(1)概要
本実施形態の配線確認システム100は、例えば、新築の建物等において図1に示すように複数の配線A1を施工した後に、複数の分岐ブレーカ3と複数の配線A1との間の接続関係を確認するためのシステムである。配線A1は、分電盤1と接続器B1との間をつなぎ、分電盤1から接続器B1へ電力を供給するための電線である。ここでは、分電盤1は、電力系統AC1に電気的に接続されている主幹ブレーカ2と、主幹ブレーカ2に電気的に接続されている複数の分岐ブレーカ3とを備えており、配線A1は、分岐ブレーカ3の二次側端子と接続器B1とをつなぐ電線である。分岐ブレーカ3は、分岐ブレーカ3に接続されている配線A1への通電を、入り切りする。
接続器B1は、主として建物の内部に設置され、配線A1を介して分電盤1と電気的に接続されている。なお、接続器B1は、建物の内部でだけでなく、建物の外部に設置されていてもよい。本実施形態では、建物が戸建住宅である場合を例示するが、この例に限らない。建物は、例えば集合住宅の各住戸、事務所、店舗、工場、及び病院等、分電盤1が設置可能であればよい。
以下では、分電盤1において、主幹ブレーカ2を含む回路を主幹回路20ともいう。また、主幹回路20から分岐ブレーカ3によって分岐されている回路であって、分岐ブレーカ3、接続器B1、及び配線A1を含む回路を、分岐回路30ともいう。
ここで、1つの分岐回路30は、複数の接続器B1を含み得る。例えば、図3に示すように、1つの分岐ブレーカ3の二次側端子に複数の接続器B1が電気的に接続されている場合、1つの分岐回路30が複数の接続器B1を含んでいる、と言える。1つの分岐回路30に含まれる複数の接続器B1は、渡り配線によって並列に接続される場合(図3参照)もあれば、送り配線によって直列に接続される場合もある。
接続器B1は、配線A1と1対1に対応している。1つの接続器B1に対応する配線A1とは、ここでは、分岐ブレーカ3から接続器B1に電力を供給するための電路を意味する。例えば、ある接続器B1が電線(一対の電線)によって分岐ブレーカ3に直接接続されている場合、この電線が、配線A1に相当する。また、ある接続器B1が、別の接続器(仮に「中継接続器」という)を介した送り配線によって分岐ブレーカ3に接続されている場合、配線A1は、分岐ブレーカ3と中継接続器とを接続する電線、中継接続器、及び中継接続器と接続器B1とを接続する電線を含む。したがって、1つの分岐回路30が複数の接続器B1を含む場合、この分岐回路30は、接続器B1と同じ数の配線A1を含むこととなる。
本開示でいう「接続関係の確認」とは、ある配線A1が、分電盤1に含まれる複数の分岐ブレーカ3のうちの何れの分岐ブレーカ3に接続されているかを確認することを含む。上述のように、本実施形態では、配線A1は接続器B1と1対1に対応している。そのため、「接続関係の確認」とは、ある接続器B1が、分電盤1に含まれる複数の分岐ブレーカ3のうちの何れの分岐ブレーカ3に接続されているかを確認することを含む。
本開示でいう「接続器」は、コンセント(アウトレット)の他に、建物の天井等に設置される引掛けシーリングローゼットを含む。なお、以下の説明では、接続器B1はコンセントである。
本実施形態の配線確認システム100は、図1に示すように、複数の子機6と、親機7と、を備える。
子機(配線確認支援装置)6は、接続器B1に接続可能である。子機6は、確認対象の配線A1がつながっている接続器B1に接続して用いられる。配線確認システム100にて用いられる子機6の台数は、確認対象の配線A1の数、つまり、確認対象の配線A1がつながっている接続器B1の個数と同じである。
子機6は、図5に示すように、接続部61と、検知部633と、取得部634と、を備えている。
接続部61は、接続器B1に対して着脱自在に接続される。
検知部633は、接続部61への通電の開始と停止とのうちの少なくとも一方を検知する。つまり、検知部633は、接続部61に接続されている配線A1への通電の、開始と停止とのうちの少なくとも一方を検知する。
取得部634は、検知部633の検知結果に基づいて、接続部61に接続されている配線A1についての通電時間情報を取得する。通電時間情報は、接続部61に接続されている配線A1に対する通電の、時間に関する情報を示す。
本開示でいう「通電時間情報」は、例えば、通電開始時点の情報、通電停止時点の情報、通電継続時間の情報、通電停止継続時間の情報のうちの少なくとも一つを含む。通電開始時点の情報は、例えば、配線A1への通電が開始した時点(絶対時間)を示す。通電停止時点の情報は、例えば、配線A1への通電が停止した時点(絶対時間)を示す。通電継続時間の情報は、例えば、配線A1の通電の継続時間の長さ、つまり、配線A1への通電が開始されてから通電が停止されるまでの時間の長さを示す。通電停止継続時間の情報は、例えば、配線A1の非通電の継続時間の長さ、つまり配線A1への通電が停止されてから次に通電が開始されるまでの時間の長さを示す。
「通電時間情報」は、他の子機6で取得される通電時間情報との間での、時間的な順位付けが可能な情報であることが好ましい。上述の通電開始時点の情報、通電停止時点の情報、通電継続時間の情報、及び通電停止継続時間の情報は、他の子機6で取得される通電時間情報との間での時間的な順位付けが可能な情報である。なお、「通電時間情報」は、子機6が接続されている配線A1(接続器B1)への通電が開始された時点と、他の子機6が接続されている配線A1(接続器B1)への通電が開始された時点との比較結果(絶対時間上の前後関係)を示す情報であってもよい。例えば、複数の子機6のうちの第1子機への通電の開始時刻と、複数の子機6のうちの第2子機への通電の開始時刻とが異なる場合、通電時間情報は、第1子機と第2子機との通電の開始時刻の後先(順番)を示す情報であってもよい。
本実施形態では、子機6が取得する通電時間情報は、通電継続時間の情報、つまり、この子機6が接続されている配線A1への通電の継続時間の長さを示す情報である。
親機7は、通電時間情報を含む通信信号CS1を、子機6から受け取る。本実施形態では、親機7は、パーソナルコンピュータ(デスクトップ型、又はラップトップ型等)である。なお、親機7は、パーソナルコンピュータに限らず、例えばスマートフォン、タブレット端末などの携帯情報端末であってもよい。ここで、親機7は、配線確認システム100に用いられる専用のデバイスであってもよいが、この例に限らない。例えば、汎用のパーソナルコンピュータにて特定のソフトウェアを実行することにより、汎用のパーソナルコンピュータが親機7として機能する場合も有り得る。この場合、汎用のパーソナルコンピュータであっても、親機7に相当する。
上述のように、本実施形態の配線確認システムでは、複数の子機6の各々は、自身の接続部61に接続されている配線A1(接続器B1)についての通電時間情報(通電継続時間の情報)を取得する。そのため、作業者(或いは親機7)は、複数の子機6でそれぞれ取得された通電時間情報を、比較することが可能となる。
ここにおいて、配線A1への通電の開始は、作業者が分電盤1の分岐ブレーカ3を遮断状態(オフ)から導通状態(オン)へ切り替えることで、行うことができる。また、配線A1への通電の停止は、作業者が分電盤1の分岐ブレーカ3を導通状態から遮断状態へ切り替えることで、行うことができる。例えば、作業者が、ある分岐ブレーカ3を導通状態から遮断状態へ切り替えれば、この分岐ブレーカ3につながっている配線A1への通電が停止される。
例えば、全ての分岐ブレーカ3がオンされた状態から、複数の分岐ブレーカ3を順次オフすれば、複数の子機6への通電は、接続されている分岐ブレーカ3がオフされた順番にしたがって順次停止されることとなる。
したがって、作業者は、複数の分岐ブレーカ3をオフした順番等を記録しておき、これらを、複数の子機6でそれぞれ取得された通電時間情報と突き合わせることで、どの子機6がどの分岐ブレーカ3に接続されているかを把握することができる。すなわち、作業者は、配線A1(接続器B1)と分岐ブレーカ3との接続関係を確認する際に、各接続器B1の設置場所に毎回赴いてその場で確認作業を行う必要がない。
これにより、本実施形態の子機(配線確認支援装置)6及びそれを備えた配線確認システム100では、配線の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
(2)構成
以下、本実施形態の配線確認システム100について図1〜図9を用いて詳細に説明する。配線確認システム100は、図1に示すように、複数の子機6と、親機7と、を備える。
本実施形態では、作業者は、分電盤1の複数の分岐ブレーカ3と複数の配線A1(複数の接続器B1)との間の接続関係を確認すると仮定する。なお、分岐ブレーカ3の数と配線A1の数とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態では、子機6の台数は、確認対象の配線A1の数、つまり、確認対象の配線A1に対応する接続器B1の個数と、同じである。図1では、2つの分岐ブレーカ3につながっている3つの接続器B1と、これら3つの接続器B1に接続される3つの子機6と、が図示されているが、確認対象の配線A1は、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。例えば、4つ以上の配線A1(接続器B1)に、4つ以上の子機6が接続されてもよい。
(2.1)分電盤
まず、分電盤1について図2を用いて説明する。以下の説明では、特に断りがない限り、図2の上下左右を分電盤1の上下左右と規定し、図2の紙面に垂直な方向を分電盤1の前後方向(手前が前)と規定する。詳しくは、主幹ブレーカ2と分岐ブレーカ3とが並ぶ方向を左右方向、キャビネット本体11の底部と計測アダプタ4とが並ぶ方向を前後方向と規定する。また、左右方向及び前後方向と直交する方向を上下方向と規定する。
分電盤1は、図2に示すように、キャビネット10と、主幹ブレーカ2と、複数の分岐ブレーカ3と、計測アダプタ4と、検知部5と、を備えている。
キャビネット10は、前面が開口した箱状のキャビネット本体11と、キャビネット本体11の開口を塞ぐ蓋と、を備えている。図2においては、蓋の図示を省略している。キャビネット10の内部には、主幹ブレーカ2、複数の分岐ブレーカ3、計測アダプタ4、及び検知部5が収容されている。キャビネット10内において、計測アダプタ4、主幹ブレーカ2、複数の分岐ブレーカ3は、左右方向において左からこの順に配置されている。
