JP2020111493A - 金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法 - Google Patents

金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生成に要する反応時間の短縮を図ることができ、金属インジウムによる汚染が解消され、かつ、窒化物コロイド量子ドットのサイズ分布を改善することが可能な、金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法は、金属を含有する化合物と、窒素供給源として機能する金属アミドと、可溶化剤と、溶媒とを混合して反応溶液を調製する工程と、前記反応溶液を所定温度に加熱し、前記化合物と前記金属アミドとを加熱反応させることにより、金属窒化物ナノ粒子を合成すると共に、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、合成後の反応溶液から金属窒化物ナノ粒子を抽出して前記分散媒中に分散させる工程とを含み、前記金属窒化物ナノ粒子は窒化インジウムであり、前記可溶化剤はトリ-n-オクチルホスフィンオキシドとオレイルアミンである。【選択図】なし

Description

本発明は、生成に要する反応時間の短縮を図ることができ、金属インジウムによる汚染が解消され、かつ、窒化物コロイド量子ドット(QDs)のサイズ分布を改善することが可能な、金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法に関する。
BT.2020[Broadcasting service television 2020]は、4K・8K解像度の超高精細画質テレビ(Ultra-high-definition image quality television:UHDTV)が満たすべき仕様についての国際規格であり、超高精細度画質テレビの色域標準として定義されている[非特許文献1]。この国際規格(BT.2020)によれば、既存の色の99.9%を網羅することができ、現実的で自然な画像を再現することができる。しかしながら、従来の蛍光体と有機発光材料を用いて、この国際規格(BT.2020)を満たす発光を実現することは困難である。
近年、量子ドット発光ダイオード(Quantum dot light-emitting diode:QLED)は、エレクトロルミネセンス(Electroluminescence:EL)の鋭いスペクトルを備えることから、注目されている。たとえば、量子ドット(Quantum Dot:QD)を採用したLEDバックライト液晶テレビは、その頭文字を取って「QLED TV」と呼称されている。
しかしながら、Cdを含まないQDは、30nm以下の狭い半値全幅(Full width at half maximum:FWHM)の狭い緑色発光が現れるのが現状である[非特許文献2]。
現在のアプリケーションと比較して長寿命化は、QLEDに関連する課題の一つであり、これが解決すれば柔軟性を提供し、低消費電力を実現し、QLEDにカラーフィルタレスをもたらすことが可能となる。
QLEDベースのCdSe/CdS量子ドットは、28nmの狭いFWHM、20.5%の外部量子効率(External quantum efficiency:EQE)、100cd/mにおいて10万時間以上の動作寿命で、波長630nmに発光ピークを示すことが報告されている[非特許文献3]。
一方、CdベースのQDの代替品とみなされるInPベースのQDは、QLEDに適用が検討され、EQEは3.43%で、放出帯域幅は65nmと報告されている[非特許文献4]。
InPベースのQLEDの寿命試験はまだ報告されていない。さらに、CsPbBrペロブスカイトのQDに基づくQLEDは、EQEが11.6%であり、18nmのFWHMである、狭いフォトルミネッセンス(Photoluminescence:PL)スペクトルを記録したと報告されている[非特許文献5]。
典型的には、ペロブスカイトベースのQLEDの寿命は短く、EL強度は65%未満の相対湿度で30分以内に元の発光の70%に減少することが開示されている[非特許文献6]。InPまたはPbペロブスカイトに比べて、InN、GaNおよびGaInNは、QLEDの寿命を延ばす効果があることも知られている。しかしながら、高品質の窒化物量子ドットを合成するための有効な方法はまだ確立されていない。
近年、InNナノ粒子の合成は、およそ220℃および大気圧において、コロイド状InNナノ結晶の合成を可能にすると報告されている[非特許文献7、8]。
このように、蛍光−変換LED、放射ELディスプレイや蛍光イメージング等に用いられる次世代の半導体ナノ粒子として、たとえば量子ドットが挙げられる。半導体ナノ粒子の中でも、III族窒化物ナノ結晶は、照明用途の有望な候補として注目されている。
しかしながら、窒化物コロイド量子ドット[nitride colloidal quantum dots (QDs) ]の合成は進行していない。なぜなら、反応時間に長時間を要することや、副生成物としてインジウム金属が生成すること等、インジウム窒化物(InN)の合成方法において解決すべき課題が残されている。
BT Series Broadcasting service, "Parameter values for ultra-high definition television systems for production and international programme exchange," ITU-R Recommendation BT.2020-2 (2015). Kenichiro Masaoka, Yukihiro Nishida, and Masayuki Sugawara, "Designing display primaries with currently available light sources for UHDTV wide-gamut system colorimetry" Optics Express 22, 16, 19069 (2014). Xingliang Dai, Zhenxing Zhang, Yizheng Jin, Yuan Niu, Hujia Cao, Xiaoyong Liang, Liwei Chen, Jianpu Wang and Xiaogang Peng, "Solution-processed, highperformance light-emitting diodes based on quantum dots," Nature 515, 96 (2014). Hung Chia Wang, Heng Zhang, Hao Yue, Chen Han Cheng, Yeh, Mei Rurng, Tseng Ren, Jei Chung ,Shuming Chen and Ru Shi Liu, "Cadmium-Free InP/ZnSeS/ZnS Heterostructure-Based Quantum Dot Light Emitting Diodes with a ZnMgO Electron Transport Layer and a Brightness of Over 10,000 cd m−2" Small 13, 1603962 (2017). Jizhong Song, Jinhang Li, Leimeng Xu, Jianhai Li, Fengjuan Zhang, Boning Han, Qingsong Shan and Haibo Zeng, "Room-Temperature Triple-Ligand Surface Engineering Synergistically Boosts Ink Stability, Recombination Dynamics, and Charge Injection toward EQE-11.6% Perovskite QLEDs" Adv. Mater. 30, 1800764 (2018). Qingsong Shan, Jianhai Li, Jizhong Song, Yousheng Zou, Leimeng Xu, Jie Xue, Yuhui Dong, Chengxue Huo, Jiawei Chen, Boning Hana and Haibo Zeng "Allinorganic quantum-dot light-emitting diodes based on perovskite emitters with low turn-on voltage and high humidity stability" J. Mater. Chem. C 5, 4565 (2017). Jennifer C. Hsieh, Dong Soo Yun, Evelyn Hub and Angela M. Belcher, "Ambient pressure, lowtemperature lowtemperature synthesis and characterization of colloidal InN nanocrystals," J. Mater. Chem. 20, 1435 (2010).
