JP2020105455A - 成形材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングを抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)および収縮率を有するシートを成形することができる成形材料を提供する。【解決手段】軟質樹脂と、紫外線吸収剤と、ダスティング剤とを含む成形材料であって、前記軟質樹脂を主成分として含有するコア部と、前記コア部を被覆し、前記紫外線吸収剤を主成分として含有するブリード部とからなる成形材料であって、前記紫外線吸収剤の含有量が、前記軟質樹脂100質量部に対して、5質量部超40質量部以下であり、前記ダスティング剤の少なくとも一部が前記ブリード部に存在する、成形材料。【選択図】図1

Description

本発明は、成形材料に関するものである。
ブロック共重合体水素化物(水添SIS)等の軟質樹脂のペレットは、容器に保管する際にペレット同士が互着して、ブロッキングすると、加工性が悪化する。このような場合、タルク、金属石鹸等のダスティング剤を軟質樹脂のペレットに添加して、ペレット同士の互着によるブロッキングを長時間抑制することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、耐光性を向上させるために、紫外線吸収剤(光安定剤)を軟質樹脂のペレットに添加することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2015/182695号公報
しかしながら、ダスティング剤を軟質樹脂のペレットに添加すると、ペレット同士の互着によるブロッキングを抑制することができたとしても、ダスティング剤の添加量によっては、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートを成形することができないことがあった。
さらに、紫外線吸収剤(光安定剤)を軟質樹脂のペレットに添加するタイミングによっては、所望の収縮率を有するシートを成形することができないことがあった。
そこで、本発明は、保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングを抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)および収縮率を有するシートを成形することができる成形材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、軟質樹脂を主成分として含有するコア部と、コア部を被覆し、前記紫外線吸収剤を主成分として含有するブリード部とからなり、紫外線吸収剤の含有量が所定量であり、ダスティング剤の少なくとも一部がブリード部に存在する成形材料(マスターバッチペレット)を用いることにより、保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングを抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)および収縮率を有するシートを成形することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の成形材料は、軟質樹脂と、紫外線吸収剤と、ダスティング剤とを含む成形材料であって、前記軟質樹脂を主成分として含有するコア部と、前記コア部を被覆し、前記紫外線吸収剤を主成分として含有するブリード部とからなる成形材料であって、前記紫外線吸収剤の含有量が、前記軟質樹脂100質量部に対して、5質量部超40質量部以下であり、前記ダスティング剤の少なくとも一部が前記ブリード部に存在する、ことを特徴とする。このように、軟質樹脂を主成分として含有するコア部と、コア部を被覆し、前記紫外線吸収剤を主成分として含有するブリード部とからなり、紫外線吸収剤の含有量が所定量であり、ダスティング剤の少なくとも一部がブリード部に存在する成形材料(マスターバッチペレット)を用いることにより、保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングを抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)および収縮率を有するシートを成形することができる。
なお、本発明において、「軟質樹脂を主成分として含有する」は、軟質樹脂の含有量が50質量%超であることを意味し、「紫外線吸収剤を主成分として含有する」は、紫外線吸収剤の含有量が50質量%超であることを意味する。
さらに、本発明において、「ブリード部」とは、コア部の表面部に相当し、コア部からブリードアウトしてきた成分や、後から添加されてコア部に付着する成分を含む。
本明細書において、本発明の「成形材料」は「マスターバッチペレットC」であり、「軟質樹脂のペレット」は「原料ペレットA」であり、「シート等成形時に用いるペレット」および「マスターバッチペレットとブレンドするマスターバッチペレット製造時の原料ペレット」を「原料ペレットB」と表記する。
ここで、本発明の成形材料は、前記ダスティング剤の含有量が、前記軟質樹脂100質量部に対して、0.0040質量部以上0.0220質量部以下であることが好ましい。前記ダスティング剤の含有量が、軟質樹脂100質量部に対して、0.0040質量部以上0.0220質量部以下であれば、保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングを確実に抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートを確実に成形することができる。
ここで、本発明の成形材料は、前記軟質樹脂が、ブロック共重合体水素化物を主成分とすることが好ましい。軟質樹脂がブロック共重合体水素化物を主成分とすれば、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートをより確実に成形することができる。
なお、本発明において、「ブロック共重合体水素化物を主成分とする」は、ブロック共重合体水素化物を50質量%超含有することを意味する。
ここで、本発明の成形材料は、前記ブロック共重合体水素化物が、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]中の全芳香族ビニル単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwAとし、前記ブロック共重合体[C]中の全鎖状共役ジエン単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が10:90〜70:30であるブロック共重合体[C]の、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化してなる、ことが好ましい。ブロック共重合体水素化物が、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]中の全芳香族ビニル単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwAとし、ブロック共重合体[C]中の全鎖状共役ジエン単量体単位がブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が10:90〜70:30であるブロック共重合体[C]の、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化してなれば、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートをより確実に成形することができる。
なお、本発明において、「芳香族ビニル単量体単位を主成分とする」は、芳香族ビニル単量体単位を50質量%超含有することを意味し、「鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする」は、鎖状共役ジエン単量体単位を50質量%超含有することを意味する。
ここで、本発明の成形材料は、前記ブロック共重合体水素化物の少なくとも一部がシラン変性してなることが好ましい。ブロック共重合体水素化物の少なくとも一部がシラン変性してなれば、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートをより確実に成形することができる。
ここで、本発明の成形材料は、前記ブリード部に存在する紫外線吸収剤は、幅が0.01μm以上3.00μm以下の線状物質であることが好ましい。ブリード部に存在する紫外線吸収剤は、幅が0.01μm以上3.00μm以下の線状物質であれば、保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングをより確実に抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートをより確実に成形することができる。
ここで、本発明の成形材料は、前記コア部の前記ブリード部による被覆率が90%以上であることが好ましい。コア部のブリード部による被覆率が90%以上であれば、保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングをより確実に抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートをより確実に成形することができる。
本発明の成形材料によれば、保存時および移送時の成形材料同士の互着によるブロッキングを抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)および収縮率を有するシートを成形することができる。
本発明の成形材料(マスターバッチペレットC)の表面を電子顕微鏡で観察した際に撮影した写真の一例である。 本発明の成形材料(マスターバッチペレットC)の表面のSEM画像の一例であり、ブリードした紫外線吸収剤にダスティング剤が埋もれた状態を示す。 比較例3に用いた、原料ペレットBに紫外線吸収剤がまぶしてあるものの表面を電子顕微鏡で観察した際に撮影した写真である。 比較例3に用いた、原料ペレットBに紫外線吸収剤がまぶしてあるものの表面のSEM画像である。
(成形材料)
本発明の成形材料は、軟質樹脂と、紫外線吸収剤と、ダスティング剤とを含有してなり、任意のその他の成分をさらに含有していてもよい。
