JP2020111789A - 銅合金材 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度及び伸びに十分に優れ、小断面積化しても良好に取り扱うことができる銅合金材を提供する。【解決手段】Mgを0.15mass%以上0.50mass%以下の範囲内、Crを0.20mass%以上0.90mass%以下の範囲内で含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成とされており、引張強度が600MPa以上であり、伸びが3%以上であることを特徴とする。導電率が60%IACS以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、自動車や機器の配線、ロボット用ワイヤ及び航空機用ワイヤ等に使用される銅合金材に関するものである。
従来、自動車配線用及び機器配線用の電線として、銅線を複数本撚り合わせてなる電線導体に、絶縁被膜を被覆したものが提供されている。また、配線等を効率的に行うために、これらの電線を複数本束ねたワイヤーハーネスが提供されている。
近年、環境保護の観点から、自動車から排出される二酸化炭素量を低減するために、自動車車体の軽量化が強く求められている。一方、自動車のエレクトロニクス化が進み、さらに、ハイブリッド車や電気自動車の開発も進んでおり、自動車に用いられる電気系統の部品数は加速的に増加している。これにより、これらの部品をつなぐワイヤーハーネスの使用量が、今後、さらに増加する見込みであり、このワイヤーハーネスの軽量化が求められている。
ここで、ワイヤーハーネスを軽量化する手段として、電線及び銅線の小断面積化が図られている。また、電線導体及び銅線の小断面積化によって、ワイヤーハーネスの軽量化とともに小型化も図られることになり、配線スペースを有効活用できるといったメリットもある。
従来、上述の銅線としては、タフピッチ銅等の純銅材で構成されたものが主に使用されており、ワイヤーハーネス組み立て時や自動車取り付け後の振動による衝撃を吸収する目的で、高温で熱処理された軟銅線が用いられている。この純銅材においては、高い伸びを有することから、取り扱い性に優れている。
しかしながら、純銅材においては、瞬時に加わる引張荷重に対しては極めて弱く、容易に弾性変形領域を超え、塑性変形領域に達し、さらに強い荷重が加わると破断に至ることになる。すなわち、純銅材で構成された銅線においては、伸びが十分であるものの強度が不足しているのである。
このような純銅材で構成された銅線においては、強度を十分に確保できないため、小断面積化による軽量化、小型化を図ることはできなかった。
そこで、強度を向上させた銅線として、例えば特許文献1,2には、Snを含有するCu−Sn合金からなる銅合金線が提案されている。また、特許文献3には、Mgを含有するCu−Mg合金からなる銅合金線が提案されている。
上述のCu−Sn合金及びCu−Mg合金は、銅の母中に固溶することによって強度を向上させる固溶強化型の銅合金であり、上述の純銅材に比較して強度が十分に向上されたものである。
さらに、特許文献4〜6には、Co及びPを含むCu−Co−P合金からなる銅合金線が提案されている。また、特許文献7,8には、Ni及びSiを含むCu−Ni−Si合金からなる銅合金線が提案されている。
これらCu−Co−P合金及びCu−Ni−Si合金は、銅の母相に析出物を分散させることによって強度を向上させる析出強化型の銅合金であり、上述の純銅材に比較して強度が十分に向上されたものである。
特開2008−027640号公報 特許第2709178号公報 特開2009−174038号公報 特開2010−212164号公報 特開2014−025137号公報 特開2015−004126号公報 特開2008−266764号公報 特開2009−091627号公報
ところで、Cu−Sn合金及びCu−Mg合金等の固溶強化型銅合金においては、冷間加工によって成形された状態では強度は高いものの伸びが不足しており、ワイヤーハーネス組み立て時に、線ハネや線絡みが発生しやすく、取扱いが困難であった。固溶強化型銅合金の伸びを改善する方法としては、熱処理によって、組織を回復させることが考えられる。しかしながら、固溶強化型銅合金においては、熱処理温度が軟化点に達すると急激に引張強度と伸びが変化することから、熱処理条件の制御が非常に難しく、引張強度及び伸びを精度良く調整することは困難であった。このため、Cu−Sn合金及びCu−Mg合金等の固溶強化型銅合金を用いた場合であっても、伸びと強度とを両立させることができず、銅合金線の小断面積化を図ることができなかった。
一方、Cu−Co−P合金及びCu−Ni−Si合金等の析出強化型合金においては、熱処理時の温度域が広く制御が比較的容易であり、ばね性及び伸びを向上させることは可能である。しかしながら、析出強化のみでは、十分な強度を得ることができず、銅合金線の小断面積化を図ることができなかった。
