JP2020105457A - 重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、重合体中に金属触媒残渣等の不純物が多く含まれると、重合体の透明性が低下することがある。
そこで、このような金属触媒残渣を含む重合体(以下、「粗重合体」と称することがある。)から、金属触媒残渣を除去することが求められる。
なお、重合体のガラス転移温度は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の重合体の製造方法は、重合体と金属触媒残渣とを含む粗重合体から精製重合体を得る重合体の製造方法であって、所定の除去工程を含み、必要に応じて、任意のその他の工程を更に含む。
除去工程では、粗重合体とプロトン性有機化合物とを、ガラス転移温度以上の温度下で、接触させて、粗重合体から金属触媒残渣を除去する。これは、粗重合体中に含まれる金属触媒残渣が、プロトン性有機化合物に吸着されること等による。
粗重合体とプロトン性有機化合物との接触においては、所定温度以上の温度下で、粗重合体とプロトン性有機化合物とを接触させる限り、特に限定されないが、攪拌等の方法により粗重合体とプロトン性有機化合物とを混合し、接触系としての混合物を得ることが好ましい。粗重合体とプロトン性有機化合物とを混合して接触させることで、透明性に優れると共に、残留金属量および残留P量が更に低減された重合体を製造することができる。なお、上記混合物には、後述する非極性有機溶媒が含まれていてもよい。
除去工程において、粗重合体と、プロトン性有機化合物とを接触させる温度(接触温度)は、粗重合体に含まれる重合体のガラス転移温度以上であることが必要であり、(当該重合体のガラス転移温度+50℃)以上であることが好ましく、(当該重合体のガラス転移温度+75℃)以上であることがより好ましく、(当該重合体のガラス転移温度+100℃)以上であることが更に好ましく、(当該重合体のガラス転移温度+250℃)以下であることが好ましく、(当該重合体のガラス転移温度+200℃)以下であることがより好ましく、(当該重合体のガラス転移温度+180℃)以下であることが更に好ましい。粗重合体と、プロトン性有機化合物とを接触させる温度が上記下限以上であれば、透明性に更に優れると共に、残留金属量および残留P量が更に低減された重合体を製造することができる。一方、粗重合体と、プロトン性有機化合物とを接触させる温度が上記上限以下であれば、粗重合体中に含まれる金属触媒残渣とプロトン性有機化合物とがより強く吸着することができるため、残留金属量が更に低減された重合体を製造することができる。
上記所定温度以上の温度下で、粗重合体とプロトン性有機化合物とを接触させる時間は、粗重合体とプロトン性有機化合物との接触の態様および規模などに応じて適宜調整することができる。
例えば、攪拌等の方法により粗重合体とプロトン性有機化合物と任意の非極性有機溶媒とを混合することで除去工程を行なう場合、粗重合体とプロトン性有機化合物とを接触させる時間は、1分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましく、1時間以上であることが更に好ましく、30時間以下であることが好ましく、20時間以下であることがより好ましく、10時間以下であることが更に好ましい。粗重合体とプロトン性有機化合物とを接触させる時間が上記下限以上であれば、プロトン性有機化合物と金属触媒残渣との吸着効率を向上でき、それにより、透明性に更に優れ、残留金属量および残留P量が更に低減された重合体を製造することができる。
なお、除去工程は、窒素およびアルゴンなどの不活性ガスの存在下で行なうことが好ましい。例えば、耐熱反応器内に粗重合体およびプロトン性有機化合物などを入れて除去工程を行なう場合、耐熱反応器内を上記不活性ガスで置換することが好ましい。
粗重合体は、重合体と金属触媒残渣とを含む。なお、粗重合体は、上述した重合体および金属触媒残渣以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、粗重合体の調製時に生じ得る金属触媒残渣以外の残渣などが挙げられる。
粗重合体に含まれる重合体としては、特に限定されることはなく、例えば、重合触媒としての金属触媒の存在下で、各種の単量体を重合して得られる重合体を用いることができる。
なお、重合体の重量平均分子量(Mw)は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
ここで、「結晶性」とは、測定条件等を最適化することにより、示差走査熱量測定(DSC)で融点を観測することができる性質をいい、重合体鎖の立体規則性により定まる性質である。
なお、重合体の融点は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
