JP2020103820A - フロアマットの裏張り材、及びフロアマットの裏張り材の製造方法 - Google Patents

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裕介 梅香
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裕介 梅香
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Abstract

【課題】フロアマットの敷設面に沿った全方向に対してズレを防止することができるフロアマットの裏張り材を提供する。【解決手段】パイル編地からなるフロアマットの裏張り材1であって、パイル編地は、フロアマットを敷設する床面に係止するパイル糸20と、パイル糸20が配設される地組織10とを有し、パイル糸20は、ポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸で構成され、地組織10は、ループが経方向に連なる第一部位11と、ループがバイアス方向に連なる第二部位12と、第一部位11と第二部位12とにより囲まれた開口部13とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、パイル編地からなるフロアマットの裏張り材、及びフロアマットの裏張り材の製造方法に関する。
自動車床面は、一般に、フロアパネル上にアスファルト系シートからなる遮音層を設け、この上にさらにエアークッションシート、グラスウール、フェルトなどからなるファーストカーペットを積層一体化してなる防音構造によって構成されている。このため、裏面にフェルトなどの繊維質バッキングを設けたフロアマットをファーストカーペット上に敷設した場合、ファーストカーペットとの摩擦係数が小さく、フロアマットに力が加わった時には、その力の方向に滑ってズレが生じることがある。特に運転席側の床面に敷かれるフロアマットにズレが生じた場合、そのずれたフロアマットがアクセルペダルやブレーキペダルに干渉し、事故に繋がる危険性があり、従来、様々な対策が講じられている。
例えば、マット本体裏面側に取り付けられた裏張り材が、ループ状パイル糸を用いたパイル編物又はパイル織物からなる自動車用マットがある(特許文献1を参照)。特許文献1の自動車用マットでは、ループ状パイル糸が自動車のフロント方向に向かって傾斜することにより、ズレ防止性に優れるとともにスムーズな位置調節が可能となっている。
特開2012―183101号公報
しかしながら、特許文献1の自動車用マットは、裏張り材においてループ状パイル糸が一方向にのみ傾斜して突出しているため、特定の方向からの力に対してはズレを防止する効果が高いが、それ以外の方向からの力に対してはズレが生じ易いという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、フロアマットの敷設面に沿った全方向に対してズレを防止することができるフロアマットの裏張り材、及びフロアマットの裏張り材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかるフロアマットの裏張り材の特徴構成は、
パイル編地からなるフロアマットの裏張り材であって、
前記パイル編地は、フロアマットを敷設する床面に係止するパイル糸と、前記パイル糸が配設される地組織とを有し、
前記パイル糸は、ポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸で構成され、
前記地組織は、ループが編方向に連なる第一部位と、ループがバイアス方向に連なる第二部位と、前記第一部位と前記第二部位とにより囲まれた開口部とを有することにある。
本構成のフロアマットの裏張り材によれば、フロアマットを敷設する床面に係止するパイル糸がポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸で構成され、パイル糸が配設される地組織が、ループが編方向に連なる第一部位と、ループがバイアス方向に連なる第二部位と、第一部位と第二部位とにより囲まれた開口部とを有することにより、第一部位に配設されたパイル糸が係止部として機能して経方向へのフロアマットのズレを防止し、第二部位に配設されたパイル糸が係止部として機能してバイアス方向へのフロアマットのズレを防止することで、フロアマットの敷設面に沿った全方向に対してズレ防止効果を発揮することができる。
本発明にかかるフロアマットの裏張り材において、
前記第一部位は、経方向が2〜10コース、緯方向が2〜6ウェルに構成されていることが好ましい。
本構成のフロアマットの裏張り材によれば、第一部位が経方向、及び緯方向に上記の編成サイズで構成されているため、第一部位に配設されたパイル糸による床面との摩擦力が十分に大きなものとなり、経方向へのフロアマットのズレを確実に防止することができる。
本発明にかかるフロアマットの裏張り材において、
前記第二部位は、経方向が2コース以上、緯方向が1〜3ウェルに構成されていることが好ましい。
本構成のフロアマットの裏張り材によれば、第二部位が経方向、及び緯方向に上記の編成サイズで構成されているため、第二部位に配設されたパイル糸による床面との摩擦力が十分に大きなものとなり、バイアス方向へのフロアマットのズレを確実に防止することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかるフロアマットの裏張り材の製造方法の特徴構成は、
パイル編地からなるフロアマットの裏張り材の製造方法であって、
ループが経方向に連なる第一部位と、ループがバイアス方向に連なる第二部位と、前記第一部位と前記第二部位とにより囲まれた開口部とを有する表裏の地組織を、連結糸により連結したダブルラッセル編地を編成する工程と、
前記表裏の地組織の間で前記連結糸を切断して前記ダブルラッセル編地を切り開くことにより、パイル編地からなる二枚の裏張り材を得る工程と
を包含し、
前記連結糸は、ポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸であることにある。
本構成のフロアマットの裏張り材の製造方法によれば、パイル糸がポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸で構成され、ダブルラッセル編地を編成する工程と、パイル編地からなる二枚の裏張り材を得る工程とを実施することにより、パイル糸が配設される地組織が、ループが編方向に連なる第一部位と、ループがバイアス方向に連なる第二部位と、第一部位と第二部位とにより囲まれた開口部とを有する二枚の裏張り材を得ることができる。この裏張り材では、第一部位に配設されたパイル糸が係止部として機能して経方向へのフロアマットのズレを防止し、第二部位に配設されたパイル糸が係止部として機能してバイアス方向へのフロアマットのズレを防止する。これにより、フロアマットの敷設面に沿った全方向に対してズレ防止効果を発揮することができる。
本発明にかかるフロアマットの裏張り材の製造方法において、
前記ダブルラッセル編地を編成する工程では、前記連結糸を前記表裏の地組織間でクロス状に配置することが好ましい。
本構成のフロアマットの裏張り材の製造方法によれば、連結糸を表裏の地組織間でクロス状に配置することにより、ダブルラッセル編地を切り開いたパイル編地において、パイル糸の立毛状態が良好なものとなり、パイル糸がフロアマットを敷設する床面に入り込みやすくなる。この結果、パイル糸による床面との摩擦力が十分に大きなものとなり、フロアマットのズレを確実に防止することができる。
本発明にかかるフロアマットの裏張り材の製造方法において、
前記ダブルラッセル編地を編成する工程では、前記表裏の地組織の夫々において、前記連結糸が常に同じ地糸と編目を形成することにより、前記連結糸の前記表裏の地組織への連結組織を形成することが好ましい。
本構成のフロアマットの裏張り材の製造方法によれば、表裏の地組織の夫々において、連結糸が常に同じ地糸と編目を形成し、連結糸の表裏の地組織への連結組織を形成することにより、連結糸を常に両地組織間でクロス状に配置することができる。
本発明にかかるフロアマットの裏張り材の製造方法において、
前記編目は、前記連結糸と地糸とを同じ方向にオーバーラップさせることにより形成されることが好ましい。
本構成のフロアマットの裏張り材の製造方法によれば、連結糸と地糸とを同じ方向にオーバーラップさせることによって連結組織の編目が形成されることにより、裏張り材のパイル面となるダブルラッセル編地の内側に連結糸が配置され、裏張り材の非パイル面となるダブルラッセル編地の外側に連結糸が飛び出ることがなく平滑な面となる。その結果、得られる裏張り材は、フロアマット本体への貼り合わせが容易なものとなる。
図1は、本発明のフロアマットの裏張り材の構造を示した模式図である。 図2は、フロアマットの裏張り材を得るためのダブルラッセル編地の編成に用いるダブルラッセル編機の概略図である。 図3は、実施例1〜5の裏張り材で用いた編地の組織図である。 図4は、比較例1の裏張り材で用いた編地の組織図である。 図5は、比較例2の裏張り材で用いた編地の組織図である。 図6は、比較例3の裏張り材で用いた編地の組織図である。 図7は、比較例4の裏張り材で用いた編地の組織図である。 図8は、比較例5の裏張り材で用いた編地の組織図である。
以下、本発明のフロアマットの裏張り材、及びフロアマットの裏張り材の製造方法について説明する。ただし、本発明は、以下の構成に限定されることを意図しない。
<フロアマットの裏張り材>
図1は、本発明のフロアマットの裏張り材1の構造を示した模式図である。フロアマットの裏張り材(以下、単に「裏張り材」と称する。)1は、地組織10と、地組織10に配設されたパイル糸20とを有するパイル編地からなる。裏張り材1は、地組織10をフロアマット本体の裏面へ地組織10を向けて貼り合わされることで、フロアマットを自動車の床面(以下、「ファーストカーペット」と称する。)に敷設したときに、パイル糸20がファーストカーペットの繊維中に入り込み、ファーストカーペット上でフロアマットにズレが生じることを防止するものである。
裏張り材1となるパイル編地は、地組織10を構成する地糸と、ループパイル及び/又はカットパイルを構成するパイル糸20とを用いて編成されたパイル編地であればよく、例えば、トリコット編地、ラッセル編地、及びダブルラッセル編地等の経編地、シンカーパイル編地等の丸編地が挙げられる。これらの編地のなかでも、地組織10の強度の観点から、経編地が好ましい。また、パイル糸20の立毛性の観点からは、裏張り材1となるパイル編地は、二枚の地組織が連結糸で連結された二重編地の連結糸をナイフ等にて切り開いて得られるものであることが好ましく、その中でも地組織の強度の観点から、二重経編地を切り開いて得られるものであることがより好ましい。二重編地を切り開いて得られる裏張り材1は、地組織10の各部位にパイル糸20が均等に配設されたものとなる。特に、裏張り材1は、二重経編地であるダブルラッセル編地をセンターカットしたものであれば、パイル糸20の立毛性が優れたものとなる。ダブルラッセル編地をセンターカットして得られる裏張り材1では、パイル糸20は地組織10のシンカループ側の面に突出しており、本実施形態では、パイル糸20が突出する地組織10のシンカループ側を「下面」、地組織10のニードルループ側を「上面」と表記する。
裏張り材1の厚みは、3.5〜5.0mmであることが好ましく、4.0〜4.5mmであることがより好ましい。裏張り材1の厚みが3.5〜5.0mmであれば、車両内装材用途として好適な軽量性、及び強度が得られる。厚みが3.5mm未満であると、十分な強度が得られない虞がある。厚みが5.0mmを超えると、車両内装材用途に求められる軽量性が損なわれる虞や、裏張り材1が硬くなり、フロアマット本体への貼り付け作業性が悪くなる虞がある。裏張り材1の厚みの測定は、例えば、PEACOCK H−30(株式会社尾崎製作所製)を用いて行われる。