主幹ブレーカ2は、キャビネット10の内部において、左右方向の中央よりもやや左側の位置に配置されている。なお、キャビネット10内での主幹ブレーカ2の位置は、例えば中央よりも右側等他の位置であってよい。主幹ブレーカ2は、一次側端子21と、二次側端子とを備えている。本実施形態の分電盤1では配電方式として単相三線式を想定しているので、主幹ブレーカ2の一次側端子21には、系統電源(商用電源)の単相三線式の引き込み線が電気的に接続される。また、主幹ブレーカ2の二次側端子には、第1電圧極(L1相)の導電バー、第2電圧極(L2相)の導電バー、及び中性極(N相)の導電バーが接続されている。各導電バーは、導電部材により左右方向に長い長尺板状に形成されており、キャビネット10の内部において、上下方向の中央であって主幹ブレーカ2の右側の位置に配置されている。
複数の分岐ブレーカ3は、中性極の導電バーの上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている。本実施形態では、図2に示すように、中性極の導電バーの上側に、12個の分岐ブレーカ3が左右方向に並ぶように配置されている。また、中性極の導電バーの下側に、12個の分岐ブレーカ3が左右方向に並ぶように配置されている。
各分岐ブレーカ3は、一対の一次側端子と、一対の二次側端子とを備えている。分岐ブレーカ3には100V用と200V用がある。100V用の分岐ブレーカ3が備える一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バー及び第2電圧極の導電バーのうちの一方と、中性極の導電バーとにそれぞれ電気的に接続される。200V用の分岐ブレーカ3が備える一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バーと、第2電圧極の導電バーとにそれぞれ電気的に接続される。また、分岐ブレーカ3の二次側端子には、対応する配線A1が電気的に接続される。各分岐ブレーカ3の二次側端子に接続された配線A1には、例えば照明器具や空調機器、テレビ受像器、給湯設備等の機器、接続器B1又は壁スイッチ等の配線器具が負荷として1つ以上接続される。
検知部5は、複数の分岐ブレーカ3の各々に接続された負荷(配線A1)に流れる電流を検知するように構成されている。検知部5は、例えば、基板と、複数のコイル51と、を有している。基板は、左右方向に長い板状である。基板には、複数の孔が形成されている。複数の孔には、導電バーから延びて分岐ブレーカ3の一次側端子に接続される端子がそれぞれ挿入される。コイル51は、例えばロゴスキコイルであり、基板の孔の周りに形成されている。本実施形態では、検知部5は、複数のコイル51の各々に誘起される電流を計測することにより、複数の分岐ブレーカ3の各々に接続された配線A1を流れる電流を検知する。
計測アダプタ4は、キャビネット10の内部において、主幹ブレーカ2の左側に配置されている。計測アダプタ4は、分電盤1内の主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ3の少なくとも一方を通過する電力を計測する計測機能、及びキャビネット10の外部に配置された機器と通信する通信機能を有している。
より詳しくは、本実施形態の計測アダプタ4は、主幹ブレーカ2に流れる電流を計測する主幹検知部及び検知部5と、電気的に接続されている。ここに、主幹検知部は、例えばカレントトランス(CT)からなる電流センサを備えている。そして、計測アダプタ4は、検知部5及び主幹検知部が計測した電流の値のそれぞれを電力値に変換する機能(計測機能)を有している。
また、計測アダプタ4は、HEMS(Home Energy Management System)に対応する機器(以下、HEMS対応機器という)の制御を行うように構成されたコントローラとの間で通信する機能(通信機能)を有している。コントローラは、キャビネット10の外部に配置された機器である。ここに、HEMS対応機器は、例えばスマートメータ、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置、冷蔵庫、又はテレビ受像機等を含む。なお、HEMS対応機器は、これらの機器に限定されない。
計測アダプタ4とコントローラとの間の通信方式は、例えば920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。また、計測アダプタ4とコントローラとの間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信であってもよい。
また、計測アダプタ4とコントローラとの間の通信における通信プロトコルは、例えばEthernet(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)等を用いてもよい。
本実施形態の分電盤1では、計測アダプタ4は、検知部5が計測した複数の配線A1の各々の電流値を検知部5から受け取る。さらに、計測アダプタ4は、主幹検知部が計測した電流値を主幹検知部から受け取る。計測アダプタ4は、検知部5及び主幹検知部が計測した電流値のそれぞれを電力値(瞬時電力値)に変換する。計測アダプタ4は、収集した瞬時電力のデータを所定時間に亘って積算した電力量のデータを演算する機能を有している。したがって、計測アダプタ4と通信するコントローラは、複数の配線A1に接続された複数の負荷の各々での瞬時電力や電力量に基づいてHEMS対応機器を制御することができる。
また、計測アダプタ4は、太陽光発電装置、蓄電装置、及び電気自動車に電気的に接続される電力変換装置のうちの少なくとも1つとの間で通信する機能(通信機能)を有している。なお、電力変換装置は、分電盤1から電気自動車への単方向充電を行うための電力変換の他、双方向に電力変換を行うことで電気自動車の蓄電池の充電と放電との両方に用いられる構成であってもよい。
また、計測アダプタ4は、ガスメータと水道メータとの少なくとも一方との通信機能を有している。計測アダプタ4と太陽光発電装置、蓄電装置、及び電力変換装置との間の通信方式は、例えばRS−485等の通信規格に準拠した有線通信である。なお、計測アダプタ4は、例えば貯湯型の給湯装置(エコキュート(登録商標))等と通信可能であってもよい。ただし、計測アダプタ4とガスメータ、水道メータとの間の通信方式は、有線通信に限らず、無線通信であってもよい。
(2.2)子機
次に、子機(配線確認支援装置)6について、図4及び図5を用いて説明する。
子機6は、直方体状の筐体60と、筐体60の一面に設けられている接続部61と、を備えている。筐体60の内部には、電源部62と、制御部63と、タイマ64と、設定部65と、リレー66と、抵抗器(負荷)67と、記憶部68と、が収容されている。
接続部61は、電圧線(L線)の栓刃611と、中性線(N線)の栓刃612と、接地線(E線)の栓刃613と、の3つの栓刃を備えている。つまり、本実施形態では、子機6は、2極接地極付コンセントである接続器B1に接続可能である。また、子機6は、100V用の接続器B1と、200V用の接続器B1とのいずれにも接続可能である。
電源部62は、接続部61のうちの電圧線の栓刃611及び中性線の栓刃612に電気的に接続されており、子機6の動作電源を生成する。ここでは、電源部62は、電力変換部621と、容量性素子622と、を備えている。電力変換部621は、分電盤1の分岐ブレーカ3から電圧線の栓刃611と中性線の栓刃612との間に印加される電圧を、所定の電圧に変換する。容量性素子622は、例えばキャパシタを備え、電力変換部621で生成された所定の電圧により充電される。容量性素子622に蓄えられた電力(キャパシタの両端電圧)は、制御部63に供給される。つまり、子機6は、接続部61に接続されている配線A1(接続器B1)から動作電源を生成する。
このように、子機6の動作電源は、容量性素子622に蓄えられた電力が用いられる。そのため、子機6は、容量性素子622に蓄えられた電荷が放出されて、容量性素子622の両端電圧が制御部63の動作に必要な動作電圧よりも低くなると、動作を停止する。以下では、接続部61への電圧の印加が停止してから、容量性素子622の両端電圧が動作電圧より低くなるまでにかかる時間、言い換えれば子機6への通電が停止してから子機6が動作を停止するまでの時間を、「生存時間」ともいう。
制御部63は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部63として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部63は、電圧測定部(第1電圧測定部)631と、接続判定部632と、検知部633と、取得部634、位相検出部(第1位相検出部)635と、を備えている。なお、電圧測定部631、接続判定部632、検知部633、取得部634、及び位相検出部635は、実体のある構成を示しているわけではなく、制御部63(コンピュータシステム)によって実現される機能を示している。
電圧測定部631は、電圧線の栓刃611と中性線の栓刃612との間の電圧、電圧線の栓刃611と接地線の栓刃613との間の電圧、及び中性線の栓刃612と接地線の栓刃613との間の電圧をそれぞれ測定する。以下では、電圧線の栓刃611と中性線の栓刃612との間の電圧を「第1電圧V1」ともいう。また以下では、「第1電圧V1の値」とは、第1電圧V1の実効値を意味する。電圧測定部631は、測定した第1電圧V1の値を、電圧値情報として記憶部68に記憶する。
接続判定部632は、電圧測定部631の測定結果に基づいて、電圧線の栓刃611と中性線の栓刃612との間に電圧が印加されているか否かを判定する。接続判定部632は、第1電圧V1の値が所定の閾値電圧(第1閾値電圧)よりも大きいか否かを判定することで、電圧線の栓刃611と中性線の栓刃612との間に電圧が印加されているか否かを判定する。また、接続判定部632は、電圧測定部631の測定結果に基づいて、第1電圧V1が100V又は200Vのいずれであるかを判定する。また、接続判定部632は、電圧測定部631の測定結果に基づいて、接続部61に配線A1が正常に接続されているか否かを判定する。例えば、接続判定部632は、栓刃611と栓刃613との間、及び栓刃612と栓刃613との間の電圧を測定でき、かつ、栓刃611と栓刃612との間の電圧を測定できない場合、接続器B1に対して電圧線と接地線とが逆に接続されていると判定する。
