JP2020111382A - 歯磨き剤用容器 - Google Patents

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Yosuke Akutsu
洋介 阿久津
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Keisuke Nyu
啓佑 丹生
智啓 田口
Tomohiro Taguchi
智啓 田口
宏明 杉岡
Hiroaki Sugioka
宏明 杉岡
英亮 中本
Hideaki Nakamoto
英亮 中本
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Takayuki Ishihara
隆幸 石原
晋也 清藤
Shinya Seito
晋也 清藤
勇 大石
Isamu Oishi
勇 大石
航 吉田
Wataru Yoshida
航 吉田
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Abstract

【課題】歯磨き剤を速やかに排出することができ、しかも、容器内への歯磨き剤の残存を有効に抑制することが可能な歯磨き剤用容器を提供する。【解決手段】歯磨き剤が収容される容器1であって、下端部が閉じられている筒状胴部3を有していると共に、上端に筒状胴部3に比して小径であり且つ蓋材11により閉じられる内容物排出口9aを有している歯磨き剤用容器1において、筒状胴部3は、熱可塑性樹脂製の下地層23を内面に有しており且つ該内面に、歯磨剤に対する滑り性を向上させるための潤滑液による液層25が設けられており、下地層23の下側には、液層25を形成する潤滑液の拡散を抑制もしくは遮断する液拡散防止層21が設けられており、液層25と接触している下地層23の表面と液拡散防止層21との間隔が200μm以下であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、内面に液層が形成されている筒状胴部を備えた歯磨き剤用容器に関するものである。
最近になって、ケチャップやマヨネーズに代表される粘稠な内容物を収容するための容器であって、この容器の内面に、内容物に対する滑り性を備えた液体(潤滑液)の層を設けることにより、粘稠な内容物を速やかに排出させるという易滑落技術が、例えば特許文献1等で提案されている。
この特許文献1では、上記液体の層(潤滑液層)の下地となるプラスチック製下地層の下側に、該液層を形成する潤滑液の拡散を抑制若しくは遮断する液拡散防止層が設けられており、このような液拡散防止層の形成により、容器内面に設けられている潤滑液層を安定に保持している。
ところで、歯磨き剤は、研磨剤等の固形部を多く含む粘稠なペースト状固形物であり、練り歯磨きとも呼ばれ、チューブ形状の容器に充填されて使用される。このような歯磨き剤が収容されている容器は、一般に、未使用時には、洗面台等に倒立状態に置かれて保存されることから理解されるように、常に、歯磨き剤を容器の排出口部分に充満させ、歯磨き剤を速やかに排出し得ることや、歯磨き剤が容器の底部に残存せずに、できるだけ、その全量を使い切ることができるようにすることが求められている。
前述した特許文献1では、歯磨き剤に関しては全く記載されていないが、本発明者等は、このような易滑落技術は、歯磨き剤用の容器にも有効に適用でき、さらに、歯磨き剤用容器の形態等を工夫することにより、易滑落技術による内容物の排出性を歯磨き剤に最大限に発揮させ得ることを見出した。
特許第5673905号公報
従って、本発明の目的は、歯磨き剤を速やかに排出することができ、しかも、容器内への歯磨き剤の残存を有効に抑制することが可能な歯磨き剤用容器を提供することにある。
本発明によれば、歯磨き剤が収容される容器であって、下端部が閉じられている筒状胴部を有していると共に、上端に該筒状胴部に比して小径であり且つ蓋材により閉じられる内容物排出口を有している歯磨き剤用容器において、
前記筒状胴部は、熱可塑性樹脂製の下地層を内面に有しており且つ該内面に、歯磨剤に対する滑り性を向上させるための潤滑液による液層が設けられており、
前記下地層の下側には、前記液層を形成する潤滑液の拡散を抑制もしくは遮断する液拡散防止層が設けられており、
前記液層と接触している下地層の表面と前記液拡散防止層との間隔が200μm以下であることを特徴とする、歯磨き剤用容器が提供される。
本発明の歯磨き剤容器においては、
(1)前記液層は、下記式(1):
F=(cosθ−cosθ)/(cosθ−cosθ) (1)
式中、
θは、前記熱可塑性樹脂製の下地層表面での水接触角であり、
θは、前記液層を形成する潤滑液上での水接触角であり、
θは、前記下地層を形成する熱可塑性樹脂単体上での水接触角である、
で算出される液層被覆率Fが0.5以上に保持されていること、
(2)前記下地層がオレフィン系樹脂層であり、前記下地層が前記液層を形成する潤滑液を含み、該潤滑液が前記液層の供給源となっており、前記液層を形成している潤滑液が、食用油、脂肪酸トリグリセライド、フッ素系界面活性剤或いはシリコーンオイルであること、
(3)前記歯磨き剤用容器に充填される歯磨き剤は、密度(23℃)が1.1〜1.6g/cmのペースト状の固形物であること、
(4)前記内面を形成している下地層に加え、外面を形成している外面層及び2層以上の中間層を有しており、該中間層は、前記液拡散防止層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体層を含んでいること、
(5)歯磨き剤を充填せずに、容器内雰囲気が窒素置換され且つ相対湿度が100%に保持されるように密封された前記歯磨剤用容器についての酸素濃度を測定した時、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下、かつ、40℃75%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が2%以下であること、
が好ましい、
さらに、本発明の歯磨き剤用容器は、下記の形態を有していることが好適である。
(6)前記筒状胴部の上端部には、前記排出口を備えている首部が、該筒状胴部と一体に形成されているか或いは該筒状胴部に嵌合もしくはヒートシールにより連なっていること。
(7)前記首部に形成されている前記排出口の下端部には、側断面でみて、軸線方向に対して30〜70度に傾斜した傾斜面が設けられていること。
(8)前記排出口の内径D1は、2〜8mmの範囲にあること。
(9)前記筒状胴部は、長さLと最大内径Dmaxとの比L/Dmaxが1〜4の範囲にあること。
(10)前記筒状胴部は、最大内径Dmaxと最小内径Dminとの比Dmax/Dminが1〜3の範囲にあること。
(11)前記排出口の閉塞に使用される蓋材は、該容器を倒立保持し得る大きさの水平面を有していること。
(12)前記筒状胴部は、少なくとも一部が、容器の中心軸線に対して非対称な形状を有していること。
(13)前記筒状胴部の厚みが400〜800μmの範囲にあること。
(14)前記排出口の内径D1に対する前記筒状胴部の最大内径Dmaxの比Dmax/D1が4〜30の範囲にあること。