裏張り材1の目付は、150〜350g/mであることが好ましく、200〜300g/mであることがより好ましい。裏張り材1の目付が150〜350g/mであれば、車両内装材用途として好適な軽量性、及び強度が得られ、さらに、十分な長さのパイル糸20を設けることが可能となり、フロアマットのズレ防止効果を適切に発揮することができる。目付が150g/m未満であると、十分な強度が得られない虞がある。目付が350g/mを超えると車両内装材用途に求められる軽量性が損なわれる虞がある。
[地組織]
図1に示すように、地組織10は、ループが経方向に連なる第一部位11と、ループがバイアス方向に連なる第二部位12と、第一部位11と第二部位12とにより囲まれた開口部13とを有する。開口部13の形状としては、例えば、六角形、八角形等が挙げられる。ここで、経方向とは、地組織10の編方向であり、緯方向は、地組織10の編幅方向である。また、バイアス方向とは、地組織10を含む平面内で経方向に対して、左右に10〜70度の角度を成す方向である。
第一部位11は、開口部13の一辺となる区間において、経方向が2〜10コースに構成されることが好ましく、2〜4コースに構成されることがより好ましい。第一部位11の経方向が2〜10コースに構成されることにより、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、第一部位11に配設されたパイル糸20により、フロアマットに対して経方向及び緯方向に加わる力に対して適切にズレ防止効果を発揮することができる。第一部位11の経方向が1コースであると、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、フロアマットに対して経方向及び緯方向に加わる力に対してズレ防止効果を発揮できない虞がある。第一部位11の経方向が11コース以上であると、地組織10における第二部位12の割合が小さくなることで、第二部位12に配設されたパイル糸20によるズレ防止効果が不十分なものとなる虞がある。
第一部位11は、開口部13の一辺となる区間において、緯方向が2〜6ウェルに構成されることが好ましく、2〜4ウェルに構成されることがより好ましい。第一部位11の緯方向が2〜6ウェルに構成されることにより、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、第一部位11に配設されたパイル糸20により、フロアマットに対して経方向及び緯方向に加わる力に対して適切にズレ防止効果を発揮することができる。第一部位11の緯方向が1ウェルであると、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、フロアマットに対して経方向及び緯方向に加わる力に対してズレ防止効果を発揮できない虞がある。第一部位11の緯方向が7ウェル以上であると、地組織10における開口部13の割合が小さくなり、裏張り材1の軽量性が損なわれる虞がある。
第二部位12は、開口部13の一辺となる区間において、経方向が2コース以上に構成されることが好ましく、2コースに構成されることがより好ましい。第二部位12の経方向が2コース以上に構成されることにより、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、第二部位12に配設されたパイル糸20により、フロアマットに対してバイアス方向に加わる力に対して適切にズレ防止効果を発揮することができる。第二部位12の経方向が1コースであると、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、フロアマットに対してバイアス方向に加わる力に対してズレ防止効果を発揮できない虞がある。なお、第二部位12の経方向が3コース以上である場合は、開口部13に接するループからなる編組織と開口部13に接していないループからなる編組織との切り替わりの部分に鎖編組織を用いることが好ましく、さらに編地の安定性を向上させるために、挿入組織を組み合わせることがより好ましい。
第二部位12は、開口部13の一辺となる区間において、緯方向が1〜3ウェルに構成されることが好ましく、1〜2ウェルに構成されることがより好ましい。第二部位12の緯方向が1〜3ウェルに構成されることにより、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、第二部位12に配設されたパイル糸20により、フロアマットに対してバイアス方向に加わる力に対して適切にズレ防止効果を発揮することができる。第二部位12の緯方向が4ウェル以上であると、地組織10における開口部13の割合が小さくなり、裏張り材1の軽量性が損なわれる虞がある。
開口部13は、経方向が2〜10コースに相当する長さであることが好ましく、4〜6コースに相当する長さであることがより好ましい。開口部13の経方向が2〜10コースに相当する長さであると、地組織10における第一部位11と第二部位12との割合が適切なものとなる。開口部13の経方向が1コースに相当する長さであると、地組織10における第一部位11の割合が小さくなることで、第一部位11に配設されたパイル糸20によるズレ防止効果が不十分なものとなる虞がある。開口部13の経方向が11コース以上に相当する長さであると、地組織10における第二部位12の割合が小さくなることで、第二部位12に配設されたパイル糸20によるズレ防止効果が不十分なものとなる虞がある。
開口部13は、緯方向が2〜4mmであることが好ましく、2.5〜3.5mmであることがより好ましい。開口部13の緯方向が2〜4mmであると、裏張り材1とフロアマット本体との積層時に実施されるニードルパンチ工程において、裏張り材1とフロアマット本体とを容易に交絡させることができ、さらに、適切なズレ防止効果を発揮することができる。開口部13の緯方向が2mm未満であると、裏張り材1とフロアマット本体とを積層するニードルパンチ工程において交絡が困難になる虞がある。開口部13の緯方向が4mmを超えると、ズレ防止効果が不十分なものとなる虞がある。
地組織10において、開口部13の経方向の長さ(コース数)をOc、地組織のリピート数(コース数)をR、糸抜き配列のout数をNo、糸抜き配列のin数をNiとした場合、下記の式(1):
開口率(%) = (Oc/R) × {1−(No/Ni)} × 100 ・・・(1)
