JP2020107835A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピネル構造を有するトンネルバリア層を含む磁気抵抗効果素子であって、磁気抵抗効果が大きな磁気抵抗効果素子を提供する。【解決手段】第一の強磁性層と、第二の強磁性層と、第一の強磁性層と第二の強磁性層との間に設けられたトンネルバリア層とを備え、トンネルバリア層は本体領域と第一の界面領域とを有し、本体領域はLM2O4で表される第一のスピネル構造の酸化物材料を有し、第一の界面領域は本体領域と第一の強磁性層との間に設けられ、第一の界面領域は、価数2の元素及びAlを除く価数3の元素からなる群より選択される少なくとも一つの元素Xを有すると共に、DG2O4(DはMg又は元素Xを含む一種以上の元素を表し、GはAl又は元素Xを含む一種以上の元素を表す。)で表される第二のスピネル構造の酸化物材料を有し、第一の界面領域に含まれる元素Xの含有量は、本体領域に含まれる元素Xの含有量より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子に関する。
非特許文献1は、スピネルバリアを用いた磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)素子を開示する。
MTJ素子は、一般に、第一の強磁性層と、第二の強磁性層と、これら二つの強磁性層に挟まれたトンネルバリア層とを備える。MTJ素子においては、第一の強磁性層の磁化の向きと第二の強磁性層の磁化の向きとが平行であるときの抵抗と、反平行であるときの抵抗との差を利用する。この抵抗の差が大きなMTJ素子は、大きな磁気抵抗(MR:Magnetoresistance)比を示すことができる。
MTJ素子のトンネルバリア層を構成する材料として、スピネル構造のMgAlなどが、大きなMR比を示し得る材料として知られている。しかしながら、この材料を含むトンネルバリア層を備えるMTJ素子においても、例えば、トンネルバリア層の格子定数と、第一及び第二の強磁性層の格子定数との差が約2倍になるときに、いわゆるバンド折り畳み効果(Band-folding effect)によってMR比が減少することがある。この効果が生じると、第一の強磁性層の磁化の向きと第二の強磁性層の磁化の向きが反平行である状態のコンダクタンスが増加し、その結果、MR比が減少する。
非特許文献1では、スピネル構造のMgAlを不規則化することによって、トンネルバリア層の格子定数を第一及び第二の強磁性層の格子定数に近づけてバンド折り畳み効果を抑制し、MR比を増大させている。しかしながら、MR比の増大は、まだ十分とは言えず、より大きな磁気抵抗効果を得るためには、不規則化スピネルの導入に替えた手法による改善を進めることが必要である。
本発明は、これらに鑑みてなされたものであり、スピネル構造を有するトンネルバリア層を含む磁気抵抗効果素子であって、磁気抵抗効果が大きな磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子は、第一の強磁性層と、第二の強磁性層と、第一の強磁性層と第二の強磁性層との間に設けられたトンネルバリア層と、を備え、トンネルバリア層は、本体領域と第一の界面領域とを有し、本体領域は、一般式LM(式中、Lは、Mgを含む一種以上の元素を表し、Mは、Alを含む一種以上の元素を表す。)で表される第一のスピネル構造の酸化物材料を有し、第一の界面領域は、本体領域と第一の強磁性層との間に設けられ、第一の界面領域は、価数2の元素及びAlを除く価数3の元素からなる群より選択される少なくとも一つの元素Xを有すると共に、一般式DG(式中、Dは、Mg又は元素Xを含む一種以上の元素を表し、Gは、Al又は元素Xを含む一種以上の元素を表す。)で表される第二のスピネル構造の酸化物材料を有し、第一の界面領域に含まれる元素Xの含有量は、本体領域に含まれる元素Xの含有量より大きい。
この磁気抵抗効果素子によれば、トンネルバリア層の第一の界面領域は、上記一般式DGで表される第二のスピネル構造を有し、本体領域は、上記一般式LMで表される第一のスピネル構造の酸化物材料を有する。第一の界面領域が元素Xを有するとき、バンド折り畳み効果が抑制されることを本願発明者らは見出した。また、トンネルバリア層の本体領域では、第一の界面領域に比べて元素Xの含有量が低いので、第一のスピネル構造のLMが、その組成をMgAl又はその近傍に維持しやすいため、本体領域が、大きなMR比を実現するためのトンネルバリア層としての機能を十分に発揮できる。そのため、この磁気抵抗効果素子は、大きな磁気抵抗効果を示すことができる。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、トンネルバリア層は、第二の界面領域を更に有し、第二の界面領域は、本体領域と第二の強磁性層との間に設けられ、第二の界面領域は、元素Xを有すると共に、上記一般式DGで表される第三のスピネル構造の酸化物材料を有し、第二の界面領域に含まれる元素Xの含有量は、本体領域に含まれる元素Xの含有量より大きくてもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、トンネルバリア層が第一の界面領域に加えて、第二の界面領域を有する。第一の界面領域と同様の理由に基づき、第二の界面領域によっても、バンド折り畳み効果が抑制され得る。この磁気抵抗効果素子は、より大きな磁気抵抗効果を示すことができる。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、元素Xは、2族又は13族に属する元素であってもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、元素Xは、Mgと同じ2族又はAlと同じ13族に属する元素であることができるので、トンネルバリア層の界面領域は、安定した構造をとり易くなる。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、元素Xは、Mg、Ga、及びInの少なくとも一つを含んでもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、元素Xは、Mg、Ga、及びInの少なくとも一つを含むので、トンネルバリア層の界面領域は、Alと元素周期の近い元素Xを含む構造を有し、より安定した構造をとり易くなる。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、元素Xは、Ga又はInを含んでもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、元素Xは、Alと元素周期が近い上に、Alと同じ3価であり、Alと同じ13族に属するGa又はInを含むことができるので、トンネルバリア層の界面領域は、より安定した構造をとり易くなり、磁気抵抗効果素子の面積抵抗値を低減させることができる。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、第一の強磁性層及び第二の強磁性層の少なくとも一つは、Co及びFeの少なくとも一つを含んでもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、第一の強磁性層及び第二の強磁性層の少なくとも一つは、Co及びFeの少なくとも一つを含むことができるので、第一の強磁性層及び第二の強磁性層の少なくとも一つと、トンネルバリア層との格子不整合率を低減させることができる。その結果、より大きな磁気抵抗効果が実現される。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、第一の界面領域の第二のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部は、不規則化スピネル構造を有してもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、第一の界面領域の第二のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部が、不規則化スピネル構造を有することができるので、第一の界面領域の格子定数が第一の強磁性層の格子定数に近づくことができる。その結果、バンド折り畳み効果がより抑制されるため、より大きな磁気抵抗効果が実現される。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、第一の界面領域の第二のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部は、規則化スピネル構造を有し、第二のスピネル構造の酸化物材料において、元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されていてもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、第一の界面領域は、規則化スピネル型のスピネル構造に含まれるAlを元素Xに置換した構造を有することで、元素Xの当該少なくとも一部は、第一の強磁性層に直接接触し易くなる。その結果、上述のバンド折り畳み効果がより抑制されるため、より大きな磁気抵抗効果が実現される。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、第二の界面領域の第三のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部は、不規則化スピネル構造を有してもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、第二の界面領域の第三のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部が、不規則化スピネル構造を有することができるので、第二の界面領域の格子定数が第二の強磁性層の格子定数に近づくことができる。その結果、バンド折り畳み効果がより抑制されるため、より大きな磁気抵抗効果が実現される。
