで、天井部10C及び安全キャビネット12に、センサ部16(16K)を有するRFIDセンサ14を取り付け、検出領域ASでオペレータの動きを監視するようにした。各検出領域ASは相互に重なる部分を設けており、単一のRFIDセンサ14での検出から、2〜4のRFIDセンサ14の検出により、検出パターンを異ならせ、検出領域ASよりも細分化された領域でオペレータの位置を特定することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、コンタミネーションコントロールされた作業空間が形成され、必要に応じて、当該作業空間に対してさらに隔離された状態で検体を対象とした作業を行うための安全キャビネットが設置されたクリーンルームにおける、オペレータの行動を把握する行動把握システムに関する。
特許文献1には、エリアマップ上に、撮像カメラで撮像した画像から得られる作業者の動線と、識別情報取得部で取得した作業者の性質を示す識別情報と、を関連付けて記録することが記載されている。
例えば、特許文献1の段落番号0035,0036に記載のように、特許文献1は、作業者の体の向きや顔の向きを含めた作業者の細部にわたる動作に重点をおき、監視している。
特許文献1には、作業空間がクリーンルームでもよいことが記載されおり、(特許文献1の段落番号0024参照)、言い換えれば、特許文献1の作業空間はクリーンルームに限定されないため、当該作業空間の環境(空気の流れ等)を監視するものではない。
すなわち、特許文献1は、作業者の非効率な作業の監視を目的としており、作業者の移動と、作業空間内の空気の流れとの関係については、特に記載はなく、示唆もされていない。
また、特許文献2(特開2009−275789号公報)には、監視領域内における危険部と作業者との間の距離である作業者距離を測定し、作業者が一次警告領域に進入すると第1警告音を発し、一次警告領域よりも近い二次警告領域に進入すると第1警告音よりも警告の程度が高い第2警告音を発することで、製造設備の稼働率を低下させることなく、作業者が危険部に近づく作業を行う際の事故の発生を防止することが記載されている。
特開2018−010366号公報 特開2009−275789号公報
この特許文献2では、請求項10に監視領域(設備)がクリーンルームであることが記載されており、段落番号0002、0056を参照すると、危険部を箱で覆って作業者を保護することは、クリーンルーム内の気流の乱れを形成するため好ましくないため、距離センサで危険部と作業者との距離を監視することが有効であることが読み取れる。
しかしながら、特許文献2は、作業者が移動することで発生する監視領域内の空気の乱れを監視するものではない。さらに、作業者同士の接近(距離及び移動速度)と気流との因果関係についても記載がない。
本発明は、クリーンルーム内でのオペレータの移動により発生する可能性がある、作業空間の空気の乱れの要因を検証することができる行動把握システムを得ることが目的である。
第1の発明に係る行動把握システムは、コンタミネーションコントロールされた作業空間が形成され、かつ、当該作業空間に対してさらに隔離された状態で検体を対象とした作業を行うための安全キャビネットが設置されたクリーンルームにおける、オペレータの行動を把握する行動把握システムであって、前記クリーンルームの前記作業空間内を監視する監視部と、前記監視部で監視した監視情報を解析して、前記クリーンルーム内を移動するオペレータの位置及び移動速度を含む特徴情報を取得する取得部と、前記監視部で監視した監視情報と、前記取得部で取得した前記特徴情報と、を履歴情報として記憶する情報記憶部と、を有している。
第1の発明によれば、監視部でクリーンルーム内を監視し、取得部において、監視情報を解析して、クリーンルーム内を移動するオペレータを識別するための識別情報、並びに、当該オペレータの位置及び移動速度を含む特徴情報を取得する。
監視部で監視した監視情報を履歴情報と、前記取得部で取得した特徴情報とを同期させて記憶することで、クリーンルーム内でのオペレータの行動(一例として、クリーンルーム内に安全キャビネットが設置されている場合、当該安全キャビネット近傍の空気の流れを乱すような行動があったか否か等)を検証することができる。
第2の発明は、前記取得部が、前記監視部で監視した監視情報を解析して、オペレータを識別するための識別情報をさらに取得することを特徴としている。
行動しているオペレータを特定することができる。
第3の発明に係る行動把握システムは、コンタミネーションコントロールされた作業空間が形成され、必要に応じて、当該作業空間に対してさらに隔離された状態で検体を対象とした作業を行うための安全キャビネットが設置されたクリーンルームにおける、オペレータの行動を把握する行動把握システムであって、前記クリーンルームの前記作業空間内を監視する監視部と、前記監視部で監視した監視情報を解析して、前記クリーンルーム内を移動するオペレータを識別するための識別情報、並びに、当該オペレータの位置及び移動速度を含む特徴情報を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記特徴情報に基づいて、前記クリーンルームの作業空間でのオペレータの行動に不適切な行動があったか否かを判定する判定部と、前記判定部で、前記オペレータの行動が不適切と判定された場合に、報知する報知部と、を有している。
第3の発明によれば、監視部でクリーンルーム内を監視し、取得部において、監視した監視情報を解析して、クリーンルーム内を移動するオペレータの位置及び移動速度を含む特徴情報を取得する。
判定部は、取得部で取得した前記特徴情報に基づいて、前記クリーンルームの作業空間でのオペレータの行動に不適切な行動があったか否かを判定し、その判定結果を報知部で報知する。例えば、安全キャビネットが設置されている場合、オペレータが安全キャビネット近傍を必要以上に速い速度で移動するといった行動があると、安全キャビネットの開口部のエアカーテンの気流が乱れる場合がある。このような場合、オペレータの行動を不適切と判定し、オペレータ又はオペレータ以外の監視者(双方であってもよい)に報知する。これにより、オペレータが不適切の行動をとったことを、リアルタイムに認識することができる。
