JP2020103330A - メディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体、及びメディカルデバイス用基材の製造方法 - Google Patents

メディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体、及びメディカルデバイス用基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、蛋白質、試薬の収着性の抑制効果が改善されたメディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体、及び、メディカルデバイス用基材の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】反応性シリコーンオイル(A)と、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)(ただし、反応性シリコーンオイル(A)である場合を除く)とを含んでなるメディカルデバイス用基材であって、反応性シリコーンオイル(A)の25℃でのJISZ 8803による粘度が、1〜17,000[mm2/s]であり、メディカルデバイス用基材全体に対して、反応性シリコーンオイル(A)が、0.10〜50質量%、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)が、50〜99.9質量%であることを特徴とするメディカルデバイス用基材。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞毒性が低く、かつ優れた蛋白質、試薬の吸着性の抑制効果を発揮するメディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体、及びメディカルデバイス用基材の製造方法に関する。
シリコーン材料は、耐熱性、耐寒性、硬度、物理的強度、耐久性、安全性に優れるため、医療用材料を含めた広範な用途に使用されており、例えば、マイクロチップと呼ばれる細胞培養器材がガラス等の基板上で保持した細胞の化学反応を観察あるいは測定する試みは、操作の簡便化・自動化による分析時間の短縮などのメリットをもたらすと期待され、近年盛んに行われてきている。マイクロチップを利用したシステムの利点としては、サンプルや試薬の使用量あるいは廃液の排出量が軽減され、省スペースで持ち運び可能な安価なシステムであることが挙げられる。
例えば非特許文献1には、上記利点を活かし、シリコーン製の流路壁面に細胞を付着させたマイクロチップを用いて細胞の機能や応答を評価する研究もなされている。
しかし、非特許文献2には、細胞を用いるマイクロチップでは、デバイスのシリコーン表面が生物試料由来の蛋白質、または、残留試験で用いられたデキサメタゾンの放射性標識化合物等による吸着が生じ、目詰まりや分析の精度や感度の低下を招くといった課題が挙げられた。
その問題を解消するために、例えば特許文献1には、ポリエチレングリコールのような親水性構造、及び/またはベタイン構造を有する重合体を有効成分とする接着防止剤でコーティングされたマイクロ流路デバイスが報告されている。しかし、接着防止剤と、シリコーン製基材流路壁面との表面張力の差が大きく、接着防止剤をコーティング処理すると、シリコーン製基材に大きなはじきムラ現象が発生しまい、接着防止剤からなるコーティング層の耐久性の懸念があった。
国際公開第2017/022815号
Analytical Chemistry 2005:77,p.2125−2131 TECHNOLOGY VOLUME5.NUMBER1.MARCH2017
本発明は、蛋白質、試薬の吸着性の抑制効果が改善されたメディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体、及び、メディカルデバイス用基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、反応性シリコーンオイル(A)と、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)(ただし、反応性シリコーンオイル(A)である場合を除く)とを含んでなるメディカルデバイス用基材であって、
反応性シリコーンオイル(A)の25℃でのJISZ 8803による粘度が、1〜17,000[mm/s]であり、
メディカルデバイス用基材全体に対して、反応性シリコーンオイル(A)が、0.10〜50質量%、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)が、50〜99.9質量%であることを特徴とするメディカルデバイス用基材に関する。
また、本発明は、反応性シリコーンオイル(A)が、アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)、エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)、及び、ジオール基変性シリコーンオイル(A3)から選ばれる1種以上である、上記メディカルデバイス用基材に関する。
また、本発明は、反応性シリコーンオイル(A)が、