によって、開口率の理論値を算出することができる。
また、地組織10における開口率は、以下の方法により実測値を求めることができる。試験布を編幅70mm、編方向の長さ70mmの大きさで採取する。試験布の非パイル面にスタンプ用の黒色インク(シヤチハタスタンプ台 シヤチハタ株式会社製)を万遍なく付着させた後、非パイル面に白色の試験紙を載せ、その上から直径7cmの円柱形の錘5kgを載せて10秒間放置する。その後、試験布から試験紙を取り除き、試験紙を5cm四方の大きさに整えてスキャナーでパソコン内に読み込み、インク付着部分と白紙部分との色を二値化してインク付着部分及び白紙部分のドットを積分により集計する。このドット数をインク付着部分及び白紙部分の夫々の面積として、下記の式(2):
開口率(%) = 白紙部分の面積/インク付着部分の面積 × 100 ・・・(2)
によって、開口率の実測値を算出する。
地組織10における開口率は、理論値、及び実測値の何れでも25〜75%であることが好ましく、40〜60%であることがより好ましい。地組織10の開口率が25〜75%であれば、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、適切なズレ防止効果を発揮することができる。開口率が25%未満であると、裏張り材1とフロアマット本体とを積層するニードルパンチ工程において交絡が困難になる虞がある。開口率が75%を超えると、ズレ防止効果が不十分なものとなる虞がある。
地組織10の編組織は、従来公知の編組織、例えば、鎖編組織、デンビ編組織、コード編組織、アトラス編組織、及びこれらの変化組織等を採用することができる。これらの編組織は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、編方向に連なる第一部位11と、第二部位12とを形成可能という点から、デンビ編組織の変化組織が好ましい。
地組織10の地糸として用いる糸条の形態としては、紡績糸(短繊維糸)、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸等が挙げられる。マルチフィラメント糸は、必要に応じて撚りをかけてもよいし、仮撚り加工や流体攪乱処理などの加工を施してもよい。地糸として用いる糸条の繊度(総繊度)は、110〜880dtexであることが好ましく、220〜660dexであることがより好ましい。糸条の総繊度が110〜880dtexであれば、車両内装材用途として好適な強度が得られ、また、パイル糸20の根元を強く締め付けることができるため、パイル糸20の倒れや、抜けが生じることを防ぐことができる。糸条の総繊度が110dtex未満であると、裏張り材1の強度が不足する虞や、パイル糸20の抜けが生じる虞がある。糸条の総繊度が880dtexを超えると、地組織10の地糸が太くなることでパイル糸20の根元付近の間隔が広がるため、パイル糸20の数が不足して十分なズレ防止効果が得られない虞がある。
地組織10の地糸を構成する繊維の素材は、特に限定されるものではなく、例えば、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維等を挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、車両内装材用途に適した強度を有する点から、合成繊維が好ましく、ポリエステル繊維がより好ましく、ポリエチレンテレフタレートがさらに好ましい。繊維の形状は、特に限定されるものではなく、長繊維、短繊維のいずれであってもよい。また、繊維の断面形状は、特に限定されるものではなく、通常の丸型だけでなく、扁平型、楕円型、三角型、中空型、Y型、T型、U型などの異型であってもよい。繊維の繊度(単糸繊度)は、2.0〜6.0dtexであることが好ましく、3.0〜4.0dtexであることがより好ましい。単糸繊度が2.0〜6.0dtexであれば、車両内装材用途として好適な強度が得られる。単糸繊度が2.0dtex未満であると、十分な強度が得られない虞がある。単糸繊度が6.0dtexを超えると、編目が緩みやすくなることで、パイル糸20の立毛性の悪化や抜けが生じる虞がある。
[パイル糸]
パイル糸20は、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、ファーストカーペットの繊維中に入り込むことで、フロアマットをファーストカーペットに係止する係止部として機能する。パイル糸20は、地組織10の下面側に突出するように、第一部位11では編方向に配設され、第二部位12ではバイアス方向に配設される。このようにパイル糸20が編方向とバイアス方向とに配設されることによって、裏張り材1は、第一部位11に配設されたパイル糸20が経方向へのフロアマットのズレを防止し、第二部位12に配設されたパイル糸20がバイアス方向へのフロアマットのズレを防止することで、フロアマットの敷設面に沿った全方向に対してズレ防止効果を発揮することができる。なお、フロアマットの敷設面に沿った各方向に対してズレ防止効果を適切なものとするためには、パイル糸20は、第一部位11及び第二部位12の何れか一方に偏ることなく、均等に配設されることが好ましい。また、第一部位11、及び第二部位12においてパイル糸20は、一方向に傾斜して配設されることが好ましい。パイル糸20の傾斜方向は、ズレ防止効果、特には車両用フロアマットとして重要な経方向へのズレ防止効果の観点から、編方向に対して逆方向であることが好ましい。
裏張り材1において単位面積(25.4mm四方)あたりのパイル糸20の本数は、550〜700本であることが好ましく、600〜650本であることがより好ましい。単位面積当たりのパイル糸20の本数が550〜700本であれば、適切なズレ防止効果を発揮することができる。単位面積当たりのパイル糸20の本数が550本未満であると、裏張り材1全体として床面との摩擦力が不足する虞がある。単位面積当たりのパイル糸20の本数が700本を超えると、パイル糸20が密集することにより、ファーストカーペットの繊維中に入り込み難くなる虞がある。