第4の発明は、前記取得部が、前記監視部で監視した監視情報を解析して、オペレータを識別するための識別情報をさらに取得することを特徴としている。
行動しているオペレータを特定することができる。
第5の発明は、前記監視部で監視した監視情報と、前記取得部で取得した前記特徴情報と、を履歴情報として記憶する情報記憶部をさらに有している。
前記監視部で監視した監視情報と取得部で取得した特徴情報とを履歴情報として記憶することで、クリーンルーム内でのオペレータの行動(一例として、クリーンルーム内の安全キャビネット近傍の空気の流れを乱すような行動があったか否か等)を検証することができる。
第6の発明は、前記履歴情報に同期させて、前記判定部による判定結果情報を記憶する判定結果記憶部をさらに有している。
履歴情報に同期させて、判定部による判定結果情報を記憶することで、例えば、後日、オペレータの不適切な行動状況を検証することができる。
第7の発明は、前記情報記憶部で前記履歴情報を記憶する場合に、前記判定部における判定結果情報の内、前記オペレータの行動が不適切と判定された時点を基準として、その前後の所定期間の範囲の前記履歴情報を記憶することを特徴としている。
オペレータの行動が適切であれば、そのときの情報は重要度が低い。一方、オペレータの行動が不適切であれば、そのときの情報は、不適切な行動があったことの事実関係を証明する材料となり、情報の重要度が高い。
そこで、情報記憶部で履歴情報を記憶する場合に、判定部における判定結果情報の内、オペレータの行動が不適切と判定された時点を基準として、その前後の所定期間の範囲の履歴情報を記憶することで、情報量の削減、並びに、重要度の高い情報を抽出して、記憶することができる。
第8の発明は、前記判定部が、複数のオペレータ間の距離又は移動速度が、予め定めたしきい値よりも近づいたら、少なくとも一方の行動が不適切な行動と判定することを特徴としている。
オペレータ同士が衝突すると、その衝撃で、例えば、危険物を損傷させるといった障害発生のおそれがある。そこで、複数のオペレータ間の距離が、予め定めたしきい値よりも近づいたら、少なくとも一方の行動が不適切な行動と判定し、報知することで、不適切な行動による障害を未然に防止することができる。
第9の発明は、前記判定部が、作業空間を移動する第1オペレータと、前記安全キャビネットを用いて作業している第2オペレータとの距離又は移動速度が、予め定めたしきい値よりも近づいたら、前記第1オペレータの行動が不適切な行動と判定することを特徴としている。
作業空間を移動する第1オペレータが、安全キャビネットを用いて作業している第2オペレータに近づくと、安全キャビネットの内外を連通する開口部に形成したエアカーテンの気流が乱れるといった障害発生のおそれがある。そこで、作業空間を移動する第1オペレータと、安全キャビネットを用いて作業している第2オペレータとの距離又は移動速度が、予め定めたしきい値よりも近づいたら、第1オペレータの行動が不適切な行動と判定し、報知することで、不適切な行動による障害を未然に防止することができる。
第10の発明は、前記監視部が、前記作業空間を移動するオペレータが所持するICカードとの間で無線通信を実行して、当該ICカードに記憶された情報を取り込むことが可能な複数のRFIDであり、前記複数のRFIDは、前記作業空間に分散して配置され、かつ、隣接するRFIDは、前記ICカードとの無線通信可能領域の一部が重複するように配置されていることを特徴としている。
取得部では、作業空間内を移動するオペレータが所持するICカードと通信しているRFIDを特定することで、特徴情報を取得することができる。
以上説明した如く本発明では、クリーンルーム内でのオペレータの移動により発生する可能性がある、作業空間の空気の乱れの要因を検証することができるという効果を奏する。
本実施の形態に係るクリーンルームの平面図である。 本実施の形態に係るクリーンルームの正面図である。 本実施の形態に係るクリーンルームの監視制御系を示す制御ブロック図である。 本実施の形態に係る安全キャビネットの側面図である。 本実施の形態に係る安全キャビネットの側面図であり、(A)はオペレータが安全キャビネットの開口部に腕を入れる前の状態、(B)はオペレータが安全キャビネットの開口部に腕を入れた後の状態を示す。 実施の形態に係る安全キャビネットの平面図であり、オペレータが安全キャビネットの開口部に腕を入れた状態を示す。 本実施の形態に係る安全キャビネットに設けられた監視制御部の機能ブロック図である。 本実施の形態に係る安全キャビネット監視制御部30Aと、クリーンルーム監視制御部30Bとで構成された上位制御部の機能ブロック図である。 本実施の形態に係る上位制御部で実行される処理のメインルーチンを示すフローチャートである。 本実施の形態に係る安全キャビネットに設けられた監視制御部で実行される安全キャビネット監視制御ルーチンを示すフローチャートである。 本実施の形態に係るクリーンルームの監視制御ルーチンを示すフローチャートである。 変形例に係り、RFIDセンサを天井部に取り付ける施工例を示す斜視図である。
図1には、本実施の形態に係るクリーンルーム10が示されている。
クリーンルーム10は、コンタミネーション(「実験汚染」「実験室汚染」「試料汚染」等)コントロールが行われている限られた空間であって、空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定されて清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間を言う。
すなわち、クリーンルーム10は、出入口10Aが閉じられると、クリーンルーム10を形成する壁部10Bを境界として、クリーンルーム10の空間が、外部空間に対して閉塞空間となる。
なお、クリーンルーム10は、本実施の形態では、矩形の空間としているが(図1参照)、クリーンルーム10の空間形状(床面の形状)は、何ら限定されるものではない。