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、生成に要する反応時間の短縮を図ることができ、金属インジウムによる汚染が解消され、かつ、窒化物コロイド量子ドットのサイズ分布を改善することが可能な、金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法、を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、金属窒化物ナノ粒子を分散媒中に分散させた金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法において、
金属を含有する化合物と、窒素供給源として機能する金属アミドと、可溶化剤と、溶媒とを混合して反応溶液を調製する工程と、
前記反応溶液を所定温度に加熱し、前記化合物と前記金属アミドとを加熱反応させることにより、金属窒化物ナノ粒子を合成すると共に、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、
合成後の反応溶液から金属窒化物ナノ粒子を抽出して前記分散媒中に分散させる工程とを含み、
前記金属窒化物ナノ粒子は、窒化インジウム(Indium-Nitride:InN)であり、
前記可溶化剤は、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(tri-n-octylphosphine oxide:TOPO)とオレイルアミン(oleyl amine:OLA)であることを特徴とする。
前記反応溶液を調製する工程において、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(1,1,1,3,3,3-Hexamethylpropanedisilazane:HMDS)からなる結晶成長抑制剤をさらに混合することが好ましい。
前記金属窒化物ナノ粒子が、Indium-Nitride(InN:窒化インジウム)に代えて、GaInN、GaN、AlN、AlInN、ZnInN、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、及びZnSiNから選択される1種であってもよい。
本発明に係る金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法(以下、本発明の製法とも呼ぶ)は、反応溶液に対し、可溶化剤としては、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(tri-n-octylphosphine oxide:TOPO)とオレイルアミン(oleyl amine)を用い、所定温度に加熱し、金属を含有する化合物とナトリウムアミドとを加熱反応させることにより、金属窒化物ナノ粒子を合成するとともに、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、合成後の反応溶液から金属窒化物ナノ粒子を抽出して分散媒中に分散させる工程と含むものである。
本発明では、可溶化剤として、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(tri-n-octylphosphine oxide:TOPO)とオレイルアミン(oleyl amine)を用いたことにより、副生成物としてインジウム金属が生成しないので、金属インジウムによる汚染が解消される。ゆえに、本発明によれば、従来必要であった金属インジウムを除去するための洗浄工程が不要となる。これはTOPOが大きな双極子モーメントを持つために、その配位が可溶化剤としてのみならず、残存する金属アミドによる還元(合成された金属窒化物ナノ粒子が還元されてしまう事)を防ぐ効果があるためである。
また、本発明によれば、窒化物コロイド量子ドットのサイズ分布を改善することも可能となる。
したがって、本発明は、製造工程の短縮、および、製造歩留まりの向上を図ることが可能な、金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法の提供に貢献する。
本発明の製法により作製された金属窒化物ナノ粒子のみからなる量子ドットの一構造例を示す模式図。 本発明の製法により作製された各量子ドットの評価結果1。図2において、(a)各量子ドットのXRDパターンを示すグラフ、(b)各量子ドットを含むシクロヘキサン溶液の分散を示す写真。(b)において、左側パネル、中央パネルおよび右側パネルは順に、OLA-InN QDの場合、TOPO-InN QDの場合、およびTOPO / OLA-InN QDの場合を表す。 本発明の製法により作製された各量子ドットの評価結果2。図3において、(a)はOLA-InN QDのTEM像。(b)はTOPO-InN QDのSTEM-HAADF画像。(c)はTOPO / OLA-InN QDのSTEM-HAADF画像。(b)および(c)の挿入図は、QDのサイズ分布ヒストグラムと、対応する標準偏差およびそれらの平均数直径(MN)である。(d)はTOPO-InN QDの拡大TEM像。(e)はTOPO / OLA-InN QDの拡大TEM像。 本発明の製法により作製された各量子ドットの評価結果3。図4において、(a)はSi基板上に形成されたTOPO-InN QD薄膜のXPSスペクトル。(b)はInNバルクとTOPO-InN QD薄膜のエネルギーを比較するグラフ。 本発明の製法により作製されたナノ結晶の直径(横軸)とエネルギーギャップ(縦軸)との関係を示すグラフ。 本発明の製法により作製されたTOPO-InN QDおよびTOPO / OLA-InN QDにおけるナノ結晶の直径とその標準偏差、エネルギーギャップに関する一覧表。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法について、金属窒化物ナノ粒子が量子ドットであり、この金属窒化物ナノ粒子が分散媒Ld中に分散させた分散液を例に説明する。
図1を参照して、符号QDは、本実施形態の量子ドットである。量子ドットQDは、所定のバンドギャップを有する半導体ナノ粒子(金属窒化物ナノ粒子)で構成されるコア1を備える。コア1のみを合成した場合、シェル2とはコア1の粒子表面(界面)を示すものとする。
コア1は、金属窒化物から構成されるナノ粒子である。金属窒化物としては、InN、GaInN、AlN、ZnInN、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、ZnSiN、及びZnから選択される少なくとも1種を用いることができ、中でも、InNまたはGaInNを好ましく用いることができる。
本発明において、発光目的で用いられる典型的なナノ粒子(金属窒化物ナノ粒子)とは、その平均粒径(本発明ではコア1の外径、またはシェル2の外径を示す)が0.1nm〜20nmの範囲であるものを意味する。平均粒径をこのような範囲に制御することにより。量子サイズ効果によって半導体バンドギャップが広がり、電子が正孔と再結合した際の発光エネルギーを大きくすることができる。
コア1は、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤を含んだ合成プロセスで生成されることが好ましい。この構成からなる量子ドット(金属窒化物ナノ粒子)は、励起光の連続照射により蛍光を発光するものとなる。