官能基当量が100〜12,000g/molである末端(メタ)アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)、
官能基当量が250〜5,000g/molである側鎖または片末端エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)、及び、
官能基当量が1〜1,000g/molである片末端ジオール基変性シリコーンオイル(A3)から選ばれる1種以上である上記メディカルデバイス用基材に関する。
また、本発明は、上記メディカルデバイス用基材と、コーティング層(Y)とを積層してなることを特徴とするメディカルデバイス積層体に関する。
また、本発明は、メディカルデバイス積層体のISO18369−4(FATT法)による酸素透過係数(Dk)が、280Barrer(1Barrer=1×10−11(STP)cm/cmmmHg)以上である上記メディカルデバイス積層体に関する。
また、本発明は、反応性シリコーンオイル(A)とポリジメチルシロキサン樹脂(B)とを含むメディカルデバイス用基材の製造方法であって、
アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンと、SiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを反応させポリジメチルシロキサン樹脂(B)としたのち、反応性シリコーンオイル(A)を混合することを特徴とするメディカルデバイス用基材の製造方法に関する。
本発明のメディカルデバイス用基材、及びメディカルデバイス積層体を用いることで、タンパク吸着抑制用コーティング剤と、マイクロ流路デバイスのようなシリコーン基材との親和性が向上した。その結果、コーティング層の耐久性が向上した。
<反応性シリコーンオイル(A)>
反応性シリコーンオイルとは、主鎖にシロキサン結合を有するシリコーンのうち、線状または環状で、常温で流動性を示すものであって、主鎖中に他の結合を有していてもよい。
反応性シリコーンオイル(A)は、2官能性シロキサン(D単位)を主骨格とする一般式1で表される構造を有する。
Figure 2020103330
Rは、それぞれ独立に、メチル基、フェニル基、または反応性置換基であり、少なくとも1つが反応性置換基である。
nは、1以上の整数である。
ここで、反応性置換基としては、具体的には、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシ基等を含む置換基が挙げられる。
1つ置換基が2種以上の反応性置換基を同時に有していてもよい。また、同一シリコン元素と結合する2つの置換基がそれぞれ反応性置換基であってもよい。このような例として、同一シリコン元素に2つのヒドロキシアルキル基が結合したジオール基変性のものが好ましく挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)、エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)、ジオール基変性シリコーンオイル(A3)が好ましく、基材の親水化効果の観点では、ジオール基変性シリコーンオイル(A3)を有していることがより好ましい。
また、反応性置換基は、主鎖のシリコン元素に直接結合していてもよく、主鎖のシリコン元素が有する側鎖に結合していてもよく、主鎖の片末端または両末端に存在していてもよい。これらのうち、下記のポリジメチルシロキサン樹脂(B)との相溶性の観点から、末端(メタ)アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)、側鎖または片末端エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)、片末端ジオール基変性シリコーンオイル(A3)が好ましく使用される。
[官能基当量]
末端(メタ)アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)の官能基当量は、100〜12,0000g/molが好適である。官能基等量が100g/mol未満では、アクリロイル基が下記のメディカルデバイス用基材の表面に偏析することが起こり難く、基材の表面における親水化改質効果が顕著ではなく、下記のタンパク吸着抑制用コーティング剤が基材との密着性が低下であるが予想される。一方、官能基当量が12,0000g/molを超える場合には、下記のポリジメチルシロキサン樹脂(B)との相溶性が低下し、多量に配合しようとする場合に均一に配合するのが困難になることがある。
また、側鎖/片末端エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)の官能基当量は、250〜5,000g/molが好適である。更に、片末端ジオール基変性シリコーンオイル(A3)の官能基当量は、官能基当量が1〜1,000g/molが好適である。
その理由は、末端(メタ)アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)と同様である。
[粘度]