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、第二の界面領域の第三のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部は、規則化スピネル構造を有し、第三のスピネル構造の酸化物材料において、元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されていてもよい。
この磁気抵抗効果素子によれば、第二の界面領域は、規則化スピネル型のスピネル構造に含まれるAlを元素Xに置換した構造を有することで、元素Xの当該少なくとも一部は、第二の強磁性層に直接接触し易くなる。その結果、上述のバンド折り畳み効果がより抑制されるため、より大きな磁気抵抗効果が実現される。
本発明によれば、スピネル構造を有するトンネルバリア層を含む磁気抵抗効果素子であって、磁気抵抗効果が大きな磁気抵抗効果素子を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。 図2は、第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。 図3は、実施例1に係る磁気抵抗効果素子のMR比を評価できる磁気抵抗デバイスを示す図である。 図4の(a)部は、比較例1に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。図4の(b)部は、比較例2に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。 図5の(a)部は、実施例1に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。図5の(b)部は、実施例2に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。 図6の(a)部は、実施例3に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。図6の(b)部は、実施例5に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。 図7の(a)部は、比較例1に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。図7の(b)部は、比較例2に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、各図面において、可能な場合には同一要素には同一符号を用いる。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。本実施形態では、図1、図2、及び図4に対してX軸、Y軸、Z軸を設定しているが、これらの各軸は、説明のために便宜的に設定されており、磁気抵抗効果素子の積層方向にZ軸が設定される。
図1は、第1の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。磁気抵抗効果素子1は、例えば、基板10、下地層20、スピンバルブ層30、及びキャップ層40をこの順に備える。
基板10は、例えば、シリコン単結晶、金属酸化物単結晶、熱酸化膜付シリコン単結晶、サファイア単結晶、セラミック、石英、及びガラスを含む。基板10に含まれる材料は、適度な機械的強度を有し、且つアニール処理や微細加工に適した材料であれば、特に限定されない。金属酸化物単結晶としては、例えば、MgO単結晶が挙げられ、MgO単結晶を含む基板によれば、例えば、スパッタ法を用いて容易にエピタキシャル成長膜が形成される。
下地層20は、スピンバルブ層30の結晶性の向上に設けられ、また、磁気抵抗効果素子1の磁気抵抗特性を測定するための電極となることができる。下地層20は、例えば、Al、Ag、Au、Cu、Cr、Pt、Ru、Ta、V、Rh、Pd、Ir、Mo及びWの少なくとも一つの金属元素を含み、これらの金属元素の合金、又はこれら金属元素の2種類以上からなる材料の積層体を含んでもよい。金属元素の合金には、例えば、立方晶系のAgZn合金、AgMg合金、NiTa合金及びNiAl合金が挙げられる。金属元素の2種類以上からなる材料の積層体には、例えば、TaとRuとを含む材料の積層体が挙げられる。下地層20と基板10との間には、必要に応じて、上部の層の結晶配向を制御するための結晶配向層が設けられてもよい。結晶配向層の第1の例として、(001)配向したNaCl構造を有し、かつTi、Zr、Nb、V、Hf、Ta、Mo、W、B、Al、Ceの群から選択される少なくとも1つの元素を含む窒化物の層が挙げられる。結晶配向層の第2の例として、ABOからなる(002)配向したペロブスカイト系導電性酸化物の層が挙げられる。ここで、サイトAは、Sr、Ce、Dy、La、K、Ca、Na、Pb、Baの群から選択された少なくとも1つの元素を含み、サイトBは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Nb、Mo、Ru、Ir、Ta、Ce、Pbの群から選択された少なくとも1つの元素を含む。結晶配向層の第3の例として、(001)配向したNaCl構造を有し、かつMg、Al、Ceの群から選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物の層が挙げられる。
スピンバルブ層30は、第一の強磁性層31と、第二の強磁性層32と、トンネルバリア層33と、反強磁性層45とを備える。トンネルバリア層33は、第一の強磁性層31と第二の強磁性層32との間に設けられる。反強磁性層45は、第一の強磁性層31のトンネルバリア層33側とは反対側に設けられる。第一の強磁性層31は、例えば、下地層20上に設けられ、第一の強磁性層31、トンネルバリア層33、及び第二の強磁性層32は、この順に配列することができる。第一の強磁性層31及び反強磁性層45は、共同して磁化固定層として機能し、第二の強磁性層32は、磁化自由層として機能する。
磁化固定層として機能する第一の強磁性層31の磁化方向は、磁化自由層として機能する第二の強磁性層32の磁化方向に比べて、外部磁界に対して変化し難い。第一の強磁性層31の磁化方向は、測定対象の外部磁界等の使用中に印加され得る外部磁界に対して実質的に固定されており、当該外部磁界に対して実質的に変化しないことが好ましい。本実施形態では、このような第一の強磁性層31の磁化方向の態様を、反強磁性層45と第一の強磁性層31とを交換結合させて、第一の強磁性層31に一方向磁気異方性を付与することによって実現している。当該磁化方向の態様は、反強磁性層45を用いずに実現することも可能であるため、スピンバルブ層30は反強磁性層45を有していなくてもよい。一方、磁化自由層として機能する第二の強磁性層32は、例えば、軟磁性材料で構成され、磁化方向が実質的に固定されていない。そのため、スピンバルブ層30に外部磁界が印加されると、その方向に磁化方向が容易に変化する。スピンバルブ層30に外部磁場が印加され、第一の強磁性層31及び第二の強磁性層32の相対的な磁化方向が変化することによって、スピンバルブ層30の抵抗値が変化して、磁気抵抗効果素子1が磁気抵抗効果を発揮する。
第一の強磁性層31は、強磁性材料で構成される。磁化固定層のための強磁性材料としては、例えば、Ni、Fe、Ru、Mn、Ir、Cr及びCoのうち少なくとも一種の元素を有する金属または合金が挙げられる。合金の具体例としては、Co−Fe合金、Ni−Fe合金、Co−B合金、Fe−B合金又はCo−Fe−B合金等が挙げられる。Co−Fe−Al合金、Co−Fe−Si合金、Co−Mn−Si合金、Co−Mn−Ge合金、Co−Fe−Al−Si合金、及びCo−Fe−Ga−Ge合金といったホイスラー合金が挙げられる。第一の強磁性層31は、例えば、Co−Fe合金及びCo−Fe−B合金などの多層膜が繰り返し積層された構造を有することができる。また、第一の強磁性層31の磁化の向きを積層面に対して垂直にする場合には、第一の強磁性層31としてCoとPtとの積層膜を用いることができる。
反強磁性層45は、例えば、FeMn合金、PtMn合金、PtCrMn合金、NiMn合金、IrMn合金、NiO、Fe等の反強磁性材料で構成される。
