JP2020110945A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴の着弾ずれによる画質劣化を抑制することが出来るインクジェット式の記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット式の記録装置は、媒体14の搬送方向である第1方向15と交差する第2方向54に移動可能なキャリッジ8と、キャリッジ8に搭載され、媒体14にインクを噴射する第1〜第3ノズル列16〜18が第1方向15に列をなすヘッド10と、制御部2と、を備え、キャリッジ8は、第1〜第3ノズル列16〜18が設けられたノズル面10aの第1〜第3ノズル列16〜18の位置よりも第1方向15の下流側の位置に、キャリッジ8の端から第2方向54に沿って形成された溝部19と、溝部19の空間を閉塞する可動式の可動壁20と、可動壁20を移動させる可動壁駆動部21を有し、制御部2は、複数の前記ノズル列のうち液体を噴射するノズル列の第1方向15の下流側に可動壁20が位置するように可動壁駆動部21を制御する。【選択図】図4
Description
本発明は、インクジェット式の記録装置に関する。
インクジェット式の記録装置はヘッドを備え、ヘッドは液体としてのインクを噴射するノズル列を有する。ヘッドを搭載したキャリッジが媒体の上部を媒体の搬送方向と交差する方向に移動する。そして、記録装置はインクの噴射と、媒体の搬送を交互に実行することで、画像を形成する。媒体に噴射されたインクの乾燥には時間を要する。したがって、搬送ローラーの擦れによる画像劣化を防ぐため、インク噴射直後の搬送には、接触面積が少ない歯車型の搬送ローラーが用いられる。このため、媒体の搬送方向の上流に比べ下流側の空間は広くなっている。キャリッジが移動するとき、ノズル面と媒体間に気流が生じる。この気流は媒体搬送方向の下流側へ流れる。その結果、媒体に噴射されるインク滴が媒体搬送方向の下流側へ流れるので、インク滴の着弾ずれが生じて画質劣化となる問題があった。
また、インクの噴射によりノズル面と媒体間に媒体からノズル面へ向かう上昇気流が生じる。この時、インクミストが多量に発生し、上昇気流により、インクミストがノズル面に多量に付着して堆積する。堆積したインクが噴射不良を引き起こしてヘッドの信頼性を低下させるという問題もあった。
特許文献1の記録装置ではノズル面に付着するインクミストを低減する構造が開示されている。記録装置にはノズル面を中心にして、キャリッジ移動方向と交差する媒体搬送方向の上流側と下流側に、キャリッジ移動方向に沿って形成された溝部が設けられている。その溝部には、テーパー部分が設けられている。そして、そのテーパー部分が上昇気流を抑制することで、インクミストの流れを変化させる構成になっている。また、特許文献1の構成は、媒体搬送方向の気流を抑制するため、インク滴の着弾ずれによる画質劣化も抑制できる効果が期待できる。
特許文献1に記載のインクジェット式の記録装置では、ノズル面と媒体間の気流を制御することは可能である。しかし、溝部におけるテーパー部分と離れているノズル列では気流制御の効果が小さい。したがって、複数のノズル列を有する場合にも着弾ずれが低減される記録装置が望まれていた。
本願のインクジェット式の記録装置は、媒体の搬送方向である第1方向と交差する第2方向に往復移動するキャリッジと、前記キャリッジに搭載され前記媒体に液体を噴射するノズルが第1方向に複数配置されたノズル列が前記第2方向に複数列をなす液体噴射ヘッドと、制御部と、を備え、前記キャリッジは、前記ノズル列が設けられたノズル面の前記ノズル列の位置よりも前記第1方向の下流側の位置に、前記ノズル面の端から前記第2方向に沿って形成された溝部と、前記溝部の空間を閉塞する可動式の可動壁と、前記可動壁を移動させる移動部と、を有し、前記制御部は、複数の前記ノズル列のうち液体を噴射するノズルを含むノズル列の前記第1方向の下流側に前記可動壁が位置するように前記移動部を制御することを特徴とする。
上記のインクジェット式の記録装置では、前記制御部は、前記移動部を制御して、前記可動壁を前記第2方向に移動させることが好ましい。
上記のインクジェット式の記録装置は、前記可動壁は、前記溝部の前記第1方向の溝幅が前記第2方向において増減するテーパー形状を有することが好ましい。
上記のインクジェット式の記録装置は、前記可動壁は、液体噴射方向である第3方向の前記溝部の空間の深さが前記第2方向において増減するテーパー形状を有することが好ましい。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、インクジェット式の記録装置と、その構成要素の1つであるキャリッジについて図1〜図13に従って説明する。
本実施形態では、インクジェット式の記録装置と、その構成要素の1つであるキャリッジについて図1〜図13に従って説明する。