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、強度及び伸びに十分に優れ、小断面積化しても良好に取り扱うことができる銅合金材を提供することを目的としている。
この課題を解決するために、本発明の銅合金材は、Mgを0.15mass%以上0.50mass%以下の範囲内、Crを0.20mass%以上0.90mass%以下の範囲内で含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成とされており、引張強度が600MPa以上であり、伸びが3%以上であることを特徴としている。
上述の構成の銅合金材においては、Mgを上述の範囲で含有しているので、固溶硬化によって強度を十分に向上させることができる。また、Crを上述の範囲で含有しているので、Cr系析出物を分散させるための熱処理時の温度域が広く制御が比較的容易であり、強度及び伸びを安定して向上させることができる。
そして、引張強度が600MPa以上、かつ、伸びが3%以上とされているので、銅合金材を小断面積化した場合であっても、取り扱い時における断線等の発生を抑制でき、容易に取り扱うことができる。
ここで、本発明の銅合金材においては、導電率が60%IACS以上であることが好ましい。
この場合、導電率が60%IACS以上とされているので、Cr系析出物が十分に析出分散していることになり、強度及び伸びを十分に向上させることができる。
また、導電性(熱伝導性)に優れているので、導電部材や伝熱部材等の素材として特に適している。
また、本発明の銅合金材においては、線材とされ、長手方向に直交する断面積が0.0003mm以上0.2mm以下の範囲内とされていてもよい。
この場合、強度及び伸びに優れた線材とされているので、小断面積化しても容易に取り扱うことができる。
そして、長手方向に直交する断面積が0.0003mm以上0.2mm以下の範囲内とされているので、この銅合金線を用いたワイヤーハーネス等の各種部品の小型化及び軽量化を図ることができる。
本発明によれば、強度及び伸びに十分に優れ、小断面積化しても良好に取り扱うことができる銅合金材を提供することができる。
本発明の実施形態である銅合金材の製造方法を示すフロー図である。
以下に、本発明の一実施形態である銅合金材について説明する。
本実施形態である銅合金材は、例えば、自動車等の配線に使用されるワイヤーハーネスを構成する絶縁電線の素線として用いられるものである。
なお、本実施形態である銅合金材は、部品を成形する際の加工方法に応じた形状とされており、例えば、板条材、線棒材、管材をなすものとされており、本実施形態では、線材とされている。
そして、本実施形態である銅合金材は、Mgを0.15mass%以上0.50mass%以下の範囲内、Crを0.20mass%以上0.90mass%以下の範囲内で含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成とされている。
そして、本実施形態である銅合金材においては、引張強度が600MPa以上とされるとともに、伸びが3%以上とされている。
さらに、本実施形態である銅合金材においては、導電率が60%IACS以上とされている。
また、本実施形態である銅合金材においては、長手方向に直交する断面積が0.0003mm以上0.2mm以下の範囲内とされている。
ここで、本実施形態である銅合金材において、上述のように、成分組成、各種特性、断面積を規定した理由について、以下に説明する。
(Mg:0.15mass%以上0.50mass%以下)
Mgは、銅合金の母相中に固溶することで、強度を十分に向上させる作用を有する元素である。
ここで、Mgの含有量が0.15mass%未満の場合には、その作用効果を十分に奏功せしめることができなくなるおそれがある。一方、Mgの含有量が0.50mass%を超える場合には、導電率が大きく低下するとともに、銅合金溶湯の粘性が上昇し、鋳造性が低下するおそれがある。また、粗大なMg化合物が生成し、加工時に割れ等の欠陥が生じるおそれがあった。
以上のことから、本実施形態では、Mgの含有量を0.15mass%以上0.50mass%以下の範囲内に設定している。
なお、強度をさらに向上させるためには、Mgの含有量の下限を0.16mass%以上とすることが好ましく、0.17mass%以上とすることがさらに好ましい。一方、導電率、鋳造性及び加工性の低下を確実に抑制するためには、Mgの含有量の上限を0.48mass%以下とすることが好ましく、0.46mass%以下とすることがさらに好ましい。
(Cr:0.20mass%以上0.90mass%以下)