このため、前記反応溶液を調製する工程において、HMDSからなる結晶成長抑制剤をさらに混合することが好ましい。
このように、前記反応溶液を調製する工程において、HMDSからなる結晶成長抑制剤をさらに混合して生成された量子ドットは、前記励起光の連続照射により、前記蛍光の発光強度が増大する。これにより、本発明は、長期安定に優れた発光特性を備えた、量子ドット(金属窒化物ナノ粒子)をもたらす。
コア1の表面(シェル2の表面)は分散剤3で覆われており、これにより、分散媒L中に量子ドットQDを分散性よく分散させることができる。分散剤3としては、炭素数6以上のアルキル鎖を有するアルキルカルボン酸類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルイミノホスホラン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキル酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルチオラートナトリウム及びアルキルスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤から選択された少なくとも1種を用いることができ、アルキルカルボン酸類を好ましく用いることができる。
分散媒Ldとしては、炭素数が6〜18である有機溶媒を用いることが好ましく、たとえば、以下に列挙する有機溶媒が好適である。分散媒Ldはこれらの有機溶媒を単独で又は混合して用いることができる。
分散媒Ldに好適な有機溶媒としては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカンのような主鎖の炭素数が6〜18である長鎖アルカン;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデセンのような環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼンのような芳香族炭化水素;ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオールのようなアルコール;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、フェニルエーテルのようなエーテル;ジメチルホルムアミド、N−N’−ジメチルプロピレン尿素、トリス(N,N−ジメチルアミノ)ホフフィンオキシド、ジアザビシクロウンデセン、が挙げられる。
以下では、本発明の金属窒化物ナノ粒子(量子ドットQD)を分散媒中に分散させた金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法について説明する。
本発明の製法は、以下の3つの工程を含むものである。
まず、金属を含有する化合物[コアの原料である金属を含有する化合物(第1化合物)]と、化合物(第1化合物)に含有される金属を窒化するための窒素供給源として機能する金属アミドと、副生成物を溶媒に分散させる可溶化剤と、溶媒とを混合して反応溶液を調製する工程を備える。
また、前記反応溶液を所定温度に加熱し、前記化合物と前記金属アミドとを加熱反応させることにより、金属窒化物ナノ粒子を合成すると共に、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程を備える。
さらに、合成後の反応溶液から金属窒化物ナノ粒子を抽出して前記分散媒中に分散させる工程を備える。
ここで、化合物(第1化合物)としては、後述する合成に必要な金属を供給できるものであれば特に限定されず、たとえば、当該金属のハロゲン化物または前記金属と前記分散剤とを含む金属錯体を用いることができる。当該金属としては、Al、Ga、In、Fe、Cu、Mn、W、Ta及びZrから選択した1つ以上の金属またはこれらの金属の合金を用いることができる。また、当該金属には、B及びSiを含むものとする。化合物(第1化合物)と金属アミドとのモル比は、たとえば、1:1〜1:1000の範囲内に設定されることができる。
本例では、コアを構成する金属窒化物ナノ粒子を窒化インジウム(Indium-Nitride:InN)とするために、化合物(第1化合物)としては、後述する合成に必要な金属としてInを選択する。
金属アミドとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、亜鉛、スズ、ゲルマニウム、鉛、カドミウム、鉄、銅、マンガン、タングステン、タンタル及びジルコニウムから選択された金属を含む金属アミドと、前記金属を含む金属アルキルシリルアミド、前記金属を含む金属アルキルアミド並びに前記金属を含むから選択された少なくとも1つを用いることが好ましい。
金属アルキルシリルアミドとしては、金属トリアルキルシリルアミドを用いることができる。この場合、金属トリアルキルシリルアミドに含まれる金属としては、上記金属を用いることができ、アルキル基の炭素数は18以下であることが好ましい。また、金属トリアルキルシリルアミドは、ブチルリチウムなどの強塩基とビス(トリメチルシリル)アミンとを混合することにより生成してもよい。また、窒素供給源として、金属アミドに加えて、窒化リチウムや窒化マグネシウム等の金属窒化物を更に混合してもよい。
可溶化剤としては、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(tri-n-octylphosphine oxide:TOPO)とオレイルアミン(oleyl amine:OLA)が好ましく、両者を一緒に含む構成がより好ましい。この両者の他に、トリアルキルホスフィンオキシド類、トリアルキルホスフィンスルフィド類、トリアルキルホスフィンセレニド類、トリアルキルイミノホスホラン類、モノリン酸エステル類、ジリン酸エステル類、トリリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、及び、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、から選択された少なくとも1つを用いてもよい。可溶化剤と金属アミドとのモル比は、1:1〜1:100の範囲内に設定することができる。
溶媒としては、炭素数が8〜35である有機溶媒を用いることが好ましく、たとえば、以下に列挙する有機溶媒が好適である。溶媒は、これらの有機溶媒を単独で又は混合して、融点24℃以下かつ沸点100℃以上の溶媒にして用いることができる。
溶媒に好適な有機溶媒としては、たとえば、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、流動パラフィンのような主鎖の炭素数が8〜35である長鎖飽和アルカンやその混合物;オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセンのような不飽和結合を持つアルケン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデセンのような環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビフェニルのような芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、フェニルエーテルのようなエーテル;DOWTHERM(登録商標)Aのような混合溶媒;フェニルスルフィド、ジドデシルスルフィドのようなスルフィド類;が挙げられる。