本実施の形態に係るクリーンルーム10には、複数(図1では、6個)の安全キャビネット12が設けられている。
図1に示される如く、クリーンルーム10は、矩形の空間とされ、出入口10Aの無い三方の壁部10Bに突き当てられるように、複数の安全キャビネット12が配置されている。なお、クリーンルーム10の形状(床の形状及び空間形状を含む)は、特に限定されるものではなく、また、安全キャビネット12の配置位置や配置数も限定されるものではない。
図1は、クリーンルーム10を平面視したものであり、図2に示す天井部10Cを図示せず(透明状態とし)、床部10Dを図示している。
ここで、クリーンルーム10の天井部10Cには、複数(図1では、9個)のRFIDセンサ14のセンサ部16が取り付けられている。なお、本実施の形態では、安全キャビネット12にも、RFIDセンサ14が取り付けられている。
以下では、天井部10Cに取り付けられたRFIDセンサ14を主体として説明する。
図1及び図2に示される如く、RFIDセンサ14は、クリーンルーム10の天井部10Cに、予め定められた配置パターンで取り付けられている。
すなわち、天井部10Cを仮想的に格子(所謂、碁盤の目)状に区画してマス18を形成した場合に、互いに隣接しないマス18の中心に、センサ部16が取り付けられている。
図3に示される如く、RFIDセンサ14は、オペレータ60が携帯するICカード20に対して、センサ部16を介して制御信号と電力を供給するためのRF部22と、RF部22が受けたICカード20からの情報を解析する制御部24と、RF部22と制御部24とに対して電力を供給する電源部26と、を備えている。なお、安全キャビネット12に取り付けられたRFIDセンサ14は、センサ部16Kとして区別するが、機能は同一である。
ICカード20は、図示は省略したが、CPU、メモリ、暗号回路、電源回路、変調回路及び復調回路が設けられたICチップを備え、復調回路には、アンテナ部が接続されている。
RFIDセンサ14は、ICカード20を携帯するオペレータ60が、センサ部16(16K)の検出領域AS(図3及び図2に示す点線であり、略球体状)に入ると、センサ部16とICカード20のアンテナ部との間で電磁誘導が起こり、ICカード20側に電力が供給され、情報を送信する動作を実行する。
ここで、マス18を単位として、1つおきに配置されたセンサ部16のそれぞれの検出領域ASは、隣り合う同士で、重複する部分が存在する。この結果、ICカード20から情報を取得するエリアは以下のパターンに分類される。
(パターン1) 1カ所のセンサ部16が重なる検出領域ASでの情報取得
(パターン2) 2カ所のセンサ部16が重なる検出領域ASでの情報取得
(パターン3) 3か所のセンサ部16が重なる検出領域ASでの情報取得
(パターン4) 4カ所のセンサ部16が重なる検出領域ASでの情報取得
RFIDセンサ14の制御部24では、オペレータ60の携帯するICカード20が、RFIDセンサ14の検出領域ASに存在するか否か、並びに、存在した場合にオペレータ60の個体識別を行う。
複数のRFIDセンサ14は、通信回線網28(LAN又はWAN等)を介して、上位制御部30に接続されている。
上位制御部30では、各RFIDセンサ14の制御部24からの情報を集約して、オペレータ60を識別し、かつ位置(存在エリア)を特定する。すなわち、前述した4種類のパターン(パターン1〜パターン4)で分割されることで、RFIDセンサ14の数よりも細分化された存在エリアでの、オペレータ60の位置の特定が可能となる。
(安全キャビネット12)
図4は、安全キャビネット12の詳細構成を示す側面図である。
安全キャビネット12は、例えば、検体50に含まれる病原体等が、漏洩しないよう封じ込めることで、実験を行うオペレータ60(図2参照)が、検体50から感染症に感染してしまったり、有害な新規生物を漏洩してしまったりする危険を回避する機能を持つ筐体構造である。
すなわち、安全キャビネット12は、作業台52と、作業台52を支持する支柱を含む支持体54とを有している。作業台52は、作業台52上に所定の作業空間56を形成するキャビネット部58が設けられている。
キャビネット部58は、オペレータ60(図2参照)が着座したときに対峙する面(前面であり、図4から見た場合は右側面)が、所定の透過率で透過するパネル62が適用されている。パネル62の透過率は、オペレータ60の視野範囲が作業空間56の全域に亘り、かつ作業に支障がない程度に設定され、設計上は100%の透過率が好ましい。また、検体50の種類によって、液晶シャッタ等を設置して、透過率を調整可能としてもよい。さらに、パネル62に対して、紫外線カット、赤外線カット、可視光線の一部をカットするフィルタを着脱可能としてもよい。
図4に示される如く、パネル62の下部と作業台52の上面との間には、所定の隙間が形成されている。この隙間は、オペレータ60の腕(上腕、前腕、手指を含む)を作業空間56に出し入れさせるための開口部62Aとして機能する。なお、実際には、オペレータ60は、腕に手袋(特に、肘より長い丈の長手袋)をはめることが多い。
オペレータ60は、図5(A)及び図5(B)に示される如く、この開口部62Aから腕(手袋)を出し入れさせることで、検体50を対象とした作業を行うことができる(図6参照)。
ここで、図4に示される如く、キャビネット部58の上部から背面にかけて、整流装置64が取り付けられている。
キャビネット部58の上部には、整流装置64の一部を構成する、ブロワ66と、フィルタ部68と、案内ダクト70と、が設けられている。一方、キャビネット部58の背面には、整流装置64の他の一部を構成する吸気ダクト72が設けられている。
ブロワ66が作動すると、作業台52における開口部62Aの近傍に設けられた吸引口62Bから作業空間56の雰囲気が、吸気ダクト72へ案内されるようになっている。吸気ダクト72を流れる雰囲気は、フィルタ部68(例えば、HEPフィルタ)を介して、案内ダクト70へ送られ、当該案内ダクト70によって、一部が作業空間56へ返され、他の一部が排気されるようになっている。