はじめに、第1の実施形態にかかる記録装置としてのインクジェット式の記録装置1について説明する。図1は、本実施形態にかかるインクジェット式の記録装置1の構造を示す概略斜視図である。図1に示すように、インクジェット式の記録装置1は筐体51を備えている。そして、筐体51の内部に、液体噴射部52、媒体搬送部53及び制御部2を搭載している。制御部2は液体噴射部52及び媒体搬送部53を制御する。媒体搬送部53は媒体14を筐体51の外部から搬入し筐体51の内部を通過させる。さらに、媒体搬送部53は媒体14を筐体51の外部へ排出させる。液体噴射部52は媒体搬送部53の図中上側に位置し、媒体14に液体としてのインクを噴射する。そして、制御部2は図中右側に位置する。媒体14が排出される側の筐体51の面をインクジェット式の記録装置1の正面1aとする。
ここで、座標系について説明する。媒体14はシート状で長方形になっており、媒体14は長手方向に搬送される。媒体14が搬送される方向をY軸正の方向とする。また、Y軸正の方向を第1方向15とする。第1方向15は媒体の搬送方向である。そして、媒体14の平面上においてY軸と直交する方向をX軸とする。正面1aから見たときの右側をX軸正の方向とする。また、X軸正及びX軸負の方向を第2方向54とする。第2方向54は第1方向15と交差する方向である。本実施形態では、第2方向54は第1方向15と直交する。そして、正面1aから見たとき、媒体14に対して液体噴射部52がある方向をZ軸正の方向とする。X軸、Y軸、Z軸はそれぞれ直交する。Z軸負の方向は液体噴射部52がインクを噴射する液体噴射方向になっている。そして、Z軸負の方向を液体噴射方向としての第3方向55とする。
[液体噴射部]
インクを噴射する液体噴射部52は、キャリッジ駆動モーター3、駆動プーリー4、従動プーリー6、フレーム5、ベルト7、キャリッジ8、液体噴射ヘッドとしてのヘッド10等から構成されている。フレーム5は筐体51に固定されており、X軸正及び負の方向に長い形状である。キャリッジ駆動モーター3はフレーム5のX軸正の方向の端に固定されている。駆動プーリー4はキャリッジ駆動モーター3の回転軸に取り付けられている。従動プーリー6は、キャリッジ駆動モーター3と逆側のフレーム5の端に取り付けられている。ベルト7は従動プーリー6と駆動プーリー4とに掛けられている。キャリッジ8は、ベルト7に固定されており、フレーム5に移動可能に支持されている。これにより、キャリッジ8はフレーム5をガイドとして、X軸正及び負の方向に移動できる。そして、キャリッジ8はヘッド10を搭載している。ヘッド10はインクを噴射する機構を備えている。
インクを噴射する液体噴射部52は、キャリッジ駆動モーター3、駆動プーリー4、従動プーリー6、フレーム5、ベルト7、キャリッジ8、液体噴射ヘッドとしてのヘッド10等から構成されている。フレーム5は筐体51に固定されており、X軸正及び負の方向に長い形状である。キャリッジ駆動モーター3はフレーム5のX軸正の方向の端に固定されている。駆動プーリー4はキャリッジ駆動モーター3の回転軸に取り付けられている。従動プーリー6は、キャリッジ駆動モーター3と逆側のフレーム5の端に取り付けられている。ベルト7は従動プーリー6と駆動プーリー4とに掛けられている。キャリッジ8は、ベルト7に固定されており、フレーム5に移動可能に支持されている。これにより、キャリッジ8はフレーム5をガイドとして、X軸正及び負の方向に移動できる。そして、キャリッジ8はヘッド10を搭載している。ヘッド10はインクを噴射する機構を備えている。
キャリッジ駆動モーター3は、キャリッジ駆動モーター3の回転軸に取り付けられた駆動プーリー4を回転する。駆動プーリー4のトルクはベルト7に伝えられる。駆動プーリー4が回転するとき、ベルト7がX軸正方向及びX軸負方向に移動する。キャリッジ8とベルト7は連結している。このため、ベルト7に駆動されてキャリッジ8はフレーム5に沿って往復移動する。このように、キャリッジ8は第2方向54に往復移動する。キャリッジ8には液体であるインクを噴射するヘッド10が搭載されている。キャリッジ8及び媒体14が移動して、媒体14にインクを噴射することで画像が形成される。
[媒体搬送部]
媒体搬送部53は、媒体搬送用モーター11、媒体搬送用ローラー12、媒体搬送ガイド13を備えている。媒体搬送ガイド13は媒体14に対しZ軸負の方向に位置する。媒体搬送用ローラー12は媒体14に対しZ軸正の方向に4つ配置され、媒体14に対しZ軸負の方向に4つ配置されている。媒体搬送用ローラー12は媒体14を挟むように媒体の搬入側と排出側にそれぞれ4つずつ配置している。媒体搬送用モーター11は媒体14に対してX軸正の方向に配置されている。そして、媒体搬送用モーター11の回転軸が回転するときのトルクは媒体搬送用ローラー12に分配されている。尚、媒体搬送用モーター11から媒体搬送用ローラー12にトルクを分配する機構は省略している。トルクを分配する機構は特に限定されず各種の歯車やベルトを組み合わせて構成することができる。
媒体搬送部53は、媒体搬送用モーター11、媒体搬送用ローラー12、媒体搬送ガイド13を備えている。媒体搬送ガイド13は媒体14に対しZ軸負の方向に位置する。媒体搬送用ローラー12は媒体14に対しZ軸正の方向に4つ配置され、媒体14に対しZ軸負の方向に4つ配置されている。媒体搬送用ローラー12は媒体14を挟むように媒体の搬入側と排出側にそれぞれ4つずつ配置している。媒体搬送用モーター11は媒体14に対してX軸正の方向に配置されている。そして、媒体搬送用モーター11の回転軸が回転するときのトルクは媒体搬送用ローラー12に分配されている。尚、媒体搬送用モーター11から媒体搬送用ローラー12にトルクを分配する機構は省略している。トルクを分配する機構は特に限定されず各種の歯車やベルトを組み合わせて構成することができる。