第一の強磁性層31の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.5nm以上、かつ100nm以下の範囲である。また、この厚さは、例えば、0.8nm以上、かつ50nm以下の範囲である。
磁化自由層として機能する第二の強磁性層32は、例えば、Fe、Co−Fe、Ni−Fe、Co−Fe−B及び強磁性のホイスラー合金等の軟磁気特性を有する強磁性材料で構成される。
第二の強磁性層32の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.5nm以上、かつ10nm以下の範囲である。また、この厚さは、例えば、0.8nm以上、かつ8nm以下の範囲である。
反強磁性層45の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、5nm以上、20nm以下の範囲である。
本実施形態の磁化固定層は、合成反強磁性(synthesized anti-ferro magnetic)構造(SAF構造)と呼ばれる構造を有していてもよい。この場合、スピンバルブ層30は、磁化固定層として、第一の強磁性層31及び反強磁性層45に加えて、反強磁性層45と第一の強磁性層31との間に設けられた第三の強磁性層と、第一の強磁性層31と第三の強磁性層との間に設けられた磁気結合層をさらに有する。第一の強磁性層31と第三の強磁性層は、磁気結合層を介した交換結合磁界によって反強磁性的に結合している。第三の強磁性層は、第一の強磁性層31と同様の構成を有することができる。当該磁気結合層は、例えばRu、Rh、又はIr等の非磁性金属で構成され、その積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.5nm以上、10nm以下の範囲である。
スピンバルブ層30においては、第一の強磁性層31及び第二の強磁性層32の一方が磁化自由層として機能し、他方が磁化固定層として機能すればよい。このため、本実施形態の変形例として、第一の強磁性層31が磁化自由層として機能し、第二の強磁性層32が磁化固定層として機能してもよい。この場合、反強磁性層45は、第二の強磁性層32のトンネルバリア層33側とは反対側に設けられ、第二の強磁性層32に一方向磁気異方性を付与する。
トンネルバリア層33は、本体領域34と第一の界面領域35とを有する。第一の界面領域35は、本体領域34と第一の強磁性層31との間に設けられ、第一の強磁性層31に直接接する。第一の界面領域35は、本体領域34と第一の強磁性層31との間に設けられるほか、第一の界面領域35は、本体領域34と第二の強磁性層32との間に設けられてもよい。
本体領域34は、絶縁材料で構成され、一般式LMで表される第一のスピネル構造を有する酸化物材料を含む。このLMにおいて、Lは、Mgを含む一種以上の元素を表す。例えば、Lは、Mg、Zn、Cu、Cd、Li、Ni、Fe、Co、Mn、Cr、Hg、Vを含む一種以上の元素を表す。Mは、Alを含む一種以上の元素を表す。例えば、Mは、Al、Mg、Ga、In、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Rh、Ir、Coを含む一種以上の元素を表す。また、LまたはM、もしくはLとMの両方に後述の元素Xが含まれていてもよい。また、LMにおいて、Oは酸素を表す。尚、L、M、及びOの組成比は、必ずしも化学量論組成比のL:M:O=1:2:4である必要はなく、L1−ααβ(αの範囲は0<α≦1、βの範囲は0.35≦β≦1.7)としても良い。
第一のスピネル構造は、正スピネル構造又は逆スピネル構造であることができる。例えば一般式LMで表されるスピネル構造において、Lサイトに含まれる元素AとMサイトに含まれる元素Bとについて、正スピネル構造では、Lサイトに元素Aが、Mサイトに元素Bが配置されるのに対して、逆スピネル構造では、Lサイトに元素Bが、Mサイトに元素Aと元素Bとが同数程度配置される。
本体領域34において、第一のスピネル構造を有する酸化物材料は、MgAlであることができる。このとき、本体領域34が、大きなMR比を実現するためのトンネルバリア層としての機能を十分に発揮できる。
第一の界面領域35は、価数2の元素及びAlを除く価数3の元素からなる群より選択される少なくとも一つの元素Xを有すると共に、一般式DGで表される第二のスピネル構造を有する。このDGにおいて、Dは、Mg又は元素Xを含む一種以上の元素を表し、Gは、Al又は元素Xを含む一種以上の元素を表す。元素Xは、例えば、Mg、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cd、Cr、Hg、Sc、Rh、Zn、B、Ga、及びInといった元素である。尚、D、G、及びOの組成比は、必ずしも化学量論組成比のD:G:O=1:2:4である必要はなく、D1−ηηθ(ηの範囲は0<η≦1、θの範囲は0.35≦θ≦1.7)としても良い。第二のスピネル構造は、正スピネル構造又は逆スピネル構造であることができる。
第一の界面領域35は、一般式DGで表される第二のスピネル構造において、Dサイト及びGサイトに、元素Xを含有することができるが、このような元素Xの含有態様に加えて、又は代えて、他の態様によって元素Xを含んでもよい。例えば、第一の界面領域35は、格子間不純物、一部欠損したOサイトへの侵入などの態様によって元素Xを含んでもよい。
トンネルバリア層33において、本体領域34は、Lサイト及びMサイトに、元素Xを含有することができる。また、このような元素Xの含有態様に加えて、又は代えて、本体領域34は、第一の界面領域35と同様の態様によって元素Xを含んでもよい。
本体領域34において、第一のスピネル構造を有する酸化物材料は、MgAlに対して、Al元素又はMg元素の一部を元素Xに置換したもの、又は、MgAlに対して、格子間不純物、一部欠損したOサイトへの侵入などの態様で元素Xが追加されたものであることができる。このとき、本体領域34は、MgAlベースの酸化物材料となるため、大きなMR比を実現するためのトンネルバリア層としての機能を十分に発揮できる。ただし、大きなMR比を実現する観点からは、本体領域34は、元素Xを実質的に含まないことが好ましい。
第一の界面領域35に含まれる元素Xの含有量は、本体領域34に含まれる元素Xの含有量より大きい。本実施形態では、第一の界面領域35に含まれる元素Xの含有量、例えば、Inの含有量は、5原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるInの含有量は、例えば、0原子%以上、37原子%以下である。また、第一の界面領域35に含まれる他の元素Xの含有量、例えば、Gaの含有量は、5原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるGaの含有量は、例えば、0原子%以上、37原子%以下である。また、第一の界面領域35に含まれる他の元素Xの含有量、例えば、Mgの含有量は、10原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるMgの含有量は、例えば、5原子%以上、50原子%以下である。より好ましくは、第一の界面領域35に含まれる元素Xの含有量は、本体領域34に含まれる元素Xの含有量の110%以上である。
本実施形態では、第一の界面領域35に含まれるAlの含有量は、0原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるAlの含有量は、5原子%以上、74原子%以下である。
磁気抵抗効果素子1は、スピンバルブ層30上にキャップ層40を備えることができる。キャップ層40は、スピンバルブ層30を保護するために設けられる。キャップ層40は、例えば、Ru、Ag、Al、Cu、Au、Cr、Mo、Pt、W、Ta、Pd、及びIrの一以上の金属元素、これら金属元素の合金、又は、これら金属元素の2種類以上からなる材料の積層体を含んでよい。必要に応じて、キャップ層40上には、磁気抵抗効果素子1に積層方向に沿って電流を流すための上部電極を設けてもよい。
磁気抵抗効果素子1は、例えば、スパッタ法及び電子ビーム蒸着法といった製造方法によって基板10上に下地層20からキャップ層40までの各層を形成することにより作製される。各層の形成時には、必要に応じてアニール処理を行っても良いし、また、さらに必要に応じて、一方向磁気異方性を付与するための磁場印加処理を行っても良い。磁場印加処理の際には適宜熱処理を同時に行っても良い。また、磁気抵抗効果素子1は、電子線等を用いたリソグラフィーおよびArイオン等を用いたドライエッチングにより、磁気抵抗特性を評価可能な形状に微細加工されてもよい。磁気抵抗効果素子1は、例えば、積層方向(各層の膜面に垂直な方向)に沿って検出用電流が流されるCPP(Current Perpendicular to Plane)構造の磁気抵抗効果素子である。