なお、本発明の成形材料は、軟質樹脂を主成分として含有するコア部と、コア部を被覆し、ブリードアウトした紫外線吸収剤を主成分として含有するブリード部とからなり、任意のその他の部分をさらに有していてもよいマスターバッチペレットを意味する。
コア部のブリード部による被覆率としては、90%以上であることが好ましく、94%以上であることがより好ましく、98%以上であることが特に好ましい。コア部のブリード部による被覆率が上記下限以上であれば、成形材料同士の互着によるブロッキングをより確実に抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートをより確実に成形することができる。
<軟質樹脂>
「軟質樹脂」とは、常温で互着してブロッキングし得る樹脂の総称である。
軟質樹脂の分子量は、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、35,000以上であることが好ましく、38,000以上であることがより好ましく、40,000以上であることが特に好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが特に好ましい。また、軟質樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.7以下であることが特に好ましい。
Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、軟質樹脂を含むペレットの耐熱性、機械的強度および加工性が良好である。
軟質樹脂の軟化温度は、耐熱性、および加工性の観点から、90℃以上であることが好ましく、95℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが特に好ましく、成形性の観点から、170℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることが特に好ましい。
なお、「軟化温度」は、軟化温度測定装置(製品名「CFT−500EX」、島津製作所社製)を使用して、30℃から200℃の範囲で、昇温速度5℃/分、測定荷重100kgf/cm(9.8MPa)で軟化温度を測定し、オフセット法により、軟化温度を算出することができる。
軟質樹脂は、ブロック共重合体水素化物を主成分とすることが好ましい。軟質樹脂がブロック共重合体水素化物を主成分とすれば、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートをより確実に成形することができる。
<<ブロック共重合体水素化物>>
ブロック共重合体水素化物は、少なくとも一部がシラン変性してなることが好ましい。
即ち、ブロック共重合体水素化物は、(i)全てが未変性のブロック共重合体水素化物(ブロック共重合体水素化物[D])であってもよく、(ii)未変性のブロック共重合体水素化物[D]と、ブロック共重合体水素化物[D]のシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])との混合物であってもよく、(iii)全てが変性ブロック共重合体水素化物[E]であってもよいが、(ii)未変性のブロック共重合体水素化物[D]と変性ブロック共重合体水素化物[E]との混合物であること、または、(iii)全てが変性ブロック共重合体水素化物[E]であることが好ましい。
ブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン(直鎖状共役ジエン、分岐鎖状共役ジエン)単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]の、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化してなることが好ましい。
−芳香族ビニル単量体単位−
芳香族ビニル単量体単位を形成しうる芳香族ビニル単量体としては、スチレンおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン、および4−フェニルスチレンなどが挙げられる。これらの中でも、吸湿性を低減すべく、極性基を含有しないもの、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、および4−フェニルスチレンが好ましく、工業的な入手の容易さからスチレンが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
−鎖状共役ジエン単量体単位−
鎖状共役ジエン単量体単位を形成しうる鎖状共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、吸湿性を低減すべく、極性基を含有しないものが好ましく、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが好ましく挙げられる。これらの中でも、工業的な入手の容易さから1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
−重合体ブロック[A]−
ここで、重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[A]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、特に好ましくは100質量%である。重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル単量体単位の含有割合が80質量%以上であれば、共重合体水素化物中の重合体ブロック[A]由来のミクロ相分離ドメインを維持することができ、引張強度および芳香族単量体ブロックの耐熱性を維持することができる。
なお、重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、そのようなその他の単量体単位は、鎖状共役ジエン単量体単位であってもよい。また、その他の単量体単位を形成しうる単量体としては、吸湿性を低減すべく、極性基を含有しないものが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテンなどの鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサンなどの環状オレフィンが挙げられる。
重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[A]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
なお、ブロック共重合体である共重合体が重合体ブロック[A]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[A]の単量体組成は同一あってもよく、異なっていてもよい。
なおここで、重合体ブロック[A]における構造単位の含有割合は、例えば、NMR、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。また、後述する重合体ブロック[B]でも同様に測定することができる。
−重合体ブロック[B]−
重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[B]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン単量体単位の含有割合が60質量%以上であれば、共重合体中の重合体ブロック[B]由来の軟化温度を得ることができ、低温衝撃強度および加工性を維持することができる。
なお、重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、そのようなその他の単量体単位は、芳香族ビニル単量体単位であってもよいし、その他の単量体単位は「重合体ブロック[A]」の項で上述した鎖状オレフィン、環状オレフィンから形成されてもよい。
重合体ブロック[B]中の芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[B]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
なお、ブロック共重合体である共重合体が重合体ブロック[B]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[B]の単量体組成は同一あってもよく、異なっていてもよい。
−ブロック共重合体[C]−
ブロック共重合体[C]は、ブロック共重合体水素化物[D]の前駆体であり、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とを含有する高分子である。
ここで、ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]は、通常5つ以下、好ましくは4つ以下、より好ましくは3つ以下であり、更に好ましくは2つである。
また、ブロック共重合体である共重合体中の重合体ブロック[B]の数は、通常4つ以下、好ましくは3つ以下、より好ましくは2つ以下、また、更に好ましくは1つである。
ブロック共重合体[C]のブロックの形態は、特に限定されず、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでもよいが、鎖状型ブロックであるのが、機械的強度に優れ好ましい。
また、ブロック共重合体[C]は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合した構造(すなわち、A−B−Aの順に並んだ構造)を少なくとも1箇所有することが好ましい。
そしてブロック共重合体である共重合体の特に好ましい形態としては、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合してなるトリブロック共重合体(A−B−A)、および、重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、更に、該2つの重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合してなるペンタブロック共重合体(A−B−A−B−A)が挙げられ、トリブロック共重合体(A−B−A)が最も好ましい。
−−wA:wB−−