反応性シリコーオイル(A)の25℃での粘度は、1〜17,000[mm/s]である。1〜2,000[mm/s]が好ましい。この粘度が1[mm/s]未満の場合、粘度が低すぎて下記のポリジメチルシロキサン樹脂(B)と混合するのに十分でなく、一方17,000[mm/s]を超える場合には、下記メディカルデバイス用基材の成形性が低下して好ましくない。
反応性シリコーオイル(A)の粘度測定は、25℃での粘度(JISZ8803(2011)に規定する方法に準拠して毛細管粘度計により行った。
本発明の末端(メタ)アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)の市販品としては、信越化学製X−22−174BX(片末端変性、粘度:27[mm/s]、官能基当量:2300g/mol)、X−22−174ASX(片末端変性、粘度:9[mm/s]、官能基当量:900g/mol)、KF−2012(片末端変性、粘度:60[mm/s]、官能基当量:4600g/mol)、X−22−2426(片末端変性、粘度:200[mm/s]、官能基当量:12,000g/mol)、X−22−2404(片末端変性、粘度:5[mm/s]、官能基当量:420g/mol)等を挙げることができる。
本発明の側鎖または片末端エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)の市販品としては、信越化学製X−22−173BX(片末端変性、粘度:30[mm/s]、官能基当量:2500g/mol)、KF−1001(側鎖変性、粘度:17,000[mm/s]、官能基当量:3500g/mol)等を挙げることができる。
本発明の片末端ジオール基変性シリコーンオイル(A3)の市販品としては、信越化学製X−22−176DX(粘度:130[mm/s]、官能基当量:35g/mol)、X−22−176F(粘度:500[mm/s]、官能基当量:9g/mol)、X−22−176GX−A(粘度:400[mm/s]、官能基当量:8g/mol)等を挙げることができる。
<ポリジメチルシロキサン樹脂(B)>
本発明のポリジメチルシロキサン樹脂(B)は、シロキサン骨格を有するものであるが、粘度が17,000を超えるものであり、反応性シリコーンオイル(A)である場合は除かれる。ポリジメチルシロキサン樹脂(B)は、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを含む前駆体を、SiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む架橋剤で架橋してなるものであることが好ましい。なお、以下において、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを「ポリシロキサン(b1)」と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを「ポリシロキサン(b2)」とも称する。
「ポリシロキサン(b1)」と、「ポリシロキサン(b2)」との架橋反応は、公知の方法を適用することができる。
なお、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)は、直鎖状、分岐鎖状、または環状のいずれであっても構わない。また、これらは1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリジメチルシロキサン樹脂(B)を製造する際に使用されるポリシロキサン(b1)およびポリシロキサン(b2)の割合は特に制限はない。
[ポリシロキサン(b1)]
ポリジメチルシロキサン樹脂(B)の前駆体である、上記ポリシロキサン(b1)とは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するポリシロキサンを意味する。アルケニル基の含有量は、特に制限はない。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、メタアリル基、ブテニル基、およびヘキセニル基などが挙げられる。このうちビニル基であることが好ましい。
上記ポリシロキサン(b1)は、アルケニル基以外にも、置換基(オルガノ基)を有していてもよく、例えば、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜8個のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜8個のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアラルキル基等が挙げられる。炭素原子数1〜8個のアルキル基としては、例えば、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基およびオクチル基などが挙げられる。このうち、メチル基であることが好ましい。
炭素原子数1〜8個のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基およびオクチルオキシ基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、およびメチルフェニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基などが挙げられる。
