JP2020104727A - 作業車 - Google Patents

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Abstract

【課題】静油圧式の無段変速装置と遊星ギヤ変速装置とを有する駆動構成を有するものでありながらミッションケースの小型化が可能な作業車を構成する。【解決手段】エンジン4と、遊星ギヤ変速装置20と、静油圧式の無段変速装置30と、ミッションケース12とを、この順序で配置し、ミッションケース12に走行変速装置40を収容した。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンからの駆動力を静油圧式の無段変速装置で変速し、更に遊星ギヤ変速装置で変速し、走行駆動系に伝える作業車に関する。
上記のように構成された作業車として特許文献1には、車体にエンジンと、主クラッチ機構と、無段変速装置と、ミッションケース(文献では伝動装置)とを、この順序で連結し、ミッションケースからの駆動力を前車輪と後車輪とに伝えるトラクタの技術が示されている。
この特許文献1では、ミッションケースに遊星ギヤ変速装置(文献では遊星伝動部)と、ギヤ式に変速を行う走行伝動部とを備えており、無段変速装置で変速された駆動力を遊星ギヤ変速装置で更に変速するように構成されている。
また、特許文献2には、エンジンと無段変速装置との間に遊星ギヤ変速装置(文献では遊星歯車機構)を配置し、遊星ギヤ変速装置で変速された駆動力を駆動輪に伝えるようにトランスミッションを構成した技術が示されている。
この特許文献2では、無段変速装置を構成する可変容量型油圧ポンプと、固定容量型油圧ポンプとが同軸芯上に配置され、エンジンからの駆動力を入力軸から可変容量型油圧ポンプに伝えると共に、固定容量型油圧ポンプからの駆動力を入力軸に遊嵌する出力ケースから遊星ギヤ変速装置に伝えるように伝動系が構成されている。
特開2012−62925号公報 特開2009−8189号公報
例えば、トラクタのように比較的大きい減速比で走行を行う作業車を例に挙げると、エンジンの駆動力を無段階に変速すると共に、遊星ギヤ変速装置により大きく減速する技術が有用となる。
しかしながら、特許文献1に記載されるように、エンジンと、無段変速装置と、ミッションケースとが、この順序で配置され、ミッションケースに遊星ギヤ変速装置とギヤ式の変速装置とを収容するものでは、ミッションケースの大型化に繋がるものであった。
ミッションケースの近傍に燃料タンクを配置するものでは、ミッションケースの大型化に伴い、燃料タンクの容積が制限されることから改善の余地がある。
この不都合に対し、特許文献2に記載される構成では、エンジンと無段変速装置との間の空間に遊星ギヤ変速装置と、ギヤ式の変速装置とを有するミッションケースを配置することになるためミッションケースの小型化に繋がらないものであった。
このように、静油圧式の無段変速装置と遊星ギヤ変速装置とを有する駆動構成を有するものでありながらミッションケースの小型化が可能な作業車が求められる。
本発明に係る作業車の特徴構成は、エンジンの駆動力を無段階に変速する静油圧式の無段変速装置と、前記無段変速装置で変速された駆動力を変速する遊星ギヤ変速装置と、前記遊星ギヤ変速装置からの駆動力を変速するギヤ式の走行変速装置とを備えると共に、前記エンジンと、前記遊星ギヤ変速装置と、前記無段変速装置と、ミッションケースとが、この順序で車体の前後方向に沿って配置され、前記ミッションケースに前記走行変速装置が収容されている点にある。
この特徴構成によると、エンジンと無段変速装置との間の空間に遊星ギヤ変速装置が配置されるため、従来、ミッションケースのうち、遊星ギヤが配置されていたスペースに走行変速装置を構成するギヤやクラッチ等を配置できる。これにより、従来構成のミッションケースと比較して、走行変速装置のギヤやクラッチ等を高い位置に配置し、ミッションケースの底壁を高い位置に配置してミッションケースの小型化を可能にするたけでなく、ミッションケースに貯留される潤滑油の油量の低減も可能にする。更に、この特徴構成では、ギヤやクラッチ等が、潤滑油に対する接触量(沈み込み量)を少なくできるため、ギヤやクラッチ等の回転時に潤滑油から受ける抵抗を小さくしてエネルギーロスの低減も実現する。
