JP2020111808A - Al合金の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Al合金スクラップ等を原料としつつ、Fe濃度を効率的に低減した再生Al合金(溶湯)を提供できるAl合金の再生方法を提供する。【解決手段】本発明は、FeとMnを含むFe・Mn含有材とAl合金原料とを溶解して第1溶湯を調製する調製工程と、Fe化合物が晶出する分離温度で第1溶湯を保持する晶出工程と、第1溶湯から晶出したFe化合物の少なくとも一部を除去した第2溶湯を抽出する抽出工程と、を備えたAl合金の再生方法である。Fe・Mn含有材は、Feに対するMnの質量比(Mn/Fe)が、例えば、2以上であると好ましい。Fe・Mn含有材は、さらに、Si、Cu、Mg、Zn、Cr、Mo、V、TiまたはAlの一種以上をさらに含んでもよい。【選択図】図4

Description

本発明は、スクラップ等から再生Al合金を得る方法に関する。
最近の環境意識等の高揚に伴い、様々な部材や装置の軽量化が進められており、アルミニウム合金(単に「Al合金」という。)の使用量は増加しつつある。新規なAlの製造(精錬)には多量のエネルギーが必要である。これに比べて、Al合金のスクラップの再溶解に必要なエネルギーは僅かである。このため、Al合金のスクラップをリサイクルして利用することが望まれる。
Al合金スクラップを再溶解すると、通常、その溶湯中には、Feが混在する。スクラップから再生Al合金を得るためには不要元素(不純物元素)を取り除く必要がある。そのような元素の除去方法として、関連する記載が下記の文献にある。
米国特許第2464610号 米国特許第5741348号 特開2002−155322号 米国特許第4734127号 WO2013/168213 WO2013/168214
古河電工時報104号(平成11年7月)25-30 Metallurgical Transactions 5(1974)785-787 Material Transactions, JIM.38(1997)622-699
(1)金属間化合物除去法
特許文献1、2および非特許文献は、Feを金属間化合物として溶湯から除去する方法に関する。具体的にいうと、特許文献1では、Al−(11.6〜13.5)%Si−(0.8〜9)%Fe合金に対し、Cr、Mn、Coを添加してFe系金属間化合物を晶出させ、溶湯中のFe量を低減させている。
特許文献2では、Al−(0〜12)%Si−(0.49〜2.1)%Fe−(0.37〜1.91)%Mn合金(Cr<0.4%、Ti<0.41%、Zr<0.26%、Mo<0.01%)にMnを添加してFe量の低減を図っている。しかし、その除去効率は低い。
(2)偏析凝固法、結晶分別法
特許文献3〜6、非特許文献1、2は、Al相が晶出した半凝固状態の溶湯から、Al晶出物を残留液相から分離して不純物を低減する偏析凝固法または結晶分別法に関する。ちなみに、非特許文献1では、半凝固溶湯を圧搾して残留液相を除去している。また非特許文献2では、半凝固溶湯を撹拌してAl晶出物を球状化させて、残留液相と分離している。このような方法は、Al相が晶出するまで溶湯を冷却する必要があり、エネルギーロスが大きい。
(3)半溶融精製法
非特許文献3は、Al合金(固体)を半溶融状態に加熱して液相と残留Al結晶とに分離し、Al相の固溶限を超える不純物を除去する半溶融精製法に関する。具体的にいうと、非特許文献3では、半溶融状態のAl−8.39%Si−0.06%Mn−0.05%Mg合金を加圧して液相を分離し、残留分からAl−0.96%Si−1.14%Mn−1.56%Mg合金を得ている。この方法では、金属間化合物によるFe、Mnの除去が難しい。また、半溶融状態の残留Al結晶量は温度に依存しているため、本方法を利用できる合金組成が限られる。
(4)帯溶融法