(15)前記筒状胴部の下端を閉じている底部の内面が曲率面となっていること。
本発明によれば、さらに、前記歯磨き剤用容器に前記歯磨き剤が充填され、前記蓋材により前記排出口が閉塞された歯磨き剤製品が提供される。
本発明の歯磨き剤用容器は、筒状胴部の内面が熱可塑性樹脂製の下地層となっており、この下地層の上に、歯磨き剤に対して滑り性を示す潤滑液の液層(潤滑液層)が形成されているため、この潤滑液層によって、筒状胴部の内面への歯磨き剤の付着残存が有効に防止され、さらには、歯磨き剤の容器からの排出性が著しく高められており、歯磨き剤を速やかに排出することができる。
また、本発明においては、上記の潤滑液層を保持している下地層の下方に潤滑液の拡散を防止する液拡散防止層が形成されているため、この潤滑液層の液層被覆率Fの経時的低下が有効に抑制され、長期間にわたって潤滑液層による滑り性向上効果が安定的に発揮される。
即ち、熱可塑性樹脂製の下地層の表面に潤滑液層が形成されている場合、この潤滑液が下地層内に浸透拡散していくため、表面に存在する潤滑液の量(潤滑液層の液層被覆率)が経時と共に減少し、この減少と共に、歯磨き剤に対する滑り性は低下していくこととなる。
しかるに、本発明では、上記の下地層の表面からの間隔が200μm以下となる位置に、潤滑液の拡散を抑制もしくは遮断する液拡散防止層が設けられている。即ち、この液拡散防止層の存在により、潤滑液層を形成している潤滑液量の低下、換言すると、潤滑液層の液層被覆率の低下が有効に防止され、歯磨き剤に対する優れた滑り性が長期にわたって安定に発揮されるわけである。例えば、上記の間隔が200μmよりも大きい場合には、下地層に浸透、拡散しえる潤滑液の量が多くなるため、この液拡散防止層の特性を十分に発揮させることができず、下地層中への浸透拡散により、潤滑液層の液層被覆率の経時的低下が大きく、潤滑液層による滑り性向上効果が経時的に低下してしまうこととなる。
このように、本発明の歯磨き剤用容器では、歯磨き剤に対する滑り性が高く、容器内への歯磨き剤の付着残存が有効に抑制され、粘稠な歯磨き剤を速やかに排出することができ、また、このような歯磨き剤に対する滑り性(排出性)は、長期にわたって安定に発揮される。
本発明の歯磨き剤用容器の概略側断面(a)及び筒状胴部の概略平断面(b)構造を示す概念図。 本発明の歯磨き剤用容器の筒状胴部の層構成の一例を示す概略図。 ダイレクトブロー成形により得られる本発明の歯磨き剤容器の形態の一例を示す側断面図。 ダイレクトブロー成形により得られる本発明の歯磨き剤容器における筒状胴部の形状の例を示す胴部側面断面図(a)及び胴部平面断面図(b)。
図1の概念図を参照して、本発明の歯磨き剤用容器は、全体として1で示されており、中空の筒状胴部3を有しており、この筒状胴部3の下端は、底部5により閉じられている(図1(a)参照)。この筒状胴部3の平断面は、円形であってもよいが、一般に、偏平した楕円形状を示し、その最大内径はDmax、最小内径はDminで示されている。また、この筒状胴部3の上部は、上方に向かって絞られた形状の首部7が設けられており、この首部7の上端には、内容物である歯磨き剤が排出される排出口9aを有する口部9が形成される。
また、上記の排出口9aは、蓋材11によって閉じられる構造となっている。
この蓋材11は、天板11aと、天板11aから降下したスカート壁11bを有しており、天板11aの内面には、排出口9aをシールするためのシールリング11cが設けられている。このシールリング11cは、蓋材11を閉じたとき、排出口9aの面(口部9の内面)或いは首部7の外周面に密着することにより、シール構造を確保するものである。
尚、上記の蓋材11は、例えば、首部7の外面等に螺条を設け、螺子係合により着脱自在に容器1に装着するような形態としてもよいし、首部7にヒンジ連結された形態を有するものであってもよい。蓋材11が首部7にヒンジ連結される場合には、この蓋材11は、首部7と一体に成形される。
尚、図1において、首部7は、筒状胴部3の上端に一体に連なった形態で示されているが、この首部7は、この容器1の成形方法に応じて、筒状胴部3とは別体となっており、筒状胴部3にヒートシールや嵌め込み等によって接合された形態を有するものであってもよい。
このような容器は、ダイレクトブロー成形、押出チューブ成形、或いはラミネート成形を利用して成形することができ、首部7や蓋材11は、この成形方法に適した形態を有している。
例えば、ダイレクトブロー成形により筒状胴部3を成形する場合には、首部7は、筒状胴部3とは別個に成形され、筒状胴部3内に歯磨き剤を充填した後に、筒状胴部3の上端に嵌合固定される。あるいは、押出したパリソンを用いて、首部7と筒状胴部3を同時に成形し、これとは別に成形したキャップを嵌合固定した後、筒状胴部3の底部を切り、底部側の開口部から歯磨き剤を充填し、その後、この開口部をヒートシールにより閉じることで容器1を製造することができる。また、押出チューブ成形では、両端に開口を有する中空筒を押出成形により成形した後、一方の開口部に、別個に成形された首部7をヒートシール等により接合し、蓋材11により排出口9aを閉じた状態で、他方の開口から歯磨き剤を充填し、その後、この開口部をヒートシールにより閉じることにより容器1が製造される。また、ラミネート成形では、所定の層構造を有するラミネートシートを押出成形等により成形し、このシートの端部同士をヒートシールして筒状胴部となるチューブを作成し、このチューブの一方の開口部に、上記と同様に別個成形された首部をヒートシールや圧縮成形等により接合し、その後、他方の開口部から歯磨き剤を充填し、最後に開口部をヒートシールすることにより、目的とする容器1を製造することができる。
<筒状胴部3の層構造>
本発明の歯磨き剤用容器1は、どのような成形法により製造される場合であっても、所定の層構造を有する。
この筒状胴部の層構造の一例を示す図2を参照して、この筒状胴部3は、中間層として、液拡散防止層21を有しており、この液拡散防止層21の内面側に下地層23が形成されており、下地層23の上に歯磨き剤に対して滑り性を示す液層25が設けられている。
また、液拡散防止層21の他方側の面には、外面層27が設けられている。
液拡散防止層21;
液拡散防止層21は、液層25を形成する液体(即ち、歯磨き剤に対して滑り性を示す潤滑液)の浸透・拡散を遮断するものであり、このような層を形成することにより、液層25により付与される歯磨き剤に対する滑り性が長期間にわたって安定に維持されることとなる。
即ち、液層25を形成する潤滑液が下地層23を通って筒状胴部3の内部に浸透・拡散してしまうと、液層25を形成している潤滑液が表面から内部に徐々に移行していくため、その液量が経時と共に減少し、この結果、液層25による歯磨き剤に対する滑り性が経時と共に失われていくこととなる。しかるに、液拡散防止層21を設けることにより、液層25からの潤滑液の浸透拡散が遮断されるため、液層25の液量減少が有効に抑制され、滑り特性の低下を回避することができる。