検知部633は、接続判定部632の判定結果、すなわち電圧測定部631の測定結果に基づいて、接続部61への通電の開始及び通電の停止を検知する。検知部633は、第1電圧V1の値が閾値電圧以下から閾値電圧よりも大きな値に変化したときに、接続部61への通電の開始を検知する。検知部633は、第1電圧V1の値が閾値電圧よりも大きな値から閾値電圧以下に変化したときに、接続部61への通電の停止を検知する。
タイマ64は、制御部63によって制御される。タイマ64は、制御部63により制御されることで、計時を開始する。また、タイマ64は、制御部63により制御されることで、計時を停止(終了)する。なお、タイマ64は、制御部63(コンピュータシステム)に内蔵されていてもよいし、制御部63とは別体であってもよい。
本実施形態では、制御部63は、第1のトリガ信号を受信した時点で、タイマ64に計時を開始させる。また、制御部63は、第1のトリガ信号を受信してタイマ64に計時を開始させた後に、第2のトリガ信号を受信した時点で、タイマ64に計時を終了させる。
本実施形態では、制御部63は、制御部63が動作している状態において、第1電圧V1の値が閾値電圧以下から閾値電圧よりも大きな値に変化したことをもって、第1のトリガ信号を受信したと判定する。つまり、本実施形態では、第1のトリガ信号は、配線A1を介して接続器B1に電圧が印加されると発生する。要するに、制御部63は、接続部61への通電が開始されたことをもって、第1のトリガ信号を受信したと判定する。
本実施形態の配線確認システム100では、主幹ブレーカ2を遮断状態から導通状態に切り替えることにより、配線A1を介して子機6に電圧が印加され得る。つまり、本実施形態では、第1のトリガ信号は、分電盤1における主幹ブレーカ2が遮断状態から導通状態に切り替わることにより、発生し得る。要するに、検知部633は、主幹ブレーカ2がオンされた場合(遮断状態から導通状態に切り替わった場合)に、配線A1への通電の開始を検知する。
また、本実施形態の配線確認システム100では、子機6が接続されている配線A1に対応する分岐ブレーカ3を遮断状態から導通状態に切り替えることにより、配線A1を介して子機6に電圧が印加され得る。つまり、本実施形態では、第1のトリガ信号は、子機6につながっている分岐ブレーカ3が遮断状態から導通状態に切り替わることによっても発生し得る。要するに、検知部633は、子機6が配線A1を介して接続されている分岐ブレーカ3がオンされた場合(遮断状態から導通状態に切り替わった場合)に、配線A1への通電の開始を検知する。
また、制御部63は、制御部63が動作している状態において、第1電圧V1の値が閾値電圧よりも大きな値から閾値電圧以下に変化したことをもって、第2のトリガ信号を受信したと判定する。つまり、本実施形態では、第2のトリガ信号は、接続部61への電圧の印加が停止されると発生する。要するに、制御部63は、接続部61への通電が停止されたことをもって、第2のトリガ信号を受信したと判定する。
本実施形態の配線確認システム100では、主幹ブレーカ2を導通状態から遮断状態に切り替えることにより、配線A1を介した子機6への電圧の印加が停止され得る。つまり、本実施形態では、第2のトリガ信号は、分電盤1における主幹ブレーカ2が導通状態から遮断状態に切り替わることにより、発生し得る。要するに、検知部633は、主幹ブレーカ2がオフされた場合(導通状態から遮断状態に切り替わった場合)に、配線A1への通電の停止を検知する。
また、本実施形態の配線確認システム100では、子機6が接続されている配線A1に対応する分岐ブレーカ3を導通状態から遮断状態に切り替えることにより、配線A1を介した子機6への電圧の印加が停止され得る。つまり、本実施形態では、第2のトリガ信号は、子機6につながっている分岐ブレーカ3が導通状態から遮断状態に切り替わることによっても発生し得る。要するに、検知部633は、子機6が配線A1を介して接続されている分岐ブレーカ3がオフされた場合(導通状態から遮断状態に切り替わった場合)に、配線A1への通電の停止を検知する。
取得部634は、検知部633の検知結果に基づいて、配線A1への通電の時間に関する情報を示す通電時間情報を取得する。本実施形態では、取得部634は、タイマ64で計時された時間の長さを、通電時間情報として取得する。つまり本実施形態では、通電時間情報は、配線A1(接続器B1)への通電の継続時間の長さを示す情報(通電継続時間の情報)である。取得部634は、取得した通電時間情報を、記憶部68に記憶する。
位相検出部635は、電圧測定部631の測定結果に基づいて、接続部61に印加されている交流電圧(第1電圧V1)の位相を示す情報である位相情報(第1位相情報)を取得する。ここでは、位相検出部635は、第1電圧V1の値が、閾値電圧以下から閾値電圧よりも大きな値に変化したことをトリガとして、第1位相情報を取得する。より詳細には、位相検出部635は、主幹ブレーカ2への通電の開始に起因する、接続部61への通電の開始(第1のトリガ信号の受信)をトリガとして、第1位相情報を取得する。ただし、位相検出部635は、第1電圧V1の値が閾値電圧以下から閾値電圧よりも大きな値に変化してから、所定の待機時間が経過した時点で、第1位相情報を取得する。これは、接続部61への通電の開始直後は、通電を開始するために導通状態に切り替えられたブレーカ内でのチャタリング等の影響で、第1電圧V1が安定しない可能性があるためである。位相情報は、位相情報が取得された時点での、交流電圧の位相(中性線の栓刃612の電位を基準とした、栓刃611,612間の電位差;例えば、0〜2πの間の値)を示す。位相検出部635は、取得した第1位相情報を、記憶部68に記憶する。
また本実施形態では、制御部63は、第2のトリガ信号を受信してタイマ64に計時を終了させた後に、第3のトリガ信号を受信した時点で、タイマ64に計時を開始させる。そして、制御部63は、タイマ64に計時を開始させてから、この子機6に割り当てられたアドレスに応じた遅延時間の経過後に、配線A1を介して通信信号CS1を分電盤1へ出力する。つまり、子機6は、第3のトリガ信号を受信すると、タイマ64により計時を開始し、子機6に割り当てられたアドレスに応じた遅延時間をタイマ64が計時した時点で、通信信号CS1を出力する。
制御部63は、第2のトリガ信号の受信後に、一旦子機6が動作を停止して再起動された後、第1電圧V1の値が、閾値電圧よりも大きな値から閾値電圧以下に変化し、再度閾値電圧よりも大きな値に変化したことをもって、第3のトリガ信号を受信したと判定する。つまり、本実施形態での制御部63は、記憶部68に通電時間情報が記憶されている状態で、再起動され、その後接続部61への通電が停止後に再開されたことをもって、第3のトリガ信号を受信したと判定する。
設定部65は、作業者がアドレスを入力するための入力インタフェースを有しており、入力されたアドレスを制御部63へ出力する。本開示でいう「アドレス」は、子機6を他の子機6と区別するための識別子であって、例えば数字及びアルファベットの少なくとも一方を含む態様で表される。本実施形態では、「アドレス」は、数字によって表される。制御部63は、設定部65で入力されたアドレス、つまり作業者により設定されたアドレスを記憶部68に記憶する。本実施形態では、設定部65は、入力インタフェースとしてディップスイッチ651を有している。ディップスイッチ651は、子機6の筐体60から露出している。したがって、作業者は、ディップスイッチ651を用いてアドレスを入力することにより、子機6にアドレスを割り当てることが可能である。なお、アドレスは、子機6の製造段階において子機6に割り当てられていてもよい。
リレー66は、常開型のa接点を有しており、制御部63に制御されることで、配線A1(電圧線の栓刃611)と負荷67とをつなぐ電路を開閉する。本実施形態では、負荷67は、子機6が内蔵する抵抗器である。
本実施形態では、制御部63は、リレー66を制御して、配線A1と負荷67とをつなぐ電路を開閉することにより、配線A1を介して通信信号CS1(電流信号)を分電盤1へ出力する。つまり、子機6は、子機6の有する負荷67と配線A1との接続を切り替えることにより、通信信号CS1を出力する。通信信号CS1は、有線通信、より詳細には、配線A1を伝送路として利用する電力線搬送通信により、子機6から配線A1に出力される。本実施形態では、通信信号CS1は、記憶部68に記憶されている通電時間情報(ここでは、通電継続時間の情報)と、電圧値情報と、第1位相情報と、を含んでいる。
記憶部68は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の書き換え可能な不揮発性メモリ、又はRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。また、記憶部68は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリの組み合わせで実現されてもよい。記憶部68は、電圧測定部631で取得された電圧値情報、取得部634によって取得された通電時間情報、及び位相検出部635で取得された位相情報を記憶する。また、記憶部68は、設定部65で設定されたアドレスを記憶する。また、記憶部68は、アドレスと遅延時間との関係を示すテーブルを記憶している。
上記のように、子機6は、第3トリガ信号を受信してから、子機6に割り当てられたアドレスに応じた遅延時間が経過した時点で、通信信号CS1を出力する。記憶部68が記憶するテーブルにおいて、遅延時間は、複数のアドレスに対して互いに異なる長さが対応付けられている。つまり、複数の子機6には、割り当てられたアドレスに応じて、それぞれ異なる長さの遅延時間が対応づけられることとなる。
(2.3)親機