媒体14は媒体搬送ガイド13上に配置されている。そして、媒体14は媒体搬送ガイド13上を進行して媒体搬送用ローラー12に挟まれる。媒体搬送用モーター11は8つの媒体搬送用ローラー12を回転させる。媒体搬送用ローラー12に挟まれた媒体14は媒体搬送用ローラー12によって移動させられる。このように媒体搬送部53は媒体14をY軸正の第1方向15に搬送する。
[インクジェット式の記録装置]
インクジェット式の記録装置1では制御部2が液体噴射部52及び媒体搬送部53を制御する。液体噴射部52はキャリッジ8を第2方向54に移動しながら媒体14にインクを噴射する。第2方向54の1つが第1キャリッジ移動方向9である。キャリッジ8は第2方向54を往復移動するのでキャリッジ8の移動方向は切り換わる。まず、キャリッジ8が第1キャリッジ移動方向9に移動するときの説明をする。液体噴射部52の移動によって、X軸正の方向及びX軸負の方向の画像形成が行われる。さらに、媒体搬送部53が媒体14を第1方向15に移動する。液体噴射部52の移動によるX軸正の方向及びX軸負の方向の画像形成と媒体搬送部53によるY軸正の方向及びY軸負の方向への媒体14の搬送を組み合わせることで、インクジェット式の記録装置1は媒体14全面に画像を形成する。
インクジェット式の記録装置1では制御部2が液体噴射部52及び媒体搬送部53を制御する。液体噴射部52はキャリッジ8を第2方向54に移動しながら媒体14にインクを噴射する。第2方向54の1つが第1キャリッジ移動方向9である。キャリッジ8は第2方向54を往復移動するのでキャリッジ8の移動方向は切り換わる。まず、キャリッジ8が第1キャリッジ移動方向9に移動するときの説明をする。液体噴射部52の移動によって、X軸正の方向及びX軸負の方向の画像形成が行われる。さらに、媒体搬送部53が媒体14を第1方向15に移動する。液体噴射部52の移動によるX軸正の方向及びX軸負の方向の画像形成と媒体搬送部53によるY軸正の方向及びY軸負の方向への媒体14の搬送を組み合わせることで、インクジェット式の記録装置1は媒体14全面に画像を形成する。
次に、キャリッジ8について詳細に説明する。図2は、可動壁機構を備えたキャリッジ8の構造を示す概略斜視図である。図2に示すように、キャリッジ8はフレーム5に移動可能に支持されている。また、キャリッジ8にはヘッド10が搭載されている。ヘッド10は、第1ノズル列16、第2ノズル列17及び第3ノズル列18の複数のノズル列を備えている。各ノズル列のノズルは媒体14にインクを噴射する。第1ノズル列16、第2ノズル列17及び第3ノズル列18は第2方向54に列をなしている。ヘッド10において第1ノズル列16、第2ノズル列17及び第3ノズル列18が設けられた面をノズル面10aとする。そして、ヘッド10のY軸正の方向に溝部19が配置されている。溝部19には、溝部19の空間を閉塞する可動式の可動壁20が設けられている。この可動壁20は、溝部19に沿ってX軸正及び負の方向に移動する。また、移動部としての可動壁駆動部21が溝部19に対しZ軸正の方向のキャリッジ8の内部に位置する。そして、可動壁駆動部21が可動壁20を移動させる。
次に、可動壁駆動部21について詳細に説明する。図3は、可動壁駆動部21の構造を示すY軸正方向から見た模式側面図である。図3に示すように、可動壁駆動部21は、可動壁駆動モーター22、駆動プーリー23、従動プーリー24、ベルト25、可動壁支持部26を備えている。可動壁駆動モーター22はキャリッジ8の内部のX軸正の方向の端に位置している。可動壁駆動モーター22の回転軸は駆動プーリー23と連結している。そして、従動プーリー24はキャリッジ8の内部のX軸負の方向の端に位置している。ベルト25は、駆動プーリー23と従動プーリー24に掛けられている。可動壁支持部26はベルト25に固定されており、可動壁20に連結されている。
可動壁駆動モーター22は駆動プーリー23を介してベルト25に動力を伝える。そして、可動壁駆動モーター22が駆動プーリー23を時計回り及び反時計回りに回転するとき、ベルト25に固定された可動壁支持部26がX軸正及びX軸負の方向に移動する。そして、可動壁支持部26に連結された可動壁20も、溝部19に沿って移動する。この時の可動壁20の移動は制御部2によって制御される。
次に、可動壁機構を備えたキャリッジ8のヘッド周辺の構造について図4〜図6に従って詳細を説明する。図4は、ヘッド10周辺の構造を示すZ軸負方向から見た模式平面図である。図5は、ヘッド10周辺の構造を示すX軸正方向から見た模式側面図である。図6は、ヘッド10周辺の構造を示すY軸正方向から見た模式側面図である。