また、上記アルケニル基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラルキル基に置換されうる基としては、例えば、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、フェニル基、アルコキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボニル基、およびシアノ基などが挙げられる。
[ポリシロキサン(b2)]
ポリシロキサン(b1)の架橋剤である、ポリシロキサン(b2)(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)は、ケイ素原子に結合する水素原子を少なくとも2個有するポリシロキサンである。該水素2個は、ポリオルガノシロキサンのアルケニル基の二重結合に付加し、架橋構造を形成する。
また、ポリシロキサン(b2)は、水素原子以外に置換基(オルガノ基)を有していてもよく、置換基としては、上記ポリシロキサンで例示したものと同様のものが挙げられる。なお、シリコーンゴムは、直鎖状、分岐鎖状、または環状のいずれであっても構わない。また、これらは1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[触媒]
なお、本形態のポリジメチルシロキサン樹脂(B)は、前駆体であるポリシロキサン(b1)とポリシロキサン(b2)とを架橋させるために触媒をさらに含んでもよい。触媒は、特に制限はないが、白金系触媒であることが好ましく、具体的には、白金黒、シリカ担持白金、炭素担持白金、塩化白金酸、塩化白金酸アルコール溶液、白金/オレフィン錯体、白金/アルケニルシロキサン錯体、白金/β−ジケトン錯体、白金/ホスフィン錯体などが挙げられる。当該触媒は、ポリシロキサン(b1)の総量に対して、約0.1〜500ppm(Pt換算)となるように添加することが好ましい。
本発明のポリジメチルシロキサン樹脂(B)の市販品としては、東レ・ダウコーニング(株)製の二液系の硬化性ポリジメチルシロキサン(PDMS)であるSylard184主剤またはSylard186主剤と、Sylard184硬化剤またはSylard186硬化剤とを、質量比10:1で混合したもの等を挙げることができる。
<メディカルデバイス用基材>
本発明のメディカルデバイス用基材は、前記反応性シリコーンオイル(A)および、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)を含むことを特徴とする。メディカルデバイス用基材は、反応性シリコーンオイル(A)を、0.10〜50質量%含み、1〜40質量%含むことがより好ましい。ポリジメチルシロキサン樹脂(B)の含有量を1〜99.90質量%含むことが好ましく、50〜99質量%含むことがより好ましい。
反応性シリコーンオイル(A)の含有量を0.10質量%以上とすることで、反応性官能基による基材の親水化の効果を発揮することができ、下記のメディカルデバイス積層体の蛋白質などの吸着性を確保することができる。また、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)の含有量を1質量%以上とすることで、メディカルデバイス用基材の成型性を確保することができる。
メディカルデバイス用基材は、例えば、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンと、SiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを反応させポリジメチルシロキサン樹脂(B)としたのち、反応性シリコーンオイル(A)を混合で得られる。
本発明のメディカルデバイス用基材は、ガラスや金属やプラスチックや剥離紙などの上に、反応性シリコーンオイル(A)と、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)の混合物を積層成型して用いることができるが、積層後、剥離紙から剥離して単独で基材として用いることができる。
本発明のメディカルデバイス用基材の成型法としては、金型加圧成型、インジェクション成型などの種々の成型法によって必要とされる形状に成型することができる。また、成型温度および成型時間は特に限定されないが、一般に、室温〜160℃で成型することが好ましい。
本発明のメディカルデバイス用基材は、前記反応性シリコーンオイル(A)および、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)のほか、必要に応じて無機質充填剤、その他添加物等を公知の混合攪拌装置等を用いて混合して含ませることができる。
[無機質充填材]
さらに、本発明のメディカルデバイス用基材は、硬度調節、耐熱性向上、増量剤のために無機質充填材を含んでもよい。無機質充填材はシリコーンエラストマーに一般に使用される種々のものがあり、フュームドシリカ、沈澱シリカ、またはこれらの表面処理された微粉末シリカその他に珪藻土、石英、クレイ等の粉末が例示される。
無機質充填剤の市販品としては、BET比表面積200m2/gのヒュームドシリカ(製品名「アエロジル200」、日本アエロジル株式会社製)等が挙げられる。