この結果、作業空間56の雰囲気は、図4の矢印A(一部に指標)に示される如く、作業空間56の上から下へ流れる下降気流が中心となる整流となる。
下降気流は、前記開口部62Aの近傍に設けられた吸引口62Bに吸引されるようになっているため、開口部62Aの近傍は、前記下降気流による、所謂エアカーテンが形成され、開口部62Aから作業空間56内に、塵埃等の不純物を含む気体(図4の矢印B参照)が侵入することを防止できる。
また、誤って侵入した不純物を含む気体が微量の場合は、直ちに吸引口62Bに吸引され、吸気ダクト72を介して、フィルタ部68へ案内することができる。
ここで、誤って不純物を含む気体が侵入する要因として、オペレータ60(図2及び図5参照)の腕が開口部62Aを移動するときの位置、及び移動速度が挙げられる。
すなわち、図5(A)に示される如く、オペレータ60が開口部62Aに手を入れる前においては、エアカーテンは整流された下降気流である。
一方、図5(B)に示される如く、オペレータ60の腕が開口部62Aから出し入れするときに、その移動速度に応じて乱れることになる。エアカーテンの乱れは、腕の移動速度にほぼ比例すると考えられる。
図6に示される如く、作業空間56内には、検体50の位置を基準として、開口部62Aからオペレータ60の腕を入れる場合の適切領域74と不適切領域76を設定している。
すなわち、開口部62Aの幅方向の中央寄りから、オペレータ60が腕を出し入れするとエアカーテンの乱れが、検体50に悪影響を及ぼす可能性が高いとされ、不適切領域76に設定される。
一方、開口部62Aの幅方向の両端部寄りは、検体50から比較的離れているため、エアカーテンの乱れが、検体50に悪影響を及ぼす可能性が低いとされ、適切領域74に設定される。
オペレータ60は、適切領域74と不適切領域76とを認識して作業するものの、作業に集中したり、一時的に注意散漫になる等のイレギュラーの動作によって、不適切領域から腕を進入させる場合がある。
そこで、本実施の形態の安全キャビネット12には、作業空間56を撮影可能なカメラ78(図4参照)を設置した。
カメラ78の光軸は、開口部62Aに向けられ、当該光軸を中心とした所定の角度の範囲内を撮影するようになっている(図4の一点鎖線C参照)。
カメラ78は監視制御部80に接続されている。図3に示される如く、監視制御部80は、前記RFIDセンサ14が接続された通信回線網28に接続され、RFIDセンサ14と共に、上位制御部30によって一括管理されるようになっている。
図7は、監視制御部80で実行される処理をブロック別に分類した機能ブロック図が示されている。なお、各ブロックは監視制御部80のハード構成を限定するものではない。
カメラ78は、受信部82に接続されており、受信部82で受信した画像データは、上位制御部30へ送信されると共に、情報解析部84へ送出される。
情報解析部84では、受信部82で受信した画像データを解析して、解析結果を位置特定部86及び移動速度演算部88へ送出する。
位置特定部86では、開口部62Aから進入するオペレータ60の腕の位置を特定し、特定した位置情報を、異常判定部90へ送出する。
また、移動速度演算部88では、開口部62Aから進入するオペレータ60の腕の位置速度を演算し、演算結果を、異常判定部90へ送出する。
異常判定部90には、しきい値記憶部92が接続されている。しきい値記憶部92には、開口部62Aの近傍におけるオペレータ60の腕の位置の良否を決める適切領域74及び不適切領域76(図6参照)の境界線情報が記憶されると共に、予め定めた腕の移動速度の許容上限値が記憶されている。
異常判定部90では、腕の位置と境界線情報とを比較して、腕の位置の適否を判定する。また、異常判定部90では、腕の移動速度と許容上限値とを比較して、腕の移動速度の適否を判定する。
本実施の形態では、何れか一方の比較判定によって、不適正と判定された場合に、報知制御部94に対して、不適正な腕の動き(位置又は移動速度)である旨を報知する指示を出力する。
報知制御部94では、報知デバイスを用いて、少なくとも着座しているオペレータ60に不適正な腕の動き(位置又は移動速度)である旨が報知される。本実施の形態では、安全キャビネット12毎の報知デバイスとして安全キャビネット12にパトランプ96(図4参照)を取り付け、視覚を通じてオペレータ60に注意喚起する構成とした。なお、報知デバイスは、ブザー等の聴覚を通じた警報であってもよいし、視覚及び聴覚を通じた報知を併用してもよい。さらに、視覚及び聴覚に限定されず、他の五感要素を用いて報知するようにしてもよい。
図8は、RFIDセンサ14及び監視制御部80から、通信回線網28を介して情報を受け取る上位制御部30における、監視制御を機能別に分類した機能ブロック図である。なお、各ブロックは上位制御部30のハード構成を限定するものではない。
上位制御部30は、安全キャビネット12(図4参照)に取り付けられた監視制御部80からの情報(作業中動画及び異常判定)を入力源として動作する安全キャビネット監視制御部30Aと、天井部10C(及び安全キャビネット12)に取り付けられたRFIDセンサ14からの信号を入力源として動作するクリーンルーム監視制御部30Bと、を備えている。
安全キャビネット監視制御部30Aと、クリーンルーム監視制御部30Bとは、相互に情報交換を行うことも可能であるが、本実施の形態では、安全キャビネット監視制御部30Aと、クリーンルーム監視制御部30Bとは、基本的には独立して制御することを前提に説明する。
(安全キャビネット監視制御部30A)
安全キャビネット監視制御部30Aは、情報取得部100を備えている。
情報取得部100は、図4に示す安全キャビネット12のそれぞれに取り付けられた監視制御部80から、カメラ78(図4参照)で撮影された情報(作業中動画情報)と、異常判定部90における異常判定情報とを取得する。
情報取得部100は、格納処理部102に接続されている。格納処理部102では、情報取得部100で取得した情報(作業中動画情報及び異常判定情報)を、安全キャビネット12を用いた作業の履歴情報として大規模記憶装置104に格納する。