このような液拡散防止層21の材質は、液層25からの液の浸透拡散を防止し得るものであり、且つ筒状胴部への成形が可能である限り、特に制限されず、例えば金属箔、金属蒸着膜、セラミックス類などの無機材料から形成されていてもよいし、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)蒸着膜、熱硬化性樹脂などで形成されていてもよいが、これらの材料により液拡散防止層21を形成する場合には、筒状胴部3の成形が面倒であり、その形態が制限され、さらには且つコストの増大などの問題があるため、一般的には、熱可塑性樹脂により形成されていることが好ましい。即ち、熱可塑性樹脂は成形性が優れ、筒状胴部3の形態が制限されないからである。
上記のような液拡散防止層21を形成するための熱可塑性樹脂としては、密度が1.00g/cm以上であり且つガラス転移点(Tg)が35℃以上のもの、あるいは、結晶化度が0.5以上のものが使用される。即ち、このような熱可塑性樹脂は緻密であり、樹脂中での潤滑液の移動拡散が非常に制限されると考えられるため、潤滑液の浸透拡散を有効に抑制することができる。例えば、密度及びガラス転移点(Tg)が上記範囲を下回る樹脂では、液拡散防止層21がルーズな層となり、潤滑液の移動拡散の制限が弱まってしまい、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。また、結晶化度が0.5未満の樹脂では、樹脂中での潤滑液の移動拡散を制限する結晶成分が少なく、制限が弱まってしまうため、潤滑液の浸透拡散を効果的に防止することが困難となる。
尚、上記の熱可塑性樹脂は金属箔、金属蒸着膜などの無機材料と比較すると、液拡散防止性能は劣るため、液拡散防止層21の厚みを比較的厚くする必要があり、例えば2μm以上、特に5〜80μm程度の厚みで液拡散防止層21を形成することが好ましい。即ち、この厚みが薄すぎると液拡散防止能が不満足となってしまうおそれがあり、また過度に厚くしても、筒状胴部3が不必要に厚肉となってしまい、コスト的にもメリットが無いからである。
本発明において、上記のような密度及びガラス転移点(Tg)を有する熱可塑性樹脂は特に制限されないが、一般的には、エチレン・ビニルアルコール共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物)、芳香族ポリアミド及び環状ポリオレフィンなどのガスバリア性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸や液晶ポリマーのようなポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。例えば、このようなガスバリア性樹脂により液拡散防止層21を形成した場合には、液拡散防止層21に酸素などのガスの透過を防止するガス遮断性をも付与することができ、容器1内に収容された歯磨き剤の酸化劣化を防止することができ、極めて有利となる。中でもエチレン・ビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、最も好適である。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、一般に、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適であり、これらの中から、密度且つガラス転移点(Tg)が前述した範囲にあるものを選択的に使用するのがよい。
尚、前述したガスバリア性樹脂は、それぞれ単独で使用することもできるし、また、密度やガラス転移点(Tg)が前記範囲内にある限り、後述の実施例で示すように、ポリエチレン等のポリオレフィンとガスバリア性樹脂とをブレンドして液拡散防止層21を形成することもできる。
また、上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体により液拡散防止層21を形成する場合には、そのガスバリア性を十分に発揮させるために、予めラボ試験を行い、下記のようにして測定される酸素濃度増加量が一定の範囲内となるように、液拡散防止層21の厚みを設定することが好適である。
即ち、歯磨き剤を充填せずに、容器内雰囲気が窒素置換され且つ相対湿度が100%に保持されるように密封された前記歯磨剤用容器についての酸素濃度を測定した時、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下、格段に好ましくは0.1%以下、かつ、40℃75%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が2%以下である。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体により液拡散防止層21を形成する場合には、そのガスバリア性を十分に発揮させるために、この筒状胴部3の20℃での酸素透過度が、2.0cc/20μm・m・24hrs・atm以下となるような層構造とし、必要に応じて、その厚みを設定することが好適である。
ところで、上記のようなガスバリア性樹脂を液拡散防止層21として用いる場合には、下地層23(或いは外面層27)との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、液拡散防止層21に隣接して接着樹脂層(図示せず)を設けることが好ましい。これにより、液拡散防止層21をしっかりと下地層23或いは外面層27に接着固定することができる。即ち、ガスバリア性樹脂を液拡散防止層21として用いる態様では、基本的に、中間層として、液拡散防止層21以外に、1層或いは2層の接着樹脂層を設けることが好適である。
接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。このような接着剤樹脂層の厚みは、適宜の接着力が得られる程度でよく、一般的には、0.5乃至20μm、好適には1乃至8μm程度の厚みでよい。
また、本発明において、液拡散防止層21としては、金属箔なども使用することができるが、このような場合には、接着剤樹脂として、例えば、ドライラミネーション用やアンカーコート用、プライマー用として一般に用いられるものも使用することができる。例えば、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、イソシアネート樹脂などを用いることができる。これら接着剤樹脂は単独で使用してもよいし、また必要に応じ、ブレンドしてもよい。
また、本発明においては、上述した液拡散防止層21は、下地層23の表面(下地層23と液層25との界面)からの間隔dが200μm以下、好ましくは150μm以下の範囲となるように形成されているべきである。即ち、この間隔dが大きすぎると、液拡散防止層21により液の浸透拡散が防止されるとしても、液層25からの潤滑液が、液拡散防止層21と下地層23の表面との間に浸透し得る量が多量となってしまい、この結果、液層25の経時的消失を効果的に抑制することができなくなってしまう。
下地層23;
上述した液拡散防止層21の上に設けられる下地層23は、表面に形成される液層25が脱落しないように保持するための層である。即ち、液拡散防止層21の上に直接液層25を形成してしまうと、液層25を形成する潤滑液が浸透しないため、液層25の脱落を生じ易くなってしまい、一定の液層被覆率で液層25を安定に形成することが困難となってしまう。このため、下地層23を設け、この上に液層25を形成することが必要となる。