[その他添加物]
本発明のメディカルデバイス用基材は、その目的に反しない限り、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックを配合してもよい。また必要に応じて顔料(ベンガラ、各種有機顔料などの着色剤、二酸化チタン、耐熱剤、難燃剤、内部離型剤、可塑剤、無官能のシリコーンオイル等の添加剤を配合してもよい。
なお、内部離型剤としては、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸塩が例示される。なお、細胞培養用マイクロチップとして、加熱滅菌処理、熱電対の使用等の高温に晒される施術に用いる場合には、耐熱剤、難燃剤等の添加が特に好ましい。
<コーティング剤(C)><コーティング層(Y)><メディカルデバイス積層体>
本発明コーティング剤(C)は、メディカルデバイス用基材上にコーティング層(Y)として積層され、低細胞毒性、蛋白質や試薬の吸着性の抑制効果、酸素透過性、スフェロイドの形成促進効果などの機能を付与するために使用される。機能の付与が可能であれば特に制限されない。
本発明のコーティング層(Y)の積層方法としては、刷毛、浸漬、ローラ、スプレー、注入、塗工機など種々の塗布方法により基材に溶液を塗布し、乾燥することにより行われる。一方、基材がフィルム状である場合は、ディップコート、コンマコート、グラビアコート、カーテンコート、ダイコート、リップコート、マイクログラビアコート、スロットダイコート、リバースコート、キスコート等が挙げられる。塗布後、溶媒を除去し後の塗膜の膜厚は限定されないが、好ましくは1mm以下である。
本発明コーティング剤(C)は、例えば、コーティング剤樹脂(C1)を含んでなる。当技術分野で周知の方法に従って均一に混合することによって調製することができる。
例えば、日油株式会社製のLipdure[LIPIDURE−PMB](C1―1)、特開2016−112397の製造例1に記載されたメトキシエチルアクリレートとアクリル酸と重合開始剤のVPE0201(和光純薬工業社製)からなるコーティング剤樹脂(C1―2)、国際公開WO2017−022815の合成例9に記載された大阪有機化学工業社製のN−メタクリロイルオキシエチル−N,N―ジメチルアンモニウム―α―N−メチルカルボキシベタインと日油株式会社製のラウロキシポリエチレングリコール(30)モノメタクリレート(PL−1300)のコーティング剤樹脂(C1―3)等が挙げられる。
[硬化剤(C2)]
また、本発明コーティング剤(C)は、さらに硬化剤を含むことができる。硬化剤を含むことにより、前述のコーティング剤樹脂(C1)が架橋性基を有する場合(例えば、コーティング剤樹脂(C1―2))、コーティング層(Y)が架橋して耐久性(耐水性)を向上させることができる。
前述のコーティング剤樹脂(C1―2)が有する架橋性基としては、カルボキシル基及び水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋性基と反応するものが好ましい。当該架橋性基の架橋剤としては、例えば、カルボキシル基が導入されたブロック共重合体の架橋剤としては、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、アミノ化合物等が挙げられる。また、水酸基が導入されたブロック共重合体の架橋剤としては、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、アミノ化合物、アルコキシラン化合物等が挙げられる。これらの硬化剤(C2)は、コーティング層(Y)の弾性率や耐久性を上げる目的で使用したり、基材への接着力を調製したりするために用いることができる。
以下に、好ましい硬化剤(C2)の例として、カルボジイミド化合物について説明する。
[カルボジイミド基含有化合物(カルボジイミド化合物)]
カルボジイミド基含有化合物としては、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどのジカルボジイミドや、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフタレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)などのポリカルボジイミドなどを挙げることができる。
本発明において、硬化剤(C2)は、一種のみを単独で用いてもよいし、複数を併用しても良い。硬化剤(C2)の使用量は、コーティング剤(C1)中に含まれる官能基の種類やモル数を考慮して決定すればよく、特に限定されるものではないが、コーティング剤(C1)中に含まれる官能基のモル数よりも少ない範囲で配合することで、未反応の硬化剤(C2)が遊離する懸念をなくすことができる。
本発明のコーティング剤(C)は、コーティング剤(C)100質量%中、前記コーティング剤樹脂(C1)を50質量以下%含むことが好ましく、0.5〜10質量%含むことがより好ましい。コーティング剤樹脂(C1)の含有量を0.5質量%以上とすることで、蛋白質などの吸着性を発揮することができる。また、本発明のコーティング剤(C)は、コーティング剤樹脂(C1)、硬化剤(C2)の以外の成分を含んでも良い。
[溶媒]