大規模記憶装置104は、情報読出部106に接続されている。情報読出部106では、外部(例えば、オペレータにより操作される操作部等)から履歴情報読出指示が入力されると、大規模記憶装置104から、該当する時期の履歴情報を読み出し、出力部108を介して出力デバイス(例えば、モニタ等)へ出力する。
すなわし、上位制御部30の安全キャビネット監視制御部30Aの主たる目的は、監視制御部80において、各安全キャビネット12における作業状況の監視状況を集約して、データベース化しておくことにある。
このデータベース化された履歴情報により、安全キャビネット12において、過去の情報を確認する場合に、即時に履歴情報が読み出され、モニタやプリンタ出力の紙媒体等で確認が可能となる。
一例として、安全キャビネット12で作業を行った検体50に、時間が経過した後に異常(不純物の混入等)が発生した場合に、安全キャビネット12での作業を、過去に遡って確認することができる。
(クリーンルーム監視制御部30B)
クリーンルーム監視制御部30Bは、情報受信部110を備えている。
情報受信部110は、図1に示すRFIDセンサ14のセンサ部16(16K)で検出したオペレータ情報を受信する。オペレータ情報は、オペレータ60が検出領域ASに存在するか否かの有無情報、並びに存在した場合のオペレータ60を識別する識別情報を含む。
情報受信部110は、センサ位置特定部112に接続されている。センサ位置特定部112では、情報受信部110で受信したオペレータ情報を受け取り、当該オペレータ情報の情報源(すなわち、RFIDセンサ14の位置)を特定し、特定した位置と共にオペレータ情報を存否判定部114へ送出する。
存否判定部114では、オペレータ情報からオペレータ60の存否(すなわち、各RFIDセンサ14が監視を管轄する検出領域AS内にオペレータ60が存在しているか否か)を判定し、オペレータ60が存在している場合に、オペレータ特定部116へ送出する。
オペレータ特定部116では、検出した識別情報から、オペレータ60を特定し、存否情報集約部118へ送出する。
存否情報集約部118は、存在エリア認識部120及び移動速度解析部122に接続されている。
存在エリア認識部120では、特定したオペレータ60の存在エリア(検出領域ASの何れか)を認識し、認識結果を異常判定部124へ送出する。
また、移動速度解析部122では、逐次、オペレータ特定部116へ送られてくる同一のオペレータ60の移動軌跡に基づいて移動速度を解析し、移動速度情報を異常判定部124へ送出する。
異常判定部124では、以下の判定要件に基づいて、オペレータ60の位置や動きが異常であると判定する。
(判定要件1) 安全キャビネット12との距離が予め定めたしきい値よりも短い。
例えば、図2に示される如く、オペレータ60Aが安全キャビネット12で作業しているとき、その近傍を他のオペレータ60Bが近づくと、周囲の気流が乱れたり、オペレータ60Aと接触したりする場合があり、安全キャビネット12内の検体50に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、オペレータ60Aは識別によって安全キャビネット12で作業していることは認識できるため、安全キャビネット12を移動するオペレータ60Bと、安全キャビネット12との距離が予め定めたしきい値よりも短いと判断した場合に異常を判定する。
(判定要件2) オペレータ60の位置が予め定めたクリーンルーム10内の異常領域に存在する。
例えば、図2に示される如く、オペレータ60Bのいる位置が、予め定めた異常領域であった場合に、当該異常領域に進入することで異常判定とする。
(判定要件3) オペレータ60の移動速度が予め定めたしきい値よりも速い。
例えば、オペレータ60が、迅速な業務遂行のため、うっかり小走りになったとしても、当該小走りに起因する事故を未然に防止するため、異常判定とする。
(判定要件4) 複数のオペレータ60間の距離が予め定めたしきい値よりも短い。
図2に示される如く、オペレータ60Aが安全キャビネット12で作業しているとき、その近傍を他のオペレータ60Bに限らず、クリーンルーム10内において、不必要に複数のオペレータ60が近づくと、互いの接触等で、事故に繋がる可能性が高まるため、異常判定とする。
異常判定部124では、上記判定要件1〜判定要件4の何れか1つ異常に該当する場合には異常と判定し、報知制御部126を介して報知デバイスへ報知する。報知デバイスは、安全キャビネット12に取り付けたパトランプ96を流用してもよいし、別途、クリーンルーム10内に設けた警報装置や、オペレータ60が個人で所持する警報装置等を用いてもよい。
また、報知内容は、判定要件に関わらず統一した報知形態であってもよいし、判定要件毎に異なる報知形態であってもよい。
なお、存在エリア認識部120、移動速度解析部122、及び異常判定部124で取得した情報は、大規模記憶装置104に記憶され、前述した情報読出部106への履歴情報読出指示に基づいて、出力部108を介して出力デバイス(モニタやプリンタ等)へ出力することが可能である。なお、クリーンルーム監視制御部30Bにおける情報は、大規模記憶装置104とは異なる記憶装置に記憶し、安全キャビネット監視制御部30Aとは完全に独立した制御形態としてもよい。
以下に、本実施の形態の作用を、図9〜図11のフローチャートに従い説明する。
図9は、上位制御部30における一連の監視制御のメインルーチンを示すフローチャートである。本実施の形態では、この上位制御部30によって、各安全キャビネット12の監視と、クリーンルーム10内の監視と、を一括して制御しているが、各安全キャビネット12の監視と、クリーンルーム10内の監視とは、相互に連携せず、個別に制御するようにしてもよい。また、個別制御において、監視結果の情報は、相互に連携してもよい。
図9に示すメインルーチンは、電源オン時起動して、まず、ステップ200において、安全キャビネット監視制御及びクリーンルーム監視制御の実行を指示して、ステップ202へ移行する。なお、クリーンルーム監視制御及び安全キャビネット監視制御のそれぞれの詳細な制御については、後述する(図10及び図11参照)。