上述のような磁気抵抗効果素子1によれば、トンネルバリア層33の第一の界面領域35は、上記一般式DGで表される第二のスピネル構造を有し、本体領域34は、上記一般式LMで表される第一のスピネル構造の酸化物材料を有する。第一の界面領域35が元素Xを有するとき、バンド折り畳み効果が抑制されることを本願発明者らは見出した。また、トンネルバリア層33の本体領域34では、第一の界面領域35に比べて元素Xの含有量が低いので、第一のスピネル構造のLMが、その組成をMgAl又はその近傍に維持しやすいため、本体領域34が、大きなMR比を実現するためのトンネルバリア層としての機能を十分に発揮できる。そのため、この磁気抵抗効果素子1は、大きな磁気抵抗効果を示すことができる。
第一の強磁性層31の材料は、Co、Fe、CoFe合金、CoFeB合金、FeAl合金などであることができる。この場合、仮に第一の強磁性層31が、元素Xを含まないスピネル構造の酸化物材料からなるトンネルバリア層、特に、MgAlからなるトンネルバリア層と積層されると、上述のバンド折り畳み効果が生じ易い。そのため、第一の強磁性層31の材料が上述の材料であるとき、本体領域34と第一の強磁性層31との間に第一の界面領域35を介在させることによってバンド折り畳み効果を抑制し、大きなMR比を実現するという本実施形態の磁気抵抗効果素子1の上記効果が、特に有効に発揮される。
磁気抵抗効果素子1では、元素Xは、2族又は13族に属する元素であってもよい。具体的には、元素Xは、Mg、Ca、B、Ga、及びInといった価数2又は価数3の元素であることができる。
この磁気抵抗効果素子1によれば、元素Xは、Mgと同じ2族又はAlと同じ13族に属する元素であることができるので、トンネルバリア層33の第一の界面領域35は、安定した構造をとり易くなる。
また、磁気抵抗効果素子1では、元素Xは、Mg、Ga、及びInの少なくとも一つを含んでもよい。この場合、トンネルバリア層33の第一の界面領域35は、Alと元素周期の近い元素Xを含む構造を有し、より安定した構造をとり易くなる。
また、磁気抵抗効果素子1では、元素Xは、Ga又はInを含んでもよい。この磁気抵抗効果素子1によれば、元素Xは、Alと元素周期が近い上に、Alと同じ3価であり、Alと同じ13族に属するGa又はInを含むことができるので、トンネルバリア層33の第一の界面領域35は、より安定した構造をとり易くなり、磁気抵抗効果素子1の面積抵抗値を低減させることができる。
また、本実施形態では、第一の強磁性層31及び第二の強磁性層32の少なくとも一つは、Co及びFeの少なくとも一つを含むことが好ましい。この場合、第一の強磁性層31及び第二の強磁性層32の少なくとも一つと、トンネルバリア層33との格子不整合率を低減させることができる。
本実施形態では、トンネルバリア層33の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.25nm以上、かつ5nm以下の範囲であることができる。また、この厚さは、例えば、0.7nm以上、かつ3.0nm以下の範囲であることができる。
トンネルバリア層33のうち、本体領域34の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.15nm以上、かつ4.9nm以下の範囲である。また、この厚さは、例えば、0.6nm以上、かつ1.4nm以下の範囲である。
第一の界面領域35の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.05nm以上、かつ0.5nm以下の範囲である。また、この厚さは、例えば、0.1nm以上、かつ0.3nm以下の範囲であることができる。
本実施形態では、第一の界面領域35の厚さは、例えば、トンネルバリア層33全体の厚さの1%以上、40%以下である。
第一の界面領域35の第二のスピネル構造の酸化物材料は、全体が規則化スピネル構造を有してもよいし、全体又は一部が、不規則化スピネル構造を有してもよい。後者の場合、第一の界面領域35の格子定数が第一の強磁性層31の格子定数に近づくことができるため、バンド折り畳み効果をより抑制し、より大きな磁気抵抗効果を実現することができる。なお、規則化スピネル構造とは、スピネル構造において2種類の陽イオンが規則的に配列した構造を意味し、不規則化スピネル構造とは、規則化スピネル構造の酸化物材料と構成元素が同じであるが、スピネル構造における2種類の陽イオンが不規則に配列した結晶構造を意味する。
本体領域34の第一のスピネル構造の酸化物材料は、全体が規則化スピネル構造を有していてもよく、全体又は一部が不規則化スピネル構造を有してもよい。
磁気抵抗効果素子1においては、第一の界面領域35の第二のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部が、規則化スピネル構造を有するとき、第二のスピネル構造の酸化物材料において、元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されていてもよい。例えば、第一の界面領域35は、規則化スピネル型のスピネル構造のGサイトに含まれるAlを、元素Xに置換した構造を有することができる。第一の界面領域35の第二のスピネル構造において、エネルギー的な観点から、一般式DGにおけるGサイトの原子は、Dサイトの原子よりも界面に出やすい。そのため、元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されていると、元素Xの当該少なくとも一部は、第一の強磁性層31に直接接触し易くなる。その結果、上述のバンド折り畳み効果がより抑制されるため、より大きな磁気抵抗効果が実現される。
図2は、第2の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。磁気抵抗効果素子1pは、例えば、基板10、下地層20、スピンバルブ層30p、及びキャップ層40をこの順に備える。本実施形態の磁気抵抗効果素子1pは、トンネルバリア層の構成において、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子1と異なる。具体的には、本実施形態の磁気抵抗効果素子1pは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子1のスピンバルブ層30とは異なるスピンバルブ層30pを有し、本実施形態のスピンバルブ層30pのトンネルバリア層33pは、第二の界面領域36を更に有する点において第1の実施形態におけるトンネルバリア層33と異なる。第二の界面領域36は、本体領域34と第二の強磁性層32との間に設けられ、第二の強磁性層32と直接接する。
磁気抵抗効果素子1pは、磁気抵抗効果素子1と同様の基板10、下地層20、及びキャップ層40を備えることができる。磁気抵抗効果素子1pは、例えば、磁気抵抗効果素子1と同様に、スパッタ法及び電子ビーム蒸着法といった製造方法によって基板10上に下地層20からキャップ層40までの各層を形成することにより作製される。
図2に示されるように、スピンバルブ層30pにおいては、反強磁性層45、第一の強磁性層31、第一の界面領域35、本体領域34、第二の界面領域36、及び第二の強磁性層32がこの順に積層される。本実施形態においても、第1の実施形態における場合と同様に、磁化固定層はSAF構造を有していてもよい。
本実施形態の他の変形例として、第1の実施形態の上記変形例と同様に、第一の強磁性層31が磁化自由層として機能し、第二の強磁性層32が磁化固定層として機能してもよい。この場合、反強磁性層45は、第二の強磁性層32のトンネルバリア層33側とは反対側に設けられ、第二の強磁性層32に一方向磁気異方性を付与する。
第二の界面領域36は、元素Xを有すると共に、一般式DGで表される第三のスピネル構造を有する。第二の界面領域36のDGにおいて、Dは、Mg又は元素Xを含む一種以上の元素を表し、Gは、Al又は元素Xを含む一種以上の元素を表す。元素Xは、例えば、Mg、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cd、Cr、Hg、Sc、Rh、Zn、B、Ga、及びInといった元素である。尚、D、G、及びOの組成比は、必ずしも化学量論組成比のD:G:O=1:2:4である必要はなく、D1−δδφ(δの範囲は0<δ≦1、φの範囲は0.35≦φ≦1.7)としても良い。第三のスピネル構造は、正スピネル構造又は逆スピネル構造であることができる。
第二の界面領域36は、一般式DGで表される第三のスピネル構造において、Dサイト及びGサイトに、元素Xを含有することができるが、このような元素Xの含有態様に加えて、又は代えて、他の態様によって元素Xを含んでもよい。例えば、第二の界面領域36は、格子間不純物、一部欠損したOサイトへの侵入などの態様によって元素Xを含んでもよい。