Crは、時効処理によって母相の結晶粒内にCr系析出物(例えばCu−Cr)を微細に析出させることにより、強度及び導電率を向上させるとともに、伸びを向上させる作用効果を有する元素である。
ここで、Crの含有量が0.20mass%未満の場合には、時効処理において析出量が不十分となり、強度、導電率及び伸びの向上の効果を十分に得られないおそれがある。また、Crの含有量が0.90mass%を超える場合には、比較的粗大なCr晶出物が生成し、欠陥の原因となるおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、Crの含有量を0.20mass%以上0.90mass%以下の範囲内に設定している。
なお、上述の作用効果を確実に奏功せしめるためには、Crの含有量の下限を0.22mass%以上とすることが好ましく、0.24mass%以上とすることがさらに好ましい。一方、比較的粗大なCr晶出物の生成をさらに抑制し、欠陥の発生をさらに抑制するためには、Crの含有量の上限を0.85mass%以下とすることが好ましく、0.80mass%以下とすることがさらに好ましい。
(その他の不可避不純物)
なお、上述したMg,Cr以外のその他の不可避的不純物としては、Al,Fe,Ni,Zn,Mn,Co,Ti,B,Ag,Ca,Si,Te,Sr,Ba,Sc,Y,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Re,Ru,Os,Se,Rh,Ir,Pd,Pt,Au,Cd,Ga,In,Li,Ge,As,Sb,Tl,Pb,Be,N,H,Hg,Tc,Na,K,Rb,Cs,Po,Bi,ランタノイド、O,S,C,P等が挙げられる。これらの不可避不純物は、導電性(熱伝導性)を低下させるおそれがあるため、総量で0.05mass%以下とすることが好ましい。
(引張強度:600MPa以上)
本実施形態である銅合金材において、引張強度が600MPa未満の場合には、強度が不十分となり、取り扱い時に破断してしまうおそれがあった。特に、小断面積化して使用される場合には、強度が不足しやすい。
このため、本実施形態の銅合金材においては、引張強度を600MPa以上に設定している。
なお、本実施形態の銅合金材の引張強度は620MPa以上とすることが好ましく、640MPa以上とすることがさらに好ましい。また、本実施形態の銅合金材の引張強度の上限は特に制限はないが、現実的には1200MPa以下となる。
(伸び:3%以上)
本実施形態である銅合金材において、伸びが3%未満の場合には、伸びが不足し、取り扱い時にハネや絡みが発生してしまうおそれがあった。このため、ワイヤーハーネス等を組み立てることが困難となる。
そこで、本実施形態の銅合金材においては、伸びを3%以上に設定している。
なお、本実施形態の銅合金材の伸びは4%以上とすることが好ましく、5%以上とすることがさらに好ましい。また、本実施形態の銅合金材の伸びの上限は特に制限はないが、現実的には30%以下となる。
(導電率:60%IACS以上)
本実施形態である銅合金材において、導電率が60%IACS以上である場合には、十分にCr系析出物が分散されていることになる。よって、強度、伸び、導電性(熱伝導性)及びに優れることになる。
以上のことから、本実施形態の銅合金材においては、導電率を60%IACS以上とすることが好ましい。
なお、本実施形態の銅合金材の導電率は62%IACS以上とすることがさらに好ましく、64%IACS以上とすることがより好ましい。また、本実施形態の銅合金材の導電率の上限は特に制限はないが、現実的には90%IACS以下となる。
(長手方向に直交する断面積:0.0003mm以上0.2mm以下)
本実施形態である銅合金材においては、線材とされており、この線材の長手方向に直交する断面積が0.0003mm以上とされている場合には、銅合金材の強度が確保され、取り扱い時における断線の発生を十分に抑制することが可能となる。一方、長手方向に直交する断面積が0.2mm以下とされている場合には、十分に小断面積化されており、この銅合金部材からなる各種部品のさらなる小型化・軽量化を図ることができる。
以上のことから、本実施形態の銅合金材においては、長手方向に直交する断面積を0.0003mm以上0.2mm以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、本実施形態の銅合金材の長手方向に直交する断面積の下限は0.001mm以上とすることがさらに好ましく、0.005mm以上とすることがより好ましい。一方、長手方向に直交する断面積の上限は0.16mm以下とすることがさらに好ましく、0.13mm以下とすることがより好ましい。
次に、本発明の一実施形態に係る銅合金材の製造方法を、図1のフロー図を参照して説明する。
(溶解・鋳造工程S01)