図4に示すように、キャリッジ8に搭載されているヘッド10にはノズル面10aにインクを噴射する第1ノズル列16、第2ノズル列17、第3ノズル列18が配置されている。第1ノズル列16、第2ノズル列17、第3ノズル列18のノズルが配列する列方向は第1方向15である。そして、各ノズル列は、第1キャリッジ移動方向9の前方から、第1ノズル列16、第2ノズル列17、第3ノズル列18の順に配列している。また、キャリッジ8にはヘッド10よりも第1方向15の下流側の位置に溝部19が配置されている。溝部19はノズル面10aの端から第2方向54に沿って形成されている。そして、溝部19には、溝部19の空間を閉塞する可動壁20が設けられている。尚、第1方向15の下流は媒体14が進行する方向を示す。詳しくは、媒体14が筐体51から排出される方向を示す。溝部19には可動壁支持部26が挿入される長穴29が形成されている。長穴29の長手方向は溝部19の長手方向と同じ方向である。そして、可動壁20とベルト25を連結する可動壁支持部26が長穴29に沿って移動するとき、可動壁20が溝部19に沿って移動する。
制御部2は、可動壁駆動部21を制御して、可動壁20を溝部19に沿って第2方向54に移動させる。可動壁20の位置は、制御部2が、キャリッジ8の移動方向とインクを噴射するノズル列の情報を取得することで制御する。また、可動壁20と連結された可動壁支持部26が長穴29を通ってベルト25に固定されている。図5及び図6に示すように、可動壁支持部26によってベルト25からの動力が可動壁20に伝わり、可動壁20はX軸正及びX軸負の方向に移動する。
次に、媒体14とヘッド10の間に生じる気流と気圧について詳細を説明する。図7は、気流と気圧上昇部を説明するための模式平面図である。図7に示すように、キャリッジ8が第1キャリッジ移動方向9に移動することにより、媒体14とヘッド10の間にキャリッジの移動方向の逆方向に気流30が流れる。図中では、X軸負の方向からX軸正の方向に気流30が流れる。この時生じる気流30は、溝部19にも流れる。そして、可動壁20で気流30がせき止められることにより、可動壁20周辺の気圧が上昇し、気圧上昇部31が生じる。これにより、気流30が気圧上昇部31を通過し難くなるため、可動壁20周辺を流れる気流30の媒体搬送方向成分は低減される。気流30の媒体搬送方向成分は気流30の内、第1方向15に進行する成分を示す。
次に、可動壁20の位置決定方法について図8及び図9に従って詳細を説明する。図8は、インクを噴射するノズル列と可動壁20の位置関係を示す模式平面図である。図8は、Z軸負方向から見た模式平面図である。図8に示すように、第1ノズル列16がインクを噴射する。このとき、可動壁20の進行方向前面20aが第1ノズル列16の直線上に位置する様に、制御部2が可動壁駆動部21を制御する。これにより、第1ノズル列16付近では、気流30の媒体搬送方向成分が低減される。
図9は、インクを噴射するノズル列と可動壁20の位置関係を示す模式側面図である。図9は、Y軸負方向から見た模式側面図である。図9に示すように、第1ノズル列16から噴射されたインク滴32は、ノズル面10aと媒体14の間を飛翔して媒体14に着弾する。可動壁20により第1ノズル列16付近では気流30の媒体搬送方向成分が低減される。したがって、インクを噴射する第1ノズル列16の直線上に可動壁20の進行方向前面20aを移動させることにより、インク滴32が第1方向15へ流されることによる着弾ズレが低減できる。
次に、キャリッジ8の移動方向とインクを噴射するノズルが変更された場合における可動壁20の位置決定方法について図10及び図11に従って詳細を説明する。図10は、インクを噴射するノズル列と可動壁20の位置関係を示す模式平面図である。図10は、Z軸負方向から見た模式平面図である。図10に示すように、第2方向54の1つである第2キャリッジ移動方向33にキャリッジ8が移動する。このとき、進行方向前面20aはX軸正の方向を向く面である。そして、第3ノズル列18がインクを噴射する。このときにも、可動壁20の進行方向前面20aが、インクを噴射するノズルを含む第3ノズル列18の直線上に位置する様に、制御部2が可動壁20を移動させる。これにより、第3ノズル列18付近では、気流30の媒体搬送方向成分が低減される。
図11は、インクを噴射するノズル列と可動壁20の位置関係を示す模式側面図である。図11は、Y軸負方向から見た模式側面図である。図11に示すように、第3ノズル列18から噴射されたインク滴32は、ノズル面10aと媒体14の間を飛翔して媒体14に着弾する。可動壁20により第3ノズル列18付近では気流30の媒体搬送方向成分が低減される。したがって、インクを噴射する第3ノズル列18の直線上に可動壁20の進行方向前面20aを移動させることにより、インク滴32が、第1方向15へ流されることによる着弾ズレが低減できる。
このように、制御部2は、複数のノズル列のうちインクを噴射するノズルを含むノズル列の第1方向15の下流側に可動壁20が位置するように可動壁駆動部21を制御する。
ノズル列は、1列毎にインクを噴射する。第1ノズル列16からインクを噴射する場合、第2ノズル列17、第3ノズル列18からはインクを噴射しない。したがって、可動壁20がインクを噴射するノズル列に応じて移動することで、すべてのノズル列で、着弾ズレが低減できる。
次に、インクジェット式の記録装置1に搭載されている制御部2について説明する。図12は、制御部2の電気ブロック図である。図12に示すように、制御部2はキャリッジ制御部34、ヘッド制御部35、媒体搬送制御部36、可動壁制御部37を備えている。