なお、上述した方法以外にも、Al合金中から不純物を除去する方法として、インゴットを一端側から部分的に加熱・溶融させて、末端側に不純物を集め、加熱を開始した一端側の純度を高める帯溶融法もある。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、従来とは異なる方法により、効率的にFe濃度を低減したAl合金(溶湯)を得ることができる再生方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、スクラップ等を溶解したAl合金溶湯中に、除去対象(不純物)であるFeを含むFe・Mn含有材を逆に加えることにより、その溶湯中に含まれるFe濃度を効率的に低減することに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《Al合金の再生方法》
(1)本発明は、FeとMnを含むFe・Mn含有材とAl合金原料とを溶解して第1溶湯を調製する調製工程と、該第1溶湯からFe化合物を晶出させる晶出工程と、該第1溶湯から晶出したFe化合物の少なくとも一部を除去した第2溶湯を抽出する抽出工程と、を備えたAl合金の再生方法である。
(2)本発明のAl合金の再生方法(単に「再生方法」という。)によれば、Al合金原料を溶解した第1溶湯から、不純物であるFeを含む化合物や合金等(単に「Fe化合物」という。)の晶出を促進できる。これにより、第1溶湯中のFe濃度を短時間で低減でき、Feが十分に除去された再生Al合金を効率的に得ることできる。
なお、本発明の再生方法により得られる再生Al合金は、固相状態でも液相状態(つまり溶湯状態)でもよい。液相状態の再生Al合金は、再溶解等を行わずに、そのまま再生地金として再利用可能である。
(3)本発明では、従来と発想を逆転させて、除去対象であるFeを含むFe・Mn含有材を、スクラップ等からなるAl合金原料(溶湯)に加えることにより、Fe濃度の迅速な低減を可能としている。Fe濃度の効率的な低減が可能になった理由は、必ずしも定かではないが、次のように推察される。
先ず、本発明で用いるFe・Mn含有材は、合金、化合物等からなり、通常、その融点はFe単体やMn単体の融点よりも十分に低い。このため、Fe・Mn含有材は調製工程中に容易に溶解し得る。但し、本発明の場合、添加したFe・Mn含有材が調製工程中に完全に溶解していなくてもよい。
次に、Fe・Mn含有材の添加により、第1溶湯中のFe濃度は一時的に高くなる。これにより、Fe化合物の生成と成長が却って促進される。この傾向は、第1溶湯の降温により顕著となる。こうして晶出したFe化合物は、Al液相との比重差により坩堝等の底部に沈降する。その結果、溶湯の上層部には、Fe濃度が十分に低減された再生Al合金の溶湯が得られる。それを抽出することにより第2溶湯が得られる。
いずれにしても、除去対象である不純物(Fe)を含む含有材を、原料溶湯へ逆に加えて、Fe濃度を迅速に低減させている点で本発明の再生方法は画期的である。
《その他》
(1)本明細書でいうFe化合物は、第1溶湯中から分離可能である(第2溶湯の抽出が可能である)限り、その具体的な組成や形態等を問わない。Fe化合物は、例えば、Feを含む金属間化合物でも、Feを含む合金でも、それらが混在したものでもよい。代表的なFe化合物として、例えば、Al13Fe、Al15Si(Fe,Mn)等がある。
(2)本明細書でいう濃度や組成は、特に断らない限り、着目している範囲内にある対象物(溶湯、合金、化合物等)について、その全体に対する質量割合(質量%)として示す。なお、本明細書では、適宜、質量%を単に「%」で示す。
(3)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
Fe・Mn含有材のMn/Fe(質量比)が、その添加処理後の溶湯(処理溶湯)中の液相部分におけるFe濃度に及ぼす影響を示す散布図である。 第1溶湯中のCu濃度とSi濃度が、処理溶湯中の液相部分におけるFe濃度に及ぼす影響を示す一覧表である。 第1溶湯中のMg濃度が、処理溶湯中の液相部分におけるFe濃度に及ぼす影響を示す散布図である。 各試料に係るAl合金の金属組織を示すSEM像である。 730℃から575℃までの冷却時間と処理溶湯中の液相部分におけるFe濃度との関係を示すグラフである(但し、0min時のFe濃度は、730℃における初期濃度を示す。)