さらに、溶媒は、異なる芳香族炭化水素同士を混合したり、長鎖飽和アルカンに芳香族炭化水素を溶解したりすることで、芳香族炭化水素を加えることが好ましい。これにより、量子ドットへの不純物混入の抑制効果を高めることができる。
上記反応溶液を調製する工程において、分散剤を更に混合してもよい。分散剤としては、アルキルカルボン酸類、モノアルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、トリアルキルホスフィン類、アルキルエステル類、アルキルチオール類、スルフィド類、トリカプリル酸グリセリン、アルキルニトリル類及びステアリン酸無水物から選択された少なくとも1つを用いることが好ましく、このうち水素原子を含まない官能基を末端に有するものを用いることがより好ましい。
水素原子はナトリウムアミドと反応し、窒素原料の減少を引き起こすため、下記の式(1)に示す、アルキルチオール類(金属錯体)を原料としてナトリウムアミドと反応させることが最も好ましい。
これによれば、ナトリウムアミドの分解を抑制することができると共に、系内のナトリウム不純物量を減少させる効果が得られる。そのため、電子受容体の添加量や可溶化剤の添加量を少なくできるので、有利である。金属含有化合物と分散剤とのモル比は、1:1〜1:100の範囲内に設定することができる。これによれば、金属窒化物ナノ粒子の粒径分布を変化させることなく、平均粒径を変化させることができる。
上記反応溶液を調製する工程において、電子受容体を更に混合してもよい。前記電子受容体として、窒化する金属の酸化還元電位よりも貴な方向となる位置に酸化還元電位を持つものを用いることができる。
たとえば、窒化する金属がインジウムである場合、−0.34V vs SHEよりも貴な方向に酸化還元電位が位置する電子受容体として、ヨードホスフィン、ハロゲン、超原子価ヨウ素試薬類、ヨウ素化剤、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−クロロこはく酸イミド、N−プロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、ニトロキシルラジカル、硫黄、アルキルチオール、アルキルジスルフィド、アルキルトリスルフィド、テトラシアノキノジメタン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン及びクラウンエーテル、マンガン類及びクロム類から選択された少なくとも1つを用いることができる。その中でも、ヨウ化ジスルフィドやクラウンエーテルをより好ましく用いることができる。
ヨウ素化剤としては、たとえば、1,3−ジョード−5,5−ジメチルヒダントインを用いることができる。電子受容体と金属アミドとのモル比は、1:1〜1:5の範囲内に設定することができる。これによれば、ナトリウムアミドの分解によって生じた電子は、反応溶液に含まれる電子受容体の還元反応に使用されるため、第1化合物の還元反応が抑制され、量子ドット分散液に金属が残存、混入することを可及的に抑制できる。しかも、製造工程の増加を防止できると共に、長期安定分散性を有する量子ドットを得ることができる。
なお、電子受容体は、金属アミドの分解温度以下では機能せず、上述した式(1)の反応が、たとえば280℃の温度で進行する場合、反応温度を280℃以上とする際に有効である。これは、反応温度を上げることによってコアの合成速度を向上できるので、合成直後のコアの平均粒径が増大するという効果を利用することを意味する。つまり、製造する量子ドット分散液の平均粒径を制御する目的で電子受容体を用いることができる。当然ではあるが、金属アミドの分解温度の相違や、反応溶液の熱履歴による反応挙動の相違によって、電子受容体の効果が発揮される下限温度は変化する。
次に、上記反応溶液を反応容器(図示省略)に収容し、反応容器に付設されたヒータ等の加熱手段(図示省略)を用いて反応溶液を所定の第1温度に加熱する。第1温度は、たとえば、100℃〜600℃の範囲内で設定することができる。この加熱により、第1化合物と金属アミドとを加熱反応させることで、コア1となる金属窒化物ナノ粒子が合成される。
反応容器や加熱手段としては、公知の構造を有するものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、反応容器内に窒素含有ガスであるアンモニアガスや窒素ガスを導入しながら加熱反応させることで、窒素の供給量を増加できると共に、金属アミドの分解反応を抑制できる。これにより、コアを効率よく合成できる。
また、反応容器内で、化合物(第1化合物)と、金属アミドと、分散剤と、可溶化剤と、電子受容体と、溶媒とを混合して反応溶液を調製してもよい。しかしながら、金属アミドと接触する前に、第1化合物、分散剤、可溶化剤及び電子受容体を混合する方が、プロトンと金属アミドとの反応が抑制され、ロスを抑制できるのでより好ましい。
(抽出製法)
反応溶液を第1温度にて所定時間保持した後、反応溶液を室温まで冷却する。保持時間は、たとえば、1分〜240分の範囲内に設定することができる。冷却方法としては、自然冷却でもよいし、反応容器に冷媒(たとえば冷却水)を循環させる強制冷却でもよい。冷却後の反応溶液に酸解離定数pKaが4.5より大きく、官能基の末端に水素を有する物質をエタノールと共に加えることで、分散剤で覆われた量子ドットを抽出する。当該物質としては、オレイン酸又はドデカンチオールを用いることができる。このように、酢酸よりも弱酸を使用し、冷却後の反応溶液に存する金属に対して反応させ、電離金属塩溶液とすると共に、量子ドット表面に対して弱結合して量子ドット相互の凝集を妨げるキャップ剤となる。つまり、遠心分離、デカンテーションを行い、目的とする中間生成物である沈降物を分離した際に、沈降物中に量子ドット以外の金属をXPS/EDXに検出させない効果を持つと共に、次の最終工程にて量子ドット分散液とした際に、凝集を抑制する効果を持ち、液中の平均粒子径測定値の劣化を抑制することができる。このように量子ドット以外の金属を除去する工程は必要に応じて繰り返し行うことができる。
ところで、従来の抽出製法では、量子ドット以外の金属(副生成物として生成されたインジウム金属)を除去する工程(以下、洗浄工程とも呼ぶ)にて硝酸を用いる場合がある。この場合は、硝酸がその表面であるシェル2に対して著しい欠陥を生じさせると考えられ、たとえば、コア1を窒化インジウムとした金属窒化物ナノ粒子の場合、蛍光を発しないナノ粒子を多数製造してしまう。その結果、製造時間や製造コストの増加を招いていた。
これに対して、本発明の製法では、可溶化剤として、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(tri-n-octylphosphine oxide:TOPO)とオレイルアミン(oleyl amine:OLA)を用いたことにより、副生成物としてインジウム金属が生成しないので、金属インジウムによる汚染(窒化インジウムナノ粒子分散液に対し、金属インジウムのみからなるナノ粒子混入による純度低下)が解消される。ゆえに、本発明によれば、従来必要であった金属インジウムを除去するための洗浄工程が不要となる。