キャリッジ制御部34はキャリッジ駆動回路38を介してキャリッジ駆動モーター3に接続されており、キャリッジ8の制御を行う。ヘッド制御部35は、ヘッド駆動回路40を介して駆動アクチュエーター41に接続されており、インク噴射の制御を行う。駆動アクチュエーター41はノズルと連通する圧力室を加圧する機能を備えている。そして、駆動アクチュエーター41が圧力室を加圧するとき、圧力室内のインクが加圧されてノズルから吐出される。媒体搬送制御部36は、媒体搬送駆動回路42を介して媒体搬送用モーター11に接続されており、媒体搬送の制御を行う。可動壁制御部37は、可動壁駆動回路44を介して可動壁駆動モーター22に接続されており、可動壁20の制御を行う。可動壁制御部37は、キャリッジ制御部34からキャリッジの移動方向の情報を取得する。さらに、可動壁制御部37はヘッド制御部35からインクを噴射するノズル列の情報を取得する。そして、可動壁制御部37は、キャリッジ8の移動方向及びインクを噴射するノズル列の情報を用いて、可動壁の移動位置を決定する。
次に、インクジェット式の記録装置1における画像形成フローについて説明する。図13は、インクジェット式の記録装置1における画像形成のフローチャートである。図13に示すように、インクジェット式の記録装置1における画像形成のフローは、キャリッジ移動前工程S20と、インク噴射予定領域へのキャリッジ移動工程S21と、画像形成工程S22と、画像形成後工程S23と、を有している。
キャリッジ移動前工程S20は、可動壁20を移動させる工程であり、ステップS1〜S3を有する。ステップS1は、キャリッジ移動方向情報取得工程である。この工程は、可動壁20を移動させる位置を決定するための準備工程である。この時、可動壁制御部37は、キャリッジ制御部34からキャリッジ移動方向の情報を取得する。次に、ステップS2に移行する。ステップS2は、インク噴射ノズル情報取得工程である。この工程も可動壁20を移動させる位置を決定するための準備工程である。この時、可動壁制御部37は、ヘッド制御部35からインクを噴射するノズル列の情報を取得する。次に、ステップS3に移行する。ステップS3は、可動壁20を移動させる工程である。この工程は、ステップS1とステップS2で取得した情報を元に、可動壁駆動部21が、インクを噴射するノズル列が配列する直線上に、可動壁20の進行方向前面20aを移動させる工程である。
次に、インク噴射予定領域へのキャリッジ移動工程S21に移行する。インク噴射予定領域へのキャリッジ移動工程S21は、キャリッジ8が、インク噴射予定領域まで移動する工程であり、ステップS4、S5を有する。ここで、インク噴射予定領域とは、媒体14上の画像形成領域のことである。ステップS4は、キャリッジ移動工程である。この工程では、キャリッジ制御部34の指示により、キャリッジ8が移動する。次に、ステップS5に移行する。ステップS5は、インク噴射予定領域に到達したかを判断する工程である。この工程は、キャリッジ8がインク噴射予定領域に到達したかをキャリッジ制御部34が判断する。到達していなければ、キャリッジ移動工程のステップS4に戻る。到達していれば、次のステップS6及びS7に移行する。このように、キャリッジ8が、インク噴射予定領域に到達したかによって、ヘッド制御部35が、インクの噴射を開始するかを決定する。
次に、ステップS22の画像形成工程に移行する。ステップS22は、キャリッジ8が移動しながら、インク噴射領域でインクを噴射する工程であり、ステップS6〜S8を有する。ステップS6は、キャリッジ移動工程である。S7は、インク噴射工程である。ステップS6とステップS7は、並列して同時に実行される工程である。これらの工程は、キャリッジ8がインク噴射領域に到達している場合に、ヘッド制御部35がインクの噴射を実行し、キャリッジ制御部34がキャリッジ8の移動を制御する。したがって、キャリッジ8が移動しながら、キャリッジ8に搭載されたヘッド10がインクを媒体14に噴射する。
次に、ステップS8に移行する。ステップS8は、キャリッジ8がインク噴射予定領域にあるかを判断する工程である。この工程では、キャリッジ8がインク噴射予定領域内にあるかの情報をヘッド制御部35がキャリッジ制御部34から取得する。キャリッジ8がインク噴射予定領域内にある場合、キャリッジ移動工程のステップS6とインク噴射工程のステップS7に戻る。そして、継続してインク噴射予定領域へインクが噴射される。キャリッジ8がインク噴射予定領域内にない場合、次のステップS9に移行する。このように、キャリッジ8がインク噴射予定領域内にあるかの情報をキャリッジ制御部34から取得し、ヘッド制御部35がインクの噴射を終了するかを決定する。
次に、ステップS23の画像形成後工程に移行する。ステップS23は、画像形成後に続けて画像形成を継続するかを判断する工程であり、ステップS9〜S12を有する。ステップS9は、キャリッジ移動工程である。この工程では、キャリッジ8が媒体14の端まで移動する。ステップS4〜ステップS9にて、1行分の画像形成が行われる。次に、ステップS10に移行する。ステップS10は、画像形成を継続するかの判断をする工程である。この工程は、ヘッド制御部35が画像形成を継続するかを判断する。画像形成を継続しない場合、インクジェット式の記録装置1における画像形成フローは終了となる。画像形成を継続する場合、キャリッジ移動方向切換工程であるステップS11と媒体搬送工程であるステップS12に移行する。