パイル糸20は、ポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸で構成される。ポリエステル繊維は、従来のフロアマットの裏張り材において同様の用途で用いられることが多いナイロン繊維に比べて硬いため、パイル糸20は、ファーストカーペットの繊維中により入り込みやすくなる。パイル糸20のパイル長は、2.5〜4.0mmであることが好ましく、3.0〜3.5mmであることがより好ましい。パイル長が2.5〜4.0mmであれば、裏張り材1を用いてフロアマットを構成した場合に、適切なズレ防止効果を発揮することができる。パイル長が2.5mm未満であると、パイル糸20がファーストカーペットの繊維中に入り込んだ状態から抜け出しやすくなり、パイル糸20によるズレ防止効果が不十分なものとなる虞がある。パイル長が4.0mmを超えると、外力によりパイル糸20が倒伏しやすくなるため、パイル糸20がファーストカーペットの繊維中に入り込み難くなる虞がある。パイル糸20の断面形状は、特に限定されるものではなく、通常の丸型だけでなく、扁平型、三角型、中空型、Y型、T型、U型などの異型であってもよい。パイル糸20の総繊度は、110〜330dtexであることが好ましく、167〜220dtexであることがより好ましい。パイル糸20の総繊度が110〜330dtexであれば、パイル糸20がファーストカーペットの繊維中に入り込みやすくなる。特に、裏張り材1が、二重編地の連結糸を切り開いて得られるものである場合、連結糸の総繊度が110〜330dtexであると、センターカットにより形成されるパイル糸20が鉤状になり、ファーストカーペットの繊維中に入り込んだときに抜け出し難いものとなる。パイル糸20の総繊度が110dtex未満であると、ファーストカーペットの繊維中に入り込んだ状態から、外力によってパイル糸20が容易に抜け出す虞がある。パイル糸20の総繊度が330dtexを超えると、パイル糸20がファーストカーペットの繊維中に入り込み難くなる虞がある。
[裏張り材の特性]
フロアマットの裏張り材は、静摩擦係数(μS)が、経方向、緯方向、及びバイアス方向の何れの方向においても4.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。静摩擦係数が4.0以上であれば、十分なズレ防止効果が得られる。裏張り材の静摩擦係数は、以下の測定手順により算出する。試験片を編幅60mm、編方向の長さ75mmの大きさで採取する。次に試験片と同サイズ、即ち幅60mm、長さ75mmのプラスチック板を準備し、幅方向30mm、長さ方向の一端から5mmの位置に直径5mm程度の穴を設ける。試験片の地組織面側に両面テープを貼り付け、プラスチック板の穴を設けた端部側と、試験片の編終わり側とが一致するように、試験片とプラスチック板とを積層して、滑り片(接触面積45.5cm)とする。相手材としてパンチカーペット(CPS−705、ワタナベ工業株式会社製)を用いる以外は、JIS K7125:1999の静摩擦係数の試験方法に準じて、相手材上で滑り片を一定速度(100mm/分)で動かし、引張り最大荷重に達した時のピークを静摩擦力(Fs)として測定する。試験片にかかる全質量によって生じる法線力(Fp)は、荷重200gの場合、1.96Nである。これらの値を用いて、下記の式(3):
静摩擦係数(μs) = Fs/Fp ・・・(3)
によって、静摩擦係数を算出する。
<フロアマットの裏張り材の製造方法>
本発明に係る裏張り材1は、例えば、第一部位11と第二部位12と開口部13とを有する二枚の地組織10を、連結糸により連結したダブルラッセル編地を編成し、このダブルラッセル編地の連結糸をカッター等にて切断して切り開くことにより得ることができる。
このような手法にて本発明に係る裏張り材1を得るためのダブルラッセル編地100は、例えば、図2に示すような6枚筬L1〜L6を有するダブルラッセル編機を用いて編成することができる。図2において、N1、N2はそれぞれ編機幅方向に並列する前後の編針(ニードル)、T1、T2は前後の針釜(トリックプレート)を示し、Y1〜Y6は各筬L1〜L6のガイド部G1〜G6に導糸される編糸を示している。また、B1〜B6は各編糸のビームを示す。
図2のダブルラッセル編機による編成において、例えば、2枚の筬L1、L2に導糸される編糸Y1、Y2を地糸としてニードルN1により一方の地組織10aが編成され、2枚の筬L5、L6に導糸される編糸Y5、Y6を地糸としてニードルN2により他方の地組織10bが編成され、筬L3、L4に導糸される編糸Y3、Y4を連結糸30としてニードルN1、N2により地組織10a及び10bに順次交互に編み込まれ、連結糸30により地組織10a及び10bが連結される。これによりダブルラッセル編地100が編成される。なお、地組織10a及び10bを編成する筬としては少なくとも2枚の筬を用いればよく、上限は特に限定されるものでもないが5枚以下であることが好ましい。また、連結糸30用の筬としては、少なくとも1枚の筬を用いればよく、上限は特に限定されるものでもないが3枚以下であることが好ましい。
地組織10aは、例えば、図3に示すように、筬L1に糸抜き配列(1in1outなどのフルセットではない状態)で導糸される地糸により編成されるデンビ編の変化組織と、筬L2に糸抜き配列で導糸される地糸により編成されるデンビ編の変化組織とを同時編成により一体化されてなる。筬L1に導糸される地糸と筬L2に導糸される地糸が一体化される部分が、地組織10aの第一部位11及び第二部位12となる。地組織10bについても、筬L5及びL6よって同様に編成することができる。
地組織10a及び10bを形成する編組織は、上述のデンビ編の変化組織に限らず、従来公知の編組織、例えば、鎖編組織、デンビ編組織、コード編組織、アトラス編組織、及び、これらの変化組織等を採用することができ、これらの編組織を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、第一部位11と第二部位12とそれらに囲まれた開口部13とを形成可能という点から、デンビ編組織の変化組織が好ましい。
