JP2020103838A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着衣に貼り付ける際に適切な位置に貼り付けやすい吸収性物品を提供する。【解決手段】本発明の吸収性物品100は、着衣対向面側に配置されたシート5と、シート5の着衣対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着材6と含んでいる吸収性物品100である。本発明の吸収性物品100は、展開状態において、粘着材6と厚さ方向に重複し、かつ着衣対向面側が凸となるように吸収性物品100を折り曲げるための仮想折り線L1〜L3を有する。ここで、粘着材6は、シートの着衣対向面側の表面上に存在する粘着部6aを有している。また、粘着部6aは、吸収性物品の展開状態における平均厚さをdとしたときに、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して仮想折り線から1/2πdの長さの範囲内の部分の厚さが、部分に隣接する部分62の厚さよりも大きい。【選択図】図3A

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
生理用ナプキン、パンティライナー、及び失禁パッド等の吸収性物品は、着用者の排泄液の漏れを防止することのほかに、着用者の股間部に接触しながら長時間着用されるものであるため、身体に良好に且つ快適にフィットすることが求められている。
吸収性物品は、着衣の肌対向面側に張り付けて使用される場合がある。吸収性物品を着衣に接着させる手段の一つとして、吸収性物品の着衣対向面側に粘着材を設けることが挙げられる。
特許文献1は、液透過性を有する表面シートと液不透過性を有する裏面シートと、の間に吸収体が介在されるとともに、外面側にホットメルト接着剤によるずれ止め用粘着層が設けられた挿入式使い捨て吸収性物品において、液不透過性を有する裏面シートの外側面に不織布を備えるとともに、不織布の目付量が14〜18g/mであることを特徴とする、挿入式使い捨て吸収性物品を開示している。
特許文献2は、液保持性の吸収層及び液不透過性層を備え、非肌当接面にズレ止め粘着剤を設けた吸収性物品であって、非肌当接面は、繊維集合体により構成されており、ホットメルト接着剤から構成されるズレ止め粘着剤は、非肌当接面側の第1層と該第1層上に積層された第2層との積層構造を有し、第1層を構成するホットメルト接着剤は第2層を構成するホットメルト接着剤よりも軟化点温度近傍において流動性が高い吸収性物品を開示している。同文献は、この様な構成を有する吸収性物品は、非肌当接面が繊維集合体で構成されている場合においても、粘着剤の接着力が低下せず、また、逆に、吸収性物品が固定される衣服や別の吸収性物品側に粘着剤が移行しない所謂糊残りが発生しない、良好なズレ止め特性を得ることができると記載している。
特許文献3は、肌に接する当接面と、非当接面と、これら両面間に位置する吸液性コアとを有し、非当接面に着衣に対する粘着性止着域が形成されている排泄液処理用吸収性物品であって、コアの下面側には、少なくとも、高密度の熱可塑性樹脂と、樹脂層の下面に接合し、樹脂層よりも低密度の第1の熱可塑性合成繊維層とが位置し、第1の樹脂層の下面に塗布された粘着剤によって止着域が形成されていることを特徴とする吸収性物品を開示している。同文献は、この様な構成を有する排泄液処理用吸収性物品では、着衣への止着手段となる粘着剤は、その接着力が弱くても、合成繊維層の繊維と絡み合って物品の裏面に確実に保持されるとともに、樹脂層によって裏面シートへ内部の移行が阻止されると記載している。
特開2002−355266号公報 特開2005−305135号公報 特開2000−210328号公報
特許文献1〜3に記載されている吸収性物品のように、着衣対向面に配置されている粘着材によって着衣に貼り付けられて使用される吸収性物品では、吸収性物品と着用者との位置関係を合わせる、特に排泄口当接領域が着用者の排泄口に当接するようにする等の観点から、吸収性物品を着衣の適切な位置に貼り付ける必要がある。
吸収性物品を着衣の適切な位置に貼り付ける方法としては、吸収性物品の着衣当接面の接着部全体を着衣に貼り付けず、接着部の一部分のみを貼り付けて適切な位置に合わせる「仮止め」を何度か行って吸収性物品を着衣の適切な位置に合わせた後に、接着部全体を着衣に貼り付けて固定する「本止め」を行うことが考えられる。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されている吸収性物品では、吸収性物品の繰り返しの仮止めのしやすさについて考慮されていなかった。
したがって、本発明の課題は、着衣への繰り返しの仮止めがしやすい吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により上記課題を達成することができることを見出した:
《態様1》
着衣対向面側に配置されたシートと、前記シートの前記着衣対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着材と含んでいる吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、展開状態において、前記粘着材と厚さ方向に重複し、かつ前記着衣対向面側が凸となるように前記吸収性物品を折り曲げるための仮想折り線を有し、
前記粘着材は、前記シートの着衣対向面側の表面上に存在する粘着部を有し、