本発明のコーティング剤(C)は、コーティング剤樹脂(C1)、硬化剤(C2)の以外の成分として溶媒を含有してもよく、2種以上を併用して含んでもよい。溶媒は、用途に応じて、例えば、アミンオキシドン量に依存するブロック共重合体の溶解性や製膜条件等を考慮し、従来公知の溶媒から適宜選択することができる。
例えば、水、メタノールやエタノール等のアルコール類、アセトンやエチルメチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフランやジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ギ酸や酢酸等の有機酸、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機塩基、または、アセトンやエチルメチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフランやジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルに加え、ジクロロメタンやトリクロロメタン等のハロゲン溶媒を選択することができる。
[その他添加剤等]
本発明のコーティング剤(C)は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有してもよく、界面活性剤、等張化剤、キレート化剤、pH調整剤、緩衝剤、増粘剤、安定化剤、タンパク質分解酵素、薬理活性成分、生理活性成分や、医薬品添加物辞典に記載された各種添加剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。これらは1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
例えば、イオンバランスを調製するために、pH調整剤を含有してもよい。pH調整剤としては、酸性又は塩基性の化合物が挙げられる。酸性pH調整剤の例としては、カルボン酸、無機酸及びスルホン酸が挙げられ、塩基性pH調整剤の例としては、水酸化物、アルコキシド、第一級及び第二級アミン以外の窒素含有化合物、塩基性炭酸塩、並びに塩基性リン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。細胞培養器材処理剤のpH値は、4.0〜9.0程度、好ましくは6.0〜8.0程度、であり、7.0付近になるように調整して用いることが好ましい。
また、等張化剤としては、糖、ポリアルコール(マンニトール、ソルビトールなど)又は塩化ナトリウム等が挙げられる。増粘剤、安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等の合成有機高分子化合物、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシエチルスターチ等のスターチ誘導体、コンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸塩等が挙げられる。
<メディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体の形態・用途>
本発明に係るメディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体の形態は、立体的な成型体の他、シート状、糸状であってもよい。シート状のものとしては、フィルム、不織布、紙等が挙げられる。
本発明のメディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体の用途は、医療用器材であれば特に制限されず、具体例としては、例えば、血液バッグ、採尿バッグ、輸血セット、縫合糸、ドレーンチューブ、各種カテーテル、ブラッドアクセス、血液回路、人工血管、人工腎臓、人工心肺、人工弁、血漿交換膜、各種吸着体、CAPD、IABP、ペースメーカー、人工関節、人工骨頭、歯科材料、各種シャント等が挙げられる。
また、このようなメディカルデバイス用基材、メディカルデバイス積層体としては、具体的には、例えば、シリコーン含有医療用デバイス、マイクロ流路を有するシリコーン基材、好ましくはシリコーン含有マイクロ流路デバイスが挙げられる。
前記マイクロ流路デバイスとしては、例えば、微小反応デバイス(具体的にはマイクロリアクターやマイクロプラント等)、集積型核酸分析デバイス、微小電気泳動デバイス、微小クロマトグラフィーデバイス等の微小分析デバイス;質量スペクトルや液体クロマトグラフィー等の分析試料調製用微小デバイス;抽出、膜分離、透析などに用いる物理化学的処理デバイス;環境分析チップ、臨床分析チップ、遺伝子分析チップ(DNAチップ)、タンパク質分析チップ(プロテオームチップ)、糖鎖チップ、クロマトグラフチップ、細胞解析チップ、製薬スクリーニングチップ等のマイクロ流路チップが挙げられる。これらの中でも、マイクロ流路チップが好ましい。
なお、前記マイクロ流路デバイスは、微量の試料(好ましくは液体試料)が流れる部位であり、その流路幅及び深さは特に限定されないが、いずれも、通常、0.1μm〜1mm程度であり、好ましくは10μm〜800μmである。なお、マイクロ流路の流路幅や深さは、流路全長にわたって同じであってもよく、部分的に異なる大きさや形状であってもよい。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」をそれぞれ表す。
