JP2020109310A - 車両用変速機の潤滑構造 - Google Patents

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俊平 更科
Shunpei Sarashina
俊平 更科
伊藤 俊一
Shunichi Ito
俊一 伊藤
夏樹 岩井
Natsuki Iwai
夏樹 岩井
慎一 竹内
Shinichi Takeuchi
慎一 竹内
嵩史 荒川
Takashi Arakawa
嵩史 荒川
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Abstract

【課題】変速機ケースの構成を簡素化しつつ、異なる回転軸を支持する異なる軸受の潤滑性能を向上できる車両用変速機の潤滑構造を提供すること。【解決手段】自動変速機2の潤滑構造において、隔壁65は、軸受支持部65Aから軸受支持部65Cの上方に向かって延び、サークリップ96の操作端部が配置される凹部65Iと、凹部65Iとオイル溜まり65cとを連通する潤滑油供給溝65Jとを有する。オイル通路65Gからオイル通路93Aに供給され、環状部材93とシールリング94A、94Bの間から漏出されてオイル溜まり65aに供給される潤滑油は、オイル溜まり65aから凹部65Iと潤滑油供給溝65Jを通してオイル溜まり65cに供給される。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用変速機の潤滑構造に関する。
サークリップ操作用のメンテナンス孔を有し、メンテナンス孔に工具を挿入してギヤ軸の一端部に設けられた第2軸受にサークリップを取付ける電気自動車が知られている。この電気自動車は、メンテナンス孔を利用してギヤ軸の他端部に設けられた第1軸受にオイルを供給している。
具体的には、パーキングギヤで掻き上げられたオイルが、オイルポケット部材と連通孔とメンテナンス孔とを介して凹孔(ギヤ軸の一端部を第2軸受を介して支持する軸受支持部のオイル溜まり)の端面とオイルガイドとの間の隙間に供給される。
次いで、凹孔の端面とオイルガイドとの間の隙間からギヤ軸内の連結軸を通してロータ軸の軸孔にオイルが導かれ、遠心力により透孔を介してオイル溜り(ギヤ軸の他端部を第1軸受を介して支持する軸受支持部のオイル溜まり)にオイルが供給され、第1軸受が潤滑される。
特開2000−71789号公報
このような従来の電気自動車にあっては、サークリップが取付けられるギヤ軸の第2の軸受が潤滑油によって潤滑されるだけであり、このギヤ軸と異なる他の回転軸(中間軸や出力軸)を支持する軸受を潤滑することができない。
したがって、他の回転軸を支持する他の軸受に潤滑油を供給するための専用の通路等が必要になり、電動駆動ユニットのケースの構造が複雑になるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、変速機ケースの構成を簡素化しつつ、異なる回転軸を支持する異なる軸受の潤滑性能を向上できる車両用変速機の潤滑構造を提供することを目的とするものである。
本発明は、壁部を有する変速機ケースを備え、前記壁部は、第1のオイル溜まりを有するとともに、第1の軸受を介して第1の回転軸を回転自在に支持する第1の軸受支持部と、前記第1の軸受支持部に隣接して設けられ、第2のオイル溜まりを有するとともに、第2の軸受を介して第2の回転軸を回転自在に支持する第2の軸受支持部と、前記第1のオイル溜まりに潤滑油を供給する潤滑油供給部とを備えており、少なくとも前記第1の軸受がサークリップによって前記第1の軸受支持部に固定された車両用変速機の潤滑構造であって、前記壁部は、前記第1の軸受支持部から前記第2の軸受支持部の上方に向かって延び、前記サークリップの操作端部が配置される凹部と、前記凹部と前記第2のオイル溜まりとを連通する潤滑油供給溝とを有し、前記潤滑油供給部から前記第1のオイル溜まりに供給される潤滑油が、前記第1のオイル溜まりから前記凹部と前記潤滑油供給溝を通して前記第2のオイル溜まりに供給されることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、変速機ケースの構成を簡素化しつつ、異なる回転軸を支持する異なる軸受の潤滑性能を向上できる。
図1は、本発明の一実施例に係る自動変速機の左側面図である。 図2は、本発明の一実施例に係る自動変速機を、入力軸の軸心を含む縦断面図である。 図3は、図2のトルコンハウジングおよびフロントケースの拡大断面図である。 図4は、本発明の一実施例に係る自動変速機のフロントケースの後面図である。 図5は、図4のV−V方向矢視断面図である。 図6は、図4のVI−VI方向矢視断面図である。
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機の潤滑構造は、壁部を有する変速機ケースを備え、壁部は、第1のオイル溜まりを有するとともに、第1の軸受を介して第1の回転軸を回転自在に支持する第1の軸受支持部と、第1の軸受支持部に隣接して設けられ、第2のオイル溜まりを有するとともに、第2の軸受を介して第2の回転軸を回転自在に支持する第2の軸受支持部と、第1のオイル溜まりに潤滑油を供給する潤滑油供給部とを備えており、少なくとも第1の軸受がサークリップによって第1の軸受支持部に固定された車両用変速機の潤滑構造であって、壁部は、第1の軸受支持部から第2の軸受支持部の上方に向かって延び、サークリップの操作端部が配置される凹部と、凹部と第2のオイル溜まりとを連通する潤滑油供給溝とを有し、潤滑油供給部から第1のオイル溜まりに供給される潤滑油が、第1のオイル溜まりから凹部と潤滑油供給溝を通して第2のオイル溜まりに供給される。
これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用変速機の潤滑構造は、変速機ケースの構成を簡素化しつつ、異なる回転軸を支持する異なる軸受の潤滑性能を向上できる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用変速機の潤滑構造について、図面を用いて説明する。図1から図6は、本発明に係る一実施例の自動変速機を示す図である。
図1から図6において、上下前後左右方向は、車両の搭載状態での方向であって、車両の進行する方向を前、後退する方向を後とし、車両の幅方向が左右方向、車両の高さ方向が上下方向である。
まず、構成を説明する。
図1、図2において、車両1には自動変速機2が搭載されており、自動変速機2は、内燃機関としてのエンジン3に固定された状態で車両1のフロアパネル1Aの下方に縦置きに設置されている。
すなわち、本実施例の自動変速機2は、回転軸(タービン軸11、入力軸21、出力軸22、カウンタ軸23)を車両1の前後方向に沿って配置している。車両1は、後輪駆動車両である。本実施例の自動変速機2は、本発明の車両用変速機を構成する。
自動変速機2は、変速機ケース4を備えており、変速機ケース4は、トルクコンバータハウジング(以下、単にトルコンハウジングという)5と、フロントケース6と、リヤケース7と、エクステンションケース8とを備えている。
変速機ケース4の前端部(詳細には、トルコンハウジング5の前端部)は、図示しないボルトによってエンジン3に接続されている。
自動変速機2は、シフトユニット101を備えており、シフトユニット101は、自動変速機2のシフト操作およびクラッチ操作を行うように駆動する。ここで、シフト操作とは、自動変速機2の変速段を切り替える操作をいい、クラッチ操作とは、自動変速機2の摩擦クラッチ17(図3参照)を係合(接続)または解放(切断)する操作をいう。
図2において、トルコンハウジング5にはトルクコンバータ10が収容されている。トルクコンバータ10は、エンジン3の図示しないクランク軸に連結されるフロントカバー10Aと、フロントカバー10Aに連結されたシェル10Bとを備えており、エンジン3から自動変速機2にオイルを介して動力を伝達している。
シェル10Bの内面には、図示しないポンプインペラが固定されている。シェル10Bの内部には、図示しないタービンランナがポンプインペラに対向して設置されており、タービンランナは、タービン軸11に連結されている。ポンプインペラとタービンランナとの間には図示しないステータが設置されている。
エンジン3のクランク軸が回転すると、トルクコンバータ10において、フロントカバー10A、シェル10Bおよびポンプインペラが一体で回転する。このとき、ポンプインペラの回転による遠心力によって、トルクコンバータ10の内部の流体に、ポンプインペラからタービンランナに向かう流れが生じる。
ステータは、タービンランナからの流体の流れをポンプインペラの回転方向に沿うように変換する。トルクコンバータ10は、エンジン3から受け取った動力をトルク増幅作用により増幅されてタービン軸11から出力する。
フロントカバー10Aの外周部にはドライブプレート10Cが設けられており、ドライブプレート10Cの外周面にはリングギヤ10cが形成されている。ドライブプレート10Cは、エンジン3の始動時に図示しないスタータとリングギヤ10c(図4参照)が噛み合うことにより、スタータの回転をエンジン3に伝達する。
トルコンハウジング5は、トルクコンバータ10を外周側から囲む周壁51と、この周壁51の内面に接続して設けられ、トルクコンバータ10と摩擦クラッチ17の間でタービン軸11を支持する隔壁55とを有している。周壁51にはスタータが装着されている。
隔壁55は、トルコンハウジング5の内部でトルクコンバータ10を収容するトルコン室81とフロントケース6の内部で摩擦クラッチ17を収容するクラッチ室82とを仕切っている。タービン軸11は、隔壁55に形成された軸受支持部において軸受38Aを介して回転自在に支持されている。
トルコンハウジング5の周壁51のエンジン3側の端縁は、エンジン3のクランクケースに締結により固定されている。周壁51のエンジン3側の端縁には、クランクケースとの合わせ面51Aが形成されている。
周壁51の摩擦クラッチ17側の端縁には、フロントケース6との合わせ面51Bが形成されている。周壁51の摩擦クラッチ17側の端縁は、合わせ面51Bにおいて、フロントケース6に対して締結により固定される。
トルコンハウジング5にはオイルポンプ12が取付けられている。オイルポンプ12は、トルコンハウジング5の内部空間に配置されており、オイルポンプ12は、例えば、トロコイド式のオイルポンプから構成されている。
オイルポンプ12は、ポンプハウジング12Aを備えており、ポンプハウジング12Aは、第1のポンプハウジング13と第2のポンプハウジング14で構成されている。第2のポンプハウジング14は、図示しないボルトによって隔壁55に固定されている。
第1のポンプハウジング13は、図示しないボルトによって第2のポンプハウジング14に締結されている。第1のポンプハウジング13および第2のポンプハウジング14は、オイルポンプ12の筐体を構成している。
第1のポンプハウジング13と第2のポンプハウジング14との間にはポンプ室15が形成されており、ポンプ室15には図示しないインナロータおよびアウタロータが配置されている。インナロータは、タービン軸11が貫通した状態で取付けられており、シェル10Bに係合してシェル10Bと一体で回転する。
アウタロータは、インナロータの周囲でインナロータの半径方向外方に配置されており、インナロータの回転に伴って回転する。トロコイド式のオイルポンプ12は、アウタロータに形成された内歯とインナロータに形成された外歯とが接触することにより、外歯と内歯との間にオイルを収容する図示しない作動室を形成する。