このように、下地層23は、液層25からの液の浸透をある程度許容し、液層25に対してアンカー効果を示すものである。従って、液拡散防止層21と比較すると、比較的ルーズな樹脂により形成され、例えば密度が1.0g/cmよりも小さい熱可塑性樹脂により形成される。
このような下地層23を形成するための熱可塑性樹脂としては、層を形成し得る程度の分子量を有し、密度が上記範囲内であれば特に制限されないが、一般的には、オレフィン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等であってもよい。本発明において、特に好適に使用される下地層23形成用オレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンであり、ポリエチレンが最適である。特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて下地層23を形成した場合には、筒状胴部3のスクイズ性も高く、粘稠な歯磨き剤の排出性の点でもより好適となる。
尚、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルは、下地層23の形成用樹脂としては、あまり適当でない。このようなポリエステルは、潤滑液に対する濡れ性が高く、薄く、且つ均一な厚みの液層25を形成するという点では問題は無いのであるが、潤滑液に対する保持性が乏しく、この液層25が流れ落ちてしまうからである。
また、上述した説明から理解されるように、この下地層23は、その表面(液層25との界面)と液拡散防止層21との間隔dが一定値以下となるように形成されるが、液層25に対して適度なアンカー効果を発現させるため、少なくとも5μm以上、特に10μm以上の厚みを有していることが好ましい。
さらに、本発明においては、上記のような下地層23に潤滑液をブレンドし、この下地層23を、液層25を形成する潤滑液の供給源とすることができる。即ち、前述した潤滑液に対する浸透拡散性の高い低密度の樹脂により形成されている下地層23に潤滑液をブレンドしておくことにより、後述する液層25を容易に形成することができる。下地層23の他方側は液拡散防止層21が形成されているために、下地層23にブレンドされている潤滑液は、下地層23の表面に滲出し、これにより、液層25を形成することができる。下地層23にブレンドする潤滑液の量は、一般に、表面に滲出して液層25を形成する潤滑液の量が0.1乃至50g/m、好ましくは0.3乃至30g/m、さらに好ましくは0.5至30g/mの範囲に維持されるように設定しておけばよい。
液層25;
筒状胴部3の内面に形成される液層25は、歯磨き剤に対して滑り性を示す潤滑液により形成されるが、当然のことながら、大気圧下での蒸気圧が小さい不揮発性の液体、例えば沸点が200℃以上の高沸点液体により潤滑液層25が形成される。揮発性液体では、容易に揮散して経時と共に消失し、潤滑液として機能させることができない。
液層25の形成に用いる潤滑液の具体例としては、上記のような高沸点液体であることを条件として、種々のものを挙げることができるが、歯磨き剤が親水性であり、このような親水性物質に対して滑り性を向上させるものであることから、食用油、脂肪酸トリグリセライド、フッ素系界面活性剤及びシリコーンオイルが代表的である。食用油としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などが挙げられる。
このような潤滑液から形成される液層25は、一般に、液量が0.1乃至50g/m、好ましくは0.3乃至30g/m、さらに好ましくは0.5至30g/mの範囲となるように形成される。即ち、液量が少ないと、十分な滑り性を付与することが困難となり、一方、液量が過度に多いと、液の脱落などを生じ易くなり、液量の変動が大きくなり、安定した滑り性を確保することができなくなるおそれがあるからである。
なお、特に本発明で用いる歯磨き剤に対しては、液量を1.5乃至20g/m、格段には、1.9乃至10g/mの範囲となるように形成することが好ましい。歯磨き剤は固形部を多く含む粘稠なペースト状固形物であり、一般的な流動性内容物とは異なる性状を示すため、充分な滑り性を発現するための好適な液量の範囲(下限値)が異なっている。また、20g/mより多い液量の範囲においては、滑り性が変わらないため、これ以上の液量とすることは大きな意味を持たないためである。
また、本発明においては、このような液層25は、潤滑液による滑り性を筒状胴部3の内面に安定に且つムラなく付与するために、下記式(1):
F=(cosθ−cosθ)/(cosθ−cosθ) (1)
式中、
θは、下地層23表面での水接触角であり、
θは、液層25を形成する潤滑液上での水接触角であり、
θは、下地層23を形成する熱可塑性樹脂単体上での水接触角である、
で算出される液層25の液層被覆率Fが0.5以上、好ましくは0.6以上となるように形成されるべきである。即ち、下地層23の表面での水接触角θと液層25上での水の接触角θが同じである場合には、液層被覆率Fは1.0であり、下地層23の全体が液層25で覆われていることになる。
例えば、液層被覆率Fが上記範囲よりも小さいと、潤滑液量が多量にあっても、内面に潤滑液が点在するような形態で液層25が形成され、十分な滑り性を発揮することが困難となってしまう。
ここで、上述の式(1)は、表面が2種類の成分(A、B)から形成された複合表面上における見かけの接触角θを表現するCassie−Baxterの式を変形して得られる。これは下記式で表現される。
cosθ=Fcosθ+Fcosθ
=Fcosθ+(1−F)cosθ
式中、
はA成分の割合を示し、FはB成分の割合を示し(但し、F+F=1)である、
θは、A成分単体上での水の接触角であり、
θは、B成分単体上での水の接触角である。
外面層27;
本発明において、液拡散防止層21の他方側に形成されている外面層27は、特に必要ではないが、一般に、筒状胴部3のスクイズ性を確保するために設けられる。
この外面層27の材質は、一般的には、各種熱可塑性樹脂や紙などから形成され、特に、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンを用いて外面層27が形成される。この場合、外面層27と液拡散防止層21との間に適宜接着材樹脂層を設けることもできるし、外面が上記の低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンにより形成されていることを条件として、外面層27中に、ガスバリア性樹脂層(液拡散防止層としても機能する)を設けることもできる。
<多層構造体の他の層構成>
本発明において、筒状胴部の層構成は、図2に示される層構成に限定されるものではなく、例えば下地層23と液拡散防止層21との間に液拡散調節層を設けることができる。