また、本発明によれば、窒化物コロイド量子ドットのサイズ分布を改善することも可能となる。
したがって、本発明は、製造工程の短縮、および、製造歩留まりの向上を図ることが可能な、金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法をもたらす。
最後に、この抽出した分散剤で覆われた量子ドットを分散媒中に分散させる。これにより、1週間以上安定に分散できる量子ドット分散液が得られる。分散媒としては、炭素数が6〜18である有機溶媒を用いることが好ましく、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカンのような主鎖の炭素数が6〜18である長鎖アルカン;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデセンのような環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼンのような芳香族炭化水素;ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオールのようなアルコール;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、フェニルエーテルのようなエーテル;ジメチルホルムアミド、N−N’−ジメチルプロピレン尿素、トリス(N,N−ジメチルアミノ)ホフフィンオキシド、ジアザビシクロウンデセン、を単独で又は混合して用いることができる。
ところで、金属アミドとしてナトリウムアミドを用いる場合を例に説明すると、第1化合物とナトリウムアミドとを加熱反応させて金属窒化物で構成されるコア1を合成するとき、ナトリウムアミドが下記の式(2)のように分解して電子が生じる。
この電子は、反応溶液に含まれる電子受容体の還元反応に使用されるため、第1化合物の還元反応が抑制される。したがって、量子ドット分散液に金属が残留し、混入することを可及的に抑制できる。
以上、説明した実施形態によれば、コア1を金属窒化物で構成することで、InN/ZnSで構成されるコアシェル型量子ドットと同等の発光波長で発光可能なInNのコア1のみからなる量子ドットQDが得られる。しかも、当該量子ドットQDは、量子ドット以外の金属(副生成物として生成されたインジウム金属)を溶解させて除去する工程(以下、洗浄工程とも呼ぶ)が不要であり、かつ、窒化物コロイド量子ドットのサイズ分布を改善することも可能であることから、製造工程の短縮、および、製造歩留まりの向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
以下では、本発明の実施形態を具体的に確認するため行った実験例(金属窒化物ナノ粒子の合成および評価)について説明する。
<金属窒化物ナノ粒子の合成例>
(実験例1)
実験例1は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用せず、コア1をInNとした金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法について説明する。以下において、TOPOは「トリ-n-オクチルホスフィンオキシド」を、OLAは「オレイルアミン」を意味する。
化合物(第1化合物)としてヨウ化インジウム(0.05g、0.1mmol)を、金属アミドとしてナトリウムアミド(0.04g、1mmol)を、可溶化剤としてTOPO(0.5mL、0.11mmol)およびOLA(0.1mL、0.03mmol)を、10mLバイアル(容器)中の1.5mLのフェニルエーテル(1.5mL)と混合し、220℃(150℃/分)、0.15MPaで加熱し、温度を10分間維持してから、室温(RT)まで冷却して、反応溶液を作製した。
次に、0.5mLのオレイン酸(OA)を加え、混合物を室温(RT)で撹拌してリガンドを交換し、過剰のナトリウムアミドを除去した。
次いで、QDを20mLのエタノールを用いて沈殿させ、6000rpmで3分間の遠心分離によって回収し、シクロヘキサン中の分散液で3回洗浄した。
冷却された反応溶液には、従来法では反応溶液に残存していた副生成物(金属インジウム)が存在せず、副生成物による汚染が無いことが分かった。これにより、従来法では必要であった操作(反応溶液に希硝酸を加え、反応溶液に残存する副生成物を希硝酸により取り除く操作)が不要であることが確認された。
冷却された反応溶液に含まれる、InNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させた。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて、金属窒化物ナノ粒子(量子ドット)分散液を得た。
上述した反応溶液に残存していた副生成物(金属インジウム)が存在せず、副生成物による汚染が無いという効果は、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(TOPO)が0.05mL(0.011ミリモル)〜2mL(0.44ミリモル)の範囲内、オレイルアミン(OLA)が0.01mL(0.003ミリモル)〜1mL(0.3ミリモル)の範囲内、にあれば得られることが分かった。
(実験例2)
実験例2は、可溶化剤として「TOPOのみ」を用いた点のみ実験例1と異なる。他の条件は実験例1と同一とした。
この結果、冷却された反応溶液には、従来法と同様に反応溶液に副生成物(金属インジウム)が残存することが分かった。これにより、従来法では必要であった操作(反応溶液にエタノールを加え、反応溶液に残存する副生成物をエタノール中に分散させる操作)が必要であることが確認された。
冷却された反応溶液に含まれる、InNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させた。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて、金属窒化物ナノ粒子(量子ドット)分散液を得た。
実験例1および実験例2の結果から、可溶化剤がTOPOのみの場合(OLAを含まない場合)と比較すると、TOPOおよびオレイルアミン(OLA)を加えた場合の結果は粒度分布が狭くなる効果が得られている。粒子同士の結着(凝集)を防ぐ効果であると考えられる。
(実験例3)
実験例3は、可溶化剤として「OLAのみ」を用いた点のみ実験例1と異なる。他の条件は実験例1と同一とした。
この結果、冷却された反応溶液には、従来法と同様に反応溶液に副生成物(金属インジウム)が残存することが分かった。これにより、従来法では必要であった操作(反応溶液に硝酸を加え、反応溶液に残存する副生成物を硝酸中に分散させる操作)が必要であることが確認された。
冷却された反応溶液に含まれる、量子ドットを遠心分離により沈降させた。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて、金属窒化物ナノ粒子(量子ドット)分散液を得た。