エンジン3の動力がフロントカバー10Aを介してインナロータに伝達されると、オイルポンプ12において、インナロータとアウタロータとが一方向に回転する。このとき、作動室の容積増加および容積減少が連続して発生することにより、オイルが作動室に吸入され、作動室からオイルが吐出される。
タービン軸11の後端部には円盤状のフランジ部11Aが形成されており、フランジ部11Aは、タービン軸11の前端部や中央部よりも大径に形成されている。フランジ部11Aにはフライホイール16が取付けられている。フライホイール16は、フロントケース6に収容されている。
フロントケース6には摩擦クラッチ17が収容されており、摩擦クラッチ17は、前後方向(回転軸の軸方向)でフライホイール16に対向している。また、フロントケース6には、変速機構20が収容されている。
フロントケース6は、摩擦クラッチ17および変速機構20を外周側から囲む周壁61と、周壁61の内部を摩擦クラッチ17が収納されるクラッチ室82と変速機構20が収納される変速機室83とに区画し、変速機構20の回転軸を支持する隔壁65とを有する。周壁61は、フライホイール16の径方向の周囲を取り囲んでいる。本実施例の隔壁65は、本発明の壁部を構成する。
リヤケース7は、変速機構20を外周側から囲む周壁71と、変速機構20の回転軸を支持する隔壁75とを有する。隔壁75はリヤケース7の後端部に形成されている。隔壁75には連通孔が形成されており、隔壁75の前後の空間を連通している。
摩擦クラッチ17は、入力軸21が貫通した状態で配置され、入力軸21の軸方向の前端部21aの周囲に配置されている。入力軸21は、フロントケース6およびリヤケース7に収容されており、フロントケース6から前方に突出する軸方向の前端部21aにおいて軸受38Bを介してフランジ部11Aに回転自在に支持され、中央部付近が軸受38Cを介して隔壁65に回転自在に支持され、軸方向の後端部21bにおいて出力軸22に回転自在に支持されている。
出力軸22は、入力軸21と同軸に配置され、入力軸21の軸方向で入力軸21に連続して配置されている。出力軸22は、リヤケース7の後端部の隔壁75およびエクステンションケース8において軸受38D、38Eをそれぞれ介して回転自在に支持されている。出力軸22は入力軸21に対して相対回転する。
摩擦クラッチ17は、入力軸21がスプライン嵌合し入力軸21に一体回転自在、かつ入力軸21の軸方向に移動自在に設けられたクラッチディスク17Aと、クラッチディスク17Aの反フライホイール16側に当接するプレッシャプレート17Bと、プレッシャプレート17Bをフライホイール16側に付勢するダイヤフラムスプリング17Cとを備えている。
フロントケース6の隔壁65には、入力軸21が通過する筒状部66が形成されており、筒状部66は、隔壁65の中央付近から入力軸21の軸方向に沿って摩擦クラッチ17側に延びている。すなわち、筒状部66は隔壁65からクラッチ室82側に突出して形成されている。
筒状部66の周囲には環状のレリーズベアリング18が設けられており、レリーズベアリング18を貫通して筒状部66が配置されている。レリーズベアリング18は、筒状部66に沿って入力軸21の軸方向に移動してダイヤフラムスプリング17Cの半径方向内方部分に接触および離隔する。
レリーズベアリング18は、レリーズレバー19によって筒状部66に沿って入力軸21の軸方向で前方(摩擦クラッチ17側)に移動されると、ダイヤフラムスプリング17Cの中央付近(筒状部66の周辺付近)を前方に向かって押圧する。
これにより、ダイヤフラムスプリング17Cによるプレッシャプレート17Bへの付勢が解除され、プレッシャプレート17Bの押圧力が無くなりクラッチディスク17Aがフライホイール16から離隔される。
この結果、エンジン3のクランク軸の回転が入力軸21に伝達されなくなる。なお、エンジン3の動力を伝達するためにダイヤフラムスプリング17Cがプレッシャプレート17Bを付勢する力は強力であり、この付勢を解除するためにレリーズベアリング18に作用するレリーズレバー19からの操作力も大きな力が必要となる。この力は、トルコンハウジング5の隔壁55にて受け止められる。
レリーズベアリング18は、レリーズレバー19によって入力軸21の軸方向に対して後方に移動されると、ダイヤフラムスプリング17Cの中央付近(筒状部66の周辺付近)から離れる。
この状態では、ダイヤフラムスプリング17Cがプレッシャプレート17Bを付勢してクラッチディスク17Aをフライホイール16に押し付け、クラッチディスク17Aをプレッシャプレート17Bとフライホイール16にて挟持するので、エンジン3のクランク軸の回転を入力軸21に伝達する。
このように摩擦クラッチ17は、エンジン3のクランク軸と入力軸21との間で動力伝達状態を伝達状態または遮断状態に切り替える。レリーズレバー19は、シフトユニット101に連結されており、シフトユニット101によって操作される。
図2において、フロントケース6およびリヤケース7にはカウンタ軸23が収容されており、カウンタ軸23は、隔壁65とエクステンションケース8とに回転自在に支持されている。カウンタ軸23は、入力軸21および出力軸22に対して平行に延びている。
入力軸21には、その軸方向に沿って摩擦クラッチ17側から出力軸22に向かって4速入力ギヤ24A、3速入力ギヤ24B、2速入力ギヤ24C、1速入力ギヤ24Dおよびリバース入力ギヤ24Eが設置されている。
4速入力ギヤ24A、3速入力ギヤ24B、2速入力ギヤ24C、1速入力ギヤ24Dおよびリバース入力ギヤ24Eは、入力軸21に相対回転自在に連結されている。
出力軸22の前端部には5速クラッチギヤ22Aが設けられており、5速クラッチギヤ22Aは、出力軸22の外周部に形成されたドグから構成される。
カウンタ軸23には、その軸方向に沿って摩擦クラッチ17側から後方に向かって4速カウンタギヤ26A、3速カウンタギヤ26B、2速カウンタギヤ26C、1速カウンタギヤ26Dおよびカウンタリダクションドライブギヤ26Eが設けられている。