ステップS11とステップS12は同時に並列して実行される。ステップS11は、キャリッジ移動方向切換工程である。この工程では、キャリッジ制御部34がヘッド制御部35から情報を取得する。そして、キャリッジ8がX軸負方向に移動していた時には、キャリッジ制御部34がキャリッジ8の移動方向をX軸負方向からX軸正方向へ切り換える。また、キャリッジ8がX軸正方向に移動していた時には、キャリッジ制御部34が、キャリッジ8の移動方向を、X軸正方向からX軸負方向へ切り換える。ステップS12は、媒体搬送工程である。この工程では、媒体搬送制御部36がヘッド制御部35から情報を取得する。そして、媒体搬送制御部36は媒体搬送駆動回路42を介して媒体搬送用モーター11を駆動させることで、媒体14を搬送する。次に、ステップS1に戻る。
このように、キャリッジ8を移動する方向とインクを噴射するノズル列に応じて可動壁20を移動させることにより、インクを噴射するノズル列毎に気流の媒体搬送方向成分の低減が可能となる。これにより、ノズル列間における気流30の媒体搬送方向成分低減効果の差異が小さくなる。その結果、すべてのノズル列で、画質劣化に繋がるインク滴32の着弾ズレ低減が可能となる。
制御部2は、可動壁駆動部21を制御して、可動壁20を溝部19に沿って第2方向54に移動させる。印刷パターンに対応してインクを噴射するノズル列が切り換えられる。この場合でも、可動壁駆動部21が第2方向54に可動壁20の位置を移動する。その結果、溝部19の空間が閉塞される位置を移動させることができる。
(第2の実施形態)
次に、可動壁機構を備えたキャリッジ8のヘッド周辺の構造の第2実施形態について図14〜図21に従って詳細を説明する。図14は、第2実施形態にかかるヘッド10周辺の構造を示す模式平面図である。図14は、Z軸負方向から見た模式平面図である。図15は、ヘッド10周辺の構造を示す模式側面図である。図15は、X軸正方向から見た模式側面図である。図16は、ヘッド10周辺の構造を示す模式側面図である。図16は、Y軸正方向から見た模式側面図である。なお、第1の実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、可動壁20の形状が異なる点にある。
次に、可動壁機構を備えたキャリッジ8のヘッド周辺の構造の第2実施形態について図14〜図21に従って詳細を説明する。図14は、第2実施形態にかかるヘッド10周辺の構造を示す模式平面図である。図14は、Z軸負方向から見た模式平面図である。図15は、ヘッド10周辺の構造を示す模式側面図である。図15は、X軸正方向から見た模式側面図である。図16は、ヘッド10周辺の構造を示す模式側面図である。図16は、Y軸正方向から見た模式側面図である。なお、第1の実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、可動壁20の形状が異なる点にある。
すなわち本実施形態では、図14〜図16に示すように、溝部19には、溝部19の空間を閉塞する可動壁46が設けられている。Z方向から見た平面視で可動壁46はX軸方向の中央を頂点とした三角形になっている。可動壁46は、X方向の中央からX軸負方向に行くにつれ溝部19の空間のY軸正方向の溝幅が大きくなる第1テーパー形状46aを有する。また、可動壁46は、中央から、X軸正方向に行くにつれ溝部19の空間のY軸正方向の溝幅が大きくなる第2テーパー形状46bを有する。つまり、可動壁46は、溝部19の第1方向15の溝幅が第2方向54において増減するテーパー形状を有している。
可動壁46は可動壁支持部26を介して可動壁駆動部21の構成要素であるベルト25に連結されている。これにより、可動壁46は溝部19に沿ってX軸正の方向27またはX軸負の方向28へ移動できる。また、テーパー形状は、第1テーパー形状46aと第2テーパー形状46bから構成される。
次に、媒体14とヘッド10の間に生じる気流と気圧について詳細を説明する。図17は、気流47と気圧上昇部48を説明するための模式平面図である。図17に示すように、第1キャリッジ移動方向9にキャリッジ8が移動することにより、媒体14とヘッド10の間に第1キャリッジ移動方向9の逆方向に気流47が流れる。図中では、X軸負方向からX軸正方向に気流47が流れる。この時生じる気流47は溝部19にも流れる。そして、気流47は可動壁46の第1テーパー形状46aに沿ってY軸負方向に流れて徐々にせき止められる。
これにより、可動壁46の第1テーパー形状46a周辺では、気圧が上昇し、気圧上昇部48が生じる。そして、気流47が気圧上昇部48を流れ難くなる。このため、可動壁46の第1テーパー形状46a周辺を流れる気流47の媒体搬送方向成分は低減される。また、気圧上昇部48は、第1テーパー形状46a周辺で生じるため、第1の実施形態の気圧上昇部31に比べ、第2の実施形態の気圧上昇部48は、領域が大きい。したがって、第1の実施形態に比べ、第2の実施形態の方が、複数のノズル列で気流47の媒体搬送方向成分の低減効果得ることが出来る。従って、複数のノズル列からインクを噴射しても着弾ずれを低減することができる。