次に、親機7について図6を用いて説明する。本実施形態では、親機7は、特定のソフトウェアを実行することにより、親機7として機能する汎用のラップトップ型のパーソナルコンピュータであると仮定する。また、本実施形態では、親機7は、接続器B1の設置場所ではなく、分電盤1の近傍に設置されている。
親機7は、検知部5の検知結果に基づいて、通信信号CS1を受信する。つまり、親機7は、配線A1を流れる電流の検知結果を参照することにより、この配線A1につながっている接続器B1に接続されている子機6からの通信信号CS1を受信する。上述のように、通信信号CS1は、通電時間情報と、電圧値情報と、第1位相情報と、を含んでいる。
また、親機7は、主幹ブレーカ2と複数の分岐ブレーカ3とを接続する導電バーに電気的に接続されており、複数の分岐ブレーカ3の各々の一次側端子(複数の分岐ブレーカ3の分岐元)の電圧を計測する機能を有している。ここでは、親機7は、図1に示すように、複数の分岐ブレーカ3のうちの一つである特定分岐ブレーカ300を介して、導電バーに接続されている。つまり、親機7は、取り外し可能に導電バーに接続されている。ただし、ここでの特定分岐ブレーカ300は、3つの導電バー(第1電圧極の導電バー、第2電圧極の導電バー、中性極の導電バー)に接続されている3極の分岐ブレーカであり、親機7は、3つの導電バーに接続される。
親機7は、図6に示すように、通信部71と、入力部72と、記憶部73と、処理部74と、出力部75と、を備えている。
通信部71は、例えば通信線により計測アダプタ4と接続されており、計測アダプタ4との間で例えばRS−485等の通信規格に準拠した有線通信を行う。もちろん、通信部71は、計測アダプタ4との間で例えばWi−Fi(登録商標)等の通信規格に準拠した無線通信を行ってもよい。つまり、親機7は、通信部71と計測アダプタ4との間で通信することにより、計測アダプタ4から検知部5の検知結果を取得する。
入力部72は、作業者がデータを入力するための入力インタフェースである。本実施形態では、入力部72は、例えば汎用のパーソナルコンピュータが備えるキーボード、及びマウス等のポインティングデバイスである。その他、入力部72は、タッチパネルディスプレイで実現されてもよい。
本実施形態では、入力部72は、例えば以下の表1に示すように、分岐ブレーカ3と子機6のアドレスとの対応関係を表すデータ(以下、「参照データ」ともいう)を作業者が入力するために用いられる。入力部72で入力された参照データは、記憶部73に記憶される。
表1において、「番号」は、作業者が複数の分岐ブレーカ3の各々を区別するために設定した、分岐ブレーカ3に固有の番号を表している。
表1において、「相」は、100V用の分岐ブレーカ3が、第1電圧極(L1相)の導電バーと第2電圧極(L2相)の導電バーとの何れに接続されているのかを表している。この「相」の項目には、作業者が、例えば入力部72を用いて、各分岐ブレーカ3の相の情報(L1又はL2)を入力する。なお、200V用の分岐ブレーカ3については、「−(ハイフン)」が入力されている。
表1において、「接続器」は、分岐ブレーカ3と配線A1を介して接続されている接続器B1の名称を表している。接続器B1の名称は、作業者が複数の接続器B1の各々を区別するために、例えば入力部72を用いて、作業者によって適宜設定される。例えば、「リビング1」、「リビング2」、及び「リビング:照明」は、リビングにある3つの接続器B1を表している。作業者は、リビングにある3つの接続器B1を、ブレーカ番号が「1」の分岐ブレーカ3に接続したときに、これら3つの接続器B1の名称を「1」の分岐ブレーカ3に対応付けて入力する。また、例えば「リビング:エアコン(200V)」は、リビングのエアコンが接続されている接続器B1が、200V用の接続器B1であることを表している。
表1において、「アドレス」は、各接続器B1に対して接続されている子機6のアドレスを表している。作業者は、後述する「(3)動作」にて説明するように、配線確認システム100が配線A1の状態を確認するための確認処理を実行する前の前準備において、子機6を、確認対象の配線A1がつながっている接続器B1に接続する接続作業を行う。作業者は、この接続作業を行う段階で、各子機6のアドレスを、この子機6を接続した接続器B1の名称に対応付けて入力する。
記憶部73は、例えばEEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリ、又はRAM等の揮発性メモリである。また、記憶部73は、不揮発性メモリ及び揮発性メモリの組み合わせで実現されてもよい。記憶部73は、入力部72で作業者により入力された参照データを記憶する。また、記憶部73は、配線確認システム100による確認処理の実行結果を記憶する。また、記憶部73は、アドレスと遅延時間との関係を示すテーブル(子機6の記憶部68が記憶しているのと同じテーブル)を記憶している。
処理部74は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが処理部74として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部74は、関係判定部741と、電圧測定部(第2電圧測定部)742と、位相検出部(第2位相検出部)743と、極性判定部744と、を備えている。なお、関係判定部741、電圧測定部742、位相検出部743、及び極性判定部744は、実体のある構成を示しているわけではなく、処理部74(コンピュータシステム)によって実現される機能を示している。
処理部74は、通信部71を介して計測アダプタ4から検知部5の検知結果を取得すると、検知部5の検知結果に基づいて、通信信号CS1を取得する。つまり、処理部74は、配線A1を流れる電流の検知結果を参照することにより、この配線A1につながっている接続器B1に接続されている子機6からの通信信号CS1を受信する。既に述べたように、複数の子機6の各々からは、割り当てられたアドレスに応じた遅延時間が経過したタイミングで、通信信号CS1が送信される。そのため、親機7は、複数の子機6からの複数の通信信号CS1を、順次受信することとなる。
関係判定部741は、複数の分岐ブレーカ3と複数の子機6(つまり、複数の子機6が一対一に接続されている複数の配線A1)との間の接続関係を判定する情報を生成する。
関係判定部741は、まず、複数の通信信号CS1を順次受信すると、各通信信号CS1がどの子機6から送信された信号であるかを判定する。
親機7の記憶部73には、上述のように、子機6のアドレスと遅延時間とを対応付けたテーブルが記憶されている。そして、複数の子機6は、第3のトリガ信号の受信後、自身に割り当てられたアドレスに応じた遅延時間の経過後に、順次、通信信号CS1を送信する。関係判定部741は、複数の通信信号CS1を受信すると、上記のテーブルと、第3のトリガ信号の発生から通信信号CS1を受信するまでにかかった時間とを対比して、各通信信号CS1がどの子機6から送られてきた信号であるかを判定する。例えば、関係判定部741は、上記のテーブルと、複数の通信信号CS1を受信した順番とを対比して、各通信信号CS1がどの子機6から送られてきた信号であるかを判定する。例えば、関係判定部741は、最初に受信した通信信号CS1は、最も短い遅延時間に対応するアドレスが割り当てられている子機6から送信された信号であると判定する。同様に、関係判定部741は、2番目に受信した通信信号CS1は、2番目に短い遅延時間に対応するアドレスが割り当てられている子機6から送信された信号であると判定する。関係判定部741は、このようにして、各通信信号CS1の送信元の子機6を判定する。
関係判定部741は、さらに、複数の子機6から受け取った通信信号CS1に含まれる通電時間情報(通電継続時間の情報)を比較して、複数の子機6の間の接続関係を判定する。
関係判定部741は、複数の子機6のうちのある子機(仮に「第1の子機」という)の通電継続時間(仮に「第1通電継続時間」という)と、別の子機(仮に、「第2の子機」という)の通電継続時間(仮に「第2通電継続時間」という)と、を比較する。関係判定部741は、第1通電継続時間と第2通電継続時間との差が、所定の閾値時間よりも短い場合、第1の子機と第2の子機とを同一のグループに属すると判定する。関係判定部741は、第1通電継続時間と第2通電継続時間との差が、所定の閾値時間以上の場合、第1の子機と第2の子機とは別のグループに属すると判定する。このようにして、関係判定部741は、複数の子機6を、通電継続時間の長さに応じて1以上のグループに分類する。1以上のグループの各々には、通電継続時間が短い順に、グループ番号が付与される。そして、関係判定部741は、同一のグループに属する子機6同士は、同一の分岐ブレーカ3に接続されており、別のグループに属する子機6同士は、異なる分岐ブレーカ3に接続されていると判定する。
例えば、全ての分岐ブレーカ3がオンされた状態から、複数の分岐ブレーカ3を番号順に順次オフした場合、グループ番号が「1」のグループに属する子機6は、1番目にオフされた(1番の)分岐ブレーカ3に接続されている、と判断することが可能である。したがって、関係判定部741が上述のようにグループ番号を付与することで、分岐ブレーカ3と子機6(すなわち子機6が接続されている配線A1)との間の接続関係を、確認することが可能となる。
また、関係判定部741は、各子機6について、通信信号CS1に基づいて得られた子機6と分岐ブレーカ3との接続関係が、予め入力部72を用いて入力された子機6のアドレスと分岐ブレーカ3のブレーカ番号との対応関係と一致するか否かを判定する。
電圧測定部742は、第1電圧極(L1相)の導電バーと第2電圧極(L2相)の導電バーとの間の電圧、第1電圧極の導電バーと中性極(N相)の導電バーとの間の電圧、及び第2電圧極の導電バーと中性極の導電バーとの間の電圧をそれぞれ測定する。