4速カウンタギヤ26A、3速カウンタギヤ26B、2速カウンタギヤ26C、1速カウンタギヤ26Dおよびカウンタリダクションドライブギヤ26Eは、カウンタ軸23に固定されている。
4速カウンタギヤ26A、3速カウンタギヤ26B、2速カウンタギヤ26C、1速カウンタギヤ26Dは、それぞれ4速入力ギヤ24A、3速入力ギヤ24B、2速入力ギヤ24C、1速入力ギヤ24Dに噛み合って各変速段を構成する。
カウンタリダクションドライブギヤ26Eは、隔壁75の後方の位置でエクステンションケース8の内部空間に配置され、出力軸22のカウンタリダクションドリブンギヤ27に噛み合っている。カウンタリダクションドリブンギヤ27は、出力軸22と一体で回転するように出力軸22に固定されている。
フロントケース6およびリヤケース7には3速−4速用の同期装置28、1速−2速用の同期装置29およびリバース−5速用の同期装置30が収容されている。
3速−4速用の同期装置28は、入力軸21と一体で回転し、かつ、入力軸21の軸方向に移動自在に設けられている。3速−4速用の同期装置28は、シフトアンドセレクト軸33が操作されたときに、いずれも図示しない3速−4速用のシフト軸、シフトヨークおよびシフトフォークを介して入力軸21の軸方向に移動される。
1速−2速用の同期装置29は、入力軸21と一体で回転し、かつ、入力軸21の軸方向に移動自在に設けられている。1速−2速用の同期装置29は、シフトアンドセレクト軸33が操作されたときに、いずれも図示しない1速−2速用のシフト軸、シフトヨークおよびシフトフォークを介して入力軸21の軸方向に移動される。
リバース−5速用の同期装置30は、入力軸21と一体で回転し、かつ、入力軸21の軸方向に移動自在に設けられている。リバース−5速用の同期装置30は、シフトアンドセレクト軸33が操作されたときに、図示しないリバース−5速用のシフト軸、シフトヨークおよびシフトフォークを介して入力軸21の軸方向に移動される。
3速−4速用の同期装置28は、中立位置から入力軸21の軸方向の前側に移動することにより、4速入力ギヤ24Aを入力軸21に連結して前進4速段を成立させ、入力軸21の動力を4速入力ギヤ24Aおよび4速カウンタギヤ26Aを介してカウンタ軸23に伝達する。
カウンタ軸23に伝達される動力は、カウンタリダクションドライブギヤ26Eからカウンタリダクションドリブンギヤ27を介して出力軸22に伝達される。出力軸22には図示しないプロペラ軸を介していずれも図示しないディファレンシャル装置、ドライブ軸および駆動後輪が連結されている。
これにより、出力軸22に伝達された動力は、プロペラ軸を介してディファレンシャル装置に伝達された後、ディファレンシャル装置によって左右のドライブ軸に分配され、ドライブ軸から駆動後輪に伝達される。この結果、車両1が走行される。
3速−4速用の同期装置28は、中立位置から入力軸21の軸方向の後側に移動することにより、3速入力ギヤ24Bを入力軸21に連結して前進3速段を成立させ、入力軸21の動力を3速入力ギヤ24Bおよび3速カウンタギヤ26Bを介してカウンタ軸23に伝達する。
1速−2速用の同期装置29は、中立位置から入力軸21の軸方向の前側に移動することにより、2速入力ギヤ24Cを入力軸21に連結して前進2速段を成立させ、入力軸21の動力を2速入力ギヤ24Cおよび2速カウンタギヤ26Cを介してカウンタ軸23に伝達する。
1速−2速用の同期装置29は、中立位置から入力軸21の軸方向の後側に移動することにより、1速入力ギヤ24Dを入力軸21に連結して前進1速段を成立させ、入力軸21の動力を1速入力ギヤ24Dおよび1速カウンタギヤ26Dを介してカウンタ軸23に伝達する。
リバース−5速用の同期装置30は、中立位置から入力軸21の軸方向の前側に移動することにより、リバース入力ギヤ24Eを入力軸21に連結して後進段を成立させ、入力軸21の動力をリバース入力ギヤ24Eからいずれも図示しないリバースアイドラギヤ、リバース出力ギヤ、1速カウンタギヤ26Dを介してカウンタ軸23に伝達する。このとき、カウンタ軸23は、前進時の回転方向と逆方向に回転するので、車両1が後進される。
リバース−5速用の同期装置30は、中立位置から入力軸21の軸方向の後側に移動することにより、5速クラッチギヤ22Aを入力軸21に連結して前進5速段を成立させ、カウンタ軸23を介することなく入力軸21の動力を出力軸22に直接伝達する。
フロントケース6の上部にはシフトケース9が設けられており、シフトアンドセレクト軸33は、シフトケース9の内部に設けられてシフトケース9に軸支されている。シフトアンドセレクト軸33は、入力軸21の延びる方向と直交する車両1の幅方向に延びている。
シフトアンドセレクト軸33は、シフトケース9に回転自在かつ、軸方向に移動自在に設けられており、シフトユニット101によって操作される。本実施例の変速機構20は、入力軸21と、出力軸22と、カウンタ軸23と、各ギヤ24Aからギヤ24Eと、各ギヤ26Aからギヤ26Eと、各同期装置28から同期装置30とによって構成されている。
図4に示すように、隔壁65には軸受支持部65A、軸受支持部65Bおよび軸受支持部65Cが設けられている。
図3に示すように、軸受支持部65Aは、変速機室83側に開口する筒穴状に隔壁65に形成されており、入力軸21の前端部21aは、軸受支持部65Aから筒状部66を通してクラッチ室82に延びている。つまり、隔壁65における入力軸21の貫通箇所には、変速機室83側に軸受支持部65Aが形成され、摩擦クラッチ17側に筒状部66が形成されている。
軸受支持部65Aには軸受38Cが嵌合しており、入力軸21の前側は、軸受38Cを介して軸受支持部65Aに回転自在に支持されている。