連結糸30の地組織10a及び10bへの連結組織としては、特に限定されるものではないが、連結糸30が常に同じ地糸と共に編目を形成する連結組織とすることが好ましい。例えば、このような連結組織は、地組織10a及び10bの夫々において、地糸と連結糸とを一対一に対応させ、地糸の動きに合わせて連結糸も動くような編組織を採用することで形成される。これにより、連結糸30が常に両地組織間でクロス状に配置されるため、ダブルラッセル編地100をセンターカットした後に得られる裏張り材1において、パイル糸20の立毛状態が良好となり、パイル糸20がファーストカーペットの繊維中に入り込みやすくなる。
また、連結糸30の地組織10a及び10bの夫々において、連結糸30と地糸とは、同方向にオーバーラップして編目を形成する連結組織とすることが好ましい。これにより、ダブルラッセル編地100において地組織10a及び10bの内側(得られる裏張り材1のパイル面)に連結糸が配置されるため、地組織10a及び10bの外側(得られる裏張り材1の非パイル面)に連結糸が飛び出ることなく平滑な面となり、得られる裏張り材1は、フロアマット本体への貼り合わせが容易なものとなる。
このようにして得られたダブルラッセル編地100の連結糸30をカッター等で切断することにより、本発明の裏張り材1を二枚得ることができる。得られた裏張り材1は、必要に応じて、精練や染色などの処理が施されてもよい。このような処理は、通常、センターカット後のパイル編地の状態で行われるが、ダブルラッセル編地100の状態で行ってもよい。
本発明の特徴構成を有するフロアマットの裏張り材(実施例1〜5)を作製し、各種測定及び評価を行った。また、比較のため、本発明の特徴構成を有しないフロアマットの裏張り材(比較例1〜5)を作製し、同様の測定及び評価を行った。測定及び評価項目は、経方向の静摩擦係数、緯方向の静摩擦係数、バイアス方向の静摩擦係数、及び官能評価とした。各項目について、以下、説明する。
[経方向の静摩擦係数]
上記の「裏張り材の特性」において説明した裏張り材の静摩擦係数の測定手順において、滑り片を地組織の編方向に沿って動かして得た静摩擦力(Fs)を用いて、経方向の静摩擦係数を算出した。
[緯方向の静摩擦係数]
経方向の静摩擦係数の測定において、滑り片、相手材をともに反時計回りに90度回転させた以外はすべて同様にして静摩擦力(Fs)を測定し、緯方向の静摩擦係数を算出した。
[バイアス方向の静摩擦係数]
経方向の静摩擦係数の測定において、滑り片、相手材をともに反時計回りに45度回転させた以外はすべて同様にして静摩擦力(Fs)を測定し、バイアス方向の静摩擦係数を算出した。
[官能評価]
試験片を編幅60mm、編方向の長さ75mmの大きさで採取した。該試験片をパンチカーペット(CPS−705、ワタナベ工業株式会社製)上に軽く手で押しつけて静置させた後、試験片の端を指でつまみ、地組織の編方向、編幅方向、編方向から45度傾斜させたバイアス方向に引張った時の試験片のズレの有無を確認した。評価基準は、ズレがない場合を「OK」、ズレがある場合を「NG」とした。
<実施例1>
ダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−14G、カールマイヤー社製)を使用して、下記に示す編組織に従い、筬L1、L2に導糸した地糸により一方の地組織を編成し、筬L5、L6に導糸した地糸により他方の地組織を編成し、筬L3、L4に導糸した連結糸により両地組織を連結してダブルラッセル編地を編成した。このとき、連結糸は常に同じ地糸と、同方向にオーバーラップして編目を形成していた。また、連結糸は両地組織間でクロス状に配置されていた。
編組織は以下の通りであった。組織図を図3に示す。
L1:2−3/2−1/2−3/2−1/1−0/1−2/1−0/1−2(1in1out)
L2:1−0/1−2/1−0/1−2/2−3/2−1/2−3/2−1(1in1out)
L3:2−3/2−3/2−1/2−1/2−3/2−3/2−1/2−1/1−0/1−0/1−2/1−2/1−0/1−0/1−2/1−2(1in1out)
L4:1−0/1−0/1−2/1−2/1−0/1−0/1−2/1−2/2−3/2−3/2−1/2−1/2−3/2−3/2−1/2−1(1in1out)
L5:1−0/1−2/1−0/1−2/2−3/2−1/2−3/2−1(1in1out)
L6:2−3/2−1/2−3/2−1/1−0/1−2/1−0/1−2(1in1out)
用いた編糸は以下の通りであった。
L1:167dtex/48fの三本糸、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L2:167dtex/48fの三本糸、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L3:220dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
L4:220dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
L5:167dtex/48fの三本糸、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L6:167dtex/48fの三本糸、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
なお、「三本糸」とは、167dtex/48fの糸を3本合撚したものである。
得られたダブルラッセル編地をヒートセッターにて190℃で1分間熱処理した後、センターカット機にてセンターカットをして、裏張り材(実施例1)を得た。
<実施例2>
筬L3、L4の編糸を下記の編糸を用いて編成したダブルラッセル編地を用いた以外は、実施例1と同様にして、裏張り材(実施例2)を得た。
L3:84dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
L4:84dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
<実施例3>
センターカット機でパイル長が2.2mm、パイル編地の厚みが3.4mmとなるようにセンターカットした以外は実施例1と同様にして、裏張り材(実施例3)を得た。