この液拡散調節層は、前述した液層25を形成する潤滑液を含むものである。この態様は、例えば、下地層23中に液層25を形成する潤滑液をブレンドしておき、下地層23からの潤滑液の滲出により潤滑液の液層25を形成する態様に好適に適用される。即ち、下地層23中の潤滑液は、液拡散調節層中にも浸透し拡散していくため、下地層23の表面に滲出する潤滑液の量を適度な範囲に調節し、過剰量の液の滲出を防止し、適正な液量で液層25を形成する上で有利である。また、下地層23中には液層25を形成する潤滑液をブレンドせずに、下地層23の表面に潤滑液を塗布等の操作により液層25を形成した場合にも好適に適用できる。即ち、下地層23に液層25を形成する潤滑液をブレンドせずに形成した場合、液層25を形成する液体は、時間経過とともに下地層23中に浸透し拡散することとなる。このような態様の場合、例えば、液拡散防止層21と下地層23の間に液拡散調節層を設けておくことにより、液拡散調節層に含まれている潤滑液が、液拡散調節層から下地層23中に拡散していく。その結果、液層25から下地層23に浸透し拡散する潤滑液量が低減されるため、液層25の液量を調節することが可能となる。
このような液拡散調節層を形成する樹脂は、液層25を形成する潤滑液を含んでいる限り、基本的にはどのような樹脂であってもよく、例えば、液拡散防止能を有していない樹脂を用いて液拡散調節層を形成することができるが、通常は、下地層23を形成する樹脂と同種の樹脂で液拡散調節層を形成するのがよい。
尚、上記のような液拡散調節層が設けられている場合も、液拡散防止層21と下地層23の表面との間隔dは前述した範囲にあるべきであり、このような範囲に間隔dが維持されていることを条件として、液拡散調節層の厚みtと下地層23の厚みtとの厚み比t/tは0.1〜10の範囲に設定することが液拡散調節層の機能を十分に発揮させる上で好ましい。
尚、上述した各種の層には、各層を形成する材料の種類に応じて、各層の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤などの添加剤が適宜配合されていてもよい。
歯磨き剤;
上述した容器1に内容物として収容される歯磨き剤は、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムなどの研磨剤、ラウリル酸ナトリウムなどの泡立て剤ないし発泡剤、グリセリン等の保湿剤、アルギン酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなどの結合剤を基本成分として含み、さらにフッ化物などの薬効成分を含んでおり、親水性であり、極めて粘稠なペースト状の固形物であり、その密度(23℃)は、一般に、1.1〜1.6g/cmの範囲にある。
即ち、本発明の容器は、ケチャップやマヨネーズなどに比しても極めて粘稠で密度の高い歯磨き剤を内容物として収容するものでありながら、筒状胴部3の内面に、所定の潤滑液により液層25が形成されているため、このような歯磨き剤を速やかに排出することができ、容器内への歯磨き剤の付着残存も有効に防止することができる。
しかも、本発明では、液層25を保持している下地層23の下側に液拡散防止層21が設けられているため、このような液層25の経時的消失が有効に防止されている。例えば、このような筒状胴部3を成形し、歯磨き剤が充填されていない状態で、大気圧下に保持しての液層持続試験を行ったとき、下記式(2):
ΔF=100×(F−F)/F (2)
式中、
は、試験開始から1日後の液層25の液層被覆率Fであり、
は、試験開始から14日経過後での液層25の液層被覆率Fである、
で表される被覆低下率ΔFが40%以下、特に20%以下、さらに10%以下に抑制される。即ち、液層25を形成した直後は勿論のこと、液層25を形成してから長期間経過後に上記の液層持続試験を行った場合にも上記のように抑制された被覆低下率ΔFを示す。従って、本発明では、長期間にわたって液層25により歯磨き剤に対する滑り性を安定に発揮させることが可能となる。
<容器の形態>
上述した層構造の筒状胴部3を備えた本発明の歯磨き剤容器1は、図1に示されている基本形態を有しており、首部7の内面には、排出口9aに連なる傾斜面7aが形成されるが、この傾斜面7aの軸線方向に対する傾斜角θは、30〜70度の範囲にあることが好適であり、このような傾斜角度の傾斜面が形成されていることにより、例えば、この容器1を倒立状態に保持した時、内容物である歯磨き剤が、より速やかに排出口9aに向かって流れ、優れた排出性を確保することできる。例えば、この傾斜角度θが30度よりも小さい場合には、首部7のハイトが必要以上に長くなり、好ましくない。また、傾斜角度θが70度よりも大きくなると、内容物が排出口9aに向かって流れにくくなる。
また、上記の排出口9aの内径D1は、2〜8mmの範囲にあることが好ましい。この内径D1が2mmよりも小さくなると、筒状胴部3の外面を押圧して歯磨き剤を押し出す際、大きな押圧力が必要となってしまい、使用性が低下するおそれがある。また、内径D1が8mmを超えると、歯磨き剤量が少なくなってきたときに、筒状胴部3の外面を押圧して歯磨き剤を押し出すと、歯磨き剤と共に空気が一緒に押し出され、歯磨き剤が飛び散ってしまうという不都合を生じ易くなる。
さらに、筒状胴部3は、長さLと最大内径Dmaxとの比L/Dmaxが1〜4の範囲にあることが、歯磨き剤を押し出す上で最も好ましい。ここで、筒状胴部3の長さLとは、絞られていない部分、即ち、最大内径Dmaxを示す領域での長さであり、上方の首部7や底部5の領域を含まない部分での長さを意味する。
即ち、L/Dmaxが上記範囲内にあるときに、筒状胴部3の外面全体をほぼ均等に把持して押圧することができ、この押圧により、容器1内に収容されている歯磨き剤が偏在してしまう不都合を有効に防止することできる。歯磨き剤が偏在していると、歯磨き剤と共に空気が一緒に押し出され、歯磨き剤が飛び散ってしまうという不都合を生じ易くなるが、L/Dmaxが上記範囲内に設定することにより、このような不都合をより確実に防止することができる。
また、上記の筒状胴部3の最大内径Dmaxと最小内径Dminとの比(Dmax/Dmin)は、1〜3の範囲にあることが、押圧による内容物の押出排出性の点で好ましい。
さらに、本発明において、蓋材11の天板11aの上面は、この容器1を倒立したとき、倒立状態が安定に保持し得るような大きさの水平面が形成されていることが好適である。
上述した形態を有する容器1(及び蓋材11)は、先にも述べたように、ダイレクトブロー成形、押出チューブ成形、ラミネート成形により製造され、液膜25は、歯磨き剤の充填に先立って、筒状胴部3の内面にスプレー噴霧等により潤滑液を塗布することにより形成することもできるし、或いは、下地層23或いは前述した液拡散調節層を形成する樹脂中に潤滑液をブレンドして各種の成形を行うことによって形成することもできる。
上述した歯磨き剤用容器は、ダイレクトブロー成形、押出チューブ成形、或いはラミネート成形を利用して成形することができるが、特に筒状胴部3を、歯磨き剤の排出に最も適した形態に、2次加工を行わずに成形し易いという観点から、ダイレクトブロー成形が最も適している。また、ラミネート成形は、前述した液拡散防止層21として、アルミ箔や蒸着フィルムなどを用いることができるという利点がある。