位相検出部743は、電圧測定部742の測定結果に基づいて、導電バーに印加されている交流電圧の位相を示す情報である位相情報(第2位相情報)を取得する。第2位相情報は、複数の分岐ブレーカ3の各々の一次側に印加されている交流電圧の位相を示す情報である。ここでは、位相検出部743は、第1電圧極の導電バーと第2電圧極の導電バーとの間の電圧(以下、「第2電圧」という)の実効値が閾値電圧(第2閾値電圧)以下の値から閾値電圧よりも大きな値に変化したことをトリガとして、第2位相情報を取得する。つまり、位相検出部743は、主幹ブレーカ2への通電の開始をトリガとして、第2位相情報を取得する。ただし、位相検出部743は、子機6の位相検出部635の場合と同様に、第2電圧の実効値が閾値電圧以下から閾値電圧よりも大きな値に変化してから、所定の待機時間(上記の子機6の待機時間と同じ時間)が経過した時点で、第2位相情報を取得する。位相情報は、位相情報が取得された時点での、交流電圧の位相(中性極の導電バーの電位を基準とした、電圧極の導電バーと中性極の導電バーとの間の電位差;例えば、0〜2πの間の値)を示す。位相検出部743は、取得した第2位相情報を、記憶部73に記憶する。
極性判定部744は、通信信号CS1に含まれる第1位相情報と、位相検出部743で取得した第2位相情報とを比較することで、分岐ブレーカ3での電圧の極性と子機6(接続器B1)での電圧の極性との関係を判定する。ここでは、極性判定部744は、分岐ブレーカ3での電圧の極性と子機6での電圧の極性とが一致しているか否かを判定する。
極性判定部744は、まず、判定対象の子機6が、L1相につながっている分岐ブレーカ3に接続されているのか、L2相につながっている分岐ブレーカ3に接続されているのかを判定する。この際、極性判定部744は、関係判定部741の判定結果(判定対象の子機6が、何番の分岐ブレーカ3に接続されているかの結果)、及び記憶部73に記憶されている各分岐ブレーカ3の相の情報(L1又はL2)を参照する。
そして、極性判定部744は、第1位相情報が示す位相(子機6が取得した位相)が、交流電圧の一周期を8等分した8つの期間のうちのどの期間に含まれるかを判定する。また、極性判定部744は、第2位相情報が示す位相(親機7が取得した位相)が、交流電圧の一周期を8等分した8つの期間のうちのどの期間に含まれるかを判定する。ここで、極性判定部744が判定に用いる第2位相情報は、判定対象の子機6がL1相につながっている分岐ブレーカ3に接続されている場合は、第1電圧極の導電バーと中性極(N相)の導電バーとの間の電圧の位相である。また、判定対象の子機6がL1相につながっている分岐ブレーカ3に接続されている場合、極性判定部744が判定に用いる第2位相情報は、第1電圧極の導電バーと中性極(N相)の導電バーとの間の電圧の位相である。そして、極性判定部744は、第1位相情報が示す位相が含まれる期間と第2位相情報が示す位相が含まれる期間とが一致するか否かに基づいて、分岐ブレーカ3での電圧の極性と子機6での電圧の極性とが一致しているか否かを判定する。
出力部75は、処理部74で得られた、複数の子機6と分岐ブレーカ3との間の接続の状態についての確認結果を出力するための、出力インタフェースである。本実施形態では、出力部75は、例えば汎用のパーソナルコンピュータが備えるディスプレイである。なお、入力部72がタッチパネルディスプレイで実現されている場合、このタッチパネルディスプレイが出力部75を兼ねてもよい。
本実施形態では、出力部75は、例えば以下の表2に示すような、子機6と分岐ブレーカ3との接続関係、及び子機6に接続されている配線A1の状態を示す一覧表を表示する。
表2において、「子機アドレス」は、通信信号CS1を受信した順番に基づいて関係判定部741が判定した、子機6のアドレスを表している。
表2において、「接続器」には、入力部72を用いて作業者によって予め設定された、接続器の名称が表示される。つまり、表2における「接続器」の項目には、子機6のアドレスに対応付けて記憶部73に予め記憶されている名称が、自動的に入力される。
表2において、「分岐ブレーカ」の項目には、関係判定部741によって子機6に接続されていると判定された、分岐ブレーカの番号(つまり、子機6が属するグループのグループ番号)が表示される。
表2において、「接続関係」の項目には、関係判定部741によって判定された、子機6と分岐ブレーカ3との接続関係の判定結果が表示される。表2の「接続関係」の項目において、「OK」は、通信信号CS1に基づいて得られた子機6と分岐ブレーカ3との接続関係が、入力部72を用いて入力された子機6分岐ブレーカ3との接続関係に一致していることを示す。なお、接続関係が一致していない場合は、例えば「NG」が表示される。
表2において、「電圧」の項目には、通信信号CS1に含まれる電圧値情報によって示される、子機6で測定された第1電圧V1の実効値(100V又は200V)が表示される。
表2において、「極性」の項目には、極性判定部744によって判定された、極性が正しいか否かの判定結果が表示される。表2の「極性」の項目において、「OK」は、分岐ブレーカ3での電圧の極性と子機6での電圧の極性とが、一致していることを示す。また、「NG」は、分岐ブレーカ3での電圧の極性と子機6での電圧の極性とが一致していないことを示す。
(3)動作
以下、本実施形態の配線確認システム100を用いて、作業者が複数の配線A1の各々の状態を確認する一連の動作について、図7を用いて説明する。
まず、作業者は、親機7の入力部72を用いて、参照データを入力する(S1)。次に、作業者は、確認対象の配線A1が接続されている全ての接続器B1の設置場所に順次赴き、接続器B1に子機6を接続する(つまり、子機6を設置する)(S2)。このとき、作業者は、電圧線の栓刃611が配線A1におけるL相の電線に接続され、中性線の栓刃612が配線A1におけるN相の電線に接続されるように、子機6を接続器B1に接続する。また、作業者は、設定部65のディップスイッチ651を用いて、上記の参照データにしたがって、接続器B1に対応するアドレスを設定する。なお、予め子機6に固有のアドレスが設定されている場合は、作業者は、上記の参照データにしたがって、接続器B1に対応する子機6を接続する。そして、作業者は、通信線を用いて親機7を計測アダプタ4に接続し、電線を用いて親機7を特定分岐ブレーカ300(導電バー)に接続する(S3)。これにより、配線確認システム100による確認処理を実行する前準備が完了する。
次に、作業者は、全ての分岐ブレーカ3を導通状態に切り替えた上で、主幹ブレーカ2を遮断状態から導通状態に切り替える。これにより、各子機6は、分電盤1から配線A1を介して電圧を印加されることにより、起動する(S4)。ただし、この段階では、子機6は単に起動されただけであり、タイマ64等は動作させない。また、分岐ブレーカ3及び主幹ブレーカ2を導通状態とする順番は、特に限定されてない。
次に、作業者は、主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替えた後、上述の生存時間内に、主幹ブレーカ2を導通状態に切り替える。既に述べたように、第1のトリガ信号は、配線A1を介して接続器B1に電圧が印加されると発生する。したがって、作業者が、子機6の起動後に、主幹ブレーカ2を遮断状態から導通状態に切り替えることにより、第1のトリガ信号が各子機6に対して出力される(S5)。
各子機6は、第1のトリガ信号を受信すると、タイマ64により計時を開始する(S6)。
また、各子機6は、第1のトリガ信号を受信してから待機時間が経過した時点で、第1位相情報を取得する(S7)。同様に、親機7は、主幹ブレーカ2が導通状態に切り替えられて導電バーへの通電が開始した時点から、上述の待機時間が経過した時点で、第2位相情報を取得する(S8)。なお、同じ信号をトリガとして用いているため、子機6による第1位相情報の取得(S7)と、親機7による第2位相情報の取得(S8)とは、ほぼ同時に行われる。なお、位相情報の取得のトリガとなる信号を受信した後において、子機6及び親機7は、配線A1への交流電力の供給が停止されてから所定時間(生存時間)が経過する前に、第1位相情報及び第2位相情報をそれぞれ取得することが好ましい。
次に、作業者は、複数の分岐ブレーカ3を、上述の参照データのブレーカ番号に従って、順次導通状態から遮断状態に切り替える。複数の分岐ブレーカ3が、上下2段に並んで配置されている場合(図2参照)、複数の分岐ブレーカ3は、例えば、上段の左端から右端の分岐ブレーカ3まで順次オフされ、その後、下段の左端から右端の分岐ブレーカ3まで順次オフされてもよい。既に述べたように、第2のトリガ信号は、接続部61への電圧の印加が停止されると発生する。したがって、作業者が、主幹ブレーカ2を導通状態とした後に、分岐ブレーカ3を導通状態から遮断状態に順次切り替えることにより、分岐ブレーカ3に配線A1を介して接続されている子機6に対して、第2のトリガ信号が順次出力される(S9)。各子機6は、第2のトリガ信号を受信すると、タイマ64による計時を停止する(S10)。
各子機6では、タイマ64で計時された時間の長さ、すなわち第1のトリガ信号を受信してから第2のトリガ信号を受信するまでの時間を、通電時間情報として取得する(S11)。本実施形態では、第1のトリガ信号は接続部61への通電の開始に相当し、第2のトリガ信号は接続部61への通電の停止に相当するので、取得される通電時間情報は、接続部61が継続的に通電されていた時間を示す通電継続時間の情報である。
各子機6は、通電が停止されてから(第2のトリガ信号を受信してから)上述の生存時間が経過すると、順次動作を停止する。
次に、作業者は、主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替え、上述の生存時間より長い時間が経過するまで待機した後、主幹ブレーカ2及び複数の分岐ブレーカ3を順不同で導通状態に切り替える。これにより、複数の子機6が再起動される。その後、作業者は、主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替えた後、上述の生存時間内に、主幹ブレーカ2を導通状態に切り替える。既に述べたように、第3のトリガ信号は、子機6の再起動後に、接続部61への通電が停止後に再開されると発生する。したがって、作業者が、子機6の再起動後に、主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替えてから導通状態に切り替えることにより、第3のトリガ信号が複数の子機6に対して出力される(S12)。