前記粘着部は、仮想折り線周辺部分及び前記仮想折り線周辺部分に隣接する隣接部分を有しており、
前記仮想折り線周辺部分は、前記吸収性物品の前記展開状態における平均厚さをdとしたときに、前記吸収性物品の面内における前記仮想折り線に直交する方向に関して前記仮想折り線から1/2πdの長さの範囲内の部分であり、かつ
前記仮想折り線周辺部分の厚さが、前記隣接部分の厚さよりも大きい、
吸収性物品。
吸収性物品を着衣の適切な位置に貼り付ける方法として、吸収性物品を着衣に仮止めして位置合わせを行ったうえで貼り付けることが考えられる。
態様1の吸収性物品は、着衣対向面が凸となる仮想折り線を有しており、当該線に沿って吸収性物品を折り曲げて凸形状を形成し、当該凸形状を起点とすることにより、仮止めがしやすい。
また、態様1の吸収性物品は、粘着部の、仮想折り線周辺部分、すなわち吸収性物品の展開状態における平均厚さをdとしたときに、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して仮想折り線から1/2πdの長さの範囲内の部分の厚さが大きいため、当該部分の接着力が大きい。他方、仮想折り線周辺部分に隣接する隣接部分の厚さは、仮想折り線周辺部分よりも小さいため、接着力が小さい。仮想折り線周辺部分は、仮想折り線に沿って吸収性物品を折り曲げて凸形状を形成したときに、凸部の略円弧部分と重複しているため、この凸形状を起点として位置合わせを行う際に、高い接着力で吸収性物品を着衣に仮止めすることができ、仮止め時に吸収性物品がずれにくい。また、隣接部分は接着力が小さいので、仮止めの際に隣接部分が着衣に接着しても、仮止め部分を剥がして貼り付け直す際に、当該部分を剥がしやすい。すなわち、態様1の吸収性物品は、仮止めの際に着衣に高い接着力で接着される部分が少なく、吸収性物品を着衣から剥がしやすい。
これにより、態様1の吸収性物品は、吸収性物品を着衣に貼り付ける際に適切な位置に貼り付けやすい。
《態様2》
前記シートは不織布であり、
前記粘着材は、前記粘着部と連続し、かつ前記不織布に含侵している含浸部を有している、
態様1に記載の吸収性物品。
吸収性物品を着衣に仮止めした際に、吸収性物品の着衣に対する位置を直すために何度か仮止めを行う場合がある。本発明者らは、吸収性物品を何度も仮止めを繰り替えした場合に、吸収性物品を着衣から剥がす際に、仮止めの起点となる凸形状の部分に配置されている粘着材が剥がれやすくなる場合があることを見出した。本発明者らは更に、仮止めの起点となる部分の粘着材が剥がれると吸収性物品の接着力が低くなり、仮止めを再度行いにくいことを見出した。
態様2の吸収性物品は、粘着材の一部分がシートとしての不織布内に含侵して含浸部を形成しているため、当該部位が粘着材にアンカー効果を与えることができる。そのため、粘着材がシートとしての不織布から剥がれにくい。したがって、複数回仮止めを行った際にも吸収性物品の粘着性の低下を抑制することができる。
《態様3》
前記含浸部は、前記展開状態において、前記仮想折り線周辺部分と厚さ方向に重複する部分の厚さが、前記隣接部分と重複する部分の厚さよりも小さい、
態様2に記載の吸収性物品。
態様3の吸収性物品は、含浸部のうち、仮想折り線周辺部分と厚さ方向に重複する部分の厚さが、隣接部分と重複する部分の厚さよりも小さいため、仮想折り線を起点として折り曲げやすく、シャープな凸形状を形成することができる。したがって、吸収性物品の着衣への位置合わせをより容易にすることができる。
また、隣接部分と重複する部分は含浸部の厚さが大きいので、粘着材のアンカー効果が高い。そのため、吸収性物品を再度付け直す際に、仮止めの起点となる凸形状の部分にある粘着材が剥がれにくくなる。したがって、吸収性物品を着衣に貼り付ける際に適切な位置に貼り付けやすい。
《態様4》
前記吸収性物品は、前記展開状態において、前記仮想折り線と前記厚さ方向に重複する吸収体を有している、態様1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
吸収性物品を位置合わせする際に、排泄物等を吸収させることができる吸収体の位置を適切な位置に合わせることが特に重要である。
態様4の吸収性物品は、仮想折り線と厚さ方向に重複する吸収体を有している。そのため、吸収体の位置を起点として位置合わせすることができる。したがって、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。
《態様5》
前記吸収性物品は、前記展開状態において、長手方向及び幅方向を有しており、前記仮想折り線は、前記幅方向に沿って配置されている、
態様1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
吸収性物品を適切に使用するためには、吸収性物品を着衣に貼り付ける際に、着衣の形状に沿って貼り付けることが望ましい。
態様5の吸収性物品は、幅方向に沿って仮想折り線を有する。そのため、吸収性物品を仮想折り線に沿って折り曲げることにより、着衣の形状に合わせた形状を作りやすく、着衣への仮止めがより容易になる。したがって、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。
《態様6》
前記吸収性物品は、前記展開状態において、長手方向及び幅方向を有しており、前記仮想折り線は、前記幅方向に傾斜する方向に沿って配置されている、
態様1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