まず、銅の純度が99.99mass%以上の無酸素銅からなる銅原料を、カーボンるつぼに装入し、真空溶解炉を用いて溶解し、銅溶湯を得る。次いで、得られた溶湯に、所定の濃度となるように、Mg及びCrを添加して、成分調製を行い、銅合金溶湯を得る。
ここで、Mg及びCrの原料としては、例えばMgの原料は純度99.9mass%以上のものを使用し、Crの原料は純度99.9mass%以上のものを使用することが好ましい。なお、Cu−Mg母合金、Cu−Cr母合金を用いてもよい。
そして、成分調製された銅合金溶湯を鋳型に注湯して銅合金鋳塊を得る。
(熱間加工工程S02)
次に、得られた銅合金鋳塊に対して熱間加工を実施する。ここで、熱間加工の条件は、温度:600℃以上1050℃以下、加工率:50%以上99.5%以下、とすることが好ましい。また、この熱間加工後、直ちに水冷によって冷却する。
なお、熱間加工工程S02における加工方法については、特に限定はないが、最終形状が板や条の場合には、圧延を適用すればよい。また、最終形状が線や棒の場合には、押出や溝圧延を適用すればよい。また、最終形状がバルク形状の場合には、鍛造やプレスを適用すればよい。
(第1冷間加工工程S03)
次に、熱間加工工程S02を経た熱間加工材に対して冷間加工を実施する。ここで、第1冷間加工工程S03においては、加工率を50%以上99.5%以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、第1冷間加工工程S03における加工方法については、特に限定はないが、最終形状が板や条の場合には、圧延を適用すればよい。また、最終形状が線や棒の場合には、押出や溝圧延を適用すればよい。また、最終形状がバルク形状の場合には、鍛造やプレスを適用すればよい。
(時効処理工程S04)
次に、第1冷間加工工程S03で得られた冷間加工材に対して時効処理を実施し、Cr系析出物などの析出物を微細に析出させる。
ここで、時効処理の条件は、保持温度:350℃以上550℃以下、保持温度での保持時間:0.5時間以上6時間以下、の条件で行うことが好ましい。
なお、時効処理時の熱処理方法は、特に限定しないが、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、加熱後の冷却方法は、特に限定しないが、水冷によって急冷することが好ましい。
(第2冷間加工工程S05)
次に、時効処理工程S04を経た時効処理材に対して冷間加工を実施する。ここで、第2冷間加工工程S05においては、加工率を90%以上99.99%以下の範囲内とすることが好ましい。
なお、第2冷間加工工程S05における加工方法については、特に限定はないが、最終形状が板や条の場合には、圧延を適用すればよい。また、最終形状が線や棒の場合には、押出や溝圧延を適用すればよい。また、最終形状がバルク形状の場合には、鍛造やプレスを適用すればよい。
本実施形態においては、この第2冷間加工工程S05により、長手方向に直交する断面積が0.0003mm以上0.2mm以下の範囲内とされる。
(調質熱処理工程S06)
次に、第2冷間加工工程S05で得られた冷間加工材に対して、調質熱処理を実施し、伸びを向上させる。
ここで、調質熱処理の条件は、保持温度:350℃以上550℃以下、保持温度での保持時間:0.5時間以上6時間以下、の条件で行うことが好ましい。
なお、調質熱処理の方法は、特に限定しないが、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、加熱後の冷却方法は、特に限定しないが、水冷によって急冷することが好ましい。
以上の工程により、本実施形態である銅合金材が製造される。
上述した構成とされた本実施形態に係る銅合金材によれば、Mgを0.15mass%以上0.50mass%以下の範囲で含有しているので、固溶硬化によって強度を十分に向上させることができる。
また、Crを0.20mass%以上0.90mass%以下の範囲で含有しているので、Cr系析出物を分散させるための熱処理時の温度域が広く制御が比較的容易であり、強度及び伸びを向上させることができる。
そして、本実施形態に係る銅合金材においては、引張強度が600MPa以上、かつ、伸びが3%以上とされているので、銅合金材を小断面積化した場合であっても、取り扱い時の断線等の発生を抑制でき、安定して取り扱うことが可能となる。
さらに、本実施形態においては、導電率が60%IACS以上とされているので、Cr系析出物が十分に析出分散しており、強度及び伸びを十分に向上させることができる。また、導電性(熱伝導性)が要求される用途に特に適している。