ブロック共重合体[C]中の全芳香族ビニル単量体単位がブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwAとし、ブロック共重合体[C]中の全鎖状共役ジエン単量体単位がブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwBとしたときに、wAは、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることが更に好ましく、40%以上が特に好ましく、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、wBは、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、75%以下であることが更に好ましく、60%以下であることが特に好ましい。
wAが上限以下であることで、ブロック共重合体[C]から得られるブロック共重合体水素化物[D]の低温下での耐衝撃性が低下するのを抑制することができる。一方、wAが下限以上であることで、ブロック共重合体[C]から得られるブロック共重合体水素化物[D]の剛性が低下するのを抑制することができる。
なお、「wAとwBとの比(wA:wB)」については、ブロック共重合体[C]を製造する過程において、ブロック共重合体[C]の重合に用いた芳香族ビニル単量体、鎖状共役ジエン単量体およびその他のビニル系化合物の部数と、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用して測定されたブロック共重合体[C]の各ブロックの重合終了段階での用いたモノマーの重合体への重合転化率により、各単量体単位の質量分率を算出することができる。
ブロック共重合体[C]の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、35,000以上であることが好ましく、38,000以上であることがより好ましく、40,000以上であることが特に好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが特に好ましい。また、ブロック共重合体[C]の分子量分布(Mw/Mn)は、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.7以下であることが特に好ましい。
Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、軟質樹脂からなるペレットの耐熱性、機械的強度および加工性が良好である。
なお、本発明において、「重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)」は、測定対象サンプル(ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D])の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として40℃において測定し、標準ポリスチレン換算値を算出することができる。なお、測定装置としては、例えば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)装置(HLC8320GPC、東ソー株式会社製)を用いることができる。
ブロック共重合体[C]の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、ブロック共重合体[C]の製造方法としては、例えば、国際公開第2003/018656号、国際公開第2011/096389号等に記載の方法が挙げられる。
−ブロック共重合体[C]の水素化(ブロック共重合体水素化物[D])−
ブロック共重合体水素化物[D]は、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化する場合、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、通常95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上であり、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率が高いほど、軟質樹脂を含むペレットおよび該ペレットを用いて成形されたシートの耐候性、耐熱劣化性が良好である。また、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化を抑制することにより、軟質樹脂を含むペレットおよび該ペレットを用いて成形されたシートの耐熱劣化性を維持し易くなる。
なおここで、「主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化すること」は、「ブロック共重合体[C]における鎖状共役ジエン化合物に由来の二重結合を水素化すること」を意味し、「芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化すること」は、「ブロック共重合体[C]における芳香環に由来の二重結合を水素化すること」を意味する。
ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する場合、水素化率は、全炭素−炭素不飽和結合の90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。
ブロック共重合体水素化物[D]の水素化率がこの範囲にあれば、軟質樹脂を含むペレットは、透明性、耐熱劣化性に優れ、また、鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化したブロック共重合体水素化物[D]を使用したペレットに比較して、耐光性が優れ、耐熱変形温度も高くなるため特に好ましい。
ブロック共重合体水素化物[D]の、鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率並びに芳香族ビニル化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、例えば、ブロック共重合体[C]及びブロック共重合体水素化物[D]のH−NMRを測定することにより、求めることができる。
ブロック共重合体[C]中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよい。
ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素化する方法としては、例えば、特開2015−78090号公報等に記載された公知の水素化方法が挙げられる。
また、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号等に記載された方法が挙げられる。
水素化反応終了後においては、水素化触媒、或いは、水素化触媒及び重合触媒を反応溶液から除去した後、得られた溶液から溶剤を除去してブロック共重合体水素化物[D]を回収することができる。
ブロック共重合体水素化物[D]の分子量は、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、35,000以上であることが好ましく、38,000以上であることがより好ましく、40,000以上であることが特に好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが特に好ましい。また、ブロック共重合体水素化物[D]の分子量分布(Mw/Mn)は、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.7以下であることが特に好ましい。
Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、軟質樹脂を含むペレットの耐熱性、機械的強度、および加工性が良好である。
−ブロック共重合体水素化物[D]のシラン変性(変性ブロック共重合体水素化物[E])−
ブロック共重合体水素化物[D]と、エチレン性不飽和シラン化合物とを、過酸化物の存在下で反応(シラン変性)させて、共重合体水素化物にアルコキシシリル基を導入することが好ましい。
ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入することにより、変性ブロック共重合体水素化物[E]にはガラスや金属に対する強固な接着性が付与される。
−−アルコキシシリル基−−
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等の、トリ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、プロピルジメトキシシリル基、プロピルジエトキシシリル基等の、(炭素数1〜20アルキル)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基等の、(アリール)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;等が挙げられる。これらの内、中間膜にガラス板に対する強固な接着性が付与される観点から、トリメトキシシリル基が特に好ましい。また、アルコキシシリル基は、ブロック共重合体水素化物[D]に、炭素数1〜20のアルキレン基や、炭素数2〜20のアルキレンオキシカルボニルアルキレン基等の2価の有機基を介して結合していてもよい。
ブロック共重合体水素化物[D]へのアルコキシシリル基の導入量は、通常、ブロック共重合体水素化物[D]100質量部に対し、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが特に好ましく、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが特に好ましい。アルコキシシリル基の導入量が多過ぎると、得られる変性ブロック共重合体水素化物[E]を所望の形状に溶融成形する前に微量の水分等で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋が進み、ゲル化したり、溶融時の流動性が低下して成形性が低下したりする等の問題が生じ易くなる。また、アルコキシシリル基の導入量が少な過ぎると、変性ブロック共重合体水素化物[E]の成形物の接着力が十分に得られないという不具合が生じ易くなる。アルコキシシリル基が導入されたことは、IRスペクトルで確認することができる。また、その導入量は、H−NMRスペクトルにて算出することができる。
〔エチレン性不飽和シラン化合物〕