ステップ202では、安全キャビネット12の監視制御部80から撮影情報を取得する。次のステップ204では、監視制御部80から取得した撮影情報を、大規模記憶装置104へ履歴情報として格納し、ステップ206へ移行する。
ステップ206では、安全キャビネット12において異常動作(前述した判定要件1〜判定要件4に該当する異常判定)があったか否かを判断する。
このステップ206で肯定判定されると、ステップ208へ移行して、異常動作があったことと、異常動作画像(及びその前後の画像)を、大規模記憶装置104に異常動作特有の履歴情報として格納し、ステップ210へ移行する。異常動作特有の履歴情報とは、常に撮影している画像情報とは異なり、異常動作に特化した画像情報を指す。
また、ステップ206で否定判定された場合は、ステップ210へ移行する。
ステップ210では、履歴情報の要求があったか否かを判断する。
ステップ210で肯定判定されると、ステップ212へ移行して、大規模記憶装置104から指定の範囲(日付、時間、識別されたオペレータ60等で特定された範囲)の履歴情報を読み出し、次いでステップ214へ移行して履歴情報を出力し、ステップ216へ移行する。
また、ステップ210で否定判定された場合は、ステップ216へ移行する。
ステップ216では、監視を継続するか否かを判断し、肯定判定された場合は、ステップ202へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、ステップ216で否定判定された場合は、監視を終了するべく、ステップ218へ移行して、安全キャビネット監視制御及びクリーンルーム監視制御の終了を指示し、このルーチンは終了する。
なお、安全キャビネット監視制御及びクリーンルーム監視制御の内、何れか一方のみの監視制御を終了し、他方の監視制御を継続するようにしてもよい。
図10は、本実施の形態に係る安全キャビネット12における監視制御を示すフローチャートである。本実施の形態では、上位制御部30からの指示で起動するようにしているが、この安全キャビネット12の監視制御は、独立して実行するようにしてもよい。
ステップ250では、カメラ78による撮影を開始し、次いでステップ252へ移行して撮影した画像情報を上位制御部30へ送信して、ステップ254へ移行する。
ステップ254では、撮影した画像情報を解析し、オペレータ60の腕の移動軌跡を抽出する。
次のステップ256では、安全キャビネット12内ヘオペレータ60の腕の進入または退出があったか否かを判断する。
このステップ256で肯定判定されると、ステップ258へ移行して、オペレータ60の腕の位置を特定し、次いでステップ260へ移行して腕の移動速度を演算する。
次のステップ262では、予め定めた腕の移動速度のしきい値を読み出し、ステップ264へ移行して、ステップ260で演算した移動速度と、ステップ262で読み出したしきい値との比較によって、腕の移動速度が正常か異常かを判定する。
次のステップ266では、ステップ264での判定結果が異常判定か否かを判断し、肯定判定された場合は、ステップ268へ移行して、開口部62Aのエアカーテンの気流が乱れる可能性があると判断し、異常を報知して、ステップ270へ移行する。また、ステップ266で否定判定された場合は、ステップ270へ移行する。
異常の報知は、安全キャビネット12毎に設けたパトランプ96を作動させる、並びに、上位制御部30への通知を意味する。なお、安全キャビネット12を独立して監視制御する場合は、上位制御部30への通知は不要となる。
一方、前記ステップ256で否定判定(オペレータ60の腕の出し入れが無い)された場合は、ステップ270へ移行する。
ステップ270では、上位制御部30から監視制御の終了指示があったか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ250へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ270で肯定判定された場合は、ステップ272へ移行して、安全キャビネット監視制御の終了処理を実行し、このルーチンは終了する。
図11は、本実施の形態に係るクリーンルーム10における監視制御を示すフローチャートである。本実施の形態では、上位制御部30からの指示で起動するようにしているが、このクリーンルーム10の監視制御は、独立して実行するようにしてもよい。
クリーンルーム10(及びクリーンルーム10内の安全キャビネット12)には、N個のRFIDセンサ14が設けられていることとする。また、RFIDセンサ14のそれぞれを個別に特定するための手段として変数nを用い、以下では、RFID(n)の表現で個々のRFIDセンサ14を識別する。
ステップ300では、変数nを1に設定し、次いで、ステップ302へ移行してRFID(n)から情報を受信し、ステップ304へ移行する。
ステップ304では、管轄する検出領域AS内でのオペレータ60の存否を確認し、ステップ306へ移行する。ステップ306では、オペレータ60の存在を確認したかい否かを判断し、肯定判定された場合は、ステップ308へ移行して、オペレータ60が携帯するICカード20からのID情報に基づき、オペレータ60を特定し、ステップ310へ移行する。
また、ステップ306で否定判定された場合は、ステップ310へ移行する。
ステップ310では、オペレータ60の存否情報を大規模記憶装置104に格納し、次いで、ステップ312へ移行して変数nをインクリメント(n←n+1)して、ステップ314へ移行する。
ステップ314では、RFIDセンサ14の総数であるNと、変数nとを比較して、N<nか否かを判断する。
このステップ314で肯定判定(N<n)された場合は、全てのRFIDセンサ14の巡回が終了したと判断し、ステップ320へ移行する。