<実施例4>
ダブルラッセル編地の密度を21コース、13ウェルに変更した以外は実施例1と同様にして、裏張り材(実施例4)を得た。
<実施例5>
ダブルラッセル編地の密度を19コース、13ウェルに変更した以外は実施例1と同様にして、裏張り材(実施例5)を得た。
<比較例1>
22Gのダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−22G、カールマイヤー社製)にて下記の編組織、糸使いにて編成したダブルラッセル編地を用いた以外は、実施例1と同様にして、パイル糸に融着糸を用いた裏張り材(比較例1)を得た。
編組織は以下の通りであった。組織図を図4に示す。
L1:4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3 (2in2out)
L2:1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2(2in2out)
L3:0−1/0−1/1−0/1−0(1in1out)
L4:0−1/0−1/1−0/1−0(1in1out)
L5:1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2(2in2out)
L6:4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/4−5/3−2/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3/1−0/2−3(2in2out)
用いた編糸は以下の通りであった。
L1:167dtex/72fの双糸、ポリエステルマルチフィラメント糸
L2:167dtex/72fの双糸、ポリエステルマルチフィラメント糸
L3:280dtex/16f、ポリエステルマルチフィラメント糸
L4:280dtex/16f、ポリエステルマルチフィラメント糸
L5:167dtex/72fの双糸、ポリエステルマルチフィラメント糸
L6:167dtex/72fの双糸、ポリエステルマルチフィラメント糸
<比較例2>
22Gのダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−22G、カールマイヤー社製)にて下記の編組織、糸使いにて編成したダブルラッセル編地を用いた以外は、実施例1と同様にして、地組織に開口部を有していない裏張り材(比較例2)を得た。
編組織は以下の通りであった。組織図を図5に示す。
L1:5−5/0−0(フルセット)
L2:0−1/1−0(フルセット)
L3:0−1/1−1/1−0/1−1/1−1/1−1/1−1/1−0/0−0/0−1/0−0/0−0(1in1out)
L4:0−0/0−1/1−1/1−0/1−1/1−1/1−0/0−0/0−1/0−0/0−0/0−0(1in1out)
L5:0−1/1−0(フルセット)
L6:5−5/0−0(フルセット)
用いた編糸は以下の通りであった。
L1:84dtex/36f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L2:84dtex/36f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L3:180dtex/1f、ナイロンモノフィラメント糸
L4:180dtex/1f、ナイロンモノフィラメント糸
L5:84dtex/36f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L6:84dtex/36f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
<比較例3>
下記の編組織、糸使いにて編成したダブルラッセル編地を用いた以外は、実施例1と同様にして、パイル糸がナイロン繊維で構成された裏張り材(比較例3)を得た。
編組織は以下の通りであった。組織図を図6に示す。
L1:2−3/2−1/2−3/2−1/1−0/1−2/1−0/1−2(1in1out)
L2:1−0/1−2/1−0/1−2/2−3/2−1/2−3/2−1(1in1out)
L3:0−1/0−1/1−0/1−0(1in3out)
L4:0−1/0−1/1−0/1−0(1in3out)
L5:1−0/1−2/1−0/1−2/2−3/2−1/2−3/2−1(1in1out)
L6:2−3/2−1/2−3/2−1/1−0/1−2/1−0/1−2(1in1out)
用いた編糸は以下の通りであった。
L1:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L2:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L3:110dtex/1f、ナイロンモノフィラメント糸
L4:110dtex/1f、ナイロンモノフィラメント糸
L5:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L6:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
<比較例4>
下記の編組織、糸使いにて編成したダブルラッセル編地を用いた以外は、実施例1と同様にして、地組織が第二部位を有していない裏張り材(比較例4)を得た。
編組織は以下の通りであった。組織図を図7に示す。
L1:6−7/4−3/6−7/4−3/1−0/3−4/1−0/3−4(3in3out)
L2:1−0/3−4/1−0/3−4/6−7/4−3/6−7/4−3(3in3out)
L3:0−1/0−1/1−0/1−0(1in3out)
L4:0−1/0−1/1−0/1−0(1in3out)
L5:1−0/3−4/1−0/3−4/6−7/4−3/6−7/4−3(3in3out)
L6:6−7/4−3/6−7/4−3/1−0/3−4/1−0/3−4(3in3out)
用いた編糸は以下の通りであった。