シラン変性に用いるエチレン性不飽和シラン化合物としては、ブロック共重合体水素化物[D]と反応(例えばグラフト重合)して、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入しうるものであれば特に限定されない。このようなエチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。これらの中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましく、ビニルトリメトキシシランがより好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、ブロック共重合体水素化物[D]100質量当たり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.3質量部以上であることが特に好ましく、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが特に好ましい。
〔過酸化物〕
シラン変性に用いる過酸化物としては、1分間半減期温度が170〜190℃のものが好ましく使用され、例えば、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどの有機過酸化物が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
過酸化物の使用量は、共重合体水素化物100質量部当たり、0.05質量部以上であることが好ましく、0.08質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが特に好ましく、2質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが特に好ましい。
−−分子量−−
上記シラン変性により得られた変性ブロック共重合体水素化物[E](シラン変性体)の重量平均分子量(Mw)は、通常、導入されるアルコキシシリル基の量が少ないため、原料として用いたブロック共重合体水素化物[D]のそれと大きくは変わらず、25,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましく、35,000以上であることが特に好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることが特に好ましい。シラン変性体の重合平均分子量が35,000以上であれば、シラン変性体の機械的強度を高めることができ、200,000以下であれば、シラン変性体の加工性を確保することができる。
また、シラン変性体の分子量分布(Mw/Mn)は、3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。分子量分布が3.5以下であれば、ブロック共重合体水素化物[D]から得られるシラン変性体の加工性や機械的強度を高めることができる。
なお、シラン変性体の分子量分布(Mw/Mn)は、過酸化物の存在下でシラン変性を行うため、重合体の架橋反応、切断反応が併発することにより、原料として用いたブロック共重合体水素化物[D]のそれよりも大きくなる傾向がある。
<<ブロック共重合体水素化物[D]の製造方法>>
ブロック共重合体水素化物[D]の製造方法は、ブロック共重合体水素化物[D]を製造する製造方法であり、共重合工程と、水素化工程とを含み、必要に応じて、シラン変性工程等のその他の工程を含む。
−共重合工程−
共重合工程は、有機リチウム化合物を含む開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体と鎖状共役ジエン単量体とを共重合させる工程である。
共重合の方法は、有機リチウム化合物を含む開始剤を用いた共重合である限り、特に限定されず、芳香族ビニル単量体と鎖状共役ジエン単量体を含む単量体組成物を、既知の方法で重合することにより、共重合体を調製することができる。
−−有機リチウム化合物−−
有機リチウム化合物は、通常、アニオン重合に用いられるものであり、特に制限はなく、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジルリチウム等のモノ有機リチウム化合物;1,4−ジリチオブタン、1,5−ジリチオペンタン、1,6−ジリチオヘキサン、1,10−ジリチオデカン、1,1−ジリチオジフェニレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオポリイソプレン、1,4−ジリチオベンゼン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリリチオ−2,4,6−トリエチルベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;などが挙げられる。これらの中でも、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のモノ有機リチウム化合物が好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
−水素化工程−
水素化工程は、共重合工程により得られたブロック共重合体[C]を水素化する工程である。
ブロック共重合体[C]中の不飽和結合を水素化する方法(水素化方法)としては、特に限定されず、既知の方法を採用することができるが、水素化率を高くしつつ、重合体鎖切断反応を抑制しうる水素化方法が好ましい。このような水素化方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号などに記載された方法を挙げることができる。
−シラン変性工程−
シラン変性工程は、水素化工程により得られたブロック共重合体水素化物[D]をシラン変性する工程である。
ブロック共重合体水素化物[D]をシラン変性する方法は、特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体水素化物[D]と、上述したエチレン性不飽和シラン化合物と、過酸化物とを二軸押出機にて混練することにより、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入することができる。混練温度は、230℃以上であることが好ましく、240℃以上であることが好ましく、250℃以上であることが特に好ましく、300℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましく、270℃以下であることが特に好ましい。混練時間は、0.3分間以上であることが好ましく、0.5分間以上であることがより好ましく、0.8分間以上であることが特に好ましく、10分間以下であることが好ましく、5分間以下であることがより好ましく、2分間以下程度であることが特に好ましい。このような混練温度、混練時間となるように適宜設定して、連続的に混練、押出しをすればよい。
有機過酸化物としては、1分間半減期温度が170℃以上190℃以下のものが好ましく使用される。例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が好適に用いられる。
これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。
有機過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物[D]100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、0.08質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが特に好ましく、2質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが特に好ましい。
上記のブロック共重合体水素化物[D]とエチレン性不飽和シラン化合物とを、有機過酸化物の存在下で反応させる方法は、特に限定されない。例えば、二軸混練機にて所望の温度で所望の時間混練することにより、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入することができる。二軸混練機による混練温度は、230℃以上であることが好ましく、240℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることが特に好ましく、300℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましく、270℃以下であることが特に好ましい。加熱混練時間は、0.1分以上であることが好ましく、0.2分以上であることがより好ましく、0.3分以上であることが特に好ましく、10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましく、2分以下であることが特に好ましい。
具体的には、ブロック共重合体水素化物[D]へのアルコキシシリル基の導入は、温度および滞留時間が上記範囲になるようにして、ブロック共重合体水素化物[D]、エチレン性不飽和シラン化合物および有機過酸化物を連続的に混練、押出しをすればよい。
有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物と反応させるため、重合体の架橋反応、切断反応が併発し、変性ブロック共重合体水素化物[E]の分子量分布の値は、ブロック共重合体水素化物[D]の分子量分布の値よりも大きくなる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収する物質である限り、特に制限はなく、例えば、下記構造式(1)で表される2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール(BASFジャパン株式会社、Tinuvin(登録商標)326)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;下記構造式(2)で表される化合物(例えば、BASFジャパン株式会社製、Tinuvin(登録商標)1600)等のトリアジン系紫外線吸収剤;下記構造式(3)で表される化合物(例えば、BASFジャパン株式会社製、Chimassorb81)等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートを確実に成形することができる点で、構造式(1)で表される2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール等のベンゾトリアゾール系物質が好ましい。