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、方法的な構成要素であっても物(例えば、再生Al合金(溶湯))に関する構成要素ともなり得る。
《Fe濃度の影響因子》
本発明の再生方法に関連して、Fe・Mn含有材の添加処理後の溶湯中のFe濃度に影響する因子を検討した。その結果を図1〜図3に示した。図1〜図3は、解析ソフト(Thermo-Calc Software AB社製 Thermo-Calc)を用いたScheil式に基づく計算から求めた。
(1)Mn/Fe(質量比)
Fe・Mn含有材に含まれるFeとMnの質量比(Mn/Fe)と、Fe・Mn含有材の添加処理後の溶湯(第1溶湯からFe化合物を晶出させた後の溶湯/この溶湯を「処理溶湯」という。)中の液相部分におけるFe濃度との関係を図1に示した。
なお、第1溶湯は、Al合金原料(Al−12%Si−3%Cu−1%Fe−0.3%Mn)とFe・Mn含有材を、30:1(=Al合金原料:Fe・Mn含有材)で配合して溶解したものとした。この配合比の場合、第1溶湯の融点は、一般的なAl合金の溶解温度(700℃)となる。
図1から明らかなように、Fe・Mn含有材のMn/Feを2以上、5以上さらには8以上とすると、処理溶湯中のFe濃度が低下することがわかる。Mn/Feが10以上になると、そのFe濃度の低下は緩やかになる。そこでMn/Feは30以下、25以下、15以下さらには12以下としてもよい。
(2)Si濃度とCu濃度
第1溶湯中のSi濃度(x)およびCu濃度(y)と、処理溶湯中の液相部分におけるFe濃度(セル内の数値)との関係を、一覧表として図2に示した。ここで第1溶湯は、Al合金原料(Al−x’%Si−y’%Cu−1%Fe−0.3%Mn)とFe・Mn含有材(Mn/Fe=23)を、上述した場合と同様に、30:1で配合して溶解したものとした。この第1溶湯の合金組成は、計算上、ほぼ、Al−x%Si−y%Cu−1.06%Fe−2.55%Mnとなる。
図2から明らかなように、質量%で、(Cu/5)+(Si/6)≧1(換言すると6Cu+5Si≧30)さらには(Cu/7)+(Si/8)≧1(換言すると8Cu+7Si≧56)となる範囲で、Fe濃度は0.68%以下さらには0.6%以下にまで低下することがわかる。そこで第1溶湯は、Cuおよび/またはSiを含み、第1溶湯の全体を100質量%としたときに、6Cu+5Si≧1(単位:質量%)を満たすとよい。
なお、CuやSiは、Al合金の特性(強度等)の向上を図れる有効な元素である。上述した数式の範囲内にあることを前提に、第1溶湯は、例えば、Cu:1〜10%さらには2〜6%、Si:1〜12%さらには3〜8%でもよい。
(3)Mg濃度
第1溶湯中のMg濃度と処理溶湯中のFe濃度(低減限界濃度)の関係を図3に示した。ここで第1溶湯は、Al合金原料(Al−12%Si−3%Cu−1%Fe−0.3%Mn−z’%Mg)とFe・Mn含有材(Mn/Fe=23)を、上述した場合と同様に、30:1で配合して溶解したものとした。この第1溶湯の合金組成は、計算上、ほぼ、Al−12.4%Si−2.9%Cu−1.06%Fe−2.55%Mn−z%Mgとなった。
図3から明らかなように、第1溶湯中のMg濃度を3%以上、4%以上さらには5%以上とすると、処理溶湯中のFe濃度は低下することがわかる。Mg濃度が4%以上になると、Fe濃度の低下は緩やかになる。そこでMg濃度は、7%以下、6%以下さらには5%以下でもよい。
ちなみに、Mgも、Al合金の特性(強度等)の向上を図れる有効な元素である。例えば、Mg濃度が3%以上であると、処理溶湯中のFe濃度(Fe固溶限)は0.46%以下となり、併せて、高特性な再生Al合金が得られる。そこで第1溶湯は、その全体を100質量%としたときにMgを3質量%以上含むとよい。
《Fe・Mn含有材》
Fe・Mn含有材は、FeとMnを含有する限り、種々の組成や形態をとり得る。Fe・Mn含有材は、化合物(金属間化合物を含む)、合金、それらの混在物等のいずれから構成されてもよい。いずれの場合でも、通常、Fe・Mn含有材は、Fe単体やMn単体よりも、融点が低くて溶解性に富み、また安価に入手可能である。このようなFe・Mn含有材は、再生Al合金の原料として好ましい。