また、本実施形態においては、線材とされ、長手方向に直交する断面積が0.0003mm以上0.2mm以下の範囲内とされているので、強度及び伸びに優れており、十分な小断面積化が図られており、この銅合金材を用いた各種部品の小型化及び軽量化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、銅合金材の製造方法については、本実施形態に限定されることはなく、他の製造方法によって製造されたものであってもよい。例えば、溶解・鋳造工程において連続鋳造装置を用いてもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
純度99.99mass%以上の無酸素銅からなる銅原料を準備し、これをカーボンるつぼに装入し、真空溶解炉(真空度10−2Pa以下)で溶解し、銅溶湯を得た。得られた銅溶湯内に、Mg及びCrを添加して表1に示す成分組成となるように調製し、5分間保持した後、銅合金溶湯を鋳鉄製の鋳型に注湯して銅合金鋳塊を得た。銅合金鋳塊の断面寸法は、幅約60mm、厚さ約100mmとした。
なお、添加元素であるMgの原料は純度99.9mass%以上、Crの原料は純度99.99mass%以上のものを使用した。
次に、得られた銅合金鋳塊を所定のサイズに切断後、表1に示す条件で熱間加工(熱間圧延)を実施し、熱間圧延材を得た。
この熱間加工材に対して、表1に示す条件で第1冷間加工(引抜加工)を実施し、第1冷間加工材を得た。
この第1冷間加工材に対して、大気炉で表1に示す条件で加熱保持した後に水冷し、時効処理を実施した。
得られた時効処理材に対して、表1に示す断面積となるように第2冷間加工(引抜加工)を実施し、第2冷間加工材を得た。
そして、この第2冷間加工材に対して、表1に示す条件で調質熱処理を実施し、各種銅合金材を得た。
得られた銅合金材について、成分組成、加工性、引張強度、伸び、導電率を評価した。
(成分組成)
得られた銅合金材の成分組成は、ICP−MS分析によって測定した。その結果、表1に示す組成であることを確認した。
(加工性)
製造工程中において、欠陥が生じ、製造を中止したものを「×」、欠陥が生じたが製造可能であったものを「△」、欠陥が認められなかったものを「〇」と評価した。評価結果を表1に示す。
(引張強度/伸び)
島津製作所製AG−X 250kNを用い、標点間距離を250mmに設定後、クロスヘッドスピード100mm/minで引張試験を2回以上実施し、その平均値を求めた。評価結果を表1に示す。
(導電率)
日本フェルスター社製SIGMA TEST D2.068(プローブ径φ6mm)を用いて、10×15mmのサンプルの断面中心部を3回測定し、その平均値を求めた。評価結果を表1に示す。
Figure 2020111789
Mgの含有量が0.08mass%と本発明の範囲よりも少ない比較例1においては、引張強度が550MPaと低くなった。また、製造工程中で欠陥が生じ、加工性が不十分であった。
Mgの含有量が0.60mass%と本発明の範囲よりも多い比較例2においては、導電率が57%IACSと低くなった。また、伸びが2%と低くなった。さらに、製造工程中で欠陥が生じ、加工性が不十分であった。
Crの含有量が0.12mass%と本発明の範囲よりも少ない比較例3においては、引張強度が510MPaと低くなった。
Crの含有量が1.50mass%と本発明の範囲よりも多い比較例4においては、第2冷間加工において断面積を0.0003mmにまで加工した際に断線してしまい、銅合金線を製造することができなかった。このため、その後の評価を中止した。
これに対して、Mgを0.15mass%以上0.50mass%以下の範囲内、Crを0.20mass%以上0.90mass%以下の範囲内で含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成とされ、引張強度が600MPa以上、伸びが3%以上とされた本発明例1−5においては、加工性に優れており、導電率も確保できた。
以上のことから、本発明例によれば、強度及び伸びに十分に優れ、小断面積化しても良好に取り扱うことができる銅合金材を提供可能であることが確認された。

Claims (3)

  1. Mgを0.15mass%以上0.50mass%以下の範囲内、Crを0.20mass%以上0.90mass%以下の範囲内で含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成とされており、
    引張強度が600MPa以上であり、伸びが3%以上であることを特徴とする銅合金材。
  2. 導電率が60%IACS以上であることを特徴とする請求項1に記載の銅合金材。
  3. 線材とされ、長手方向に直交する断面積が0.0003mm以上0.2mm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅合金材。
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