図3には、このようなダイレクトブロー成形により成形された歯磨き剤用容器1の側断面形状が示されている。
この歯磨き剤用容器1は、基本的な構造は図1に示されているとおりであるが、底部5により閉じられている筒状胴部3は、ダイレクトブロー成形により成形されており、筒状胴部3の上端は、若干絞られて小径となっている嵌合部3aが形成されている。この嵌合部3aに、別個成形された首部7が嵌合固定されている。
図3において、上記の首部7には、排出口9aを備えた口部9が形成されており、この首部7には、蓋材11がヒンジバンド30により首部7と一体に成形されている。即ち、この蓋材11は、倒立保持に適したフラットな水平面を有する天板11a及びスカート部11bを備えており、天板11aの内面には、シールリング11cが形成されており、蓋材11を旋回して閉じたとき、このシールリング11cが排出口9aの面に密着して、密封性が確保されるようになっている。
このようなダイレクトブロー成形により得られる筒状胴部3は、前述した液層25を除くすべての層が熱可塑性樹脂で形成されており、この筒状胴部3の厚みが400〜800μmの範囲にあることが好適である。即ち、厚みがこのような範囲にあることにより、筒状胴部3を押圧することにより、該胴部3が速やかに凹んで内容物である歯磨き剤が排出口9aから押し出され、押圧を停止すると、胴部3は凹んだ状態から初期形状に速やかに復帰し、胴部3内が負圧となり、排出口9aの近辺に存在している歯磨き剤が筒状胴部3内に落下することとなる。
このようなダイレクトブロー成形により得られる容器1において、排出口9aの内径D1に対する筒状胴部3の最大内径Dmaxの比Dmax/D1が4〜30の範囲にあることが好適である。即ち、この比が4よりも小さいと、胴部3を押圧した時に、大量の歯磨き剤が一気に排出され、飛散してしまうおそれがある。また、上記の比が30よりも大きいと、この胴部3を把持し難くなり、使用性が低下してしまうこととなる。
従って、かかる容器では、上記の点を考慮して、一般に、排出口9aの内径D1が2〜8mm、筒状胴部3の最大径Dmaxが20〜60mm程度に設定される。
また、図3の容器においては、筒状胴部3の下端を閉じている底部5の内面が曲率面となっていることが好適である。即ち、底部5を曲率面とすることにより、底部5の内面と接触している歯磨き剤が、容易に排出口9a側に落下し、歯磨き剤を残存させることなく、より確実に使い切ることができる。また、このような曲率面とすることにより、一般の使用者は、この歯磨き剤容器1が倒立保持に適していることを視認することができる。
尚、このような底部5の曲率面形状を形成するためには、押出チューブ成形やラミネート成形では2次加工が必要となるが、エア等の吹込みにより賦形を行うダイレクトブロー法では、2次加工を行うことなく、このような形態を形成することができる。
さらに、本発明においては、図4の側面断面図(a)及び平面断面図(b)(X−X断面)に示すように、筒状胴部3の少なくとも一部を、容器の中心軸線Oに対して非対称な形状とすることができる。
即ち、筒状胴部3を非対称な形状としたとき、倒立形状に保持されている容器1の筒状胴部3を押圧して歯磨き剤を排出するとき、歯磨き剤には偏荷重が加わることとなり、大きな荷重が加わる部分が生じるため、筒状胴部3の内面から歯磨き剤の一部が離脱し、筒状胴部3の内面と歯磨き剤との間に微小な空隙が形成される。この結果、歯磨き剤の押出に際して、エアが底部5側に流れ易くなり、粘稠な歯磨き剤の排出をより速やかに行うことができる。
このように、筒状胴部3の内面に潤滑液の液層25が形成されている本発明の歯磨き剤用容器1は、上記のような形状とすることにより、粘稠なペースト状固形物である歯磨き剤の排出を、よりスムーズに行い、且つ容器1内への歯磨き剤の残存も有効に抑制することができる。
本発明の優れた効果を、次の実験例により説明する。
1.容器の層構成および筒状胴部の厚み測定
後述の方法で成形した歯磨き剤用容器(ボトル)の底から70mmの位置での筒状胴部の水平断面における層構成を偏光顕微鏡にて観察し、各層の厚みを求めた。断面に対し、0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°、330°の位置での構成を観察し、12方向での平均値を容器(ボトル)の層構成比を求めた。得られた各方向の全層の合計を12方向で平均化したものを筒状胴部の厚みとした。さらに、下地層表面と液拡散防止層との間隔を測定した。
2.酸素透過性評価
後述の方法で成形した歯磨き剤用容器(ボトル)の酸素透過性を評価するため、ボトルを6本用意した。6本のボトル内に各々蒸留水2mLを入れてボトル内の相対湿度が100%に保持されるようにすると共に、初期酸素濃度が0.06%以下となるようにボトル内雰囲気を窒素置換し、ポリエチレン(内層)/アルミ箔/ポリエステル(外層)からなるシール材でヒートシールして密封し、22℃60%RH、および40℃75%RHで各条件3本ずつ保存した。上記2つの保管条件での保管期間30日における多層ボトル内の酸素濃度をガスクロマトグラフィー(GC−14A、(株)島津製作所製)を用いて測定し、そこから初期酸素濃度を減じた値の平均値を酸素濃度増加とした。酸素濃度増加が小さい程、酸素透過性が小さく、酸素バリア性に優れている。
3.液層被覆率の測定
後述の方法で作製した歯磨き剤用容器(ボトル)の筒状胴部から10mm×60mmの試験片を切り出した。23℃50%RHの条件下、固液界面解析システムDropMaster700(協和界面科学(株)製)を用い、試験片の内層が上になるように固定し、3μLの純水を試験片にのせ、水接触角θを測定した。得られた水接触角を用いて、下記式(1)より、歯磨き剤用容器の筒状胴部の熱可塑性樹脂製の下地層表面での液層被覆率Fを求めた。
F=(cosθ−cosθB)/(cosθA−cosθB) (1)
式中、θは、熱可塑性樹脂製の下地層表面での水接触角であり、
θAは、液層を形成する液体上での水接触角であり、
θBは、下地層を形成する熱可塑性樹脂単体上での水接触角である。
液層被覆率Fを求めるにあたり、θAとθBの値として、下記水接触角の値を用いた。
θB:100.1°
(高圧法低密度ポリエチレン(MFR=0.3)単体での値)
θA:80.3°
(中鎖脂肪酸トリグリセライド(液体)上での値)
なお、液層被覆率が0の場合は、液層が全く形成されていないことを示し、1の場合は、樹脂が表面に露出せずに完全に液体で被覆されていることを示している。
4.液層被覆量の測定
後述の方法で作製した歯磨き剤用容器(ボトル)を用いて、容器内面に形成された液層(潤滑液層)を、潤滑液と混和性の溶剤(ヘプタン)30mLで回収し、エバポレーターを用いて濃縮した後、残留物を蒸発皿へ移し取り、液層成分の重さを求めた。得られた重さを容器内面の面積で除し、ボトル内面における液層被覆量(g/m)とした。この値が小さい程、容器内面には薄い液層が形成されている。
5.容器内歯磨き剤残量の測定
後述の方法で作製した歯磨き剤用容器(ボトル、キャップ)を準備した。
初めに、ボトルとキャップを合わせた重量(空容器重量)を測定した。