従って、静油圧式の無段変速装置と遊星ギヤ変速装置とを有する駆動構成を有するものでありながらミッションケースの小型化が可能で、エネルギーロスの低減も可能な作業車が構成された。
他の構成として、前記無段変速装置が、可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油により駆動回転する油圧モータとを備え、前記油圧ポンプの入力軸と、前記油圧モータの出力軸とが互いに平行となる姿勢で、前記エンジンの方向に突出形成され、前記エンジンの駆動力を伝える駆動軸が前記油圧ポンプの入力軸に連結し、前記油圧モータの出力軸が、前記遊星ギヤ変速装置に駆動力を伝えても良い。
これによると、例えば、エンジンの駆動力が伝えられる駆動軸と、無段変速装置の入力軸とを同軸芯上に配置してエンジンの駆動力を無段変速装置に伝えることが可能となる。これと同様に、無段変速装置の出力軸と、遊星ギヤ変速装置の入力用ギヤのギヤ軸とを同軸芯上に配置して無段変速装置からの駆動力を遊星ギヤ変速装置に伝えることが可能となる。このように駆動力を伝える構成の単純化が実現する。
他の構成として、前記エンジンの駆動力を前記無段変速装置に伝える駆動力を断続する主クラッチ機構を備え、前記主クラッチ機構を収容するハウジングに前記遊星ギヤ変速装置が収容されても良い。
これによると、ハウジングに遊星ギヤ変速装置を収容することにより、遊星ギヤ変速装置を収容するための専用のハウジングを備えずに済み、伝動構造の大型化を抑制できる。
他の構成として、前記エンジンの駆動力を前記無段変速装置に伝える駆動力を断続する主クラッチ機構を備え、前記無段変速装置と、前記主クラッチ機構を収容するハウジングとが一体的に形成されても良い。
これによると、無段変速装置とハウジングとを一体的に形成することにより、これらを個別に製造し、連結する構成と比較して製造が容易で強度の向上にも繋がる。
他の構成として、前記エンジンに供給される燃料を貯留する燃料タンクが、前記ミッションケースの近傍に配置されても良い。
特徴構成の項において説明したようにミッションケースに遊星ギヤ変速装置を収容しないため、ミッションケースの小型化が可能となり、これに伴い、ミッションケースの近傍に燃料タンクを配置するにも、ミッションケースの外部にスペースを確保しなくとも燃料タンクの容量増大が可能となる。
トラクタの側面図である。 クラッチハウジングと無段変速ハウジングとの配置を示す平面図である。 伝動構造を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、走行車体Aに左右一対の前車輪1と左右一対の後車輪2とを備え、走行車体のAの前部のエンジンボンネット3の内部にエンジン4を備え、走行車体Aの後部位置にキャビン5を有する運転部Bを配置して作業車としてのトラクタが構成されている。
図1、図2に示すように図中のFは「前方向」を示し、Bは「後方向」を示し、Uは「上方向」を示し、Dは「下方向」を示す。Rは「右方向」を示し、Lは「左方向」を示している。
キャビン5の内部には左右の後輪フェンダー6の中間位置に運転座席7を配置し、その前方のステアリングホイール8を配置しており、運転座席7の近傍に操作レバーや、スイッチ類が配置されている。
図1〜図3に示すように、トラクタは、エンジン4の後部側に主クラッチハウジング10と、無段変速ハウジング11と、ミッションケース12とを、この順序で連結している。ミッションケース12には左右の前車輪1と後車輪2とに駆動力を伝える走行変速装置40を内蔵している。
ミッションケース12の後部には、油圧シリンダ13の駆動力により揺動昇降する左右一対のリフトアーム14と、左右一対のロアーリンク15とが備えられ、リフトアーム14の揺動端とロアーリンク15とがリフトロッド16によって吊り下げ状態で連結している。ミッションケース12の後面には駆動力の外部への取り出しを可能にする動力取出軸17が備えられている。