また、ステップ314で否定判定(N≧n)された場合は、全てのRFIDセンサ14の巡回が終了していないと判断し、ステップ316へ移行して終了指示が無い(否定判定)場合は、ステップ300へ戻り上記工程を繰り返す。また、ステップ316で終了指示があった(肯定判定)場合は、ステップ318へ移行して、クリーンルーム監視制御の終了処理を実行し、このルーチンは終了する。
前記ステップ314において肯定判定(N<n)された場合は、クリーンルーム10内をひととおり監視したことになり、ステップ320へ移行して、大規模記憶装置104に格納した存否情報を読み出し、ステップ322へ移行する。
ステップ322では、読み出した存否情報に基づき、オペレータ60の存在エリアを特定する。この場合、検出領域ASが相互の重なっている領域があるため、検出領域ASよりも細分化された領域(前述したパターン1〜パターン4)で特定することができる
次のステップ324では、同一のオペレータ60の前回の位置と今回の位置との差に基づき、オペレータ60の移動速度を解析し、ステップ326へ移行する。
ステップ326では、監視対象物(例えば、安全キャビネット12等)の位置情報を読み出し、次いで、ステップ328へ移行して、前述の判定要件1〜判定要件4に基づき、オペレータ60の位置または移動速度は正常か異常かを判定する。判定要件1〜判定要件4に示される如く、監視対象は、安全キャビネット12に加え、予め定めた異常領域、他のオペレータ60を含むことがわかる。改めて、以下に判定要件を示す。
(判定要件1) 安全キャビネット12との距離が予め定めたしきい値よりも短い。
(判定要件2) オペレータ60の位置が予め定めたクリーンルーム10内の異常領域に存在する。
(判定要件3) オペレータ60の移動速度が予め定めたしきい値よりも速い。
(判定要件4) 複数のオペレータ60間の距離が予め定めたしきい値よりも短い。
次のステップ330では、異常判定があったか否かを判断し、肯定判定された場合は、ステップ332へ移行して異常を報知して、ステップ334へ移行する。報知デバイスは、安全キャビネット12に取り付けたパトランプ96を流用してもよいし、別途、クリーンルーム10内に設けた警報装置や、オペレータ60が個人で所持する警報装置等を用いてもよい。
また、ステップ330で否定判定された場合は、ステップ300へ戻り、上記工程を繰り返す。
ステップ334では、監視制御の終了指示が有ったか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ300へ戻り上記工程を繰り返す。また、ステップ334で肯定判定された場合は、ステップ318へ移行して、クリーンルーム監視制御の終了処理を実行し、このルーチンは終了する。
なお、本実施の形態で示した安全キャビネット12は、クリーンルーム10内でなくてもよい。
すなわち、クリーンルーム10は、安全キャビネット12の有無に関わらず、移動状況を監視してもよい。
また、安全キャビネット12を単独で、オペレータ60の腕のアプローチ(出し入れ)状況を監視するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、天井部10C及び安全キャビネット12に、オペレータ60の位置や移動状況を監視する監視部として、RFIDセンサ14を設けたが、RFIDセンサ14の一部又は全部を、画像を撮影するカメラを用いてもよい。カメラは、一定時間毎に撮影する静止画、動画の何れであってもよい。また、オペレータ60を監視する領域が極めて狭い(安全キャビネットに対峙するオペレータ60等)場合は、光電センサ等の人感センサを用いてもよい。
(安全キャビネット12の監視制御による効果)
安全キャビネット12は、オペレータ60が作業空間56に腕を出し入れするための開口部62Aが設けることが必須であるため、この開口部62Aから塵埃等の不純物が進入しないようにエアカーテンを形成している。
本実施の形態によれば、この開口部62Aを中心とした作業空間56をカメラ78によって撮影し、当該撮影した画像情報を解析して、オペレータ60の腕の出し入れの位置や移動速度を取得して、エアカーテンの気流の乱れに起因する状況を迅速に特定することができるため、作業空間56内への不純物の進入を抑制することができる。
また、万が一、作業空間56内への不純物の進入があった場合に、撮影画像を履歴として残しておくことで、その原因となる作業を特定することができる。
(クリーンルーム10の監視制御による効果)
クリーンルーム10は、出入口10Aが閉じられると閉塞空間であるため、基本的には、外部から塵埃等の不純物の進入はなく、空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定されて清浄度レベル以下に管理される。
しかし、クリーンルーム10内には、不要にオペレータ60が近づくことを回避する領域があったり、クリーンルーム10内に設置された安全キャビネット12の近傍を通過することで、安全キャビネット12の開口部62Aのエアカーテンの気流を乱すといったクリーンルーム10内でのオペレータ60の移動による不具合(異常)が発生する場合がある。
そこで、本実施の形態では、天井部10C及び安全キャビネット12に、RFIDセンサ14を取り付け、クリーンルーム10内を区画した検出領域ASでオペレータ60の動きを監視するようにした。各検出領域ASは相互に重なる部分を設けており、単一のRFIDセンサ14での検出から、2個〜4個のRFIDセンサ14の検出により、検出パターン(パターン1〜パターン4)を異ならせ、検出領域ASよりも細分化された領域でオペレータ60の位置を特定することができる。
(変形例)
本実施の形態では、クリーンルーム10の天井部10CにRFIDセンサ14を取り付ける構成とした。このとき、クリーンルーム10は、空気中における浮遊微小粒子、浮遊微生物が限定されて清浄度レベル以下に管理される必要があるため、出入口10Aが閉じられると、壁部10B、天井部10C、及び床部10Dによって、クリーンルーム10の空間が、外部空間に対して閉塞空間となる。
言い換えれば、クリーンルーム10は、一般的な居室と異なり、安易に天井部10CにRFIDセンサ14を取り付けるといった後付け工事はできない。