Fe・Mn含有材に含まれるFeとMnの質量比(Mn/Fe)は、上述したように、2〜30、5〜25さらには8〜12以下であるとよい。なお、Mnは、それ自体がFe濃度の低減効果を発揮するのみならず、Feとの協働によりFe濃度を低減させる。この理由は、FeとMnを含む化合物、例えばAl15(Fe,Mn)Siが容易に晶出、粗大化するためと考えられる。また、Fe・Mn含有物自体がFe化合物の核生成サイトとなって、化合物の晶出を促進するためと考えられる。
Fe・Mn含有材は、FeとMn以外に、Si、Cu、Mg、Zn、Cr、Mo、V、TiまたはAlの一種以上をさらに含んでもよい。Si、Cu、Mg等は合金元素であり、Alは主元素である。
《調製工程》
第1溶湯の調製は、Al合金原料とFe・Mn含有材を同時に溶解させたり、先に溶解させたAl合金原料の溶湯へFe・Mn含有材を添加してなされる。いずれの場合も、Fe・Mn含有材は、必ずしも完全に溶解していなくてもよい。
溶解温度は、少なくともAl合金原料(Al合金部分)が溶融する温度であればよい。例えば、650〜930℃さらには680〜880℃程度とすればよい。Al合金スクラップをAl合金原料とする場合、溶解温度は鉄くず等が溶け残る温度でよい。Al合金スクラップは、展伸材でも鋳物でもよい。
《晶出工程》
第1溶湯からFe化合物が晶出するように、溶湯温度や保持時間が調整されるとよい。溶湯温度は、第1溶湯の合金組成に応じて調整され得るが、例えば、(α−Alの晶出開始温度)+(5〜30℃さらには10〜20℃)、または550〜650℃さらには565〜630℃とするとよい。
本発明の再生方法では、Fe化合物の晶出、成長が早期に生じる。このため、そのような溶湯温度に保持する時間は、降温開始から3〜60分間、5〜30分間さらには10〜20分間でもよい。
《抽出工程》
第1溶湯から晶出したFe化合物または鉄くず等の未溶解固体の少なくとも一部を除去することより、Feの濃度を低減した第2溶湯が得られる。第2溶湯の抽出は、例えば、溶湯の入った坩堝中から固相であるFe化合物を、フィルター等で漉して除去できる。もっとも、溶湯よりも比重が大きいFe化合物は、溶湯下層に沈降し易い。そこで、第2溶湯の抽出は、坩堝の中層域〜上層域にある溶湯(Feの濃度が低下した上澄み溶湯)だけを取り出して行ってもよい。なお、調製工程で未溶解であった残留固体(例えば、Al合金原料の一部に含まれていた鉄くず等)も、抽出工程で除かれてもよい。
抽出した第2溶湯は、一旦凝固させることなく、そのまま展伸材や鋳物等の製造に供されてもよい。第2溶湯は、その利用前に、さらに精製されたり、純Al(新塊)や合金源が添加されて、所望成分に調整されてもよい(成分調整工程)。勿論、第2溶湯は、一旦凝固させて、再生鋳塊(インゴット)として供給されてもよい。
Fe・Mn含有材を加えたAl合金溶湯(処理溶湯)を調製した。その各層域から抽出した溶湯を凝固させた試料を用いて、それぞれの金属組織観察と成分測定を行った。このような具体例に基づいて本発明をより詳しく説明する。
《試料の製作》
(1)調製工程
Al合金原料であるダイカスト材(JIS ADC12相当/約1.5kg)に、Fe・Mn含有材(30〜50g)を加えた原料を黒鉛坩堝(高さ158mm×口径120mm×底径80mm、口厚11mm)に入れて860℃まで加熱して溶解した。Fe・Mn含有材には、Mn/Fe=4(質量比)としたFe−Mn系合金を用いた。こうして、約1.5kgの初期溶湯(第1溶湯)を調製した。なお、Fe・Mn含有材は、初期溶湯中で完全に溶解していた。
一般的な溶解温度である730℃まで炉冷し、十分に撹拌した後、初期溶湯の一部を分析用型(φ40mm×30mm)に注湯し、室内で放冷して自然凝固させた。こうして初期溶湯分析用の試料1を得た。
(2)晶出工程
730℃の初期溶湯を575℃(α−Alの晶出開始温度+5℃)まで約5分間かけて炉冷した。この冷却後の溶湯(処理溶湯)から、上層部および下層部の各領域にある溶湯を次のようにして抽出して凝固させた。