吸収性物品を仮止めした際に位置を直すために何度か仮止めを行う場合がある。吸収性物品を着衣から剥がす際、通常は吸収性物品の長手方向に沿って剥がされる。
態様6の吸収性物品において、粘着材のうち特に粘着性の高い部分である、仮想折り線と厚さ方向に重複する部分が、吸収性物品の幅方向に傾斜している。そのため、当該部分が幅方向に沿って配置されている場合と比較して、幅方向に関して当該部分の長さが短くなる。したがって、吸収性物品を着衣から剥がす際に、より小さい力によって吸収性物品を着衣から剥がすことができる。
《態様7》
前記吸収性物品は、前記展開状態において、前記長手方向に、前側領域、排泄口当接領域、及び後側領域を有しており、かつ
前記仮想折り線は、前記前側領域及び前記後側領域のそれぞれに配置されている、
態様5又は6に記載の吸収性物品。
吸収性物品を位置合わせする際に、吸収性物品の前側領域と後側領域の位置を適切な位置に合わせることが特に重要である。
態様7の吸収性物品は、前側領域及び後側領域のそれぞれに仮想折り線が配置されている構造を有する。そのため、前側領域及び後側領域を起点として位置合わせすることができる。したがって、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。
本発明によれば、着衣への繰り返しの仮止めがしやすい吸収性物品を提供することを提供することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の第1の実施形態に従う生理用ナプキン100を展開した状態を、肌対向面側から見た平面図である。 図2は、本発明の吸収性物品の第1の実施形態に従う生理用ナプキン100を展開した状態を、着衣対向面側から見た平面図である。 図3Aは、図2におけるA−A’線に沿った断面図である。 図3Bは、図3Aにおける領域X1の拡大図である。 図4Aは、本発明の吸収性物品の第1の実施形態に従う生理用ナプキン100を着衣に仮止めしている状態を示す概略図である。 図4Bは、図4Aにおける領域X2の拡大図である。 図5Aは、本発明の吸収性物品の第2の実施形態に従う生理用ナプキン100において、粘着材が不織布に含侵している状態を示す概略図である。 図5Bは、本発明の吸収性物品の第3の実施形態に従う生理用ナプキン100において、粘着材が不織布に含侵している状態を示す概略図である。 図6は、本発明の吸収性物品の第4の実施形態に従う生理用ナプキン100を展開した状態を、着衣対向面側から見た平面図である。 図7は、本発明の吸収性物品の第5の実施形態に従う生理用ナプキン100を展開した状態の、図2におけるA−A’線と同様の線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本願明細書において、「着衣対向面」とは、吸収性物品の面のうち、着用時に着衣と対向する側の面をいう。また、本願明細書において、「肌対向面」とは、吸収性物品の面のうち、着用時に、使用者の肌と対向する側の面をいう。
本願明細書において、「展開状態」とは、吸収性物品が折り返されていない状態をいい、より具体的には、吸収性物品に折り目がないように略平面に引き延ばした状態をいう。
本願明細書において、「長手方向」は、吸収性物品の「展開状態」において、縦長の吸収性物品の長さの長い方向を示しており、「幅方向」は、吸収性物品の「展開状態」において、吸収性物品の厚さ方向に垂直であり、かつ「長手方向」に直交する方向をいう。
本願明細書において、「前側領域」とは、吸収性物品を着用した際に、着用者の体の前方側に対応する位置にある領域である。また、「排泄口当接領域」とは、吸収性物品を着用した際に、着用者の排泄口に当接する位置にある領域である。ここで、吸収性物品にウイングが設けられる場合、排泄口当接域は、ウイングの設置領域と幅方向に重複していてもよい。また、排泄口当接域の長手方向の中心及び幅方向の中心は、ウイング設置領域の長手方向における中心及び2つのウイングの設置領域の間の幅方向の中心と、それぞれ重複していてもよい。更に、「後側領域」は、吸収性物品を着用した際に、着用者の体の後方側に対応する位置にある領域である。
《吸収性物品》
本発明の吸収性物品は、着衣対向面側に配置されたシートと、シートの着衣対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着材と含んでいる吸収性物品である。
本発明の吸収性物品は、展開状態において、粘着材と厚さ方向に重複し、かつ着衣対向面側が凸となるように吸収性物品を折り曲げるための仮想折り線を有する。ここで、粘着材は、シートの着衣対向面側の表面上に存在する粘着部を有している。また、粘着部は、仮想折り線周辺部分及び仮想折り線周辺部分に隣接する隣接部分を有している。仮想折り線周辺部分は、吸収性物品の展開状態における平均厚さをdとしたときに、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して仮想折り線から1/2πdの長さの範囲内の部分である。そして、仮想折り線周辺部分の厚さは、隣接部分の厚さよりも大きい。