第二の界面領域36に含まれる元素Xの含有量は、本体領域34に含まれる元素Xの含有量より大きい。本実施形態では、第二の界面領域36に含まれる元素Xの含有量、例えば、Inの含有量は、5原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるInの含有量は、例えば、0原子%以上、37原子%以下である。また、第二の界面領域36に含まれる他の元素Xの含有量、例えば、Gaの含有量は、5原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるGaの含有量は、例えば、0原子%以上、37原子%以下である。また、第二の界面領域36に含まれる他の元素Xの含有量、例えば、Mgの含有量は、10原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるMgの含有量は、例えば、5原子%以上、50原子%以下である。より好ましくは、第二の界面領域36に含まれる元素Xの含有量は、本体領域34に含まれる元素Xの含有量の110%以上である。
本実施形態では、第二の界面領域36に含まれるAlの含有量は、0原子%以上、74原子%以下である。本体領域34に含まれるAlの含有量は、5原子%以上、74原子%以下である。
この磁気抵抗効果素子1pによれば、トンネルバリア層33pが第一の界面領域35に加えて、第二の界面領域36を有する。第一の界面領域35と同様の理由に基づき、第二の界面領域36によっても、バンド折り畳み効果が抑制され得るため、この磁気抵抗効果素子1pは、より大きな磁気抵抗効果を示すことができる。
磁気抵抗効果素子1pでは、元素Xは、2族又は13族に属する元素であってもよい。具体的には、元素Xは、Mg、Ca、B、Ga、及びInといった価数2又は価数3の元素であることができる。
この磁気抵抗効果素子1pによれば、元素Xは、Mgと同じ2族又はAlと同じ13族に属する元素であることができるので、トンネルバリア層33pの第二の界面領域36は、安定した構造をとり易くなる。
また、磁気抵抗効果素子1pでは、元素Xは、Mg、Ga、及びInの少なくとも一つを含んでもよい。この場合、トンネルバリア層33pの第二の界面領域36は、Alと元素周期の近い元素Xを含む構造を有し、より安定した構造をとり易くなる。
また、磁気抵抗効果素子1pでは、元素Xは、Ga又はInを含んでもよい。この磁気抵抗効果素子1pによれば、元素Xは、Alと元素周期が近い上に、Alと同じ3価であり、Alと同じ13族に属するGa又はInを含むことができるので、トンネルバリア層33pの第二の界面領域36は、より安定した構造をとり易くなり、磁気抵抗効果素子1pの面積抵抗値を低減させることができる。
本実施形態では、トンネルバリア層33pの積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.25nm以上、かつ5.0nm以下の範囲であることができる。また、この厚さは、例えば、0.7nm以上、かつ3.0nm以下の範囲であることができる。
トンネルバリア層33pのうち、本体領域34の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.15nm以上、かつ4.9nm以下の範囲である。また、この厚さは、例えば、0.6nm以上、かつ1.4nm以下の範囲である。
第二の界面領域36の積層方向(Z軸方向)の厚さは、例えば、0.05nm以上、かつ0.5nm以下の範囲である。また、この厚さは、例えば、0.1nm以上、かつ0.3nm以下の範囲であることができる。
本実施形態では、第二の界面領域36の厚さは、例えば、トンネルバリア層33p全体の厚さの1%以上、40%以下である。
磁気抵抗効果素子1pにおいては、第二の界面領域36の第二のスピネル構造の酸化物材料は、全体が規則化スピネル構造を有してもよいし、全体又は一部が、不規則化スピネル構造を有してもよい。後者の場合、第二の界面領域36の格子定数が第二の強磁性層32の格子定数に近づくことができるため、バンド折り畳み効果をより抑制し、より大きな磁気抵抗効果を実現することができる。
磁気抵抗効果素子1pにおいては、第二の界面領域36の第三のスピネル構造の酸化物材料の少なくとも一部が、規則化スピネル構造を有するとき、第三のスピネル構造の酸化物材料において、元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されていてもよい。例えば、第二の界面領域36は、規則化スピネル型のスピネル構造のGサイトに含まれるAlを、元素Xに置換した構造を有することができる。第二の界面領域36の第三のスピネル構造において、エネルギー的な観点から、一般式DGにおけるGサイトの原子は、Dサイトの原子よりも界面に出やすい。そのため、元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されていると、元素Xの当該少なくとも一部は、第二の強磁性層32に直接接触し易くなる。その結果、上述のバンド折り畳み効果がより抑制されるため、より大きな磁気抵抗効果が実現される。
以下、本発明の実施例および比較例により、さらに磁気抵抗効果素子について説明するが、本発明は下記例に制限されない。
(実施例1)
実施例1として、図2に示す第2の実施形態の磁気抵抗効果素子1pと同様の構成を有する磁気抵抗効果素子を作製した。実施例1に係る説明では、磁気抵抗効果素子1pに係る説明のために用いられた符号を援用する。なお、実施例2〜4においても、同様に援用する。
実施例1では、以下のような手順によって磁気抵抗効果素子1pを作製した。各層の形成時の温度は、温度を明記した場合を除いて、室温とした(実施例2以降の実施例及び比較例についても同様である)。初めに、基板10上に、下地層20としてのバッファ層を形成した。基板10に熱酸化膜付Siを用い、また、基板10上に、スパッタ法によってバッファ層を形成した。バッファ層は、Ta層(厚さ5nm)及びRu層(厚さ3nm)からなる積層体とした。
続いて、スパッタ法によってスピンバルブ層30pを形成した。スピンバルブ層30pは、SAF構造の磁化固定層、トンネルバリア層33p、及び磁化自由層としての第二の強磁性層32をこの順に有する。スピンバルブ層30pの形成工程では、初めに、磁化固定層を形成した。磁化固定層は、反強磁性層45としてのIrMn層(厚さ5nm)、第三の強磁性層(図示せず)としてのCoFe層(厚さ10nm)、磁気結合層(図示せず)としてのRu層(厚さ0.8nm)、及び、第一の強磁性層31としてのCoFeB層(厚さ5nm)及びCoFe層(厚さ1nm)からなる2層積層体を含む多層積層体とした。
続いて、第一の強磁性層31上に、トンネルバリア層33pを形成した。トンネルバリア層33pは、第一の界面領域35、本体領域34、及び第二の界面領域36を有する。トンネルバリア層33pの形成工程は、第一の界面領域35の形成から始めた。具体的には、第一の強磁性層31上に、第一の界面領域35の一部の元素を供給するためのIn層(厚さ0.15nm)を形成した。続いて、このIn層上に、本体領域34の一部の元素を供給するためのMgAl層(厚さ0.9nm)を形成した。続いて、このMgAl層上に、第二の界面領域36の一部の元素を供給するためのIn層(厚さ0.15nm)を形成した。
次に、トンネルバリア層33p上に、スパッタ法によって、磁化自由層としての第二の強磁性層32を形成した。第二の強磁性層32は、CoFe層(厚さ1nm)及びCoFeB層(厚さ5nm)からなる2層積層体とした。第二の強磁性層32の形成によって、スピンバルブ層30pが作製された。
スピンバルブ層30pの作製後、スピンバルブ層30p上に、キャップ層40を形成した。具体的には、スパッタ法によって、スピンバルブ層30pの第二の強磁性層32上に、キャップ層40を形成した。キャップ層40は、Ta層(厚さ5nm)及びRu層(厚さ20nm)を含む積層体とした。
キャップ層40の形成後に、磁場中熱処理を行い、第三の強磁性層としてのCoFe層及び第一の強磁性層31としてのCoFeB層及びCoFe層からなる2層積層体に対して一方向磁気異方性を付与した。この磁場中熱処理における熱処理温度を300℃とし、印加磁場の強度を10kOe(798kA/m)とした。磁場中熱処理によって、実施例1に係る磁気抵抗効果素子1pの形成が完了した。
実施例1では、上記磁場中熱処理によって、トンネルバリア層33p(In層、MgAl層及びIn層)において層間の原子拡散及びスピネル構造への結晶化を促進し、第一の界面領域35としてのMg(Alα1In1−α1層、本体領域34としてのMg(Alα2In1−α2層、及び第二の界面領域36としてのMg(Alα3In1−α3層を形成した。これらの層において、α1及びα3の大きさは、α2の大きさより小さい。このα1、α2及びα3の大小関係は、第一の界面領域35及び第二の界面領域36における元素X(実施例1ではIn)の含有量が、本体領域34における元素Xの含有量より大きいことを意味する。
(MR比の評価)
図3は、実施例1に係る磁気抵抗効果素子のMR比を評価できる磁気抵抗デバイスを示す図である。磁気抵抗デバイス50は、4端子法によりMR比を評価できるデバイスであり、第1電極層51と、当該第1電極層51と共に磁気抵抗効果素子1pを挟む第2電極層52とを備える。磁気抵抗効果素子1pは、磁気抵抗特性の測定に適する形状に微細加工した。第1電極層51が磁気抵抗効果素子1pの基板10上の下地層20に接続され、第2電極層52が磁気抵抗効果素子1pのキャップ層40に接続されている。磁気抵抗デバイス50は、電源53と電圧計54とを更に備え、電源53及び電圧計54が、共に、第1電極層51及び第2電極層52に接続されている。電源53によって磁気抵抗効果素子1pに積層方向に電流を印加し、この際の磁気抵抗効果素子1pへの印加電圧を電圧計54によってモニターすることができる。本実施例では、磁気抵抗効果素子1pに積層方向に一定電流を流した状態で、外部から磁気抵抗効果素子1pに磁場を掃引しながら磁気抵抗効果素子1pへの印加電圧を電圧計54によってモニターすることにより、磁気抵抗効果素子1pの抵抗変化を測定した。