このトラクタでは、左右のロアーリンク15の後端にロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置を連結し、左右のリフトアーム14の昇降作動により作業装置の昇降を行うことが可能に構成されている。また、作業装置としてロータリ耕耘装置が用いられる場合には、動力取出軸17とロータリ耕耘装置との間に駆動力を伝える駆動軸が備えられる。
図1に示すように、キャビン5の外側部には補助ステップ5aを備えており、この補助ステップ5aより機体内側で、ミッションケース12の外側部に近接する位置に燃料タンク9を備えている。
〔変速構成〕
このトラクタでは、図1〜図3に示すように、主クラッチハウジング10の内部に主クラッチ機構18と、遊星ギヤ変速装置20とを収容しており、無段変速ハウジング11に静油圧式の無段変速装置30を収容している。また、ミッションケース12は走行変速装置40と、作業変速装置60とを収容している。
この構成においてエンジン4からの駆動力は、主クラッチ機構18から無段変速装置30に伝えられ、この無段変速装置30で無段階に変速され、遊星ギヤ変速装置20で更に変速される。遊星ギヤ変速装置20からの駆動力は中間軸26を介して走行変速装置40に伝えられ、この走行変速装置40から後車輪2と前車輪1に伝えられる。更に、エンジン4からの駆動力は、中間軸26と同軸芯で備えた主伝動軸37から動力取出軸17に伝えられる。
尚、無段変速装置30は、作業者の変速操作に基づき、走行速度を無段階に変速すると共に、駆動力を出力しない状態を作り出し走行車体Aの停止も可能にする。
主クラッチ機構18は、作業者の操作に基づきエンジン4の駆動力を伝える状態と遮断する状態とに設定自在に構成されている。
無段変速装置30は、エンジン4の駆動力が入力軸31を介して伝えられる可変容量型の油圧ポンプPと、変速駆動力を、出力軸32を介して遊星ギヤ変速装置20に伝える油圧モータMとを無段変速ハウジング11に収容している。入力軸31と、出力軸32とをエンジン4の方向に向け、平行して突出姿勢で設けられている。
主クラッチハウジング10の内部には、主クラッチ機構18を介して伝えられる駆動力を一対の第1駆動ギヤ34から第1駆動軸35に伝え、この第1駆動軸35から無段変速装置30の入力軸31に駆動力を伝える伝動構造を収容している。
図面には示していないが、無段変速装置30では、油圧ポンプPが、入力軸31と一体回転するポンプ本体に複数のプランジャが伸縮自在に備えられ、ポンプ本体の駆動回転時にプランジャの伸縮量を設定する可動斜板が備えられている。また、油圧モータMは、出力軸32と一体回転するモータ本体に複数のプランジャが伸縮自在に備えられ、プランジャの伸縮作動を回転運動に変換する固定斜板が備えられている。更に、油圧ポンプPと油圧モータMとの間に流路が形成されている。
この構成から、可動斜板が所定の角度(ポンプ軸芯に対する角度)に設定された状態で、油圧ポンプPが駆動回転した場合には、回転に伴い油圧ポンプPの複数のプランジャが可動斜板の端部に当接して順次収縮する際に一対の流路の一方に作動油を送り出し、この作動油の圧力で油圧モータMの複数のプランジャを順次伸長させ、この伸長時に固定斜板からの反力によりモータ本体を回転させるように無段変速装置30が構成されている。尚、油圧モータMの回転に伴い油圧モータMのプランジャが収縮し、この収縮に伴い作動油が他方の流路を介して油圧ポンプPに戻される。
また、可動斜板の角度を調節することにより、作動油の吐出量が制御され油圧モータMの回転速度を任意に設定でき、可動斜板を入力軸芯に対して直交する角度に設定することにより油圧ポンプPと油圧モータMとの間での作動油の給排が停止し、油圧モータMを停止させることも可能となる。
〔遊星ギヤ変速装置〕
図3に示すように、前述した一対の第1駆動ギヤ34のうち主クラッチ機構18と同軸に配置されたギヤには主伝動軸37が連結しており、この主伝動軸37は、無段変速装置30を前後方向に貫通し、ミッションケース12に駆動力を伝えるように配置されている。
遊星ギヤ変速装置20は、無段変速装置30の出力軸32からの駆動力が伝えられる第1伝動軸21と、第1伝動軸21からの駆動力が伝えられる一対の第1出力ギヤ22と、第1出力ギヤ22からの駆動力で駆動回転するセンター軸23とを備えている。