本発明の吸収性物品は、粘着部のうち、仮想折り線周辺部分、すなわち吸収性物品の展開状態における平均厚さをdとしたときに、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して仮想折り線から1/2πdの長さの範囲内の部分の厚さが大きいため、当該部分の接着力が大きい。そのため、仮想折り線に沿って吸収性物品を折り曲げて凸形状を形成したときに、凸部の略円弧部分と重複している仮想折り線周辺部分の粘着材の厚さが大きいため、この凸形状を起点として位置合わせを行う際に、高い接着力で吸収性物品を着衣に仮止めすることができ、仮止め時に吸収性物品がずれにくい。他方、仮想折り線周辺部分に隣接する隣接部分の厚さは仮想折り線周辺部分よりも小さいため、接着力が小さい。そのため、仮止めの際に隣接部分が着衣に接着しても、仮止め部分を剥がして貼り付け直す際に、当該部分を剥がしやすい。したがって、仮止め部分を剥がして張り付け直す際に、高い接着力で接着されている部分が少なく、吸収性物品を着衣から剥がしやすい。
これにより、本発明の吸収性物品は、吸収性物品を着衣に張り付ける際に適切な位置に張り付けやすい。
また、本発明の吸収性物品は、展開状態において、仮想折り線と厚さ方向に重複する吸収体を有していることができる。
吸収性物品を位置合わせする際に、排泄物等を吸収させることができる吸収体の位置を適切な位置に合わせることが特に重要である。
吸収性物品が、仮想折り線と厚さ方向に重複する吸収体を有している場合、吸収体の位置を起点として位置合わせすることができる。これにより、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。
本発明の吸収性物品は、着衣に貼り付けて使用する吸収性物品であれば特に限定されず、具体的には、生理用ナプキン、パンティライナー、又は失禁パッド等であってよい。
本発明の吸収性物品が生理用ナプキンである場合、具体的な構成として、例えば、肌対向面側から着衣対向面側に、サイドシート、表面シート、吸収体、及び裏面シートを有していることができるが、この様な構成に限定されない。なお、この様な構成において、裏面シートは、着衣対向面側に配置されたシートである。
本発明の吸収性物品が適用される着衣は、例えば下着であってよいが、特に限定されない。
図1〜3Bは、それぞれ、本発明の一つの実施態様に従う生理用ナプキン100を示す模式図である。
図1〜3Bに示すように、生理用ナプキン100は、肌対向面側から着衣対向面側に向かって、サイドシート3、表面シート1、吸収体2、及び裏面シート5をこの順に有している。
図1に示すように、生理用ナプキン100は、幅方向Wに並行であり、かつ着衣対向面側が凸となるように吸収性物品を折り曲げるための、仮想折り線L〜Lを有している。なお、図1において、吸収体2は、溝4を有している。この溝4により、生理用ナプキン100の着用時において、生理用ナプキン100が着用者の身体の形状に沿って折り曲がりやすい。
また、図2に示すように、裏面シート5の着衣対向面側の表面には、着衣固定用の粘着材6が配置されている。ここで、仮想折り線L〜Lは、粘着材6と厚さ方向に重複している。
図3Aは、図2におけるA−A’線に沿った断面図である。図3Aに示すように、生理用ナプキン100は、仮想折り線L〜Lに直交し、かつ生理用ナプキン100の厚さ方向Tに平行な線L’〜L’を有している。そして、図3AのX1の部分の拡大図である図3Bに示すように、粘着材6は、線L’と重なる部分とその周辺部分が、仮想折り線周辺部分Rに対応する。図示していないが、粘着材6のうち線L’及びL’と重なる部分についても同様である。
ここで、図1〜3Bは、本発明の吸収性物品の形状又は構成等を限定するものではない。特に、サイドシート、表面シート及び吸収体は、本発明の吸収性物品の必須の構成ではない。また、裏面シートは、着衣対向面側に配置されたシートである。
図4A及びBは、それぞれ、本発明の第1の実施形態に従う生理用ナプキン100を着衣に仮止めしている状態を示す概略図である。
図4Aに示すように、生理用ナプキン100の前方側及び後方側を持って、着衣200の形状に合わせて曲げながら、着衣200に仮止めすることができる。ここで、仮想折り線部分を起点として着衣側に凸になるように吸収性物品を折り曲げて凸形状を形成し、この凸形状の部分を起点とすることにより、仮止めにおける位置合わせが容易になる。
そして、図4Bに示すように、吸収性物品を仮想折り線Lに沿って折り曲げることにより形成される凸形状の部分における粘着部は、仮想折り線周辺部分Rである。ここで、仮想折り線周辺部分Rの厚さは、隣接部分Rの厚さよりも大きいため、当該部分を起点として位置合わせを行う際に、高い接着力で仮止めを行うことができ、仮止め時に生理用ナプキン100がずれにくい。また、隣接部分Rは接着力が小さいので、仮止め部分を剥がして貼り付け直す際に、高い接着力で接着されている部分が少ないので剥がしやすい。
また、図1〜3Aに示すように、生理用ナプキン100は、展開状態において、吸収体2が、仮想折り線L〜Lと厚さ方向に重複している。したがって、図4Aのようにして生理用ナプキン100を着衣200に対して位置合わせする際に、吸収体2の位置と吸収性物品の厚さ方向に重複している凸形状の部分を起点として位置合わせすることができる。したがって、生理用ナプキン100をより適切に位置合わせすることができる。
〈シート〉
本発明において、吸収性物品は、着衣対向面側に配置されたシートを有している。シートは、吸収性物品を着衣に貼り付けるための基材とすることができる任意のシートであってよい。シートは、例えばフィルム又は不織布であってよいが、これ等に限定されない。
シートがフィルムである場合、シートは、例えばポリエチレン樹脂若しくはポリオレフィン樹脂等からなる合成樹脂フィルムであってよい。