次に、後述する歯磨き剤A、B、Cのいずれかを90gボトル口部より充填した。充填後、キャップを装着した後、キャップ天面側を下側にし、23℃の環境下にて1日保管した。保管後、キャップを開け、容器の筒状胴部を押し、歯磨き剤を30g取り出した。
その後、キャップを開け、筒状胴部を押して1回4gずつ歯磨き剤を取り出し、キャップを閉め、キャップ天面側を下側にして1時間保管する、といった動作を繰り返し行った。筒状胴部を押し4g取り出せなくなった時の歯磨き剤用容器の重量(A)を測定し記録した。
この後、キャップを下側にし、歯磨き剤用容器のキャップ天面を実験台に10回連続で軽く叩き(タッピング)、再度筒状胴部を押して1回4gずつ歯磨き剤を取り出し、キャップを閉め、キャップ天面側を下側にして実験台上で1時間保管する動作を繰り返し行い、筒状胴部を押し4g取り出せなくなった時の歯磨き剤用容器の重量(B)を測定し、記録した。
上記で測定される各重量から、初期残量及びタッピング残量を測定し、残量評価の目安とした。
初期残量=重量(A)−(空容器重量)
タッピング残量=(B)−(空容器重量)
上記の値が小さいほど、歯磨剤残量は少なく、排出性に優れている。
<歯磨き剤>
歯磨き剤A;
ペースト状固形物、密度(23℃)=1.28g/cm
複素粘度η*(0.1rad/s)=4600Pa・s
tanδ(0.1rad/s)=0.39
歯磨き剤B;
ペースト状固形物、密度(23℃)=1.24g/cm
複素粘度η*(0.1rad/s)=9900Pa・s
tanδ(0.1rad/s)=0.33
歯磨き剤C;
ペースト状固形物、密度(23℃)=1.30g/cm
複素粘度η*(0.1rad/s)=6100Pa・s
tanδ(0.1rad/s)=0.46
上記の密度(23℃)は振動式密度計を用いて測定した。
上述の複素粘度η*、tanδは、レオメーターARES−G2(TA instruments社製)を用いて測定した。測定条件を下記に示す。
ジオメトリー:40mm平行平板
クリアランス:0.7mm
温度:23℃
歪み:5%
角周波数:0.1rad/s
尚、tanδは得られたデータから、損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である。
<液層形成用液体(潤滑液)>
中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(表面張力28.8mN/m、粘度33.8mPa・s、いずれも23℃での値。沸点:210℃以上、引火点:242℃(参考値))
尚、液体の表面張力は固液界面解析システムDropMaster700(協和界面科学(株)製)を用いて23℃にて測定した値を用いた。なお、液体の表面張力測定に必要な液体の密度は、密度比重計DA−130(京都電子工業(株)製)を用いて23℃で測定した値を用いた。また、液体の粘度は音叉型振動式粘度計SV−10((株)エー・アンド・デイ製)を用いて23℃にて測定した値を示した。
<下地層形成用材料>
樹脂A:ポリエチレン(LDPE)
MFR:0.3g/10min(190℃、2.16Kg)
密度:0.922g/cm
樹脂B:ランダムポリプロピレン(rPP)
密度:0.9g/cm
潤滑液:中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)
(表面張力28.8mN/m、粘度33.8mPa・s、いずれも23℃での値。
沸点:210℃以上)
<最外層形成用樹脂>
ポリプロピレン(PP)
MFR:1.6g/10min(230℃、2.16Kg)
<接着層形成用樹脂>
無水酸変性ポリエチレン
<中間層形成用樹脂>
エチレン−ビニルアルコール共重合体(密度:1.19g/cm、Tg:61℃)
<メイン層形成用樹脂>
ポリプロピレン(PP)
MFR:1.6g/10min(230℃、2.16Kg)
<キャップ用樹脂>
ランダムポリプロピレン(rPP)
MFR=25(230℃、2.16kg)
<実験例1〜5>
40mm押出機Aに最外層形成材料として、ポリプロピレン(PP)、50mm押出機にメイン層層形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)を、30mm押出機Aに接着層形成用樹脂として無水酸変性ポリエチレンを、30mm押出機Bに中間層形成用樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を、30mm押出機Cに下地層形成用材料として低密度ポリエチレン(LDPE)と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)のブレンド物をそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度22℃にて公知のダイレクトブロー成形法により内容量150mL、重量12gの5種9層の胴部形状が対称な多層ボトルを作製した。なお、実験例1〜5において、容器内面の液層被覆量が異なるように、30mm押出機Cに供するLDPEとMCTの比率を変え、5種9層からなる種々のボトルを作製した。
このボトルの筒状胴部の層構成と容器胴部のトータル厚みは、下記の通りである。
層構成(厚み比(%)):
最外層/接着層/中間層/接着層/メイン層/接着層/中間層/接着層/下地層
=20/2.5/3.0/2.2/48.5/1.6/2.4/2.5/17.3
トータル厚み:778μm
下地層と液拡散防止層との間隔:154μm
また、射出成形機を用い、排出口の内径D1が5.5mm、側断面でみて、軸線方向に対して90度の面が設けられているヒンジキャップを作製した。
これらのボトルとキャップを用い、前述の液層被覆率の測定、液層被覆量の測定、容器内歯磨き剤残量の測定を行った。
結果をまとめて表1に示す。
表1より、液層被覆量が0g/mの実験例1に比べ、液層被覆量が1.5g/m以上で歯磨き剤AとC、特に1.9g/m以上の実験例においては、歯磨剤A、B、Cに対し、残量が低減できていることが分かる。残量低減効果としては、歯磨き剤のtanδを0.4以下に調整することで効率良く歯磨き剤の残量を低減することができる。
<実験例6>
40mm押出機Aに最外層形成材料として、ポリプロピレン(PP)、50mm押出機にメイン層層形成用樹脂として、ポリプロピレン(PP)を、30mm押出機Aに接着層形成用樹脂として無水酸変性ポリエチレンを、30mm押出機Bに中間層形成用樹脂としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を、30mm押出機Cに下地層形成用材料として低密度ポリエチレン(LDPE)とランダムポリプロピレン(rPP)と中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)のブレンド物をそれぞれ供給し、温度210℃の多層ダイヘッドより溶融パリソンを押し出し、金型温度22℃にて公知のダイレクトブロー成形法により内容量100mL、重量9.5gの5種9層の胴部形状が非対称で、底部の内面が曲率面となっている多層ボトルを作製した。
このボトルの筒状胴部の層構成と容器胴部のトータル厚みは下記の通りである。