実験例3の結果から、可溶化剤がOLAのみの場合(TOPOを含まない場合)には、反応溶液に副生成物が残存し、本発明の作用・効果は得られないことが分かった。
(実験例4)
実験例4は、結晶成長抑制剤(HMDS)を使用して、コア1をInNとした金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法について説明する。実験例4は、さらに結晶成長抑制剤(HMDS)を用いた点のみ実験例1と異なる。他の条件は実験例1と同一とした。
化合物(第1化合物)としてヨウ化インジウム0.050g(0.1ミリモル)と、金属アミドとしてナトリウムアミドを0.04g(1ミリモル)と、可溶化剤としてトリ-n-オクチルホスフィンオキシド(TOPO)を0.44g(1.14ミリモル)およびオレイルアミン(OLA)と、ドデカンチオール0.02g(0.3ミリモル)と、結晶成長抑制剤としてHMDS(0.3ミリモル)、溶媒としてDOWTHERM A2mlとを反応容器内で混合して反応溶液を調製した。この反応溶液を220℃(第1温度)まで急速に(150℃/min)加熱して10分保持した後、反応溶液を室温まで冷却した。
冷却された反応溶液には、従来法では反応溶液に残存していた副生成物(金属インジウム)が存在せず、副生成物による汚染が無いことが分かった。これにより、従来法では必要であった操作(反応溶液に希硝酸を加え、反応溶液に残存する副生成物を希硝酸中に分散させる操作)が不要であることが確認された。
冷却された反応溶液に含まれる、InNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させた。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて、金属窒化物ナノ粒子(量子ドット)分散液を得た。
この結果、冷却された反応溶液には、従来法では反応溶液に残存していた副生成物(金属インジウム)が残存せず、副生成物による汚染が無かった。これにより、従来法では必要であった操作が不要となった。
また、結晶成長抑制剤(HMDS)を加えたことにより、作製された量子ドット(金属窒化物ナノ粒子)は、励起光の連続照射により蛍光を発光するものとなる。
(実験例5)
実験例5は、金属窒化物ナノ粒子として「InN」に代えて「GaInN」を用いた点のみ実験例1と異なる。他の条件は実験例1と同一とした。
この結果、冷却された反応溶液には、従来法では反応溶液に残存していた副生成物(金属インジウム)が存在せず、副生成物による汚染が無いことが分かった。これにより、従来法では必要であった操作が不要であることが確認された。
冷却された反応溶液に含まれる、GaInNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させた。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて、金属窒化物ナノ粒子(量子ドット)分散液を得た。
以上の結果から、InNに代えてGaInNからなる金属窒化物ナノ粒子においても、本発明の製法は有効であることが確認された。
(実験例6)
実験例6は、金属窒化物ナノ粒子として「InN」に代えて「GaN」を用いた点のみ実験例1と異なる。他の条件は実験例1と同一とした。
この結果、冷却された反応溶液には、従来法では反応溶液に残存していた副生成物(金属インジウム)が存在せず、副生成物による汚染が無いことが分かった。これにより、従来法では必要であった操作が不要であることが確認された。
冷却された反応溶液に含まれる、GaNで構成されるコアのみからなる量子ドットを遠心分離により沈降させた。この沈降物を分散媒としてのシクロヘキサン中に再分散させて、金属窒化物ナノ粒子(量子ドット)分散液を得た。
以上の結果から、InNに代えてGaNからなる金属窒化物ナノ粒子においても、本発明の製法は有効であることが確認された。
なお、実験例5および実験例6と同様の結果が、金属窒化物ナノ粒子を「InN」に代えて、AlN、AlInN、ZnInN、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、及びZnSiNから選択される1種とした場合でも得られることが分かった。
<金属窒化物ナノ粒子の評価例>
(評価例1)
図4は、本発明の製法により作製された各量子ドットの評価結果1である。
図4において、(a)各量子ドットのXRDパターンを示すグラフであり、(b)各量子ドットを含むシクロヘキサン溶液の分散を示す写真である。(b)において、左側パネル、中央パネルおよび右側パネルは順に、OLA-InN QDの場合、TOPO-InN QDの場合、およびTOPO / OLA-InN QDの場合を表している。
図5は、本発明の製法により作製された各量子ドットの評価結果2である。
図5において、(a)はOLA-InN QDのTEM像、(b)はTOPO-InN QDのSTEM-HAADF画像、(c)はTOPO / OLA-InN QDのSTEM-HAADF画像、を表している。(b)および(c)の挿入図は、QDのサイズ分布ヒストグラムと、対応する標準偏差およびそれらの平均数直径(MN)である。(d)はTOPO-InN QDの拡大TEM像であり、(e)はTOPO / OLA-InN QDの拡大TEM像である。
図4のX線回折(XRDパターン)と図5の透過型電子顕微鏡(TEM写真)を用いて結晶構造およびサイズ分布を同定したところ、本発明の製法により作製されたInN量子ドットは六方晶系InN(h−InN)と同様であることが明らかになった。
図6は、本発明の製法により作製された各量子ドットの評価結果である。
図6において、(a)はSi基板上に形成されたTOPO-InN QD薄膜のXPSスペクトルであり、UV-Vis-NIR吸収分光法により測定した。(b)はInNバルクとTOPO-InN QD薄膜のエネルギーを比較するグラフであり、X線光電子分光法(XPS)を用い、光エネルギーギャップおよび価電子帯最大値(EVBM)が測定された。
図7は、本発明の製法により作製されたナノ結晶の直径(横軸)とエネルギーギャップ(縦軸)との関係を示すグラフである。図7は、電気構造を評価するためのEMAの計算に基づいて、QD半径に対するエネルギーギャップをプロットしたものである。
以上の図4〜図7に示した結果より、InN量子ドットの新しい合成法の適用性が実証された。
図8は、本発明の製法により作製されたTOPO-InN QDおよびTOPO / OLA-InN QDにおけるナノ結晶の直径とその標準偏差、エネルギーギャップに関する一覧表である。
<実験>
(化学薬品)
ヨウ化インジウム(99.99%)はKojundo Chemical Laboratory Co., Ltd. から購入した。ナトリウムアミド(98%)はSigma-Aldrichから購入した。
オレイルアミン(> 50.0%、OLA)、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(> 95.0%、TOPO)およびフェニルエーテル(> 99%)は東京化成工業(株)から購入した。
オレイン酸(> 85%、OA)およびシクロヘキサン(99.5%)は関東化学株式会社から購入した。
OLAは蒸留後に使用したが、他の化学物質はそれ以上精製せずに使用した。
(OLA-InN量子ドットの合成)