シートが不織布である場合、シートは、例えばスパンレース不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS不織布等)等の任意の不織布を用いることができる。
また、かかる不織布に用いられる繊維の種類も特に制限されず、例えば、セルロース系繊維;親水化処理を施したオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維などの親水性繊維が挙げられ、これらの繊維は単独で使用しても、二種類以上の繊維を併用してもよい。
シートが不織布である場合には、シートは疎水性又は撥水性の不織布であってよい。不織布が疎水性又は撥水性の不織布である場合には、不織布は、排泄液がシートの下方に移動することをより抑制する観点、及び製造時に粘着材の材料を含侵させることができ、かつ粘着部の仮想折り線と厚さ方向に重複する部分の厚さと当該部分に隣接する部分の厚さの差を形成する観点から、10〜80g/mの坪量を有していることが好ましい。坪量が10g/cm以上である場合には、不織布の厚みが大きく、含浸部位の厚さを大きくすることができる。坪量が80g/cm以下である場合には、粘着材の塗布量を少なくしつつ、含浸部位の厚さを大きくすることができる。坪量は、10g/m以上、20g/m以上、又は30g/m以上、であってよく、80g/m以下、60g/m以下、又は50g/m以下であってよい。
また、排泄液がシートの下方に移動することをより抑制する観点から、不織布の肌対向面側に、液不透過性のフィルム等が挿入されていることが好ましい。
〈粘着材〉
本発明において、吸収性物品は、シートの着衣対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着材を有している。粘着材は、使用時に吸収性物品を着衣に貼り付けて固定するための部材である。また、粘着材は、シートの着衣対向面側の表面上に存在する粘着部を有している。
本発明において、シートが不織布である場合には、粘着材は、粘着部と連続し、かつ不織布に含侵している含浸部を有していることができる。
粘着材の材料は、吸収性物品を着衣に貼り付けることができる粘着性の物質であれば特に限定されず、例えば、着衣に貼り付けて使用される吸収性物品に使用することができる任意の材料であってよい。より具体的には、粘着材の材料は、ホットメルト接着剤が挙げられる。上記ホットメルト接着剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系;エチレン−酢酸ビニル共重合体系;ポリアミド系;スチレン−ブチレン−スチレン共重合体及びスチレン−イソプレン−スチレン共重合体等の熱可塑性エラストマー系;湿気硬化型ウレタンプレポリマー等の反応型ホットメルト等が挙げられる。
粘着材は、材料となる粘着性の物質をシート上に任意の方法によって適用することによって形成することができ、例えば材料となる粘着性の物質をシートに塗布することによって形成することができる。
粘着材の形状は、吸収性物品を着衣に貼り付けることができる任意の形状であってよい。粘着材の形状は、吸収性物品の長手方向又は幅方向に渡って延在する複数条の棒形状であってよいが、これ等に限定されない。
(粘着部)
粘着部は、仮想折り線周辺部分及び仮想折り線周辺部分に隣接する隣接部分を有している。ここで、仮想折り線周辺部分は、吸収性物品の展開状態における平均厚さをdとしたときに、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して仮想折り線から1/2πdの長さの範囲内の部分、すなわち、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して仮想折り線を中心にπdの長さの範囲内の部分である。そして、仮想折り線周辺部分の厚さは、隣接部分の厚さよりも大きい。
なお、隣接部分は、粘着部のうち、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して仮想折り線周辺部分の端部から仮想折り線と反対方向にπdの長さの範囲内の部分である。高粘着性領域は、吸収性物品の面内における仮想折り線に直交する方向に関して低粘着性領域の少なくとも一方の端部に配置されていればよい。
なお、本明細書において、吸収性物品の平均厚さd(mm)は、以下の通り測定される。株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面44mm(直径),測定圧3g/cm]を準備し、標準状態(温度23±2℃,相対湿度50±5%)の下、吸収性物品の異なる5つの部位を加圧し、各部位における加圧10秒後の厚さを測定し、5つの測定値の平均値を平均厚さdとする。
仮想折り線周辺部分の厚さと隣接部分の厚さの差は、任意の方法によって形成することができる。
この厚さは、例えば、シートの着衣対向面に塗布する粘着材の材料の量を、仮想折り線周辺部分となる部分に多くし、隣接部分となる部分に少なくすることにより与えることができる。この方法を用いる場合には、仮想折り線周辺部分と隣接部分とで、粘着部の厚さの差がなくならないような粘度で、粘着材の材料を塗布することが好ましい。このような粘度は、例えば塗布の際に粘着材の材料の温度を調節することにより適宜選択することができる。