層構成(厚み比(%)):
最外層/接着層/中間層/接着層/メイン層/接着層/中間層/接着層/下地層
=17.4/2.7/2.7/2.1/53.1/1.8/3.9/2.1/14.2
トータル厚み:564μm
下地層と液拡散防止層との間隔:92μm
また、射出成形機を用い、排出口の内径D1が8mm、側断面でみて、軸線方向に対して50度の傾斜面が設けられているヒンジキャップを作製した。
これらのボトルとキャップを用い、前述の液層被覆率の測定、液層被覆量の測定、容器内歯磨き剤残量の測定、酸素透過度測定を行った。
これらの結果を実験例4とともにまとめて表2に示す。
表2より、実験例6と4を比較すると、筒状胴部が容器中心軸線に対し非対称であり、かつ排出口首部が軸線方向に対し50度の傾斜面をもつ形状である実験例6は、筒状胴部が容器中心軸線に対し対称であり、かつ排出口首部が軸線方向に対し90度の垂直面をもつ形状である実験例4と比べ、歯磨き剤のタッピング残量がA、Bともに小さくなっていることが分かる。さらに、実験例6では、タッピングしない残量である初期残量、においても、実験例4のタッピング残量よりも小さくなっており、容器の筒状胴部に潤滑液に液層が設けられている歯磨き剤においては、筒状胴部が容器中心軸線に対し非対称であり、かつ排出口首部が軸線方向に対し50度の傾斜面をもつ形状が歯磨き剤の残量低減に極めて有効であることが分かる。
さらには、本発明の歯磨き剤用容器では、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下となっており、酸素バリア性に優れた歯磨き剤用容器を提供することが可能となったことが分かる。
1:歯磨き剤用容器
3:筒状胴部
5:底部
7:首部
7a:傾斜面
9:口部
9a:排出口
11:蓋材
11a:天板
11b:スカート部
11c:シールリング
21:液拡散防止層
23:下地層
25:液層
27:外面層

Claims (17)

  1. 歯磨き剤が収容される容器であって、下端部が閉じられている筒状胴部を有していると共に、上端に該筒状胴部に比して小径であり且つ蓋材により閉じられる内容物排出口を有している歯磨き剤用容器において、
    前記筒状胴部は、熱可塑性樹脂製の下地層を内面に有しており且つ該内面に、歯磨剤に対する滑り性を向上させるための潤滑液による液層が設けられており、
    前記下地層の下側には、前記液層を形成する潤滑液の拡散を抑制もしくは遮断する液拡散防止層が設けられており、
    前記液層と接触している下地層の表面と前記液拡散防止層との間隔が200μm以下であることを特徴とする、歯磨き剤用容器。
  2. 前記液層は、下記式(1):
    F=(cosθ−cosθ)/(cosθ−cosθ) (1)
    式中、
    θは、前記熱可塑性樹脂製の下地層表面での水接触角であり、
    θは、前記液層を形成する潤滑液上での水接触角であり、
    θは、前記下地層を形成する熱可塑性樹脂単体上での水接触角である、
    で算出される液層被覆率Fが0.5以上に保持されている、請求項1記載の歯磨き剤用容器。
  3. 前記下地層がオレフィン系樹脂層であり、
    前記下地層が前記液層を形成する潤滑液を含み、該潤滑液が前記液層の供給源となっており、
    前記液層を形成している潤滑液が、食用油、脂肪酸トリグリセライド、フッ素系界面活性剤或いはシリコーンオイルである、請求項1または2に記載の歯磨き剤用容器。
  4. 前記歯磨き剤用容器に充填される歯磨き剤は、密度(23℃)が1.1〜1.6g/cmのペースト状の固形物である、請求項1〜3の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  5. 前記内面を形成している下地層に加え、外面を形成している外面層及び2層以上の中間層を有しており、該中間層は、前記液拡散防止層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体層を含んでいる、請求項1〜4の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  6. 歯磨き剤を充填せずに、容器内雰囲気が窒素置換され且つ相対湿度が100%に保持されるように密封された前記歯磨剤用容器についての酸素濃度を測定した時、22℃60%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が0.5%以下、かつ、40℃75%RH下で30日保管した際の酸素濃度増加が2%以下である、請求項1〜5の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  7. 前記筒状胴部の上端部には、前記排出口を備えている首部が、該筒状胴部と一体に形成されているか或いは該筒状胴部に嵌合もしくはヒートシールにより連なっている、請求項1〜6の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  8. 前記首部に形成されている前記排出口の下端部には、側断面でみて、軸線方向に対して30〜70度に傾斜した傾斜面が設けられている、請求項7に記載の歯磨き剤用容器。
  9. 前記排出口の内径D1は、2〜8mmの範囲にある、請求項8に記載の歯磨き剤用容器。
  10. 前記筒状胴部は、長さLと最大内径Dmaxとの比L/Dmaxが1〜4の範囲にある、請求項1〜9の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  11. 前記筒状胴部は、最大内径Dmaxと最小内径Dminとの比Dmax/Dminが1〜3の範囲にある、請求項1〜10の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  12. 前記排出口の閉塞に使用される蓋材は、該容器を倒立保持し得る大きさの水平面を有している、請求項1〜11の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  13. 前記筒状胴部は、少なくとも一部が、容器の中心軸線に対して非対称な形状を有している、請求項7〜12の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  14. 前記筒状胴部の厚みが400〜800μmの範囲にある、請求項7〜13の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  15. 前記排出口の内径D1に対する前記筒状胴部の最大内径Dmaxの比Dmax/D1が4〜30の範囲にある、請求項7〜14の何れかに記載の歯磨き剤容器。
  16. 前記筒状胴部の下端を閉じている底部の内面が曲率面となっている、請求項7〜15の何れかに記載の歯磨き剤用容器。
  17. 請求項12〜16の何れかに記載の歯磨き剤用容器に前記歯磨き剤が充填され、前記蓋材により前記排出口が閉塞された歯磨き剤製品。
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