本実施例では、4端子法によって磁気抵抗効果素子1pのMR比を評価したが、MR比の評価方法は4端子法に限定されない。例えば、Current−In−Plane−Tunneling(CIPT)法によっても、磁気抵抗効果素子1pのMR比を評価することができる。
本実施例では、抵抗変化の測定結果から、磁気抵抗効果素子1pのMR比を算出した。
MR比は、百分率で示され、下記の式(1)によって算出できる。
MR比(%)=((RAP−R)/R)×100(%) …(1)
この式(1)において、RAPは、第一の強磁性層31の磁化の向きと第二の強磁性層32の磁化の向きとが反平行であるときの磁気抵抗効果素子1pの抵抗の大きさである。また、Rは、第一の強磁性層31の磁化の向きと第二の強磁性層32の磁化の向きとが平行であるときの磁気抵抗効果素子1pの抵抗の大きさである。
(面積抵抗の評価)
実施例1では、磁気抵抗デバイス50を用いて、磁気抵抗効果素子1pの抵抗変化を測定し、その測定結果から、磁気抵抗効果素子1pの面積抵抗を評価した。本実施例では、磁気抵抗効果素子1pの平面視形状の面積をAとしたとき、式(1)のRpに対して、Aを乗じたRpAをRA(面積抵抗)と規定した。RAは、印加されるバイアス電圧を磁気抵抗効果素子1pの積層方向に流れた電流で割ることによって得られる抵抗値を、各層が接合される面の面積の逆数で割り、単位面積における抵抗値に規格化した数値である。
(エネルギー分散型X線分析)
本実施例では、磁気抵抗効果素子1pに対してエネルギー分散型X線分析(EDS)を行い、磁気抵抗効果素子1pの組成を分析した。初めに、磁気抵抗効果素子1pを積層方向に沿う面に沿って集束イオンビームを用いて切断し、トンネルバリア層33pの薄片試料を作製した。次に、この薄片試料に対して、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、エネルギー分散型X線分析(EDS)を行った。このTEMを用いたEDS(TEM−EDS)による分析結果は、Mg、Al、及び酸素(O)といった測定元素について、それらのバックグラウンド信号を差し引いた評価結果である。
本実施例では、磁気抵抗効果素子1pの組成を分析する手法は、エネルギー分散型X線分析法(EDS)によったが、磁気抵抗効果素子1pの組成を分析する手法は、EDSに限定されない。例えば、2次イオン質量分析法(SIMS)、アトムプローブ法、又は電子エネルギー損失分光法(EELS)によっても、磁気抵抗効果素子1pの組成を分析することができる。
(実施例2)
実施例2として、トンネルバリア層33以外の各層については実施例1と同様の方法で同様の構成に形成した磁気抵抗効果素子を作製した。
実施例2のトンネルバリア層33pの形成では、初めに、第一の強磁性層31上に、第一の界面領域35の一部の元素を供給するためのGa層(厚さ0.15nm)を形成した。このGa層の形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。続いて、このGa層上に、本体領域34の一部の元素を供給するためのMgAl層(厚さ0.9nm)を形成した。MgAl層の形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。続いて、このMgAl層上に、第二の界面領域36の一部の元素を供給するためのGa層(厚さ0.15nm)を形成した。このGa層の形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。
実施例2では、上記Ga層、MgAl層及びGa層の形成後のアニール処理によって、これらの層において層間の原子拡散及びスピネル構造への結晶化を促進し、第一の界面領域35としてのMg(Alα1Ga1−α1層、本体領域34としてのMg(Alα2Ga1−α2層、及び第二の界面領域36としてのMg(Alα3Ga1−α3を形成した。これらの層において、α1及びα3の大きさは、α2の大きさより小さい。このα1、α2及びα3の大小関係は、第一の界面領域35及び第二の界面領域36における元素X(実施例2ではGa)の含有量が、本体領域34における元素Xの含有量より大きいことを意味する。
実施例2では、キャップ層40の形成後、実施例1と同様に、磁場中熱処理を行い、第三の強磁性層としてのCoFe層及び第一の強磁性層31としてのCoFeB層及びCoFe層からなる2層積層体に対して一方向磁気異方性を付与した。また、実施例2では、実施例1と同様に、磁気抵抗効果素子に対して、MR比の評価、面積抵抗の評価、及びエネルギー分散型X線分析を行った。
(実施例3)
実施例3として、トンネルバリア層33以外の各層については実施例1と同様の方法で同様の構成に形成した磁気抵抗効果素子を作製した。
実施例3のトンネルバリア層33pの形成では、初めに、第一の強磁性層31上に、第一の界面領域35の一部の元素を供給するためのMgO層(厚さ0.15nm)を形成した。このMgO層の形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。続いて、このMgO層上に、本体領域34の一部の元素を供給するためのMgAl層(厚さ0.9nm)を形成した。MgAl層の形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。続いて、このMgAl層上に、第二の界面領域36の一部の元素を供給するためのMgO層(厚さ0.15nm)を形成した。このMgO層の形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。
実施例3では、上記MgO層、MgAl層及びMgO層の形成後のアニール処理によって、これらの層において層間の原子拡散及びスピネル構造への結晶化を促進し、第一の界面領域35としてのMg(Alα1Mg1−α1、本体領域34としてのMg(Alα2Mg1−α2、及び第二の界面領域36としてのMg(Alα3Mg1−α3を形成した。これらの層において、α1及びα3の大きさは、α2の大きさより小さい。このα1、α2及びα3の大小関係は、第一の界面領域35及び第二の界面領域36における元素X(実施例3ではMg)の含有量が、本体領域34における元素Xの含有量より大きいことを意味する。
実施例3では、キャップ層40の形成後、実施例1と同様に、磁場中熱処理を行い、第三の強磁性層としてのCoFe層及び第一の強磁性層31としてのCoFeB層及びCoFe層からなる2層積層体に対して一方向磁気異方性を付与した。また、実施例3では、実施例1と同様に、磁気抵抗効果素子に対して、MR比の評価、面積抵抗の評価、及びエネルギー分散型X線分析を行った。
(実施例4)
実施例4として、図2に示す第2の実施形態の上記変形例(第一の強磁性層31が磁化自由層として機能し、第二の強磁性層32が磁化固定層として機能する変形例)の磁気抵抗効果素子1pと同様の構成を有する磁気抵抗効果素子を作製した。実施例4では、基板10にMgOを用いた。このMgO基板に対しては、アニール処理(温度800℃)を60分間行った。基板10としてのMgOの(001)面上に、スパッタ法によって、下地層20としてのバッファ層を形成した。バッファ層は、Cr層(厚さ40nm)を有する。バッファ層の形成後に、アニール処理(温度800℃)を60分間行った。
続いて、スパッタ法によってスピンバルブ層30pを形成した。スピンバルブ層30pの形成では、初めに、磁化自由層としての第一の強磁性層31を形成した。第一の強磁性層31は、Fe層(厚さ50nm)とした。第一の強磁性層31の形成後に、アニール処理(温度300℃)を60分間行った。
続いて、第一の強磁性層31上に、トンネルバリア層33pを形成した。トンネルバリア層33pの形成工程では、初めに、第一の強磁性層31上に、第一の界面領域35の一部の元素を供給するためのIn層(厚さ0.15nm)を形成した。このIn層の形成後に、アニール処理(温度450℃)を15分間行った。続いて、このIn層上に、本体領域34の一部の元素を供給するためのMgAl層(厚さ0.9nm)を形成した。MgAl層の形成後に、アニール処理(温度450℃)を15分間行った。続いて、このMgAl層上に、第二の界面領域36の一部の元素を供給するためのIn層(厚さ0.15nm)を形成した。このIn層の形成後に、アニール処理(温度450℃)を15分間行った。