第3のトリガ信号を受信した子機6は、タイマ64での計時を開始し、割り当てられたアドレスに対応する遅延時間が経過した子機6から順に、通信信号CS1を送信する。通信信号CS1は、例えば、リレー66のオン/オフを所定のパターンで切り替えることにより、接続状態の判定結果を含む信号を分電盤1へ出力してもよい。
分電盤1では、検知部5(ここでは、複数のコイル51)により、各分岐ブレーカ3を流れる電流が検知される。そして、親機7は、電流(つまり、通信信号CS1)を検知した順番に基づいて、通信信号CS1の送信元の子機6を特定する。
親機7の処理部74は、受信した通信信号CS1に含まれる情報を用いて、配線A1の状態を確認する(S14)。
関係判定部741は、複数の分岐ブレーカ3と複数の子機6(複数の接続器B1)との接続関係を確認する。関係判定部741は、複数の子機6から受け取った通信信号CS1に含まれる通電時間情報(通電継続時間の情報)を比較する。関係ハンチ部741は、通電継続時間の差が閾値時間よりも短い子機6同士は同一のグループに属し、閾値時間以上の子機6同士は別のグループに属すると判定する。そして、通電継続時間が短いグループから順に、ブレーカ番号の小さい分岐ブレーカ3に接続されていると判定する。
そして関係判定部741は、各子機6について、通信信号CS1に基づいて得られた子機6と分岐ブレーカ3との接続関係が、予め入力部72を用いて入力された子機6のアドレスと分岐ブレーカ3のブレーカ番号との対応関係と一致するか否かを判定する。
接続関係が一致している子機6については、親機7の処理部74(極性判定部744)が、さらに、分岐ブレーカ3での電圧の極性と子機6での電圧の極性とが一致しているか否かの確認を行う。
まず、極性判定部744は、確認対象の子機6の分岐ブレーカ3の「相」の情報(入力部72を用いて入力された情報)を確認する。極性判定部744は、この分岐ブレーカ3の「相」が「L1」である場合、工程S8で取得された位相の情報のうち、第1電圧極の導電バーと中性極の導電バーとの間の電圧の位相を、第2位相情報とする。そして、この第2位相情報と、確認対象の子機6から受け取った通信信号CS1に含まれる第1位相情報とを比較し、これらが一致しているかを判定する。また、極性判定部744は、分岐ブレーカ3の「相」が「L2」である場合、工程S8で取得された位相の情報のうち、第2電圧極の導電バーと中性極の導電バーとの間の電圧の位相を、第2位相情報とする。そして、この第2位相情報と、確認対象の子機6から受け取った通信信号CS1に含まれる第1位相情報とを比較し、これらが一致しているかを判定する。
親機7は、子機6がどの分岐ブレーカ3に接続されているかの判定結果、接続関係が正しいかの判定結果、通信信号CS1に含まれる電圧値情報、極性が正しいかの判定結果等を含む一覧表を作成し、出力部75に表示する。
作業者は、出力部75の表示内容を確認し、接続関係の判定結果、極性の判定結果等が正しいかを確認し、必要に応じて配線A1の再工事等を行って接続器B1と分岐ブレーカ3との間の接続関係を修正する。
表示内容に問題が無ければ、作業者は、親機7を計測アダプタ4から取り外す。また、作業者は、子機6が接続されている全ての接続器B1の設置場所に順次赴いて、子機6を接続器B1から取り外す。これにより、配線確認システム100による確認処理が終了する。
上記の本実施形態の配線確認システム100を用いて、作業者が複数の配線A1の各々の状態を確認する動作の時間的な流れについて、図8、図9を用いて説明する。
以下では、複数の分岐ブレーカ3は、ブレーカ番号「1」が割り当てられている第1分岐ブレーカ301と、ブレーカ番号「2」が割り当てられている第2分岐ブレーカ302とを含むとする。また、第1分岐ブレーカ301には第1接続器がつながっており、第2分岐ブレーカ302には第2接続器及び第3接続器がつながっているとする。また、複数の子機6は、第1接続器に接続されている第1子機601と、第2接続器に接続されている第2子機602と、第3接続器に接続されている第3子機603と、を含むとする。また、第1子機601〜第3子機603は、第1子機601、第2子機602、第3子機603の順番で、上記の遅延時間が長くなるように設定されているとする。
また、図8、図9に示す「主幹br」は主幹ブレーカを、「分岐br」は分岐ブレーカを意味する。また図8、図9では、主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ3の状態について、遮断(オフ)されている状態を破線で示し、導通(オン)されている状態を実線で示すこととする。
まず、作業者は、上述の工程S1〜工程S3に従って、確認処理を実行するための前準備を行う。
次に、作業者は、上述の工程S4に従って、全ての分岐ブレーカ3及び主幹ブレーカ2を導通状態とする(時点t1)。これにより、各子機6(第1子機601〜第3子機603)が起動する。
次に、作業者は、上述の工程S5に従って、主幹ブレーカ2を遮断状態、導通状態の順に切り替えて、第1のトリガ信号を発生させる(時点t2)。
これにより、各子機6(第1子機601〜第3子機603)は、タイマ64により計時を開始する。また、各子機6は、第1のトリガ信号を受信してから待機時間が経過した時点で、第1位相情報を取得する(時点t3)。同様に、親機7は、導電バーへの通電が開始(第1のトリガ信号を受信)した時点から待機時間が経過した時点で、第2位相情報を取得する(時点t3)(上述の工程S6〜S8)。
次に、作業者は、上述の工程S9〜S11に従って、複数の分岐ブレーカ3(第1分岐ブレーカ301及び第2分岐ブレーカ302)を、順次導通状態から遮断状態に切り替えることで、各子機6に通電時間情報を取得させる。
まず、作業者は、複数の分岐ブレーカ3のうちで「1」のブレーカ番号が割り当てられている第1分岐ブレーカ301を、導通状態から遮断状態に切り替える(時点t4)。これにより、第1分岐ブレーカ301に第1接続器を介して接続されている第1子機601は、第2のトリガ信号を受信し、タイマ64による計時を停止して、通電時間情報(通電継続時間の情報)を取得する。第1子機601は、第1分岐ブレーカ301が遮断状態となることで通電が停止されてから、上述の生存時間が経過すると、動作を停止する。
続いて、作業者は、複数の分岐ブレーカ3のうちで「2」のブレーカ番号が割り当てられている第2分岐ブレーカ302を、導通状態から遮断状態に切り替える(時点t5)。これにより、第2分岐ブレーカ302に第2接続器を介して接続されている第2子機602及び第3接続器を介して接続されている第3子機603は、第2のトリガ信号を受信し、タイマ64による計時を停止して、通電時間情報(通電継続時間の情報)を取得する。第2子機602及び第3子機603は、第2分岐ブレーカ302が遮断状態となることで通電が停止されてから、上述の生存時間が経過すると、動作を停止する。
次に、作業者は、上述の工程S12〜S13に従って、各子機6に第3のトリガ信号を出力して各子機6から通信信号CS1を受け取る。
すなわち、作業者は、主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替え(時点t6)、主幹ブレーカ2及び複数の分岐ブレーカ3を順不同で導通状態に切り替える(時点t7)ことで、複数の子機6を再起動させる。その後、作業者は、主幹ブレーカ2を遮断状態、導通状態の順に切り替えることで、各子機6に第3のトリガ信号を出力する(時点t8)。第3のトリガ信号を受信した各子機6は、タイマ64での計時を開始する。
複数の子機6(第1子機601〜第3子機603)のうちで、割り当てられたアドレスに対応する遅延時間が最も短い第1子機601は、遅延時間が経過すると、通信信号CS1を親機7に向けて送信する(時点t9)。続いて、遅延時間が2番目に短い第2子機602は、遅延時間が経過すると、通信信号CS1を親機7に向けて送信する(時点t10)。そして、遅延時間が最も長い第3子機603は、遅延時間が経過すると、通信信号CS1を親機7に向けて送信する(時点t11)。
親機7は、第1子機601〜第3子機603から送信される通信信号CS1を順次受け取り、通信信号CS1を受け取った順番に基づいて、通信信号CS1の送信元の子機6を特定する。
その後の親機7の動作は、既に図7を参照して説明したとおりであるため、詳細は省略する。
上述のように、本実施形態では、子機(配線確認支援装置)6は、配線への通電の時間に関する情報を示す通電時間情報であって、他の子機6で取得される通電時間情報との間での時間的な順位付けが可能な情報を取得する。このため、作業者は、所定の順番で分岐ブレーカ3の導通状態と遮断状態との切り替えを行い、このとき複数の子機6で取得される通電時間情報を比較することで、子機6(接続器B1)と分岐ブレーカ3との間の接続関係を確認することが可能となる。
すなわち、本実施形態の配線確認システム100では、作業者は、確認対象の配線A1が複数存在する場合であっても、確認対象の配線A1がつながっている接続器B1の設置場所に順次赴いて、配線A1の状態を確認する確認作業を逐一行う必要がない。作業者は、確認対象の配線A1がつながっている全ての接続器B1に子機6を接続する作業を行った後は、第1〜第3のトリガ信号を出力する動作を行えば、接続器B1の設置場所に赴かずとも、親機7で全ての確認対象の配線A1の状態を確認することができる。
そのため、本実施形態の子機(配線確認支援装置)6及びそれを備えた配線確認システム100では、配線の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
なお、親機7がなくとも、例えば子機(配線確認支援装置)6に通電時間情報を表示する表示部があれば、作業者が表示部の表示内容を比較することで、配線A1の確認作業を行うことが可能である。
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、配線確認システム100と同様の機能は、配線確認方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログ
ラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(4.1)変形例1