センター軸23は、主伝動軸37と同軸芯に配置されると共に、主伝動軸37に対して相対回転自在に支持される筒状軸として構成され、このセンター軸23にサンギヤ24を備えている。
サンギヤ24を取り囲む領域にリングギヤ25を備えており、このリングギヤ25と一体的に回転する中間軸26が主伝動軸37と同軸芯に配置され、主伝動軸37に対して相対回転自在に支持される筒状軸として構成されている。この中間軸26は無段変速装置30を前後方向に貫通する位置に配置されている。
サンギヤ24とリングギヤ25とに噛合する複数のプラネタリギヤ27がキャリア28に対して回転自在に支持されている。このキャリア28は、第1駆動軸35の回転力が合成ギヤ36からの駆動力で回転するように構成されている。
このような構成から、無段変速装置30の出力軸32から伝えられる駆動力によりサンギヤ24が回転し、このサンギヤ24の回転力により複数のプラネタリギヤ27が回転することにより、リングギヤ25を回転させる結果、変速された駆動力が中間軸26に伝えられる。
特に、この遊星ギヤ変速装置20では、第1駆動軸35の回転力によりキャリア28が回転するため、中間軸26に伝えられる駆動力の駆動速度は、第1駆動軸35の回転速度が合成された速度となる。
〔走行変速装置〕
図3に示すように走行変速装置40は、油圧クラッチ型の前後進切換機構40Aと、マニュアル操作型の副変速機構40Bとを備えている。また、走行変速装置40からの駆動力を後輪駆動軸51から後輪デファレンシャルギヤ52を介して後車輪2に伝える走行伝動構造を備えると共に、後輪駆動軸51からの駆動力を前輪デファレンシャルギヤ57から前車輪1に伝える走行伝動構造を備えている。
尚、前車輪1に駆動力を伝える伝動構造は、後輪駆動軸51からの駆動力を伝動ギヤ53から前輪伝動軸54に伝え、この前輪伝動軸54から前輪変速装置55を介して前輪駆動軸56に伝え、更に前輪デファレンシャルギヤ57に伝えるように構成されている。
前後進切換機構40Aは、作動油の給排により駆動力を伝える状態と遮断する状態とに切換自在な摩擦多板式の前後進クラッチ機構41と、筒状のカウンタ軸42とを備えている。更に、この前後進切換機構40Aは、前後進クラッチ機構41の作動により中間軸26の駆動力をカウンタ軸42に伝える第1伝動ギヤ41aと、前後進クラッチ機構41の作動により中間軸26の駆動力を逆転駆動力としてカウンタ軸42に伝える逆転ギヤ41bとを備えている。また、筒状のカウンタ軸42には、相対回転自在に後輪駆動軸51が収容されている。
副変速機構40Bは、第1副変速部43と、第2副変速部44と、カウンタ軸42に平行する姿勢の副変速軸45とを備えている。第1副変速部43と第2副変速部44とは、マニュアル操作される咬合式のクラッチとして構成されている。
第1副変速部43は中速伝動状態と低速伝動状態との選択を行え、第2副変速部44は副変速軸45からの駆動力(中速伝動状態と低速伝動状態との何れかの状態での駆動力)を伝える連動位置と、カウンタ軸42からの駆動力を後輪駆動軸51に伝える高速伝動状態との選択を行える。
また、第1副変速部43において中速伝動状態と低速伝動状態とを実現するため、カウンタ軸42と副変速軸45との間には、中速伝動ギヤ46aと低速伝動ギヤ46bとが形成されている。更に、第2副変速部44において連動状態を可能にするため副変速軸45からの駆動力を第2副変速部44に伝える連動ギヤ46cを備えている。尚、高速伝動状態は、カウンタ軸42と後輪駆動軸51とを直結するように第2副変速部44が作動するように構成されている。
このような構成から、走行変速装置40では、前後進切換機構40Aの制御により前進走行と後進走行との選択が可能となる。また、副変速機構40Bの制御により、走行速度を低速と、中速と、高速との何れかに設定して走行が可能となる。
前輪変速装置55は、前輪伝動軸54の駆動力を前輪駆動軸56との間に配置され、等速伝動ギヤ55aと、増速伝動ギヤ55bと切換クラッチ機構55cとを備えている。この切換クラッチ機構55cは、作動油の給排により選択的に駆動力を伝える状態と、駆動力を遮断する状態とに作動する油圧多板式に構成されている。