また、この厚さの差は、例えば、吸収性物品のシートの着衣対向面に粘着材の材料を塗布した後に、仮想折り線に沿って吸収性物品を折り曲げて、折り曲げ線に沿った部分及びその隣接部分をプレスすることにより形成することができる。このようなプレスにより、粘着部のうち、仮想折り線に沿って吸収性物品を折り曲げることにより形成された凸形状の部分と厚さ方向に重複する部分にはプレス圧が掛からず、その隣接部分にプレス圧がかかるため、隣接部分の粘着材が引き延ばされて、厚さが薄くなる。
ここで、仮想折り線周辺部分は凸形状の部分と吸収性物品の厚さ方向に重複するため、仮想折り線周辺部分の厚さが、隣接部分の厚さよりも大きくなる。
また、シートが不織布である場合には、シートに粘着材の材料を適用した後に、仮想折り線周辺部分及び隣接部分を、それぞれ異なる大きさのプレス圧でプレスして、不織布に含侵される粘着材の量に差を与えることにより、仮想折り線周辺部分及び隣接部分の厚さに差を与える方法を挙げることができる。
粘着部のうち、仮想折り線周辺部分の厚さと隣接部分の厚さは、吸収性物品の展開状態において、吸収性物品の面内において仮想折り線と直交する方向の断面における、それぞれの部分の着衣対向面側からシートの着衣対向面側までの長さの平均値として定義される。
ここで、この断面において、この長さの平均値の大小関係は、断面における各部分の面積の大小関係として求めることができる。そして、この面積の大小関係は、これらの断面の電子顕微鏡画像等から目視又は画像解析ソフトを用いて求めることができる。
また、吸収性物品の断面は、吸収性物品を液体窒素につけて固めたものを切断することにより得ることができる。
(含浸部)
本発明において、シートが不織布である場合には、粘着材は、粘着部と連続し、かつ不織布に含侵している含浸部を有していることができる。ここで、粘着部と含浸部は、例えば粘着材の厚さ方向において連続していることができるが、他の方向に連続していてもよい。
吸収性物品を仮止めした際に、位置を直すために何度か仮止めを行う場合がある。本発明者らは、吸収性物品を何度も仮止めを繰り返した場合に、吸収性物品を着衣から剥がす際に、仮止めの起点となる凸形状の部分に配置されている粘着材が剥がれやすくなる場合があることを見出した。本発明者らは更に、仮止めの起点となる部分の粘着材が剥がれると吸収性物品の接着力が低くなり、仮止めを再度行いにくいことを見出した。
吸収性物品が、粘着材の一部分がシートとしての不織布内に含侵している部分、すなわち含浸部は、粘着材にアンカー効果を与えることができる。そのため、粘着材がシートとしての不織布から剥がれにくい。したがって、複数回仮止めを行った際の吸収性物品の粘着性の低下を抑制することができる。
図5Aは、本発明の吸収性物品の第2の実施形態に従う生理用ナプキンの一部分の拡大図である。図5Aは、生理用ナプキン100に関して、図3AにおけるX1と同様の部分の拡大図である。
図5Aにおいて、生理用ナプキン100は、着衣対向面側から順に、表面シート1、吸収体2、不織布5’、及び粘着材6を有している。ここで、粘着材6は、粘着部6aと連続し、かつ不織布5’に含侵している含浸部6bを有している。
このように、本発明の吸収性物品の第2の実施形態に従う生理用ナプキン100は、含浸部6bが、粘着材にアンカー効果を与えることができる。そのため、粘着材6が不織布5’からはがれにくい。したがって、複数回仮止めを行った際の吸収性物品の粘着性の低下を抑制することができる。
また、含浸部は、展開状態において、仮想折り線周辺部分と厚さ方向に重複する部分の厚さが、隣接部分と重複する部分の厚さよりも小さくてもよい。
含浸部がこの様な構成を有している場合には、仮想折り線周辺部分と厚さ方向に重複する部分にある含浸部が、隣接部分と厚さ方向に重複する部分にある含浸部よりも剛性が低く、曲がりやすいので、仮想折り線を起点として吸収性物品を折り曲げやすく、シャープな起点を形成することができる。したがって、吸収性物品の位置合わせをより容易にすることができる。
また、隣接部分と厚さ方向に重複する部分にある含浸部の厚さは、仮止めの起点となる部分の粘着材の含浸部の厚さよりも大きく、粘着材のアンカー効果が高い。そのため、吸収性物品を再度付け直す際に、位置合わせの部分にある粘着材が剥がれにくくなる。したがって、吸収性物品を着衣に張り付ける際に適切な位置に張り付けやすい。
図5Bは、本発明の吸収性物品の第3の実施形態に従う生理用ナプキン100の一部分の拡大図である。図5Bは、生理用ナプキン100に関して、図3AにおけるX1と同様の部分の拡大図である。
図5Bは、含浸部6bのうち、仮想折り線周辺部分Rと厚さ方向に重複する部分R’の厚さが、隣接部分Rと重複する部分R’の厚さよりも小さいことを除いて、図5Aと同様である。
このように、本発明の吸収性物品の第3の実施形態に従う生理用ナプキン100は、仮想折り線周辺部分Rと厚さ方向に重複する部分R’にある含浸部6bの厚さが小さい。そのため、仮想折り線を起点として折り曲げやすく、シャープな凸形状を形成することができる。したがって、吸収性物品の位置合わせをより容易にすることができる。また、隣接部分Rと重複する部分R’ にある含浸部6bは厚さが大きいので、粘着材6のアンカー効果が高い。そのため、吸収性物品を再度付け直す際に、位置合わせの部分にある粘着材6が剥がれにくくなる。したがって、吸収性物品を着衣に張り付ける際に適切な位置に張り付けやすい。
含浸部における、仮想折り線周辺部分と厚さ方向に重複する部分の厚さと、隣接部分と重複する部分の厚さの差は、上記の粘着部の厚さに関する説明と同様の方法により与えることができる。
なお、吸収性物品のシート上に粘着性の物質を塗布した後に、仮想折り線に沿って吸収性物品を折り曲げて、折り曲げ線に沿った部分及びその隣接部分をプレスする方法を用いる場合には、プレス圧の差によって粘着材の材料の不織布への含浸の深さに差を与えることができる。