ブリード部に存在する紫外線吸収剤は、所定範囲の幅を有する線状物質であることが好ましい。
ブリード部に存在する紫外線吸収剤の幅は、0.01μm以上であることが好ましく、0.50μm以上であることがより好ましく、1.00μm以上であることが特に好ましく、3.00μm以下であることが好ましく、2.50μm以下であることがより好ましく、2.00μm以下であることが特に好ましい。
ブリード部に存在する紫外線吸収剤の幅が、上記下限以上であることにより、表面から剥離しにくく、表面を覆うことができ、上記上限以下であることにより、緻密に表面を覆うことができ、耐ブリッジ性に寄与することができる。
なお、ブリード部に存在する紫外線吸収剤の幅は、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JEM−7800F Prime」)により、真空度は280kPaで、前処理なし(無蒸着)の成形材料の表面(ブリード部)における紫外線吸収剤のSEM観察を実施した。
成形材料における紫外線吸収剤の含有量が、軟質樹脂100質量部に対して、5質量以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましく、9質量部以上であることが特に好ましく、40質量部以下であることが好ましく、35質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることが特に好ましい。
成形材料における紫外線吸収剤の含有量が、上記下限以上であることにより、耐ブリッジ性および耐光性を確実に向上させることができ、上記上限以下であることにより、問題なく混練することができる。
<ダスティング剤>
ダスティング剤としては、例えば、ステアリン酸モノアミド、スチレン・ビスステアリン酸アミド、エチレン・ビスステアリン酸アミド等のステアリン酸アミド(ステアリン酸アマイド);ステアリン酸マグネシウム、ラウリル酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、ラウリル酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、モンタン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、オレイン酸バリウム、ラウリル酸バリウム、アラキジン酸バリウム、ベヘニン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ラウリル酸カリウム等の金属石鹸;タルク;などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。そしてこれらの中でも、ヘイズを低くする観点から、ステアリン酸アミドが好ましい。
ダスティング剤は、少なくとも一部が前記ブリード部に存在する。
成形材料におけるダスティング剤の含有量(コア部およびブリード部に存在する総量)としては、軟質樹脂100質量部に対して、0.0040質量部以上であることが好ましく、0.0100質量部以上であることがより好ましく、0.0150質量部以上であることがさらに好ましく、また、0.0220質量部以下であることが好ましく、0.0185質量部以下であることがより好ましい。前記含有量を上記下限値以上とすることで、成形材料同士の互着によるブロッキングを確実に抑制することができる。一方、前記含有量を上記上限値以下とすることで、成形材料の透明性が低下するのを防止することができ、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)を有するシートを確実に成形することができる。
ダスティング剤は、200メッシュの網を85%以上通過できる粒子径であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。前記粒子径を上記下限値以上とすることで、成形材料の耐ブロッキング性が発現できる。
<その他の成分>
その他の成分としては、例えば、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、加工助剤、ブロック共重合体水素化物以外の重合体、赤外線遮蔽/吸収剤、着色剤、酸無水物、無機酸化物(粉砕シリカ、焼成シリカ等)、などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
<<リン系酸化防止剤>>
リン系酸化防止剤は、特に制限はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシリホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェノル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9、10−ジヒドロ−9−オキサー10ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、6−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
<<フェノール系酸化防止剤>>
フェノール系酸化防止剤は、特に制限はなく、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
軟質樹脂100質量部に対するリン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の合計含有量は、特に制限はないが、0.001質量部以上であることが好ましく、0.003質量部以上であることがより好ましく、0.005質量部以上であることが特に好ましく、1.0質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが特に好ましい。軟質樹脂100質量部に対するリン系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の合計含有量が、0.001質量部以上であれば、酸化を防止することができ、1.0質量部以下であれば、樹脂表面へのブリードを抑制することができる。
<<加工助剤>>
加工助剤としては、ブロック共重合体水素化物[D]に均一に溶解ないし分散できるものが好ましく、数平均分子量が300以上5,000以下の炭化水素系重合体がより好ましい。
炭化水素系重合体の具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−1−オクテン、ポリイソプレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリイソプレン−ブタジエン共重合体等の低分子量体及びその水素化物;などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、透明性、耐光性を維持し、軟化効果に優れている点で、低分子量(数平均分子量が、好ましくは500以上3,000以下、より好ましくは500以上2,500以下)のポリイソブチレン水素化物、低分子量(数平均分子量が、好ましくは500以上3,000以下、より好ましくは500以上2,500以下)のポリブテン水素化物が好ましい。
軟質樹脂100質量部に対する低分子量の炭化水素系重合体の含有量は、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが特に好ましい。低分子量の炭化水素系重合体の含有量を多くすると、合わせガラス用の中間膜とした場合に、耐熱性が低下したり、溶出物が増加し易くなる傾向がある。
<成形材料の製造方法>
成形材料は以下のように製造される。
まず、調製された軟質樹脂をペレット化することで、軟質樹脂のペレット(原料ペレットA)を得る。次に、原料ペレットAに、必要に応じて変性剤やダスティング剤等の添加剤を加えて原料ペレットBを得る。得られた原料ペレットBの一部に紫外線吸収剤を添加し、その後、ペレット化することにより(マスターバッチ化することにより)、高濃度の紫外線吸収剤を含む成形材料(マスターバッチペレットC)を製造する。
<成形材料を用いたシート成形方法>
得られた成形材料(マスターバッチペレットC)を上記原料ペレットBとブレンドして、シート化することで樹脂シート[F]を成形する。ここで、マスターバッチペレットCと原料ペレットBの配合比は、マスターバッチペレットCと原料ペレットBに含まれる全軟質樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤が0.005質量部以上0.010質量以下となるような配合比とすることが好ましい。
本発明の成形材料は、合わせガラス用の中間膜(前記合わせガラスは、熱線反射膜、透明導電膜、調光膜、高弾性樹脂層等を含んでいてもよい)、封止材(太陽光発電素子、OLED等)、光学フィルム(位相差フィルム、偏光板保護フィルム等)、医療用成形体(バイアル、シリンジ、輸液バッグ、培養容器接着剤等)、接着シート、接着剤などに好適に使用される。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。本実施例における測定乃至評価は、以下の方法によって行った。
<(1)重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)>
テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算値として、40℃において、0.6cc/分の速度で測定した。測定装置としては、東ソー株式会社製の「HLC8320GPC」を用い、カラムは東ソー株式会社製の「TSKgel SuperH」タイプの「G5000HLX」、「G4000HLX」、および「G2000HLX」の3本を直列につなぎ、ポリマー量4mg/1ccの濃度に調整し測定した。
<(2)wAとwBとの比(wA:wB)>
ブロック共重合体[C]中における芳香族ビニル化合物単量体単位の含有量(質量分率)wAと、ブロック共重合体[B]中における鎖状共役ジエン化合物単量体単位の含有量(質量分率)wBとしたときの、「wAとwBとの比(wA:wB)」については、ブロック共重合体[C]を製造する過程において、各重合体ブロックの重合に用いた芳香族ビニル化合物、鎖状共役ジエン化合物およびその他のビニル化合物の部数と、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用して測定された各重合体ブロック重合終了段階での用いたモノマーの重合体への重合転化率により、芳香族ビニル化合物単量体単位の含有量(質量分率)および鎖状共役ジエン化合物単量体単位の含有量(質量分率)を算出した。