<反応性シリコーンオイル(A)>
反応性シリコーンオイル(A1―1):信越化学製片末端メタクリル基変性シリコーンオイル X−22−174ASX
反応性シリコーンオイル(A1―2):信越化学製片末端メタクリル基変性シリコーンオイル X−22−174BX
反応性シリコーンオイル(A2―1):信越化学製片末端エポキシ基変性シリコーンオイル X−22−173BX
反応性シリコーンオイル(A2―2):信越化学製側鎖型エポキシ基変性シリコーンオイル KF−1001
反応性シリコーンオイル(A3―1):信越化学製片末端ジオール基変性シリコーンオイル X−22−176DX
反応性シリコーンオイル(A3―2):信越化学製片末端ジオール基変性シリコーンオイル X−22−176F
<ポリジメチルシロキサン樹脂(B)の調製>
東レ・ダウコーニング製 Sylard184、Sylard186を、それぞれの主剤と硬化剤を質量比10:1で配合して、ポリジメチルシロキサン樹脂(B―1)、ポリジメチルシロキサン樹脂(B―2)を得た。
<メディカルデバイス用基材の製造と評価>
<メディカルデバイス用基材(D)の調製>
[実施例1〜12、比較例1〜3]
表1に示した配合比で、反応性シリコーンオイル(A1−1、2)、(A2−1、2)、(A3−1、2)を、各々をポリジメチルシロキサン樹脂(B―1)、ポリジメチルシロキサン樹脂(B―2)に配合・調製し、IWAKI製無処理ディッシュ1010―060に、1.6gを均一に流し込んだ後、65℃で6時間、真空熱硬化を行った。そして、ディッシュから剥離した状態の膜をピンセットで取り出して、直径が60mm、厚さ500μmのメディカルデバイス用基材(D−1〜15)を得た。
メディカルデバイス用基材(D−15)は、反応性シリコーンオイル(A3−1)がポリジメチルシロキサン樹脂(B−1)からブリード現象を生じたため、ディッシュから膜の剥離ができなかった。
[対水接触角]
上記メディカルデバイス用基材(D−1〜14)における水との接触角を、JISK6788(ISO8296)の方法に基づいて測定した。
評価の結果を表1.に示す。
Figure 2020103330
[実施例13〜24、比較例4、5]
<コーティング剤(C)の製造>
コーティング剤(C1−1、3)
日油株式会社製のLipdure[LIPIDURE−PMB]及び、:国際公開WO2017−022815の合成例9で合成した共重合体を、それぞれをエタノールで希釈して1%溶液を調製し、(C1−1)、(C1−3)を得た。
更に、特開2016−112397の製造例1で合成したブロック重合体、を75.0部と、硬化剤(C2)としてカルボジイミド基含有化合物(日清紡ホールディングス(株)製;カルボジライトV−02)25.0部とをエタノールで希釈して1%溶液を調製し、コーティング剤(C1−2)を得た。
得られたコーティング剤(C)を表2.に示す。
表2中の略号は以下のとおりである。
C2:カルボジイミド基含有化合物(日清紡ホールディングス(株)製;カルボジライトV−02)
メディカルデバイス用基材(D−1〜14)を100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製ガラスイーグル2000)に両面テープで固定した。
得られたコーティング剤(C1―1、3)を、メディカルデバイス用基材(D−1〜14)
スピンコーターを用いて80℃2時間加熱後の仕上がり膜厚が2.0μmとなるように塗布したメディカルデバイス積層体(S1―14)を得た。
得られたメディカルデバイス積層体(S1―14)を表2.に示す。
[対水接触角]
上記メディカルデバイス積層体(S1―14)における水との接触角を、JISK6788(ISO8296)の方法に基づいて測定した。
評価の結果を表2に示す。
Figure 2020103330
<メディカルデバイス積層体の評価>
[実施例25〜36、比較例6、7]
更に、メディカルデバイス積層体(S1―14)をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)容器に入れ、24時間浸漬した後取り出して、蒸溜水で軽く流し、室温で24時間かけ、真空乾燥器に入れ、乾燥を行った。乾燥後のメディカルデバイス積層体(S1'―14')における水との接触角を、JISK6788(ISO8296)の方法に基づいて測定した。
評価の結果を表3に示す。
Figure 2020103330
[実施例37〜48、比較例8、9]
[タンパク質および試薬の吸着性]
タンパク質および試薬の吸着性をテストするために、HRP抗体―酵素評価を行った。
U字の24ウェルプレートに、メディカルデバイス積層体(S1―14)を11mm角にカットして入れ、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で10000倍希釈したHRP-IgG溶液1mlを添加して浸漬させた。室温で1時間インキュベートした後、PBS-T(0.1% Tween20)を用いて各ウェルを4回洗浄した。染色液を各ウェルに1mlずつ分注し、室温で10分間インキュベートした後、反応停止液を各ウェルに1mlずつ分注後、450nm(副波長650nm)の吸光度Aλを、MITHRAS2LD943−M2Mマイクロプレートリーダーを用いて測定した。吸光度Aλが小さいほど抗体蛋白質吸着性が低く良好である。以下の基準で評価した。