次に、可動壁46の位置決定方法について図18及び図19に従って詳細を説明する。図18は、インクを噴射するノズル列と可動壁46の位置関係を示す模式平面図である。図18は、Z軸負の方向から見た模式平面図である。図19は、インクを噴射するノズル列と可動壁46の位置関係を示す模式側面図である。図19は、Y軸負の方向から見た模式側面図である。図18及び図19に示すように、インクの噴射が第1ノズル列16で行われる。このとき、可動壁46の進行方向前方の第1テーパー形状46aがインクを噴射する第1ノズル列16の直線上に位置する様に、制御部2が可動壁46を移動させる。これにより、第1ノズル列16付近では、気流47の媒体搬送方向成分が低減される。
次に、キャリッジ8の移動方向とインクを噴射するノズル列が変更された場合における可動壁46の位置決定方法について図20及び図21に従って詳細を説明する。図20は、インクを噴射するノズル列と可動壁46の位置関係を示す模式平面図である。図20は、Z軸負の方向から見た模式平面図である。図21は、インクを噴射するノズル列と可動壁46の位置関係を示す模式側面図である。図21は、Y軸負の方向から見た模式側面図である。図20及び図21に示すように、キャリッジ8が第2キャリッジ移動方向33に進行する。そして、第3ノズル列18がインクを噴射する。このとき、可動壁46の進行方向前方の第2テーパー形状46bがインクを噴射する第3ノズル列18の直線上に位置する様に、制御部2が可動壁46を移動させる。これにより、第3ノズル列18付近では、気流47の媒体搬送方向成分が低減される。
このように、キャリッジ8の移動方向とインクを噴射するノズル列に応じて第1テーパー形状46a及び第2テーパー形状46bを有した可動壁46を移動させることにより、第1の実施形態に比べて、広範囲でインクを噴射するノズル列毎に気流47の媒体搬送方向成分の低減が可能となる。これにより、ノズル列間における気流47の媒体搬送方向成分低減効果の差異が小さくなる。その結果、すべてのノズル列で、画質劣化に繋がるインク滴32の着弾ズレ低減が可能となる。
なお、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第2の実施形態では、可動壁46は、X軸方向の中央を頂点とし、この中央から、X軸負の方向に行くにつれY軸の方向の溝部19の溝幅が大きくなる第1テーパー形状46aを有していた。また、可動壁46は、中央から、X軸正の方向に行くにつれY軸方向の溝部19の溝幅が大きくなる第2テーパー形状46bを有していた。
(変形例1)
前記第2の実施形態では、可動壁46は、X軸方向の中央を頂点とし、この中央から、X軸負の方向に行くにつれY軸の方向の溝部19の溝幅が大きくなる第1テーパー形状46aを有していた。また、可動壁46は、中央から、X軸正の方向に行くにつれY軸方向の溝部19の溝幅が大きくなる第2テーパー形状46bを有していた。
他にも、可動壁は、X軸方向中央を頂点とし、この中央から、X軸負の方向に行くにつれ溝部19の空間におけるZ軸方向の溝深さが大きくなる第3テーパー形状を有しても良い。また、可動壁は、X軸方向の中央を頂点とし、この中央から、X軸正方向に行くにつれ溝部19の空間におけるZ軸方向の溝深さが大きくなる第4テーパー形状を有しても良い。また、テーパー形状は、第3テーパー形状と第4テーパー形状から構成される。このとき、可動壁は、液体噴射方向である第3方向55の溝部19の空間の深さが第2方向54において増減するテーパー形状を有する。
溝部19のX軸正方向に流れる気流47が、テーパー形状に沿って流れることで、Z軸正方向へ流れながら、徐々にせき止められる。これにより、テーパー形状が無い場合に比べ、テーパー形状がある場合では、テーパー形状がある領域で効率的に気圧が上昇する。その結果、気流47の媒体搬送方向成分が抑制される領域が拡大し、インク滴32の着弾ずれが低減される領域も拡大する。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
インクジェット式の記録装置は、媒体の搬送方向である第1方向と交差する第2方向に往復移動するキャリッジと、前記キャリッジに搭載され前記媒体に液体を噴射するノズルが第1方向に複数配置されたノズル列が前記第2方向に複数列をなす液体噴射ヘッドと、制御部と、を備え、前記キャリッジは、前記ノズル列が設けられたノズル面の前記ノズル列の位置よりも前記第1方向の下流側の位置に、前記ノズル面の端から前記第2方向に沿って形成された溝部と、前記溝部の空間を閉塞する可動式の可動壁と、前記可動壁を移動させる移動部と、を有し、前記制御部は、複数の前記ノズル列のうち液体を噴射するノズルを含むノズル列の前記第1方向の下流側に前記可動壁が位置するように前記移動部を制御することを特徴とする。
この構成によれば、キャリッジが移動することで、媒体とノズル面の間に、キャリッジの進行方向前方から後方に気流が生じる。この時生じる気流は溝部にも流れ、可動壁でせき止められる。このため、可動壁周辺の気圧が上昇する。この気圧の上昇により、媒体とノズル面の間では第1方向の気圧差が小さくなり、第1方向の気流が抑制される。