本変形例の配線確認システム100Aは、図10に示すように、子機6Aが、接続器B1に接続される接続部61の代わりに、カレントトランスからなるセンサ61Aを備えている。その他の点は、上述の実施形態の配線確認システム100と同様なので、詳細な説明は省略する。なお、図10では、確認対象の配線A1を1つのみ図示しているが、実際には、確認対象の配線A1は、2つ以上である。
本変形例の子機(配線確認支援装置)6Aは、センサ61Aで測定される電流の電流値に基づいて、配線A1への通電の開始及び停止を検知可能である。すなわち、子機6Aは、通電時間情報(通電継続時間の情報)を取得することが可能である。したがって、例えば親機7又は作業者が、複数の子機6Aで取得された通電時間情報を比較することで、配線の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
(4.2)変形例2
通電継続時間の情報を取得する手順は、上述の実施形態の手順に限らない。上述の実施形態では、第1のトリガ信号は、主幹ブレーカ2を導通状態に切り替えることで発生させ、第2のトリガ信号は、分岐ブレーカ3を遮断状態に切り替えることで発生させていたが、逆であってもよい。
例えば、子機6は、記憶部73に通電時間情報が記憶されていない状態で起動される(通電が開始する)と、即座にタイマ64の計時を開始するように構成されている。
そして、作業者は、上述の工程S4〜S10の代わりに、主幹ブレーカ2及び全ての分岐ブレーカ3を遮断状態とした後、主幹ブレーカ2を導通状態に切り替える。その後、作業者は、複数の分岐ブレーカ3を順次導通状態に切り替えることで、第1のトリガ信号を発生させる。これにより、各子機6は、分電盤1から配線A1を介して電圧が印加されることによって起動して、タイマ64の計時を順次(通電が開始した順番に)開始する。作業者は、全ての分岐ブレーカ3を導通状態に切り替えた後、主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替えることにより、第2のトリガ信号を発生させる。
これにより、各子機6は、対応する分岐回路の通電時間に相当する通電継続時間の情報を取得する(上述の工程S11に相当)こととなる。したがって、本変形例でも、各子機6で取得された通電継続時間の情報を比較することで、分岐ブレーカ3と子機6との接続関係を確認することが可能となる。
ただし、接続部61への通電が開始してから、電源部62が動作電源を生成して制御部63が動作を開始するまでの時間(子機6の起動時間)は、種々の要因によってばらつく可能性がある。つまり、本変形例の場合、各子機6で取得される通電継続時間の情報は、子機6の起動時間のばらつきによる誤差を含み得る。そのため、配線確認方法は、上述の実施形態の手順で行われることが好ましい。
(4.3)変形例3
本変形例では、通電時間情報は、通電停止継続時間の情報である。なお、本変形例では、各子機6の電源部62における容量性素子622の容量が十分に大きく、生存時間が十分に長いと仮定する。或いは、電源部62は、電池を備えていてもよい。
本変形例では、各子機6の制御部63は、第1電圧V1の値が閾値電圧よりも大きな値から閾値電圧以下に変化したことをもって、第1のトリガ信号を受信したと判定する。また、制御部63は、第1電圧V1の値が閾値電圧以下から閾値電圧よりも大きな値に変化したことをもって、第2のトリガ信号を受信したと判定する。
そして、制御部63は、第1のトリガ信号を受信してから第2のトリガ信号を受信するまでの時間を、通電時間情報(通電停止継続時間の情報)として取得する。
本変形例の配線確認システム100を用いた配線確認方法の一例では、例えば、全ての分岐ブレーカ3を導通状態とした状態で主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替えることで、複数の子機6に一斉に第1のトリガ信号を発生させる。次に、全ての分岐ブレーカ3を遮断状態に切り替えた後で、主幹ブレーカ2を導通状態に切り替える。そして、複数の分岐ブレーカ3を順次導通状態に切り替えることで、子機6に順次第2のトリガ信号を発生させる。これにより、子機6は、接続されている分岐ブレーカ3に応じた長さの通電停止継続時間情報を取得可能となる。
本変形例の配線確認システム100を用いた配線確認方法の別例では、全ての分岐ブレーカ3及び主幹ブレーカ2を導通状態とした状態で、複数の分岐ブレーカ3を順次遮断状態に切り替えることで、子機6に順次第1のトリガ信号を発生させる。そして、主幹ブレーカ2を遮断状態に切り替えた後、全ての分岐ブレーカ3を導通状態に切り替える。そして、主幹ブレーカ2を導通状態に切り替えることで、複数の子機6に一斉に第2のトリガ信号を発生させる。この手順でも、子機6は、接続されている分岐ブレーカ3に応じた長さの通電停止継続時間情報を取得可能となる。
上述のように、本変形例では、各子機6は、対応する分岐回路30への通電が停止している時間に相当する通電停止継続時間の情報を取得することとなる。本変形例では、取得された通電継続時間の情報を比較することで、分岐ブレーカ3と子機6との接続関係を確認することが可能となる。
(4.4)変形例4
本変形例では、通電時間情報は、通電開始時点の情報、又は通電停止時点の情報である。通電開始時点の情報は、通電が開始した時点(絶対時間)を示し、通電停止時点の情報は、通電が停止した時点(絶対時間)を示す。
本変形例では、各子機6は、対応する分岐回路の通電開始時点の情報、又は通電停止時点の情報を取得することとなる。本変形例では、取得された通電開始時点(絶対時間)又は通電停止時点(絶対時間)を直接比較することで、分岐ブレーカ3と子機6との接続関係を確認することが可能となる。
(4.5)その他の変形例
一態様に係る配線確認方法は、設置ステップと、検知ステップと、取得ステップと、順位付けステップと、を含む。設置ステップでは、分電盤1の主幹回路20から複数の分岐ブレーカ3によりそれぞれ分岐されている複数の分岐回路30に含まれる複数の配線A1への通電を検知可能となるように、複数の子機(配線確認支援装置)6を複数の配線A1に対して設置する。検知ステップでは、複数の子機(配線確認支援装置)6の各々が、対応する配線A1への通電の開始と停止とのうちの少なくとも一方を検知する。取得ステップでは、検知ステップでの検知結果に基づいて、複数の子機(配線確認支援装置)6の各々について、対応する配線A1への通電の時間に関する情報を示す通電時間情報を取得する。順位付けステップでは、複数の子機(配線確認支援装置)6に関して取得された複数の通電時間情報についての、時間的な順位付けを行う。
この配線確認方法では、検知ステップは、複数の配線A1への通電を同時に開始させることと、複数の配線A1への通電を個別に停止させることと、を含んでもよい。
或いは、この配線確認方法では、検知ステップは、複数の配線A1への通電を個別に開始させることと、複数の配線A1への通電を同時に停止させることと、を含んでもよい。
本開示における配線確認システム100は、例えば、子機6及び親機7等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における配線確認システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、例えば子機6又は親機7における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは配線確認システム100に必須の構成ではない。つまり、子機6又は親機7の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、例えば子機6又は親機7の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
一変形例において、子機6は、電流ビット通信により、親機7に通信信号CS1を送信してもよい。電流ビット通信は、ここでは、主幹回路20から分岐回路30の配線A1に供給される交流電流のオンとオフとを切り替えることで情報を伝送する通信方法を意味する。より詳細には、電流ビット通信は、交流電流の一周期の長さと同じ期間、電路を導通させるか非導通とするかを切り替えることによって、1ビットの情報を送信する通信方法である。
一変形例において、子機6は、無線通信により、通信信号CS1を親機7に送信する。無線通信の通信方式は、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、例えば920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、LPWA(Low Power, Wide Area)等から適宜選択される。
一変形例において、第3のトリガ信号は、親機7又は別の装置から送信される、通信信号CS1の送信を促す専用の信号であってもよい。
一変形例において、子機6は、通電が開始された順番又は停止された順番を検知してもよい。例えば、子機6は、他の子機6への通電が停止したか否かを監視し、複数の子機6のうちで自身が何番目に通電が停止されたかを検知する。そして、何番目に通電が停止されたかについての情報を、通電時間情報として取得し、記憶部68に記憶する。
(5)態様
以上述べたように、第1の態様に係る配線確認支援装置(子機6,6A)は、検知部(633)と、取得部(634)と、を備える。検知部(633)は、複数の分岐回路(30)のうちの一つの分岐回路(30)に含まれる配線(A1)への通電の、開始と停止とのうちの少なくとも一方を検知する。複数の分岐回路(30)は、分電盤(1)の主幹回路(20)から複数の分岐ブレーカ(3)によってそれぞれ分岐されている。取得部(634)は、検知部(633)の検知結果に基づいて、配線(A1)への通電の時間に関する情報を示す通電時間情報を取得する。
この態様によれば、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)で取得された通電時間情報を比較することで、分岐ブレーカ(3)と配線確認支援装置との間の接続関係を確認することが可能となる。これにより、分岐ブレーカ(3)と配線確認支援装置が接続されている配線(A1)との間の接続関係を確認することが可能となり、結果的に、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第2の態様に係る配線確認支援装置(子機6,6A)では、第1の態様において、通電時間情報は、他の配線確認支援装置(他の子機6,6A)で取得される通電時間情報との間での、時間的な順位付けに用いられる。