OLA-InN量子ドットは、以前に記載された方法に従っていくつかの修正を加えて合成した(先行文献7)。ヨウ化インジウム(0.05g、0.1mmol)、ナトリウムアミド(0.04g、1mmol)およびOLA(0.1mL、0.03mmol)を、10mLバイアル(容器)中の1.5mLのフェニルエーテル(1.5mL)と混合し、220℃(150℃/分)、0.15MPaで加熱し、温度を10分間維持してから、室温(RT)まで冷却した。
次に、0.5mLのオレイン酸(OA)を加え、混合物を室温(RT)で撹拌してリガンドを交換し、過剰のナトリウムアミドを除去した。
次いで、QDを20mLのエタノールを用いて沈殿させ、6000rpmで3分間の遠心分離によって回収し、シクロヘキサン中の分散液で3回洗浄した。
(TOPO-InN量子ドットの合成)
TOPO-InN量子ドットの合成は、0.03mmolのOLAに代えて0.5mL(0.11mmol)のTOPOを使用した点のみ、前述した「OLA-InN量子ドットの合成」と異なる。その他の点は「OLA-InN量子ドットの合成」と同一である。
図4(a)に示したX線回折(XRD)パターンは、CuKαX線源(λ=1.5418Å)を備えたBruker D8 DISCOVERを用いて得られた。
X線回折(XRD)パターンを得るための試料は、ガラス基板上にシクロヘキサン中に分散した精製QDをドロップキャスティングすることによって調製した。
図5に示した透過電子顕微鏡(TEM)および高角度環状暗視野走査TEM(STEM-HAADF)画像は、200kVで動作するJEOL JEM-ARM200F顕微鏡を用いて得られた。
TEM試料は、希釈したQDを炭素被覆200メッシュの銅グリッド上に滴下することによって調製した。
図6(a)に示したXPSスペクトルは、JASCO V-770 UV-Vis-NIR分光光度計を用いて、シクロヘキサン中に分散したQDのUV-Visスペクトルを1cmの経路長の石英キュベットに記録したものである。図6(b)に示したXPSスペクトルは、224.0eVのパスエネルギーおよび0.1eVのステップサイズを有するULVAC-PHI Quantera SXMを用いて得られた。その際、すべての結合エネルギーは、C 1(284.8eV)を用いて較正した。
<ディスカッション>
図4(a)は、各量子ドットのXRDパターンを示すグラフであり、顕微鏡スライド上のInN量子ドットの面外XRDパターンを示したものである。
OLA-InN量子ドットのXRDパターンでは、インジウム金属に対応するピークが以前の報告と同様に観察された(先行文献7)。
この現象は、ナトリウムアミドの分解中に生成された電子によるInNの減少のために起こるものである。
リガンドとしてTOPOを添加すると、インジウム金属からのXRDピークは消失し、TOPO分子は生成された電子がナトリウムアミド分解を取り囲むことを妨げた。
ここで、リガンド(ligand)とは、特定の受容体(receptor)に特異的に結合する物質のことである。リガンドが対象物質と結合する部位は決まっており、選択的または特異的に高い親和性を発揮する。
図4(b)は、各量子ドットを含むシクロヘキサン溶液の分散を示す写真であり、InN QDシクロヘキサン溶液の濃度〜5mg / mLの画像である。
図4(b)において、左側パネル、中央パネルおよび右側パネルは順に、OLA-InN QDの場合、TOPO-InN QDの場合、およびTOPO / OLA-InN QDの場合を表している。
OLA-InN QDは均一な分散を示さず、灰色の金属沈殿物が形成された。
これに対して、OLA-InN QDはシクロヘキサン中で1ヶ月以上安定して分散を示した。
TOPO / OLA-InN QDも、OLA-InN QDと同様の均一分散を示した。これは、TOPOの大きな双極子モーメント4.51D、フェニルエーテルへのNaNH 2の可溶化、凝集からのQDの防止、および反応時間の短縮に起因すると思われる。
図5は、本発明の製法により作製された各量子ドットの評価結果2である。
図5において、(a)はOLA-InN QDのTEM像、(b)はTOPO-InN QDのSTEM-HAADF画像、(c)はTOPO / OLA-InN QDのSTEM-HAADF画像、を表している。(b)および(c)の挿入図は、QDのサイズ分布ヒストグラムと、対応する標準偏差およびそれらの平均数直径(MN)である。(d)はTOPO-InN QDの拡大TEM像であり、(e)はTOPO / OLA-InN QDの拡大TEM像である。
図5(a)は、Cuグリッド上に載置されたOLA-InN量子ドットのTEM画像を示している。 QDには、インジウム金属副産物のXRDピークの起源である球状のインジウム金属粒子20〜40nmが含まれていた。
図5(b)に示すように、TOPO-InN量子ドットは2〜3個の粒子からなる凝集体であり、直径MNが4.2nmであり、標準偏差σが約43%であった。図5(a)に観察されたインジウム金属の粒子は、図5(b)では同定されなかった。
図5(a)と図5(b)の結果から、TOPOは、インジウム金属の生成を妨げるのに有効であることが判明した。
図5(c)は、TOPO / OLA-InN量子ドットのSTEM-HAADF画像を表している。図5(c)から、TOPO / OLA-InN量子ドットは、OLA-InN 量子ドットと比較して、インジウム副生成物を含まないことが確認された。
図5(c)に示すように、TOPO / OLA-InN量子ドットは、直径MNが3.5nm、標準偏差σが約34%であった。TOPO / OLA-InN量子ドットにおけるサイズ分布の改善は、TOPOおよびOLAリガンドの共添加後のTOPAより長いOLAアルキル鎖に起因する可能性があり、他のQDに対する強い反発力に起因すると考えられる。
以上の結果から、TOPOとOLAは、InN量子ドットの合成の間に異なる役割を果たしていると考えられる。
図5(d)および図5(e)は、TOPO-InN量子ドットおよびTOPO / OLA-InN量子ドットの拡大TEM画像である。図5(d)および図5(e)において、格子パラメータが0.31nmおよび0.29nmの結晶粒子は、InN格子間隔の(100)および(002)格子縞にそれぞれ対応する。
このように、これらの粒子はInNの励起子ボーア半径(8nm)以下の高結晶性およびナノ粒子半径を示すQDを定義した。
図6(a)はシリコン基板上のTOPO-InN QD膜のXPSスペクトルの価電子帯端部領域を示すグラフであり、図6(b)はInNバルクとTOPO-InN QDとの間のエネルギーレベルの比較を示すグラフである。
図6(a)および図6(b)より、TOPO / OLA-InN QDは、OLA-InN QDと比較して、インジウム副生成物を含まないことが分かった。
さらに、TOPO / OLA-InN量子ドットでは、直径がMN3.5nmであり、標準偏差σが約34%であることから、TOPO / OLA-InN量子ドットのサイズ分布の改善は、TOPOおよびOLAリガンドの共添加後のTOPOより長いOLAアルキル鎖に起因する可能性があり、他のQDに対する強い反発力に起因すると考えられる。
したがって、TOPOとOLAは、InN量子ドットの合成の間に異なる役割を果たすように思われた。
図6(a)は、ドロップキャスティングによって製造されたSi基板上のTOPO-InN QD薄膜のXPSスペクトルを表すグラフである。