この構成から、走行車体Aが直進する際には、切換クラッチ機構55cの制御で等速伝動ギヤ55aを伝動状態に設定することにより前車輪1の周速度と後車輪2の周速度とを等しくする。また、ステアリングホイール8が設定量を超えて操作された際には、切換クラッチ機構55cの制御で増速伝動ギヤ55bを伝動状態に設定することにより前車輪1の周速度を後車輪2の周速度より高速化し、旋回半径を小さくするように機能する。更に、前車輪1に駆動力を伝えない状態(2駆状態)で走行する場合には、切換クラッチ機構55cにおいて駆動力の伝達を遮断する状態に設定することになる。
〔作業変速装置〕
前後進切換機構40Aの後方位置には、主伝動軸37から伝えられる駆動力を、ポンプ駆動ギヤ61を介して作業ポンプ62に備える伝動構造を備えている。
作業変速装置60は、主伝動軸37からの駆動力を断続する油圧多板式の作業クラッチ63と、作業変速部64と、この作業変速部64からの駆動力が伝えられる作業変速軸65と、この作業変速軸65からの駆動力を動力取出軸17に伝える出力ギヤ66を備えている。
作業変速部64は、作業変速軸65と同軸芯上に配置される2つの作業変速クラッチ64aと、後輪駆動軸51に相対回転自在に外嵌する作業カウンタ軸64bと、作業クラッチ63からの駆動力を作業カウンタ軸64bに伝える第1作業ギヤ64cと、作業カウンタ軸64bからの駆動力を2つの作業変速クラッチ64aのうち対応するものに伝える3つの第2作業ギヤ64dとを備えている。尚、2つの作業変速クラッチ64aの各々が、マニュアル操作される咬合式のクラッチとして構成されている。
この作業変速部64では、作業クラッチ63を伝動状態に設定した状況において、2つの作業変速クラッチ64aの選択的な操作により、主伝動軸37から伝えられる駆動力を減速伝動状態と、中速伝動状態と、高速伝動状態と、逆転伝動状態との何れかに設定して作業変速軸65に伝えることが可能となる。また、作業ポンプ62は、ミッションケース12に貯留される潤滑油を作動油として供給するように構成されている。
尚、作業ポンプ62の作動油は、制御バルブ(図示せず)を介して前述した主変速クラッチ41cと、切換クラッチ機構55cと、作業クラッチ63とに対して供給される。
〔伝動形態〕
このように構成したことにより、図3に示すようにエンジン4の駆動力を無段変速装置30で無段階に変速し、このように変速された駆動力を遊星ギヤ変速装置20で大きく減速し、更に、走行変速装置40で変速し、後輪デファレンシャルギヤ52から左右の後車輪2に伝え、前輪デファレンシャルギヤ57から左右の前車輪1に伝えることにより走行車体Aを、必要とする速度で走行させることが可能となる。
更に、作業クラッチ63の制御により動力取出軸17に伝える作業用駆動力の断続が可能となり、作業変速部64の操作により動力取出軸17に伝えられる駆動力の駆動速度の設定が可能となる。
〔実施形態の作用効果〕
このようにエンジン4と無段変速装置30との間の空間に遊星ギヤ変速装置20を配置するため、ミッションケース12に遊星ギヤ変速装置20を収容しなくて済む。また、ミッションケース12において遊星ギヤが配置されていたスペースに走行変速装置40を構成する前後進クラッチ機構41、第1副変速部43、第2副変速部44、あるいは、これらに連係するギヤ類を配置できる。これにより、従来構成のミッションケース12と比較して、クラッチ機構やギヤ類を高い位置に配置し、ミッションケース12の底壁を高い位置に配置してミッションケース12の小型化を可能にする。
更に、ミッションケース12の小型化に伴い、ミッションケース12に貯留される潤滑油の油量の低減も可能にする。更に、ミッションケース12においてクラッチ機構やギヤ類の潤滑油に対する沈み込み量を少なくできるため、クラッチ機構やギヤが回転する際に潤滑油から受ける抵抗を小さくしてエネルギーロスの低減も実現する。
また、ミッションケース12の容積を小さくできるため、ミッションケース12の近傍に配置される燃料タンク9の容積を拡大することも可能となる。