実施例4では、上記In層、MgAl層及びIn層の形成後のアニール処理によって、これらの層において層間の原子拡散及びスピネル構造への結晶化を促進し、第一の界面領域35としてのMg(Alα1In1−α1層、本体領域34としてのMg(Alα2In1−α2層、及び第二の界面領域36としてのMg(Alα3In1−α3層を形成した。これらの層において、α1及びα3の大きさは、α2の大きさより小さい。このα1、α2及びα3の大小関係は、第一の界面領域35及び第二の界面領域36における元素X(実施例4ではIn)の含有量が、本体領域34における元素Xの含有量より大きいことを意味する。
次に、トンネルバリア層33p上に、スパッタ法によって、磁化固定層を形成した。磁化固定層は、第二の強磁性層32としてのFe層(厚さ60nm)及び反強磁性層としてのIrMn層(厚さ10nm)を含む積層体とした。Fe層の形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。磁化固定層の形成によって、スピンバルブ層30pが作製された。
次に、スピンバルブ層30p上に、キャップ層40を形成した。キャップ層40は、Ru層(厚さ20nm)とした。
キャップ層40の形成後に、磁場中熱処理を行い、第二の強磁性層32としてのFe層に対して一方向磁気異方性を付与した。この磁場中熱処理における熱処理温度を200℃とし、印加磁場の強度を10kOe(798kA/m)とした。磁場中熱処理によって、実施例4に係る磁気抵抗効果素子1pの形成が完了した。
実施例4では、実施例1と同様に、磁気抵抗効果素子に対して、MR比の評価、面積抵抗の評価、及びエネルギー分散型X線分析を行った。
(実施例5)
実施例5として、図1に示す第1の実施形態の磁気抵抗効果素子1と同様の構成を有する磁気抵抗効果素子を作製した。実施例5においては、トンネルバリア層33は、実施例1〜実施例4と異なり、第二の界面領域を有しない。実施例5に係る説明では、磁気抵抗効果素子1に係る説明のために用いられた符号を援用する。
実施例5では、基板10にMgOを用いた。このMgO基板に対しては、アニール処理(温度800℃)を60分間行った。基板10としてのMgOの(001)面上に、スパッタ法によって、下地層20としてのバッファ層を形成した。バッファ層は、Cr層(厚さ40nm)を有する。バッファ層の形成後に、アニール処理(温度800℃)を60分間行った。
続いて、スパッタ法によって、スピンバルブ層30を形成した。実施例5に係るスピンバルブ層30は、磁化自由層としての第一の強磁性層31、トンネルバリア層33、及び磁化固定層をこの順に有する。初めに、第一の強磁性層31を形成した。第一の強磁性層31は、Fe層(厚さ50nm)とした。第一の強磁性層31の形成後に、アニール処理(温度300℃)を60分間行った。
続いて、第一の強磁性層31上に、スパッタ法によって、トンネルバリア層33を形成した。トンネルバリア層33の形成工程においては、初めに、第一の強磁性層31上に、第一の界面領域35の一部の元素を供給するためのIn層(厚さ0.15nm)を形成した。このIn層の形成後に、アニール処理(温度450℃)を15分間行った。続いて、このIn層上に、本体領域34の一部の元素を供給するためのMgAl層(厚さ0.9nm)を形成した。このMgAl層の形成後に、アニール処理(温度450℃)を15分間行った。
実施例5では、上記In層及びMgAl層の形成後のアニール処理によって、これらの層において層間の原子拡散及びスピネル構造への結晶化を促進し、第一の界面領域35としてのMg(Alα4In1−α4層及び本体領域34としてのMg(Alα5In1−α5層が形成された。これらの層において、α4の大きさは、α5の大きさより小さい。このα4及びα5の大小関係は、第一の界面領域35における元素X(実施例5ではIn)の含有量が、本体領域34における元素Xの含有量より大きいことを意味する。
次に、実施例4と同様に、トンネルバリア層33上に磁化固定層を形成し、スピンバルブ層30上にキャップ層40を形成した。キャップ層40の形成後に、実施例4と同様に、磁場中熱処理を行い、第二の強磁性層32としてのFe層に対して一方向磁気異方性を付与した。
実施例5では、実施例1と同様に、磁気抵抗効果素子に対して、MR比の評価、面積抵抗の評価、及びエネルギー分散型X線分析を行った。
(比較例1)
図4の(a)部は、比較例1に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。比較例1は、実施例1に係る磁気抵抗効果素子と同様の基板10を備える。また、比較例1に係る磁気抵抗効果素子1aは、実施例1と同様の方法によって形成され同様の構成を有する下地層20及びキャップ層40を備える。比較例1のトンネルバリア層33aは、本体領域を有する一方で、第一の界面領域及び第二の界面領域を有しない。
比較例1では、スパッタ法によって、下地層20上にスピンバルブ層30aを形成した。スピンバルブ層30aの形成工程では、初めに、磁化固定層31aを形成した。比較例1の磁化固定層31aは、実施例1の上記SAF構造の磁化固定層と同様の方法によって形成され同様の構成を有する。
次に、磁化固定層31a上に、スパッタ法によって、トンネルバリア層33aを形成した。トンネルバリア層33aの形成においては、磁化固定層上に、本体領域としてのMgAl層(厚さ1.2nm)を形成した。
次に、トンネルバリア層33a上に、スパッタ法によって、磁化自由層としての第二の強磁性層32を形成した。比較例1の第二の強磁性層32は、実施例1の第二の強磁性層32と同様の方法によって形成され同様の構成を有する。
比較例1では、キャップ層40の形成後、実施例1と同様に、磁場中熱処理を行い、第三の強磁性層としてのCoFe層及び第一の強磁性層31としてのCoFeB層及びCoFe層からなる2層積層体に対して一方向磁気異方性を付与した。
比較例1では、実施例1と同様に、磁気抵抗効果素子1aに対して、MR比の評価、面積抵抗の評価、及びエネルギー分散型X線分析を行った。
(比較例2)
図4の(b)部は、比較例2に係る磁気抵抗効果素子の断面を示す図である。比較例2は、実施例1に係る磁気抵抗効果素子と同様の基板10を備える。また、比較例2に係る磁気抵抗効果素子1bは、実施例1と同様の方法によって形成され同様の構成を有する下地層20及びキャップ層40を備える。
比較例2では、スパッタ法によって、下地層20上にスピンバルブ層30bを形成した。スピンバルブ層30bの形成工程では、初めに、比較例1の磁化固定層31aと同様に、磁化固定層31bを形成した。
次に、磁化固定層31b上に、スパッタ法によって、トンネルバリア層33bを形成した。トンネルバリア層33bの形成工程においては、初めに、磁化固定層31b上に、第一の界面領域35bの一部の元素を供給するためのMgAl層(厚さ0.50nm)を形成した。第一の界面領域35bの形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。続いて、第一の界面領域35b上に、本体領域34bの一部の元素を供給するためのIn層(厚さ0.15nm)を形成した。本体領域34bの形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。続いて、本体領域34b上に、第二の界面領域36bとしてのMgAl層(厚さ0.50nmを形成した。第二の界面領域36bの形成後に、アニール処理(温度300℃)を15分間行った。
比較例2では、上記MgAl層、In層及びMgAl層の形成後のアニール処理によって、これらの層において層間の原子拡散及びスピネル構造への結晶化を促進し、第一の界面領域35bとしてのMg(Alα6In1−α6層、本体領域34bとしてのMg(Alα7In1−α7層、及び第二の界面領域36bとしてのMg(Alα8In1−α8層を形成した。これらの層において、α6及びα8の大きさは、α7の大きさより大きい。このα6、α7及びα8の大小関係は、第一の界面領域35及び第二の界面領域36における元素X(比較例2ではIn)の含有量が、本体領域34における元素Xの含有量より小さいことを意味する。
トンネルバリア層33b上に、スパッタ法によって、磁化自由層としての第二の強磁性層32を形成した。比較例2の第二の強磁性層32は、実施例1の第二の強磁性層32と同様の方法によって形成され同様の構成を有する。
比較例2では、キャップ層40の形成後、実施例1と同様に、磁場中熱処理を行い、第三の強磁性層としてのCoFe層及び第一の強磁性層31としてのCoFeB層及びCoFe層からなる2層積層体に対して一方向磁気異方性を付与した。
比較例2では、実施例1と同様に、磁気抵抗効果素子1bに対して、MR比の評価、面積抵抗の評価、及びエネルギー分散型X線分析を行った。
表1は、実施例1〜実施例3に係る磁気抵抗効果素子に含まれる各層の材料、MR比の評価結果、及び面積抵抗の評価結果を示す表である。表2は、実施例4及び実施例5に係る磁気抵抗効果素子に含まれる各層の材料、MR比の評価結果、及び面積抵抗の評価結果を示す表である。表3は、比較例1及び比較例2に係る磁気抵抗効果素子に含まれる各層の材料、MR比の評価結果、及び面積抵抗の評価結果を示す表である。
表1〜表3において、MR比の評価結果は、比較例1に係るMR比の大きさを「1」としたときの相対値によって示されている。同様に、面積抵抗の評価結果は、比較例1に係るRAの大きさを「1」としたときの相対値によって示されている。