より具体的には、吸収性物品を折り曲げることにより形成される凸形状の略円弧の部分と重複する、仮想折り線周辺部分にはプレス圧が掛からず、その隣接部分にプレス圧がかかるため、仮想折り線周辺部分では、粘着材の材料が不織布に含浸する深さは小さく、隣接部分では、粘着材の材料が不織布に含浸する深さが深くなる。これにより、含浸部は、仮想折り線周辺部分の厚さが、隣接部分の厚さよりも小さくなる。
含浸部のうち、仮想折り線周辺部分と厚さ方向に重複する部分の厚さと隣接部分と厚さ方向に重複する部分の厚さは、吸収性物品の展開状態において、吸収性物品の面内において仮想折り線と直交する方向の断面における、それぞれの部分のシートの着衣対向面側から含浸部の肌対向面側までの長さの平均値として定義される。
ここで、この断面において、この長さの平均値の大小関係は、断面における各部分の面積の大小関係として求めることができる。そして、この面積の大小関係は、これらの断面の電子顕微鏡画像等から目視又は画像解析ソフトを用いて求めることができる。
また、吸収性物品の断面は、吸収性物品を液体窒素につけて固めたものを切断することにより得ることができる。
〈仮想折り線〉
吸収性物品は、展開状態において、粘着材と厚さ方向に重複し、かつ着衣対向面側が凸となるように吸収性物品を折り曲げるための仮想折り線を有している。仮想折り線は、衣当接面側が凸となるように吸収性物品を折り曲げたときの折り軸である。仮想折り線は、例えば、着衣当接面側が凸となるように吸収性物品を折り曲げたときに形成される凸形状の頂点となる部分に配置されている。
本発明において、吸収性物品は、展開状態において、仮想折り線は、幅方向に沿って配置されていることができる。ここで、仮想折り線が幅方向に沿って配置されているとは、仮想折り線が吸収性物品の幅方向に水平であることを意味するが、誤差の範囲内、例えば±1°の範囲内において幅方向から傾いていてもよい。
吸収性物品を適切に使用するためには、吸収性物品を着衣に張り付ける際に、着衣の形状に沿って張り付けることが望ましい。
吸収性物品が、幅方向に沿って仮想折り線を有する場合、吸収性物品を仮想折り線に沿って、着衣対向面側が凸になるように折り曲げることにより、着衣の形状に合わせた形状にしやすく、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。すなわち、吸収性物品の着衣への仮止めがより容易になる。
例えば、図2に示すように、本発明の吸収性物品の第1の実施形態において、仮想折り線L〜Lは、幅方向Wに沿って配置されている。
このように、本発明の吸収性物品の第1の実施形態では、幅方向に沿って仮想折り線L〜Lを有する。そのため、本発明の吸収性物品の第1の実施形態では、吸収性物品を仮想折り線L〜Lに沿って、着衣対向面側が凸になるように折り曲げることにより、着衣の形状に合わせて吸収性物品の形状を作りやすく、着衣への仮止めがより容易になる。
また、本発明において、吸収性物品は、展開状態において、仮想折り線は、幅方向に傾斜する方向に沿って配置されていることができる。ここで、仮想折り線が幅方向に傾斜する方向に沿って配置されているとは、仮想折り線が吸収性物品の幅方向に傾斜していることを意味する。
吸収性物品を仮止めした際に位置を直すために何度か仮止めを行う場合がある。吸収性物品を着衣から剥がす際、通常は吸収性物品の長手方向に沿って剥がされる。
仮想折り線が幅方向に傾斜する方向に沿って配置されている場合、仮想折り線周辺部分も、吸収性物品に対して、幅方向に傾斜する方向に沿った形状を有している。そして、吸収性物品において、粘着部のうち特に粘着性の高い部分である、仮想折り線周辺部分が、吸収性物品の幅方向に傾斜している場合、当該部分が幅方向に沿って配置されている場合と比較して、幅方向に関して当該部分の長さが短くなる。したがって、吸収性物品を着衣から剥がす際に、より小さい力によって吸収性物品を着衣から剥がすことができる。
例えば、図6に示すように、本発明の吸収性物品の第4の実施形態に従う生理用ナプキン100において、仮想折り線L〜Lは、幅方向Wに傾斜する方向に沿って配置されている。
このように、本発明の吸収性物品の第4の実施形態に従う生理用ナプキン100は、粘着材のうち特に粘着性の高い部分である、仮想折り線周辺部分が、吸収性物品の幅方向に傾斜している。そのため、当該部分が幅方向に沿って配置されている場合と比較して、幅方向に関して当該部分の長さが短くなる。したがって、吸収性物品を着衣から剥がす際に、より小さい力によって吸収性物品を着衣から剥がすことができる。
仮想折り線の傾斜の程度は特に限定されない。傾斜の角度は、幅方向に関して1°超、45°未満であってよい。傾斜の角度が45°未満であれば、吸収性物品の仮止め部分は、吸収性物品の長手方向よりも幅方向に長いので、より仮止めがしやすい。
傾斜の角度は、1°超、5°以上、10°以上、又は15°以上であってよく、45°未満、40°以下、30°以下、又は20°以下であってよい。
本発明において、吸収性物品の展開状態において、仮想折り線は、吸収性物品の前側領域及び後側領域のそれぞれに配置されていることができる。
吸収性物品を位置合わせする際に、吸収性物品の前側領域と後側領域の位置を適切な位置に合わせることが特に重要である。