環状オレフィン開環重合体の調製に用いる環状オレフィン単量体の全使用量に対するジシクロペンタジエンの使用量の割合は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
なお、環状オレフィン開環重合体水素化物の水素化率は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
金属触媒残渣は、金属触媒に由来する成分である。ここで、金属触媒残渣は、金属触媒が有する化学構造の少なくとも一部を有する成分であればよく、金属触媒そのものであってもよいし、金属触媒に対して、金属触媒以外の他の成分が更に結合してなる化学構造を有する成分であってもよいものとする。そして、金属触媒残渣は、通常、金属触媒に含有される金属を含んでいる。また、金属触媒残渣の由来である金属触媒がリンを含有する場合、金属触媒残渣は当該金属触媒に含有されるリンを含み得る。
金属触媒残渣の由来である金属触媒は、粗重合体の調製に使用し得るものであれば、特に限定されないが、重合触媒および/または水素化触媒を含むことが好ましく、開環重合触媒および/または水素化触媒を含むことがより好ましい。
ここで、粗重合体中にリンが残留した場合であっても、本発明の重合体の製造方法によれば、粗重合体に残留するリンを除去して、残留リン量が低減された重合体を製造できるため、金属触媒として使用する水素化触媒としては、例えば、特開2015−54885号公報に記載されたクロロヒドリドカルボニルビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム等のリンを含有する貴金属錯体触媒を好適に使用することができる。
なお、金属触媒として使用し得る水素化触媒は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
なお、上記における「周期表」は長周期表を指す。
上述した粗重合体の調製方法としては、特に限定されることはなく、通常、上述した金属触媒を用いた反応を行なう方法を用いることができる。ここで、上記反応は、重合反応であってもよいし、水素化反応であってもよいし、重合反応および水素化反応触媒の両方であってもよい。
例えば、残留金属量が更に低減された重合体を製造する観点から、粗重合体中の残留Ru量は、5ppm以上50ppm以下であることが好ましい。
また、残留金属量が更に低減された重合体を製造する観点から、粗重合体中の残留タングステン(W)量は、10ppm以上100ppm以下であることが好ましい。
除去工程で用いるプロトン性有機化合物は、所定の接触温度下で、粗重合体と接触させることで、粗重合体中に含まれる金属触媒残渣を吸着し得る成分である。なお、本明細書において、「プロトン性有機化合物」とは、プロトン供与性(水素原子をプロトンとして放し得る性質)を有する有機化合物を指す。
そして、多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2,6−ヘキサントリオール等を用いることができる。
また、アミン類としては、アルキルアミンおよびアリールアミンのいずれを用いてもよいが、残留金属量が更に低減された重合体を製造する観点から、アルキルアミンを用いることが好ましい。
そして、アミン類としては、残留金属量が更に低減された重合体を製造する観点から、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ヘキサデシルアミン等の炭素数2以上1000以下のアミンを用いることがより好ましく、ヘキシルアミン、ヘキサデシルアミン等の炭素数5以上500以下のアミンを用いることが更に好ましく、ヘキサデシルアミン等の炭素数10以上100以下のアミンを用いることが特に好ましい。
ダイマー酸型ジアミンとしては、市販品を用いることができ、例えば、CRODA社製「Priamine1075」等を用いることができる。
除去工程は、非極性有機溶媒の存在下で行なってもよい。即ち、除去工程においては、上述した所定の接触温度下で、粗重合体とプロトン性有機化合物とを非極性有機溶媒の存在下で接触させてもよい。
本発明の重合体の製造方法は、任意で、上述した除去工程以外のその他の工程を更に含んでいてもよい。
以下に、分離工程として好適に実施し得る冷却工程について詳述する。
冷却工程では、上述した除去工程で得られた金属触媒残渣が除去された粗重合体を冷却する。これにより、金属触媒残渣が除去された粗重合体を、金属触媒残渣を吸着したプロトン性有機化合物および非極性有機溶媒などの接触系内の他の成分から容易に分離し、精製重合体として分離取得することができる。
上述した除去工程および任意の分離工程(冷却工程)により得られる精製重合体は、透明性に優れている。