そこで、本実施の形態では、図12に示される如く、RFIDセンサ14を天井部10Cに貼付けるパネルPと一体化し、予めRFIDセンサ内蔵のパネルP(RF)としてユニット化し、通常のパネルPと組み合わせて、クリーンルーム10の施工時に合わせて取り付けるようにした。この結果、RFIDセンサ14の後付け工事が不要となる。
一方、RFIDセンサ14が存在しない既存のクリーンルームに、後付けでRFIDセンサ14を取り付ける場合もあり得る。このような場合、天井部10CのパネルP単位で内蔵パネルP(RF)に取り替えることで、必要最小限の施工工程でRFIDセンサ14を取り付けることが可能であり、天井部10Cの閉塞状態を維持することができる。また、RFIDセンサ14は、クリーンルーム以外でも使用することができる。さらに、天井部10CのパネルPは、RFIDセンサ14だけでなく、照明等の他の設備を組み込むことができる。
10 クリーンルーム
10A 出入口
10B 壁部
12 安全キャビネット
10C 天井部
10D 床部
14 RFIDセンサ(監視部)
16、16K センサ部
18 マス
60 オペレータ
20 ICカード
22 RF部
24 制御部
26 電源部
AS 検出領域
28 通信回線網
30 上位制御部
50 検体
52 作業台
54 支持体
56 作業空間
58 キャビネット部
62 パネル
62A 開口部
64 整流装置
66 ブロワ
68 フィルタ部
70 案内ダクト
72 吸気ダクト
74 適切領域
76 不適切領域
78 カメラ
80 監視制御部
82 受信部
84 情報解析部
86 位置特定部
88 移動速度演算部
90 異常判定部
92 しきい値記憶部
94 報知制御部
96 パトランプ(報知部)
30A 安全キャビネット監視制御部
30B クリーンルーム監視制御部
100 情報取得部
102 格納処理部
104 大規模記憶装置(情報記憶部)
106 情報読出部
108 出力部
110 情報受信部
112 センサ位置特定部
114 存否判定部
116 オペレータ特定部
118 存否情報集約部
120 存在エリア認識部(取得部)
122 移動速度解析部(取得部)
124 異常判定部
126 報知制御部

Claims (10)

  1. コンタミネーションコントロールされた作業空間が形成され、かつ、当該作業空間に対してさらに隔離された状態で検体を対象とした作業を行うための安全キャビネットが設置されたクリーンルームにおける、オペレータの行動を把握する行動把握システムであって、
    前記クリーンルームの前記作業空間内を監視する監視部と、
    前記監視部で監視した監視情報を解析して、前記クリーンルーム内を移動するオペレータの位置及び移動速度を含む特徴情報を取得する取得部と、
    前記監視部で監視した監視情報と、前記取得部で取得した前記特徴情報と、を履歴情報として記憶する情報記憶部と、
    を有する行動把握システム。
  2. 前記取得部が、前記監視部で監視した監視情報を解析して、オペレータを識別するための識別情報をさらに取得する請求項1記載の行動把握システム。
  3. コンタミネーションコントロールされた作業空間が形成され、必要に応じて、当該作業空間に対してさらに隔離された状態で検体を対象とした作業を行うための安全キャビネットが設置されたクリーンルームにおける、オペレータの行動を把握する行動把握システムであって、
    前記クリーンルームの前記作業空間内を監視する監視部と、
    前記監視部で監視した監視情報を解析して、前記クリーンルーム内を移動するオペレータを識別するための識別情報、並びに、当該オペレータの位置及び移動速度を含む特徴情報を取得する取得部と、
    前記取得部で取得した前記特徴情報に基づいて、前記クリーンルームの作業空間でのオペレータの行動に不適切な行動があったか否かを判定する判定部と、
    前記判定部で、前記オペレータの行動が不適切と判定された場合に、報知する報知部と、
    を有する行動把握システム。
  4. 前記取得部が、前記監視部で監視した監視情報を解析して、オペレータを識別するための識別情報をさらに取得する請求項3記載の行動把握システム。
  5. 前記監視部で監視した監視情報と、前記取得部で取得した前記特徴情報と、を履歴情報として記憶する情報記憶部をさらに有する請求項3又は請求項4記載の行動把握システム。
  6. 前記履歴情報に同期させて、前記判定部による判定結果情報を記憶する判定結果記憶部をさらに有する請求項5記載の行動把握システム。
  7. 前記情報記憶部で前記履歴情報を記憶する場合に、前記判定部における判定結果情報の内、前記オペレータの行動が不適切と判定された時点を基準として、その前後の所定期間の範囲の前記履歴情報を記憶する、請求項5記載の行動把握システム。
  8. 前記判定部が、複数のオペレータ間の距離又は移動速度が、予め定めたしきい値よりも近づいたら、少なくとも一方の行動が不適切な行動と判定することを特徴とする請求項3〜請求項7の何れか1項記載の行動把握システム。
  9. 前記判定部が、作業空間を移動する第1オペレータと、前記安全キャビネットを用いて作業している第2オペレータとの距離又は移動速度が、予め定めたしきい値よりも近づいたら、前記第1オペレータの行動が不適切な行動と判定することを特徴とする請求項3〜請求項8の何れか1項記載の行動把握システム。
  10. 前記監視部が、前記作業空間を移動するオペレータが所持するICカードとの間で無線通信を実行して、当該ICカードに記憶された情報を取り込むことが可能な複数のRFIDであり、
    前記複数のRFIDは、前記作業空間に分散して配置され、かつ、隣接するRFIDは、前記ICカードとの無線通信可能領域の一部が重複するように配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項記載の行動把握システム。
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