図4に示すように、軸受支持部65Bは、軸受支持部65A、65Cの下方に設置されており、軸受支持部65Bは、隔壁65から変速機室83側に筒状に延びている。軸受支持部65Bには軸受38Fが嵌合されており、カウンタ軸23の前端部は、軸受38Fを介して軸受支持部65Bに回転自在に支持されている。
エクステンションケース8には図示しない軸受支持部が設けられており、カウンタ軸23の後端部は、図示しない軸受を介してエクステンションケース8の軸受支持部に回転自在に支持されている。
軸受支持部65Cは、軸受支持部65Aの右方で、かつ、軸受支持部65Aと同じ高さ位置に設けられている。すなわち、軸受支持部65Cは、軸受支持部65Aと同じ高さ位置で軸受支持部65Aに隣接している。軸受支持部65Cには軸受38Gを介して後進用のリバース軸25の前端部が回転自在に支持されている。
軸受支持部65Bは、車両1の幅方向でその中心部O2が軸受支持部65Aの中心部O1よりも軸受支持部65Cの中心部O3側(右側)で、かつ、軸受支持部65Cの中心部O3よりも軸受支持部65Aの中心部O1側(左側)に位置している。すなわち、軸受支持部65Bは、車両1の幅方向で軸受支持部65Aと軸受支持部65Cの間に設けられている。
本実施例の中心部O1は、本発明の第1の軸受支持部の中心部を構成し、中心部O2は、本発明の第3の軸受支持部の中心部を構成する。中心部O3は、本発明の第2の軸受支持部の中心部を構成する。
隔壁65の後面には複数のシフト軸用支持部65D、65E、65Fが形成されている。シフト軸用支持部65D、65E、65Fは、軸受支持部65Aの上方に位置しており、車両1の幅方向に並んで設置されている。
シフト軸用支持部65D、65E、65Fには3速−4速用のシフト軸、1速−2速用のシフト軸およびリバース−5速用のシフト軸の軸方向の前端部が挿入されている。
3速−4速用のシフト軸、1速−2速用のシフト軸およびリバース−5速用のシフト軸の後端部は、隔壁75に形成された図示しないシフト軸用支持部に挿入されている。3速−4速用のシフト軸、1速−2速用のシフト軸およびリバース−5速用のシフト軸は、車両1の前後方向に沿って配置され、シフト軸用支持部65D、65E、65Fおよび隔壁75に形成されたシフト軸用支持部に挿入された状態で軸方向に移動自在である。
本実施例の入力軸21は、本発明の第1の回転軸を構成し、リバース軸25は、本発明の第2の回転軸を構成する。カウンタ軸23は、本発明の第3の回転軸を構成する。軸受支持部65Aは、本発明の第1の軸受支持部を構成し、軸受支持部65Bは、本発明の第3の軸受支持部を構成する。
軸受支持部65Cは、本発明の第2の軸受支持部を構成し、軸受38Cは、本発明の第1の軸受を構成する。軸受38Fは、本発明の第3の軸受を構成し、軸受38Gは、本発明の第2の軸受を構成する。
図2、図3に示すように、フロントケース6の下部にはオイルパン41が取付けられており、オイルパン41とフロントケース6の間は、オイルを貯留するオイル貯留室43となっている。また、オイルパン41とフロントケース6の下部との間にはバルブボディ42が収容されており、バルブボディ42は、図示しないボルトによってフロントケース6の下部に締結されている。
バルブボディ42は、オイルポンプ12によってオイルパン41から吸い上げられて加圧されたオイルを調圧するとともに流れ方向を制御し、トルコンハウジング5の内部を通してトルクコンバータ10に供給する。
トルクコンバータ10に供給されるオイルは、トルクコンバータ10の図示しないロックアップクラッチを締結または解放するオイル、あるいは、ポンプインペラからタービンランナに流れるオイルとして用いられる。
また、バルブボディ42からトルクコンバータ10に供給されるオイルは、トルコンハウジング5の内部を通してタービン軸11を軸支する軸受38A等の潤滑が必要な部位に供給される。
図5において、隔壁65にはオイル通路65Gが形成されている。オイル通路65Gは、周壁61から入力軸21に向かって直線状に延びており、上端の開口端がプラグ90によって閉じられている。
隔壁65には送油管支持部65Hが設けられており、送油管支持部65Hには送油管91の前端部が挿入されて支持されている。隔壁75には図示しない送油管支持部が形成されており、隔壁75の送油管支持部には送油管91の後端部が挿入されて支持されている。
隔壁75には図示しないオイル通路が設けられている。送油管91の内部にはオイル通路91Aが形成されており、オイル通路91Aの後端部(上流端)は、隔壁75のオイル通路に連通している。隔壁65の送油管支持部65Hにはオイル通路65Mが形成されており、オイル通路65Mはオイル通路91Aとオイル通路65Gとを連通している。
エクステンションケース8にはオイルポンプ92が設けられている(図2参照)。オイルポンプ92は、カウンタ軸23の後方でカウンタ軸23と同軸上に配置されているとともに、カウンタ軸23によって駆動される。オイルポンプ92の駆動時にオイルポンプ92から吐出される潤滑油は、エクステンションケース8のオイル通路と隔壁75のオイル通路を通してオイル通路91Aに供給された後、オイル通路91Aからオイル通路65Mを通してオイル通路65Gに供給される。
図5に示すように、オイル通路65Gの下流端には入力軸21を取り囲むように環状部材93が設けられている。環状部材93には半径方向に延びるオイル通路93Aが形成されており、オイル通路93Aは、オイル通路65Gに連通されている。
つまり、環状部材93は、筒状部66と軸受支持部65A(軸受38C)の間の隔壁65に埋設配置され、その中心を入力軸21が貫通している。そして、環状部材93は、外径部と内径部を連通させるオイル通路93Aが形成されており、後述するオイル通路21Aとオイル通路65Gを連通させる部材である。
入力軸21の軸心にはオイル通路21Aが形成されており、オイル通路21Aは、オイル通路93Aに連通している。これにより、送油管91のオイル通路91Aからオイル通路65Gに供給された潤滑油は、オイル通路93Aを通してオイル通路21Aに供給される。