<(3)水素化率>
製造例の水素化反応に用いるブロック共重合体[C]と、水素化反応により得られるブロック共重合体水素化物[D]とについて、溶媒として重クロロホルムを用いたH−NMR測定を行い、ブロック共重合体[C]の主鎖、側鎖および芳香環に存在した全不飽和結合のうち消失した不飽和結合の割合を算出することで、ブロック共重合体水素化物[D]の水素化率を求めた。
<(4)ダスティング剤量>
FT−IR装置(日本分光社製、「FT/IR−4600」)により、得られた成形材料の表面をFI−IRの反射型で分析を実施した。ダスティング剤とポリマー由来のピーク強度比により、検量線を作成して、成形材料のブリードする前のダスティング剤の量を算出した。なお、測定については、「アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])の調製」および「成形材料(マスターバッチペレットC)または後述する比較例3に用いた原料ペレットBの調製」の際に行い、成形材料におけるダスティング剤の含有量(コア部およびブリード部に存在する総量)を測定した。
<(5)成形材料(マスターバッチペレットC)または後述する比較例3に用いた原料ペレットBの保存時のブロッキング性>
1.5m(底面積0.36m)の直方体の容器を成形材料(マスターバッチペレットC)または後述する比較例3に用いた原料ペレットBで満たして10分静置し、その後、底弁を開いて成形材料の流動性の有無を評価した。
「OK」は流動性(即ち、マスターバッチペレットCまたは後述する比較例3に用いた原料ペレットBの耐ブロッキング性)が有ることを表し、「NG」は流動性(即ち、マスターバッチペレットCまたは後述する比較例3に用いた原料ペレットBの耐ブロッキング性)が無いことを表す。
<(6)シートのヘイズ(%)>
成形材料(マスターバッチペレットC)および原料ペレットB(比較例3では原料ペレットBと紫外線吸収剤)を用いて、実施例1記載の<樹脂シート[F1]の製造>と同様の条件で、厚さ500μm、縦横50mmのシート成形サンプルを作製し、該作製したシート成形サンプルをヘイズメータ(日本電色工業株式会社製、「NDH2000」)を用いてヘイズ測定した。なお、シートのヘイズは、1.0%以下である必要がある。
<(7)シートの透過率(410nm)(%)>
成形材料(マスターバッチペレットC)および原料ペレットB(比較例3では原料ペレットBと紫外線吸収剤)を用いて、実施例1記載の<樹脂シート[F1]の製造>と同様の条件で、厚さ500μm、縦横50mmのシート成形サンプルを作製し、該作製したシート成形サンプルについて、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社「V−670」)を用いて、410nmの透過率を測定した。なお、シートの透過率は80%以下である必要がある。
<(8)シートの最大収縮率(%)>
成形材料(マスターバッチペレットC)および原料ペレットB(比較例3では原料ペレットBと紫外線吸収剤)を用いて、実施例1記載の<樹脂シート[F1]の製造>と同様の条件で、厚さ500μm、縦横100mmのシート成形サンプルを作製し、110℃のオーブンで3分間処理を行った。その後、シート成形サンプルの最大収縮率を下記式(1)により算出した。なお、シートの最大収縮率は4.0%以下である必要がある。
「最大収縮率(%)」=(処理前のシート成形サンプルの長さ−処理後のシート成形サンプルの長さ)/処理前のシート成形サンプルの長さ×100・・・(1)
<(9)紫外線吸収剤の幅>
走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JEM−7800F Prime」)により、真空度は280kPaで、前処理なし(無蒸着)の成形材料の表面(ブリード部)における紫外線吸収剤のSEM観察を実施した。拡大倍率は2000倍とし、紫外線吸収剤の幅を測定した。なお、測定については、製造後1週間以降の成形材料を用いて実施した。
「OK」はブリード部の紫外線吸収剤の幅が3.00μm以下であることを表し、「NG」は紫外線吸収剤の幅が3.00μm超であることを表す。
なお、紫外線吸収剤の幅は、紐状の短いほうの辺の長さ(直径)と定義される。
<(10)マスターバッチの有無>
表における「マスターバッチの有無」に関して、「有」は、本発明の成形材料に該当するか否かに関係なく、紫外線吸収剤を練り込んだペレットを用いていることである。
(実施例1)
ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を下記に示す方法で調製し、樹脂シート[F1]を下記に示す方法で製造した。その後、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
<ブロック共重合体[C]の調製>
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25.0部、n−ブチルエーテル0.820部を入れ、60℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウム(15%n−ヘキサン溶液)1.416部を加えて重合を開始した。65℃で60分間重合反応させた。ガスクロマトグラフィーにより測定したこの時点での重合添加率は99.9%であった。次に、脱水イソプレン50.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。この時点での重合添加率は99.6%であった。その後、更に脱水スチレンを25.0部加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール2.0部添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体[C]は、重量平均分子量(Mw)が42900であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.03であり、S−I−S(スチレンブロック−イソプレンブロック−スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。
<ブロック共重合体水素化物[D]の調製>
上述した「ブロック共重合体[C]の調製」で得られたブロック共重合体[C]溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、水素化触媒としてのシリカーアルミナ担持型ニッケル触媒(クラリアント触媒株式会社製、「T−8400RL」)5部、および、脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。常温状態にて反応内部を水素ガスにて置換しゲージ圧力で2MPa加圧した状態で180℃まで昇温した。耐圧反応容器の内部温度が180℃となったところで、20分間水素の供給をせず、180℃の温度を一定に保った。20分後、水素圧を4.5MPaまで加圧し6時間水素化反応を行った(水素化率:99.5%)。水素化反応後の共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、分子量分布(Mw/Mn)が1.66であり、重量平均分子量(Mw)は37800であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、得られた溶液に、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](ADEKA社製「AO60」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所株式会社社製「コントロ」)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液からシクロヘキサン、キシレンおよびその他の揮発成分を除去して、溶融ポリマーを得た。得られた溶融ポリマーを水中カッターにより丸ペレット状にして、ブロック共重合体〔C〕の水素化物(ブロック共重合体水素化物[D])の原料ペレットAを得た。
<アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])の調製>
得られたブロック共重合体水素化物[D]の原料ペレットA100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部、および、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ(登録商標)25B」)0.1部を添加した。この混合物を、二軸押出機(東芝機械社製「TEM37B」)を用いて、樹脂温度250℃、混練時間60秒間〜70秒間で混練してブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)を得た後に、水素化ポリブテン(日油株式会社製、商品名:日油ポリブテン10SH)17部を添加し、単軸もしくは単管で溶融押出を行い、得られた混練物を水中カッターにより丸ペレット状にし、表面の水分を遠心脱水により分離し、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)として、エチレン・ビスステアリン酸アマイド(エチレン・ビスステアリン酸アミド)(花王株式会社製、商品名:カオーワックスEB−FF)を、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して0.0116部添加して、ブロック共重合体水素化物[D]のアルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])の原料ペレットBを得た。
<成形材料(マスターバッチペレットC)の調製>