吸収性物品が、前側領域及び後側領域のそれぞれに仮想折り線が配置されている構造を有する場合、前側領域及び後側領域を起点として位置合わせすることができる。したがって、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。
例えば、図3Aに示すように、本発明の吸収性物品の第1の実施形態に従う生理用ナプキン100は、前側領域F、排泄口当接領域E、及び後側領域Bを有している。また、仮想折り線Lは、前側領域Fに、仮想折り線L及びLは、後側領域Bに、それぞれ配置されている。そして、これらの仮想折り線L〜Lは、粘着材6と厚さ方向に重複している。
このように、本発明の吸収性物品の第1の実施形態に従う生理用ナプキン100は、前側領域F及び後側領域Bのそれぞれに仮想折り線が配置されている構造を有する。そのため、前側領域F及び後側領域Bに配置されている仮想折り線に沿って吸収性物品を折り曲げることにより形成される凸形状の部分を起点として位置合わせすることができる。したがって、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。
また、吸収性物品は、展開状態において、仮想折り線は、前側領域、排泄口当接領域、及び後側領域のそれぞれに配置されていることができる。
吸収性物品を位置合わせする際に、吸収性物品の排泄口当接領域を適切な位置に合わせることが特に重要である。
吸収性物品が、排泄口当接領域に仮想折り線が配置されている構造を有する場合、排泄口当接領域を起点として位置合わせすることができる。
例えば、図7に示すように、本発明の吸収性物品の第5の実施形態に従う生理用ナプキン100において、仮想折り線L、L、及びLは、それぞれ前側領域F、排泄口当接領域E、及び後側領域Bに配置されている。そして、これらの仮想折り線は、粘着材6と厚さ方向に重複している。
このように、本発明の吸収性物品の第5の実施形態に従う生理用ナプキン100は、排泄口当接領域に仮想折り線が配置されている構造を有する。そのため、排泄口当接領域を起点として位置合わせすることができる。したがって、吸収性物品をより適切に位置合わせすることができる。
本発明が適用される吸収性物品は、上述の各実施形態の生理用ナプキンに限定されず、着衣に貼り付けて使用する吸収性物品全般に適用することが可能であり、例えば、軽失禁パッド、パンティライナー等の様々な吸収性物品に適用することができる。更に、吸収性物品を構成する各シートについても、上述の表面シートや裏面シート等のほかに、適用される吸収性物品の種類等に応じて様々なシートが想定される。そのようなシートとしては、例えば、表面シートと吸収体との間又は吸収体と裏面シートとの間に配置されて、尿等の排泄液を長手方向又は幅方向に拡散させる液透過性の拡散シート等が挙げられる。
100 生理用ナプキン
1 表面シート
2 吸収体
3 サイドシート
4 溝
5 裏面シート
6 粘着材
〜L 仮想折り線

Claims (7)

  1. 着衣対向面側に配置されたシートと、前記シートの前記着衣対向面側の表面に配置された着衣固定用の粘着材と含んでいる吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、展開状態において、前記粘着材と厚さ方向に重複し、かつ前記着衣対向面側が凸となるように前記吸収性物品を折り曲げるための仮想折り線を有し、
    前記粘着材は、前記シートの着衣対向面側の表面上に存在する粘着部を有し、
    前記粘着部は、仮想折り線周辺部分及び前記仮想折り線周辺部分に隣接する隣接部分を有しており、
    前記仮想折り線周辺部分は、前記吸収性物品の前記展開状態における平均厚さをdとしたときに、前記吸収性物品の面内における前記仮想折り線に直交する方向に関して前記仮想折り線から1/2πdの長さの範囲内の部分であり、かつ
    前記仮想折り線周辺部分の厚さが、前記隣接部分の厚さよりも大きい、
    吸収性物品。
  2. 前記シートは不織布であり、
    前記粘着材は、前記粘着部と連続し、かつ前記不織布に含侵している含浸部を有している、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記含浸部は、前記展開状態において、前記仮想折り線周辺部分と厚さ方向に重複する部分の厚さが、前記隣接部分と重複する部分の厚さよりも小さい、
    請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性物品は、前記展開状態において、前記仮想折り線と前記厚さ方向に重複する吸収体を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収性物品は、前記展開状態において、長手方向及び幅方向を有しており、前記仮想折り線は、前記幅方向に沿って配置されている、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性物品は、前記展開状態において、長手方向及び幅方向を有しており、前記仮想折り線は、前記幅方向に傾斜する方向に沿って配置されている、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記吸収性物品は、前記展開状態において、前記長手方向に、前側領域、排泄口当接領域、及び後側領域を有しており、かつ
    前記仮想折り線は、前記前側領域及び前記後側領域のそれぞれに配置されている、
    請求項5又は6に記載の吸収性物品。
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