半導体の場合、最小結合エネルギーを有する検出された電子は、最も浅い価電子帯エネルギー領域に位置していた。
したがって、検出された第1上昇区間の外挿点をEVBMとした
XPSスペクトルの起源は、−5.2eVのニッケルの仕事関数とみなされることから、外挿点がEVBMの位置を−6.2eVに示すように定義した。
しかしながら、TOPO-InN量子ドットは、標準偏差が42%の広範なサイズ分布を示し、各粒子は、量子サイズ効果のためわずかに異なるエネルギーしか示さない筈である。
図6(b)は、InNバルクとTOPO-InN QDのエネルギーの比較を示している。 InNバルクのEVBMは−6.5eVと報告されている。これに対して、TOPO-InN量子ドットのEVBMは−6.2eVに位置し、InNバルクのEVBMよりも約0.3eVほど浅いことが分かった。
この現象は、リガンドからQDへの電荷移動に起因しており、EVBMシフトは、リガンド-QD界面双極子とリガンドの固有双極子モーメントの両方の寄与から生じたものと考えられる。
およそ1eVのEVBMシフトがリガンド交換によって報告されており、0.3eVのEVBMシフトが合理的であると考えられた。
また、伝導帯最大(ECBM)のエネルギーは、EVBMと光エネルギーギャップに基づいて−4.5eVと推定された。
図7は、 EMAで計算したInNのナノ結晶の直径に対するエネルギーギャップの依存性と、TOPO-InN QDおよびTOPO / OLA-InN QDの実験的な光エネルギーギャップをプロットしたグラフである。
図7は、TOPO-InN量子ドットとTOPO / OLA-InN量子ドットのInNと実験エネルギーギャップにおけるエネルギーギャップの粒径依存性を示している。
EMAは、以下の式(1)に示すように、ナノ粒子のハミルトニアンの固有値を解くことによって得られた。
式(1)において、m *とm *はそれぞれ電子と正孔の有効質量を、rはQDの半径を、μは減少した質量を表している。εはInNの比誘電率を、 εは真空の誘電率を表している。
式(1)において、第3の減算項は、1 / r依存性を有する励起子のクールラム相互作用エネルギーを表している。
式(1)において、第3項および第4項は、材料の高い誘電率のためにしばしば無視されるが、柱状相互作用を含むEMAを図7に破線で示した。
ここでは、エネルギーギャップの計算に以下の値を使用した。
例えば、Eg,bulk= 0.692;m *=0.055m0;m *=0.3m0;r=13.52 である。
TOPO-InN QDは、平均直径からのコロンビア相互作用を含む計算されたEMA値よりも広いエネルギーギャップを示した。しかしながら、QDは、光エネルギーギャップを調整することができる比較的大きなQDの広いサイズ分布を有する。
一方、TOPO / OLA-InN量子ドットの光エネルギーギャップは、表面に高密度電子(3〜5×1013cm−2)が存在することによるものと思われるが、 InNは、Moss-Bursteinシフトを達成した。この現象は、電子キャリア濃度を増加させることによって光エネルギーギャップがシフトしたためとする報告がある。
したがって、InN量子ドットの光エネルギーギャップは、量子サイズ効果だけでなく、クーロン相互作用およびモスバースト効果からも決定することができた。
図8は、本発明の製法により作製されたTOPO-InN QDおよびTOPO / OLA-InN QDにおけるナノ結晶の直径とその標準偏差、エネルギーギャップに関する一覧表である。
以上の結果より、InN量子ドットのサイズ分布は、TOPOおよびOLAを共にすることによって改善されることが分かった。
TOPOは、非極性有機溶媒中でのNaNH 2の可溶化を達成し、インジウム金属の副生成物を防止することが分かった。
さらに、OLAは、粒子分散がInNナノ粒子間の結合を妨害することを回避した。
さらに、XRD測定では、TOPO-InN量子ドットとTOPO / OLAInN量子ドットがh-InNと同定され、STEM画像では、h-InN格子間隔と完全に一致する単結晶であることが確認された。
Taucプロット分析およびXPS分析は、QDの光エネルギーギャップを明らかにし、EVBMは、リガンドからQDへの電荷移動のためにInNバルクよりも浅いレベルに位置することが分かった。
最後に、EMAを用いてQD半径に対するエネルギーギャップを計算した。 TOPO-InN QDおよびTOPO / OLA-InN QDのそれはクーロン相互作用を含むものと一致することが分かった。
本発明に係る金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法は、生成に要する反応時間の短縮を図ることができ、金属インジウムによる汚染が解消され、かつ、窒化物コロイド量子ドットのサイズ分布を改善することが可能であることから、金属窒化物ナノ粒子の量産化を図る場合に、広く適用することができる。特に、本発明は金属窒化物ナノ粒子をコアとする、量子ドットの作製に好適である。
QD 量子ドット、1 金属窒化物ナノ粒子(コア)、10 結晶核、2 シェル、3 分散剤、4 パッシベーション層、Ld 分散媒(溶媒)。

Claims (3)

  1. 金属窒化物ナノ粒子を分散媒中に分散させた金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法において、
    金属を含有する化合物と、窒素供給源として機能する金属アミドと、可溶化剤と、溶媒とを混合して反応溶液を調製する工程と、
    前記反応溶液を所定温度に加熱し、前記化合物と前記金属アミドとを加熱反応させることにより、金属窒化物ナノ粒子を合成すると共に、加熱反応により生成される副生成物を前記可溶化剤により前記溶媒に分散させる工程と、
    合成後の反応溶液から金属窒化物ナノ粒子を抽出して前記分散媒中に分散させる工程とを含み、
    前記金属窒化物ナノ粒子は、窒化インジウム(Indium-Nitride:InN)であり、
    前記可溶化剤は、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド(tri-n-octylphosphine oxide:TOPO)とオレイルアミン(oleyl amine:OLA)である
    ことを特徴とする金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法。
  2. 前記反応溶液を調製する工程において、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン)からなる結晶成長抑制剤をさらに混合する
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法。
  3. 前記金属窒化物ナノ粒子が、InN(窒化インジウム)に代えて、
    GaInN、GaN、AlN、AlInN、ZnPbN、ZnSnN、ZnGeN、及びZnSiNから選択される1種である
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属窒化物ナノ粒子分散液の製造方法。
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