溶湯の上層部は、凝固物(例えば、沈降物)を坩堝に残留させた状態で、上澄み溶湯だけを静かに分析用型(φ40mm×30mm)へ注湯した。これを室内で放冷し、自然凝固させて、上層部分析用の試料2を得た。
溶湯の下層部は、上記の上層部の注湯後の坩堝底にある残留溶湯(凝固物を含む)をスプーンで掬って、分析用型(φ40×30mm)に入れた。これを室内で放冷し、自然凝固させて、下層部分析用の試料3を得た。
(3)比較試料
比較試料として、Fe・Mn含有材を加えずに、Al合金原料だけを同様に溶解した溶湯から、分析用の試料C11、試料C12および試料C13を製作した。試料C11は、860℃で溶解した溶湯を730℃まで炉冷した後、その一部をそのまま注湯して凝固させて製作した初期濃度分析用試料である。試料C12は、その初期溶湯を10分かけて約575℃まで炉冷した溶湯の上層部を、同様に注湯して凝固させた試料である。試料C13は、同様に730℃から575℃まで90分間かけて冷却した溶湯の上層部を、注湯して凝固させた試料である。
《試料の分析》
試料1〜3について、走査型電子顕微鏡(SEM)による組織観察と、蛍光X線分析によるFe濃度分析とを行った。また試料C11〜C13についても、Fe濃度分析を行った。なお、各試料の観察・分析は、試料底面から高さ約5mmの位置における水平断面の中央部(φ30mm)について行った。
試料1〜3について、観察した組織と分析したFe濃度とをまとめて図4に示した。また、Fe・Mn含有材を加えた試料1〜3と、Fe・Mn含有材を加えなかった試料C11〜C13とについて、溶解後の経過時間(「保持時間」ともいう。)とFe濃度の関係を図5に示した。
《評価》
(1)図4から明らかなように、Fe・Mn含有材をAl合金原料に加えて溶湯を調製することにより、Fe濃度を大幅に低減した溶湯(上層部)が得られることが確認された。具体的にいうと、試料2(上層部)の金属組織を観ると明らかなように、Fe化合物の晶出は少なく、Fe濃度が1.25%(試料1)から0.77%まで低減されることがわかった。また試料3から明らかなように、初期溶湯中のFe分は、Fe化合物(凝固物)として坩堝の底部に沈降することも確認された。
(2)図5から明らかなように、Fe・Mn含有材を加えた場合、僅か5分程度で、溶湯中(上層部)のFe濃度が1.25%→0.77%(Fe濃度差:0.48%)まで急減することがわかった。一方、Fe・Mn含有材を加えない場合、10分経過後でも、上層部のFe濃度は1.1%→1.05%程度(Fe濃度差:約0.05%)にまでしか低減しなかった。さらに、90分経過後でも、そのFe濃度は1.1%→0.95%程度(Fe濃度差:約0.15%)しか低減しなかった。
以上のことから、Fe・Mn含有材を加える本発明の再生方法によれば、スクラップ等のAl合金原料から、Fe濃度を十分に低減した再生Al合金(溶湯)を短時間で得られることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. FeとMnを含むFe・Mn含有材とAl合金原料とを溶解して第1溶湯を調製する調製工程と、
    該第1溶湯からFe化合物を晶出させる晶出工程と、
    該第1溶湯から晶出したFe化合物の少なくとも一部を除去した第2溶湯を抽出する抽出工程と、
    を備えたAl合金の再生方法。
  2. 前記Fe・Mn含有材は、Feに対するMnの質量比(Mn/Fe)が2以上である請求項1に記載のAl合金の再生方法。
  3. 前記Fe・Mn含有材は、Si、Cu、Mg、Zn、Cr、Mo、V、TiまたはAlの一種以上をさらに含む請求項1または2に記載のAl合金の再生方法。
  4. 前記第1溶湯は、Cuおよび/またはSiを含み、
    該第1溶湯の全体を100質量%としたときに、6Cu+5Si≧1(単位:質量%)を満たす請求項1〜3のいずれかに記載のAl合金の再生方法。
  5. 前記第1溶湯は、その全体を100質量%としたときに、Mgを3質量%以上含む請求項1〜4のいずれかに記載のAl合金の再生方法。
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