したがって、精製重合体は、例えば、光学レンズ、プリズム、導光体等の光学部材などの用途に好適に使用することができる。
例えば、残留金属量を低減された重合体を製造する観点から、精製重合体中の残留Ru量は、7.0ppm以下であることが好ましく、5.5ppm以下であることがより好ましく、4.0ppm以下であることが更に好ましく、2.5ppm以下であることが一層好ましい。
また、残留金属量を低減された重合体を製造する観点から、精製重合体中の残留タングステン(W)量は、19.0ppm以下であることが好ましく、10.0ppm以下であることがより好ましく、2.5ppm以下であることが更に好ましく、2.0ppm以下であることが一層好ましい。
残留P量が更に低減された重合体を製造する観点から、精製重合体中の残留リン(P)量は、2.0ppm以下であることが好ましく、1.5ppm以下であることがより好ましく、1.2ppm以下であることが更に好ましく、1.0ppm未満であることが一層好ましい。
実施例および比較例における各種の測定および評価については、以下の方法に従って行なった。
開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリスチレン換算値として求めた。なお、GPCは40℃において測定した。また、測定装置としては、東ソー社製「システム HLC−8320」を用い、測定カラムとしては東ソー社製「Hタイプカラム」を用いた。
1H−NMR測定に基づいて、開環重合体の主鎖の炭素−炭素二重結合のシス/トランス比を求めた。
1H−NMR測定に基づいて、開環重合体水素化物中の不飽和結合の水素化率を求めた。
オルトジクロロベンゼン−d4を溶媒として、150℃でinverse−gated decoupling法を適用して13C−NMR測定を行い、オルトジクロロベンゼン−d4の127.5ppmのピークを基準シフトとして、メソ・ダイアッド由来の43.35ppmのシグナルと、ラセモ・ダイアッド由来の43.43ppmのシグナルとの強度比に基づいて、開環重合体水素化物のメソ/ラセモ比を求めた。
示差走査型熱量計(DSC,日立ハイテクサイエンス社製X−DSC7000)を用いて、20℃〜320℃まで10℃/分で昇温する条件で、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
試料としての開環重合体水素化物を含む粗重合体の結晶を、示差走査熱量計装置内で加熱することで完全に融解させた後、10℃/分の降温条件で室温まで冷却させ、次いで、10℃/分の昇温条件で320℃まで示差走査熱量測定を行なったときの結晶融解ピークの吸熱極大での温度を、その試料の融点とした。なお、示差走査熱量計装置としては、日立ハイテクサイエンス社製高感度型示差走査熱量計「EXSTAR X−DSC7000」を用いた。また、示差走査熱量測定では、温度および熱量の標準物質としてインジウム、スズ、鉛を用いて校正を行なった。
各実施例および比較例で得られた粗重合体および精製重合体のそれぞれを、測定試料として約0.3g〜約0.5g用い、硫酸および硝酸を用いて湿式分解し、超純水で10mLに定容した後に、ICP−AES(SIIナノテクノロジー社製「SPS5100」)による測定を行なって、残留金属量としての残留ルテニウム(Ru)量および残留タングステン(W)量、並びに残留リン(P)量を測定した。
各実施例および比較例で得られた精製重合体を用いて、熱プレス成形によりフィルム(厚み:50μm)を作製した。
次いで、作製されたフィルムの任意の箇所を切り出して得られた120mm×120mm×50μmの正方形薄膜サンプルについて、HAZEメーター(日本電色工業社製「NDH5000」)を使用して、HAZE(%)を測定した。なお、HAZEは、透明性に関する指標であり、濁度(曇度)を表す。そして、HAZEの値が小さいほど、重合体の透明性が高いことを示す。
<粗重合体(開環重合体水素化物)調製工程>
攪拌機付きガラス製反応器に、開環重合触媒としてのタングステン(フェニルイミド)テトラクロリド・テトラヒドロフラン錯体0.060部をシクロヘキサン1.0部に溶解させた溶液を添加した。さらに、有機金属還元剤としてのジエチルアルミニウムエトキシド0.047部をヘキサン0.50部に溶解した溶液を添加して、これを室温で30分間反応させた。得られた混合物に、環状オレフィン単量体としてのジシクロペンタジエン7.5部、溶媒としてのシクロヘキサン27.0部、環状オレフィン単量体以外のその他の単量体としての1−オクテン5.0部を添加し、50℃において重合反応を行なった。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度が上昇した。3時間重合反応させた後、重合反応液に大量のイソプロピルアルコールを注いで沈殿物を凝集させ、濾別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥した。得られたジシクロペンタジエン開環重合体の収量は7.4部であり、その重量平均分子量(Mw)は29,700であった。また、ジシクロペンタジエン開環重合体の主鎖の炭素−炭素二重結合のシス/トランス比は、93/7であった。