Figure 2020107835
Figure 2020107835
Figure 2020107835
表1〜表3に示されるように、実施例1〜実施例5のMR比は、比較例1及び比較例2に比べて大きくなっている。また、実施例1、実施例2、実施例4及び実施例5のRAは、比較例1に比べて小さくなっている。
図5の(a)部は、実施例1に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。図5の(b)部は、実施例2に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。
図6の(a)部は、実施例3に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。図6の(b)部は、実施例5に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。実施例4に係るエネルギー分散型X線分析は、実施例1に係るエネルギー分散型X線分析と同様の分析結果となったので、実施例4に係る分析結果は、図示を省略している。
図7の(a)部は、比較例1に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。図7の(b)部は、比較例2に係るエネルギー分散型X線分析の分析結果を示す図である。
図5の(a)部から図7の(b)部までの各図は、スピンバルブ層30pに含まれる各層に含まれる各元素の含有量を示している。図中、横軸は、スピンバルブ層30p内の所定の原点からの距離を示し、単位はnmである。横軸では、さらに、スピンバルブ層30p内の各層の範囲と示すために、例えば、第一の界面領域35の「35」といった符号が付されている。縦軸は、エネルギー分散型X線分析の分析結果から求めた各元素の含有量を示し、単位は%である。図5の(a)部から図7の(b)部までの各図では、トンネルバリア層33pを主に構成する元素のみが図示されており、第一の強磁性層31及び第二の強磁性層32に主に含まれる元素、具体的には、Fe、Co、及びBといった元素の分析結果は図示されていない。
実施例1〜実施例3に係る磁気抵抗効果素子において、各々のトンネルバリア層33は、第一の界面領域35、本体領域34、及び第二の界面領域36を有している。
図5の(a)部に示されるように、実施例1に係る磁気抵抗効果素子において、Alの原子(%)は、本体領域34内にピークを有する一方で、第一の界面領域35及び第二の界面領域36に近づくに従って減少した。これと対照的に、Inの原子(%)は、第一の界面領域35内と第二の界面領域36内とにピークを有する一方で、本体領域34に近づくに従って減少した。なお、実施例4に係る磁気抵抗効果素子において、図5の(a)部と同様の結果が得られた。
図5の(b)部及び図6の(a)部に示されるように、実施例2及び実施例3に係る磁気抵抗効果素子において、Alの原子(%)は、共に、本体領域34内にピークを有する一方で、第一の界面領域35及び第二の界面領域36に近づくに従って減少した。これと対照的に、実施例2では、Gaの原子(%)が、第一の界面領域35内と第二の界面領域36内とにピークを有する一方で、本体領域34に近づくに従って減少した。実施例3では、Mgの原子(%)が、第一の界面領域35内と第二の界面領域36内とにピークを有する一方で、本体領域34に近づくに従って減少した。
実施例5に係る磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層33は、第一の界面領域35と本体領域34とを有し、第二の界面領域36を有しない。
図6の(b)部に示されるように、実施例5に係る磁気抵抗効果素子において、Alの原子(%)は、本体領域34内にピークを有する一方で、第一の界面領域35及び第二の界面領域36に近づくに従って減少している。Inの原子(%)は、第一の界面領域35内のみにピークを有し、ピークは、本体領域34に近づくに従って減少した。
比較例1に係る磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層33aは、第一の界面領域及び第二の界面領域に該当する領域を有しない。比較例2に係る磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層33bは、第一の界面領域35b及び第二の界面領域36bに、MgAl層を含み、本体領域34bに、In層を含む。
図7の(a)部に示されるように、比較例1に係る磁気抵抗効果素子1aにおいて、Alの原子(%)は、トンネルバリア層33a内にピークを有した。Inなどの原子に基づく原子(%)のピークは見られなかった。
図7の(b)部に示されるように、比較例2に係る磁気抵抗効果素子1bにおいて、Alの原子(%)は、トンネルバリア層33a内にピークを有した。また、Alの原子(%)のピークは、本体領域34b内で窪みを示した。本体領域34b内では、Inの原子(%)のピークが見られた。
以上、実施形態及び実施例によって本発明を説明してきたが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、様々な変形態様が可能である。
本実施形態によれば、スピネル構造を有するトンネルバリア層を含む磁気抵抗効果素子であって、磁気抵抗効果が大きな磁気抵抗効果素子が提供される。
1…磁気抵抗効果素子、31…第一の強磁性層、32…第二の強磁性層、33…トンネルバリア層、34…本体領域、35…第一の界面領域、36…第二の界面領域。

Claims (10)

  1. 第一の強磁性層と、
    第二の強磁性層と、
    前記第一の強磁性層と前記第二の強磁性層との間に設けられたトンネルバリア層と、
    を備え、
    前記トンネルバリア層は、本体領域と第一の界面領域とを有し、
    前記本体領域は、一般式LM(式中、Lは、Mgを含む一種以上の元素を表し、Mは、Alを含む一種以上の元素を表す。)で表される第一のスピネル構造の酸化物材料を有し、
    前記第一の界面領域は、前記本体領域と前記第一の強磁性層との間に設けられ、
    前記第一の界面領域は、価数2の元素及びAlを除く価数3の元素からなる群より選択される少なくとも一つの元素Xを有すると共に、一般式DG(式中、Dは、Mg又は前記元素Xを含む一種以上の元素を表し、Gは、Al又は前記元素Xを含む一種以上の元素を表す。)で表される第二のスピネル構造の酸化物材料を有し、
    前記第一の界面領域に含まれる前記元素Xの含有量は、前記本体領域に含まれる前記元素Xの含有量より大きい、磁気抵抗効果素子。
  2. 前記トンネルバリア層は、第二の界面領域を更に有し、
    前記第二の界面領域は、前記本体領域と前記第二の強磁性層との間に設けられ、
    前記第二の界面領域は、前記元素Xを有すると共に、前記一般式DGで表される第三のスピネル構造の酸化物材料を有し、
    前記第二の界面領域に含まれる前記元素Xの含有量は、前記本体領域に含まれる前記元素Xの含有量より大きい、請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記元素Xは、2族又は13族に属する元素である、請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記元素Xは、Mg、Ga、及びInの少なくとも一つを含む、請求項3に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記元素Xは、Ga又はInを含む、請求項3に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第一の強磁性層及び前記第二の強磁性層の少なくとも一つは、Co及びFeの少なくとも一つを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記第一の界面領域の第二のスピネル構造の前記酸化物材料の少なくとも一部は、不規則化スピネル構造を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記第一の界面領域の第二のスピネル構造の前記酸化物材料の少なくとも一部は、規則化スピネル構造を有し、前記第二のスピネル構造の前記酸化物材料において、前記元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 前記第二の界面領域の第三のスピネル構造の前記酸化物材料の少なくとも一部は、不規則化スピネル構造を有する、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 前記第二の界面領域の第三のスピネル構造の前記酸化物材料の少なくとも一部は、規則化スピネル構造を有し、前記第三のスピネル構造の前記酸化物材料において、前記元素Xの少なくとも一部が、Gサイトに配置されている、請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
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