制御部が移動部を移動させる制御をすることで、可動壁の位置が制御される。そして、液体を噴射するノズル列の第1方向の下流側に可動壁が位置するように制御部が移動部を制御する。この為、液体を噴射するノズル列が配列する直線上に、気圧が上昇する領域が位置する。従って、液体を噴射するノズル列では可動壁により第1方向の気流が抑制され、液滴の第1方向着弾ずれが低減される。ノズル列が複数あるときにも可動壁が移動して液体を噴射するノズル列の下流側に可動壁が位置する。この為、複数のノズル列を有する場合にも着弾ずれを低減することができる。
上記のインクジェット式の記録装置では、前記制御部は、前記移動部を制御して、前記可動壁を前記第2方向に移動させることが好ましい。
この構成によれば、制御部は、移動部を制御して、可動壁を前記第2方向に移動させる。印刷パターンに対応して液体を噴射するノズル列が切り換えられる。この場合でも、移動部が第2方向に可動壁の位置を移動する。その結果、溝部の空間が閉塞される位置を移動させることができる。
上記のインクジェット式の記録装置では、前記可動壁は、前記溝部の前記第1方向の溝幅が前記第2方向において増減するテーパー形状を有することが好ましい。
この構成によれば、溝部に沿って第2方向に流れる気流がテーパー形状に沿って流れる。溝部を流れる気流は第1方向へ向きを変えて流れながら、徐々にせき止められる。このとき、テーパー形状が無い場合に比べてテーパー形状がある場合では、テーパー形状がある領域で効率的に気圧が上昇する。その結果、第1方向の気流が抑制される領域が拡大する為、液滴の第1方向の着弾ずれが低減される領域を拡大させることができる。
上記のインクジェット式の記録装置は、前記可動壁は、液体噴射方向である第3方向の前記溝部の空間の深さが前記第2方向において増減するテーパー形状を有することが好ましい。
この構成によれば、溝部の前記第2方向に流れる気流がテーパー形状に沿って流れることで、溝部を流れる気流は第3方向へ向きを変えて流れながら、徐々にせき止められる。これにより、テーパー形状が無い場合に比べ、テーパー形状がある場合では、テーパー形状がある領域で効率的に気圧が上昇する。その結果、第1方向の気流が抑制される領域が拡大する為、液滴の第1方向着弾ずれが低減される領域を拡大させることができる。
1…記録装置としてのインクジェット式の記録装置、2…制御部、8…キャリッジ、9…第1キャリッジ移動方向、10…液体噴射ヘッドとしてのヘッド、10a…ノズル面、14…媒体、15…第1方向、16…ノズル列としての第1ノズル列、17…ノズル列としての第2ノズル列、18…ノズル列としての第3ノズル列、19…溝部、20,46…可動壁、21…移動部としての可動壁駆動部、46a…第1テーパー形状、46b…第2テーパー形状、54…第2方向、55…第3方向。
Claims (4)
- 媒体の搬送方向である第1方向と交差する第2方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジに搭載され前記媒体に液体を噴射するノズルが第1方向に複数配置されたノズル列が前記第2方向に複数列をなす液体噴射ヘッドと、制御部と、を備え、
前記キャリッジは、
前記ノズル列が設けられたノズル面の前記ノズル列の位置よりも前記第1方向の下流側の位置に、前記ノズル面の端から前記第2方向に沿って形成された溝部と、
前記溝部の空間を閉塞する可動式の可動壁と、
前記可動壁を移動させる移動部と、を有し、
前記制御部は、複数の前記ノズル列のうち液体を噴射するノズルを含むノズル列の前記第1方向の下流側に前記可動壁が位置するように前記移動部を制御することを特徴とする記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置であって、
前記制御部は、前記移動部を制御して、前記可動壁を前記第2方向に移動させることを特徴とする記録装置。 - 請求項2に記載の記録装置であって、
前記可動壁は、前記溝部の前記第1方向の溝幅が前記第2方向において増減するテーパー形状を有することを特徴とする記録装置。 - 請求項2に記載の記録装置であって、
前記可動壁は、液体噴射方向である第3方向の前記溝部の空間の深さが前記第2方向において増減するテーパー形状を有することを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
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JP2019001709A Pending JP2020110945A (ja) | 2019-01-09 | 2019-01-09 | 記録装置 |
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RD07 | Notification of extinguishment of power of attorney |
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