次に、攪拌機付きオートクレーブに、得られたジシクロペンタジエン開環重合体3.0g、および、溶媒としてのシクロヘキサン47gを加えた。そして、シクロヘキサン10mlに水素化触媒としてのクロロヒドリドカルボニルビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム0.00165gを分散させたものをさらに添加し、水素圧4.0MPa、160℃で8時間水素化反応を行なった。この水素化反応液を多量のアセトンに注いで、粗重合体を完全に析出させ、濾別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥することで、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を含む粗重合体を得た。
得られた粗重合体中のジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の水素化率は99%以上であった。また、粗重合体中のジシクロペンタジエン開環重合体水素化物のメソ/ラセモ比は10/90(ラセモ・ダイアッドの割合90%)であることから、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物はシンジオタクチック立体規則性を有するものであった。また、粗重合体を減圧乾燥した後、粗重合体中のジシクロペンタジエン開環重合体水素化物のガラス転移温度および融点を測定したところ、ガラス転移温度は100℃で、融点は265℃であった。
そして、得られた粗重合体中の残留金属量および残留P量の測定を行なった。結果を表1に示す。
500mlの耐圧反応器内に、非極性有機溶媒としてのデカリン23.625g、プロトン性有機化合物としてCRODA社製「Priamine1075」(炭素数36のダイマー酸型ジアミン等を含む1級アミン、以下「プリアミン」と称することがある)7.875g、上記で得られた結晶性を有するジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を含む粗重合体3.5gをそれぞれ入れた。その後、耐熱反応器をTVS−N2型ポータブルリアクター(耐圧硝子工業社製)にセットし、窒素置換を行なった。さらに、耐圧反応器を、215℃で3時間加熱しながら撹拌を行ない、接触系としての混合物を得た。
<冷却工程>
次いで、上記で得られた混合物を常温(23℃)まで冷却した。そして、冷却後の混合物中に析出物が発生していることを確認した。混合物を濾過することで、析出物を分離して取得した。得られた析出物を、トルエン、シクロヘキサン、アセトンをこの順に用いて洗浄した後、窒素ガス存在下で加熱してこれらの有機溶媒を除去することで、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。
精製重合体中の残留金属量および残留P量の測定を行なった。結果を表1に示す。
また、上記で得られた粗重合体中の残留Ru量および精製重合体中の残留Ru量に基づいて、粗重合体中に含まれていた残留Ru全量のうち、除去工程および冷却工程でプロトン性有機化合物に吸着されて除去されたRuの量の割合を、Ru除去率(質量%)として算出した。結果を表1に示す。
同様に、上記で得られた粗重合体中の残留W量および精製重合体中の残留W量に基づいて、粗重合体中に含まれていた残留W全量のうち、除去工程および冷却工程でプロトン性有機化合物に吸着されて除去されたWの量の割合を、W除去率(質量%)として算出した。結果を表1に示す。
さらに、上記で得られた粗重合体中の残留P量および精製重合体中の残留P量に基づいて、粗重合体中に含まれていた残留P全量のうち、除去工程および冷却工程でプロトン性有機化合物に吸着されて除去されたPの量の割合を、P除去率(質量%)として算出した。結果を表1に示す。
また、精製重合体を熱プレス成形して得られたフィルムのHAZE(%)を測定した。結果を表1に示す。
実施例1の除去工程において、非極性有機溶媒としてのデカリン23.625gをシクロヘキサン23.625gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例1と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