L1:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L2:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L3:220dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
L4:220dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
L5:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L6:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
<比較例5>
下記の編組織、糸使いにて編成したダブルラッセル編地を用いた以外は、実施例1と同様にして、地組織が第一部位を有していない裏張り材(比較例5)を得た。
編組織は以下の通りであった。組織図を図8に示す。
L1:4−5/3−2/1−0/2−3(2in2out)
L2:1−0/2−3/4−5/3−2(2in2out)
L3:0−1/0−1/1−0/1−0(1in3out)
L4:0−1/0−1/1−0/1−0(1in3out)
L5:1−0/2−3/4−5/3−2(2in2out)
L6:4−5/3−2/1−0/2−3(2in2out)
用いた編糸は以下の通りであった。
L1:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L2:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L3:220dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
L4:220dtex/1f、ポリエステルモノフィラメント糸
L5:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
L6:167dtex/48f、ポリエステルマルチフィラメント黒原着加工糸
実施例及び比較例の詳細を表1〜表4に示し、測定結果及び評価結果を表5に示す。
Figure 2020103820
Figure 2020103820
Figure 2020103820
Figure 2020103820
Figure 2020103820
実施例1〜5の裏張り材では、経方向、緯方向、及びバイアス方向の何れの方向にも静摩擦係数が4.0以上となった。また、官能評価においても、経方向、緯方向、及びバイアス方向の何れの方向にもズレが確認されなかった。このことから、実施例1〜5の裏張り材を用いたフロアマットは、フロアマットの敷設面に沿った全方向に対してズレを防止することができるものであった。
比較例1の裏張り材では、緯方向、及びバイアス方向の静摩擦係数が4.0より小さかった。官能評価では、経方向にはズレが確認されなかったが、緯方向、及びバイアス方向にはズレが生じた。このことから、比較例1の裏張り材を用いたフロアマットは、緯方向、及びバイアス方向に対してズレを十分に防止することができないと考えられる。
比較例2〜5の裏張り材では、経方向、緯方向、及びバイアス方向の静摩擦係数が4.0より小さかった。官能評価でも、経方向、緯方向、及びバイアス方向にズレが生じた。このことから、比較例2〜5の裏張り材を用いたフロアマットでは、何れの方向に対してもズレを十分に防止することができないと考えられる。
本発明のフロアマットの裏張り材、及びフロアマットの裏張り材の製造方法は、車両内装材用途に利用可能であるが、例えば、玄関マット、トイレ用マット、ペット用マット等の家庭用品の用途に応用することも可能である。
1 フロアマットの裏張り材
10、10a、10b 地組織
11 第一部位
12 第二部位
13 開口部
20 パイル糸
30 連結糸
100 ダブルラッセル編地

Claims (7)

  1. パイル編地からなるフロアマットの裏張り材であって、
    前記パイル編地は、フロアマットを敷設する床面に係止するパイル糸と、前記パイル糸が配設される地組織とを有し、
    前記パイル糸は、ポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸で構成され、
    前記地組織は、ループが経方向に連なる第一部位と、ループがバイアス方向に連なる第二部位と、前記第一部位と前記第二部位とにより囲まれた開口部とを有するフロアマットの裏張り材。
  2. 前記第一部位は、経方向が2〜10コース、緯方向が2〜6ウェルに構成されている請求項1に記載のフロアマットの裏張り材。
  3. 前記第二部位は、経方向が2コース以上、緯方向が1〜3ウェルに構成されている請求項1又は2に記載のフロアマットの裏張り材。
  4. パイル編地からなるフロアマットの裏張り材の製造方法であって、
    ループが経方向に連なる第一部位と、ループがバイアス方向に連なる第二部位と、前記第一部位と前記第二部位とにより囲まれた開口部とを有する表裏の地組織を、連結糸により連結したダブルラッセル編地を編成する工程と、
    前記表裏の地組織の間で前記連結糸を切断して前記ダブルラッセル編地を切り開くことにより、パイル編地からなる二枚の裏張り材を得る工程と
    を包含し、
    前記連結糸は、ポリエステル繊維からなるモノフィラメント糸であるフロアマットの裏張り材の製造方法。
  5. 前記ダブルラッセル編地を編成する工程では、前記連結糸を前記表裏の地組織間でクロス状に配置する請求項4に記載のフロアマットの裏張り材の製造方法。
  6. 前記ダブルラッセル編地を編成する工程では、前記表裏の地組織の夫々において、前記連結糸が常に同じ地糸と編目を形成することにより、前記連結糸の前記表裏の地組織への連結組織を形成する請求項4又は5に記載のフロアマットの裏張り材の製造方法。
  7. 前記編目は、前記連結糸と地糸とを同じ方向にオーバーラップさせることにより形成される請求項4〜6の何れか一項に記載のフロアマットの裏張り材の製造方法。
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