染色液:TMBZ溶液(3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン)
反応停止液:タカラバイオ社製 WASH and Stop Solution ForELISA With Solution for ELISA without Sulfuric Acid
HRP-IgG:酵素、抗体(HORSERADIH PEROXIDASE IMMUNOGLOBULING)
PBS-T:PBSに0.1% Tween20を添加したもの
(評価基準)
◎:Aλ≦0.2(極めて良好)
○:0.2<Aλ≦0.6(良好)
△:0.6<Aλ≦0.8(使用可能)
×:0.8<Aλ(不良)
評価の結果を表4に示す。
Figure 2020103330
[酸素透過の試験]
酸素透過率測定装置(201T、Rehder社)の平面電極セルを使用して、ISO18369−4(FATT法)に定められている方法により酸素透過係数(Dk)を測定した。(1Barrer=1×10−11(STP)cm/cmmmHg)
◎:Dk≧300Barrer(極めて良好)
○:300>Dk≧280(良好)
△:280>Dk≧20(使用可能)
×:20>Dk(不良)
評価の結果を表4に示す。
表1に示すように、本発明のメディカルデバイス用基材(D1〜12)は、メディカルデバイス用基材(D13、14)より、優れた親水性を示した。
表2に示すように、本発明のメディカルデバイス積層体(S1〜12)は、メディカルデバイス用基材(S13、14)より、親水性を示し、コーティング剤はメディカルデバイス用基材へのコーティングが速やかに進行した。
表3に示すように、本発明のメディカルデバイス積層体(S1'〜12')は、メディカルデバイス用基材(S13メディカルデバイス用基材(S13'、14')より、親水性を示し、コーティング層とメディカルデバイス用基材の密着耐久性を向上した。
表4に示すように、本発明のメディカルデバイス積層体(S1〜12)は、メディカルデバイス積層体(S13、14)より、優れた酸素透過性を有して、更に、蛋白質の吸着防止効果を発揮することを示した。

Claims (6)

  1. 反応性シリコーンオイル(A)と、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)(ただし、反応性シリコーンオイル(A)である場合を除く)とを含んでなるメディカルデバイス用基材であって、
    反応性シリコーンオイル(A)の25℃でのJISZ 8803による粘度が、1〜17,000[mm/s]であり、
    メディカルデバイス用基材全体に対して、反応性シリコーンオイル(A)が、0.10〜50質量%、ポリジメチルシロキサン樹脂(B)が、50〜99.9質量%であることを特徴とするメディカルデバイス用基材。
  2. 反応性シリコーンオイル(A)が、アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)、エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)、及び、ジオール基変性シリコーンオイル(A3)から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のメディカルデバイス用基材。
  3. 反応性シリコーンオイル(A)が、
    官能基当量が100〜12,000g/molである末端(メタ)アクリロイル基変性シリコーンオイル(A1)、
    官能基当量が250〜5,000g/molである側鎖または片末端エポキシ基変性シリコーンオイル(A2)、及び、
    官能基当量が1〜1,000g/molである片末端ジオール基変性シリコーンオイル(A3)から選ばれる1種以上である請求項1または2記載のメディカルデバイス用基材。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のメディカルデバイス用基材と、コーティング層(Y)とを積層してなることを特徴とするメディカルデバイス積層体。
  5. メディカルデバイス積層体のISO18369−4(FATT法)による酸素透過係数(Dk)が、280Barrer(1Barrer=1×10−11(STP)cm/cmmmHg)以上である請求項4記載のメディカルデバイス積層体。
  6. 反応性シリコーンオイル(A)とポリジメチルシロキサン樹脂(B)とを含むメディカルデバイス用基材の製造方法であって、
    アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンと、SiH基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを反応させポリジメチルシロキサン樹脂(B)としたのち、反応性シリコーンオイル(A)を混合することを特徴とするメディカルデバイス用基材の製造方法。
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