更に、無段変速装置30が、入力軸31と出力軸32とを前側に突出するように備えているため、エンジン4の駆動力を入力軸31に伝え、無段変速装置30で変速された駆動力を出力軸32から遊星ギヤ変速装置20に対して直接的に伝えることが可能となり、伝動構造の単純化が可能となる。
遊星ギヤ変速装置20を、主クラッチハウジング10に収容するため、遊星ギヤ変速装置20を収容するための専用のハウジングを備えずに済み、エンジン4に対し、主クラッチハウジング10と、無段変速装置30と、ミッションケース12とを、この順序で連結した場合に、これらを合わせた全長の短縮化も可能となる。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)無段変速装置30と主クラッチハウジング10とを一体的に形成しても良い。このように構成することにより、例えば、無段変速装置30と主クラッチハウジング10とを個別に製造し、ボルト等を用いて連結する構成と比較して、強度の向上が可能となり、伝動系全体での軽量化も可能にする。
(b)中間軸26と主伝動軸37とを、無段変速装置30を前後に貫通するように配置する構成に代えて、中間軸26と主伝動軸37とを無段変速装置30の側部に配置するように構成しても良い。
(c)ミッションケース12に収容される走行変速装置40の構成は実施形態に示したものに限るものではなく、全てマニュアル操作で変速を行うものや、全ての変速を油圧アクチュエータの作動によって行うものであっても良い。
(d)燃料タンク9を、ミッションケース12の左右に配置するように構成しても良い。このように構成するものであっても、ミッションケース12の小型化に伴い燃料タンク9の容量の拡大が可能となる。また、本発明では、ミッションケース12の上面に燃料タンク9を配置することも可能である。
本発明は、エンジンからの駆動力を静油圧式の無段変速装置で変速し、更に遊星ギヤ変速装置で変速し、走行駆動系に伝える作業車に利用することができる。
4 エンジン
9 燃料タンク
10 主クラッチハウジング(ハウジング)
12 ミッションケース
18 主クラッチ機構
20 遊星ギヤ変速装置
30 無段変速装置
31 入力軸
32 出力軸
35 第1駆動軸(駆動軸)
40 走行変速装置
P 油圧ポンプ
M 油圧モータ
A 走行車体(車体)

Claims (5)

  1. エンジンの駆動力を無段階に変速する静油圧式の無段変速装置と、前記無段変速装置で変速された駆動力を変速する遊星ギヤ変速装置と、前記遊星ギヤ変速装置からの駆動力を変速するギヤ式の走行変速装置とを備えると共に、
    前記エンジンと、前記遊星ギヤ変速装置と、前記無段変速装置と、ミッションケースとが、この順序で車体の前後方向に沿って配置され、前記ミッションケースに前記走行変速装置が収容されている作業車。
  2. 前記無段変速装置が、可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油により駆動回転する油圧モータとを備え、前記油圧ポンプの入力軸と、前記油圧モータの出力軸とが互いに平行となる姿勢で、前記エンジンの方向に突出形成され、
    前記エンジンの駆動力を伝える駆動軸が前記油圧ポンプの入力軸に連結し、前記油圧モータの出力軸が、前記遊星ギヤ変速装置に駆動力を伝える請求項1に記載の作業車。
  3. 前記エンジンの駆動力を前記無段変速装置に伝える駆動力を断続する主クラッチ機構を備え、前記主クラッチ機構を収容するハウジングに前記遊星ギヤ変速装置が収容されている請求項1又は2の記載の作業車。
  4. 前記エンジンの駆動力を前記無段変速装置に伝える駆動力を断続する主クラッチ機構を備え、前記無段変速装置と、前記主クラッチ機構を収容するハウジングとが一体的に形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業車。
  5. 前記エンジンに供給される燃料を貯留する燃料タンクが、前記ミッションケースの近傍に配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業車。

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