環状部材93の径方向の内方において入力軸21の外周部にはシールリング保持溝21B、21Cが軸方向に間隔を開けて設けられている。オイル通路21Aは軸方向でシールリング保持溝21Cに達しており、入力軸21には軸方向でシールリング保持溝21Bとシールリング保持溝21Cとの間にオイル通路21Aに連通するオイル通路21Eが設けられている。
シールリング保持溝21B、21Cにはシールリング94A、94Bが取付けられており、シールリング94A、94Bは、環状部材93の径方向の内周面(内径面)に当接した状態でシールリング保持溝21B、21Cに嵌合されている。
各ギヤ24Aからギヤ24Eは、それぞれニードルベアリング95を介して入力軸21に回転自在に支持されている。
入力軸21には軸受38Cよりも後方に潤滑油放出孔21Dが設けられている。潤滑油放出孔21Dは、オイル通路21Aから径方向に延び、各ギヤ24Aからギヤ24Eを支持するニードルベアリング95の軌道面となる外径面に開口している。
オイル通路93Aからオイル通路21Aに供給された潤滑油は、入力軸21の回転による遠心力によって潤滑油放出孔21Dから各ギヤ24Aからギヤ24Eを支持するニードルベアリング95に供給される。これにより、各ギヤ24Aからギヤ24Eを支持するニードルベアリング95が潤滑油によって潤滑される。
軸受38Cとギヤ24Aの間において入力軸21にはエキサイタリング24Fが設けられており、エキサイタリング24Fは、入力軸21と一体で回転する。エキサイタリング24Fは、その動きを図示しない回転センサによって検出される。
回転センサは、エキサイタリング24Fの動き(回転)を検出して、シフトユニット101に検出情報を出力する。シフトユニット101は、回転センサの検出情報に基づいて入力軸21の回転数を算出する。
図5に示すように、軸受支持部65Aの奥側(前側)には、軸受38Cの前側にオイル溜まり65aが設けられている。オイル溜まり65aは、入力軸21と軸受38Cと軸受支持部65Aと環状部材93とによって囲まれる空間で構成されている。
図6に示すように、軸受支持部65Cの奥側(前側)には、軸受38Gの前側にオイル溜まり65cが設けられている。オイル溜まり65cは、リバース軸25と軸受38Gと軸受支持部65Cとによって囲まれる空間で構成されている。
図5に示すように、隔壁65には、オイル通路65Gに連通するオイル通路65Kが設けられている。オイル通路65Kは、オイル通路65Mと平行にオイル通路65Gから後方に向って延びるようにオイル通路65Mの上方に設置されている。オイル通路65Mの後端部(下流端)にはリリーフバルブ97が設置されている。ここで、上流、下流とは、オイルが流れる方向の上流と下流をいう。
リリーフバルブ97は、オイル通路65Gを流れるオイルの圧力が一定値以上になると、オイル通路65K内のオイルを変速機室83に排出する。
図4に示すように、隔壁65の後面には凹部65Iが設けられている。凹部65Iは、軸受支持部65Aの上方に設けられており、軸受支持部65Aから軸受支持部65Cの上方に向かって扇状に延びている。凹部65Iは、後述するサークリップ96の着脱作業用の空間を確保するための窪みであって、隔壁65の後面の一部が前方に窪んで形成されている。
図5に示すように、軸受支持部65Aの内周面(内径面)には嵌合溝65sが形成されており、嵌合溝65sにはサークリップ96が嵌合されている。軸受38Cのアウタレースには嵌合溝38aが形成されており、嵌合溝38aにはサークリップ96が嵌合されている。これにより、軸受38Cは、サークリップ96によって入力軸21の軸方向に位置決めされて軸受支持部65Aに取付けられる。
サークリップ96はC型形状をしており、図4に示すように、その端部に設けられた拡径操作部96aが凹部65Iに配置されている。そして、凹部65I内で拡径操作部96aが近づく方向と離れる方向とに移動自在となっている。
つまり、凹部65Iは、軸受支持部65Aに達して軸受支持部65Aの一部を切欠くように形成されており、入力軸21の軸方向で、嵌合溝65sよりも前方となる位置まで窪んでいる。このため、凹部65Iはオイル溜まり65aに接近した位置に形成されており、軸受支持部65Aの内周面と軸受38Cのアウタレースの間のオイル通路を通過した潤滑油が凹部65Iに流れ出すことになる。
なお、図5に示すように、軸受支持部65Aの内周面と軸受38Cのアウタレースの間に溝を設けて凹部65Iとオイル溜まり65aを連通するオイル通路65bを形成すれば、オイル溜まり65aから凹部65Iに供給される潤滑油を増加させることができる。
サークリップ96が軸受38Cに組付けられた状態では、拡径操作部96aが近づくようにサークリップ96が縮径しており、サークリップ96が軸受支持部65Cの嵌合溝65sと軸受38Cのインナレースの嵌合溝38aの両方に嵌合されている。
一方、軸受38Cを軸受支持部65Aに着脱する場合には、図示しない工具により凹部65I内に設置された拡径操作部96aが離れるようにサークリップ96を拡径する。これにより、サークリップ96が軸受38Cの嵌合溝38aから抜け出す。このため、嵌合溝65sは、サークリップ96の内径が軸受38Cの外径よりも大きく拡径できる深さを有し、軸受38Cを軸受支持部65Aに着脱可能な深さを有する。
隔壁65には潤滑油供給溝65Jが設けられている。潤滑油供給溝65Jは、凹部65Iに連続して隔壁65の後面の一部が前方に窪んで溝状に形成され、凹部65Iと軸受支持部65Cのオイル溜まり65cとを連通している。これにより、オイル溜まり65cは、潤滑油供給溝65Jおよび凹部65Iを通してオイル溜まり65aに連通している。