得られたブロック共重合体水素化物[D]のアルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])の原料ペレットBにおける、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」が11.755部となるように、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」を変性ブロック共重合体水素化物[E]に添加した。この混合物を、二軸押出機(東芝機械社製「TEM37B」)を用いて、樹脂温度200℃、混練時間60秒間〜70秒間で混練した。得られた混練物を、水中カッターにより丸ペレット状にし、表面の水分を遠心脱水により分離し、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)として、エチレン・ビスステアリン酸アマイド(エチレン・ビスステアリン酸アミド)(花王株式会社製、商品名:カオーワックスEB−FF)を、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100部に対して0.0066部添加して、成形材料(マスターバッチペレットC)を得た。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)は、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤11.755質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0182部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
<樹脂シート[F1]の製造>
上記で得られた「アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])の原料ペレットB」および「成形材料(マスターバッチペレットC)」を原料ペレットBとマスターバッチペレットCに含まれる軟質樹脂100質量部に対して紫外線吸収剤が0.008質量部となるように、予めブレンドしておき、Tダイ式フィルム溶融押出成形機(東芝機械社製「TEM37B」;Tダイ幅400mm)を使用して、溶融樹脂温度180℃、Tダイ温度180℃の条件にて押出成形し、樹脂シート[F1](厚さ:500μm)を得た。得られた樹脂シート[F1]は、ロールに巻き取って回収した。
(実施例2)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」7.053部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0020部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤7.053質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0136部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例3)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」7.053部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0062部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤7.053質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0178部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例4)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」35.264部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0023部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤35.264質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0139部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例5)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール系の「Tinuvin(登録商標)326」を用いる代わりに、紫外線吸収剤としてのトリアジン系の「Tinuvin(登録商標)1600」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤11.755質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0182部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例6)
実施例5において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」7.053部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0062部を添加したこと以外は、実施例5と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤7.053質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0178部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例7)
実施例5において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」35.264部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0023部を添加したこと以外は、実施例5と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤35.264質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0139部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例8)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール系の「Tinuvin(登録商標)326」を用いる代わりに、紫外線吸収剤としてのベンゾフェノン系の「Chimassorb81」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤11.755質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0182部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例9)
実施例8において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」7.053部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0064部を添加したこと以外は、実施例8と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤7.053質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0180部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(実施例10)
実施例8において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」35.264部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0023部を添加したこと以外は、実施例8と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Aに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤35.264質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0139部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例1)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」3.526部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0019部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤3.526質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0135部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例2)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」41.142部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0079部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤41.142質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0195部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例3)
実施例1において、(i)「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加して、成形材料(マスターバッチペレットC)を得る工程を行わず(実施例1で得られた「原料ペレットB」をそのまま「シート成形時に用いるペレット」として用い)、(ii)「樹脂シート[F1]の製造」に代えて下記の「樹脂シート[F2]の製造」を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、およびアルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])を調製し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および、樹脂シート[F2]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、原料ペレットBには、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0116部を含む。また、原料ペレットBの表層部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、表層部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