この態様によれば、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)で取得された通電時間情報の時間的な順番を比較することで、分岐ブレーカ(3)と配線確認支援装置との間の接続関係を確認することが可能となる。これにより、分岐ブレーカ(3)と配線確認支援装置が接続されている配線(A1)との間の接続関係を確認することが可能となり、結果的に、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第3の態様に係る配線確認支援装置(子機6)では、第1又は第2の態様において、上記一つの分岐回路(30)は、配線(A1)に接続される接続器(B1)を含む。配線確認支援装置(子機6)は、接続器(B1)に対して着脱自在に接続される接続部(61)を更に備える。検知部(633)は、接続部(61)への通電の開始と停止とのうちの少なくとも一方を検知することで、配線(A1)への通電の開始と停止とのうちの少なくとも一方を検知する。
この態様によれば、分岐ブレーカ(3)と接続器(B1)との間の接続関係を確認することが可能となる。
第4の態様に係る配線確認支援装置(子機6,6A)では、第1〜第3のいずれか1つの態様において、上記の通電時間情報は、配線(A1)の通電の継続時間の長さを示す通電継続時間の情報と、配線(A1)の非通電の継続時間の長さを示す通電停止継続時間の情報と、のうちの少なくとも一方を含む。
この態様によれば、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)で取得された通電継続時間の情報又は通電停止継続時間の情報を比較することで、分岐ブレーカ(3)と配線確認支援装置との間の接続関係を確認することが可能となる。
第5の態様に係る配線確認支援装置(子機6,6A)では、第1〜第4のいずれか1つの態様において、主幹回路(20)は主幹ブレーカ(2)を含む。検知部(633)は、主幹ブレーカ(2)がオンされた場合に、配線(A1)への通電の開始を検知する、又は、主幹ブレーカ(2)がオフされた場合に、配線(A1)への通電の停止を検知する。
この態様によれば、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)への通電を一括して開始又は停止させることが可能となる。
第6の態様に係る配線確認支援装置(子機6,6A)では、第1〜第5のいずれか1つの態様において、検知部(633)は、上記一つの分岐回路(30)を主幹回路(20)から分岐させる分岐ブレーカ(3)がオンされた場合に、配線(A1)への通電の開始を検知する、又は、上記一つの分岐回路(30)を主幹回路(20)から分岐させる分岐ブレーカ(3)がオフされた場合に、配線(A1)への通電の停止を検知する。
この態様によれば、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)への通電を、対応する分岐ブレーカ(3)を用いて個別に開始又は停止させることが可能となる。
第7の態様に係る配線確認システム(100,100A)は、子機(6,6A)としての、第1〜第6のいずれか1つの態様の配線確認支援装置と、上記の通電時間情報を含む通信信号(CS1)を子機(6,6A)から受け取る親機(7)と、を備える。
この態様によれば、親機(7)が、複数の子機(6,6A)で取得された通電時間情報を比較することで、複数の分岐ブレーカ(3)と複数の子機(6,6A)との間の接続関係を確認することが可能となる。これにより、複数の分岐ブレーカ(3)と、複数の子機(6,6A)が接続されている複数の配線(A1)との間の接続関係を確認することが可能となり、結果的に、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第8の態様に係る配線確認システム(100,100A)では、第7の態様において、通信信号(CS1)は、有線通信により子機(6,6A)から親機(7)に送信される。
この態様によれば、無線通信用の通信インタフェースを備えなくとも、通信信号(CS1)の伝送が可能となる。
第9の態様に係る配線確認システム(100,100A)では、第8の態様において、親機(7)は、配線(A1)を介して子機(6,6A)と電気的に接続される。通信信号(CS1)は、配線(A1)を伝送路として利用する電力線搬送通信により、子機(6,6A)から親機(7)に送信される。
この態様によれば、親機(7)と子機(6,6A)との間に通信専用の伝送路を設けなくとも、通信信号(CS1)の伝送が可能となる。また、通信信号(CS1)を比較的高速に伝送することが可能となる。
第10の態様に係る配線確認システム(100,100A)では、第8又は第9の態様において、親機(7)は、配線(A1)を介して子機(6,6A)と電気的に接続されている。通信信号(CS1)は、主幹回路(20)から分岐回路(30)の配線(A1)に供給される交流電流のオンとオフとを切り替えることで情報を伝送する電流ビット通信により、子機(6,6A)から親機(7)に送信される。
この態様によれば、親機(7)と子機(6,6A)との間に通信専用の伝送路を設けなくとも、通信信号(CS1)の伝送が可能となる。また、通信信号(CS1)の伝送の信頼性が向上する。
第11の態様に係る配線確認システム(100,100A)では、第7〜第10のいずれか1つの態様において、通信信号(CS1)は、無線通信により子機(6,6A)から親機(7)に送信される。
この態様によれば、親機(7)と子機(6,6A)との間に通信専用の伝送路を設けなくとも、通信信号(CS1)の伝送が可能となる。
第12の態様に係る配線確認方法は、設置ステップと、検知ステップと、取得ステップと、順位付けステップと、を含む。設置ステップでは、分電盤(1)の主幹回路(20)から複数の分岐ブレーカ(3)によりそれぞれ分岐されている複数の分岐回路(30)に含まれる複数の配線(A1)への通電を検知可能となるように、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)を複数の配線(A1)に対して設置する。検知ステップでは、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)の各々が、対応する配線(A1)への通電の開始と停止とのうちの少なくとも一方を検知する。取得ステップでは、検知ステップでの検知結果に基づいて、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)の各々について、対応する配線(A1)への通電の時間に関する情報を示す通電時間情報を取得する。順位付けステップでは、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)に関して取得された複数の通電時間情報についての、時間的な順位付けを行う。
この態様によれば、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)で取得された通電時間情報の時間的な順番を比較することで、複数の分岐ブレーカ(3)と複数の子機(6,6A)との間の接続関係を確認することが可能となる。これにより、複数の分岐ブレーカ(3)と、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)が接続されている複数の配線(A1)との間の接続関係を確認することが可能となり、結果的に、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第13の態様に係る配線確認方法では、第12の態様において、検知ステップは、複数の配線(A1)への通電を同時に開始させることと、複数の配線(A1)への通電を個別に停止させることと、を含む。
この態様によれば、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第14の態様に係る配線確認方法では、第12の態様において、検知ステップは、複数の配線(A1)への通電を個別に開始させることと、複数の配線(A1)への通電を同時に停止させることと、を含む。
この態様によれば、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第15の態様に係る配線確認方法では、第12の態様において、主幹回路(20)は主幹ブレーカ(2)を含む。検知ステップは、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)の各々が、主幹ブレーカ(2)がオンされた場合に、配線(A1)への通電の開始を検知することと、主幹ブレーカ(2)がオフされた場合に、配線(A1)への通電の停止を検知することと、のうちの少なくとも一方を含む。
この態様によれば、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第16の態様に係る配線確認方法では、第12の態様において、検知ステップは、複数の配線確認支援装置(子機6,6A)の各々が、対応する分岐ブレーカ(3)がオンされた場合に、配線(A1)への通電の開始を検知することと、対応する分岐ブレーカ(3)がオフされた場合に、配線(A1)への通電の停止を検知することと、のうちの少なくとも一方を含む。
この態様によれば、配線(A1)の確認作業の省力化を図ることが可能となる。
第2〜第6の態様に係る構成は、配線確認支援装置(子機6,6A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また、第8〜第11の態様に係る構成は、配線確認システム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。また、第13〜第16の態様に係る構成は、配線確認方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。