図5に示すように、オイル溜まり65aにはオイル通路65Gから潤滑油が供給される。すなわち、矢印で示すように、潤滑油Jが送油管91のオイル通路91Aからオイル通路65M、オイル通路65Gおよびオイル通路93Aを通してオイル通路21Aに供給されるときに、その一部が環状部材93とシールリング94Bの間や環状部材93と隔壁65の間から漏出される。そして、この漏出される潤滑油Jがオイル溜まり65aに供給される。なお、環状部材93と隔壁65の間に潤滑油排出孔を形成して、積極的にオイル溜まり65aに供給してもよい。
本実施例のオイル溜まり65aは、本発明の第1のオイル溜まりを構成し、オイル溜まり65cは、本発明の第2のオイル溜まりを構成する。オイル通路91Aを有する送油管91、オイル通路65M、オイル通路65Gおよびオイル通路93Aを有する環状部材93は、オイル溜まり65aに潤滑油を供給する本発明の潤滑油供給部を構成する。
図4に示すように、隔壁65の後面には棚形状部98、99、100が設けられている。車両の後側から見て、棚形状部98は、軸受支持部65Aの左方と下方を取り囲むように配置されている。棚形状部98は、その後端が軸方向で4速入力ギヤ24Aの位置よりも後方となる位置まで、隔壁65から変速機室83側に突出している(図6参照)。
棚形状部98は、軸受支持部65Aの左上方に位置する上端部98aから軸受支持部65Aの下方に位置する下端部98bまで軸受支持部65Aの形状に沿って湾曲している。棚形状部98は、オイル溜まり65aから軸受38Cを通過して流れ出した潤滑油を受け止め可能となっている。
つまり、棚形状部98は、下方になるほど右側となるように湾曲しており、その上面にて軸受38Cを通過して流れ出した潤滑油をカウンタ軸23に向けて導く。また、下端部98bは、左右方向で軸受38Fとオーバーラップする位置まで(軸受38Fの上方位置まで)延びており、潤滑油を確実に軸受38Fの位置まで導くように形成されている。
棚形状部99は、車両の後側から見て、軸受支持部65Cの右方と下方を取り囲むように隔壁65から変速機室83側に突出している。
棚形状部99は、軸受支持部65Cの上下方向の中央部に位置する上端部99aから軸受支持部65Cの下方に位置する下端部99bまで軸受支持部65Cの形状に沿って湾曲している。棚形状部99は、オイル溜まり65cから軸受38Gを通過して流れ出した潤滑油を受け止め可能となっている。
つまり、棚形状部99は、下方になるほど左側となるように湾曲しており、その上面にて軸受38Gを通過して流れ出した潤滑油をカウンタ軸23に向けて導く。また、下端部99bは、左右方向で軸受38Fとオーバーラップする位置まで(軸受38Fの上方位置まで)延びており、潤滑油を確実に軸受38Fの位置まで導くように形成されている。
棚形状部100は、車両の後側から見て、軸受支持部65Bの左右両側と下方を取り囲むように隔壁65から変速機室83側に突出している。
棚形状部100は、棚形状部98の下端部98bに連結された左上端部100aから軸受支持部65Bの形状に沿って湾曲し、右上端部100bが棚形状部99の下端部99bに連結されている。棚形状部100は、軸受38Fを通過して流れ出した潤滑油を受け止め可能となっている。
このように棚形状部98と棚形状部99と棚形状部100とは、軸受支持部65Aから軸受支持部65B、軸受支持部65Cを左右両側と下側から取り囲むように互いに連結されている。
図4に示すように、隔壁65の後面には潤滑油供給溝65Nが設けられている。潤滑油供給溝65Nは、軸受支持部65Bの内部の図示しないオイル溜まりと軸受支持部65Bの外方の変速機室83とを連通している。軸受支持部65Bのオイル溜まりは、軸受支持部65Bの奥側(前側)で軸受38Fの前側に設けられている。このオイル溜まりは、カウンタ軸23と軸受38Fと軸受支持部65Bとによって囲まれる空間で構成されている。
潤滑油供給溝65Nは、隔壁65の後面の一部が前方に窪んで溝状に形成されている。潤滑油供給溝65Nは、軸受支持部65Bから軸受支持部65Aの下方に向って軸受支持部65Bの径方向に斜めに延びている。
これにより、棚形状部98に受け止められた潤滑油は、棚形状部98に沿って軸受支持部65Bに導かれ、潤滑油供給溝65Nを通して軸受支持部65Bの内部のオイル溜まりに供給され、この潤滑油によって軸受支持部65Bの軸受38Fが潤滑される。
さらに、棚形状部99に受け止められた潤滑油は、棚形状部99に沿って軸受支持部65Bに導かれ、潤滑油供給溝65Nを通して軸受支持部65Bの内部のオイル溜まりに供給され、この潤滑油によって軸受支持部65Bの軸受38Fが潤滑される。
本実施例の棚形状部98は、本発明の第1の棚形状部を構成し、棚形状部99は、本発明の第2の棚形状部を構成する。棚形状部100は、本発明の第3の棚形状部を構成する。
次に、上記のように構成された自動変速機2の潤滑構造の効果を説明する。
本実施例の自動変速機2において、隔壁65は、軸受支持部65Aから軸受支持部65Cの上方に向かって延び、サークリップ96の端部が配置される凹部65Iと、凹部65Iとオイル溜まり65cとを連通する潤滑油供給溝65Jとを有する。
凹部65Iは、オイル通路65bを通してオイル溜まり65aに連通しており、オイル通路65Gからオイル通路93Aに供給され、環状部材93とシールリング94Bの間および環状部材93と隔壁65の間から漏出されてオイル溜まり65aに供給される潤滑油Jは、オイル溜まり65aからオイル通路65b、凹部65Iおよび潤滑油供給溝65Jを通してオイル溜まり65cに供給される。
これにより、オイル溜まり65aに供給された潤滑油Jは、入力軸21を支持する軸受38Cを潤滑するとともに、オイル溜まり65aからサークリップ96の端部が配置される凹部65Iに流れ出す。そして、凹部65Iに集められた潤滑油は、潤滑油供給溝65Jを通してオイル溜まり65cに供給されて、リバース軸25を支持する軸受38Gを潤滑することができる。