実施例1の除去工程において、非極性有機溶媒としてのデカリンの使用量を23.625gから31.5gに変更し、プロトン性有機化合物をプリアミン7.875gからヘキサデシルアミン(分子量:241.46、沸点:330℃)1.05gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例1と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
実施例3の除去工程において、プロトン性有機化合物をヘキサデシルアミン1.05gからヘキシルアミン(分子量:101.19、沸点:130℃)0.44gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例3と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
実施例3の除去工程において、プロトン性有機化合物をヘキサデシルアミン1.05gからプロピルアミン(分子量:59.11、沸点:48℃)0.26gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例3と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
実施例3の除去工程において、プロトン性有機化合物をヘキサデシルアミン1.05gから1,2−エタンジオール(分子量:62.07、沸点:197.3℃)0.27gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例3と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
実施例3の除去工程において、プロトン性有機化合物をヘキサデシルアミン1.05gから酪酸(分子量:88.11、沸点:164℃)0.38gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例3と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
実施例1の除去工程において、プロトン性有機化合物としてのプリアミン7.875gに代えて、非プロトン性有機化合物であるジメチルスルホキシド(DMSO、分子量:78.13、沸点:189℃)7.875gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例1と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
実施例1の除去工程において、プロトン性有機化合物としてのプリアミン7.875gに代えて、非プロトン性有機化合物であるトリオクチルホスフィン(分子量:370.65、沸点:234℃)7.875gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物の精製重合体を得た。そして、実施例1と同様の測定および算出を行なった。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 重合体と金属触媒残渣とを含む粗重合体から精製重合体を得る重合体の製造方法であって、
前記重合体のガラス転移温度以上の温度下で、前記粗重合体と、プロトン性有機化合物とを接触させて、前記粗重合体から前記金属触媒残渣を除去する除去工程を含む、重合体の製造方法。 - 前記プロトン性有機化合物が、アルコール類、カルボン酸類、およびアミン類からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の重合体の製造方法。
- 前記プロトン性有機化合物が、炭素数10以上のアミンを含む、請求項1または2に記載の重合体の製造方法。
- 前記金属触媒残渣が、開環重合触媒および/または水素化触媒に由来する、請求項1〜3のいずれかに記載の重合体の製造方法。
- 前記金属触媒残渣が、周期表における第4族〜第13族の金属から選択される少なくとも1種の金属を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の重合体の製造方法。
- 前記金属触媒残渣が、タングステン、チタン、ニッケル、コバルト、アルミニウム、およびルテニウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の重合体の製造方法。
- 前記重合体が環状オレフィン重合体を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の重合体の製造方法。
- 前記重合体が結晶性である、請求項1〜7のいずれかに記載の重合体の製造方法。
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2018
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