<樹脂シート[F2]の製造>
実施例1で得られた「原料ペレットB」を、サイドフィーダーを備えたTダイ式フィルム溶融押出成形機(東芝機械社製「TEM37B」;Tダイ幅400mm)を使用して、溶融樹脂温度160℃、Tダイ温度160℃の条件にて押出成形した。さらに、サイドフィーダーから、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としてのTinuvin(登録商標)326が0.009質量部となるように連続的に添加しながら混練し、樹脂シート[F2](厚さ:500μm)を得た。得られた樹脂シート[F2]は、ロールに巻き取って回収した。
(比較例4)
実施例1において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)326」2.351部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0109部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤2.351質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0225部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例5)
実施例5において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」41.142部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0079部を添加したこと以外は、実施例5と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤41.142質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0195部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例6)
実施例5において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」3.526部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0019部を添加したこと以外は、実施例5と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤3.526質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0135部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例7)
実施例5において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Tinuvin(登録商標)1600」2.351部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0109部を添加したこと以外は、実施例5と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤2.351質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0225部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例8)
実施例8において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」41.142部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0079部を添加したこと以外は、実施例8と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤41.142質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0195部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例9)
実施例8において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」3.526部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0019部を添加したこと以外は、実施例8と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、ダスティング剤を含まない軟質樹脂(「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」)100質量部に対して、紫外線吸収剤3.526質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0135部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
(比較例10)
実施例8において、「成形材料の調製」にて、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」11.755部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0066部を添加する代わりに、ダスティング剤を含まない軟質樹脂としての「ブロック共重合体水素化物のアルコキシシラン変性体(X)」100部に対して、紫外線吸収剤としての「Chimassorb81」2.351部を添加して、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0109部を添加したこと以外は、実施例8と同様にして、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、および成形材料(マスターバッチペレットC)を調製し、樹脂シート[F1]を製造し、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、アルコキシシラン変性体(変性ブロック共重合体水素化物[E])、成形材料(マスターバッチペレットC)、および、樹脂シート[F1]について、各測定乃至各評価を行った。
なお、表1Bに示すように、成形材料(マスターバッチペレットC)には、軟質樹脂100質量部に対して、紫外線吸収剤2.351質量部を含み、ダスティング剤(ブロッキング防止剤)0.0225部を含む。また、成形材料(マスターバッチペレットC)のブリード部には、ダスティング剤が存在することをSEM観察により確認した。また、コア部の主成分は軟質樹脂であり、ブリード部の主成分は紫外線吸収剤であることをPerkinElmer製の赤外顕微鏡Spotlight200iにより確認した。
表1Aおよび表1Bより、実施例1〜10の成形材料を用いれば、(i)紫外線吸収剤の含有量が軟質樹脂100質量部に対して5質量部超40質量部以下であり、且つ、(ii)軟質樹脂を主成分として含有するコア部を被覆し、紫外線吸収剤を主成分として含有するブリード部に、ダスティング剤の少なくとも一部が存在するので、成形材料同士の互着によるブロッキングを抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)および収縮率を有するシートを成形することができることが分かる。
本発明の成形材料によれば、成形材料同士の互着によるブロッキングを抑制することができると共に、所望の光学特性(ヘイズ、透過率)および収縮率を有するシートを成形することができる。

Claims (7)

  1. 軟質樹脂と、紫外線吸収剤と、ダスティング剤とを含む成形材料であって、
    前記軟質樹脂を主成分として含有するコア部と、前記コア部を被覆し、前記紫外線吸収剤を主成分として含有するブリード部とからなる成形材料であって、
    前記紫外線吸収剤の含有量が、前記軟質樹脂100質量部に対して、5質量部超40質量部以下であり、
    前記ダスティング剤の少なくとも一部が前記ブリード部に存在する、成形材料。
  2. 前記ダスティング剤の含有量が、前記軟質樹脂100質量部に対して、0.0040質量部以上0.0220質量部以下である、請求項1に記載の成形材料。
  3. 前記軟質樹脂は、ブロック共重合体水素化物を主成分とする、請求項1または2に記載の成形材料。
  4. 前記ブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]中の全芳香族ビニル単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwAとし、前記ブロック共重合体[C]中の全鎖状共役ジエン単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が10:90〜70:30であるブロック共重合体[C]の、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合を水素化してなる、請求項3に記載の成形材料。
  5. 前記ブロック共重合体水素化物の少なくとも一部がシラン変性してなる、請求項3または4記載の成形材料。
  6. 前記ブリード部に存在する紫外線吸収剤は、幅が0.01μm以上3.00μm以下の線状物質である、請求項1から5のいずれかに記載の成形材料。
  7. 前記コア部の前記ブリード部による被覆率が90%以上である、請求項1から6のいずれかに記載の成形材料。
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