このように隔壁65に形成されたサークリップ96の着脱作業用の凹部65Iを利用して入力軸21を支持する軸受38Cと異なるリバース軸25の軸受38Gを潤滑することができ、軸受38Gを潤滑するための専用の構成(オイルポンプからのオイル通路等)を設けることを不要にできる。
この結果、変速機ケース4の構成を簡素化しつつ、入力軸21とリバース軸25を支持する軸受38C、38Gの潤滑性能を向上できる。
また、本実施例の自動変速機2の潤滑構造によれば、隔壁65に、軸受支持部65Cよりも下方に位置し、軸受38Fを介してカウンタ軸23を回転自在に支持する軸受支持部65Bが設けられている。
また、隔壁65には、軸受支持部65Cから軸受38Gを通過(潤滑)して流れ出した潤滑油を受け止める棚形状部99が設けられており、棚形状部99は、軸受38Gを通過して流れ出した潤滑油を受け止めて軸受支持部65Bの潤滑油供給溝65Nに導く(図4のJ1参照)。
これにより、軸受支持部65Cのオイル溜まり65cに供給された潤滑油によって軸受支持部65Bの軸受38Fを潤滑できる。このため、軸受38Gを潤滑した潤滑油を有効利用できる。
また、本実施例の自動変速機2の潤滑構造によれば、軸受支持部65Bは、その中心部O2が軸受支持部65Aの中心部O1よりも軸受支持部65Cの中心部O3側で、かつ、軸受支持部65Cの中心部O3よりも軸受支持部65Aの中心部O1側に位置するように隔壁65に設けられている。
つまり、隔壁65に、棚形状部98と異なる棚形状部99が設けられており、棚形状部99は、軸受支持部65Aから軸受38Cを通過(潤滑)して流れ出した潤滑油を受け止めて軸受支持部65Bの潤滑油供給溝65Nに導く(図4のJ2参照)。
これにより、軸受支持部65Aのオイル溜まり65aに供給された潤滑油によって軸受支持部65Bの軸受38Fを潤滑できる。このため、軸受38Cを潤滑した潤滑油を利用して軸受38Fを潤滑することができ、潤滑油を有効に利用できる。
さらに、軸受支持部65Aのオイル溜まり65aと軸受支持部65Cのオイル溜まり65cに供給された潤滑油を、棚形状部98、99を利用して軸受支持部65Bの軸受38Fに供給できるので(図4のJ1、J2参照)、軸受38Fにより多くの潤滑油を供給できる。このため、軸受38Fの潤滑性能をより効果的に向上できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...車両、2...自動変速機(車両用自動変速機)、4...変速機ケース、21...入力軸(第1の回転軸)、23...カウンタ軸(第3の回転軸)、25...リバース軸(第2の回転軸)、38C...軸受(第1の軸受)、38F...軸受(第3の軸受)、38G...軸受(第2の軸受)、65...隔壁(壁部)、65A...軸受支持部(第1の軸受支持部)、65a...オイル溜まり(第1のオイル溜まり)、65B...軸受支持部(第3の軸受支持部)、65C...軸受支持部(第2の軸受支持部)、65c...オイル溜まり(第2のオイル溜まり)、65G...オイル通路(潤滑油供給部)、65I...凹部、65M...オイル通路、(潤滑油供給部)、91...送油管(潤滑油供給部)、96...サークリップ、96a...拡径操作部、98...棚形状部(第1の棚形状部)、99...棚形状部(第2の棚形状部)、O1...中心部(第1の軸受支持部の中心部)、O2...中心部(第3の軸受支持部の中心部)、O3...中心部(第2の軸受支持部の中心部)

Claims (3)

  1. 壁部を有する変速機ケースを備え、
    前記壁部は、第1のオイル溜まりを有するとともに、第1の軸受を介して第1の回転軸を回転自在に支持する第1の軸受支持部と、前記第1の軸受支持部に隣接して設けられ、第2のオイル溜まりを有するとともに、第2の軸受を介して第2の回転軸を回転自在に支持する第2の軸受支持部と、前記第1のオイル溜まりに潤滑油を供給する潤滑油供給部とを備えており、
    少なくとも前記第1の軸受がサークリップによって前記第1の軸受支持部に固定された車両用変速機の潤滑構造であって、
    前記壁部は、前記第1の軸受支持部から前記第2の軸受支持部の上方に向かって延び、前記サークリップの操作端部が配置される凹部と、前記凹部と前記第2のオイル溜まりとを連通する潤滑油供給溝とを有し、
    前記潤滑油供給部から前記第1のオイル溜まりに供給される潤滑油が、前記第1のオイル溜まりから前記凹部と前記潤滑油供給溝を通して前記第2のオイル溜まりに供給されることを特徴とする車両用変速機の潤滑構造。
  2. 前記壁部に、前記第2の軸受支持部よりも下方に位置し、第3の軸受を介して第3の回転軸を回転自在に支持する第3の軸受支持部が設けられており、
    前記壁部に、前記第2の軸受支持部から前記第2の軸受を通過して流れ出した潤滑油を受け止める棚形状部が設けられており、
    前記棚形状部は、前記第2の軸受を通過して流れ出した潤滑油を受け止めて前記第3の軸受支持部に導くことを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機の潤滑構造。
  3. 前記第3の軸受支持部は、その中心部が前記第1の軸受支持部の中心部よりも前記第2の軸受支持部の中心部側で、かつ、前記第2の軸受支持部の中心部よりも前記第1の軸受支持部の中心部側に位置するように前記壁部に設けられており、
    前記棚形状部を第1の棚形状部とした場合に、前記壁部に、前記第1の棚形状部と異なる第2の棚形状部が設けられており、
    前記第2の棚形状部は、前記第1の軸受支持部から前記第1の軸受を通過して流れ出した潤滑油を受け止めて前記第3の軸受支持部に導くことを特徴とする請求項2に記載の車両用変速機の潤滑構造。
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